JP3289045B2 - ディジタル記録再生装置 - Google Patents

ディジタル記録再生装置

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JP3289045B2
JP3289045B2 JP20108494A JP20108494A JP3289045B2 JP 3289045 B2 JP3289045 B2 JP 3289045B2 JP 20108494 A JP20108494 A JP 20108494A JP 20108494 A JP20108494 A JP 20108494A JP 3289045 B2 JP3289045 B2 JP 3289045B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル映像信号と
ディジタル音声信号とを、斜めトラックのそれぞれ決め
られたエリアに記録するようなトラックフォーマットを
有するディジタル記録再生装置に関し、特に、ディジタ
ル映像信号とディジタル音声信号とがビットストリーム
で入力され、このビットストリームを記録するディジタ
記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図99は一般的な家庭用ディジタル記録
再生装置のトラック図である。図において、磁気テープ
には斜めトラックが構成されており、一つのトラックは
ディジタル映像信号を記録する映像エリアと、ディジタ
ル音声信号を記録する音声エリアとの二つのエリアに分
割されている。
【0003】このような家庭用ディジタル記録再生装置
に映像信号及び音声信号を記録するには二つの方法があ
る。一つは、アナログの映像信号と音声信号とを入力と
して、映像,音声の高能率符号化器を用いて記録する、
いわゆるベースバンド記録方式である。もう一つは、デ
ィジタル伝送されたビットストリームを記録する、いわ
ゆるトランスペアレント記録方式である。
【0004】アメリカ合衆国で審議されているATV
(Advanced Television)信号を記
録するには、後者のトランスペアレント記録方式が適し
ている。その理由は、ATV信号は既にディジタル圧縮
された信号であり、高能率符号化器,復号化器が不要で
あること、そのまま記録するので画質の劣化がないこと
などによる。一方、短所としては、高速再生、スチル,
スローなどの特殊再生時の画質である。特に、ビットス
トリームを斜めトラックにそのまま記録しただけでは、
高速再生時はほとんど画像を再生することができない。
【0005】上述のようなATV信号を記録するディジ
タル記録再生装置の方式として、1993年10月26
日から28日にカナダ国オタワ市で開催された“Int
ernational Workshop on HD
TV’93”における技術発表に、“A Record
ing Method of ATV data on
a Consumer Digital VCR”が
ある。以下、この内容を従来例として述べる。
【0006】家庭用ディジタル記録再生装置のプロトタ
イプの基本仕様として、SD(Standard De
finition)モード時、ディジタル映像信号の記
録レートを25Mbpsとして、フィールド周波数が6
0Hzの場合、映像の1フレームを10トラックの映像
エリアに記録するものがある。ここで、ATV信号のデ
ータレートを17−18Mbpsとすると、このSDモ
ードでATV信号のトランスペアレント記録が可能にな
る。
【0007】図100は従来のディジタル記録再生装置
の通常再生時と高速再生時とにおけるヘッドトレース図
である。図において、各トラックは違ったアジマス角度
を持つヘッドにより交互に斜め記録されている。通常再
生時は、テープ送り速度が記録時と同じであるので、ヘ
ッドは記録トラックに沿って、図100(a)のように
トレースすることができる。しかし、高速再生時はテー
プ速度が異なるためいくつかのトラックを横切ってトレ
ースし、各同一アジマストラックの断片のみを再生する
ことができる。図100(b)では5倍速の早送りの場
合を示す。
【0008】MPEG2のビットストリーム(ATV信
号のビットストリームはほぼMPEG2のビットストリ
ームに準拠している)では、イントラ符号化されたブロ
ックのみが他のフレームを参照せずに独立に復号でき
る。もし、MPEG2のビットストリームが順番に各ト
ラックに記録されているとしたら、高速再生時の再生デ
ータはバーストからイントラ符号のみで画像を再構成す
ることになる。このとき、スクリーン上では、再生され
るエリアは連続ではなく、また、ブロックの断片がスク
リーンに広がることになる。さらに、ビットストリーム
は可変長符号化されているので、スクリーンのすべてが
周期的に更新される保証はなく、ある一部が長い時間更
新されないこともある。結果として、高速再生時の画質
は十分とは言えず、家庭用ディジタル記録再生装置では
受け入れられないことになる。
【0009】図101は従来のディジタル記録再生装置
におけるビットストリーム記録装置の構成を示すブロッ
ク図である。ここでは、各トラックの映像エリアを、す
べてのATV信号のビットストリームを記録するメイン
エリアと、高速再生時に画像の再構成に用いるビットス
トリームの重要な部分(以下、HPデータという)を記
録する複写エリアとに分ける。高速再生時は、イントラ
符号化ブロックのみが有効であるので、複写エリアにこ
れを記録するが、さらにデータを削減するために、すべ
てのイントラ符号化ブロックから低域周波数成分を抜き
出して、HPデータとして記録する。図101におい
て、401はビットストリームの入力端子、402はビ
ットストリームの出力端子、403はHPデータの出力
端子、404は可変長復号器、405はカウンタ、40
6はデータ抜き取り回路、407はEOB(End o
f Block)付加回路である。
【0010】MPEG2のビットストリームは入力端子
401から入力され、出力端子402からそのまま出力
されて、メインエリアに順次記録される。一方、入力端
子401からのビットストリームは可変長復号器404
にも入力され、MPEG2のビットストリームのシンタ
ックスが解析され、イントラ画像を検出し、カウンタ4
05にてタイミングを発生し、データ抜き取り回路40
6でイントラ画像のすべてのブロックの低域周波数成分
を抜き出し、さらに、EOB付加回路407でEOBを
付加して、HPデータを構成し、複写エリアに記録す
る。
【0011】図102は従来のディジタル記録再生装置
の再生時の概念図である。通常再生時はメインエリアに
記録されているすべてのビットストリームが再生され、
ディジタル記録再生装置の外にあるMPEG2復号器に
送られる。HPデータは捨てられる。一方、高速再生時
は、複写エリアのHPデータのみが集められて復号器に
送られ、メインエリアのビットストリームは捨てられ
る。
【0012】次に、メインエリアと複写エリアとの1ト
ラック上の配置について述べる。図103は従来のディ
ジタル記録再生装置の高速再生時のヘッドトレースの例
を示す図である。テープ速度が整数倍速で、位相ロック
制御されておれば、ヘッドスキャンニングは同じアジマ
ストラックに同期する。従って、再生されるデータの位
置は固定される。図103において、再生信号の出力レ
ベルが−6dBより大きい部分が再生されると仮定する
と、一つのヘッドにより網掛けした領域が再生されるこ
とになる。図103では9倍速の例を示しており、9倍
速ではこの網掛け領域の信号読み出しが保証される。従
って、HPデータをこのエリアに記録すれば良い。しか
し、他の倍速では、信号読み出しは保証されず、いくつ
かのテープ速度で読み出せるようこの領域を選ぶ必要が
ある。
【0013】図104は従来のディジタル記録再生装置
の高速再生時の回転ヘッドのトラック上のスキャン領域
を示す図である。各テープ速度でスキャンされる領域に
は、いくつかの重複領域がある。これらの領域から複写
エリアを選択し、異なるテープ速度でのHPデータの読
み出しを保証する。図104では、4倍,9倍,17倍
の早送りの場合を示しているが、これらのスキャン領域
は、−2倍,−7倍,−15倍の早送りの場合と同じに
なる。
【0014】いくつかのテープ速度で、全く同じ領域を
ヘッドがトレースするのは不可能である。それは、テー
プ速度によりヘッドが横切るトラック数が異なるからで
ある。さらに、どの同一アジマストラックからもトレー
スできる必要がある。図105は従来のディジタル記録
再生装置における異なるテープ速度のヘッドトレースの
例を示す図である。図105では、5倍速と9倍速との
重複領域から領域1,2,3が選択されている。同じH
Pデータを9トラックに繰り返し記録することにより、
HPデータは5倍速,9倍速どちらでも読み出せる。
【0015】図106は従来のディジタル記録再生装置
における5倍速時のヘッドトレースの例を示す図であ
る。図からわかるように、テープ速度と同じトラック数
に同じHPデータを繰り返し記録することにより、HP
データは、同一アジマストラックに同期したヘッドによ
り、読み出すことができる。したがって、高速再生の最
大のテープ速度と同じトラック数に、HPデータの複製
を繰り返すことにより、複製HPデータは、いくつかの
テープ速度で、正方向,逆方向のどちらでも、読み出し
を保証することができる。
【0016】図107は従来のディジタル記録再生装置
におけるトラックの配置図であり、メインエリアと複写
エリアとの例を示す。家庭用ディジタル記録再生装置
は、各トラックの映像エリアは135のシンクブロック
から構成されており、メインエリアは97シンクブロッ
ク、複写エリアは32シンクブロックとした。この複写
エリアは、図104で示した、4,9,17倍速に対応
する重複領域を選んでいる。この場合、メインエリアの
データレートは約17.5Mbps、複写エリアは17
回同じデータが記録されるので、約340kbpsとな
る。
【0017】図108は上記の方法により作成されたH
Pデータにより再構成された高速再生画像の画質を評価
するための図である。上述のようにHPデータはイント
ラ符号化されたブロックのみから構成される。MPEG
2等に採用される高能率符号化方式においてはイントラ
符号化としてDCTをベースとした直交変換と2次元の
可変長符号化とが組み合わされて使用される。本従来例
においてもイントラ符号化として上記DCT変換と可変
長符号化を用いるものとして、説明を続ける。図109
はDCTブロックの構成を示す図である。図のように、
DCTブロックは縦横8×8個のデータブロックとして
得られる。DCTブロックの内、左上隅のシーケンス0
番のデータをDC係数と呼び、またシーケンス1から6
3までをAC係数と呼び、中でも、シーケンス番号の小
さいものは低域係数、大きいものは高域係数と呼ばれ
る。DCTブロックの各係数は、図109に示すシーケ
ンス番号順にジグザグスキャニングと呼ばれるスキャン
ニング方式により低域側の係数より順に出力される。図
108において、横軸にDCTブロックの全ての係数を
伝送する場合の伝送データ量を100%とした時、DC
係数から順に伝送するシーケンス数を変化させた場合の
伝送データ率(以下、データ取得率と記す)を示す。ま
た、図108の縦軸には各伝送シーケンス数時における
S/N比を示す。図110は図108を説明するための
図であり、プロットで示した点(但し、図108中の左
端を0番とする)の伝送シーケンス数を示している。
【0018】図108に示すように、より高域係数まで
伝送するに従い、データ取得率の変化量に比較して、S
/N比の向上が著しくなることがわかる。なお、本デー
タは計算機シミュレーションによりNTSC信号レベル
でY信号のみについて行った結果得られたものである
が、データ取得率とS/N比の改善量の関係はATV信
号においてもほぼ同様の関係があると予想される。
【0019】ここで図108に示した伝送シーケンス数
変化時のデータ取得率とS/N比の関係を上記図107
に示した各トラックのメインエリアと複写エリアとを用
いて説明する。上記図107より家庭用ディジタル記録
再生装置のプロトタイプの基本仕様では、各トラックの
映像エリアは135のシンクブロックから構成されてお
り、メインエリアのデータレートは17.5Mbps、
複写エリアのデータレートは約340kbpsであっ
た。ここで1秒間に1枚のイントラ画面を伝送している
とすると、イントラ符号化データのレートは1.5Mb
ps程度と予測されるが、複写エリアのデータ取得率は
メインエリアのデータ取得率の約23%(340k/
1.5M=0.23)となる。
【0020】このことを踏まえ、図108を参照すると
データ取得率が約23%となるまでに、DC係数とAC
係数2シーケンス程度を伝送することができる。よっ
て、高速再生時の再生画像のS/N比は約23.9dB
程度と予想される。
【0021】また、図111は従来のHPデータの記録
方法を説明するための図であり、上記図107に従い、
高速再生の最大テープ速度を17倍速とした時にトラッ
ク上の複写エリアへのHPデータの記録状態を具体的に
示している。図において、A及びBは異なるアジマス角
度を有するヘッドにより記録されたトラックを示す。図
中に示した1,2,3,...はHPデータの画面上の
位置を示す。以下、HPデータの画面上の位置1,2,
3を例としてHPデータの再生状態について説明する。
【0022】また、図112は5倍速再生時のヘッド走
査軌跡を示す図である。図の斜線を施した部分が5倍速
再生時に同一アジマス再生部分で高速再生データとして
得られる部分である。図のように、ヘッドAは同一アジ
マス再生部分のHPデータ領域をスキャン順に1,2,
3,1,2,3のようにスキャンする。また、ヘッドB
は同一アジマス再生部分のHPデータ領域をスキャン順
に1,2,3,...のようにスキャンする。従って
1,2,3のHPデータがすべて再生される。
【0023】また、図113は9倍速再生時のヘッド走
査軌跡を示す図である。図の斜線を施した部分が9倍速
再生時に同一アジマス再生部分で高速再生データとして
得られる部分である。図のように、ヘッドAは同一アジ
マス再生部分のHPデータ領域をスキャン順に1,2,
3のようにスキャンする。また、ヘッドBは同一アジマ
ス再生部分のHPデータ領域をスキャン順に1,
2,...のようにスキャンする。従って1,2,3の
HPデータがすべて再生される。
【0024】また、図114は17倍速再生時のヘッド
走査軌跡を示す図である。図の斜線を施した部分が17
倍速再生時に同一アジマス再生部分で高速再生データと
して得られる部分である。図のように、ヘッドAは同一
アジマス再生部分のHPデータ領域をスキャン順に1,
2,3のようにスキャンする。従って1,2,3のHP
データがすべて再生される。
【0025】以上に示した、5倍速,9倍速,17倍速
の3つの高速再生が可能となるHPデータの構成方法に
よれば、高速再生の最大テープ速度である17倍速再生
時に図114に示すように1,2,3のHPデータ領域
を1回ずつスキャンして、同一アジマス再生部分で1,
2,3のすべてデータを再生することができる。これに
対して、図113に示す9倍速再生時には1,2,3の
HPデータの領域を1回スキャンして、同一アジマス再
生部分で1,2,3のすべてのデータを再生することが
できるが、さらに同一アジマス再生部分で再生信号が得
られるHPデータ領域1,2をもう一回スキャンしてい
るものである。同様に図112に示す5倍速再生時には
1,2,3のHPデータ領域を1回スキャンして、同一
アジマス再生部分で1,2,3のすべてのデータを再生
することができるが、さらに同一アジマス再生部分で再
生信号が得られるHPデータ領域1,2,3をもう2回
スキャンしているものである。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ユーザの要望の中に
は、規定倍速より高速倍で画質が劣化しても映像のおお
まかな内容を掴みたいということがある。上記従来例に
おいては、規定倍速内の再生時に画質は一定で供給でき
るが、規定倍速以上の倍速を設定することは困難であ
る。MPEG2のビットストリームでは、ブロックが連
続して並んでおり、そのブロックの画面上の位置を示す
アドレスは、ブロック間で相対的に決定されている。こ
のため、ブロックが途中で抜けてしまうと正しい画面上
の位置に再生することができない。画質の劣化と引き換
えに規定倍速以上の高速倍速時の再生ブロックの数を増
やし、映像の中身を特定できるようにする必要がある。
また、規定倍速内の場合にはある程度の画質(例えば、
上記例と差が認識できないぐらい、もしくは全く同等)
を達成する必要がある。
【0027】また、従来のディジタル記録再生装置は以
上のように構成されているので、HPデータは、イント
ラ符号化ブロックから低域側の係数を抜き出して記録さ
れるものであるが、図108に示すように低域側の係数
だけでは十分なS/N比が得られず、より高域側の係数
までが高画質な高速再生画像を得るためには必要である
という問題点がある。
【0028】また、従来の家庭用ディジタル記録再生装
は以上のように構成されており、上記複写エリアに特
殊再生用データを何回も重複して記録しているために、
特殊再生用データの記録レートが著しく低く、特にスロ
ー再生、または高速再生においては再生画質が十分に得
られないという問題点を有していた。例えば、イントラ
フレームが2枚/秒とすると、ATV信号のイントラ符
号化のみのデータ量は約3Mbps程度と予測される
が、従来例では約340kbpsしか記録することがで
きず再生画質は非常に劣化する。
【0029】また、従来の技術では1トラック上に通常
再生用のメインエリアと高速再生用の複写エリアを設
け、予め設定された高速再生の最大テープ速度と同じト
ラック数にHPデータの複写を繰り返すことにより、複
写HPデータは上記最大再生速度以下のいくつかのテー
プ速度で(正方向、逆方向のどちらの方向でも良い)必
ず一度は再生されるが、同一のHPデータの複写回数を
高速再生の最大テープ速度としているため、最大テープ
速度より低速での高速再生時には、上記図112,図1
13に示す例のように本来同一アジマス再生部分より再
生信号が得られてくるデータ量に対して、実際に再生信
号として得られるHPデータの再生効率が悪い。従っ
て、再生効率が悪い分、再生画質が劣化するという問題
点があった。
【0030】また、従来の家庭用ディジタル記録再生装
は、以上のように構成されているので、高速再生時の
倍速を上げていくと、複写エリアの各シンクブロックに
対する出力レベルのマージンはしだいに小さくなるた
め、例えば、図107のような複写エリアの配置で17
倍速の高速再生を行った場合に、ヘッド,テープの状態
等によってシンクブロック番号16,26といった部分
のシンクブロックの出力レベルが充分に得られず、デー
タが正しく読み出せないといった状況が起こり得る。こ
のような場合、読み出せなかったシンクブロックに記録
されていたブロックのデータは全く出力されないという
問題点があった。また、イントラデータをすべてチェッ
クするためには、ATVのビットストリームのヘッダを
マクロブロックの単位ですべて解析しなければならない
という問題点もあった。
【0031】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたものであり、限られたエリアにより多くの数
の映像ブロックの低域HPデータを記録できるをディジ
タル記録再生装置を提供することを目的とする。
【0032】本発明の他の目的は、再生時、規定倍速内
では、低域HPデータと高域HPデータを組み合わせて
再生し、規定倍速数を越える場合は、低域が記録された
HPデータのみを再生し、その他の領域は捨ててしまう
ように再生を行い、高速再生時に従来に比して大面積な
高速再生映像を得ることができるディジタル記録再生装
を提供することにある。
【0033】本発明の更に他の目的は、再生時、規定倍
速内では、低域HPデータと高域HPデータとを組み合
わせて再生し、規定倍速数を越える場合は、複写エリア
に記録されたPHASE信号をチェックし、そのPHA
SE信号が低域エリアのものと一致する高域エリアのH
Pデータを低域エリアのHPデータと結合して再生し、
その他の領域は捨ててしまうように再生を行い、高速再
生時に従来に比して大面積でより高画質な高速再生映像
を得ることができるディジタル記録再生装置を提供する
ことにある。
【0034】本発明の更に他の目的は、MPEG2のシ
ンタックスの解析をピクチャヘッダのイントラ情報を利
用することにより、マクロブロックのような細かな単位
までシンタックスの解析を行わずに、簡単にイントラブ
ロックであることを識別できるディジタル記録再生装置
を提供することにある。
【0035】本発明の更に他の目的は、1トラック上に
通常再生用のメインエリアと高速再生用の複写エリアを
設け、高速再生時に画像の再構成に用いるHPデータを
ATV信号の可変長符号化を施されたビットストリーム
から構成する符号化方式において、HPデータの記録デ
ータ量を増やすことなく、高速再生時の再生画質を向上
することを可能としたディジタル記録再生装置を提供す
ることにある。
【0036】本発明の更に他の目的は、特にスチル再
生,スロー再生及び高速再生時の画質を改善することが
できるディジタル記録再生装置を提供することにある。
【0037】本発明の更に他の目的は、高速再生時に読
み出しエラーが生じた場合に、その影響がブロックのデ
ータ全てに及ぶことを防止できるディジタル記録再生装
を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
ディジタル記録再生装置は、ディジタル映像信号とディ
ジタル音声信号とがビットストリームで入力され、この
ビットストリームをトランスペアレント記録方式で記録
するディジタル記録再生装置において、記録するビット
ストリームからイントラ符号化ブロックを検出・抽出す
る手段と、すべてのイントラ符号化ブロックから低域周
波数成分を抜き出し、高速再生用のHPデータを構成す
る手段と、1トラック内でビットストリームのみを記録
するメインエリア及び前記HPデータを記録する複数の
複写エリアを有するフォーマットで記録する手段とを備
え、HPデータを低域HPデータと高域HPデータとに
分割し、このHPデータに複写間隔を単位としてその値
を変えるPHASE信号を付加して、複数の複写エリア
を低域HPデータを記録する低域エリアと高域HPデー
タを記録する高域エリアとに指定し、それぞれの信号を
記録するようにしたものである。
【0039】本発明の請求項2に係るディジタル記録再
生装置は、請求項1において、通常再生時にメインエリ
アに記録されたビットストリームを再生信号としてデコ
ーダに伝送し、規定倍速内の再生時には、PHASE信
号をチェックし、同一のPHASE信号をもつ低域エリ
アの低域HPデータと高域エリアの高域HPデータとか
ら再生HPデータを構成してデコーダに伝送し、規定倍
速を越える高速な再生時には、PHASE信号に関わら
ず、低域エリアの低域HPデータを再生HPデータとし
てデコーダに伝送するようにしたものである。
【0040】本発明の請求項3に係るディジタル記録再
生装置は、請求項1において、通常再生時にメインエリ
アに記録されたビットストリームを再生信号としてデコ
ーダに伝送し、規定倍速内の再生時には、PHASE信
号をチェックし、同一のPHASE信号をもつ低域エリ
アの低域HPデータと高域エリアの高域HPデータとか
ら再生HPデータを構成してデコーダに伝送し、規定倍
速を越える高速な再生時にも、PHASE信号をチェッ
クし、低域エリアの低域HPデータのPHASE信号と
そのPHASE信号が一致する高域エリアの高域HPデ
ータが存在すれば、このデータを使用して再生HPデー
タを再構成し、デコーダに伝送するようにしたものであ
る。
【0041】本発明の請求項4に係るディジタル記録再
生装置は、請求項1において、検出・抽出するイントラ
符号化ブロックが、イントラ符号化フレームまたはイン
トラ符号化フィールドに属するものである。
【0042】本発明の請求項5に係るディジタル記録再
生装置は、可変長符号化された入力ディジタルデータ
と、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、入
力ディジタルデータの一部を可変長復号し、その復号さ
れたデータを予め定められた値で除算し、除算されたデ
ータを可変長符号化して特殊再生用ディジタルデータを
生成するようにしたものである。
【0043】本発明の請求項6に係るディジタル記録再
生装置は、請求項5において、可変長復号されたディジ
タルデータにさらに予め定められた値で除算を施された
ディジタルデータに対して、さらに可変長符号化を行う
際、可変長符号化を行うデータ単位内のディジタルデー
タを全て伝送するようにしたものである。
【0044】本発明の請求項7に係るディジタル記録再
生装置は、請求項5において、可変長復号されたディジ
タルデータにさらに予め定められた値で除算を施された
ディジタルデータに対して、さらに可変長符号化を行う
際、可変長符号化を行うデータ単位内のディジタルデー
タを予め定められたデータ数分だけ伝送するようにした
ものである。
【0045】本発明の請求項8に係るディジタル記録再
生装置は、請求項5において、可変長復号されたディジ
タルデータにさらに予め定められた値で除算を施された
ディジタルデータに対して、さらに可変長符号化を行う
際、可変長符号化を行うデータ単位に、予め定められた
符号量に達するまで、可変長符号化を行うようにしたも
のである。
【0046】本発明の請求項9に係るディジタル記録再
生装置は、可変長符号化された入力ディジタルデータ
と、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、入
力ディジタルデータの一部の可変長符号化データを予め
定められた異なる量子化ステップの可変長符号化データ
に変換する変換テーブルを有し、変換した可変長符号化
データを特殊再生用のディジタルデータとして用いる
のである。
【0047】本発明の請求項10に係るディジタル記録
再生装置は、可変長符号化された入力ディジタルデータ
の一部を予め定められた別の可変長符号に変換する際、
入力されるディジタルデータの一部の可変長符号化デー
タをシリアルデータからパラレルデータに変換し、変換
されたパラレルデータをさらに変換テーブルにより予め
定められたパラレルデータに変換し、変換テーブルによ
り変換されたパラレルデータをシリアルデータに変換す
るようにしたものである。
【0048】本発明の請求項11に係るディジタル記録
再生装置は、ディジタル映像信号とディジタル音声信号
とを斜めトラックのそれぞれ決められたエリアに記録す
るようなトラックフォーマットを有するディジタル記録
再生装置において、フレームまたはフィールド内、もし
くは、フレームまたはフィールド間符号化されたディジ
タル映像信号と、ディジタル音声信号とがビットストリ
ームにて入力され、ビットストリームからフレームまた
はフィールド内符号化データを取り出すデータ分離手段
と、分離されたフィールドまたはフレーム内符号化ディ
ジタルデータを予め定められた規則に従い2つ以上のデ
ータに分割するデータ分割手段と、その分割されたデー
タをトラック上の予め設けられた特殊再生用データ記録
エリアに交互に所定数繰り返し記録する記録手段とを備
えたものである。
【0049】本発明の請求項12に係るディジタル記録
再生装置は、請求項11において、データ分割手段の入
力ディジタルデータDをn個(nは2以上の整数)の出
力コードX0,X1,・・・,Xnー1に分割する際、
データ分割則が以下の規則に従うものである。n個の出
力コードX0,X1,・・・,Xn−1と入力ディジタ
ルデータDとの関係が、D=K0×X0+K1×X1+
・・・+Kn−1×Xn−1(K0,K1,・・・,K
n−1は実数)と表され、X0,X1,・・・,Xn−
1から一意的に入力ディジタルデータDが求められるよ
うに入力ディジタルデータDから出力コードX0,X
1,・・・,Xn−1を変換する規則。
【0050】本発明の請求項13に係るディジタル記録
再生装置は、請求項12において、データ分割手段にお
いて、入力ディジタルデータDと2つの出力コードX0
及びX1との関係がD=2×X0+X1またはD=3×
X0+X1であるものである。
【0051】本発明の請求項14に係るディジタル記録
再生装置は、請求項11において、互いに異なるアジマ
ス角を有する回転ヘッドを用いて磁気テープ上にアジマ
ス記録を行うこととし、データ分割手段で2分割された
X0及びX1のデータを互いに異なるアジマス角を有す
る回転ヘッドで特殊再生用データ記録エリアへ記録する
ようにしたものである。
【0052】本発明の請求項15に係るディジタル記録
再生装置は、請求項11または12において、高速再
生,スチル,スロー再生等の特殊再生においては、分割
されたn個のデータのうち再生された全てのデータを用
いて復号する映像データ合成手段を備えたものである。
【0053】本発明の請求項16に係るディジタル記録
再生装置は、請求項11において、データ分割手段によ
り2分割されたX0及びX1データを同一記録トラック
内の異なる位置に設けられている特殊再生用データ記録
エリアに記録するようにしたものである。
【0054】本発明の請求項17に係るディジタル記録
再生装置は、請求項11において、データ分割手段によ
りN分割(Nは整数)されたデータをN箇所の特殊再生
データ記録エリアにそれぞれ1個づつ記録するようにし
たものである。
【0055】本発明の請求項18に係るディジタル記録
再生装置は、請求項11において、データ分離手段で分
離されたフィールドまたはフレーム内符号化ディジタル
データより画像データを構成する最重要データを分離す
る最重要データ分離手段を備え、データ分割手段による
データ分割方法がこの最重要データと他のデータ(重要
データ)とで異なるものである。
【0056】本発明の請求項19に係るディジタル記録
再生装置は、請求項18において、分割された最重要デ
ータを各記録トラックの同一の高さにある特殊再生用デ
ータ記録エリアに記録するようにしたものである。
【0057】本発明の請求項20に係るディジタル記録
再生装置は、請求項19において、トラック中に記録さ
れている最重要データが記録されているエリアを検出す
る最重要データ記録エリア検出手段と、特殊再生時に最
重要データ記録エリア検出手段の出力が最大になるよう
に回転ヘッドのトラッキングを制御するトラッキング制
御手段とを備えたものである。
【0058】本発明の請求項21に係るディジタル記録
再生装置は、請求項19において、データ分割手段によ
り2分割された重要データX0及びX1を同一記録トラ
ック内の異なる位置に設けられている特殊再生用データ
記録エリアに記録するようにしたものである。
【0059】本発明の請求項22に係るディジタル記録
再生装置は、可変長符号化された入力ディジタルデータ
と、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、入
力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号された
データを予め定められた方法に従い演算し、2つのメイ
ンコードY1及びY2とサブコードZとに分離し、分離
されたデータY1,Y2及びZをそれぞれ可変長符号化
し、メインコードY1とサブコードZ、及び、メインコ
ードY2とサブコードZの2つのデータの組を合成し、
それぞれ異なるアジマス角度を有するヘッドにより分け
て記録するようにデータ合成を行い、特殊再生用のディ
ジタルデータを生成するように構成するものである。
【0060】本発明の請求項23に係るディジタル記録
再生装置は、請求項22において、可変長復号されたデ
ィジタルデータXをX=2n-1 ×(Y1+Y2)+Zの
方法で計算されるメインコードY1,Y2及びサブコー
ドZに分離するようにしたものである。但し、Y1,Y
2及びZは以下の方法に従い算出される値を使用する。 Y1=INT(X/2n ) Y2=INT(X/2n-1 )−INT(X/2n ) Z =X mod 2n-1 但し、INT(A/B):AをBで割った時の商 A mod B :AをBで割った時の余り さらに以上のように分離されたデータY1,Y2及びZ
をそれぞれ可変長符号化し、メインコードY1とサブコ
ードZ、及び、メインコードY2とサブコードZの2つ
のデータの組を合成し、それぞれ異なるアジマス角度を
有するヘッドにより分けて記録するようにデータ合成を
行い、特殊再生用のディジタルデータを生成するように
構成する。
【0061】本発明の請求項24に係るディジタル記録
再生装置は、請求項22において、可変長復号されたデ
ィジタルデータXをX=2n ×Y1(またはY2)+Z
の方法で計算されるメインコードY1及びY2(値は同
一)とサブコードZとに分離するようにしたものであ
る。但し、Y1(またはY2)及びZは以下の方法に従
い算出される値を使用する。 Y1(またはY2)=INT(X/2n ) Z=X mod 2n 但し、INT(A/B):AをBで割った時の商 A mod B :AをBで割った時の余り さらに以上のように分離されたデータY1,Y2及びZ
をそれぞれ可変長符号化し、メインコードY1とサブコ
ードZ、及び、メインコードY2とサブコードZの2つ
のデータの組を合成し、それぞれ異なるアジマス角度を
有するヘッドにより分けて記録するようにデータ合成を
行い、特殊再生用のディジタルデータを生成するように
構成する。
【0062】本発明の請求項25に係るディジタル記録
再生装置は、可変長符号化された入力ディジタルデータ
と、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、入
力ディジタルデータの一部を可変長復号し、可変長復号
されたDCTブロックをDC係数とAC係数とに分離
し、AC係数を予め定められた方法に従い演算し、2つ
のデータx及びyに分離し、分離されたデータx及びy
をそれぞれ可変長符号化し、DCとACのxデータ、及
び、DCとACのyデータの2つのデータの組を合成し
て、それぞれ異なるアジマス角度を有するヘッドにより
分けて記録するようにデータ合成を行い、特殊再生用の
ディジタルデータを生成するように構成するものであ
る。
【0063】本発明の請求項26に係るディジタル記録
再生装置は、請求項22または25において、データ合
成時に、2つのデータの組をそれぞれ異なるアジマス角
度を有するヘッドにより記録するようにデータ合成する
ように構成するものである。
【0064】本発明の請求項27に係るディジタル記録
再生装置は、請求項25において、可変長符号化された
入力ディジタルデータと、特殊再生用のディジタルデー
タとを記録する際、入力ディジタルデータの一部を可変
長復号し、可変長復号されたDCTブロックをDC係数
とAC係数とに分離し、AC係数を予め定められた方法
に従い演算し、メインコードXと2つのサブコードYR
及びYVとに分離し、分離されたデータX,YR及びY
Vをそれぞれ可変長符号化し、メインコードXとサブコ
ードYR、及び、メインコードXとサブコードYVの2
つのデータの組を合成して、それぞれ異なるアジマス角
度を有するヘッドにより分けて記録するようにデータ合
成を行い、特殊再生用のディジタルデータを生成するよ
うに構成するものである。
【0065】本発明の請求項28に係るディジタル記録
再生装置は、請求項27において、可変長符号化された
入力ディジタルデータと、特殊再生用のディジタルデー
タとを記録する際、入力ディジタルデータの一部を可変
長復号し、可変長復号されたDCTブロックをDC係数
とAC係数とに分離し、分離されたAC係数zに対し
て、 z=0の時、 Xはデータ伝送せず Y=0 z>0の時、 X=[z/a+0.49*] Y=z−a×X z<0の時、 X=[z/a−0.49*] Y=z−a×X (但し、aは予め定められた2以上の整数、記号[t]
は実数tの整数部分、0.49*は小数点第2位以下9
の循環小数)によりデータzをデータX及びデータYに
分離し、分離されたデータYを一次元的にスキャンして
1をランとするランレングス符号化を行い1ランレング
スデータと係数データとに分離し、1ランレングスデー
タをYR、係数データをYVとして算出し、分離された
データX,YR及びYVをそれぞれ可変長符号化し、メ
インコードXとサブコードYR、及び、メインコードX
とサブコードYVの2つのデータの組を合成して、それ
ぞれ異なるアジマス角度を有するヘッドにより分けて記
録するようにデータ合成を行い、特殊再生用のディジタ
ルデータを生成するように構成するものである。
【0066】本発明の請求項29に係るディジタル記録
再生装置は、請求項27において、可変長符号化された
入力ディジタルデータと、特殊再生用のディジタルデー
タとを記録する際、入力ディジタルデータの一部を可変
長復号し、復号されたDCTブロックをDC係数とAC
係数とに分離し、分離されたAC係数zに対して、 z=0の時、 X=0 Yは伝送せず z>0の時、 X=[(z−1)/a]+1 Y=z−a×X z<0の時、 X=[(z+1)/a]−1 Y=z−a×X (但し、aは予め定められた2以上の整数、記号[t]
は実数tの整数部分、0.49*は小数点第2位以下9
の循環小数)によりデータzをデータX及びデータYに
分離し、分離されたデータYを一次元的にスキャンして
1をランとするランレングス符号化を行い1ランレング
スデータと係数データとに分離し、1ランレングスデー
タをYR、係数データをYVとして算出し、分離された
データX,YR及びYVをそれぞれ可変長符号化し、メ
インコードXとサブコードYR、及び、メインコードX
とサブコードYVの2つのデータの組を合成して、それ
ぞれ異なるアジマス角度を有するヘッドにより分けて記
録するようにデータ合成を行い、特殊再生用のディジタ
ルデータを生成するように構成するものである。
【0067】本発明の請求項30に係るディジタル記録
再生装置は、入力されたフレームまたはフィールド内、
もしくはフレームまたはフィールド間符号化されたディ
ジタル映像信号とディジタル音声信号とのビットストリ
ームから、フレームまたはフィールド内符号化データを
分離し、分離されたフレームまたはフィールド内符号化
データから特殊再生用ディジタルデータを生成し、トラ
ック上の予め定められた複数のエリアに重複して記録す
る際、入力されたフレームまたはフィールド内符号化デ
ータを可変長復号し、復号されたデータを予め定められ
た方法に従い演算し、2つのデータx及びyに分離し、
分離された2つのデータx及びデータyをそれぞれ量子
化し、量子化されたデータQx及びデータQyをそれぞ
れ可変長符号化し、可変長符号化されたデータxL及び
データyLをそれぞれ特殊再生用ディジタルデータとし
て特殊再生ディジタルデータを記録する複数のエリアの
予め定められたエリアに重複することなく記録するよう
にデータ生成するように構成するものである。
【0068】本発明の請求項31に係るディジタル記録
再生装置は、請求項30において、入力されたフレーム
またはフィールド内、もしくはフレームまたはフィール
ド間符号化されたディジタル映像信号とディジタル音声
信号とのビットストリームから、フレームまたはフィー
ルド内符号化データを分離し、分離されたフレームまた
はフィールド内符号化データから特殊再生用ディジタル
データを生成し、トラック上の予め定められた複数のエ
リアに重複して記録する際、入力されたフレームまたは
フィールド内符号化データを可変長復号し、復号された
データを予め定められた方法に従い演算し2つのデータ
x及びyに分離するように構成するものである。具体的
には、可変長復号されたディジタルデータzをz=x+
yの方法で計算されるデータx及びデータyに分離す
る。但し、x及びyは以下の方法に従い算出される値を
使用する。 z≧0の時、 x = (INT)(z/2) y = z−x z<0の時、 x = (INT)((z−1)/2) y = z−x なお、(INT)(A/B)はAをBで割った時の商を
示す。さらに、以上のように分離された2つのデータx
及びデータyをそれぞれ量子化し、量子化されたデータ
Qx及びデータQyをそれぞれ可変長符号化し、可変長
符号化されたデータxL及びデータyLをそれぞれ予め
定められたトラック位置に記録するようにデータ合成を
行い、複数の倍速数で共用する特殊再生用のディジタル
データを生成するように構成する。
【0069】本発明の請求項32に係るディジタル記録
再生装置は、請求項30において、データ分離手段によ
りデータ分離された2つのデータx及びyを2倍速及び
4倍速で共用する特殊再生用ディジタルデータとして生
成し、この2つのデータx及びyを量子化して可変長符
号化したデータxL及びyLの符号量がほぼ等しくなる
ように、量子化レベルを設定し、2倍速再生時にはxL
及びyLの両方のデータから再生画像を構成し、4倍速
再生時にはxLまたはyLの何れか一方のデータのみか
ら再生画像を構成するようにしたものである。
【0070】本発明の請求項33に係るディジタル記録
再生装置は、ディジタル伝送されたビットストリームを
記録するトランスペアレント記録方式を備えたディジタ
記録再生装置において、入力されたビットストリーム
からイントラ符号化ブロックを検出する検出手段と、検
出手段によって検出されたイントラ符化ブロックから低
域周波数成分を抽出して高速再生用データを生成する生
成手段と、高速再生用データと入力されたビットストリ
ームとを混合して、1トラック内でビットストリームの
みを記録するメインエリアと高速再生用データを記録す
る複写エリアを含む複数のエリアを有するフォーマット
で記録する手段と、生成手段によって生成された高速再
生用データを1ブロック毎に先頭からpビットの第1の
パートとそれ以後の部分の第2のパートとに分離する第
1の分離手段と、第1の分離手段によって分離されたデ
ータをそれぞれ第1のパート毎、第2のパート毎にまと
めて再構成する手段とを備えたものである。
【0071】本発明の請求項34に係るディジタル記録
再生装置は、請求項33において、第1の分離手段によ
って分離されたデータを再構成する際に、各ブロックの
低域周波数成分を含む部分をまとめて、図107のシン
クブロック番号20,21といった複写エリアの中心部
のシンクブロックに配し、高域周波数成分を含む部分を
まとめて、シンクブロック番号16,26といった複写
エリアの周辺部のシンクブロックに配するように再構成
を行うものである。
【0072】本発明の請求項35に係るディジタル記録
再生装置は、請求項33において、低域周波数成分の抽
出対象のイントラ符号化データを、イントラ符号化フレ
ームまたはイントラ符号化フィールドに属するイントラ
データしたものである。
【0073】本発明の請求項36に係るディジタル記録
再生装置は、請求項33において、再生時に、記録媒体
から読み出されたデータからメインエリアに記録された
ビットストリームと複写エリアに記録された高速再生用
データとを分離する第2の分離手段を備え、通常再生時
は、ビットストリームを再生信号としてデコーダに出力
し、高速再生時は、高速再生用データから再生ビットス
トリームを形成し、再生信号としてデコーダに出力する
ことにより再生を行うものである。
【0074】
【作用】本発明の請求項1のディジタル記録再生装置
おいては、記録するビットストリームからイントラ符号
化ブロックを検出・抽出し、すべてのイントラ符号化ブ
ロックから低域周波数成分を抜き出し、高速再生用のH
Pデータを構成し、1トラック内でビットストリームの
みを記録するメインエリア及び前記HPデータを記録す
る複数の複写エリアを有するフォーマットで記録し、H
Pデータを低域HPデータと高域HPデータとに分割
し、このHPデータに複写間隔を単位としてその値を変
えるPHASE信号を付加して、複数の複写エリアを低
域HPデータを記録する低域エリアと高域HPデータを
記録する高域エリアとに指定し、それぞれの信号を記録
する。よって、低域HPデータと高域HPデータとに分
割することで、1つの映像ブロック当りのデータ量は少
なくなるが多くの映像ブロックのデータを限られたエリ
アに記録する。このように分割して記録することは、記
録エリアの大きさが同一である以上、1トラック内の低
域HPデータが記録されるエリアに記録される映像ブロ
ックの数が増えることになる。このことを図8に示す。
上記例では1トラック内の1つのHPデータ領域にn1
個の映像ブロックしか記録できなかったが、本発明の請
求項1により、n2個のブロックを記録できる。
【0075】本発明の請求項2のディジタル記録再生装
においては、通常再生時にメインエリアに記録された
ビットストリームを再生信号としてデコーダに伝送し、
規定倍速内の再生時には、PHASE信号をチェック
し、同一のPHASE信号をもつ低域エリアの低域HP
データと高域エリアの高域HPデータとから再生HPデ
ータを構成してデコーダに伝送し、規定倍速を越える高
速な再生時には、PHASE信号に関わらず、低域エリ
アの低域HPデータを再生HPデータとしてデコーダに
伝送する。よって、規定倍速内の高速再生では、請求項
1の場合と同様なデータを再生することが可能となり、
画質においても請求項1の場合と同等のものを再生する
ことが可能となる。そして、規定倍速数を越えるような
倍速数に対しても低域のみを再生することで記録された
映像の内容を把握する。
【0076】本発明の請求項3のディジタル記録再生装
においては、通常再生時にメインエリアに記録された
ビットストリームを再生信号としてデコーダに伝送し、
規定倍速内の再生時には、PHASE信号をチェック
し、同一のPHASE信号をもつ低域エリアの低域HP
データと高域エリアの高域HPデータとから再生HPデ
ータを構成してデコーダに伝送し、規定倍速を越える高
速な再生時にも、PHASE信号をチェックし、低域エ
リアの低域HPデータのPHASE信号とそのPHAS
E信号が一致する高域エリアの高域HPデータが存在す
れば、このデータを使用して再生HPデータを再構成
し、デコーダに伝送する。よって、PHASE信号が一
致する低域エリアと高域エリアとを結合して再生データ
として、低域のみを再生するよりも高画質な映像を再生
する。
【0077】本発明の請求項4のディジタル記録再生装
においては、検出・抽出するイントラ符号化ブロック
が、イントラ符号化フレームまたはイントラ符号化フィ
ールドに属する。よって、記録すべきイントラブロック
か否かをより簡単に識別する。
【0078】本発明の請求項5のディジタル記録再生装
においては、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、
入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、その復号
されたデータを予め定められた値で除算し、除算された
データを可変長符号化して特殊再生用ディジタルデータ
を生成する。よって、入力されたディジタルデータの振
幅を制限することによりデータ量を制限することができ
るため、高速再生時に画像の再構成に用いるHPデータ
をより高域側の係数までを用いて構成して、より高画質
な高速再生画像を得る。
【0079】本発明の請求項6のディジタル記録再生装
においては、可変長復号されたディジタルデータにさ
らに予め定められた値で除算を施されたディジタルデー
タに対して、さらに可変長符号化を行う際、可変長符号
化を行うデータ単位内のディジタルデータを全て伝送す
る。よって、入力されたディジタルデータの振幅を制限
することによりデータ量を制限することができるため、
高速再生時に画像の再構成に用いるHPデータを可変長
符号化を施すデータ単位内の全ての係数を用いて構成し
て、より高画質な高速再生画像を得る。
【0080】本発明の請求項7のディジタル記録再生装
においては、可変長復号されたディジタルデータにさ
らに予め定められた値で除算を施されたディジタルデー
タに対して、さらに可変長符号化を行う際、可変長符号
化を行うデータ単位内のディジタルデータを予め定めら
れたデータ数分だけ伝送する。よって、入力されたディ
ジタルデータの振幅を制限することによりデータ量を制
限することができるため、高速再生時に画像の再構成に
用いるHPデータを可変長符号化を施すデータ単位内の
より高域側の係数までを用いて構成して、より高画質な
高速再生画像を得る。
【0081】本発明の請求項8のディジタル記録再生装
においては、可変長復号されたディジタルデータにさ
らに予め定められた値で除算を施されたディジタルデー
タに対して、さらに可変長符号化を行う際、可変長符号
化を行うデータ単位に、予め定められた符号量に達する
まで、可変長符号化を行う。よって、入力されたディジ
タルデータの振幅を制限することによりデータ量を制限
することができるため、高速再生時に画像の再構成に用
いるHPデータを可変長符号化を施すデータ単位内のよ
り高域側の係数までを用いて構成して、より高画質な高
速再生画像を得る。
【0082】本発明の請求項9のディジタル記録再生装
においては、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、
入力ディジタルデータの一部の可変長符号化データを予
め定められた異なる量子化ステップの可変長符号化デー
タに変換し、変換した可変長符号化データを特殊再生用
のディジタルデータとして用いる。よって、より簡単な
回路構成でデータ量を制限することができるため、高速
再生時に画像の再構成に用いるHPデータをより高域側
の係数までを用いて構成して、より高画質な高速再生画
像を得る。
【0083】本発明の請求項10のディジタル記録再生
装置においては、入力されるディジタルデータの一部の
可変長符号化データを予め定められた異なる量子化ステ
ップの可変長符号に変換する際、入力されるディジタル
データをシリアルデータからパラレルデータに変換し、
変換されたパラレルデータをさらに変換テーブルにより
予め定められたパラレルデータに変換し、変換テーブル
により変換されたパラレルデータをシリアルデータに変
換する。よって、より簡単な回路構成でデータ量を制限
することができるため、高速再生時に画像の再構成に用
いるHPデータをより高域側の係数までを用いて構成し
て、より高画質な高速再生画像を得る。
【0084】本発明の請求項11のディジタル記録再生
装置においては、フレームまたはフィールド内、もしく
は、フレームまたはフィールド間符号化されたディジタ
ル映像信号と、ディジタル音声信号とがビットストリー
ムにて入力され、ビットストリームからフレームまたは
フィールド内符号化データを分離して取り出し、分離し
たフィールドまたはフレーム内符号化ディジタルデータ
を予め定められた規則に従い2つ以上のデータに分割
し、その分割したデータをトラック上の予め定められた
特殊再生用データ記録エリアに交互に所定数繰り返し記
録する。よって、予め定められた、上記複写エリアに特
殊再生用データを記録する際、上記分割されたデータを
交互に記録するので上記複写エリアに記録できるデータ
量を増やすことができ、特にスチル再生,スロー再生及
び低速の高速再生(例えば2倍または3倍速再生)時の
再生画質が向上する。
【0085】本発明の請求項12のディジタル記録再生
装置においては、データ分割手段の入力ディジタルデー
タDをn個(nは2以上の整数)の出力コードX0,X
1,・・・,Xn−1に分割する際、データ分割則が以
下の規則に従うので、効率的にデータを分割することが
でき、特にスチル再生,スロー再生及び低速の高速再生
(例えば2倍または3倍速再生)時の再生画質が向上す
る。n個の出力コードX0,X1,・・・,Xn−1と
入力ディジタルデータDとの関係が、D=K0×X0+
K1×X1+・・・+Kn−1×Xn−1(K0,K
1,・・・,Kn−1は実数)と表され、X0,X1,
・・・,Xn−1から一意的に入力ディジタルデータD
が求められるように入力ディジタルデータDから出力コ
ードX0,X1,・・・,Xn−1を変換する規則。
【0086】本発明の請求項13のディジタル記録再生
装置においては、入力ディジタルデータDを2つの出力
コードX0及びX1に分割する際、入力ディジタルデー
タDと出力コードX0及びX1の関係がD=2×X0+
X1またはD=3×X0+X1となるようにするので、
効率よく入力されたデータを2分割することができる。
【0087】本発明の請求項14のディジタル記録再生
装置においては、互いに異なるアジマス角を有する回転
ヘッドを用いて磁気テープ上にアジマス記録を行うこと
とし、データ分割手段で2分割されたX0及びX1のデ
ータを互いに異なるアジマス角を有する回転ヘッドで特
殊再生用データ記録エリアへ記録する。よって、新たに
分割情報を付加することなく、回転ヘッドのアジマス角
によりX0データとX1データとを識別できるので、分
割データの識別情報を付加する、または、識別情報を検
出する新たな回路を付加することが必要ないので回路規
模の削減を図れる。
【0088】本発明の請求項15のディジタル記録再生
装置においては、高速再生,スチル,スロー再生等の特
殊再生においては、分割されたn個のデータのうち再生
された全てのデータを用いて映像データ合成する。よっ
て、特殊再生中分割されたデータの1部が再生されない
ような場合でも効果的に異なる分割データを用いてほぼ
もとのデータが復元できるので、良好な特殊再生画像を
合成する。
【0089】本発明の請求項16のディジタル記録再生
装置においては、データ分割手段により2分割されたX
0及びX1データを同一記録トラック内の異なる位置に
設けられている特殊再生用データ記録エリアに記録す
る。よって、再生時に再生されるID情報中のシンクブ
ロックナンバーにより簡単に分割されたX0データとX
1データとを識別できるので、分割データの識別情報を
付加する、または、識別情報を検出する新たな回路を付
加することが必要ないので回路規模の削減を図れる。
【0090】本発明の請求項17のディジタル記録再生
装置においては、データ分割手段によりN分割(Nは整
数)されたデータをN箇所の特殊再生データ記録エリア
にそれぞれ1個づつ記録するので、最も効果的にデータ
を分割することができ良好な特殊再生画像を得る。
【0091】本発明の請求項18のディジタル記録再生
装置においては、データ分離手段で分離されたフィール
ドまたはフレーム内符号化ディジタルデータより画像デ
ータを構成する最重要データを分離し、データ分割手段
によるデータ分割方法が最重要データと他のデータ(重
要データ)とで異なる。よって、各々データの特性にあ
った分割ができるので限られた記録容量を効果的に活用
することができ、良好な特殊再生画像を合成する。
【0092】本発明の請求項19のディジタル記録再生
装置においては、分割された最重要データを各記録トラ
ックの同一の高さにある特殊再生用データ記録エリアに
記録するので、トラックの直線性が異なる互換再生時に
おいても良好な特殊再生画像を得る。
【0093】本発明の請求項20のディジタル記録再生
装置においては、トラック中に記録されている最重要デ
ータが記録されているエリアを検出する最重要データ記
録エリア検出手段の出力が、特殊再生時に最大になるよ
うに回転ヘッドのトラッキングを制御する。よって、ト
ラックの直線性が異なる互換再生においても、最重要デ
ータが確実に再生できるので、良好な特殊再生画像を得
る。
【0094】本発明の請求項21のディジタル記録再生
装置においては、データ分割手段により2分割された重
要データX0及びX1を同一記録トラック内の異なる位
置に設けられた特殊再生用データ記録エリアに配置す
る。よって、X0コードとX1コードとを識別するため
のコード情報を付加する、または、付加されたコード情
報を識別する新たな回路を付加することが必要ないの
で、回路規模の削減を図れる。
【0095】本発明の請求項22のディジタル記録再生
装置においては、可変長符号化された入力ディジタルデ
ータと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する
際、入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号
されたDCTブロックデータをDC係数とAC係数とに
分離し、AC係数に対して予め定められた方法に従い演
算を行い、2つのメインコードY1及びY2とサブコー
ドZとに分離し、分離されたデータY1,Y2及びZを
それぞれ可変長符号化し、メインコードY1とサブコー
ドZ、及び、メインコードY2とサブコードZの2つの
データの組を合成し、それぞれ異なるアジマス角度を有
するヘッドにより分けて記録するようにデータ合成を行
い、特殊再生用のディジタルデータを生成する。よっ
て、一方のメインコードのみでも本来のディジタルデー
タをほぼ復元することができ、またすべてのデータが復
元できる時は同一のデータを2カ所に記録する場合に比
較して、HPデータとしてイントラ符号化ブロックのよ
り高域側の係数まで用いることが可能となるため、高画
質な高速再生画像を得る。
【0096】本発明の請求項23のディジタル記録再生
装置においては、可変長符号化された入力ディジタルデ
ータと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する
際、入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号
されたデータを予め定められた方法に従い演算を行い、
2つのメインコードとサブコードとに分離するが、具体
的には、可変長復号されたディジタルデータXをX=2
n-1 ×(Y1+Y2)+Zの方法で計算されるメインコ
ードY1,Y2及びサブコードZに分離する。但し、Y
1,Y2及びZは以下の方法に従い算出される値を使用
する。 Y1=INT(X/2n ) Y2=INT(X/2n-1 )−INT(X/2n ) Z =X mod 2n-1 但し、INT(A/B):AをBで割った時の商 A mod B :AをBで割った時の余り さらに以上のように分離されたデータY1,Y2及びZ
をそれぞれ可変長符号化し、メインコードY1とサブコ
ードZ、及び、メインコードY2とサブコードZの2つ
のデータの組を合成し、それぞれ異なるアジマス角度を
有するヘッドにより分けて記録するようにデータ合成を
行い、特殊再生用のディジタルデータを生成する。よっ
て、一方のメインコードのみでも本来のディジタルデー
タをほぼ復元することができ、またすべてのデータが復
元できる時は同一のデータを2カ所に記録する場合に比
較して、HPデータとしてイントラ符号化ブロックのよ
り高域側の係数まで用いることが可能となるため、高画
質な高速再生画像を得る。
【0097】本発明の請求項24のディジタル記録再生
装置においては、可変長符号化された入力ディジタルデ
ータと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する
際、入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号
されたデータを予め定められた方法に従い演算を行い、
2つのメインコードとサブコードとに分離するが、具体
的には、可変長復号されたディジタルデータXをX=2
n ×Y1(またはY2)+Zの方法で計算されるメイン
コードY1及びY2(値は同一)とサブコードZとに分
離する。但し、Y1(またはY2)及びZは以下の方法
に従い算出される値を使用する。 Y1(またはY2)=INT(X/2n ) Z=X mod 2n 但し、INT(A/B):AをBで割った時の商 A mod B :AをBで割った時の余り さらに以上のように分離されたデータY1,Y2及びZ
をそれぞれ可変長符号化し、メインコードY1とサブコ
ードZ、及び、メインコードY2とサブコードZの2つ
のデータの組を合成し、それぞれ異なるアジマス角度を
有するヘッドにより分けて記録するようにデータ合成を
行い、特殊再生用のディジタルデータを生成する。よっ
て、一方のメインコードのみでも本来のディジタルデー
タをほぼ復元することができ、またすべてのデータが復
元できる時は同一のデータを2カ所に記録する場合に比
較して、HPデータとしてイントラ符号化ブロックのよ
り高域側の係数まで用いることが可能となるため、高画
質な高速再生画像を得る。
【0098】本発明の請求項25のディジタル記録再生
装置においては、可変長符号化された入力ディジタルデ
ータと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する
際、入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号
されたDCTブロックデータをDC係数とAC係数とに
分離し、AC係数を予め定められた方法に従い演算し、
2つのデータx及びyに分離し、分離されたデータx及
びyをそれぞれ可変長符号化し、DCとACのxデー
タ、及び、DCとACのyデータの2つのデータの組を
合成して、それぞれ異なるアジマス角度を有するヘッド
により分けて記録するようにデータ合成を行い、特殊再
生用のディジタルデータを生成する。よって、一方のメ
インコードのみでもディジタルデータを復元することが
でき、またすべてのデータが復元できる時は同一のデー
タを2カ所に記録する場合に比較して、HPデータとし
てイントラ符号化ブロックのより高域側の係数まで用い
ることが可能となるため、高画質な高速再生画像を得
る。
【0099】本発明の請求項26のディジタル記録再生
装置においては、データ合成時に、2つのデータの組を
それぞれ異なるアジマス角度を有するヘッドにより記録
するようにデータ合成するので、再生時に、特別な回路
を設けることなく、再生信号から得られる異なるアジマ
ス情報により分離されたデータを判別することができ
る。
【0100】本発明の請求項27のディジタル記録再生
装置においては、可変長符号化された入力ディジタルデ
ータと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する
際、入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号
されたDCTブロックデータをDC係数とAC係数とに
分離し、AC係数を予め定められた方法に従い演算し、
メインコードXと2つのサブコードYR及びYVとに分
離し、分離されたデータX,YR及びYVをそれぞれ可
変長符号化し、メインコードXとサブコードYR、及
び、メインコードXとサブコードYVの2つのデータの
組を合成して、それぞれ異なるアジマス角度を有するヘ
ッドにより分けて記録するようにデータ合成を行い、特
殊再生用のディジタルデータを生成する。よって、一方
のメインコードのみでもディジタルデータを復元するこ
とができ、またすべてのデータが復元できる時は同一の
データを2カ所に記録する場合に比較して、HPデータ
としてイントラ符号化ブロックのより高域側の係数まで
用いることが可能となるため、高画質な高速再生画像を
得る。
【0101】本発明の請求項28のディジタル記録再生
装置においては、可変長符号化された入力ディジタルデ
ータと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する
際、入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号
されたDCTブロックデータをDC係数とAC係数とに
分離し、AC係数zに対して、 z=0の時、 Xはデータ伝送せず Y=0 z>0の時、 X=[z/a+0.49*] Y=z−a×X z<0の時、 X=[z/a−0.49*] Y=z−a×X (但し、aは予め定められた2以上の整数、記号[t]
は実数tの整数部分、0.49*は小数点第2位以下9
の循環小数)によりデータzをデータX及びデータYに
分離し、分離されたデータYを一次元的にスキャンして
1をランとするランレングス符号化を行い1ランレング
スデータと係数データとに分離し、1ランレングスデー
タをYR、係数データをYVとして算出し、分離された
X,YR及びYVをそれぞれ可変長符号化し、メインコ
ードXとサブコードYR、及び、メインコードXとサブ
コードYVの2つのデータの組を合成して、それぞれ異
なるアジマス角度を有するヘッドにより分けて記録する
ようにデータ合成を行い、特殊再生用のディジタルデー
タを生成する。よって、すべてのデータが復元できる時
は同一のデータを2カ所に記録する場合に比較して、H
Pデータとしてイントラ符号化ブロックのより高域側の
係数まで用いることが可能となるため、高画質な高速再
生画像を得る。なお、係数z=0のとき、X=0として
データ伝送すれば、上記2つのデータの組のうち一方し
か再生されない場合でも、メインコードからディジタル
データをほぼ復元することが可能である。
【0102】本発明の請求項29のディジタル記録再生
装置においては、可変長符号化された入力ディジタルデ
ータと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する
際、入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号
されたDCTブロックデータをDC係数とAC係数とに
分離し、AC係数zに対して、 z=0の時、 X=0 Yは伝送せず z>0の時、 X=[(z−1)/a]+1 Y=z−a×X z<0の時、 X=[(z+1)/a]−1 Y=z−a×X (但し、aは予め定められた2以上の整数、記号[t]
は実数tの整数部分、0.49*は小数点第2位以下9
の循環小数)によりデータzをデータX及びデータYに
分離し、分離されたデータYを一次元的にスキャンして
1をランとするランレングス符号化を行い1ランレング
スデータと係数データとに分離し、1ランレングスデー
タをYR、係数データをYVとして算出し、分離された
X,YR及びYVをそれぞれ可変長符号化し、メインコ
ードXとサブコードYR、及び、メインコードXとサブ
コードYVの2つのデータの組を合成して、それぞれ異
なるアジマス角度を有するヘッドにより分けて記録する
ようにデータ合成を行い、特殊再生用のディジタルデー
タを生成する。よって、上記2つのデータの組の両方が
再生され、すべてのデータが復元できる時は同一のデー
タを2カ所に記録する場合に比較して、HPデータとし
てイントラ符号化ブロックのより高域側の係数まで用い
ることが可能となるため、高画質な高速再生画像を得
る。また、上記2つのデータの組のうち一方しか再生さ
れない場合でも、メインコードからディジタルデータを
ほぼ復元することが可能である。
【0103】本発明の請求項30のディジタル記録再生
装置においては、入力されたフレームまたはフィールド
内、もしくはフレームまたはフィールド間符号化された
ディジタル映像信号とディジタル音声信号とのビットス
トリームから、フレームまたはフィールド内符号化デー
タを分離し、分離されたフレームまたはフィールド内符
号化データから特殊再生用ディジタルデータを生成し、
トラック上の予め定められた複数のエリアに重複して記
録する際、入力されたフレームまたはフィールド内符号
化データを可変長復号し、復号されたデータを予め定め
られた方法に従い演算し、2つのデータx及びyに分離
し、分離された2つのデータx及びデータyをそれぞれ
量子化し、量子化されたデータQx及びデータQyをそ
れぞれ可変長符号化し、可変長符号化されたデータxL
及びデータyLをそれぞれ特殊再生用ディジタルデータ
として特殊再生ディジタルデータを記録する複数のエリ
アの予め定められたエリアに重複することなく記録する
ようにデータ生成する。よって、低速倍速数では分離さ
れたデータx及びデータyの両方のデータが再生され高
画質な再生画像を得ることができ、また、高速倍速数に
おいても分離されたデータxまたはデータyの何れか一
方のみから本来のディジタルデータをほぼ復元すること
ができ、高速再生画像として十分な画質の再生画像を得
る。
【0104】本発明の請求項31のディジタル記録再生
装置においては、入力されたフレームまたはフィールド
内、もしくはフレームまたはフィールド間符号化された
ディジタル映像信号とディジタル音声信号とのビットス
トリームから、フレームまたはフィールド内符号化デー
タを分離し、分離されたフレームまたはフィールド内符
号化データから特殊再生用ディジタルデータを生成し、
トラック上の予め定められた複数のエリアに重複して記
録する際、入力されたフレームまたはフィールド内符号
化データを可変長復号し、復号されたデータを予め定め
られた方法に従い演算し、2つのデータにデータ分離す
る。具体的には、可変長復号されたディジタルデータz
をz=x+yの方法で計算されるデータx及びデータy
に分離する。但し、x及びyは以下の方法に従い算出さ
れる値を使用する。 z≧0の時、 x = (INT)(z/2) y = z−x z<0の時、 x = (INT)((z−1)/2) y = z−x なお、(INT)(A/B)はAをBで割った時の商を
示す。さらに以上のように分離された2つのデータx及
びデータyをそれぞれ量子化し、量子化されたデータQ
x及びデータQyをそれぞれ可変長符号化し、可変長符
号化されたデータxL及びデータyLをそれぞれ特殊再
生用ディジタルデータとして特殊再生ディジタルデータ
を記録する複数のエリアの予め定められたエリアに重複
することなく記録するようにデータ生成する。よって、
低速倍速数では分離されたデータx及びデータyの両方
のデータが再生され高画質な再生画像を得ることがで
き、また、高速倍速数においても分離されたデータxま
たはデータyの何れか一方のみから本来のディジタルデ
ータをほぼ復元することができ、高速再生画像として十
分な画質の再生画像を得る。
【0105】本発明の請求項32のディジタル記録再生
装置においては、データ分離手段によりデータ分離され
た2つのデータx及びyを2倍速及び4倍速で共用する
特殊再生用ディジタルデータとして生成し、この2つの
データx及びyを量子化して可変長符号化したデータx
L及びyLの符号量がほぼ等しくなるように、量子化レ
ベルを設定し、2倍速再生時にはxL及びyLの両方の
データから再生画像を構成し、4倍速再生時にはxLま
たはyLの何れか一方のデータのみから再生画像を構成
する。よって、低速倍速数では分離されたデータx及び
データyの両方のデータが再生され高画質な再生画像を
得ることができ、また、高速倍速数においても分離され
たデータxまたはデータyの何れか一方のみから本来の
ディジタルデータをほぼ復元することができ、高速再生
画像として十分な画質の再生画像を得る。
【0106】本発明の請求項33のディジタル記録再生
装置においては、入力されたビットストリームからイン
トラ符号化ブロックを検出し、検出されたイントラ符化
ブロックから低域周波数成分を抽出して高速再生用デー
タを生成し、高速再生用データと入力されたビットスト
リームとを混合して、1トラック内でビットストリーム
のみを記録するメインエリアと高速再生用データを記録
する複写エリアを含む複数のエリアを有するフォーマッ
トで記録し、生成された高速再生用データを1ブロック
毎に先頭からpビットの第1のパートとそれ以後の部分
の第2のパートとに分離し、分離されたデータをそれぞ
れ第1のパート毎、第2のパート毎にまとめて再構成す
る。よって、1ブロックのデータを複写エリアの異なっ
た部分に優先度をつけて配することができ、高速再生時
に読み出しエラーが生じた場合でも、その影響が1ブロ
ックのデータすべてに及ばないような記録フォーマット
を構成する。
【0107】本発明の請求項34のディジタル記録再生
装置においては、分離されたデータを再構成する際に、
各ブロックの低域周波数成分を含む部分をまとめて複写
エリアの中心部のシンクブロックに配し、高域周波数成
分を含む部分をまとめて複写エリアの周辺部のシンクブ
ロックに配するように再構成を行う。よって、1ブロッ
クのデータを複写エリアの異なった部分に優先度をつけ
て配することができ、高速再生時に読み出しエラーが生
じた場合でも、その影響が1ブロックのデータすべてに
及ばないような記録フォーマットを構成する。
【0108】本発明の請求項35のディジタル記録再生
装置においては、低域周波数成分の抽出対象のイントラ
符号化データを、イントラ符号化フレームまたはイント
ラ符号化フィールドに属するイントラデータとするの
で、複写エリアに記録する高速再生用データ、HPデー
タのもとになるイントラデータの検出を簡略化する。
【0109】本発明の請求項36のディジタル記録再生
装置においては、再生時に、記録媒体から読み出された
データからメインエリアに記録されたビットストリーム
と複写エリアに記録された高速再生用データとを分離
し、通常再生時は、ビットストリームを再生信号として
デコーダに出力し、高速再生時は、高速再生用データか
ら再生ビットストリームを形成し、再生信号としてデコ
ーダに出力することにより再生を行う。よって、高速再
生時に読み出しエラーが生じた場合でも、その影響が1
ブロックのデータすべてに及ぶのを防ぐことができ、良
好な、高速再生を行える。
【0110】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて具体的に説明する。 実施例1. 図1は本発明の一実施例の構成を示す図である。図にお
いて、1はビットストリームの入力端子、2は第1の可
変長復号器、3はカウンタ、4はデータ抜き取り回路、
5はデータ抜取り回路4で抜き取られたデータを低域H
Pデータと高域HPデータとに分割する第1のデータ分
割回路、6は低域HPデータにEOBコードを付加する
第1のEOB付加回路、7は低域HPデータを集めて結
合する低域データ構成回路、8は高域HPデータにEO
Bコードを付加する第2のEOB付加回路、9は高域H
Pデータを集めて結合する高域データ構成回路、10は
メインエリア用のデータと低域エリア用のデータと高域
エリア用のデータとを組み合わせて1トラックのデータ
を構成し、低域エリア用データ高域エリア用データに
はそれぞれPHASE信号を付加するフォーマット回
路、11は記録信号を出力する記録信号の出力端子であ
る。
【0111】次に動作について説明する。従来例と同様
にして抜き取られた複写エリア用のデータは第1のデー
タ分割回路5にて低域エリアに記録される低域HPデー
タと高域エリアに記録される高域HPデータとに分割さ
れる。この時それぞれのHPデータ量の比率が、大体低
域HPデータ量:高域HPデータ量=1:2に成るよう
にVLCコードの境目で分割する。分割された内の低域
HPデータは、第1のEOB付加回路6でEOBコード
を付加され、低域データ構成回路7で複数の映像ブロッ
クの低域HPデータを集めて、新たに低域複写エリア用
のデータに構成され、フォーマット回路10に入力され
る。また、分割された内の高域HPデータは、第2のE
OB付加回路8でEOBコードを付加され、高域データ
構成回路9で複数の映像ブロックの高域HPデータを集
めて、新たに高域複写エリア用のデータに構成し、フォ
ーマット回路10に入力される。フォーマット回路10
において、低域エリア用のデータ,高域エリア用のデー
タにPHASE信号を付加し、1トラックの記録信号と
なるようにフォーマットされ、記録信号の出力端子11
から出力される。
【0112】図2は本実施例において記録する1トラッ
ク内のエリアの構成を示す図であり、基本的には図10
に示したものと同様であるが、図107では3ヶ所の
複写エリアであったエリアを低域エリアと2つの高域エ
リアとにする。図2ではテープ端で位相を合わせている
場合で、テープ中央で位相を合わせている場合には中央
のエリアを低域エリアにし、その他のエリアを高域エリ
アにするように構成してもかまわない。このように構成
したトラックを例えば規定内の最大倍速が15倍速であ
る場合は連続する15本のトラックに同じHPデータを
記録する。
【0113】次に、このトラックを構成するシンクブロ
ックの構成の一例を図3に示す。図3上側の図は、通常
再生用のデータでメインエリアに記録されるシンクブロ
ックを示し、SYNC,ID,パリティを除いてATV
のビットストリームが占める。下側の図は、HPデータ
を記録する複写エリアに記録するシンクブロックを示し
ている。このシンクブロックは、SYNC,IDの次に
PHASE信号を記録する。このPHASE信号は先に
述べた15本のトラックで閉じた信号で、隣合う15本
のトラック間では異なるものとする。また、このPHA
SE信号は、本発実施例の機器における最大倍速(規定
倍速をこえる)と規定倍速とによって決定される大きさ
をもつ。
【0114】つまり規定倍速が15倍で最大倍速が27
倍速であった場合、先に述べたように規定倍速が15倍
であるのでトラックは15本を1組(これを1複写間隔
とする。)として複写エリアには同じHPデータが記録
されている。その状況下で27倍速再生を行った場合2
7本のトラックを横切ることになり、最大3つの複写間
隔を横切ることになる。このため、3つの複写間隔に存
在する低域,高域HPデータを組み合わせて再生するこ
とになってしまい、正しいデータを再生することができ
ない。よってこの場合にはPHASE信号は3つの領域
がそれぞれ異なることを示す信号であればよい。この例
では2ビットあれば、識別することができる。より高速
な再生を実施するのであれば、それに応じた大きさのP
HASE信号が必要になり、当然そのことをシステムが
認識している必要がある。
【0115】次に、このように記録されたテープの再生
を考える。図4は本実施例において規定倍速内の高速再
生を行った場合のヘッドのスキャンを示す図である。上
記同じHPデータが記録されたトラックに0から14ま
での番号を割り振った。図4には5倍速と15倍速の場
合を示しており、規定内の最大倍速を15倍速とする。
規定倍速内の高速再生の場合、従来例と同様に規定内の
高速再生が行われる。またこの時、先に示したPHAS
E信号が低域エリアと高域エリア2ヶ所とで一致してい
れば各々のHPデータを再構成して再生する。そしてこ
のPHASE信号が低域エリアと高域エリアとで一致し
なければ、その前のヘッドのスキャンによって得られた
データの中に必ず該低域エリアのPHASE信号と一致
するものがあるので、その高域エリアの高域HPデータ
を利用してデータを再構成する。
【0116】従来例で示したようにトラック内のそれぞ
れのエリアは5倍速でも15倍速でもスキャンされる位
置に記録されているので、PHASE信号が一致すれば
低域HPデータと高域HPデータとが必ず再生される。
【0117】図5は本実施例において規定倍速を越える
高速再生を行った場合のヘッドのスキャンを示す図であ
る。図5では規定倍速の最大倍速が15倍速である場合
に19倍速の再生を行った場合を示す。19倍速で再生
を行った場合は、低域エリアの低域HPデータと高域エ
リアの高域HPデータとのマッチングがとれない。これ
はPHASE信号をみることにより識別できるが、規定
倍速数を越える高速再生を行った場合には、必ず低域エ
リアと高域エリアとの総てのPHASE信号が、1スキ
ャンで獲得できたHPデータにおいて、同一にならない
こと明らかである。この場合には低域エリアのみの低域
HPデータを再生する。このような場合に最も位相が合
う部分例えばトラック端で位相を合わせていればトラッ
ク端の方に、トラック中央で位相を合わせていればトラ
ック中央に低域HPデータを記録しておくことは先に述
べた通りである。
【0118】図6は本実施例1で再生を行う時の様子の
一例を示す図である。図において、20はトラック上の
メインエリアを示すメインエリア、21はトラック上の
低域エリアを示す低域エリア、22はトラック上の高域
エリアを示す高域エリア、23はテープからのデータを
分離する第1のデータ分離回路、24は低域エリアと高
域エリアとのPHASE信号をチェックし、低域HPデ
ータと高域HPデータとからHPデータを再構成する第
1のデータ再構成回路である。
【0119】通常再生時は従来例と同様で、メインエリ
ア20,低域エリア21,高域エリア22のデータを第
1のデータ分離回路23に入力し、メインエリア20か
らのデータで再生を行う。規定倍速内の高速再生を行う
場合には、メインエリア20,低域エリア21,高域エ
リア22からのデータを第1のデータ分離回路23に入
力し、低域エリア21と高域エリア22とからのデータ
を選択し、第1のデータ再構成回路24に入力する。第
1のデータ再構成回路24では、PHASE信号をチェ
ックし、低域エリア21と高域エリア22とで同一であ
れば、データを再構成して高速再生データとする。PH
ASE信号が一致しなければ、その直前のヘッドスキャ
ンで得られた高域HPデータの中に必ず今回のヘッドス
キャンによって得られた低域エリアのPHASE信号が
一致するので、このデータから再生HPデータを再構成
する。また、規定倍速を越える高速再生を行う場合に
は、上記と同様に第1のデータ再構成回路24に入力さ
れ、低域エリア21のHPデータのみを高速再生データ
として使用する。
【0120】実施例2.実施例1では、規定倍速数を越
える倍速で高速再生を行った場合、高域エリアのHPデ
ータのPHASE信号のチェックをしないで低域エリア
のみのHPデータを再生したが、実施例2では規定倍速
数を越える倍速で高速再生を行った場合でも低域エリア
とそのPHASE信号が一致した高域エリアのHPデー
タが存在する場合には、低域エリアと高域エリアとの使
用可能なHPデータで再生HPデータを再構成する。
【0121】図7は本実施例2で再生を行う時の様子の
一例を示す図である。図において、25は低域エリア2
1と高域エリア22とのHPデータからPHASE信号
をチェックし、同一であればその同一である高域エリア
のHPデータも使用してHPデータを再構成する第2の
データ再構成回路である。
【0122】通常再生時は従来例と同様で、メインエリ
ア20,低域エリア21,高域エリア22のデータを第
1のデータ分離回路23に入力し、メインエリア20か
らのデータで再生を行う。規定倍速内の高速再生を行う
場合には、メインエリア20,低域エリア21,高域エ
リア22からのデータを第1のデータ分離回路23に入
力し、低域エリア21と高域エリア22とからのHPデ
ータを選択し、第2のデータ再構成回路25に入力す
る。第2のデータ再構成回路25では、PHASE信号
をチェックし、低域エリア21と高域エリア22とで同
一であれば、HPデータを再構成して高速再生データと
する。PHASE信号が一致しなければ、その直前のヘ
ッドスキャンで得られた高域HPデータの中に必ず今回
のヘッドスキャンによって得られた低域エリアのPHA
SE信号が一致するので、このデータから再生HPデー
タを再構成する。また、規定倍速を越える高速再生を行
う場合には、上記と同様に第2のデータ再構成回路25
に入力され、低域エリア21のデータとその低域エリア
21とPHASE信号が一致する高域エリアのHPデー
タとを使用してデータを再構成し、高速再生データとし
て使用する。なお、PHASE信号が一致するものが存
在しない場合には、実施例1と同様低域エリア21のデ
ータのみを出力する。
【0123】実施例3.実施例1,実施例2では、イン
トラ符号化されたブロックをすべて利用したが、このよ
うにするとMPEG2のビットストリームからマクロブ
ロックのヘッダまでそのシンタックスを解析する必要が
あり、マクロブロックは複数個で1フレームを構成する
ので細かな制御が必要となる。実施例3ではMPEG2
のビットストリームのシンタックスの解析をフレーム単
位で付加されているピクチャヘッダのイントラ情報を利
用して行い、記録するHPデータに利用されるイントラ
ブロックをイントラフレームもしくはイントラフィール
ドのデータのみとする。
【0124】実施例4. 図9は本発明の第4の実施例によるディジタル記録再生
装置の高速再生が可能なビットストリーム記録装置の構
成を示すブロック図である。図において、31はビット
ストリームの入力端子、32はビットストリームの出力
端子、33はHPデータの出力端子、54は入力される
可変長符号化されたディジタルデータを再び符号化する
第1の再符号化回路、53はMPEG2のビットストリ
ームのシンタックスを解析するシンタックス解析回路で
ある。
【0125】次に、第4の実施例のディジタル記録再生
装置のビットストリーム記録装置の動作について説明す
る。MPEG2のビットストリームは入力端子31から
入力され、出力端子32からそのまま出力されて、メイ
ンエリアに順次記録される。一方、入力端子31からの
ビットストリームはシンタックス解析回路53にも入力
され、まず、MPEG2のビットストリームのシンタッ
クスが解析され、イントラ画像を検出する。イントラ画
像が検出されると、イントラ画像のビットストリームは
第1の再符号化回路54に入力され、再符号化が施され
(なお、第1の再符号化回路54の詳細は後述す
る。)、イントラ画像を再符号化することにより得られ
たビットストリームは、EOBが付加され、HPデータ
を構成し、複写エリアに記録する。
【0126】次に、図10は第4の実施例における第1
の再符号化回路54の構成を示すブロック図である。図
において、39は入力端子、40は第2の可変長復号
器、41は除算回路、56は第1の可変長符号器、44
は出力端子である。
【0127】次に、第1の再符号化回路54の動作につ
いて説明する。入力端子39より入力された可変長符号
化されたディジタルデータは、第2の可変長復号器40
において、可変長復号を施され、図109に示すジグザ
グスキャニング順にイントラ符号化ブロックのディジタ
ルデータを出力する。また、第2の可変長復号器40よ
りジグザグスキャニング順に出力されたディジタルデー
タは除算回路41に入力され、予め定められた値Qで除
算を施される。除算回路41において予め定められた値
Qにより除算を施されたディジタルデータは第1の可変
長符号器56に入力され、可変長符号化を施される。第
1の可変長符号器56において可変長符号化を施された
ビットストリームは出力端子44より出力される。
【0128】以上のように、本実施例4では入力される
ディジタルデータに対し、高速再生に用いられるイント
ラ符号化ブロックのディジタルデータを一旦可変長復号
し、復号されたディジタルデータを予め定められた値で
除算して、データの振幅制限を行うことによりデータ量
を制限し、高速再生用のHPデータとしてよりイントラ
符号化ブロック内のすべてのシーケンスを用いることが
可能となるものである。
【0129】図11は第4の実施例におけるディジタル
記録再生装置のビットストリーム記録装置を採用した場
合の高速再生画質を示すための図であり、詳しくは、第
1の再符号化回路54において、除算回路41において
除算を施す値としてQ=2,4,8,16とした時に作
成されたHPデータにより再構成された高速再生画像の
画質を評価するための図を示す。図の見方は図108と
同様であるので説明を省略する。但し、横軸は、上記図
108においてイントラ符号化ブロックの全ての係数を
伝送する場合の伝送データ量を100%とした時に対す
る、データ取得率として示している。すなわち、図10
8に示した従来例は本実施例において除算回路41でQ
=1とした時を意味する。なお、プロットで示した点は
上記図110で示した伝送シーケンス数と同一である。
【0130】図11において、例えば、Q=1及びQ=
2に対してデータ取得率がそれぞれ約50%となる場
合、すなわち伝送シーケンス数で表わすと、Q=1につ
いてはDC+14シーケンスまで伝送し、Q=2につい
てはDC+27シーケンスまで伝送する場合を比較する
と、ほぼ同一のデータ取得率において、Q=1でのS/
N比は約29dBであり、これに対しQ=2でのS/N
比は約31dBである。すなわち、同一のデータ量でQ
=1の時に比較してQ=2の時はS/N比が約2dB向
上する。このように本実施例4の再符号化を施すことに
より、同一のデータ量でより高域の係数まで伝送するこ
とが可能となり、これに伴いS/N比を向上させること
が可能となる。なお、本実施例4においても前記従来例
と同様に、計算機シミュレーションはNTSC信号のY
信号についてのみ行っている。
【0131】さらに、前記従来技術の説明における図1
07では、メインエリアと複写エリアとの例が示されて
おり、家庭用ディジタル記録再生装置のプロトタイプで
は、各トラックの映像エリアはシンクブロック135か
ら構成されている。メインエリアのデータレートは1
7.5Mbps、複写エリアのデータレートは約340
kbpsである。ここで、1フレームの画面をイントラ
符号化した場合のビット数を約1.5Mビットとし、1
秒間に1枚のイントラ画面を伝送しているとすると、イ
ントラ符号化データのレートは1.5Mbpsとなり、
複写エリアのデータ取得率はメインエリアのデータ取得
率の約23%(340k/1.5M=0.23)とな
る。
【0132】このことを踏まえ、図11を参照すると、
データ取得率が約23%となるまでに、Q=1の時は、
DC+2シーケンスを伝送し、S/N比が約23.9d
Bであるのに対し、Q=2の時は、DC+5シーケンス
を伝送し、S/N比が約26.2dB、Q=4の時は、
DC+9シーケンスを伝送しS/N比が約27.7d
B、Q=8の時は、全シーケンスを伝送しS/N比が約
30dBとなる。
【0133】すなわち、上記従来技術のメインエリアと
複写エリアとの比においては、本実施例4の再符号化を
施すことにより、Q=1としてDC+2シーケンスまで
のデータをHPデータとするのに対し、Q=8として全
シーケンスのデータをHPデータとすることにより、ほ
ぼ同一のデータ量においてS/N比を約6.1dB(プ
ロットを無視すれば図より約5.1dB)向上させるこ
とができる。
【0134】上記実施例ではQが整数の場合について説
明したが、整数でなくても良いのは明らかである。
【0135】以上の構成により、本実施例4では、入力
された可変長符号化されたディジタルデータを、一旦可
変長復号した後、予め定められた値で除算することによ
り、ディジタルデータの振幅を制限し、符号量を抑える
ため、高速再生用のHPデータ量を増加させることな
く、イントラ符号化ブロック内のすべての係数をHPデ
ータとして伝送することが可能となり、従来のビットス
トリーム記録装置で符号化した場合と比べて高速再生画
質を向上させ、さらにS/N比を向上させることができ
る。
【0136】実施例5. 図12は本発明の第5の実施例によるディジタル記録再
生装置の高速再生が可能なビットストリーム記録装置の
構成を示すブロック図である。図において、第4の実施
例と同一部分は同一符号を付し、その構成、動作共に同
一であるので説明は省略する。37はEOBを付加する
第3のEOB付加回路、38は入力される可変長符号化
されたディジタルデータを再び符号化する第2の再符号
化回路である。
【0137】次に、上記ディジタル記録再生装置のビッ
トストリーム記録装置の動作について説明する。MPE
G2のビットストリームは入力端子31から入力され、
出力端子32からそのまま出力されて、メインエリアに
順次記録される。一方、入力端子31からのビットスト
リームはシンタックス解析回路53にも入力され、ま
ず、MPEG2のビットストリームのシンタックスが解
析され、イントラ画像を検出する。イントラ画像が検出
されると、イントラ画像のビットストリームは第2の再
符号化回路38に入力され、再符号化が施され(なお、
第2の再符号化回路38の詳細は後述する。)、イント
ラ画像を再符号化することにより得られたビットストリ
ームは、第3のEOB付加回路37でEOBを付加さ
れ、HPデータを構成し、複写エリアに記録する。な
お、図中のEOB付加情報フラグについては後述する。
【0138】図13は第5の実施例における第2の再符
号化回路38の構成を示すブロック図である。図におい
て、39は入力端子、40は第2の可変長復号器、41
は除算回路、42は第2の可変長符号器、43は可変長
符号器制御回路、44及び1000は出力端子である。
【0139】次に、第2の再符号化回路38の動作につ
いて説明する。入力端子39より入力された可変長符号
化されたディジタルデータは、第2の可変長復号器40
において、可変長復号を施され、図109に示すジグザ
グスキャニング順にイントラ符号化ブロックのディジタ
ルデータを出力する。また、第2の可変長復号器40よ
りジグザグスキャニング順に出力されたディジタルデー
タは除算回路41に入力され、予め定められた値Qで除
算を施される。除算回路41において予め定められた値
Qにより除算を施されたディジタルデータは第2の可変
長符号器42に入力され、可変長符号器制御回路43に
よる制御のもとに可変長符号化を施される。可変長符号
器制御回路43における制御を以下に述べる。可変長符
号器制御回路43においては、除算回路41より第2の
可変長符号器42に入力されるイントラ符号化ブロック
のジグザグスキャニング順のデータ数をカウントする。
カウント値が予め定められたデータ数に達すると、第2
の可変長符号器42へコントロール信号を発生し、以降
のイントラ符号化ブロック内の入力データを無効とする
無効データフラグを除算回路41より入力されるデータ
に付加し、それまでに入力されていた有効なデータ分ま
での可変長符号化を行い、以降のデータに対しては可変
長符号化を行わないように制御する。以上のように可変
長符号器制御回路43により制御され可変長符号化を施
されたビットストリームを出力端子44より出力する。
【0140】なお、可変長符号化を行う際、予め定めら
れたデータ数までを符号化するまでに、EOBが発生す
る場合がある。図14に具体的にイントラ符号化ブロッ
クの一例を示す。HPデータとしてDC係数+AC係数
を9個を用いるとすると、ブロック内のAC係数に0ラ
ンレングス符号化を施すと、(run,amp)が
(0,1),(0,2),(1,3),(0,4),
(0,5),EOBとなり、EOBが発生する。このよ
うな場合には既に第2の可変長符号器42においてEO
Bが付加されているということを示すため、可変長符号
器制御回路43においてEOB付加情報信号を発生し、
第3のEOB付加回路37に出力する。第3のEOB付
加回路37では、EOB付加情報信号が入力される時
は、EOBを付加せずそのままのビットストリームを出
力する。
【0141】以上のように、本実施例5では入力される
ディジタルデータに対し、高速再生用のHPデータとし
て上記入力されるディジタルデータを一旦可変長復号
し、復号されたディジタルデータを予め定められた値で
除算して、データの振幅制限を行うことによりデータ量
を制限し、高速再生用のHPデータとしてより高域側の
係数まで用いることが可能となるものであるが、上記の
除算によって振幅を制限されたデータを再び可変長符号
化を行う際に、イントラ符号化ブロック内の係数でDC
係数から低域側からいくつまでのAC係数を用いるかを
予め設定し、設定された係数分だけ可変長符号化を行う
ように制御するので、各ブロックについて同一の個数だ
けの係数を確実に高速再用のHPデータとして得ること
ができるため、比較的安定した高速再生画質を得ること
ができるものである。
【0142】なお、第2の再符号化回路38において可
変長符号器制御回路43で発生するEOB付加情報信号
を発生せず、この信号による制御を行わないように構成
してもよい。
【0143】以上の構成により、本実施例5では、入力
された可変長符号化されたディジタルデータを一旦可変
長復号した後、予め定められた値で除算することによ
り、ディジタルデータの振幅を制限し、符号量を抑える
ため、高速再生用のHPデータ量を増加させることな
く、より高域の係数までをHPデータとして伝送するこ
とが可能となり、従来のビットストリーム記録装置で符
号化した場合と比べて高速再生画質を向上させ、さらに
S/N比を向上させることができる。
【0144】実施例6. 図15は本発明の第6の実施例によるディジタル記録再
生装置の高速再生が可能なビットストリーム記録装置の
構成を示すブロック図である。図において、第5の実施
例と同一部分は同一番号を符号を付し、その構成、動作
共に同一であるので説明は省略する。45は入力される
可変長符号化されたディジタルデータを再び符号化する
第3の再符号化回路である。
【0145】次に、上記ディジタル記録再生装置のビッ
トストリーム記録装置の動作について説明する。MPE
G2のビットストリームは入力端子31から入力され、
出力端子32からそのまま出力されて、メインエリアに
順次記録される。一方、入力端子31からのビットスト
リームはシンタックス解析回路53においてまず、MP
EG2のビットストリームのシンタックスが解析され、
イントラ画像を検出する。イントラ画像が検出される
と、イントラ画像のビットストリームは第3の再符号化
回路45に入力され再符号化が施され、(なお、第3の
再符号化回路45の詳細は後述する。)、イントラ画像
を再符号化することにより得られたビットストリーム
は、第3のEOB付加回路37でEOBを付加され、H
Pデータを構成し、複写エリアに記録する。
【0146】図16は第6の実施例における第3の再符
号化回路45の構成を示すブロック図である。図におい
て、第5の実施例の第2の再符号化回路38と同一符号
を付したものは、その構成、動作も同一であるので説明
は省略する。46は第3の可変長符号器、47は符号量
制御回路である。
【0147】次に、第3の再符号化回路45の動作につ
いて説明する。入力端子39より入力された可変長符号
化されたディジタルデータは、第2の可変長復号器40
において、可変長復号を施され、図109に示すジグザ
グスキャニング順にイントラ符号化ブロックのディジタ
ルデータを出力する。また、第2の可変長復号器40よ
りジグザグスキャニング順に出力されたディジタルデー
タは除算回路41に入力され、予め定められた値Qで除
算を施される。除算回路41において予め定められた値
Qにより除算を施されたディジタルデータは第3の可変
長符号器46に入力され、符号量制御回路47による制
御のもとに可変長符号化を施される。符号量制御回路4
7における制御を以下に述べる。符号量制御回路47に
おいては、第3の可変長符号器46において可変長符号
化を施されたデータの符号長を順次加算する。加算され
た符号長が予め定められた符号長に達すると、第3の可
変長符号器46へコントロール信号を発生し、以降のイ
ントラ符号化ブロック内の入力データを無効とする無効
データフラグを除算回路41より入力されるデータに付
加し、以降の入力データに対し可変長符号化を行わない
ように制御する。以上のように符号量制御回路47によ
り制御され可変長符号化を施されたビットストリームは
出力端子44より出力される。
【0148】なお、可変長符号化を行う際、符号量制御
回路47において予め定められた符号量に達するまで
に、EOBまでの符号化が終了する場合がある。このよ
うな場合には既に第3の可変長符号器46においてEO
Bが付加されているということを示すため、符号量制御
回路47においてEOB付加情報信号を発生し、第3の
EOB付加回路37に出力する。第3のEOB付加回路
37では、EOB付加情報信号が入力される時は、EO
Bを付加せずそのままのビットストリームを出力する。
【0149】以上のように、本実施例6も、上記実施例
5と同様に、入力されるディジタルデータに対し、高速
再生用のHPデータとして上記入力されるディジタルデ
ータを一旦可変長復号し、この復号されたディジタルデ
ータを予め定められた値で除算して、データの振幅制限
を行うことによりデータ量を制限し、高速再生用のHP
データとしてより高域側の係数まで用いることが可能と
なるものであるが、上記除算によって振幅を制限された
データに再び可変長符号化を行う際に、上記実施例5に
おいてはイントラ符号化ブロック内の係数でDC係数か
ら低域側からいくつまでのAC係数を用いるかを予め設
定し、各ブロックについて同一の個数だけの係数を確実
に可変長符号化したものを高速再用のHPデータとして
用いたのに対し、本実施例6では予めHPデータ量を定
め、再び可変長符号化されるデータが定められたHPデ
ータ量におさまる分まで、係数の個数に関係なく可変長
符号化を施したものをHPデータとして用いるものであ
る。従って、ブロックによってはより高域側の係数まで
をHPデータとして得ることが可能となるものである。
【0150】なお、第3の再符号化回路45において、
符号量制御回路47で発生するEOB付加情報信号を発
生せず、この信号による制御を行わないように構成して
もよい。
【0151】以上の構成により、本実施例6では、入力
された可変長符号化されたディジタルデータを一旦可変
長復号した後、予め定められた値で除算することによ
り、ディジタルデータの振幅を制限し、符号量を抑える
ため、高速再生用のHPデータ量を増加させることな
く、より高域の係数までをHPデータとして伝送するこ
とが可能となり、従来のビットストリーム記録装置で符
号化した場合と比べて高速再生画質を向上させ、S/N
比を向上させることができる。
【0152】実施例7. 次に、本発明の第7の実施例について説明する。本実施
例7は上記実施例5と同様に、入力された可変長符号化
されたディジタルデータを一旦可変長復号した後、予め
定められた値で除算することにより、ディジタルデータ
の振幅を制限し、符号量を抑え、高速再生用のHPデー
タ量を増加させることなく、より高域の係数までをHP
データとして伝送することができるという効果を目的と
するものであるが、入力された可変長符号化されたディ
ジタルデータから、再符号化を行ったディジタルデータ
への変換(上記実施例5及び実施例6と同様に実際に可
変長復号し、予め定められた値で除算することによって
得られる振幅制限されたディジタルデータに再び可変長
符号化を施したディジタルデータへの変換を、一旦可
変長復号し再び可変長符号化するという過程を必要とせ
ず、入力されたディジタルデータをそのままの形で変換
できる変換テーブルを用いて行うものである。
【0153】図17は第7の実施例であるディジタル
録再生装置の高速再生が可能なビットストリーム記録装
置の構成を示すブロック図である。図において、上記実
施例と同一部分は同一符号を付し、その構成、動作共に
同一であるので説明は省略する。48は入力される可変
長符号化されたディジタルデータを再び符号化する第4
の再符号化回路である。
【0154】次に、第7の実施例のディジタル記録再生
装置のビットストリーム記録装置の動作について説明す
る。MPEG2のビットストリームは入力端子31から
入力され、出力端子32からそのまま出力されて、メイ
ンエリアに順次記録される。一方、入力端子31からの
ビットストリームはシンタックス解析回路53において
まずMPEG2のビットストリームのシンタックスが解
析され、イントラ画像を検出する。イントラ画像が検出
されると、イントラ画像のビットストリームは第4の再
符号化回路48に入力され、再符号化が施され、(な
お、第4の再符号化回路48の詳細は後述する。)、イ
ントラ画像を再符号化することにより得られたビットス
トリームは、第3のEOB付加回路37でEOBを付加
され、HPデータを構成し、複写エリアに記録される。
【0155】図18は第4の実施例における第4の再符
号化回路48の構成を示すブロック図である。図におい
て、上記実施例と同一部分は同一符号を付し、その構
成、動作ともに上記実施例と同一であるので説明は省略
する。49は入力されるシリアルデータをパラレルデー
タに変換する第1のデータ変換回路、50は可変長符号
化されたディジタルデータを予め定められた可変長符号
に変換する変換テーブルを有するマッピング回路、51
はマッピング回路50を制御するマッピング制御回路、
52はパラレルデータをシリアルデータに変換する第2
のデータ変換回路である。
【0156】次に、第4の再符号化回路48の動作につ
いて説明する。入力端子39より入力された可変長符号
化されたディジタルデータは、第1のデータ変換回路4
9においてシリアルデータから、可変長符号化の最大ビ
ット数のパラレルデータへ変換される。第1のデータ変
換回路49より出力されるパラレルデータはマッピング
回路50に入力され、マッピング制御回路51により制
御され予め定められた別の可変長符号に変換される。マ
ッピング回路50及びマッピング制御回路51の動作の
詳細は後述する。マッピング回路50より出力されたパ
ラレルデータは第2のデータ変換回路52においてシリ
アルデータに変換され、出力端子44より出力される。
【0157】次に、図17,図18,図19及び図20
を用いて、第1のデータ変換回路49より出力されるパ
ラレルデータ化された可変長符号化を施されたデータが
マッピング回路50及びマッピング制御回路51におい
て、予め定められた別の可変長符号に変換される動作過
程を具体例により説明する。
【0158】図19に可変長符号化(VLC)の(0ラ
ンレングス,係数)(以下、(run,amp)と記
す。)に対応するコード表の一例を示す。例えば、0ラ
ンレングスが0で係数が1となる(0,1)に対するV
LCコードは00sである。但し、sは係数の符号ビッ
トを示すものである。但し、ESCコードについてのコ
ード例はここで示す例には影響がないので表に示してい
ない。以下、図19に示すコード表、及び図20
(a),(b)を用いて、入力された可変長符号化を施
されたディジタルデータから出力する可変長符号化ディ
ジタルデータに変換するマッピング回路50内のテーブ
ルの内容を説明する。まず、図20(a)の例を用いて
説明する。第1のデータ変換回路49より出力された可
変長符号語の最大ビット数分(以下、一例として最大ビ
ット数を16ビットとして説明する。)のパラレルデー
タはマッピング回路50及びマッピング制御回路51に
入力される。マッピング制御回路51に入力された16
ビットのパラレルデータはマッピング制御回路51内の
VLCテーブルを参照し、該当する可変長符号を検索
し、該当する可変長符号が見つかるとパラレルデータか
ら該当する可変長符号分のビットを切り出す。図20
(a)の例は、16ビットのパラレルデータから可変長
符号として上位から111101010sが切り出され
たものである。これは上記のVLCテーブルに従えば、
(run,amp)=(1,8)であるので、0,8と
続く2つのデータに可変長復号されるものである。この
2つのデータに上記実施例5において第2の再符号化回
路38における除算回路41でQ=8としたときの除算
を施せば、0,1と続く2つのデータに変換される。こ
れは(run,amp)=(1,1)であり、上記のV
LCテーブルに従えば、対応するVLCコードは011
1sとなる。このように、除算を施され、変換されたデ
ータにVLCテーブルにより対応する符号が割り当てら
れる時は、マッピング制御回路51よりマッピング回路
50にコントロール信号を発生し、マッピング回路50
ではパラレル入力データ111101010sをパラレ
ル出力データ0111sに変換を行う。なお、マッピン
グ制御回路51において可変長符号語が切り出される
と、マッピング制御回路51より、切り出された符号の
ビット数分だけマッピング回路50及びマッピング制御
回路51内のパラレルデータをビットシフトするための
ビットシフト情報が第1のデータ変換回路49に出力さ
れ、マッピング回路50及びマッピング制御回路51の
パラレルデータを切り出されたビット数分だけビットシ
フトを行い、第1のデータ変換回路49より切り出され
た可変長符号語のビット数分のパラレルデータが新たに
マッピング回路50及びマッピング制御回路51に入力
される。
【0159】次に、もう一つの例として、図20(b)
に示す場合について説明する。図20(b)の例では、
第1のデータ変換回路49より入力されるパラレルデー
タから可変長符号として10101sが切り出されたも
のである。これは上記のVLCテーブルに従えば、(r
un,amp)=(1,2)であるので、0,2と続く
2つのデータに可変長復号されるものである。この2つ
のデータに上記実施例5において第2の再符号化回路3
8における除算回路41でQ=8としたときの除算を施
せば、0,0と続く2つのデータに変換される。これは
(run,amp)で表わす場合、ampが0であるた
め、1つのイントラ符号化ブロックの最後のシーケンス
であればEOBと判別できるが、ブロックの途中のシー
ケンスである場合はEOBと判別できない。このような
場合は、マッピング制御回路51においてEOBと判別
できず、残った2つのデータ0,0の0の個数(この場
合2)を、0情報としてマッピング制御回路51で保持
する。さらにマッピング制御回路51において上記可変
長符号として10101sが切り出されたので、6ビッ
ト分ビットシフトするビットシフト情報が第1のデータ
変換回路49に出力されマッピング回路50及びマッピ
ング制御回路51のパラレルデータを6ビット分ビット
シフトし、新たに第1のデータ変換回路49より6ビッ
ト分のパラレルデータがマッピング回路50及びマッピ
ング制御回路51へ入力される。次に、図20(b)の
例では、マッピング制御回路51において新たな16ビ
ットのパラレルデータから可変長符号として11101
110sが切り出される。これは上記のVLCテーブル
に従えば、(run,amp)=(0,16)であるの
で、データ16に変換される。このデータ16に図20
(a)と同様にQ=8による除算を施すと、データ2に
変換される。この時、マッピング制御回路51において
0情報の個数2が保持されているので、頭に0ランレン
グスを2個加え、0,0,2と続く3つのデータに変換
される。これは(run,amp)=(2,2)であ
り、上記のVLCテーブルに従えば、対応するVLCコ
ードは1101010sとなる。この時、図20(a)
の例と同様に、マッピング制御回路51よりマッピング
回路50にコントロール信号を発生し、パラレルデータ
1101010sを出力する。なお、コントロール信号
発生時に、0情報は0にリセットされる。
【0160】以上の構成により、本実施例7では、入力
された可変長符号化されたディジタルデータを一旦可変
長復号した後、予め定められた値で除算することによ
り、ディジタルデータの振幅を制限されたディジタルデ
ータに再び可変長符号化を施したディジタルデータへの
変換を、入力された可変長符号化されたディジタルデー
タから予め定められた可変長符号化ディジタルデータへ
変換するテーブルにより行うことにより、簡単な回路構
成で、符号量を抑え、高速再生用のHPデータ量を増加
させることなく、イントラ符号化ブロック内の全シーケ
ンスをHPデータとして伝送することが可能となり、従
来のビットストリーム記録装置で符号化した場合と比べ
て高速再生画質を向上させ、S/N比を向上させること
ができる。
【0161】実施例8. 図21は本発明の実施例8におけるディジタル記録再生
装置の記録系のブロック構成図である。図において、6
0はディジタル映像信号とディジタル音声信号とがビッ
トストリームとして入力される入力端子、61は送られ
てきたビットストリームから映像信号や音声信号等のパ
ケットを検出するパケット検出回路、62はビットスト
リームを記憶する第1のメモリ、63はビットストリー
ム内のイントラ符号化データを検出するイントラ検出回
路、64はイントラ符号化データを予め定められた規則
に従い分割する第2のデータ分割回路、65は第2のデ
ータ分割回路64より出力されたデータを記憶する第2
のメモリ、66は第1のメモリ62及び第2のメモリ6
5より出力されたデータを合成して記録データストリー
ムを生成する第1のデータ合成回路、67は第1のデー
タ合成回路66より出力される記録データストリームに
誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号器、68は記録ア
ンプ、69は回転ドラム、70a及び70bは回転ヘッ
ドである。
【0162】図22は図21における第2のデータ分割
回路64のブロック構成図である。図において、71は
イントラ符号化されたビットストリームデータの入力端
子、72は入力されたビットストリームデータを可変長
復号する第3の可変長復号器、73は第1のROMテー
ブル、74は第2のROMテーブル、75は入力された
データに可変長符号化を施す第4の可変長符号器、76
は入力されたデータに可変長符号化を施す第5の可変長
符号器、77及び78は出力端子である。
【0163】図23は図22における第1のROMテー
ブル73及び第2のROMテーブル74のテーブルの内
容を示す図である。なお、具体的な内容の決定方法につ
いては後述する。図24は実施例8におけるデータパケ
ット図である。図24(a)は入力ビットストリームに
含まれるトランスポートパケット図、図24(b)は磁
気テープ上に記録される記録データパケット図である。
また、図25はデータ分割動作の動作を説明するための
図、図26は実施例8におけるディジタル記録再生装置
のトラックフォーマットを示す図、図27はSD規格に
おける映像信号の1トラック内のデータフォーマットを
示す図である。
【0164】図28は実施例8におけるディジタル記録
再生装置の再生系のブロック構成図である。図におい
て、図21と同一の符号を記したものは構成が同一であ
るので説明は省略する。80はヘッドアンプ、81は再
生信号よりディジタルデータを検出するとともにディジ
タル復調を施す信号検出回路、82は再生信号中に含ま
れる誤りを訂正または検出する誤り訂正復号器、83は
第3のメモリ、84は記録時に分割されたデータを復元
する第11のデータ合成回路、85は第4のメモリ、8
6はスイッチ、87はデータの出力端子である。
【0165】また、図29は図28における第11のデ
ータ合成回路84のブロック構成図である。図におい
て、90はデータの入力端子、91は入力されたデータ
よりXデータとYデータとを分離するX・Yデータ分離
回路、92は第4の可変長復号器、93は第5の可変長
復号器、94は第5のメモリ、95は第6のメモリ、9
6は入力データに2を掛ける乗算器、97は加算器、9
8はスイッチ、99は入力されたデータに3を掛ける乗
算器、100はスイッチ、101は第6の可変長符号
器、102は第1のデータ合成制御回路、103は出力
端子である。
【0166】まず、本実施例8の記録時の動作につい
て、図21〜図27を用いて説明する。入力端子60よ
り入力されるビットストリームには、ディジタル映像信
号,ディジタル音声信号,映像信号及び音声信号に関す
るディジタルデータが含まれており、それらは図24
(a)に示すトランスポートパケットに区切られて伝送
されてくる。パケットは、4バイトのヘッダ部と184
バイトのデータ部とから構成されている。本実施例8で
は、ビットストリームをトランスポートパケット単位に
検出し、検出されたイントラ符号化データのパケットを
分割符号化を行い上述の複写エリアに記録する。よっ
て、まず始め入力端子60を介して入力されたビットス
トリームは、パケット検出回路61にてトランスポート
パケットが検出され、第1のメモリ62及びイントラ検
出回路63へ入力される。
【0167】SD規格では、従来例でも述べたが図27
に示すように1トラックあたり映像データを記録するエ
リアとして149シンクブロック用意されている。その
内3ブロックがVAUXデータ記録エリアとして、また
11ブロックが誤り訂正符号記録エリア(図中ではC2
検査符号と記す)として設けられている。また、1シン
クブロックは90バイトで構成されており、その内先頭
の5バイトはシンクパターンとID信号が記録されてお
り、また後ろの8バイトには誤り訂正符号(図中ではC
1検出符号と記す)が記録される。よって、1シンクブ
ロック内に記憶することができるデータは図に示すよう
に77バイトとなる。
【0168】第1のメモリ62では、パケット単位でビ
ットストリームのデータを記憶し、図24(b)の記録
データパケットの構成になるようにデータを読み出す。
図24(b)は、上述のように1シンクブロック内のデ
ータ長を77バイトとした時に、5シンクブロックで2
つのトランスポートパケットを構成するようにしたもの
である。図において、H1は第1のヘッダ、H2は第2
のヘッダである。H1には5シンクブロックの何番目の
シンクかを示す識別データなどが記録される。H2には
映像データか音声データか等の識別データなどが記録さ
れる。なお、本実施例8では、第1のメモリ62及び後
述する第2のメモリ65からのデータの読み出しは第1
のデータ合成回路66の指令に基づいて読み出されるも
のとする。
【0169】一方、パケット検出回路61からのビット
ストリーム出力はイントラ検出回路63へ入力される。
イントラ検出回路63では、トランスポートパケット内
のデータからイントラ符号化されているデータかそうで
ないデータかを検出する。MPEG2のビットストリー
ムでは、従来例でも示したようにフレーム内またはフィ
ールド内符号化(イントラ符号化)されている場合は、
イントラのトランスポートパケットが連続して送られて
くることになる。従って、これを検出してイントラのみ
のトランスポートパケットを抜き出す。抜き出されたト
ランスポートパケットは第2のデータ分割回路64へ出
力される。
【0170】一般に、上記トランスポートパケット内の
ディジタル映像データには可変長符号化が施されてい
る。よって、本実施例8においても入力ビットストリー
ムデータ内の映像データには可変長符号化が施されてい
るものとして説明を続ける。また、イントラ符号化され
ているデータに関しては、DCTをベースとした直交変
換が施された後に2次元の可変長符号化が施されている
ものとして説明を続ける。
【0171】以下、図22,図23及び図25を用いて
第2のデータ分割回路64の動作を説明する。イントラ
検出回路63で検出されたイントラ符号化されたトラン
スポートパケットは第3の可変長復号器72で可変長復
号が行われもとのDCT係数Dが得られる。第3の可変
長復号器72の出力Dは第1のROMテーブル73及び
第2のROMテーブル74へ入力される。以下、上記第
1及び第2のROMテーブル73及び74でのデータ分
割方式について説明する。
【0172】本実施例8で用いるデータ分割方式は入力
データDに対して2つの出力データX0及びX1がD=
2×X0+X1なる関係を有するようにX0及びX1を
決定する。なお、X0を決定するに当たりある連続する
D(例えば、−1,0及び1)に対して同一の出力コー
ド(前記−1,0及び1に対しては0)を与え、次の連
続するコード(2及び3)に対しては1つ大きい出力コ
ード(2及び3に対しては1)を与える。第1及び第2
のROMテーブル73及び74は以上の関係をもとにR
OMテーブルを作成する。図23に各々の変換ROMテ
ーブルの内容を示す。第1及び第2のROMテーブル7
3及び74では上述の要領で入力データDをX0及びX
1に2分割する。
【0173】この時の具体的な動作を図25を用いて説
明する。図25(a)は1DCTブロック(本実施例8
では図に示すように8ライン×8画素で構成されている
ものとする。)内のDCT係数データを示す。図25
(b)には、第1のROMテーブル73で分割されたX
0データを、図25(c)には第2のROMテーブル7
4で分割されたX1データを示す。例えばDCである9
1は31と29(2×31+29=91)とに分割され
る。
【0174】上述のように分割されたデータは、以下の
ような特性を持つ。例えばDCデータに関してX0のみ
のデータが再生された場合を考える。31のみが再生さ
れた場合もとの値91は31×3(=93)を計算する
ことによりほぼもとの値を復元できる。同様にX1のみ
再生された場合は29×3(=87)を計算することに
よりほぼもとの値を復元できる。また、X0及びX1が
再生された場合には2×31+29(=91)を計算す
ることにより91を復元できる。同様にD=−17はX
0=−6、X1=−5に変換される。X0のみではー6
×3(=ー18)、X1のみではー5×3(=ー15)
とほぼDを復元できる。
【0175】すなわち、復号の際X0またはX1の片方
のみ再生された場合は再生されたデータを3倍すること
によりほぼもとのDを復元することができ、また、両デ
ータが再生された場合は2×X0+X1を計算すること
によりDを完全に復元することが可能となる。
【0176】以下、本実施例8の動作の説明を続ける。
第1のROMテーブル73で分割されたX0データは第
4の可変長符号化器75で再び可変長コードXに変換さ
れる。同様に、第2のROMテーブル74で分割された
X1データは第2の可変長符号器76で可変長コードY
に変換される。なお、第1の可変長符号器75及び第2
の可変長符号器76における可変長コードの内容は異な
ってもよい。
【0177】第2のデータ分割回路64で分割された上
記X及びYの可変長コードは第2のメモリ65へ一旦記
憶される。第2のメモリ65では、上記分割され可変長
符号化が施されたX及びYデータのビットストリームを
一旦記憶し、上述のトランスポートパケットと同様に1
シンクブロック内のデータ長が77バイトの記録データ
パケットの構成になるようにデータを読み出す。
【0178】次に、図26を用いて第1のデータ合成回
路66でのデータ合成動作を説明する。図26は本実施
例8の1例であるディジタル記録再生装置の磁気テープ
上での記録フォーマットを示した。図に記したA及びB
は異なるアジマス角を有するトラックを示す。また、図
中に記した同一記号部分(1X,1Y,2X・・・等)
は同一の信号が記録されているものとする。図に示すよ
うに、本実施例8では従来例と同様にメインエリアと特
殊再生用データ記録エリア(以下、複写エリアと記す)
の1トラック上の配置は図107に示すものと同一のも
のであるとする。また、従来例と同様に複写エリアには
第2のメモリ65より出力されるイントラ符号化された
画面上の同一位置のデータブロックの内容を記憶するエ
リアが17箇所設けられているものとする。すなわち、
従来例と同様に本トラックフォーマットでは17倍速の
スピードサーチにまで対応するものとする。
【0179】第1のメモリ62及び第2のメモリ65よ
り出力されたデータは第1のデータ合成回路66へ入力
される。第1のデータ合成回路66では、第1のメモリ
62及び第2のメモリ65に記憶されたデータを合成し
てトラックフォーマットを生成する。以下、第1のデー
タ合成回路66の動作を説明する。
【0180】第1のメモリ62に記憶されているATV
信号のビットストリームは、上述のように5シンクブロ
ックで2つのトランスポートパケットが構成され、第1
のメモリ62より1シンクブロックを単位として所定の
タイミングで読み出され、上記記録トラック上のメイン
エリアに記録されるように合成される。第1のデータ合
成回路66では、第1のメモリ62のメモリ読み出し制
御信号(データの読み出しタイミング)を発生しデータ
を合成する。
【0181】一方、第2のデータ分割回路64で2分割
されたX及びYデータは第2のメモリ65より図26に
示すデータ配置になるようにトラック毎に2分割された
データが交互に切り換えられ1シンクブロック単位(7
7バイト)で所定のタイミングで読み出される。よっ
て、分割された画面の同一位置のブロックのX及びYの
情報は図26に示すようにA及びBの2つの異なるアジ
マス角を有する2本のトラックに記録されることにな
る。
【0182】上記要領で合成されたデータは誤り訂正符
号器67で誤り訂正符号が付加される。誤り訂正符号が
付加された記録データは記録アンプ68でディジタルへ
変調が施された後に増幅され回転ヘッド70a及び70
bを介して磁気テープ上に記録される。
【0183】次に再生系の動作を図28,図29を用い
て説明する。まずはじめ、通常再生動作について説明す
る。通常再生時、磁気テープより回転ヘッド70a及び
70bを介して再生されたデータは、ヘッドアンプ80
で増幅された後に信号検出回路81で信号検出が行われ
ディジタルデータに変換されるとともに、ディジタル復
調が施される。ディジタル復調が施されたデータは誤り
訂正復号器82で記録時に予め付加されている誤り訂正
符号を用いて再生信号中に発生した誤りの訂正及び検出
が行われる。誤り訂正が施されたデータは第3のメモリ
83及び第11のデータ合成回路84へ入力される。
【0184】第3のメモリ83では入力されたデータよ
りATV信号のビットストリームを分離し、上記ビット
ストリームのみメモリ内に記憶する。一方、第11のデ
ータ合成回路84に入力されたデータは、X・Yデータ
分離回路91で記録時分割されたX及びYデータが再生
信号より分離される。データ分離方法に関しては、本実
施例8ではXデータをアジマス角Aのトラックに記録し
ており、Yデータをアジマス角Bのトラックに記録して
いるので、シンクブロック中のID信号中に記録されて
いるシンクブロックナンバーによりトラック上での複写
エリアの位置を検出し、現在再生中の回転ヘッドのアジ
マス角によりXまたはYデータの識別を行う。このよう
に分割されたX及びYデータを予め記録しておけば、X
及びYデータを分離する際、特別な回路を設けることな
く簡単にかつ正確に分離できる。
【0185】分離されたXデータは第4の可変長復号器
92で可変長復号されX0データが復元され、第5のメ
モリ94に一旦記憶される。同様にX・Yデータ分離回
路91で分離されたYデータは第5の可変長復号器93
で可変長復号が行われX1データが復元され、第6のメ
モリ95に一旦記憶される。
【0186】また、第1のデータ合成制御回路102で
はX・Yデータ分離回路91より出力されるX及びYデ
ータの再生情報をもとに通常再生時は画面上の同一位置
のX(X0)データ及びY(X1)データが再生された
時点で第5及び第6のメモリ94及び95へデータの読
み出し制御信号を出力する。なお、詳細な説明は省略す
るが、第5及び第6のメモリ94及び95へのデータの
書き込み制御信号はX・Yデータ分離回路91より出力
されるデータ分離情報を用いて発生する。X0データ及
びX1データの両データが再生された場合はスイッチ1
00は加算器97の出力を選択する。なお、スイッチ1
00の制御信号は第1のデータ合成制御回路102より
出力される。第5のメモリ94より出力されたX0デー
タは乗算器96で2倍され加算器97に出力される。加
算器97では乗算器96の出力と第6のメモリ95の出
力とが加算される。上記乗算器96と加算器97とによ
り本実施例8では2×X0+X1を実行する。
【0187】一方、再生信号に誤りが発生し画面上の同
一位置のXデータまたはYデータのどちらか一方しか再
生されなかった場合は、第1のデータ合成制御回路10
2では再生された一方のデータを格納しているメモリよ
りデータを読み出す。例えばXデータのみ再生された場
合は第1のデータ合成制御回路102では第5のメモリ
94の読み出し制御信号を出力するとともにスイッチ9
8へは第5のメモリ94の出力を選択する選択信号を、
スイッチ100には乗算器99の出力を選択する選択信
号を出力する。なお、Yデータのみ再生された場合は、
第6のメモリ95の読み出し制御信号を出力するととも
にスイッチ98へは第6のメモリ95の出力を選択する
選択信号を、スイッチ100には乗算器99の出力を選
択する選択信号を出力する。
【0188】スイッチ98の出力は乗算器99で3と乗
算されスイッチ100へ出力される。これにより本実施
例8では3×X0(または3×X1)が実行され上述の
ようにほぼもとの値を復元することができる。スイッチ
100の出力は第6の可変長符号器101で可変長符号
化が施されビットストリームが生成される。第11のデ
ータ合成回路84の出力は一旦第4のメモリ85へ記憶
される。通常再生時はスイッチ86は常に第3のメモリ
83の出力を選択するように構成されており、第3のメ
モリ83で188バイトのパケット情報に復元されたA
TVのビットストリームが出力端子87より出力され
る。
【0189】次に、スチルモードについて説明をする。
スチル再生は、通常再生中にスチルモードに移行する場
合と、停止状態からスチルモードを選択する場合との2
つのケースがある。まず始め、通常再生動作からスチル
モードに移行する場合について述べる。通常再生からス
チルモードを選択すると、再生データはストップし第3
のメモリ83及び第11のデータ合成回路84にはデー
タが入力されなくなる。ここでスイッチ86は入力を第
4のメモリ85の出力を選択することにより静止画像を
出力端子87から出力する。第3及び第4のメモリ83
及び85には図24(b)のデータのうちH1,H2を
除くデータ、即ち図24(a)のトランスポートパケッ
トのデータが書き込まれる。第4のメモリ85には第1
1のデータ合成回路84で合成されたイントラ符号化さ
れたデータのみが書き込まれることになるので、トラン
スポートパケット単位で記憶されているデータを順次読
み出せばよい。
【0190】次に、停止状態からスチルモードを選択す
る場合について述べる。停止状態では、第3及び第4の
メモリ83及び85には正しいデータがなく、この状態
でスチルモードを選択した場合には、一度再生して、1
画面分のデータを第4のメモリ85に蓄えてからテープ
を停止すればよい。
【0191】続いて、スロー再生の動作について述べ
る。スロー再生時、磁気テープの送り速度は通常再生よ
り遅く、同じ斜めのトラックを横切りつつ、かつ何回か
再生しながらテープが送られることになる。従って、信
号検出回路81で正しく復調されたシンクブロックのみ
を取り出して誤り訂正復号器82で誤り訂正を施し複写
エリアに記憶されたイントラ符号化されたデータを取り
出し静止画像を合成して第4のメモリ85よりトランス
ポートパケット単位で記憶されているデータを順次読み
出せばよい。
【0192】次に、高速再生時の動作を図30を用いて
説明する。高速再生のモード信号が入力されるとスイッ
チ86は第4のメモリ85の出力を選択する。回転ヘッ
ド70a及び70bを介して間欠的に再生されてくる再
生データはヘッドアンプ80で増幅された後に信号検出
回路81でディジタルデータに変換されるとともにディ
ジタル復調が施される。信号検出回路81で正しく復調
されたデータは誤り訂正復号器82で誤り訂正を施し第
11のデータ合成回路84へ入力される。第3のメモリ
83へもデータは出力されるが上述のようにデータが間
欠的に再生されるためまともなトランスポートパケット
を生成することができない。以下、低速側の高速再生
(5倍速再生)の場合と高速側の高速再生(17倍速再
生)の場合とに分けて、第11のデータ合成回路84の
動作を説明する。
【0193】まず始め低速側の高速再生(5倍速再生)
を行ったときの再生系の動作を説明する。まず始め、第
11のデータ合成回路84に入力されたデータは、X・
Yデータ分離回路91に入力される。X・Yデータ分離
回路91では、間欠的な再生される再生信号より、記録
時分割されたX及びYデータを分離する。なお、データ
分離方法に関しては上述のようにID信号中のシンクブ
ロックナンバー、及び回転ヘッドのアジマス角を用いて
行うものとする。分離されたXデータは第4の可変長復
号器92で可変長復号されX0データが復元され、第5
のメモリ94に一旦記憶される。同様にX・Yデータ分
離回路91で分離されたYデータは第5の可変長復号器
93で可変長復号が行われX1データが復元され、第6
のメモリ95に一旦記憶される。
【0194】図30に示すように5倍速再生の場合分割
して複写エリアに記録したX及びYの両方のデータを再
生することができる。すなわち、1X及び1Y,2X及
び2Y,3X及び3Y等が再生される。よって、第1の
データ合成制御回路102ではX・Yデータ分離回路9
1より出力されるX及びYデータの再生情報をもとに画
面上の同一位置のX(X0)データ及びY(X1)デー
タの両データが再生された時点で第5及び第6のメモリ
94及び95へデータの読み出し制御信号を出力する。
5倍速再生に場合は、図30に示すようにX0データ及
びX1データの両データが再生されるのでスイッチ10
0は加算器97の出力を選択する。また、第5のメモリ
94より出力されたX0データは乗算器96で2倍され
加算器97へ出力される。加算器97では乗算器96の
出力と第6のメモリ95の出力が加算される。これによ
り、もとのデータを完全に復元することができる。スイ
ッチ100の出力は第6の可変長符号器101で可変長
符号化が施され第4のメモリ85へ記憶される。そし
て、第4のメモリ85からはイントラ符号化されたデー
タがトランスポートパケット単位で順次読み出される。
【0195】次に、高速側の高速再生(17倍速再生)
を行った場合の第11のデータ合成回路84の動作を説
明する。17倍速の場合、図30に示すように複写エリ
アに記録したXまたはYデータのどちらか一方しか再生
されない。すなわち、図30において、1X,2X,3
X,4Y・・・等によって、第11のデータ合成回路8
4ではX・Yデータ分離回路91より出力されるXまた
はYデータのどちらか一方の再生情報を用いて高速再生
画像を合成する。以下、第11のデータ合成回路84の
動作を説明する。
【0196】上述のように、画面上の同一位置のXデー
タまたはYデータのどちらか一方しか再生されなかった
場合は、第1のデータ合成制御回路102では再生され
た一方のデータを格納しているメモリよりデータを読み
出す。例えばXデータのみ再生された場合は第1のデー
タ合成制御回路102では第5のメモリ94の読み出し
制御信号を出力するとともにスイッチ98へは第5のメ
モリ94の出力を選択する選択信号を、スイッチ100
には乗算器99の出力を選択する選択信号を出力する。
なお、Yデータのみ再生された場合は、第6のメモリ9
5の読み出し制御信号を出力するとともにスイッチ98
へは第6のメモリ95の出力を選択する選択信号を、ス
イッチ100には乗算器99の出力を選択する選択信号
を出力する。
【0197】スイッチ98の出力は乗算器99で3と乗
算されスイッチ100へ出力される。スイッチ100の
出力は第6の可変長符号器101で可変長符号化が施さ
れビットストリームが生成される。第11のデータ合成
回路84の出力は一旦第4のメモリ85へ記憶される。
そして、第4のメモリ85からはイントラ符号化された
データがトランスポートパケット単位で順次読み出され
る。
【0198】上述のように、入力データDをXデータと
Yデータとに分割して図26に示すように複写エリアに
記録する。本実施例のようにデータを2分割して記録し
た場合同一データを2度伝送する場合と比較して画像デ
ータをシミュレーションした結果約65%のデータ容量
で同一のデータを伝送できることを確認した。なお、本
実施例では入力された1フレームのDCTブロックデー
タをすべて上記方式により2分割し符号化した場合のX
データ及びYデータのトータルのデータ伝送レートと入
力されたデータをそのまま符号化し2度伝送した場合の
トータルの伝送レートとを比較した。
【0199】よって、従来例の場合と比較して約1.5
倍のデータを上記複写エリアを用いて伝送できるのでよ
り高域のDCT係数データまで伝送できる。よって、X
及びYデータの両方のデータが再生できるスチル再生,
スロー再生及び低速側の高速再生においては従来例と比
べより高域のDCT係数まで伝送できるので再生画質の
大幅な改善がはかれる。一方、分割データのどちらか一
方しか再生することのできない高速側の高速再生におい
ても、上述のようにXデータまたはYデータを用いてほ
ぼもとの値を復元できるので従来例並の再生画像を得る
ことができる。
【0200】また、本実施例8では2分割された上記デ
ータを図26に示すように記録するのでXデータとYデ
ータとを識別する際、シンクブロックのID信号部に記
録されているシンクブロックナンバーにより上記複写エ
リアの位置を識別し回転ヘッドのアジマス角を用いてX
データとYデータとを識別するので特別な信号を付加す
る必要なくXデータとYデータとの識別が可能となる。
また、X及びYデータを回転ヘッドのアジマス角を用い
て識別するので再生系側に新たなる識別回路を付加する
ことなく簡単にデータの識別が可能となり、回路規模の
削減を図れる。
【0201】なお、上記実施例8では2分割したXデー
タとYデータとを図26に示すように磁気テープ上に配
置したがこれに限るものではなく、XデータとYデータ
との識別信号を図24(b)に示すH1またはH2領域
に記録することにより異なるデータ配置にしても、Xデ
ータとYデータとの識別ができれば同様の効果を奏する
ことは言うまでもない。
【0202】実施例9.本実施例9は実施例8の分割方
式が異なるだけであるので、第2のデータ分割回路64
及び第11のデータ合成回路84について説明する。図
31は実施例9における第2のデータ分割回路64中の
第1のROMテーブル73及び第2のROMテーブル7
4の内容を示す図である。図32は実施例9における第
11のデータ合成回路84のブロック構成図である。な
お、図32中同一符号を記したものは実施例8のものと
同一の構成及び動作であるので詳細な説明は省略する。
104は入力データを3倍する乗算器、105は入力デ
ータを4倍する乗算器である。
【0203】以下、図22及び図31を用いて第2のデ
ータ分割回路64の動作を説明する。イントラ検出回路
63で検出されたイントラ符号化されたトランスポート
パケットは第3の可変長復号器72で可変長復号が行わ
れもとのDCT係数Dが得られる。第3の可変長復号器
72の出力Dは第1のROMテーブル73及び第2のR
OMテーブル74へ入力される。以下、上記第1及び第
2のROMテーブル73及び74でのデータ分割方式に
ついて説明する。
【0204】本実施例9で用いるデータ分割方式は実施
例8と同様に入力データDに対して2つの出力データX
0及びX1がD=3×X0+X1なる関係を有するよう
にX0及びX1を決定する。なお、X0を決定するに当
たってはある連続するD(例えば、ー2,ー1,0,
1,及び2)に対して同一の出力コード(前記ー2,ー
1,0,1,及び2に対しては0)を与え、次の連続す
るコード(3,4,及び5)に対しては1つ大きい出力
コード(3,4,及び5に対しては1)を与える。第1
及び第2のROMテーブル73及び74は以上の関係を
もとにROMテーブルを作成する。図31に各々の変換
ROMテーブルの内容を示す。第1及び第2のROMテ
ーブル73及び74では上述の要領で入力データDをX
0及びX1に2分割する。
【0205】この時の具体的な動作を数値を用いて説明
する。例えば第2のデータ分割回路64に91が入力さ
れた場合を説明する。91は23と22(3×23+2
2=91)とに分割される。上述のように分割されたデ
ータは、以下のような特性を持つ。例えば、X0のみの
データが再生された場合を考える。23のみが再生され
た場合もとの値91は23×4(=92)を計算するこ
とによりほぼもとの値を復元できる。同様にX1のみ再
生された場合は22×4(=88)を計算することによ
りほぼX1を復元できる。また、X0及びX1が再生さ
れた場合には3×23+22(=91)を計算すること
により91を復元できる。
【0206】すなわち、復号の際X0またはX1の片方
のみ再生された場合は再生されたデータを4倍すること
によりほぼもとのDを復元することができ、また、両デ
ータが再生された場合は3×X0+X1を計算すること
によりDを完全に復元することが可能となる。
【0207】以下、実施例9の第2のデータ分割回路6
4の動作の説明を続ける。第1のROMテーブル73で
分割されたX0データは第4の可変長符号化器75で再
び可変長コードXに変換される。同様に、第2のROM
テーブル74で分割されたX1データは第5の可変長符
号器76で可変長コードYに変換される。なお、第4の
可変長符号器75及び第5の可変長符号器76における
可変長コードの内容は異なってもよい。言うまでもない
が実施例8の可変長コードとはどちらのコード内容は
異なる。
【0208】第2のデータ分割回路64で分割された上
記X及びYの可変長コードは第2のメモリ65へ一旦記
憶される。第2のメモリ65では、上記分割され可変長
符号化が施されたX及びYデータのビットストリームを
一旦記憶し、上述のトランスポートパケットと同様に1
シンクブロック内のデータ長が77バイトの記録データ
パケットの構成になるようにデータを読み出す。なお、
以降の回路動作、及びメインデータ、及び2分割された
複写データの磁気テープ上での記録フォーマットは実施
例8と同様であるので説明は省略する。
【0209】次に、再生時の第11のデータ合成回路8
4の動作を図32を用いて説明する。第11のデータ合
成回路84に入力されたデータは、X・Yデータ分離回
路91で記録時分割されたX及びYデータが再生信号よ
り分離される。データ分離方法に関しては、実施例8と
同様に図26に示すように、Xデータをアジマス角Aの
トラックに、Yデータをアジマス角Bのトラックに記録
しているので、シンクブロック中のID信号中に記録さ
れているシンクブロックナンバーによりトラック上での
複写エリアの位置を検出し、現在再生中の回転ヘッドの
アジマス角によりXまたはYデータの識別を行う。
【0210】分離されたXデータは第4の可変長復号器
92で可変長復号されX0データが復元され、第5のメ
モリ94に一旦記憶される。同様にX・Yデータ分離回
路91分離されたYデータは第5の可変長復号器93で
可変長復号が行われX1データが復元され、第6のメモ
リ95に一旦記憶される。
【0211】また、第1のデータ合成制御回路102で
はX・Yデータ分離回路91より出力されるX及びYデ
ータの再生情報をもとに通常再生時は画面上の同一位置
のX(X0)データ及びY(X1)データが再生された
時点で第5及び第6のメモリ94及び95へデータの読
み出し制御信号を出力する。なお、実施例8と同様に、
第5及び第6のメモリ94及び95へデータの書き込み
制御信号はX・Yデータ分離回路91より出力されるデ
ータ分離情報を用いて発生する。X0データ及びX1デ
ータの両データが再生された場合はスイッチ100は加
算器97の出力を選択する。なお、スイッチ100の制
御信号は第1のデータ合成制御回路102より出力され
る。第5のメモリ94より出力されたX0データは乗算
器104で3倍され加算器97に出力される。加算器9
7では乗算器104の出力と第6のメモリ95の出力が
加算される。上記乗算器104と加算器97とにより本
実施例9では3×X0+X1を実行する。
【0212】一方、再生信号に誤りが発生し画面上の同
一位置のXデータまたはYデータのどちらか一方しか再
生されなかった場合は、第1のデータ合成制御回路10
2では再生された一方のデータを格納しているメモリよ
りデータを読み出す。例えばXデータのみ再生された場
合は第1のデータ合成制御回路102では第5のメモリ
94の読み出し制御信号を出力するとともにスイッチ9
8へは第5のメモリ94の出力を選択する選択信号を、
スイッチ100には乗算器105の出力を選択する選択
信号を出力する。なお、Yデータのみ再生された場合
は、第6のメモリ95の読み出し制御信号を出力すると
ともにスイッチ98へは第6のメモリ95の出力を選択
する選択信号を、スイッチ100には乗算器105の出
力を選択する選択信号を出力する。
【0213】スイッチ98の出力は乗算器105で4と
乗算されスイッチ100へ出力される。これにより本実
施例9では4×X0(または4×X1)が実行され上述
のようにほぼもとの値を復元することができる。スイッ
チ100の出力は第6の可変長符号器101で可変長符
号化が施されビットストリームが生成される。第11の
データ合成回路84の出力は一旦第4のメモリ85へ記
憶される。通常再生時はスイッチ86は常に第3のメモ
リ83の出力を選択するように構成されており、第3の
メモリ83で188バイトのパケット情報に復元された
ATVのビットストリームが出力端子87より出力され
る。
【0214】以下の再生系の動作は実施例8と同様なの
で説明を省略する。また、スチル再生,スロー再生,低
速側の高速再生及び高速側の高速再生などの特殊再生時
の動作も同一であるので説明は省略する。
【0215】上述のように、入力データDを図31に示
す規則に従いXデータとYデータとに分割して図26に
示すように複写エリアに記録する。実施例9のようにD
=3×X0+X1の規則に従いデータを2分割して記録
した場合同一データを2度伝送する場合と比較して画像
データをシミュレーションした結果約60%のデータ容
量で同一のデータを伝送できることを確認した。なお、
シミュレーションは実施例8と同一の条件で行った。
【0216】よって、従来例の場合と比較して約1.6
倍のデータを上記複写エリアを用いて伝送できるのでよ
り高域のDCT係数データまで伝送できる。よって、X
及びYデータの両方のデータが再生できるスチル再生,
スロー再生及び低速側の高速再生においては従来例と比
べより高域のDCT係数まで伝送できるので再生画質の
大幅な改善がはかれる。一方、分割データのどちらか一
方しか再生することのできない高速側の高速再生におい
ても、実施例8と同様にXデータまたはYデータを用い
てほぼもとの値を復元できるので従来例並の再生画像を
得ることができる。
【0217】また、本実施例9でも実施例8と同様に2
分割された上記データを図26に示すように記録するの
でXデータとYデータとを識別する際、シンクブロック
のID信号部に記録されているシンクブロックナンバー
により上記複写エリアの位置を識別し回転ヘッドのアジ
マス角を用いてXデータとYデータとを識別するので特
別な信号を付加する必要なくXデータとYデータとの識
別が可能となる。また、X及びYデータを回転ヘッドの
アジマス角を用いて識別するので再生系側に新たなる識
別回路を付加することなく簡単にデータの識別が可能と
なり、回路規模の削減を図れる。
【0218】なお、上記実施例8及び実施例9では入力
されたデータDをD=2×X0+X1またはD=3×X
0+X1という規則に従って2分割する例について述べ
たが2分割の方式はこれに限るものではなく、例えばD
=X0+X1,D=2×X0+3×X1等、A×X0+
B×X1(A,Bは実数)なる関係があるように1つの
入力コードを2つの入力コードに変換するものであるな
らば、同一データを複写エリアに2度以上記録する従来
のディジタル記録再生装置に比べ、上記特殊再生時の再
生画質の大幅な改善を図れる。
【0219】実施例10.実施例8及び9ではイントラ
検出回路63で検出されたイントラ符号化された入力デ
ータDを2つの出力コードに分割し予め定められた複写
エリアに図26に示すように記録していた。この2分割
方式以外に入力データを3個以上のディジタルデータに
分割して記録する方式がある。実施例10ではその一実
施例として入力データDを4分割して記録再生を行う場
合について述べる。なお、本実施例10では、分割方法
(分割テーブル)についてのみ述べる。
【0220】本実施例10では、入力データDをD=4
×X0+2×X1+2×X2+X3=2×(2×X0+
X1)+(2×X2+X3)の法に従いデータを4分割
するものとする。すなわち、入力データDを一旦D=2
×D0+D1に分割した後に、D0及びD1を再びD0
=2×X0+X1及びD1=2×X2+X3の法に従い
分割する。これにより、入力データDはX0,X1,X
2及びX3の4つのデータに分割される。
【0221】図33は本実施例10における第2のデー
タ分割回路64のブロック構成図である。図において、
実施例8と同一符号を記したものはその構成,動作とも
実施例8と同様であるので詳細な説明は省略する。11
0は第7の可変長符号器、111は第8の可変長符号
器、112及び113は出力端子である。
【0222】以下、図33を用いて第2のデータ分割回
路64の動作を説明する。イントラ検出回路63で検出
されたイントラ符号化されたトランスポートパケットは
第3の可変長復号器72で可変長復号が行われもとのD
CT係数データDが得られる。第3の可変長復号器72
の出力Dは第1のROMテーブル73及び第2のROM
テーブル74へ入力される。なお、図中同一符号を記し
た第1及び第2のROMテーブル73及び74は、それ
ぞれ同一のROMテーブル内容を持つものとする。本実
施例10では各ROMテーブルの内容は図23に示す内
容と同一のものとする。
【0223】本実施例10では、上述のようにまず始め
入力データDを初段の第1及び第2のROMテーブル7
3及び74を用いてD0及びD1に分割する。なお、こ
の分割はD=2×D0+D1の関係をもつ。初段の第1
及び第2のROMテーブル73及び74で分割されたD
0及びD1データは後段に設けられた第1及び第2のR
OMテーブル73及び74でさらにX0及びX1とX2
及びX3とに分割される。なお、これらの分割はそれぞ
れD0=2×X0+X1、及びD1=2×X2+X3の
関係を持つ。上記第1及び第2のROMテーブル73及
び74のROM内容の決定方法は実施例8と同様である
ので説明は省略する。
【0224】実施例8と同様に、例えば91という数値
を第2のデータ分割回路64を用いて分割した場合を以
下説明する。D=91はまずD0=31とD1=29
(2×31+29=91)とに分割される。分割された
D0=31は更にX0=11及びX1=9(2×11+
9=31)、D1=29は更にX2=10及びX3=9
(2×10+9=29)に分割される。
【0225】上述のように分割されたデータは、以下の
ような特性を持つ。例えば、X0データのみ再生された
場合は、9×X0(9×11=99)を計算することに
よりほぼもとの値を復元できる。同様にX1,X2また
はX3のみ再生された場合は、9×9(=81)9×1
0(=90)、及び9×9(81)を計算することによ
りほぼもとの値を復元できる。すなわち、9×Xi(i
=0,1,2,3)を計算する。また、X0及びX1が
再生された場合には、3×(2×X0+X1)=3×
(2×11+9)=93を計算することによりほぼDの
値を復元できるし、X2及びX3が再生された場合に
は、3×(2×X2+X3)=3×(2×10+9)=
87を計算することによりほぼDの値を復元できる。X
0及びX2が再生された場合(すなわち、D0及びD1
の分割された各々一方のデータが再生された場合)に
は、2×3×X0+3×X2=2×3×11+3×10
=96(すなわち、2×3×D0の一方のデータ+3×
D1の一方のデータの計算)を計算することによりほぼ
Dの値を復元できる。3つ再生された場合は、3つのデ
ータを用いてD0及びD1の値を復元し求める。例え
ば、X3が再生されなかった場合は、D0=2×11+
9=31,D1=3×10=30となり、D=2×31
+30=92となりほぼDの値を復元できる。4つのデ
ータがすべて再生できた場合は、D0=2×11+9=
31,D1=2×10+9=29となりD=2×31+
29=91を計算することによりDの値を復元できる。
【0226】すなわち、復号の際分割されたデータX
0,X1,X2,X3のデータの内1つのデータでも再
生されれば、再生されたデータ(1つのデータの場合も
あれば、2つまたは3つのデータの場合もある)を用い
上記方法によりほぼもとのDを復元することができ、ま
た、すべてデータが再生された場合は上述の計算により
Dを完全に復元することが可能となる。なお、上述のよ
うに再生されたデータをすべて用いると復元されたDの
値がもとのDの値に近づくので再生画質を向上させるこ
とができる。
【0227】以下、実施例10の第2のデータ分割回路
64の動作の説明を続ける。第1のROMテーブル73
で分割されたX0データは第4の可変長符号化器75で
再び可変長コードに変換される。第2のROMテーブル
74で分割されたX1データは第5の可変長符号器76
で可変長コードに変換される。また、第1のROMテー
ブル73で分割されたX2データは第7の可変長符号化
器110で再び可変長コードに変換される。第2のRO
Mテーブル74で分割されたX3データは第8の可変長
符号器111で可変長コードに変換される。なお、第4
の可変長符号器75,第5の可変長符号器76,第7の
可変長符号器110及び第8の可変長符号器111にお
ける可変長コードの内容は異なってもよい。
【0228】以下の再生系の動作は第11のデータ合成
回路84の動作が異なるだけで実施例8と同様であるの
で説明を省略する。なお、第11のデータ合成回路84
は4分割されたデータの再生状態によって上述のように
入力データDを復元するだけであるので詳細な説明は省
略する。また、スチル再生,スロー再生,低速側の高速
再生及び高速側の高速再生などの特殊再生時の動作も同
一であるので説明は省略する。
【0229】上述のように、入力データDを上述の規則
に従い4つのデータに分割して記録する。これにより、
複写エリアにイントラ符号化された同一データを4度書
く従来のディジタル記録再生装置と比較して画像データ
をシミュレーションした結果約39%のデータ容量で同
一のデータを伝送できることを確認した。なお、シミュ
レーションは実施例8と同一の条件で行った。
【0230】よって、従来例の場合と比較して約2.6
倍のデータを上記複写エリアを用いて伝送できるのでよ
り高域のDCT係数データまで伝送できる。よって、X
及びYデータの両方のデータが再生できるスチル再生,
スロー再生及び低速側の高速再生においては従来例と比
べ高域のDCT係数まで伝送できるので再生画質の大幅
な改善を図れる。一方、分割データのどちらか一方しか
再生することができない高速側の高速再生においても、
実施例8と同様に分割されたデータの1つでも再生でき
ればそのデータを用いてほぼもとの値を復元できるので
従来例並の再生画像を得ることができる。
【0231】また、本実施例10においては実施例8と
異なりデータを4分割するので、4分割されたデータを
分離するに当たっては、シンクブロックのID信号部に
記録されているシンクブロックナンバーにより上記複写
エリアの位置を識別し、シンクブロック内のH1または
H2ヘッダ部にどの分割情報であるかを識別する識別コ
ードを記録することにより分離することができる。
【0232】なお、本実施例10では、4分割を行う第
2のデータ分割回路64のブロック構成図を図33に示
すように構成したがこの構成に限るものではなく変換用
のROMテーブルを4つ並べて構成してもよく、また、
ROMではなくランダムロジックまたはマイクロコンピ
ュータ等を用いて構成しても同様の効果を奏する。
【0233】また、本実施例10では分割されたデータ
をすべて用いて復元する場合について述べたがこれに限
るものではなく、回路規模を削減するため全てのデータ
が再生されなかった場合は再生されたデータの内1つを
用いてDをほぼ復元してもよい。
【0234】なお、上記実施例8,実施例9及び実施例
10では入力されたデータDをD=2×X0+X1,D
=3×X0+X1またはD=4×X0+2×X1+2×
X2+X3という規則に従って分割する例について述べ
たが分割の方式はこれに限るものではなく、入力データ
Dをn個(nは2以上)のデータX0,X1,・・・,
Xn−1に分割する際、入力ディジタルデータDと出力
ディジタルデータX0,X1,・・・,Xn−1との関
係が、D=K0×X0+K1×X1+・・・+Kn−1
×Xn−1(K0,K1,・・・,Kn−1は実数)と
表され、X0,X1,・・・,Xn−1から一意的に入
力ディジタルデータDにより求められるように構成すれ
ば、同一データを複写エリアに2度以上記録する従来の
ディジタル記録再生装置に比べ、より多くのデータ(よ
り高域のデータ)を伝送することができ、上記特殊再生
時の再生画質の大幅な改善を図れる。
【0235】実施例11.本実施例11は図26とは異
なる記録フォーマットで上記分割されたデータを磁気テ
ープ上に記録する。以下、図34を用いて本実施例11
の記録フォーマットを説明する。なお、記録系及び再生
系の構成は図21及び図28に示すものと同様であるの
で説明は省略する。また、第2のデータ分割回路64及
び第11のデータ合成回路84の構成は図22及び図2
9に示すものと同様であるので説明は省略する。また、
実施例11ではデータの分割方式として実施例8と同
様、D=2×X0+X1方式を採用するものとする。
【0236】入力端子60を介して入力されたビットス
トリームは、パケット検出回路61にてトランスポート
パケットが検出され、第1のメモリ62及びイントラ検
出回路63へ入力される。上述のように、1トラックあ
たり映像データを記録するエリアとして149シンクブ
ロック用意されている。その内3ブロックがVAUXデ
ータ記録エリアとして、また11ブロックが誤り訂正符
号記録エリアとして設けられている。また、1シンクブ
ロックは90バイトで構成されており、その内先頭の5
バイトはシンクパターンとID信号が記録されており、
また後ろの8バイトには誤り訂正符号が記録される。よ
って、1シンクブロック内に記憶することができるデー
タは77バイトとなる。
【0237】第1のメモリ62では、パケット単位でビ
ットストリームのデータを記憶し、実施例8と同様に、
図24(b)の記録データパケットの構成になるように
データを読み出す。図24(b)は、上述のように1シ
ンクブロック内のデータ長を77バイトとした時に、5
シンクブロックで2つのトランスポートパケットを構成
するようにしたものである。図において、H1は第1の
ヘッダ、H2は第2のヘッダは実施例8と同様であるの
で説明は省略する。
【0238】一方、パケット検出回路61からのビット
ストリーム出力はイントラ検出回路63へ入力される。
イントラ検出回路63では、トランスポートパケット内
のデータからイントラ符号化されているデータかそうで
ないデータかを検出する。MPEG2のビットストリー
ムでは、上述のようにフレーム内またはフィールド内符
号化(イントラ符号化)されている場合は、イントラの
トランスポートパケットが連続して送られてくることに
なる。従って、これを検出してイントラのみのトランス
ポートパケットを抜き出す。抜き出されたトランスポー
トパケットは第2のデータ分割回路64へ出力される。
第2のデータ分割回路64では実施例8の要領でD=2
×X0+X1の規則に従い入力されたイントラ符号化さ
れたデータを2分割する。
【0239】第2のデータ分割回路64で分割された上
記X及びYの可変長コードは第2のメモリ65へ一旦記
憶される。第2のメモリ65では、上記分割され可変長
符号化の施されたX及びYデータのビットストリームを
一旦記憶し、上述のトランスポートパケットと同様に1
シンクブロック内のデータ長が77バイトの記録データ
パケットの構成になるようにデータを読み出す。
【0240】次に、図34を用いて第1のデータ合成回
路66でのデータ合成動作を説明する。図34は本発明
の実施例11であるディジタル記録再生装置の磁気テー
プ上での記録フォーマットを示す図である。図に記した
A及びBは異なるアジマス角を有するトラックを示す。
また、図中に記した同一記号部分(1X,1Y,2X・
・・等)は同一の信号が記録されているものとする。図
に示すように、本実施例11では特殊再生用データ記録
エリア(以下、複写エリアと記す)として、1トラック
あたり6つのエリアを設けるものとする。なお、1つあ
たりの複写エリアの大きさは6シンクブロックのものが
2つ、5シンクブロックのものが4つの1トラックあた
り32シンクブロックのエリアが割り当てられるものと
する。また、実施例11では、複写エリアには第2のメ
モリ65より出力されるイントラ符号化された画面上の
同一位置のデータブロックの内容を記憶するエリアが1
6箇所設けられているものとする。
【0241】第1のメモリ62及び第2のメモリ65よ
り出力されたデータは第1のデータ合成回路66へ入力
される。第1のデータ合成回路66では、第1のメモリ
62及び第2のメモリ65に記憶されたデータを合成し
てトラックフォーマットを生成する。以下、第1のデー
タ合成回路66の動作を説明する。
【0242】第1のメモリ62に記憶されているATV
信号のビットストリームは、上述のように5シンクブロ
ックで2つのトランスポートパケットが構成され、第1
のメモリ62より1シンクブロックを単位として所定の
タイミングで読み出され、上記記録トラック上のメイン
エリアに記録されるように合成される。第1のデータ合
成回路66では、第1のメモリ62のメモリ読み出し制
御信号(データの読み出しタイミング)を発生しデータ
を合成する。
【0243】一方、第2のデータ分割回路64で2分割
されたX及びYデータは第2のメモリ65より図34に
示すデータ配置になるようにトラック毎に2分割された
データが交互に切り換えられ1シンクブロック単位(7
7バイト)で所定のタイミングで読み出される。すなわ
ち、2分割されたXデータとYデータとは同一トラック
内の異なるトラック高さに設けられた複写エリアに記録
されることになる。また、分割されたXデータは常に同
一トラック高さに配置された記録エリアに記録され、同
様に、分割されたYデータは常に同一トラック高さに配
置された記録エリアに記録される。また、同一画面位置
のデータ(例えば、1Xと1Y)は8本のトラック上に
計16箇所に記録される。
【0244】上記要領で合成されたデータは誤り訂正符
号器67で誤り訂正符号が付加される。誤り訂正符号が
付加された記録データは記録アンプ68でディジタルへ
変調が施された後に増幅され回転ヘッド70a及び70
bを介して磁気テープ上に記録される。
【0245】次に再生系の動作を図28,図29を用い
て説明する。通常再生時、磁気テープより回転ヘッド7
0a及び70bを介して再生されたデータは、ヘッドア
ンプ80で増幅された後に信号検出回路81で信号検出
が行われディジタルデータに変換されるとともに、ディ
ジタル復調が施される。ディジタル復調が施されたデー
タは誤り訂正復号器82で記録時に予め付加されている
誤り訂正符号を用いて再生信号中に発生した誤りの訂正
及び検出が行われる。誤り訂正が施されたデータは第3
のメモリ83及び第11のデータ合成回路84へ入力さ
れる。
【0246】第3のメモリ83では入力されたデータよ
りATV信号のビットストリームを分離し、上記ビット
ストリームのみメモリ内に記憶する。一方、第11のデ
ータ合成回路84に入力されたデータは、X・Yデータ
分離回路91で記録時分割されたX及びYデータが再生
信号より分離される。データ分離方法に関しては、本実
施例11ではXデータ及びYデータを記録する複写エリ
アのシンクブロックナンバーが予め決められているの
で、シンクブロック中のID信号中に記録されているシ
ンクブロックナンバーによりトラック上での複写エリア
の位置を検出しデータの識別を行う。なお、識別された
Xデータ及びYデータよりもとのDCT係数を復元する
復号方法に関して実施例8と同様であるので説明は省略
する。復元されたDCT係数データは第4のメモリ85
に記憶される。
【0247】スイッチ86は、通常再生時には実施例8
で述べたように第3のメモリ83の出力を選択するよう
に構成されており、第3のメモリ83で188バイトの
パケット情報に復元されたATVのビットストリームが
出力端子87より出力される。また、特殊再生時には第
4のメモリ85の出力を選択することにより第11のデ
ータ合成回路84で合成された特殊再生画像がトランス
ポートパケット単位で順次出力端子87より出力され
る。なお、スチル再生及びスロー再生の動作は実施例8
と同様なので動作の詳細な説明は省略する。
【0248】以下、高速再生時の動作について簡単に説
明する。図35は実施例11におけるディジタル記録再
生装置で11倍速再生を行った際の回転ヘッドの走査軌
跡図である。図に示すように、11倍速再生時、各々の
複写エリアより1X,2X,3X,1Y,5Y 6Y,
4X,5X・・・の順に再生されてくる。分割された両
データの再生されてくる(1X,1Y)及び(5X,5
Y)は両データを用いて復号が行われ、他のデータは再
生された一方のデータにより復号を行う。なお、以下の
動作は実施例8と同様であるので説明は省略する。
【0249】一般に、上述のようなディジタル記録再生
装置で特殊再生を行う際、1複写エリア内のシンクブロ
ック数,1トラックあたりの複写エリアの数及びトラッ
ク内での配置が非常に問題になる。複写エリア内のシン
クブロック数は高速再生を行う際の最大高速再生速度を
規定し、1トラックあたりの複写エリア数及びその配置
は、低速及び中速の高速再生における再生速度を規定す
る。すなわち、複写エリアの数を増やすと1複写エリア
内のシンクブロック数が減るので高速の高速再生まで対
応することができる。一方、複写エリアの数を増やす
と、特に低速側の特殊再生においては整数倍速では複写
エリアに記録されている全ての画面情報が再生できない
速度が多数発生する。よって、本実施例に示す記録フォ
ーマットではー4倍速〜4倍速の間の高速再生ではN+
1/2倍速(N=ー4,ー3,ー2,1,2,3)に設
定する。これは、8トラック周期に複写エリアに記録す
るデータが切り換えられるためである。
【0250】上述のように、分割したデータを同一トラ
ックの異なるトラック高さに記録するので特殊再生時に
XデータとYデータとを分離する際、上述のようにXデ
ータ及びYデータを記録する複写エリアのシンクブロッ
クナンバーが予め決められているので、シンクブロック
中のID信号中に記録されているシンクブロックナンバ
ーによりトラック上での複写エリアの位置を検出しデー
タの識別を行うことができ識別回路等を新たに設ける必
要がなく回路規模の削減を図れる。
【0251】上述のように、トラックの下端側に分割さ
れた一方のデータを配置し、上端側に分割されたデータ
のもう一方のデータを配置するので、XデータとYデー
タとの再生位置を回転ヘッドの回転位相から推定するこ
とができるので復号の際XデータとYデータとをまちが
って合成することがない。
【0252】また、データの分割数は2に限るものでは
なく3,4分割の場合でも各分割データのトラックの記
録位置を予め定めておけば同様の効果を奏することは言
うまでもない。また、実施例11では同一トラックに分
割されたデータを記録したがこれに限るものではなく、
予め複写エリアに記録する分割データ(X及びY)の種
類を定めておき、各トラックの同一高さには同一種類の
データを記録する(例えば図34においてトラック下端
の3箇所の複写エリアにはXデータを配置し、上端の3
箇所の複写エリアにはYデータを配置する)ように構成
すれば、XデータとYデータとの分離が簡単に行えるの
で回路規模の削減を図れ同様の効果を奏する。
【0253】実施例12.本実施例12では分割された
データをデータの分割数トラックに記録する。以下、実
施例10で示したデータを4分割する場合を例に本実施
例12の記録フォーマットを図36を用いて説明する。
なお、記録系及び再生系の構成は図21及び図28に示
すものと同様であるので説明は省略する。また、第2の
データ分割回路64の構成は図33に示すものと同様で
あるので説明は省略する。また、実施例12ではデータ
の分割方式として実施例10と同様、D=4×X0+2
×X1+2×X2+X3方式を採用するものとする。
【0254】図36は本発明の実施例12におけるディ
ジタル記録再生装置の磁気テープ上での記録フォーマッ
トを示す図である。図に記したA及びBは異なるアジマ
ス角を有するトラックを示す。また、図中に記した(1
X0,1X1,1X2,1X3)、(2X0,2X1,
2X2,2X3)等は画面上の同一位置のデータの分割
結果を示す。図に示すように、本実施例12では実施例
10と同様に特殊再生用データ記録エリア(以降、複写
エリアと記す)として、1トラックあたり3つのエリア
を設けた場合について説明する。
【0255】以下、図36を用いて本実施12の動作を
説明する。第2のデータ分割回路64で4分割されたデ
ータX0,X1,X2及びX3は一旦第2のメモリ65
へ記憶され、第1のデータ合成回路66へ入力される。
第1のデータ合成回路66では、第1のメモリ62及び
第2のメモリ65に記憶されたデータを合成してトラッ
クフォーマットを生成する。以下、第1のデータ合成回
路66の動作について説明する。第1のメモリ62に記
憶されているATV信号のビットストリームは、上述の
実施例に示すように5シンクブロックで2つのトランス
ポートパケットが構成され、第1のメモリ62より1シ
ンクブロックを単位として所定のタイミングで読み出さ
れ、上記記録トラック上のメインエリアに記録されるよ
うに合成される。第1のデータ合成回路66では、第1
のメモリ62のメモリ読み出し制御信号(データの読み
出しタイミング)を発生しデータを合成する。
【0256】一方、第2のデータ分割回路64で4分割
されたX0,X1,X2及びX3データは第2のメモリ
65より図36に示すデータ配置になるようにトラック
毎に分割されたデータを1シンクブロック単位(77バ
イト)で所定のタイミングで読み出す。すなわち、4分
割された各々のデータは上記複写エリアに各1回ずつ記
録されることになる。
【0257】上記要領で合成されたデータは誤り訂正符
号器67で誤り訂正符号が付加される。誤り訂正符号が
付加された記録データは記録アンプ68でディジタルへ
変調が施された後に増幅され回転ヘッド70a及び70
bを介して磁気テープ上に記録される。
【0258】上記実施例でも述べたように、図36に示
す記録フォーマットを有するディジタル記録再生装置
は4倍速までの高速再生は確実に行うことができる。画
面上の同一位置情報が4つの複写エリアに記録されてい
るため、また、図36に示すように同一情報を複数回上
記複写エリアに記録しないので最高の効率で特殊再生用
データを記録することができるので高域のDCT係数ま
で伝送することができ、特にスロー再生及びスチル再生
において良好な特殊再生画像を構成することができる。
【0259】上記、実施例12では4分割したデータを
4つの複写エリアに記録する場合について述べたがこれ
に限るものではなく、例えば8分割したデータを8つの
複写エリアに記録する場合等、N分割(Nは2以上の整
数)したデータをN個の複写エリア記録するような場合
でも、同一データを複数N回上記複写エリアに記録する
場合と比べ効率よく特殊再生用データを記録することが
できるので高域のDCT係数まで伝送することができ、
特にスロー再生及びスチル再生において良好な特殊再生
画像を得ることができる。
【0260】実施例13.本実施例13では、上記DC
T係数中のDCデータとACデータとの分割方式を異な
る分割方式を用いるように構成するものである。一般に
DCT係数データ中のDCデータは直値で伝送される場
合が多い。これは、上記DCデータに可変長符号化を施
してもデータ量の効果的な削減は望めないためである。
また、上記実施例8及び9で示した分割方式を用いた場
合、DCデータに関してはほとんどデータ分割による上
記データ量の削減が望めない。また、DCデータを分割
後直値で伝送する場合でも、例えば実施例8に示すD=
2×X0+X1による分割ではDを8ビットのデータと
するとX0及びX1はそれぞれ7ビットとなり分割によ
るDCデータのデータ量削減効果がほとんど得られな
い。
【0261】図37は本発明の実施例13における第2
のデータ分割回路64のブロック構成図である。図にお
いて、前記実施例と同一の符号を記したものは構成及び
動作が同一であるので詳細な説明は省略する。114は
DC検出回路、115〜119は出力端子である。図3
8は本実施例13におけるディジタル記録再生装置のト
ラックフォーマットを示す図である。図39は実施例1
3におけるディジタル記録再生装置の再生系のブロック
構成図である。図において、上記実施例と同一の番号を
記したものは構成、及び動作が同一であるので詳細な説
明は省略する。120は再生信号に重畳されているパイ
ロット信号、及び回転ドラム69より出力されるドラム
PG信号により回転ヘッド70a及び70bのトラッキ
ング制御信号を発生するトラッキング制御回路、121
はキャプスタンモータ123より出力されるテープ速度
情報とトラッキング制御回路120より出力されるトラ
ッキング情報とによりキャプスタンモータドライバ12
2の制御信号を出力するテープ走行制御回路、122は
キャプスタンモータドライバ、123はキャプスタンモ
ータ、124は回転ドラム69の回転制御を行うドラム
回転制御回路である。
【0262】以下、図21,図24,図37及び図38
を用いて実施例13の記録系の動作を説明する。入力端
子60を介して入力されたビットストリームは、パケッ
ト検出回路61にてトランスポートパケットが検出さ
れ、第1のメモリ62及びイントラ検出回路63へ入力
される。第1のメモリ62では、パケット単位でビット
ストリームのデータを記憶し、実施例8と同様に図24
(b)の記録データパケットの構成になるようにデータ
を読み出す。
【0263】一方、パケット検出回路61からのビット
ストリーム出力はイントラ検出回路63へ入力される。
イントラ検出回路63では、トランスポートパケット内
のデータからイントラ符号化されているデータかそうで
ないデータかを検出する。検出されたイントラ符号化さ
れているトランスポートパケットは第2のデータ分割回
路64へ出力される。第2のデータ分割回路64では、
第3の可変長復号器72で可変長復号が行われもとのD
CT係数Dが得られる。第3の可変長復号器72の出力
DはDC検出回路114,第1のROMテーブル73及
び第2のROMテーブル74へ入力される。なお、図中
に示す第1及び第2のROMテーブル73及び74の各
ROMテーブルの内容は図23に示す内容と同一のもの
とする。
【0264】以下、本実施例13に採用される分割方式
について説明する。本実施例13では、入力されたイン
トラ符号化されたデータの最重要データ(DCT変換を
用いた場合はDCデータに相当する)とその他の重要デ
ータ(低域のDCT係数データ)とで分割の際に用いる
分割方法を切り換える。すなわち、上述のように限られ
たデータ伝送容量でデータを分割する場合、分割効率が
あまり良くないDCデータについては上記実施例10で
示した分割方式4×X0+2×X1+2×X2+X3を
用いてデータを分割し、その他の低域のDCT係数デー
タに関しては実施例8で示したデータ分割方式を採用す
る。
【0265】一般にデータ分割数を多くすると、1デー
タのみをもちいて復元されたデータの持つ誤差は増大す
る。特にDCデータと違いその他のDCT係数データ
(AC係数データ)は小振幅のデータである。よって、
低域DCT係数データの分割に当たっては分割数をあま
り多くしない方がよい。反対にDC成分に関しては大振
幅であるので全振幅に対する復元誤差は非常に小さな割
合になるので分割数を多少増やしても問題ない。
【0266】上述のようにDCデータ(8ビットデータ
とする)を4分割すると各データは5ビットで伝送する
ことができる。これにより、DCデータの伝送効率を5
/8=0.625で伝送することができる。以下、第2
のデータ分割回路64の動作を説明する。
【0267】DC検出回路114では入力されたDCT
係数データよりDCデータを検出するしDC検出信号を
出力端子115より出力する。一方、初段の第1及び第
2のROMテーブル73及び74に入力されたDCT係
数データDは、2×X0+X1の規則に従い2分割され
る。初段の第1のROMテーブル73より出力されるデ
ータは第4の可変長符号器75で可変長コードXに変換
されて出力端子77より出力される。同様に初段の第2
のROMテーブル74より出力されるデータは第5の可
変長符号器76で可変長コードYに変換されて出力端子
78より出力される。
【0268】また、後段に配置されている第1及び第2
のROMテーブル73及び74は、入力されたデータを
さらにX0=2×DC0+DC1及びX1=2×DC2
+DC3の規則に従いさらに2分割することによりデー
タを4分割する。第1及び第2のROMテーブル73及
び74で4分割されたDC0〜DC3のデータは出力端
子116〜119より出力される。
【0269】第2のデータ分割回路64の出力は第2の
メモリ65で一旦記憶される。第2のメモリ65では第
2のデータ分割回路64で検出されたDC検出信号に基
づきDCデータに関しては出力端子116〜119より
出力されるDC0〜DC3のデータをメモリ内に記憶
し、AC係数成分に関しては出力端子77及び78より
出力されるX及びYデータをメモリ内に格納する。第1
のメモリ62及び第2のメモリ65の内に記憶されてい
るデータは第1のデータ合成回路66で合成される。
【0270】第1のデータ合成回路66の動作を図38
を用いて説明する。図38は本発明の実施例13である
ディジタル記録再生装置の磁気テープ上での記録フォー
マットを示す。図に記したA及びBは異なるアジマス角
を有するトラックを示す。また、図中に記した同一記号
部分(1X,1Y,1DC0,1DC1,1DC2,1
DC3,2X・・・等)は同一の信号が記録されている
ものとする。図に示すように、本実施例13では特殊再
生用データ記録エリア(以下、複写エリアと記す)とし
て、1トラックあたり3つのエリアを設け、画像データ
を復元する際、一番重要なDCデータはトラックの中央
部分に記憶し、その他の分割データは磁気テープの上
端、及び下端部分に記録する。
【0271】第1のメモリ62に記憶されているATV
信号のビットストリームは、上述のように5シンクブロ
ックで2つのトランスポートパケットが構成され、第1
のメモリ62より1シンクブロックを単位として所定の
タイミングで読み出され、上記記録トラック上のメイン
エリアに記録されるように合成される。第1のデータ合
成回路66では、第1のメモリ62のメモリ読み出し制
御信号(データの読み出しタイミング)を発生しデータ
を合成する。
【0272】一方、第2のデータ分割回路64で分割さ
れた各々のデータはDC検出結果に基づき第2のメモリ
65より図38に示すデータ配置になるようにトラック
毎に記録される。具体的には、2分割されたデータは交
互に切り換えられ1シンクブロック単位(77バイト)
で所定のタイミングで読み出される。また、4分割され
たDCデータはトラック中央部分で4つのデータが交互
に切り換えられ、1シンクブロック単位で読み出され
る。これにより、DCデータに関してはトラック中央部
分に4分割されたデータが記録され、ACデータに関し
てはトラック両端部分に2分割されたデータが配置され
ることになる。また、同一画面位置の4分割されたDC
データは、17本のトラックの中央部分の複写エリア
に、2分割されたACデータは(例えば、1Xと1Y)
は17本のトラック上の計34箇所の複写エリアに記録
される。
【0273】上記要領で合成されたデータは誤り訂正符
号器67で誤り訂正符号が付加される。誤り訂正符号が
付加された記録データは記録アンプ68でディジタルへ
変調が施された後に増幅され回転ヘッド70a及び70
bを介して磁気テープ上に記録される。
【0274】次に再生系の動作を図39を用いて説明す
る。通常再生時、磁気テープより回転ヘッド70a及び
70bを介して再生されたデータは、ヘッドアンプ80
で増幅される。ヘッドアンプ80の出力は信号検出回路
81で信号検出が行われディジタルデータに変換される
とともに、ディジタル復調が施される。ディジタル復調
が施されたデータは誤り訂正復号器82で記録時に予め
付加されている誤り訂正符号を用いて再生信号中に発生
した誤りの訂正及び検出が行われる。誤り訂正が施され
たデータは第3のメモリ83及び第11のデータ合成回
路84へ入力される。
【0275】一方、ヘッドアンプ80で増幅された再生
信号は、トラッキング制御回路120へ入力される。ト
ラッキング制御回路120では再生信号に重畳されてい
るパイロット信号の出力レベル、及び回転ドラム19よ
り出力されるドラムPG信号をもとに回転ヘッドのトラ
ッキング位相を制御する制御信号をテープ走行制御回路
121及びドラム回転制御回路124へ入力する。ドラ
ム回転制御回路124ではトラッキング制御回路120
より出力されるトラッキング制御信号に基づき回転ドラ
ム69の回転位相を制御する。
【0276】テープ走行制御回路121では上記トラッ
キング制御信号及びキャプスタンモータ123の速度情
報に基づきテープ走行制御信号をキャプスタンモータド
ライバ122へ出力する。キャプスタンモータドライバ
122では上記テープ走行制御信号に基づきキャプスタ
ンモータ123を駆動するための駆動電圧を出力する。
【0277】以下、再生信号処理系の動作の説明を続け
る。第3のメモリ83では入力されたデータよりATV
信号のビットストリームを分離し、上記ビットストリー
ムのみメモリ内に記憶する。一方、第11のデータ合成
回路84に入力されたデータは、DCデータとACデー
タとが分離され、各々復号が行われる。なお、各々の復
号手順はDCデータの場合は実施例10の手順で行わ
れ、ACデータの場合は実施例8に示す手順で復号が行
われる。また、DCデータとX及びYデータとの分離は
トラックの高さ(すなわち、シンクブロック中のID信
号中に記録されているシンクブロックナンバー)により
分離することができるので、記録時、新たに上記データ
を分離するための識別信号を付加する、または再生時、
上記データを分離するための新たな回路を追加する必要
がないので回路規模の削減を図れる。そして、復元され
たDCT係数データは第4のメモリ85に記憶される。
【0278】スイッチ86は、通常再生時には実施例8
で述べたように第3のメモリ83の出力を選択するよう
に構成されており、第3のメモリ83で188バイトの
パケット情報に復元されたATVのビットストリームが
出力端子87より出力される。また、特殊再生時には第
4のメモリ85の出力を選択することにより第11のデ
ータ合成回路84で合成された特殊再生画像がトランス
ポートパケット単位で順次出力端子87より出力され
る。なお、スチル再生及びスロー再生の動作は実施例8
と同様なので動作の詳細な説明は省略する。
【0279】以下、高速再生時のトラッキング制御部の
動作について簡単に説明する。高速再生時、再生信号は
上述のように間欠的に再生される。図30には実施例8
でも述べたように5倍及び17倍速再生時の回転ヘッド
70a及び70bの走査軌跡を示した。しかし、一般の
家庭用記録再生装置では機械的な要因で発生するトラッ
ク曲がりといった問題がある。特に互換再生においては
必ずしも図30に示した分割データが再生されるとは限
らない。例えば、トラック両端の情報は再生できるがト
ラックの中央部分の情報が再生できないといった場合が
発生する。
【0280】上述のように、トラックの中央部分が再生
されないような場合、特殊再生画像内の一部のデータが
全く更新されず非常に見苦しい画像になる。実施例13
では、画像データの最重要データであるDCデータをト
ラックの中央部分に記録し特殊再生時その部分は確実に
再生されるように回転ヘッド70a及び70bの回転位
相を制御する。これにより、トラック曲がりなどがある
場合でも確実に画面の重要データを再生することができ
るので特殊再生画像中の全ての情報を書き換えることが
でき良好な変速再生画像を得ることができる。
【0281】以下、高速再生時のトラッキング制御につ
いて簡単に説明する。ヘッドアンプ80で増幅された再
生信号は、トラッキング制御回路120へ入力される。
また、ドラム回転制御回路124では、高速再生の指令
を受けると回転ドラム69より出力されるドラムPG信
号より回転ヘッド70a及び70bの回転位相を検出し
検出結果をトラッキング制御回路120へ出力する。本
実施例13では、回転ヘッド70a及び70bのトラッ
ク中央部分でのトラッキング情報を出力する。トラッキ
ング制御回路120では再生信号に重畳されているパイ
ロット信号の出力レベル、及びドラム回転制御回路74
より出力される回転ヘッド70a及び70bの回転位相
情報をもとに、トラックの中央部分で再生出力が最大に
なるようにトラッキング制御信号を出力する。ドラム回
転制御回路124ではトラッキング制御回路120より
出力されるトラッキング制御信号に基づき回転ドラム6
9の回転位相を制御する。
【0282】テープ走行制御回路121では上記トラッ
キング制御信号及びキャプスタンモータ123の回転速
度情報に基づきテープ走行制御信号をキャプスタンモー
タドライバ122へ出力する。キャプスタンモータドラ
イバ122では上記テープ走行制御信号にもとづきキャ
プスタンモータ123を駆動するための駆動電圧を出力
する。
【0283】上述のように、分割したデータ及びDCデ
ータを同一トラックの異なるトラック高さに記録するの
で特殊再生時に分割したデータ及びDCデータを分離す
る際、上述のように複写エリアのシンクブロックナンバ
ーが予め決められているので、シンクブロック中のID
信号中に記録されているシンクブロックナンバーにより
トラック上での複写エリアの位置を検出しデータの識別
を行うことができ識別回路等を新たに設ける必要がなく
回路規模の削減を図れる。
【0284】また、上述のようにトラックの中央部分
(ある特定部分であればトラックの下端部分、上段部分
であってもよい)にDCデータを記録するので、トラッ
ク曲がりなどの機械的な要因により複写エリアの一部が
再生されないような場合でも良好な特殊再生画像を構成
することができる。なお、本実施例ではイントラ符号化
としてDCT変換を用いたので最重要データとしてDC
データを用いたが、予測符号化などの他の符号化方式の
場合でも、データ中の最重要データをトラックの特定位
置の複写エリアに記録すれば同様の効果を奏することは
言うまでもない。
【0285】なお、上記実施例8〜実施例13では、第
2のデータ分割回路64を図22に示すように第1のR
OMテーブル73及び第2のROMテーブル74で構成
したがこれに限るものではなくROMテーブルの代わり
にランダムロジックまたはマイクロプロセッサ等を用い
ても同様の効果を奏する。また、実施例8及び実施例9
の一般系の分割式D=A×X0+B×X1に分割する
際、X1データ算出に当たってはX1=(D−A×X
0)/Bを計算して求めてもよい。また、第11のデー
タ合成回路84の構成は図29及び図32に限るもので
はない。
【0286】また、上記実施例8〜実施例13では、2
×X0+X1,3×X0+1または4×X0+2×X1
+2×X2+X3に示す線形変換の場合について述べた
がこれに限るものではなく、分割されたデータの1つの
データを用いればほぼもとの値を復元できるようにデー
タを分割し記録すれば(例えばD=X0A +X1等)同
様の効果を奏する。すなわち、ディジタル映像信号とデ
ィジタル音声信号とを斜めトラックのそれぞれ決められ
たエリアに記録するようなトラックフォーマットを有す
るディジタル記録再生装置において、フレームまたはフ
ィールド内、もしくは、フレームまたはフィールド間符
号化されたディジタル映像信号と、ディジタル音声信号
とがビットストリームにて入力され、該ビットストリー
ムからフレームまたはフィールド内符号化データを取り
出すデータ分離手段と、該分離されたフィールドまたは
フレーム内符号化ディジタルデータを予め定められた規
則に従い2つ以上のデータに分割するデータ分割手段
と、その分割されたデータを上記トラック上の予め定め
られた記録エリアに交互に所定数配置するデータ配置手
段を有し、上記データ分割手段が上述の条件(例えば、
A×X0+B×X1、X0A +X1等)を満たせば同様
の効果を奏する。
【0287】また、上記実施例8〜実施例13では、イ
ントラ符号化データの1実施例としてDCT変換を用い
る場合を例に説明を続けたがこれに限るものではなく、
例えばDCT変換に代表されるアダマール変換等の直交
変換、またはKL変換,予測符号化,ADRC変換等で
も、イントラ符号化されたデータを2分割以上に分割し
上述の要領で複写エリアに記録すれば特殊再生時の再生
画質を向上することができ同様の効果を奏する。
【0288】また、上記実施例8〜実施例13では、最
重要データの1実施例としてDCTブロックのDCデー
タについて述べたがこれに限るものではない。例えば予
測符号化を用いる場合は先頭のイントラデータ等につい
ても同様である。また、記録データの1実施例として上
記ATV信号を用いたがこれに限るものではない。
【0289】また、上記実施例8ではDCTデータのD
C成分も分割する場合について述べたがDC成分は上述
のように分割効率があまり良くないので分割を行わずそ
のまま直値で伝送しても同様の効果を奏する。
【0290】実施例14. 図40は本発明の第14の実施例によるディジタル記録
再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。図4
0において、図21と同一または同様な部分には同一符
号を付して説明を省略する。128は第1のメモリ62
及び第2のメモリ65より出力されたデータを合成して
記録データストリームを生成する第2のデータ合成回
路、129はイントラ検出回路63からのイントラ符号
化データを予め定められた規則に従い分離し、可変長符
号化を施す第1のデータ分離符号化回路である。
【0291】図41は図40における第1のデータ分離
符号化回路129の構成を示すブロック図である。図に
おいて、130は入力端子、131は第6の可変長復号
器、132は第2のデータ分離回路、133は第9の可
変長符号器、134は第10の可変長符号器、135は
第11の可変長符号器、137a〜137cは出力端子
である。
【0292】図42は図41における第2のデータ分離
回路132の構成を示すブロック図である。なお、本実
施例では11ビットの入力データを5ビットのメインコ
ード2つと、5ビットのサブコードとに分離する場合に
ついて述べる。図において、176は11ビットのデー
タラッチ回路、177は加算器、178a〜178cは
データラッチ回路である。
【0293】また、本実施例によるデータパケット図は
前述の図24であり、本実施例によるSD規格における
映像信号の1トラック内のデータフォーマットを示す図
は前述の図27である。
【0294】図43は本実施例によるディジタル記録再
生装置の再生系の構成を示すブロック図である。図43
において、図28と同一または同様な部分には同一符号
を付して説明を省略する。138は第12のデータ合成
回路である。
【0295】また、図44は図43における第12のデ
ータ合成回路138の構成を示すブロック図である。図
において、148は入力端子、149は第1のデータ判
別回路、150は第7の可変長復号器、151は第8の
可変長復号器、152は第9の可変長復号器、153は
第1のデータ復元回路、154は出力端子である。
【0296】図45は図44における第1のデータ復元
回路153の構成を示すブロック図である。本実施例は
図42に示す第2のデータ分離回路132により2つの
メインコードとサブコードとに分離されたディジタルデ
ータを復元する回路の1構成例である。155a〜15
5cはデータラッチ回路、156a及び156bはセレ
クタ、157は加算器、158はセレクタ、159はデ
ータラッチ回路である。
【0297】次に、本実施例14の記録時の動作につい
て、図40〜図42を用いて説明する。入力端子60よ
り入力されるビットストリームには、ディジタル映像信
号,ディジタル音声信号、さらには映像信号及び音声信
号に関するディジタルデータが含まれており、それらは
図24(a)に示すトランスポートパケットに区切られ
て伝送されてくる。パケットは、4バイトのヘッダ部と
184バイトのデータ部とから構成されている。本実施
例14では、ビットストリームをトランスポートパケッ
ト単位に検出し、検出されたイントラ符号化データのパ
ケットを分割符号化を行い上述の複写エリアに記録す
る。よって、まず始め入力端子60を介して入力された
ビットストリームは、パケット検出回路61にてトラン
スポートパケットが検出され、第1のメモリ62及びイ
ントラ検出回路63へ入力される。
【0298】SD規格では、従来例でも述べたが図27
に示すように1トラック当りの映像データを記録するエ
リアとして149シンクブロック用意されている。その
内3ブロックがVAUXデータ記録エリアとして、また
11ブロックが誤り訂正符号記録エリア(図中ではC2
検査符号と記す)として設けられている。また、1シン
クブロックは90バイトで構成されており、その内先頭
の5バイトシンクパターンとID信号が記録されてお
り、また後ろの8バイトには誤り訂正符号(図中ではC
1検査符号と記す)が記録される。よって、1シンクブ
ロック内に記録することができるデータは図27に示す
ように77バイトとなる。
【0299】第1のメモリ62ではパケット単位でビッ
トストリームのデータを記憶し、図24(b)の記録デ
ータパケットの構成になるようにデータを読み出す。図
24(b)は、上述のように1シンクブロック内のデー
タ長を77バイトとしたときに、5シンクブロックで2
つのトランスポートパケットを構成するようにしたもの
である。図24において、第1のヘッダH1には5シン
クブロックの何番目のシンクかを示す識別データなどが
記録される。第2のヘッダH2には映像データか音声デ
ータか等の識別データなどが記録される。なお、本実施
例14では、第1のメモリ62及び後述する第2のメモ
リ65からのデータの読み出しは第2のデータ合成回路
128に基づき読み出されるものとする。
【0300】一方、パケット検出回路61からのビット
ストリーム出力はイントラ検出回路63へ入力される。
イントラ検出回路63では、トランスポートパケット内
のデータからイントラ符号化されているデータかそうで
ないデータか等の識別データを分離する。なお、本実施
例14では、第1のメモリ62及び後述する第2のメモ
リ65からのデータの読み出しは第2のデータ合成回路
128の指令に基づき読み出されるものとする。
【0301】一方、パケット検出回路61からのビット
ストリーム出力はイントラ検出回路63へ入力される。
イントラ検出回路63では、トランスポートパケット内
のデータからイントラ符号化されているデータかそうで
ないデータかを検出する。MPEG2のビットストリー
ムでは、従来例でも示したようにフレーム内またはフィ
ールド内符号化(イントラ符号化)されている場合は、
イントラのトランスポートパケットが連続して送られて
くることになる。従ってこれを検出してイントラのみの
トランスポートパケットを抜き出す。抜き出されたトラ
ンスポートパケットは第1のデータ分離符号化回路12
9へ出力される。
【0302】一般に、上記トランスポートパケット内の
ディジタル映像データには可変長符号化が施されてい
る。よって、本実施例14においても入力ビットストリ
ームデータ内の映像データには、可変長符号化が施され
ているものとして説明を続ける。また、イントラ符号化
されているデータに関しては、DCTをベースとした直
交変換が施された後に2次元の可変長符号化が施されて
いるものとして説明を続ける。
【0303】次に、図41を用いて第1のデータ分離符
号化回路129の動作について説明する。入力端子13
0より入力された可変長符号化されたディジタルデータ
は、第6の可変長復号器131において、可変長復号さ
れ、図109に示すジグザグスキャニング順にDCTブ
ロックのディジタルデータを出力する。また、第6の可
変長復号器131よりジグザグスキャニング順に出力さ
れたディジタルデータは第2のデータ分離回路132に
入力され、予め定められた方法によりディジタルデータ
を3つに分離する。なお、第2のデータ分離回路132
でのデータ分離方法についての詳細は後述する。第2の
データ分離回路132において予め定められた方法によ
り3つのデータにデータ分離されたディジタルデータは
それぞれ第9の可変長符号器133,第10の可変長符
号器134及び第11の可変長符号器135に入力さ
れ、それぞれ可変長符号化を施される。第9〜第11の
可変長符号器133〜135においてそれぞれ可変長符
号化を施されたデータは出力端子137a〜137cよ
り出力される。
【0304】以下、本実施例の第2のデータ分離回路1
32の詳細な動作の説明を行う。今、第6の可変長復号
器131において可変長復号を施され、第2のデータ分
離回路132に入力されるディジタルデータの値がXで
あるとすると、第2のデータ分離回路132では以下の
方法に従いデータを3つに分離する。
【0305】第2のデータ分離回路132に入力された
ディジタルデータXは、X=2n-1×(Y1+Y2)+
Zの法で計算されるメインコードY1,Y2及びサブコ
ードZに分離される。但し、Y1,Y2及びZは以下の
方法に従い算出される値を使用するものとする。 Y1=INT(X/2n ) (1) Y2=INT(X/2n-1 )−INT(X/2n ) (2) Z= X mod 2n-1 (3) 但し、INT(A/B)はAをBで割ったときの商を、
また A mod BはAをBで割ったときの余りを示
すものとする。
【0306】上記のデータ分離則を具体的な数値を用い
て説明する。例えば、第2のデータ分離回路132に3
95というディジタル値を持ったデータが入力されたと
する。なお、本実施例ではn=6であるとする。入力さ
れたディジタルデータは上述の式(1),式(2)及び
式(3)に従い2つのメインコードY1及びY2とサブ
コードZとに変換される。すなわち、 Y1=INT(395/26 )=6 Y2=INT(395/25 )−INT(395/26 )=6 Z =395 mod 25 =11 となる。なお、もとのディジタル値Xは、X=25 ×
(6+6)+11=395となり完全に復元できる。
【0307】また、この分離法に従うとメインコードY
1またはY2より以下の計算式に従い入力されたディジ
タル値Xをほぼ復元できる。今、復元値をX’とする
と、 X’=Y1(またはY2)×2n (4) となる。本例の場合は式(4)に従い、 X’=6×26 =384 となり、メインコードY1またはY2だけでも入力され
たディジタル値Xをほぼ復元できることがわかる。
【0308】また、この分離方法に従うと、同一のデー
タを2重書きして伝送した場合と比べて伝送するデータ
量は、第2のデータ分離回路132に入力されるディジ
タルデータのビット数がmビットである場合、本方式を
採用すると伝送ビット数は、メインコードY1及びY2
でそれぞれ(m−n)ビット、サブコードZで(n−
1)ビットになる。従って、入力されるディジタルデー
タが11ビットの場合、トータルの伝送ビット数はデー
タ分離後15ビットとなる。なお、nは6とする。よっ
て、同一データの2重書きに比べて伝送ビットレートは
削減される。
【0309】以下、図42を用いて上記分離則を回路化
した第2のデータ分離回路132の動作を説明する。入
力された11ビットのディジタルデータXはデータラッ
チ回路176でラッチされ加算器177及びデータラッ
チ回路78aへ入力される。上記データラッチ回路17
8aは式(1)に示すINT(X/26 )を実行する。
2進数(バイナリーデータ)を扱う本実施例では式
(1)を実行するにあたっては、入力データを右にnビ
ットシフトし小数点以下を切り捨てれば良い。例えば、
上述の395をバイナリーデータで表すと001100
01011となる。従って、INT(375/26 )の
演算結果は上記バイナリー表現の場合データを右に6ビ
ットシフトさせ小数点以下を切り捨てれば良いので00
110となる。つまり、MSBより5ビットを選択すれ
ば良い。
【0310】同様に加算器177では式(2)のINT
(X/26-1 )−INT(X/26)を実行する。説明
は省略するが、INT(X/26 )の結果にMSBより
6ビット目のデータを加えることによって同様の演算結
果が得られる。具体的には、00110に00000を
加算する動作を行い00110という演算結果を得る。
【0311】同様に式(3)の(X mod 25 )は
Xを25 で割った場合の余りであるのでLSBより5ビ
ットを出力すれば良い。従って、(395 mod 2
5 )の演算結果は01011となる。
【0312】第2のデータ分離回路132で分離された
3つのデータは、メインコードY1は第9の可変長符号
器133へ、メインコードY2は第10の可変長符号器
134へ、サブコードZは第11の可変長符号器135
へそれぞれ入力され可変長符号化を施され、メインコー
ドY1は出力端子137aより、メインコードY2は出
力端子137bより、サブコードZは出力端子137c
より出力される。
【0313】以上のように第1のデータ分離符号化回路
129で分離された上記メインコードY1,Y2及びサ
ブコードZの可変長コードは第2のメモリ65へ一旦記
憶される。第2のメモリ65では、上記分離され可変長
符号化が施されたメインコードY1,Y2及びサブコー
ドZのビットストリームを一旦記憶し、上述のトランス
ポートパケットと同様に1シンクブロック内のデータ長
が77バイトの記録データパケットの構成になるように
データを読み出す。
【0314】第1のメモリ62及び第2のメモリ65よ
り出力されたデータは、第2のデータ合成回路128に
入力される。第2のデータ合成回路128では、第1の
メモリ62及び第2のメモリ65に記憶されたデータを
合成してトラックフォーマットを生成する。
【0315】以下、図46を用いて第2のデータ合成回
路128でのデータ合成動作を説明する。図46は本発
明の第14の実施例におけるディジタル記録再生装置
磁気テープ上での記録フォーマットの一例を示す図であ
る。図に記したA及びBは異なるアジマス角度を有する
ヘッドにより記録されたトラックを示す。図46に示す
トラック上では、第9の可変長符号器133からの出力
データ、すなわちメインコードY1を可変長符号化した
データをトラックAの複写エリアに記録し、第10の可
変長符号化器134からの出力データ、すなわちメイン
コードY2を可変長符号化したデータをトラックBの複
写エリアに記録する。図において、同一番号で示した複
写エリアについて、丸で囲まないものと、丸で囲んだも
のとはそれぞれ画面上の同一位置のデータで上記のよう
にデータ分離されたものの組を示す。
【0316】第1のメモリ62に記憶されているATV
信号のビットストリームは、上述のように5シンクブロ
ックで2つのトランスポートパケットが構成され、第1
メモリ62より1シンクブロックを単位として所定のタ
イミングで読み出され、上記記録トラック上のメインエ
リアに記録されるように合成される。第2のデータ合成
回路128では、第1のメモリ62のメモリ読み出し制
御信号(データの読み出しタイミング)を発生しデータ
を合成する。
【0317】一方、第1のデータ分離符号化回路129
で3分離されたメインコードY1,Y2及びサブコード
Zは第2のメモリ65より図46に示すデータ配置にな
るようにトラック毎に2つに分離されたデータが交互に
切り換えられ、1シンクブロック単位(77バイト)で
所定のタイミングで読み出される。よって分離された画
面の同一位置のブロックの情報は図46に示すようにそ
れぞれA及びBの2つの異なるアジマス角度を有するヘ
ッドにより分けて異なるトラックに記録されることにな
る。すなわち図46において、メインコードY1のデー
タを1,2,3,・・・の領域に記録し、メインコード
Y2のデータを,,,・・・の領域に記録する。
また、第11の可変長符号器135からの出力データ、
すなわちサブコードZを可変長符号化したデータは可変
長符号語単位で上記メインコードY1を記録したトラッ
クAの複写エリア、及びメインコードY2を記録したト
ラックBの複写エリアに交互に記録するようにデータ合
成をする。なお、図46に示したトラック上へのHPデ
ータの配置例であるが、これは上記図110において同
一のHPデータを17回記録した場合に準じたものであ
り、同一番号のデータの組を9回または8回繰り返し記
録するものである。すなわち、メインコードY1+サブ
コードZ側のデータを9回繰り返し記録した場合は、メ
インコードY2+サブコードZ側のデータを8回繰り返
し記録することになり、メインコードY1+サブコード
Z側のデータを8回繰り返し記録した場合は、メインコ
ードY2+サブコードZ側のデータを9回繰り返し記録
することになる。
【0318】上記要領で合成されたデータは誤り訂正符
号器67で誤り訂正符号が付加される。誤り訂正符号が
付加された記録データは記録アンプ68でディジタル変
調が施された後に増幅され回転ヘッド70a及び70b
を介して磁気テープ上に記録される。
【0319】次に再生系の動作を図43,図44及び図
45を用いて説明する。まず始め、通常再生動作につい
て説明する。通常再生時、磁気テープより回転ヘッド7
0a及び70bを介して再生されたデータは、ヘッドア
ンプ80で増幅された後に信号検出回路81で信号検出
が行われディジタルデータに変換されるとともに、ディ
ジタル復調が施される。ディジタル復調が施されたデー
タは誤り訂正復号器82で記録時に予め付加されている
誤り訂正符号を用いて再生信号中に発生した誤りの訂正
及び検出が行われる。誤り訂正が施されたデータは第3
のメモリ83及び第12のデータ合成回路138へ入力
される。
【0320】第3のメモリ83では入力されたデータよ
りATV信号のビットストリームを分離し、上記ビット
ストリームのみ第3のメモリ83内に記憶する。通常再
生時にはスイッチ86は常に第3のメモリ83の出力を
選択するように構成されており、第3のメモリ83で1
88バイトのパケット情報に復元されたATVのビット
ストリームが出力端子87より出力される。なお、第1
2のデータ合成回路138へもデータは出力されるがこ
れは複写エリアから再生信号であり、通常再生時には捨
てられ、再生されないデータである。
【0321】一方、高速再生時の動作について説明す
る。高速再生のモード信号が入力されるとスイッチ86
は第4のメモリ85の出力を選択する。回転ヘッド70
a及び70bを介して間欠的に再生されてくる再生デー
タはヘッドアンプ80で増幅された後に信号検出回路8
1でディジタルデータに変換されるとともにディジタル
復調が施される。信号検出回路81で正しく復調された
データは誤り訂正復号器82で誤り訂正を施し第12の
データ合成回路138へ入力される。なお、第3のメモ
リ83へもデータは出力されるが上述のようにデータが
間欠的に再生されるためまともなトランスポートパケッ
トを生成することができない。第12のデータ合成回路
138へ入力端子148より入力されたデータは、第1
のデータ判別回路149において記録時分離されたメイ
ンコードY1,Y2及びサブコードZが再生信号より分
離される。データ分離方法に関しては、本実施例14で
はY1データ+Zデータをアジマス角Aのトラックに記
録しており、Y2データ+Zデータをアジマス角Bのト
ラックに記録しているので、シンクブロック中のID信
号中に記録されているシンクブロックナンバーによりト
ラック上での複写エリアの位置を検出し、現在再生中の
回転ヘッドのアジマス角によりY1データ+Zデータ、
あるいはY2データ+Zデータの識別を行う。このよう
に、分離されたY1データ+Zデータ及びY2データ+
Zデータを予め記録しておけば、Y1データ+Zデータ
及びY2データ+Zデータを分離する際、特別な回路を
設けることなく簡単に且つ正確にデータ分離できる。さ
らに第1のデータ判別回路149においては、メインコ
ードY1+サブコードZ、メインコードY2+サブコー
ドZとに分離されたものをそれぞれ可変長符号を分離し
てメインコードY1,Y2及びサブコードZの3つのデ
ータに分離する。
【0322】上記のように第1のデータ判別回路149
において、メインコードY1,Y2またはサブコードZ
の判別がなされる。メインコードY1と判別されたデー
タは第7の可変長復号器150に入力され、メインコー
ドY2と判別されたデータは第8の可変長復号器151
に入力され、サブコードZと判別されたデータは第9の
可変長復号器152にそれぞれ入力されそれぞれ可変長
復号を施される。各可変長復号器で可変長復号されたデ
ィジタルデータは第1のデータ復元回路153に入力さ
れる。また、第1のデータ判別回路149において2つ
のメインコードY1,Y2及びサブコードZのすべての
データが再生されたか、または、再生されていないかを
示す制御信号が発生され、第1のデータ復元回路153
に入力される。
【0323】以下、本実施例の第1のデータ復元回路1
53の動作を図45を用いて詳細に説明する。本実施例
では第1のデータ復元回路153に入力されたディジタ
ルデータを以下の方法によって復元する。復元値をXと
すると X=25 ×(Y1+Y2)+Z (5) または X=26 ×Y1(またはY2) (6) で計算される値に復元する。これは、第1のデータ判別
回路149より発生された制御信号に基づき、例えば3
つに分離されたそれぞれのデータ(Y1,Y2及びZ)
がすべて再生された場合は式(5)の方法に従いデータ
を出力する。しかし、上記図46に示すトラックAの複
写エリアに記録する1,2,3,・・・のデータ、また
は、トラックBの複写エリアに記録する,,,・
・・のデータで同一番号の一方のデータが再生されなか
った場合は式(6)の方法に従いデータを出力する。な
お、式(6)を選択する場合は、Y1またはY2は再生
された方のデータを使用するものとする。
【0324】まず、再生されたメインコードとサブコー
ドとはデータラッチ回路155a〜155cで一旦ラッ
チされる。そして、データラッチ回路155a及び15
5bより出力される2チャンネルのメインコードY1及
びY2は、それぞれセレクタ156a及び加算器157
の両方に入力される。加算器157は入力された5ビッ
トのメインコードを加算し6ビットのディジタルデータ
として出力する(Y1+Y2を実行)。加算器157よ
り出力された6ビットのディジタルデータはセレクタ1
58に入力される。一方、セレクタ156aに入力され
たメインコードY1及びY2は正しく再生された方を選
択する。
【0325】加算器157及びセレクタ156aの出力
(なお、セレクタ156aの出力は再下位ビットに
“0”を付加して6ビットのデータ(2×Y1(または
Y2)を実行)としてセレクタ28へ出力される)はセ
レクタ158により再生ディジタル信号がY1またはY
2の片方しか再生されていない場合はセレクタ156a
の出力を、Y1及びY2の両方が再生された場合は、加
算器157の出力を選択するように構成する。同様にセ
レクタ156bは再生ディジタル信号中がY1またはY
2の片方しか再生されない場合には00000をY1及
びY2の両方が再生された場合はサブコードを選択する
ように構成する。そして、セレクタ158及びセレクタ
156aの出力はラッチ回路159で、ミキシング(2
5 ×(Y1+Y2)+Z、または、25 ×2×Y1(あ
るいはY2)が実行される)され復元再生ディジタルデ
ータが出力される。
【0326】ここで、本実施例に示すディジタル記録再
生装置を用いて高速再生を行う場合について説明する。
図47は図46の記録トラックにおける5倍速再生時の
ヘッドトレース図である。図において、斜線を施した部
分が再生データとして得られる部分である。図のよう
に、ヘッドAは同一アジマス再生部分のHPデータ領域
をスキャン順に1,2,3,1,2,3のようにスキャ
ンする。また、ヘッドBは同一アジマス再生部分のHP
データ領域をスキャン順に,,,,,,・
・・のようにスキャンする。従って、1と,2と,
3とは異なるアジマス再生部分から両方のHPデータ
がすべて再生され、これらを合成して完全なデータが復
元される。
【0327】また、図48は図46の記録トラックにお
ける9倍速再生時のヘッドトレース図である。図におい
て、斜線を施した部分が再生データとして得られる部分
である。図のように、ヘッドAは同一アジマス再生部分
のHPデータ領域をスキャン順に1,2,3,1,2,
3のようにスキャンする。また、ヘッドBは同一アジマ
ス再生部分のHPデータ領域をスキャン順に,,
,,,,・・・のようにスキャンする。従っ
て、1と,2と,3とは異なるアジマス再生部分
から両方のHPデータがすべて再生され、これらを合成
して完全なデータが復元される。
【0328】また、図49は図46の記録トラックにお
ける17倍速再生時のヘッドトレース図である。図にお
いて、斜線を施した部分が再生データとして得られる部
分である。図のように、ヘッドAは同一アジマス再生部
分のHPデータ領域をスキャン順に1,2,3のように
スキャンする。また、ヘッドBから,,の部分の
HPデータは同一アジマス再生部分として再生信号が得
られない。従って、画面上の1,2,3の位置を示す部
分の再生状態であるが、ヘッドAのスキャン領域である
1,2,3で示した領域のデータは再生されるが、ヘッ
ドBのスキャン領域である,,で示した領域のデ
ータは再生されないため、両方のデータを用いて完全な
データを復元することはできないが、本実施例に示すデ
ィジタル記録再生装置では先ほども述べたように、どち
らか一方のメインコード(Y1及びY2)が再生できれ
ば式(6)を用いることにより本来のディジタル値、 X’=26 ×Y1(あるいはY2) X’=26 ×Y2(あるいはY1) をほぼ復元することができる。例えば、395というデ
ィジタル値が入力された場合、両方のデータが再生でき
た場合は、式(5)の方法に従い、 25 ×(6+6)+11=395 を復元でき、また、メインコードY1のみ再生された場
合は、式(6)の方法に従い、 26 ×6=384 というディジタル値が復元される。
【0329】次に、図43を用いてスチルモードについ
て簡単に説明する。スチル再生は、通常再生中にスチル
モードに移行する場合と、停止状態からスチルモードを
選択する場合の2つのケースがある。まず始め、通常再
生動作からスチルモードに移行する場合について述べ
る。通常再生からスチルモードを選択すると、再生デー
タはストップし第3のメモリ83及び第12のデータ合
成回路138にはデータが入力されなくなる。ここでス
イッチ86は入力を第4のメモリ85の出力を選択する
ことにより静止画像を出力端子87から出力する。第3
のメモリ83及び第4のメモリ85にはトランスポート
パケットのデータが書き込まれる。第4のメモリ85に
は第12のデータ合成回路138で合成されたイントラ
符号化されたデータのみが書き込まれることになるの
で、トランスポートパケット単位で記憶されているデー
タを順次読み出せばよい。
【0330】次に、停止状態からスチルモードを選択す
る場合について述べる。停止状態では、第3のメモリ8
3及び第4のメモリ85には正しいデータがなく、この
状態でスチルモードを選択した場合には、一度再生し
て、1画面分のデータを第4のメモリ85に蓄えてから
テープを停止すればよい。
【0331】続いて、スロー再生の動作について図43
を用いて簡単に説明する。スロー再生時、磁気テープの
送り速度は通常再生より遅く、同じ斜めのトラックを横
切りつつ、かつ何回か再生しながらテープが送られてく
ることになる。従って、信号検出回路81で正しく復調
されたシンクブロックのみを取り出して、誤り訂正復号
器82で誤り訂正を施し、複写エリアに記憶されたイン
トラ符号化されたデータを取り出し、静止画像を合成し
て第4のメモリ85よりトランスポートパケット単位で
記憶されているデータを順次読み出せば良い。
【0332】従って、本方式のように入力されたディジ
タルデータをある一定の演算則に従い(例えば、上記式
(1)〜式(3)の方法に従い演算を行う)データ分離
することにより有効にデータを分離できるとともに再生
時、一方のデータが再生されない場合でも、他方のメイ
ンコードにより記録時のデータのディジタル値をほぼ復
元することができる。
【0333】また、単純に各トラックに各々のデータを
2度書きした場合と比べてデータの伝送量は、本実施例
の場合、第9〜第11の可変長符号器133〜135へ
の入力前15/22で記録データの冗長度は2度書きし
た場合の70%程度のデータ量になる。
【0334】従って、本実施例のようにデータ分離を施
し、データ分離されたデータを異なるアジマス角度を有
するヘッドによりそれぞれ記録するようにデータ構成す
ることにより、同一のデータを2度書きした場合よりH
Pデータとして伝送できるデータ量を30%程度増加さ
せることが可能となる。従来、高速再生用HPデータを
イントラ符号化ブロックの低域側係数から構成していた
が、HPデータの伝送データ量の増加分だけイントラ符
号化ブロックのより高域側係数までを伝送することが可
能となり、より高画質な高速再生画像を得ることができ
る。
【0335】以上のように、本実施例14では入力され
るディジタルデータに対し、高速再生に用いられるイン
トラ符号化ブロックのディジタルデータを一旦可変長復
号し、復号されたディジタルデータを予め定められた方
法により3つのデータにデータ分離して、それぞれ可変
長符号化を施し、分離された3つの可変長符号化データ
からこれを異なるアジマス角度を有するヘッドによりそ
れぞれ記録するように2つのHPデータに合成すること
により、従来のディジタル記録再生装置で高速再生の最
大テープ速度と同じトラック数に同一のHPデータを複
写するのに対し、HPデータのデータ効率を上げ、HP
データを最大テープ速度より少ない回数複写するように
データ構成することにより、HPデータとしてイントラ
符号化ブロック内のより高域側の係数までを用いること
が可能となるものであり、従来のディジタル記録再生装
でHPデータを符号化した場合と比べて高速再生画質
を向上させ、S/N比を向上させることができる。
【0336】実施例15. 以下、本発明のディジタル記録再生装置の第15の実施
例について説明する。図50は本発明の第15の実施例
によるディジタル記録再生装置の記録系の構成を示すブ
ロック図である。図50において、図40(実施例1
4)と同一部分は同一符号を付し、その構成,動作とも
に同一であるので説明は省略する。160はイントラ符
号化データを予め定められた規則に従い分離し、可変長
符号化を施す第2のデータ分離符号化回路である。
【0337】図51は図50における第2のデータ分離
符号化回路160の構成を示すブロック図である。図5
1において、図41(実施例14)と同一部分は同一符
号を付し、その構成,動作共に同一であるので説明は省
略する。161は第3のデータ分離回路である。
【0338】図52は図51における第3のデータ分離
回路161の構成を示すブロック図を示す。図におい
て、162はデータラッチ回路、163a〜163cは
データラッチ回路である。
【0339】図53は本発明の第15の実施例によるデ
ィジタル記録再生装置の再生系の構成を示すブロック図
である。図53において、図43(実施例14)と同一
部分は同一番号を付し、その構成,動作共に同一である
ので説明は省略する。167は第13のデータ合成回路
である。
【0340】また、図54は図53における第13のデ
ータ合成回路167の構成を示すブロック図である。図
54において、図44(実施例14)と同一部分は同一
符号を付し、その構成、動作共に同一であるので説明は
省略する。164は第2のデータ復元回路である。
【0341】図55は図54における第2のデータ復元
回路164の構成を示すブロック図である。本実施例は
図52に示す第3のデータ分離回路161により2つの
メインコードとサブコードとに分離されたディジタルデ
ータを復元する回路の一構成例である。185a〜18
5cはデータラッチ回路、186,187はセレクタ、
188はデータラッチ回路である。
【0342】次に、第15の実施例の動作を説明する。
第15の実施例の基本的な動作は上記第14の実施例と
同じであり、第3のデータ分離回路161,第2のデー
タ復元回路164の動作が異なっているだけであるので
第15の実施例の基本的な動作の説明は省略し、各第3
のデータ分離回路161,第2のデータ復元回路164
の動作のみを詳細に説明する。
【0343】以下、本実施例の第3のデータ分離回路1
61の詳細な動作の説明を行う。今、第6の可変長復号
器131において可変長復号を施され、第3のデータ分
離回路161に入力されるディジタルデータの値がXで
あるとすると、第3のデータ分離回路161では以下の
方法に従いデータを3つに分離する。
【0344】第3のデータ分離回路161に入力された
ディジタルデータXはX=2n ×Y1(またはY2)+
Zの方法で計算されるメインコードY1,Y2及びサブ
コードZに分離される。但し、Y1,Y2及びZは以下
の方法に従い算出される値を使用するものとする。 Y1(またはY2)=INT(X/2n ) (7) Z=X mod 2n (8) 但し、INT(A/B)はAをBで割ったときの商を、
またA mod BはAをBで割ったときの余りを示す
ものとする。
【0345】上記の分離則を具体的な数値を用いて説明
する。例えば、第3のデータ分離回路161に395と
いうディジタル値を持ったデータが入力されたとする。
なお、本実施例ではn=6であるとする。入力されたデ
ィジタルデータは上述の式(7)及び式(8)に従い2
つのメインコードY1及びY2と、サブコードZとに変
換される。すなわち、 Y1(またはY2)=INT(395/26 )=6 Z=395 mod 26 =11 となる。なお、もとのディジタル値Xは、X=26 ×6
+11=395となり完全に復元できる。
【0346】また、この分離法に従うとメインコードY
1またはY2より以下の計算式に従い入力されたディジ
タル値Xをほぼ復元できる。今、復元値をX’とする
と、 X’=Y1(またはY2)×2n (9) となる。本例の場合は式(9)に従い、 X’=6×26 =384 となり、メインコードY1またはY2だけでも入力され
たディジタル値Xをほぼ復元できることがわかる。
【0347】また、この分離方法に従うと、同一のデー
タを2重書きして伝送した場合と比べて伝送するデータ
量は、第3のデータ分離回路161に入力されるディジ
タルデータのビット数がmビットであった場合、本方式
を採用すると伝送ビット数は、メインコードY1及びY
2でそれぞれ(m−n)ビット、サブコードZでnビッ
トになる。従って、入力されるディジタルデータが11
ビットの場合、トータルの伝送ビット数はデータ分離後
16ビットとなる。なお、nは6とする。よって、同一
データの2重書きに比べて伝送ビットレートは削減され
る。
【0348】以下、図52を用いて上記分離則を回路化
した第3のデータ分離回路161の動作を説明する。入
力された11ビットのディジタルデータXはデータラッ
チ回路162でラッチされた後、データラッチ回路16
3a〜163cへ入力される。データラッチ回路163
a,163bは式(7)に示すINT(X/26 )を実
行する。2進数(バイナリーデータ)を扱う本実施例で
は式(7)を実行するにあたっては、入力データを右に
nビットシフトし小数点以下を切り捨てれば良い。例え
ば、上述の395をバイナリーデータで表すと0011
0001011となる。従って、INT(395/
6 )の演算結果は上記バイナリー表現の場合、データ
を右に6ビットシフトさせ小数点以下を切り捨てれば良
いので00110となる。つまり、MSBより5ビット
を選択すれば良い。
【0349】同様に式(8)の(X mod 26 )は
Xを26 で割った場合の余りであるのでLSBより6ビ
ットを出力すれば良い。従って、(395 mod 2
6 )の演算結果は001011となる。
【0350】第3のデータ分離回路161で分離された
3つのデータは、メインコードY1が第9の可変長符号
器133へ、メインコードY2が第10の可変長符号器
134へ、サブコードZが第11の可変長符号器135
へそれぞれ入力され可変長符号化を施される。それぞれ
可変長符号化を施されたデータはそれぞれ出力端子13
7a〜137cより出力され、第2のデータ合成回路1
28に入力される。
【0351】なお、第2のデータ合成回路128の動作
も上記実施例14と同様であるので説明は省略する。
【0352】次に、図54を用いて、以上のようにデー
タ構成された高速再生用のHPデータが高速再生時に再
生されたときの動作の概略を説明する。高速再生時に入
力端子148より再生信号として上記のように構成され
たHPデータが入力されると、第1のデータ判別回路1
49において、再生トラック位置よりメインコードY
1,Y2またはサブコードZの判別がなされ、メインコ
ードY1と判別されたデータは第7の可変長復号器15
0に入力され、メインコードY2と判別されたデータは
第8の可変長復号器151に入力され、サブコードZと
判別されたデータは第9の可変長復号器152にそれぞ
れ入力され、それぞれ可変長復号を施される。各可変長
復号器で可変長復号されたディジタルデータは第2のデ
ータ復元回路164に入力される。また、第1のデータ
判別回路149において2つのメインコードY1,Y2
及びサブコードZのすべてのデータが再生されたか否か
を示す制御信号が発生され、第2のデータ復元回路16
4に入力される。
【0353】以下、本実施例の第2のデータ復元回路1
64の動作を図55を用いて詳細に説明する。本実施例
では第2のデータ復元回路164に入力されたディジタ
ルデータを以下の方法によって復元する。復元値をXと
すると、 X=26 ×Y1(またはY2)+Z (10) または、 X=26 ×Y1(またはY2) (11) で計算される値に復元する。これは、第1のデータ判別
回路149より発生された制御信号に基づき、例えば3
つに分離されたそれぞれのデータ(Y1,Y2及びZ)
がすべて再生された場合は式(10)の方法に従いデー
タを出力する。しかし、上記図46に示す、トラックA
の複写エリアに記録する1,2,3,・・・のデータ、
またはトラックBの複写エリアに記録する,,,
・・・のデータで同一番号の一方のデータが再生されな
かった場合は式(11)の方法に従いデータを出力す
る。なお、式(11)を選択する場合は、Y1またはY
2は再生された方のデータを使用するものとする。
【0354】まず、再生されたメインコードとサブコー
ドとはデータラッチ回路185a〜185cで一旦ラッ
チされる。そして、データラッチ回路185a及び18
5bより出力されるメインコードY1及びY2は、セレ
クタ186に入力される。セレクタ186に入力された
メインコードY1及びY2は第1のデータ判別回路14
9により発生された制御信号により出力データが切り換
えられる。同様にセレクタ187は制御信号によりY1
またはY2のどちらか片方のデータしか再生されていな
い場合には000000を、Y1及びY2の両方のデー
タが再生されている場合にはサブコードを選択するよう
に構成する。セレクタ186及び187の出力はデータ
ラッチ回路188で、ミキシング(26 ×Y1(または
Y2)+Z、または26 ×Y1(またはY2)が実行さ
れる)され復元ディジタルデータが出力される。
【0355】ここで、本実施例に示すディジタル記録再
生装置を用いて17倍速再生を行う場合についても、上
記実施例1において図49に示した17倍速再生時の再
生状態と同一であるので説明は省略する。
【0356】なお、ヘッドAのスキャン領域である1,
2,3のデータはヘッドBより,,のデータが再
生されないため、完全にデータ復元することはできない
が、本実施例に示すディジタル記録再生装置では上記実
施例15と同様にどちらか一方のメインコード(Y1及
びY2)が再生できれば本来のディジタル値をほぼ復元
できる。例えば、395というディジタル値が入力され
た場合、両方のデータが再生できた場合は、式(10)
の方法に従い、 26 ×6+11 をほぼ復元でき、また、メインコードY1のみ再生され
た場合は、式(11)の方法に従い、 26 ×6=384 というディジタル値が復元される。
【0357】従って、本方式のように入力されたディジ
タルデータをある一定の演算則に従い(例えば、上記式
(7),式(8)の方法に従い演算を行う)データ分離
することにより有効にデータを分離でき、一方のデータ
が再生されない場合でも、再生時他方の同一番号のデー
タより再生されるメインコードにより記録時のデータの
ディジタル値がほぼ復元できるので、効率よく高速再生
画像を得ることができる。
【0358】また、単純に各トラックに各々のデータを
2度書きした場合と比べてデータの伝送量は、本実施例
の場合、第9〜第11の可変長符号器133〜135へ
の入力前16/22で記録データの冗長度は2度書きし
た場合の73%程度のデータ量になる。
【0359】本実施例を実際に画像に適用した場合のシ
ミュレーションによると(なお、このシミュレーション
は上記データ分離方式により11ビットの入力データを
9ビットのメインコードと2ビットのサブコードに分離
した場合である)、データ分離後のデータ伝送量がデー
タを2度書きした場合と比べて62.5%程度になると
いう結果が得られた。
【0360】従って、本実施例のようにデータ分離を施
し、データ分離されたデータを異なるアジマス角度を有
するヘッドによりそれぞれ分けて記録するように構成す
ることにより、同一のデータを2度書きした場合よりH
Pデータとして伝送できるデータ量が27%程度増加さ
せることが可能となる。従来、高速再生用HPデータを
DCTブロックの低域側係数から構成していたが、HP
データの伝送データ量の増加分だけDCTブロックのよ
り高域側係数までを伝送することが可能となり、より高
画質な高速再生画像を得ることができる。
【0361】以上のように、本実施例15では入力され
るディジタルデータに対し、高速再生に用いられるDC
Tブロックのディジタルデータを一旦可変長復号し、復
号されたディジタルデータを予め定められた方法により
3つのデータにデータ分離して、それぞれ可変長符号化
を施し、可変長符号化データを合成して2つのデータを
生成し、生成された2つのデータを異なるアジマス角度
を有するヘッドによりそれぞれ分けて記録するようにH
Pデータを構成することにより、高速再生の最大テープ
速度と同じトラック数に最大テープ速度回だけ同一のH
Pデータを複写するのではなく、データ分離することに
より、分離した分、異なるデータを最大テープ速度より
少ない回数複写することにより、HPデータとしてDC
Tブロック内のより高域側の係数を用いることが可能と
なるものであり、従来のビットストリーム記録装置で符
号化した場合と比べて高速再生画質を向上させ、S/N
比を向上させることができる。
【0362】実施例16. 以下、本発明のディジタル記録再生装置の第16の実施
例について説明する。図56は本発明の第16の実施例
によるディジタル記録再生装置の記録系の構成を示すブ
ロック図である。図56において、図40(実施例1
4)と同一部分は同一符号を付し、その構成,動作とも
に同一であるので説明は省略する。189は入力される
可変長符号化されたディジタルデータを予め定められた
規則により分離し、可変長符号化を施す第3のデータ分
離符号化回路、190は第1のメモリ62及び第2のメ
モリ65の出力を合成する第3のデータ合成回路であ
る。
【0363】次に、図57は図56における第3のデー
タ分離符号化回路189の構成を示すブロック図であ
る。図57において、図41(実施例14)と同一部分
は同一符号を付し、その構成,動作ともに同一であるの
で説明は省略する。200〜204は第4〜第8のデー
タ分離回路、205〜207は第12〜第14の可変長
符号器である。
【0364】次に、図58は図57における第4のデー
タ分離回路200の構成を示すブロック図である。図に
おいて、209は入力端子、218及び219は出力端
子、210は入力された0データを検出する第2のデー
タ判別回路、211は第2のデータ判別回路210より
出力されるデータを係数aで除算する除算回路、212
は除算回路211より出力される除算結果を丸める第1
の丸め回路、213は第1の丸め回路212より出力さ
れるデータを係数aで乗算する乗算回路、214は減算
器、215は減算器214の出力を予め定められた値に
変換する第1の変換回路、216はメモリ、217は第
2のデータ判別回路210より出力されるデータ検出結
果に基づきメモリ216へのデータの書き込み制御を行
なうメモリ制御回路である。なお、メモリ制御回路21
7ではメモリ216からの読み出し制御も行なう。
【0365】図59は本発明の第16の実施例によるデ
ィジタル記録再生装置の再生系の構成を示すブロック図
である。図59において、図43(実施例14)と同一
部分は同一符号を付し、その構成,動作ともに同一であ
るので説明は省略する。220は第14のデータ合成回
路である。
【0366】図60に第14のデータ合成回路220の
ブロック構成図を示す。図において230は入力端子、
231は第3のデータ判別回路、232は第10の可変
長復号器、233は第11の可変長復号器、234は第
12の可変長復号器、235は第3のデータ復元回路、
236は出力端子である。
【0367】まず始めに、第16の実施例のディジタル
記録再生装置の動作を説明する前に第4のデータ分離回
路200のデータ分離方法について説明する。本実施例
に示す第4のデータ分離回路200では、入力されたデ
ータを振幅方向に分離することによりハフマン符号化を
施す際のデータの分布構造をかえ効率的にデータ量を削
減するものである。以下、図56〜図58を元に本実施
例中の第4のデータ分離回路200の動作原理を説明す
る。
【0368】第6の可変長復号器131で可変長復号を
施されたディジタルデータzは(以下、原係数zと記
す。また、第4のデータ分離回路200では上記zをX
及びYデータに分離するものとする。)まず始め、以下
の式に従い2つの変数X1及びY1に分離される。zが
(0≦z)の場合は、 X1=[z/a+0.49*] Y1=z−a×X1 zが(0>z)の場合は、 X1=[z/a−0.49*] Y1=z−a×X1 なお、上式中のaは予め定められた2以上の整数を示
す。なお、上記0.49*は小数点第2位以下9の循環
小数、記号[t]は実数tの整数部分である。上記数式
に基づき、分離されたX1及びY1はこのまま符号化す
るとデータ分離効率がないz=0のデータをX1及びY
1の両方で伝送することになり非常に効率が悪い。第4
のデータ分離回路200ではこのことを考慮し、第6の
可変長復号器131より入力されたz=0のデータをY
側のみで伝送することによりデータ分離効率を上げる。
なお、z=0をX側のみで伝送しても同様の効果がある
ことはシミュレーションにより確認されている。
【0369】以下、a=16の場合を例にして説明を続
ける。図61は第4のデータ分離回路200におけるデ
ータ分離及び変換の具体例を示すテーブル図であり、a
=16の場合の具体的なX1,Y1,X,Yの分離テー
ブルの一例の一部を示している。上記式に従うとz=9
の場合X1=1,Y1=−7、同様にz=16の場合X
1=1,Y1=0と分離される。上述のようにz=0の
データをY側で伝送する関係上、z=0の本来の0と、
上記z=16の場合のY1の0とを区別する必要があ
る。また、z=17の場合X1=1,Y1=1である
が、原係数zの数値分布を考えるとz=9の場合のYは
Y1=−7で伝送するよりもY=1で伝送し、z=17
の場合のYをY1=1でなくY=5で伝送したほうが効
率がよい。これは、z=9の発生確率の方がz=17の
発生確率よりも高いため発生する。Y1からYへの変換
については後述する。
【0370】また、図62は第4のデータ分離回路20
0におけるデータ分離及び変換の動作の具体例を示す図
であり、図62(a)及び(b)にa=16の場合につ
いて横軸に原係数z、縦軸に分離係数X及びYをとり、
第4のデータ分離回路200により分離されたデータの
分離状況をグラフに示した。
【0371】以下、図62(a)を用いて、a=16の
場合を例に整数Xの算出方法を示す。原係数zが−a/
2≦z≦a/2の範囲ではX1は0に丸められ、X1=
0が出力される。また、z<−a/2の範囲では第1の
丸め回路212において、除算回路211より出力され
た小数x’=z/aから0.49*を減算して小数点以
下を切捨てした整数をX1とする。また、z>a/2の
範囲では第1の丸め回路52において、除算回路211
より出力された小数x’=z/aに0.49*を加算し
て小数点以下を切り捨てした整数をX1とする。上記動
作で分離されたX1は、z=0の時のX1=0が除かれ
Xが生成される。
【0372】同様に、図62(b)を用いて整数Yの算
出方法について述べる。上述のように原係数zの0デー
タはYのみで伝送するため、上記式で算出されたY1は
第1の変換回路215において入力された0検出結果に
基づきz=0の場合Y=0を出力する。一方、z=0を
除く−a/2≦z≦a/2の範囲、すなわちX1=0の
範囲ではYは原係数zの値そのまま出力する。つまりY
は原係数zを2以上の整数aで除算した際の剰余として
出力する。また、z<−a/2の範囲では、YはY1=
z−a×X1により求められた整数Y1に対し、Y1の
値の大きい方から順に、+1,−1,+2,−2,・・
・と絶対値が小さい整数に変換したものを与える。すな
わち、z=−a/2−1の時をY=1とし、以下原係数
zの値の減少に伴い、z≧−3×a/2までの間、すな
わちX1が同一の値をとる区間、Y1=z−a×X1か
ら−1,2,−2,・・・,(a/2)−1,−((a
/2)−1),a/2,−a/2へ変換される。以下、
原係数zの値がaだけ減少する期間、すなわちX1が同
一の値をとる区間を周期に、同一の変換が繰り返され
る。
【0373】また、z>a/2の範囲では、係数YはY
1=z−a×X1により求められた整数Y1に対し、Y
1の値が小さい方から順に、+1,−1,+2,−2,
・・・と絶対値が小さい整数に変換したもので与えられ
る。すなわち、z=a/2+1の時をY=1とし、以下
原係数zの値の増加に伴い、z≦3×a/2までの間、
すなわちX1が同一の値をとる区間、Y1=z−a×X
1から−1,2,−2,・・・,(a/2)−1,−
((a/2)−1),a/2,−a/2へ変換される。
以下、原係数zの値がaだけ増加する期間、すなわちX
1が同一の値をとる区間を周期に、同一の変換が繰り返
される。
【0374】除算回路211より出力された小数データ
x’=z/16は第1の丸め回路212において、z=
0を除く、−8≦z≦8の範囲では0に丸められ整数デ
ータX=0が出力される。また、z<−8の範囲では
x’=z/16から0.49*を減算して小数点以下を
切り捨てした整数をXとして出力される。また、z>8
の範囲ではx’=z/16に0.49*を加算して小数
点以下を切捨てした整数をXとして出力する。
【0375】これに対しYは、z=0ではY=0とな
り、z=0を除く−8≦z≦8の範囲、すなわちX1=
0の範囲ではYは原係数zの値そのままで与えられる。
つまり係数Y1は原係数zを2以上の整数aで除算した
際の剰余として与えられる。また、z<−8の範囲で
は、YはY1=z−16×X1により求められた整数Y
1に対し、Y1の値が大きい方から順に、1,−1,
2,−2,・・・と絶対値が小さい整数に変換したもの
で与えられる。すなわち、z=−9の時をY=1とし、
以下原係数zの減少に伴って、z≧−24までの間、す
なわちX1=−1の区間、Y1=z−16×X1から−
1,2,−2,3,−3,4,−4,5,−5,6,−
6,7,−7,8,−8へ変換される。以下、zの値が
16だけ減少する期間、すなわちX1が同一の値をとる
区間を周期に、同一の変換が繰り返される。
【0376】また、z>8の範囲では、係数YはY1=
z−16×Xにより求められた整数Y1に対し、Y1の
値の小さい方から順に、1,−1,2,−2,・・・と
絶対値の小さい整数に変換したもので与えられる。すな
わち、z=9の時をY=1とし、以下原係数zの増加に
伴い、z≦24までの間、すなわちX1=1の区間、Y
1=z−16×X1から−1,2,−2,3,−3,
4,−4,5,−5,6,−6,7,−7,8,−8へ
変換される。以下、原係数zの値が16だけ増加する期
間、すなわちX1が同一の値をとる区間を周期に、同一
の変換が繰り返される。なお、図62において黒丸
(●)はその点の値を含む場合を示し、白丸(○)はそ
の点の値を含まない場合を示すものである。以下、上記
分離方式を振幅分離方式と記す。
【0377】次に、上記分離方式である振幅分離方式と
異なる分離方式で、本実施例中の第5のデータ分離回路
201に採用される分離方式の動作原理について図57
及び図63に示すフロー(アルゴリズム)を用いて説明
する。第4のデータ分離回路200より入力されたディ
ジタルデータは上記図109に示すジグザグスキャニン
グされ、出力順序が入れ換えられる。
【0378】ジグザグスキャニングされたデータは0以
外で最も発生確率の高いデータ、ここではデータ1の続
く長さ(1ランレングス)と係数データとに分離され
る。図64は第5のデータ分離回路201におけるデー
タ分離の動作を説明するための図であり、図64(a)
に1DCTブロックのデータの一例を示す。図64
(b)には図64(a)のデータを1ランレングスデー
タと係数データとに分離した1DCTブロック内のデー
タを示す。図中(0,1)のデータはEOBを示す。こ
のように(1ランレングスデータ,係数データ)の組に
された1DCTブロック内のデータを1ランレングスデ
ータと、係数データとの事象に分離する(図64(c)
参照)。そして、1ランレングスデータの事象に関して
発生確率が最も高いデータ0によるランレングスコーデ
ィングをもう一度施し、(0ランレングスデータ,係数
データ)の組にする(図64(d)参照)。図中(0,
0)のデータはEOBを示す。同様に係数データに関し
ても発生確率が最も高いデータ0によるランレングスコ
ーディングを施し、(0ランレングスデータ,係数デー
タ)の組にする(図64(e)参照)。
【0379】2回のランレングスコーディングが施され
たデータはそれぞれ別々に設けられた可変長符号化テー
ブルにより可変長符号化されて出力される。尚、以下の
実施例では初めの1ランレングスコーディングと、2回
目の0ランレングスコーディングとを区別するため、初
めの1ランレングスコーディングを第1の1ランレング
スコーディング、また2回目に1ランレングスデータ側
にかける0ランレングスコーディングを第2のR0ラン
レングスコーディング、係数データ側にかける0ランレ
ングスコーディングを第2のV0ランレングスコーディ
ングとする。
【0380】すなわち、第5のデータ分離回路201に
おいて1ランレングスコーディングが施されたデータ
(1ランレングスデータ,係数データ)に対して、これ
を一旦1ランレングスデータと係数データとの2つのデ
ータ群に分離する(第1の1ランレングスコーディン
グ)。そして、1ランレングスデータに対しては、発生
確率が最も高い0データによるランレングスコーディン
グをもう一度かける(第2のR0ランレングスコーディ
ング)。同様に、係数データに対しても0ランレングス
コーディングをもう一度かける(第2のV0ランレング
スコーディング)。
【0381】なお、本実施例では1をランとするランレ
ングスコーディングを行う際は1と−1との区別をつけ
ず、付加ビットとして1ランレングスコーディング後の
データに1及び−1の数だけ符号ビットを付加して伝送
するものとした。また、分離は1DCTブロック内のA
C係数のみについて行なった。以下、上記分離方法を1
ラン0ランランレングス分離方式と記す。
【0382】以上を踏まえ、図57を用いて本実施例1
6のディジタル記録再生装置の第3のデータ分離符号化
回路189の動作について説明する。なお、図65に本
実施例の第3のデータ分離符号化回路189におけるH
Pデータ符号化のフロー(アルゴリズム)を示す。上記
振幅分離符号化方式、または1ラン0ランランレングス
分離符号化方式は、データ分離することにより上述のよ
うにデータ量を削減することができるものであった。本
実施例16のディジタル記録再生装置は、ATVのビッ
トストリームから高速再生用のHPデータを構成する
際、上述の振幅分離符号化方式及び1ラン0ランランレ
ングス分離符号化方式を組み合わせてデータ分離を施
し、これによりデータ量を削減し、データ量が削減され
た分HPデータとしてイントラ符号化ブロックのより高
域の係数までを伝送するものである。
【0383】以下、図57及び図65を用いて第3のデ
ータ分離符号化回路189の動作について説明する。入
力端子130より入力された可変長符号化されたディジ
タルデータは第6の可変長復号器131において可変長
復号を施される。可変長復号されたディジタルデータ
は、第4のデータ分離回路200に入力され上述の振幅
分離符号化方式でX及びYに分離される。振幅分離符号
化方式で分離されたXデータは第6のデータ分離回路2
02に入力され、0ランレングスコーディングが施さ
れ、0ランレングスコーディングが施されたデータは第
12の可変長符号器205に入力され可変長符号化が施
される。一方、分離されたYデータは第5のデータ分離
回路201に入力され、まず1をランとする1ランレン
グスコーディングが施され、1ランレングスデータと係
数データとに分離する。1ランレングスデータは第7の
データ分離回路203に入力され、0をランとする0ラ
ンレングスコーディングが施され、0ランレングスコー
ディングを施されたデータは第13の可変長符号器20
6に入力され可変長符号化が施される。同様に、係数デ
ータは第8のデータ分離回路204に入力され、0をラ
ンとする0ランレングスコーディングが施され、0ラン
レングスコーディングを施されたデータは第14の可変
長符号器207に入力され可変長符号化が施される。以
上第12〜第14の可変長符号器205〜207におい
てそれぞれ可変長符号化を施されたデータは出力端子1
37a〜137cより出力される。出力端子137a〜
137cより出力された可変長符号化データは一旦第2
のメモリ65に記憶され、第1のメモリ62の出力と出
力タイミングを合わせられ第3のデータ合成回路190
に入力される。
【0384】次に第3のデータ合成回路190の動作の
詳細について説明する。第3のデータ合成回路190に
入力された、第12の可変長符号器205、第13の可
変長符号器206、第14の可変長符号器207におい
てそれぞれ可変長符号化を施されたデータは、2つのデ
ータに合成され、2つの合成データは異なるアジマス角
度を有するヘッドによりそれぞれ記録されるようにデー
タ合成を施される。図66に本実施例のデータ合成図を
示す。図において1,2,3,・・・は上記実施例と同
様にHPデータの画面上の位置を示す絶対アドレスを示
す。また、以下上記の第12の可変長符号器205から
出力される可変長符号化データをメインコードX、第1
3の可変長符号器206から出力される可変長符号化デ
ータをサブコードYR、第14の可変長符号器207か
ら出力される可変長符号化データをサブコードYVと記
す。図66に示すように、第3のデータ合成回路190
において、メインコードXとサブコードYRとをトラッ
クAの複写エリアへ、またメインコードXとサブコード
YVとをトラックBの複写エリアへ記録するようにデー
タ合成を行う。メインコードXは両トラックに2重に記
録するものとする。
【0385】上記図46を用いて具体的に本実施例にお
けるHPデータのトラック上への配置の一例を示す。図
46に示すトラック上では、第12の可変長符号器20
5からの出力データ、すなわちメインコードX、及び、
第13の可変長符号器206からの出力データ、すなわ
ちサブコードYRをトラックAの複写エリアに記録し、
一方上記と同一の第12の可変長符号器205からの出
力データ、すなわちメインコードX、及び、第14の可
変長符号器207からの出力データ、すなわちサブコー
ドYVをトラックBの複写エリアに記録する。図におい
て、同一番号で示した複写エリアについて、丸で囲まな
いものと、丸で囲んだものはそれぞれ画面上の同一位置
のデータで上記のようにデータ分離されたものの組を示
す。すなわち、メインコードX及びサブコードYRのデ
ータを1,2,3,・・・の領域に記録し、メインコー
ドX及びサブコードYVのデータを,,,・・・
の領域に記録する。なお、図46に示したトラック上へ
のHPデータの配置例であるが、これは前記図111に
おいて同一のHPデータを17回記録した場合に準じた
ものであり、同一番号のデータの組を9回または8回繰
り返し記録するものである。すなわち、メインコードX
+サブコードYRのデータを9回繰り返し記録した場合
は、メインコードX+サブコードYVのデータを8回繰
り返し記録することになり、メインコードX+サブコー
ドYRのデータを8回繰り返し記録した場合は、メイン
コードX+サブコードYVのデータを9回繰り返し記録
することになる。
【0386】次に、図60を用いて、以上のようにデー
タ構成された高速再生用のHPデータが高速再生時に再
生されたときの動作の概略を説明する。高速再生時に入
力端子230より再生信号として上記のように構成され
たHPデータが入力されると、第3のデータ判別回路2
31において、再生トラック位置よりメインコードX、
またはサブコードYR及びYVの判別がなされ、メイン
コードXと判別されたデータは第10の可変長復号器2
32に入力され、サブコードYRと判別されたデータは
第11の可変長復号器233に入力され、サブコードY
Vと判別されたデータは第12の可変長復号器234に
それぞれ入力され、それぞれ可変長復号を施される。各
可変長復号器で可変長復号されたディジタルデータは第
3のデータ復元回路235に入力される。また、第3の
データ判別回路231においてメインコードX,サブコ
ードYR及びYVのすべてのデータが再生されたか否か
を示す制御信号が発生され、第3のデータ復元回路23
5に入力される。
【0387】以下、本実施例の第3のデータ復元回路2
35の動作を簡単に説明する。本実施例では第3のデー
タ復元回路235に入力されたディジタルデータを以下
の方法によって復元する。なお、本実施例ではデータ復
元はDCTブロック単位で行われる。もとの可変長復号
されたディジタルデータをzとすると、第3のデータ判
別回路231より発生された制御信号に基づき、例えば
3つに分離されたそれぞれのデータ(X,YR及びY
V)がすべて再生された場合は、まず第11の可変長復
号器233及び第12の可変長復号器234より出力さ
れる復号データである(0ランレングスデータ,係数デ
ータ)の組をそれぞれ展開して、第5のデータ分離回路
201において施された(1ランレングスデータ,係数
データ)の組を復元する。さらに上記(1ランレングス
データ,係数データ)を展開してもとのジグザグスキャ
ニングデータYを復元する。こうして得られたデータY
を符号化時、第4のデータ分離回路200で用いた変換
テーブルと全く逆の変換を行う変換テーブルを用いて逆
変換を行う。第10の可変長復号器232より出力され
るデータXと上記逆変換して得られたデータYとによ
り、(a×X)+Yを算出することによりもとのディジ
タルデータzは復元される。しかし、上記図46に示
す、トラックAの複写エリアに記録する1,2,3,・
・・のデータ、またはトラックBの複写エリアに記録す
る,,,・・・のデータで同一番号の一方のデー
タしか再生されなかった場合はメインコードXのみから
a×Xを算出し、データを出力する。
【0388】ここで、本実施例に示すディジタル記録再
生装置を用いて高速再生を行う場合について説明する。
図47は前記した通り、図46の記録トラックにおける
5倍速再生時のヘッドトレース図である。図において、
斜線を施した部分が再生データとして得られる部分であ
る。図のように、ヘッドAは同一アジマス再生部分のH
Pデータ領域をスキャン順に1,2,3,1,2,3の
ようにスキャンする。また、ヘッドBは同一アジマス再
生部分のHPデータ領域をスキャン順に,,,
,,,・・・のようにスキャンする。従って、1
と,2と,3とは異なるアジマス再生部分から両
方のHPデータがすべて再生され、これらを合成して完
全なデータが復元される。
【0389】また、本実施例に示すディジタル記録再生
装置を用いて17倍再生を行う場合について説明する。
図49は前記した通り、図46の記録トラックにおける
17倍速再生時のヘッドトレース図である。図におい
て、斜線を施した部分が再生データとして得られる部分
である。図のように、ヘッドAは同一アジマス再生部分
のHPデータ領域をスキャン順に1,2,3のようにス
キャンする。また、ヘッドBから,,の部分は同
一アジマス再生部分の再生信号として再生されない。従
って、画面上の1,2,3の位置のHPデータはヘッド
Bより,,のデータが再生されないため、完全に
データ復元することはできないが、本実施例に示すディ
ジタル記録再生装置では先ほども述べたようにメインコ
ードXよりa×Xを算出して復元データとする。
【0390】図65に示すフローをもとにコンピュータ
シミュレーションを行った結果、全体として約3.2%
程度のデータ量の削減ができた。なお、上記数値データ
に対する1によるランレングスコーディングの際は1と
−1との区別をつけず、付加ビットとして1ランレング
スコーディング後のデータに1及び−1の数だけ符号ビ
ットを付加するものとした。また、本シミュレーション
はDCTブロック内のAC係数のみについて行ったもの
である。
【0391】従って、本方式のように入力されたディジ
タルデータを上記振幅分離符号化方式及び1ラン0ラン
ランレングス符号化方式を組み合わせて、データ分離す
ることにより、可逆過程である可変長符号化を用いて符
号量を削減しているため従来の高速再生用HPデータ構
成方法と比較し、画質の劣化を全く伴わず伝送符号量を
削減することが可能となる。
【0392】従って、本実施例のようにデータ分離を施
し、データ分離されたデータをそれぞれ異なるアジマス
角度を有するヘッドにより記録するように構成すること
により、同一のデータを2度書きした場合よりHPデー
タとして伝送できるデータ量が3.2%程度増加させる
ことが可能となる。従来、高速再生用HPデータをDC
Tブロックの低域側係数から構成していたが、HPデー
タの伝送データ量の増加分だけDCTブロックのより高
域側係数までを伝送することが可能となり、より高画質
な高速再生画像を得ることができる。
【0393】以上のように、本実施例16では入力され
るディジタルデータに対し、高速再生に用いられるDC
Tブロックのディジタルデータを一旦可変長復号し、復
号されたディジタルデータを予め定められた方法により
3つのデータにデータ分離して、それぞれ可変長符号化
を施し、可変長符号化データを合成して2つのデータを
生成し、2つのデータを異なるアジマス角度を有するヘ
ッドによりそれぞれ分けて記録するようにHPデータを
構成することにより、高速再生の最大テープ速度と同じ
トラック数に最大テープ速度回だけ同一のHPデータを
複写するのではなく、データ分離することにより、分離
した分、異なるデータを最大テープ速度より少ない回数
複写することにより、HPデータとしてDCTブロック
内のより高域側の係数を用いることが可能となるもので
あり、従来のビットストリーム記録装置で符号化した場
合と比べて高速再生画質を向上させ、S/N比を向上さ
せることができる。
【0394】実施例17. 以下、本発明のディジタル記録再生装置の第17の実施
例について説明する。図67は本発明の第17の実施例
によるディジタル記録再生装置の記録系の構成を示すブ
ロック図である。図67において、図56(実施例1
6)と同一部分は同一符号を付し、その構成,動作とも
に同一であるので説明は省略する。237は入力される
可変長符号化されたディジタルデータを予め定められた
規則により分離し、可変長符号化を施す第4のデータ分
離符号化回路である。
【0395】図68は図67における第4のデータ分離
符号化回路237の構成を示すブロック図である。図6
8において、図57(実施例16)と同一部分は同一符
号を付し、その構成,動作ともに同一であるので説明は
省略する。238は第9のデータ分離回路である。
【0396】図69は図68における第9のデータ分離
回路238の構成を示すブロック図である。図69にお
いて、248は入力端子、239は第4のデータ判別回
路、240は第6の可変長復号器131において可変長
されたディジタルデータzを、予め定められた規則(予
め定められた規則については後述する)に従い、演算を
行う演算回路、241は第2の丸め回路、242は第2
の丸め回路241より出力された整数係数xに1または
−1を加算する加算回路、243は乗算器、244は減
算器、245は減算器244の出力(以下、係数Y’と
記す)を予め定められた係数Yに変換する第2の変換回
路、246,247a及び247bは出力端子である。
【0397】なお、第17の実施例であるディジタル
録再生装置の再生系のブロック構成図は、上記実施例1
6において図59に示したものと同一であるので、説明
は省略する。
【0398】次に、第17の実施例の動作を説明する。
第17の実施例の基本的な動作は上記第16の実施例と
同じであり、第9のデータ分離回路238の動作が異な
っているだけであるので第17の実施例の基本的な動作
の説明は省略し、第9のデータ分離回路238の動作の
みを詳細に説明する。
【0399】次に、図69を用いて第9のデータ分離回
路238の動作について説明する。本実施例において第
6の可変長復号器131において可変長復号されたディ
ジタルデータz(以下、原係数zと記す)は第4のデー
タ判別回路239に入力され、原係数zが0であるか0
でないかを判別する。原係数zが0でないと判別される
と、原係数zは演算回路240に入力され、予め定めら
れた規則に従い演算を施され、実数のデータX’を出力
する。演算回路240より出力された実数データX’は
第2の丸め回路241において小数点以下を切り捨て、
整数係数Xとして出力する。第2の丸め回路241より
出力された整数係数Xは加算回路242に入力され、1
または−1を加算される。加算回路242において1ま
たは−1を加算された整数係数Xは第6のデータ分離回
路202へ出力される。また、加算回路242より出力
された整数係数Xは乗算器243に入力され、乗算器2
43においてaを乗算され乗算結果(a×X)を出力す
る。乗算結果(a×X)及び原係数zは減算器244に
入力され、係数Y’=z−a×Xを算出する。減算器2
44で求められた係数Y’は第2の変換回路245に入
力され、予め定められた係数Yに変換され、変換された
係数Yは第5のデータ分離回路201へ出力される。な
お、第4のデータ判別回路239で原係数zが0である
と判別された場合は係数Y側ではデータは伝送せず、係
数X側でデータ0として伝送する。第4のデータ判別回
路239で原係数zが0と判別された場合、係数Y側に
はデータは伝送しないので、無効データフラグを付加
し、係数X側の値を0として伝送する。
【0400】一方、第4のデータ判別回路239におい
て原係数zが0以外の値と判別された場合は、係数Xは
原係数zが正か負かを第4のデータ判別回路239にお
いて判別して、以下に示す《式A》に従い演算回路24
0において演算を施され、実数データとして出力され、
第2の丸め回路241において整数化され、加算回路2
42において1または−1を加算されて求められる。
【0401】《式A》 z>0の時、 X=[(z−1)/a]+1 z<0の時、 X=[(z+1)/a]−1 (但し、aは正の奇数、[t]は実数tの整数部分を示
す。)
【0402】さらに、《式A》に基づき、図70(a)
及び(b)を用いて、原係数zから係数X及び係数Yへ
の分離を自然数a=9の場合を例に説明する。図70
(a)に示すように、第4のデータ判別回路239にお
いて、原係数z=0,z>0またはz<0を判別される
と、z=0の時は上述のように係数X=0が出力され
る。さらに、1≦z<9の範囲では、演算回路240に
おいて、X’=(z−1)/9が求められる。演算回路
240において上記演算が施され、出力された実数係数
X’は第2の丸め回路241に入力され、実数X’の小
数部分を切り捨てされ整数化されて出力される。1≦z
<9の範囲ではX’=0となる。さらに、第2の丸め回
路241より出力された整数化されたデータは加算回路
242で1を加算され、1≦z<9の範囲ではX=1と
なる。以下、z≧9の範囲でも同様に係数Xは求められ
る。さらにまた、−9<z≦−1の範囲では、演算回路
240において、X’=(z+1)/9が求められる。
演算回路240において上記演算が施され、出力された
実数係数X’は第2の丸め回路241に入力され、実数
X’の小数部分を切り捨てされ整数化されて出力され
る。−9<z≦−1の範囲ではX’=0となる。さら
に、第2の丸め回路241より出力された整数化された
データは加算回路242で−1を加算され、−9<z≦
−1の範囲ではX=−1となる。以下、z≦−9の範囲
でも同様に係数Xは求められる。
【0403】これに対し、係数Yは以下、図70(b)
に示すようにして求められる。すなわちz=0ではYに
は無効データフラグが付加されている。上述したように
z=0のデータはX側でX=0として伝送する。
【0404】次に、1≦zの範囲では、係数YはY’
(=z−9×X)の値が小さい方から順に、0,1,−
1,2,−2,・・・と絶対値が小さい整数に変換され
る。すなわち、1≦z<10の区間(X=1の区間)で
はz=1の時をY=0とし、z=2,3,4,5,6,
7,8,9に対してYを1,−1,2,−2,3,−
3,4,−4と変換する。さらに、z≧10の範囲で
は、係数YはY’(=z−9×X)の値が小さい方から
順に、0,1,−1,2,−2,・・・と絶対値が小さ
い整数に変換される。すなわち、10≦z<19の区間
(X=2の区間)ではz=10の時をY=0とし、z=
11,12,13,14,15,16,17,18に対
して、Yを1,−1,2,−2,3,−3,4,−4と
変換する。以下、係数Xが同一の値をとる区間(X=
3,4,・・・)を周期に、同一の変換を繰り返す。
【0405】次に、z≦−1の範囲では、係数YはY’
(=z−9×X)の値が大きい方から順に、0,1,−
1,2,−2,・・・と絶対値が小さい整数に変換され
る。すなわち、−10<z≦−1の区間(X=−1の区
間)では、z=−2,−3,−4,−5,−6,−7,
−8,−9に対して、Yを1,−1,2,−2,3,−
3,4,−4と変換する。さらに、z≦−10の範囲で
は、係数YはY’(=z−9×X)の値が大きい方から
順に、0,1,−1,2,−2,・・・と絶対値が小さ
い整数に変換される。すなわち、−19<z≦−10の
区間(X=−2の区間)ではz=−10の時をY=0と
し、z=−11,−12,−13,−14,−15,−
16,−17,−18に対してYを1,−1,2,−
2,3,−3,4,−4と変換する。以下、係数Xが同
一の値をとる区間(X=−3,−4,・・・)を周期
に、同一の変換を繰り返す。以上の変換テーブルを図7
1に示す。なお、図70において黒丸(●)はその点の
値を含む場合を示し、白丸(○)はその点の値を含まな
い場合を示すものである。
【0406】以上を踏まえ、図68を用いて本発明のデ
ィジタル記録再生装置の第4のデータ分離符号化回路2
37の動作について説明する。なお、本実施例は上記第
4のデータ分離符号化回路237と第9のデータ分離回
路238を除いては構成も動作も実施例16と同一のも
のである。本実施例においても上記実施例16と同様に
ATVのビットストリームから高速再生用のHPデータ
を構成する際、上述の振幅分離符号化方式及び1ラン0
ランランレングス分離符号化方式を組み合わせてデータ
分離を施し、これによりデータ量を削減し、データ量が
削減された分HPデータとしてDCTブロックのより高
域の係数までを伝送するものである。
【0407】以下、図68を用いて第4のデータ分離符
号化回路237の動作について説明する。入力端子13
0より入力された可変長符号化されたディジタルデータ
は第6の可変長復号器131において可変長復号を施さ
れる。可変長復号されたディジタルデータは、第9のデ
ータ分離回路238に入力され上述の振幅分離符号化方
式でX及びYに分離される。振幅分離符号化方式で分離
されたXデータは第6のデータ分離回路202に入力さ
れ、0ランレングスコーディングが施され、0ランレン
グスコーディングが施されたデータは第12の可変長符
号器205に入力され可変長符号化が施される。一方、
分離されたYデータは第5のデータ分離回路201に入
力され、まず1をランとする1ランレングスコーディン
グが施され、1ランレングスデータと係数データとに分
離する。1ランレングスデータは第7のデータ分離回路
203に入力され、0をランとする0ランレングスコー
ディングが施され、0ランレングスコーディングを施さ
れたデータは第13の可変長符号器206に入力され可
変長符号化が施される。同様に、係数データは第8のデ
ータ分離回路204に入力され、0をランとする0ラン
レングスコーディングが施され、0ランレングスコーデ
ィングを施されたデータは第14の可変長符号器207
に入力され可変長符号化が施される。以上第12〜第1
4の可変長符号器205〜207においてそれぞれ可変
長符号化を施されたデータは一旦、第2のメモリ65に
記憶され、第1のメモリ62の出力とタイミングを合わ
せられて、第3のデータ合成回路190に出力される。
なお、第3のデータ合成回路190の動作は上記実施例
16と同一であるので説明は省略する。
【0408】また、以上のようにデータ構成された高速
再生用のHPデータが高速再生時に再生されたときの動
作の概略についても上記実施例16と同一であり、第
のデータ復元回路235において同一のデータ復元を行
うものであるので、説明は省略する。
【0409】本実施例においても上記実施例16に示し
た図65に示すフローをもとにコンピュータシミュレー
ションを行った結果、全体として約3.0%程度のデー
タ量の削減ができた。なお、上記数値データに対する1
によるランレングスコーディングの際は1と−1との区
別をつけず、付加ビットとして1ランレングスコーディ
ング後のデータに1及び−1の数だけ符号ビットを付加
するものとした。また、本シミュレーションはDCTブ
ロック内のAC係数のみについて行ったものである。
【0410】従って、本方式のように入力されたディジ
タルデータを上記振幅分離符号化方式及び1ラン0ラン
ランレングス符号化方式を組み合わせて、データ分離す
ることにより、可逆過程である可変長符号化を用いて符
号量を削減しているため従来の高速再生用HPデータ構
成方法と比較し、画質の劣化を全く伴わず伝送符号量を
削減することが可能となる。
【0411】従って、本実施例のようにデータ分離を施
し、データ分離されたデータを異なるアジマス角度を有
するヘッドによりそれぞれ分けて記録するように構成す
ることにより、同一のデータを2度書きした場合よりH
Pデータとして伝送できるデータ量が3.0%程度増加
させることが可能となる。従来、高速再生用HPデータ
をイントラ符号化ブロックの低域側係数から構成してい
たが、HPデータの伝送データ量の増加分だけイントラ
符号化ブロックのより高域側係数までを伝送することが
可能となり、より高画質な高速再生画像を得ることがで
きる。
【0412】以上のように、本実施例17では入力され
るディジタルデータに対し、高速再生に用いられるイン
トラ符号化データのディジタルデータを一旦可変長復号
し、復号されたディジタルデータを予め定められた方法
により3つのデータにデータ分離して、それぞれ可変長
符号化を施し、可変長符号化データを合成して2つのデ
ータを生成し、2つのデータをそれぞれ異なるアジマス
角度を有するヘッドにより記録するようにHPデータを
構成することにより、高速再生の最大テープ速度と同じ
トラック数に最大テープ速度回だけ同一のHPデータを
複写するのではなく、データ分離することにより、分離
した分、異なるデータを最大テープ速度より少ない回数
複写することにより、HPデータとしてDCTブロック
内のより高域側の係数を用いることが可能となるもので
あり、従来のビットストリーム記録装置で符号化した場
合と比べて高速再生画質を向上させ、S/N比を向上さ
せることができる。なお、本実施例では、上記振幅分離
符号化方式により分離されたYデータ側に更に、上記1
ラン0ランランレングス符号化を施す構成について説明
したが、これに限るものではなく、上記振幅分離符号化
方式により分離されたXデータ側に更に、上記1ラン0
ランランレングス符号化を施す構成にしてもよい。
【0413】実施例18. 図72は本発明の第18の実施例によるディジタル記録
再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。図7
2において、図40(実施例14)と同一部分は同一符
号を付し、その構成,動作共に同一であるので説明は省
略する。249は入力される可変長符号化されたディジ
タルデータを予め定められた規則に従いデータ分離し、
可変長符号化を施す第5のデータ分離符号化回路、25
0は分離されたデータを合成して記録データストリーム
を生成する第4のデータ合成回路である。
【0414】次に、図73は第5のデータ分離符号化回
路249の構成を示すブロック図である。図73におい
て、図41(実施例14)と同一部分は同一符号を付
し、その構成,動作共に同一であるので説明は省略す
る。251は第10のデータ分離回路、252は第11
のデータ分離回路、253は第15の可変長符号器、2
54は第16の可変長符号器である。
【0415】図74は本発明の第18の実施例によるデ
ィジタル記録再生装置の再生系の構成を示すブロック図
である。図74において、図43(実施例14)と同一
部分は同一符号を付し、その構成,動作共に同一である
ので説明は省略する。255は第15のデータ合成回路
である。
【0416】図75は図74における第15のデータ合
成回路255の構成を示すブロック図である。図におい
て、256は入力端子、257は第5のデータ判別回
路、258は第13の可変長復号器、259は第14の
可変長復号器、260は第4のデータ復元回路、261
は出力端子である。
【0417】まず始めに、第18の実施例のディジタル
記録再生装置の動作を説明する前に本実施例の概念を説
明する。本実施例のディジタル記録再生装置では、HP
データ構成において、入力された可変長符号化を施され
たディジタルデータを可変長復号し、可変長復号された
DCTブロックデータをまずDC係数とAC係数に分離
するものである。分離されたDC係数はそのままのディ
ジタルデータをHPデータとして用い、これに対し分離
されたAC係数はさらに2つにデータ分離を施し、デー
タ分離された各データをそれぞれ可変長符号化して、2
つに分離された可変長符号化データをHPデータとして
用いるものである。このように3つに分離されたデータ
のDC係数に関してはすべてのアジマス角度を有するヘ
ッドによりトラック上の複写エリアに記録する。これに
対し、分離された2つのAC係数はそれぞれ異なるアジ
マス角度を有するヘッドにより記録されるように、デー
タ構成を行うものである。
【0418】以下、図72及び図73を用いて本実施例
の第5のデータ分離符号化回路249の動作を説明す
る。第6の可変長復号器131で可変長復号を施された
ディジタルデータは第10のデータ分離回路251に入
力され、DC係数とAC係数とに分離する。分離された
DC係数はそのままのディジタルデータを出力端子13
7aより出力する。一方、分離されたAC係数は第11
のデータ分離回路252に入力され、予め定められた値
aにより除算を施し、商xと剰余yとに分離する。第1
1のデータ分離回路252において分離されたx及びy
はそれぞれ、xは第15の可変長符号器253へ、yは
第16の可変長符号器254へ入力され、それぞれ可変
長符号化を施される。第15の可変長符号器253及び
第16の可変長符号器254においてそれぞれ可変長符
号化された可変長符号化データx及びyはそれぞれ出力
端子137b及び137cより出力される。
【0419】第5のデータ分離符号化回路249におい
て分離されたDC係数データと、上記のようにさらに第
11のデータ分離回路252において予め定められた値
aにより商x,剰余yに2つに分離されたAC係数をそ
れぞれ第15及び第16の可変長符号器253及び25
4において可変長符号化された2つのAC係数データ
x、yとは、第2のメモリ65に一旦記憶され、第1の
メモリ62の出力とタイミングを合わせられて、第4の
データ合成回路250に出力される。第4のデータ合成
回路250に入力された、DC係数データと、第15及
び第16の可変長符号器253及び254において可変
長符号化された2つのAC係数データとは、それぞれ2
つの異なるアジマス角度を有するヘッドにより分けて記
録されるようにデータ合成施される。図76に本実施
例のデータ合成図を示す。図において1,2,3,・・
・は上記実施例と同様にHPデータの画面上の位置を示
す絶対アドレスを示す。図中、上記の第10のデータ分
離回路251において分離されたDC係数データをD
C、分離されたAC係数データの内、第11のデータ分
離回路252において分離されたxをACx、yをAC
yと記す。図76に示すように、第4のデータ合成回路
250において、DCとACxとをトラックAの複写エ
リアへ、またDCとACyとをトラックBの複写エリア
へ記録するようにデータ合成を行う。DCは両トラック
に2重に記録するものとする。
【0420】上記図46を用いて具体的に本実施例にお
けるHPデータのトラック上への配置の一例を示す。図
46に示すトラック上では、DC係数データと、第15
の可変長符号器253の出力データ、すなわちACxデ
ータとをトラックAの複写エリアに記録し、一方上記と
同一のDC係数データと、第16の可変長符号器254
からの出力データ、すなわちACyデータとをトラック
Bの複写エリアに記録する。図において、同一符号で示
した複写エリアについて、丸で囲まないものと、丸で囲
んだものはそれぞれ画面上の同一位置のデータで上記の
ようにデータ分離されたものの組を示す。すなわちDC
及びACxのデータを1,2,3,・・・の領域に記録
し、DC及びACyのデータを,,,・・・の領
域に記録する。なお、図46に示したトラック上へのH
Pデータの配置例であるが、これは上記図111におい
て同一のHPデータを17回記録した場合に準じたもの
であり、同一番号のデータの組を9回または8回繰り返
し記録するものである。すなわち、DC+ACxのデー
タを9回繰り返し記録した場合は、DC+ACyのデー
タを8回繰り返し記録することになり、DC+ACxの
データを8回繰り返し記録した場合は、DC+ACyの
データを9回繰り返し記録することになる。
【0421】次に、図75を用いて、以上のようにデー
タ構成された高速再生用のHPデータが高速再生時に再
生されたときの動作の概略を説明する。高速再生時に入
力端子256より再生信号として上記のように構成され
たHPデータが入力されると、第5のデータ判別回路2
57において、再生トラック位置よりDC、またはAC
x及びACyの判別がなされ、DCと判別されたデータ
はそのままのディジタルデータが第4のデータ復元回路
260に入力される。また、ACxと判別されたデータ
は第13の可変長復号器258に入力され、ACyと判
別されたデータは第14の可変長復号器259に入力さ
れ、それぞれ可変長復号を施される。各可変長復号器で
可変長復号されたディジタルデータは第4のデータ復元
回路260に入力される。また、第5のデータ判別回路
257においてDC,ACx及びACyのすべてのデー
タが再生されたか否かを示す制御信号が発生され、第4
のデータ復元回路260に入力される。
【0422】以下、本実施例の第4のデータ復元回路2
60の動作を簡単に説明する。本実施例では第4のデー
タ復元回路260に入力されたディジタルデータを以下
の方法によって復元する。なお、本実施例ではデータ復
元はDCTブロック単位で行われる。もとの第6の可変
長復号器131において可変長復号されたディジタルデ
ータをzとすると、第5のデータ判別回路257より発
生された制御信号に基づき、例えば3つに分離されたそ
れぞれのデータ(DC,ACx及びACy)がすべて再
生された場合は、まず第13の可変長復号器258及び
第14の可変長復号器259より出力される復号データ
である元のAC係数データの(商x,剰余y)の組よ
り、上記第11のデータ分離回路252において予め定
められた値aを用いて、a×x+yを算出したものによ
り、もとの第6の可変長復号器131において可変長復
号されたディジタルzが復元される。しかし、上記図4
6に示す、トラックAの複写エリアに記録する1,2,
3,・・・のデータ、あるいはトラックBの複写エリア
に記録する,,,・・・のデータで同一番号の一
方のデータしか再生されなかった場合は、トラックAか
らのみ再生される場合は、DCとACの商xが得られて
いるのでDC係数部分は正しく復元でき、AC係数につ
いてはa×ACxによりデータ復元する。また、トラッ
クBからのみ再生される場合は、DCとACの剰余yが
得られているのでDC係数部分は正しく復元でき、AC
係数についてはACyによりデータ復元する。
【0423】ここで、本実施例に示すディジタル記録再
生装置を用いて高速再生を行う場合について説明する。
図47は図46の記録トラックにおける5倍速再生時の
ヘッドトレース図である。図において、斜線を施した部
分が再生データとして得られる部分である。図のよう
に、ヘッドAは同一アジマス再生部分のHPデータ領域
をスキャン順に1,2,3,1,2,3のようにスキャ
ンする。また、ヘッドBは同一アジマス再生部分のHP
データ領域をスキャン順に,,,,,,・
・・のようにスキャンする。従って、1と,2と,
3とは異なるアジマス再生部分から両方のHPデータ
がすべて再生され、これらを合成して完全なデータが復
元される。
【0424】また、本実施例に示すディジタル記録再生
装置を用いて17倍再生を行う場合について説明する。
図49は図46の記録トラックにおける17倍速再生時
のヘッドトレース図である。図において、斜線を施した
部分が再生データとして得られる部分である。図のよう
に、ヘッドAは同一アジマス再生部分のHPデータ領域
をスキャン順に1,2,3のようにスキャンする。ま
た、ヘッドBから,,の部分は同一アジマス再生
部分の再生信号として再生されない。従って、画面上の
1,2,3の位置のHPデータはヘッドBより,,
のデータが再生されないため、完全にデータ復元する
ことはできないが、本実施例に示すディジタル記録再生
装置では先ほども述べたようにトラックAに記録されて
いるACxが再生された場合はa×ACxを算出して復
元データとする。またトラックBに記録されているAC
yが再生された場合はACyを算出して復元データとす
る。
【0425】従って、本実施例のように可変長符号化さ
れてディジタルデータを可変長復号し、可変長復号され
たDCTブロックに対し、DC係数とAC係数に分離
し、分離されたAC係数をさらに予め定められた値aに
より除算して商xと剰余yに分離し、商x、剰余yにそ
れぞれ可変長符号化を施し、DC係数に関してはアジマ
ス角度に係わらずすべてのヘッドにより記録し、AC係
数に関してはデータ分離されたデータx及びyを異なる
アジマス角度を有するヘッドによりそれぞれ分けて記録
するように構成することにより、同一のデータを2度書
きした場合よりHPデータとして伝送できるデータ量を
増加させることが可能となる。従来、高速再生用HPデ
ータをDCTブロックの低域側係数から構成していた
が、HPデータの伝送データ量の増加分だけDCTブロ
ックのより高域側係数までを伝送することが可能とな
り、従来のディジタル記録再生装置でHPデータを符号
化した場合と比べてより高画質な高速再生画像を得るこ
とが出来る。
【0426】実施例19. 図77は本発明の第19の実施例によるディジタル記録
再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。図7
7において、図21(実施例8)と同様または同一部分
には同一符号を付して説明を省略する。262はイント
ラ符号化データを予め定められた規則に従い分離し、可
変長符号化を施す第6のデータ分離符号化回路、263
は第1のメモリ62及び第2のメモリ65より出力され
たデータを合成して記録データストリームを生成する第
6のデータ合成回路である。
【0427】図78は図77における第6のデータ分離
符号化回路262の構成を示すブロック図である。図に
おいて、270は入力端子、271は第15の可変長復
号器、272は第12のデータ分離回路、273aは第
1の量子化器、273bは第2の量子化器、274aは
第17の可変長符号器、274bは第18の可変長符号
器、275aは第1のバッファ、275bは第2のバッ
ファ、276aは第1のレート制御回路、276bは第
2のレート制御回路、277a,277bは出力端子で
ある。
【0428】第19の実施例による入力ビットストリー
ムのデータパケットの一例は前述の図24に示すもので
ある。また、図79は第19の実施例のSD規格におけ
る映像信号の1トラック内のデータフォーマットを示す
図である。更に、図80は第19の実施例におけるトラ
ックフォーマット図である。図において、a1〜a4及
びa1’〜a4’で示した領域を2倍速,4倍速及び−
2倍速再生用の複写エリアとする。複写エリアは4トラ
ック周期で構成され、同一データを2回記録するものと
する。すなわち図において同一符号を示した部分には同
一データを記録するものとする。なお、図中b1,b2
及びb1’,b2’は8倍速及び−6倍速用の特殊再生
用データを記録するエリアとして、またc1及びc1’
は16倍速及び−14倍速用の特殊再生用データを記録
するエリアとして設けられている。なお、詳細な説明は
省略するが本実施例においてa1〜a4,b1,b2,
c1は図81(a)及び図81(b)に示すヘッド配置
のシステム(以下、9000rpmシステムと記す)に
おいて採用する複写エリアであり、a1’〜a4’,b
1’,b2’,c1’は図81(c)に示すヘッド配置
のシステム(以下、4500rpmシステムと記す)に
おいて採用する複写エリアである。
【0429】図82は本発明の第19の実施例によるデ
ィジタル記録再生装置の再生系の構成を示すブロック図
である。図82において、図28(実施例8)と同様ま
たは同一部分には同一符号を付して説明を省略する。2
78は第16のデータ合成回路である。
【0430】また、図83は図82における第16のデ
ータ合成回路278の構成を示すブロック図である。図
において、288は入力端子、289は第6のデータ判
別回路、290aは第16の可変長復号器、290bは
第17の可変長復号器、291aは第1の逆量子化器、
291bは第2の逆量子化器、293は第5のデータ復
元回路、294は出力端子である。
【0431】まず、本実施例19の記録時の動作につい
て、図77,図78を用いて説明する。入力端子60よ
り入力されるビットストリームには、ディジタル映像信
号,ディジタル音声信号、さらには映像信号及び音声信
号に関するディジタルデータが含まれており、それらは
図24(a)に示すトランスポートパケットに区切られ
て伝送されてくる。パケットは、4バイトのヘッダ部と
184バイトのデータ部とから構成されている。本実施
例19では、ビットストリームをトランスポートパケッ
ト単位に検出し、検出されたイントラ符号化データのパ
ケットを分割符号化を行い上述の図79に示すトラック
フォーマットの特殊再生データエリアに記録する。よっ
て、まず始め入力端子60を介して入力されたビットス
トリームは、パケット検出回路61にてトランスポート
パケットが検出され、第1のメモリ62及びイントラ検
出回路63へ入力される。
【0432】SD規格では、従来例でも述べたが図79
に示すように1トラック当りの映像データを記録するエ
リアとして149シンクブロック用意されている。その
内3ブロックがVAUXデータ記録エリアとして、また
11ブロックが誤り訂正符号記録エリア(図中では「V
−ECC2」と記す)として設けられている。また、1
シンクブロックは90バイトで構成されており、その内
先頭の5バイトにはシンクパターンとID信号が記録さ
れており、また後ろの8バイトには誤り訂正符号が記録
される。よって、1シンクブロック内に記録することが
できるデータは図79に示すように77バイトとなる。
【0433】第1のメモリ62ではパケット単位でビッ
トストリームのデータを記憶し、図24(b)の記録デ
ータパケットの構成になるようにデータを読み出す。図
24(b)は、上述のように1シンクブロック内のデー
タ長を77バイトとしたときに、5シンクブロックで2
つのトランスポートパケットを構成するようにしたもの
である。図24においてH1は第1のヘッダ、H2は第
2のヘッダである。H1には5シンクブロックの何番目
のシンクかを示す識別データなどが記録される。H2に
は映像データか音声データか等の識別データなどが記録
される。なお、本実施例19では、第1のメモリ62及
び後述する第2のメモリ65からのデータの読み出しは
第6のデータ合成回路263に基づき読み出されるもの
とする。
【0434】一方、パケット検出回路61からのビット
ストリーム出力はイントラ検出回路63へ入力される。
イントラ検出回路63では、トランスポートパケット内
のデータからイントラ符号化されているデータかそうで
ないデータか等の識別データなどを検出する。なお、本
実施例19では、第1のメモリ62及び後述する第2の
メモリ65からのデータの読み出しは第6のデータ合成
回路263の指令に基づき読み出されるものとする。
【0435】一方、パケット検出回路61からのビット
ストリーム出力はイントラ検出回路63へ入力される。
イントラ検出回路63では、トランスポートパケット内
のデータからイントラ符号化されているデータかそうで
ないデータかを検出する。MPEG2のビットストリー
ムでは、従来例でも示したようにフレーム内またはフィ
ールド内符号化(イントラ符号化)されている場合は、
イントラのトランスポートパケットが連続して送られて
くることになる。従ってこれを検出してイントラのみの
トランスポートパケットを抜き出す。抜き出されたトラ
ンスポートパケットは第6のデータ分離符号化回路26
2へ出力される。
【0436】一般に、上記トランスポートパケット内の
ディジタル映像データには可変長符号化が施されてい
る。よって、本実施例19においても入力ビットストリ
ームデータ内の映像データには可変長符号化が施されて
いるものとして説明を続ける。また、イントラ符号化さ
れているデータに関しては、DCTをベースとした直交
変換が施された後に2次元の可変長符号化が施されてい
るものとして説明を続ける。
【0437】次に、図78を用いて第6のデータ分離符
号化回路262の動作について説明する。入力端子27
0より入力された可変長符号化されたディジタルデータ
は、第15の可変長復号器271において、可変長復号
され、図109に示すジグザグスキャニング順にDCT
ブロックのディジタルデータを出力する。また、第15
の可変長復号器271よりジグザグスキャニング順に出
力されたディジタルデータは第12のデータ分離回路2
72に入力され、予め定められた方法によりディジタル
データを2つに分離する。なお、第12のデータ分離回
路272でのデータ分離方法についての詳細は後述す
る。第12のデータ分離回路272において予め定めら
れた方法により2つのデータにデータ分離されたディジ
タルデータはそれぞれ第1の量子化器273a,第2の
量子化器273bに入力されそれぞれ第1のレート制御
回路276a,第2のレート制御回路276bにおいて
設定されるレート制御変数Kに基づき量子化を施され
る。第1の量子化器273a及び第2の量子化器273
bにおいて量子化を施されたディジタルデータはそれぞ
れ第17の可変長符号器274a及び第18の可変長符
号器274bに入力され、それぞれ可変長符号化を施さ
れる。第17の可変長符号器274a及び第18の可変
長符号器274bにおいてそれぞれ可変長符号化を施さ
れたデータはそれぞれ第1のバッファ275a及び第2
のバッファ275bに一旦蓄えられ、それぞれ第1のレ
ート制御回路276a及び第2のレート制御回路276
bによる符号量制御によりレート制御変数Kが決定する
まで、量子化及び可変長符号化を繰り返す。なお、本実
施例における符号量制御方法についての詳細は後述す
る。レート制御変数決定後の、第1のバッファ275a
及び第2のバッファ275bからの出力データはそれぞ
れ出力端子277a及び277bより出力される。
【0438】以下、本実施例の第12のデータ分離回路
272におけるデータ分離方法について説明する。図8
4は本実施例におけるデータ分離を示すデータマップ図
である。今、第15の可変長復号器271において可変
長復号を施され、第12のデータ分離回路272に入力
されるディジタルデータの値がzであるとすると、第1
2のデータ分離回路272では図84に示すデータマッ
プに従いデータzをx及びyの2つのデータに分離す
る。
【0439】すなわち、本実施例においては第12のデ
ータ分離回路272に入力されたディジタルデータzは
z=x+yの法で計算されるデータx及びデータyに分
離される。但し、x及びyのデータ量のバランスをとる
ためz=0の時のx=y=0を基準にz=1の時はx=
0としてy=1とデータ分離し、z=−1の時はy=0
としてx=−1とデータ分離する。すなわち、データx
及びyは以下に示す式(12)に従い算出される。z≧
0の時、 x = (INT)(z/2) y = z−x z<0の時、 x = (INT)((z−1)/2) y = z−x (12) なお、(INT)(A/B)はAをBで割った時の商を
示す。
【0440】上記のデータ分離則を具体的な数値を用い
て説明する。例えば、第12のデータ分離回路272に
395というディジタル値を持ったデータが入力された
とする。入力されたディジタルデータzは上述の式(1
2)に従いデータx及びyに分離される。z≧0である
ので、 x=(INT)(395/2)=197 y=z−x=395−197=198 となる。なお、もとのディジタル値zは、 z=x+y (13) に示す式(13)によりz=197+198=395と
なり完全に復元できる。
【0441】また、この分離法に従うとxまたはyより
以下に示す式(14)に従い入力されたディジタル値z
をほぼ復元できる。今、復元値をz’とすると z’=x(またはy)×2 (14) となる。本例の場合は式(14)に従い、データxから
は、 z’=x×2=197×2=394 とデータ復元される。またデータyからは、 z’=y×2=198×2=396 とデータ復元される。従って、データxまたはyだけで
も入力されたディジタル値zをほぼ復元できることがわ
かる。図85に分離データx及びyから入力ディジタル
データzの復元例を示す。図中に示したzxがデータx
からの復元値を示し、zyがデータyからの復元値を示
す。
【0442】以下、本実施例における特殊再生用データ
の構成方法、及び上記第1のレート制御回路276a,
第2のレート制御回路276bにおけるレート制御変数
Kの決定方法について、図80を用いて説明する。上述
のように、図においてa1〜a4及びa1’〜a4’で
示した領域は2倍速及び4倍速再生用の特殊再生データ
を記録する領域である。上述のように同一のデータを2
回記録する。ここで同一のデータを2度記録しているの
は以下に示す理由による。
【0443】図86は上記図80に示す本実施例のトラ
ックフォーマットにおいて2倍速再生及び4倍速再生を
行った場合の複写エリアとヘッド走査軌跡との関係を示
す図である。なお、本実施例においては2倍速再生用の
特殊再生データ及び4倍速再生用の特殊再生データは2
つの倍速数で共用するものとする。図86において2倍
速再生時には1回目の走査でa1の領域を走査し、2回
目の走査でもa1の領域を走査する。以下、a2,a
2,a3,a3,a4,a4の順に各データ領域を2回
ずつ走査する。一方、4倍速再生時には1回目の走査で
a1の領域を走査し、2回目の走査でa2の領域を走査
する。以下、a3,a4の順に各データ領域を1回ずつ
走査する。図86に示すように4倍速再生時には2倍速
再生時よりテープの走行速度が2倍となるため、走査す
るトラックが2倍速再生の場合の半分になる。従って、
本実施例に示すように2倍速再生用と4倍速再生用との
特殊再生データを共用するためには、4倍速再生時にす
べての複写エリアからのデータが得られるように構成す
るため、2倍速再生時には同一の特殊再生データが2度
得られる。このことを踏まえ、以下に本実施例における
データ分離方式の概念を述べる。
【0444】上述のように、本実施例では2倍速再生用
の特殊再生用データと4倍速再生用の特殊再生用データ
とを共用するように構成するため2倍速再生データ用と
して同一のデータ部分を2回ヘッド走査するため、一回
分は無駄にヘッド走査していることになる。従って、本
実施例では2倍速再生時に同一のデータ部分を2回ヘッ
ド走査することによるデータ効率の低下を除くため、同
一のデータの2度書きを行わないように特殊再生用デー
タの構成を行うものである。
【0445】すなわち、2倍速再生用の特殊再生データ
として、上述の第12のデータ分離回路272における
データ分離を行うことにより入力されるディジタルデー
タzをデータx及びデータyの2つのデータに分離し、
上記同一データの2度書き部分にそれぞれデータ分離さ
れたデータを記録するように構成する。
【0446】ここで、第12のデータ分離回路272に
おいてデータ分離されたデータx及びデータyをそれぞ
れ量子化し、さらに可変長符号化を施して、上記図80
に示した複写エリアに記録するため、上述の第1のレー
ト制御回路276a及び第2のレート制御回路276b
において決定されるレート制御変数Kの決定方法を示
す。図87は第19の実施例における記録方法を示すト
ラックフォーマット図である。図において、a1x,a
1yで示す部分は図80においてa1で示された2つの
部分に記録されるデータと同一のデータにデータ分離を
施し、データxをa1xで示す部分に、データyをa1
yで示す部分にそれぞれ記録することを示す。以下、a
2で示された部分に記録されるデータと同一のデータに
データ分離を施し、それぞれa2x及びa2yで示す部
分に記録し、a3についてはa3x,a3y,a4につ
いてはa4x,a4yの部分に記録する。なお、450
0rpmシステム用の特殊再生用データa1’〜a4’
についても同様のデータ構成を行うものであるので詳細
な説明は省略する。
【0447】すなわち、上述のようにデータ分離された
データx及びデータyはそれぞれ同一の容量の複写エリ
アに記録されるものであるので、第1のレート制御回路
276a及び第2のレート制御回路276bでは、それ
ぞれ第17の可変長符号器274a及び第18の可変長
符号器274bにおいて可変長符号化を施されたデータ
が、上記の複写エリアの記録容量に収まるように第1の
量子化器273a及び第2の量子化器273bにおいて
量子化レベルをコントロールするレート制御変数Kを出
力する。従って、データ分離されたデータx及びデータ
yは符号量がほぼ等しくなるように符号化される。
【0448】また、この分離方法に従うと、同一のデー
タを2重書きして伝送した場合と比べて伝送するデータ
量は、第12のデータ分離回路272に入力されるディ
ジタルデータzのビット数に比較して、ほぼ、データx
で1ビット減、データyで1ビット減となる。また、本
実施例のデータ分離及び符号化を採用した場合の再生画
質をコンピュータシミュレーションにより確認したとこ
ろ、2倍速再生時、同一データの2度書きを行った場合
比べて、S/N比で約2dBの改善が見られた。
【0449】なお、画質の比較対照である、同一のデー
タを2度書きする場合のデータとしては、以下に示す符
号化方法により符号化されたデータを用いている。すな
わち、上記データ分離前のデータzを量子化し、可変長
符号化を施したデータであり、この時の可変長符号化後
のデータ量が上記データ分離されたデータの片方ずつの
データ容量と同一のデータ量になるように量子化レベル
を設定するときのデータである。具体的に図80及び図
87を用いて説明すると、図80においてa1で示され
た部分に同一のデータを記録しているのに対し、図87
では異なるデータa1x及びa1yを記録している。つ
まり、データ分離を行わない場合には、データ分離を行
う場合に記録できる領域の1/2の領域に記録できるだ
けのデータ量しか、特殊再生用データとして用いること
ができない。なお、上記のS/N比データはデータ分離
を行わない場合についても、データ分離を行う場合につ
いても、可変長復号後のDCTブロックデータの全シー
ケンスを伝送する場合について算出したものである。
【0450】以下、図77に基づき本実施例のディジタ
記録再生装置における記録時の動作の続きを説明す
る。上記のように第6のデータ分離符号化回路262で
2つのデータにデータ分離されたデータx及びデータy
の可変長符号化を施されたデータは第2のメモリ65へ
一旦記憶される。第2のメモリ65では、上記分離され
可変長符号化の施されたデータx及びデータyのビット
ストリームを一旦記憶し、上述のトランスポートパケッ
トと同様に1シンクブロック内のデータ長が77バイト
の記録データパケットの構成になるようにデータを読み
出す。
【0451】第1のメモリ62及び第2のメモリ65よ
り出力されたデータは、第6のデータ合成回路263に
入力される。第6のデータ合成回路263では、第1の
メモリ62及び第2のメモリ65に記憶されたデータを
合成してトラックフォーマットを生成する。
【0452】以下、図87を用いて第6のデータ合成回
路263でのデータ合成動作を説明する。上述のように
図87は第19の実施例であるディジタル記録再生装置
の磁気テープ上での記録フォーマットの一例を示す。図
87に示すトラック上では、第1のバッファ275aか
らの出力データ、すなわちデータxを第17の可変長符
号器274aにおいて可変長符号化したデータをトラッ
ク上のa1x,a2x,a3x,a4xで示された複写
エリアに記録し、第2のバッファ275bからの出力デ
ータ、すなわちデータyを第18の可変長符号器274
bにおいて可変長符号化したデータをトラック上のa1
y,a2y,a3y,a4yで示された複写エリアに記
録する。
【0453】第1のメモリ62に記憶されているATV
信号のビットストリームは、上述のように5シンクブロ
ックで2つのトランスポートパケットが構成され、第1
メモリ62より1シンクブロックを単位として所定のタ
イミングで読み出され、上記記録トラック上のメインエ
リアに記録されるように合成される。第6のデータ合成
回路263では、第1のメモリ62のメモリ読み出し制
御信号(データの読み出しタイミング)を発生しデータ
を合成する。
【0454】一方、第6のデータ分離符号化回路262
で2つに分離されたデータx及びデータyは第2のメモ
リ65より図87に示すデータ配置になるように、1シ
ンクブロック単位(77バイト)で所定のタイミングで
読み出される。図のように、分離された画面の同一位置
のブロックの情報は図87に示すようにa1xとa1
y、a2xとa2y、a3xとa3y、a4xとa4y
という同一番号の組で表わす。
【0455】上記要領で合成されたデータは誤り訂正符
号器67で誤り訂正符号が付加される。誤り訂正符号が
付加された記録データは記録アンプ68でディジタル変
調が施された後に増幅され回転ヘッド70a及び70b
を介して磁気テープ上に記録される。
【0456】次に、再生系の動作を図82及び図83を
用いて説明する。まず始め、通常再生動作について説明
する。通常再生時、磁気テープより回転ヘッド70a及
び70bを介して再生されたデータは、ヘッドアンプ8
0で増幅された後に信号検出回路81で信号検出が行わ
れディジタルデータに変換されるとともに、ディジタル
復調が施される。ディジタル復調が施されたデータは誤
り訂正復号器82で記録時に予め付加されている誤り訂
正符号を用いて再生信号中に発生した誤りの訂正及び検
出が行われる。誤り訂正が施されたデータは第3のメモ
リ83及び第16のデータ合成回路278へ入力され
る。
【0457】第3のメモリ83では入力されたデータよ
りATV信号のビットストリームを分離し、上記ビット
ストリームのみ第3のメモリ83内に記憶する。通常再
生時にはスイッチ86は常に第3のメモリ83の出力を
選択するように構成されており、第3のメモリ83で1
88バイトのパケット情報に復元されたATVのビット
ストリームが出力端子87より出力される。なお、第1
6のデータ合成回路278へもデータは出力されるがこ
れは複写エリアから再生信号であり、通常再生時には捨
てられ、再生されないデータである。
【0458】一方、高速再生時の動作について説明す
る。高速再生のモード信号が入力されるとスイッチ86
は第4のメモリ85の出力を選択する。回転ヘッド70
a及び70bを介して間欠的に再生されてくる再生デー
タはヘッドアンプ80で増幅された後に信号検出回路8
1でディジタルデータに変換されるとともにディジタル
復調が施される。信号検出回路81で正しく復調された
データは誤り訂正復号器82で誤り訂正を施し第16の
データ合成回路278へ入力される。なお、第3のメモ
リ83へもデータは出力されるが上述のようにデータが
間欠的に再生されるためまともなトランスポートパケッ
トを生成することができない。第16のデータ合成回路
278へ入力端子288より入力されたデータは、第6
のデータ判別回路289において記録時分離されたデー
タx及びデータyが再生信号より分離される。
【0459】上記のように第6のデータ判別回路289
において、データxまたはデータyの判別がなされる。
データxと判別されたデータは第16の可変長復号器2
90aに入力され、データyと判別されたデータは第1
7の可変長復号器290bに入力されそれぞれ可変長復
号を施される。さらに第16の可変長復号器290aで
可変長復号されたディジタルデータは第1の逆量子化器
291aで逆量子化を施され、第17の可変長復号器2
90bで可変長復号されたディジタルデータは第2の逆
量子化器291bに入力され、それぞれ記録時のレート
制御変数による逆量子化が施される。第1の逆量子化器
291a及び第2の逆量子化器291bにおいてそれぞ
れ逆量子化を施されたディジタルデータx及びyは第5
のデータ復元回路293に入力される。また、第6のデ
ータ判別回路289において2つのデータx及びデータ
yのすべてのデータが再生されたか否かを示す制御信号
が発生され、第5のデータ復元回路293に入力され
る。
【0460】以下、本実施例の第5のデータ復元回路2
93の動作を図83を用いて詳細に説明する。本実施例
では第5のデータ復元回路293に入力されたディジタ
ルデータデータx及びデータyよりもとのディジタルデ
ータzを以下の方法によって復元する。復元値をz’と
するとデータx及びデータyが両方とも再生された場合
は、上述の式(13)により、 z’=x + y (13) で計算される値にデータ復元される。また、データxま
たはデータyの一方のデータしか再生されない場合には
上述の式(14)により、 z’=2×x(あるいはy) (14) で計算される値にデータ復元される。これは、第6のデ
ータ判別回路289より発生された制御信号に基づき、
例えば2つに分離されたそれぞれのデータ(x及びy)
が両方再生された場合は式(13)の方法に従い復元
し、復元データを出力する。しかし、上記図87に示し
たデータで、a1x,a2x,a3x,a4xで示され
る複写エリアに記録するデータまたはa1y,a2y,
a3y,a4yで示される複写エリアに記録するデータ
で同一番号のxまたはyの一方のデータが再生されなか
った場合は式(14)の方法に従いデータを出力する。
なお、式(14)を選択する場合は、xまたはyは再生
された方のデータを使用するものとする。
【0461】ここで、本実施例に示すディジタル記録再
生装置を用いて高速再生を行う場合について説明する。
図88に上記図87に示した記録トラックより、2倍速
再生時に同一アジマス再生部分で2倍速再生データとし
て得られる部分を示した。図において斜線を施した部分
が再生データとして得られる部分である。図のように、
ヘッドは同一アジマス再生部分のHPデータ領域をスキ
ャン順にa1x,a1y,a2x,a2y,a3x,a
3y,a4x,a4yのようにスキャンする。従ってa
1xとa1y、a2xとa2y、a3xとa3y、a4
xとa4yの両方のHPデータがすべて再生され、これ
らを合成して完全なデータが復元される。
【0462】また、図89に上記図87に示した記録ト
ラックより、4倍速再生時に同一アジマス再生部分で高
速再生データとして得られる部分を示した。図において
斜線を施した部分が再生データとして得られる部分であ
る。図のように、ヘッドは同一アジマス再生部分のHP
データ領域をスキャン順にa1x,a2x,a3x,a
4xのようにスキャンしてデータx側のデータは再生さ
れる。一方、データy側のデータが記録されているa1
y,a2y,a3y,a4yの部分のHPデータは同一
アジマス再生部分として再生信号が得られない。従って
画面上のa1,a2,a3,a4の位置を示す部分の再
生状態であるが、データx側のデータは再生されるが、
データy側のデータは再生されないため、両方のデータ
を用いて完全なデータを復元することはできないが、本
実施例に示すディジタル記録再生装置では先ほども述べ
たように2つに分離されたどちらか一方のデータ(xま
たはy)が再生できれば式(14)を用いることにより
本来のディジタル値z’を、 z’=2×x(またはy) z’=2×y(またはx) とほぼ復元することができる。例えば、395というデ
ィジタル値が入力された場合、両方のデータが再生でき
た場合は、式(13)の方法に従い、 x+y=395 を復元でき、また、データxのみ再生された場合は、式
(14)の方法に従い 2×197=394 というディジタル値が復元される。なお、本実施例にお
いてはデータ分離後に量子化を施すものであるので、量
子化による多少の誤差が生じることがある。
【0463】従って、本方式のように入力されたディジ
タルデータをある一定の演算則に従い(例えば、上記式
(12)の方法に従い演算を行う)データ分離すること
により有効にデータを分離できるとともに再生時、一方
のデータが再生されない場合でも、他方のデータにより
記録時のデータのディジタル値をほぼ復元することがで
きる。
【0464】また、上記のようにこの分離方法に従いコ
ンピュータシミュレーションを行ったところ、同一のデ
ータを2度書きした場合と比べて、2倍速再生時の再生
画質がS/N比で約2dBの改善されることが確認され
た。また、4倍速再生時には分離されたデータの何れか
一方のデータのみで、視覚的に十分な画質の4倍速再生
画像を得ることができた。
【0465】従って、本実施例のようにデータ分離を施
し、データ分離されたデータの両方のデータから2倍速
再生画像を構成し、またデータ分離された2つのデータ
の何れか一方のデータから4倍速再生画像を構成するよ
うに特殊再生用データを構成することにより、同一のデ
ータを2度書きした場合より、低速倍速数である2倍速
再生時に、より高画質な2倍速再生画像を得ることがで
きる。また、4倍速再生時には、2倍速再生画像の構成
に用いる半分のデータから、視覚的に十分な画質の4倍
速再生画像を得ることができる。
【0466】なお、高速再生画像の画質の比較対照とし
て、上記では、データ分離前のデータzをデータ分離を
行う場合にデータx及びデータyの片方ずつを記録する
データ容量に収まるように量子化レベルを設定して量子
化を行い可変長符号化を行ったものを採用し、可変長復
号後のDCTブロックデータの全シーケンスを伝送する
場合についてS/N比を算出している。ところが、一般
的には特殊再生用データとして、上記のように量子化を
行うことによりデータ量を制限してブロック内のすべて
のシーケンスを伝送するのではなく、量子化を行わず低
域側から数シーケンスだけを伝送するものが用いられて
いる。従って、本実施例においても高速再生画像の画質
の比較対照として量子化を行わず低域側の数シーケンス
だけを伝送するものとしたところ、上記の量子化後の全
シーケンスを伝送する場合に比較してS/N比で約2d
Bの改善が見られた。このことは、上述の図108に示
した伝送シーケンス数変化時のデータ取得率とS/N比
との関係より、高域のシーケンスを伝送するのに従い著
しくS/N比が向上することによる。さらに、図11に
図108のデータをもとに2倍,4倍,8倍,16倍に
粗く量子化した場合の、量子化係数、及び伝送シーケン
ス数変化時のデータ取得率とS/N比との関係を示し
た。図において、Q1にもとの1倍の量子化を行った場
合を示し、以下Q2が2倍に粗く量子化した場合、Q4
が4倍、Q8が8倍、Q16が16倍の場合を示す。図
の見方は図108と同様であるので説明は省略する。図
において、例えばデータ取得率50%の時、図中にQ1
の場合に比較してQ2の場合はS/N比で約2dB改善
されている。従って、本実施例のデータ分離を行うこと
により従来の特殊再生用データ符号化方式を採用する場
合に比較して、S/N比が約4dB改善されることにな
る。
【0467】以上のように、本実施例19では入力され
るディジタルデータに対し、高速再生に用いられるイン
トラ符号化ブロックのディジタルデータを一旦可変長復
号し、復号されたディジタルデータを予め定められた方
法により2つのデータにデータ分離して、それぞれ予め
定められた符号量になるように量子化レベルを制御して
量子化及び可変長符号化を施し、予め定められたトラッ
ク位置に記録するように構成することにより、2倍速及
び4倍速再生共用の特殊再生用データ構成を行うことに
より、低速倍速数である2倍速再生時にはより高画質な
2倍速再生画像を得ることができ、4倍速再生時にも視
覚的に十分な画質の4倍速再生画像を得ることができ
る。
【0468】実施例20. 図90は本発明の実施例20におけるディジタル記録再
生装置の記録系の構成を示すブロック図である。図にお
いて、301は入力端子、302はイントラ検出回路、
303はデータ抜き取り回路、304は第4のEOB付
加回路、305は第13のデータ分離回路、306はヘ
ッダ抜き取り回路、307は第1のヘッダ生成回路、3
08はデータ並べ換え回路、309はフォーマット生成
回路、310は記録信号処理回路、311は記録信号出
力端子である。また、図91は図90におけるデータ並
べ換え回路308の構成を示すブロック図である。図に
おいて、312,313,314はデータの入力端子、
315は第11のメモリ、316は第12のメモリ、3
17はセレクタ、318はビットカウンタ、319は第
13のメモリ、320は第14のメモリ、321は第1
5のメモリ、322は第16のメモリ、323は第17
のメモリ、324は混合器、325は出力端子である。
【0469】なお、第20の実施例によるディジタル
録再生装置の1トラック内の映像エリアの構成図は前述
の図27に示すものである。図92は第20の実施例に
おけるメインエリアと複写エリアとの配置を示す図であ
る。ここでは、複写エリアは、シンクブロック番号18
から22までの5シンクブロック、62から66までの
5シンクブロック、105から109までの5シンクブ
ロックで、1トラック当たり、計15シンクブロックが
含まれるとする。
【0470】なお、以下の説明中で、ブロックは1フレ
ームの画像をm画素×nライン、例えば、8画素×8ラ
インに分割した時の1つの単位を表わし、マクロブロッ
クは前記ブロックを複数個まとめたものを表わすものと
する。
【0471】まず、本実施例20の記録時の動作につい
て説明する。MPEG2のビットストリームは、入力端
子301から入力され、通常再生用のデータとして、フ
ォーマット生成回路309に出力される。一方、入力端
子301からのビットストリームは、高速再生用のデー
タを生成するために、イントラ検出回路302とヘッダ
抜き取り回路306にも入力される。イントラ検出回路
302は、入力されたビットストリームのシンタックス
を解析して、イントラ符号化データを検出し、データ抜
き取り回路303に対して、イントラ符号化データの始
まりを知らせる。
【0472】データ抜き取り回路303は、イントラ検
出回路302で検出されたイントラ符号化データの先頭
からデータの抜き取りを開始し、抜き取った各ブロック
のデータ量が、所定の数のマクロブロックを制御単位と
して、この制御単位でデータ量が所定の値に収まるよう
に、以下に述べる方法で制御を行う。データ量制御され
た各ブロックのデータは、第4のEOB付加回路304
に出力される。上記では、入力されるビットストリーム
に含まれるイントラ符号化データをすべて使用したが、
イントラフレームもしくは、イントラフィールドに含ま
れるイントラ符号化データのみを使用するようにするこ
とで、イントラ符号化データの検出を容易にできる。
【0473】データ量制御の方法について図を用いて説
明する。図93は実施例20におけるデータ量制御を説
明するための図である。ここでは、1制御単位に含まれ
るブロック数をM個、目標とするデータ量をNビットと
する。図において、直線Aは各ブロックがk個のVLC
コードを含むとした場合に、各ブロックのコード長を1
番目のブロックから順に加算していったときのデータ量
を表わし、直線Bは各ブロックが(k+1)個のVLC
コードを含むとした場合に、各ブロックのコード長を1
番目のブロックから順に加算していったときのデータ量
を表わす。このとき、各ブロックがk個のVLCコード
を含む場合、1制御単位でのデータ量は、目標データ量
Nビットを下回り、(k+1)個のVLCコードを含む
場合、Nビットを上回る。そこで、m番目のブロックま
では、(k+1)個のVLCコードを、(m+1)番目
からM番目のブロックまでは、k個のVLCコードを含
むようにすると、M個のブロックのデータ量は、目標と
するデータ量Nビットに近づく。このように、各ブロッ
クが含むVLCコードの数を決めることによってデータ
量の制御を行う。なお、ここではデータ量制御の方法と
して、取り出すVLCコードの数を切り換える方法を示
したが、目標データ量Nを超えない制御法であれば、こ
の方法に限るものではない。
【0474】ヘッダ抜き取り回路306は、入力端子3
01から入力されるビットストリームのヘッダを解析し
て、高速再生用データの生成に用いるイントラ画像を復
号するために必要な情報を抜き取り、第1のヘッダ生成
回路308に出力する。第1のヘッダ生成回路308
は、ヘッダ抜き取り回路306から出力される情報か
ら、各マクロブロック毎に固定長のヘッダを新たに生成
し、データ並べ換え回路308に出力する。
【0475】第4のEOB付加回路304は、データ抜
き取り回路303から出力される各ブロック毎のデータ
の後ろにEOBコードを付加して第13のデータ分離回
路305に出力する。
【0476】次に、第13のデータ分離回路305の動
作について説明する。ここで1マクロブロックは輝度信
号Y4ブロック、色差信号Pb,Pr各1ブロックの6
ブロックから構成されるとし、上記マクロブロック10
個を5シンクブロックに記録するものとする。また、各
マクロブロック毎に付加されるヘッダは16ビットの固
定長をもつとする。トラックの構成が、図27に従うも
のとすると1シンクブロックのデータエリアは616ビ
ット(77バイト×8ビット)であるから、5シンクブ
ロックでは3080ビットとなる。さらに、各マクロブ
ロックのヘッダが16ビットで、10マクロブロック分
あるので、ヘッダを記録するために必要な領域は160
ビットとなるので、10マクロブロック(60ブロッ
ク)のデータは、各ブロック毎のEOBコードのコード
長を含めて、2920ビット以下になるようにあらかじ
め制限される。第13のデータ分離回路305は、第4
のEOB付加回路304から出力された1ブロック分の
データを先頭から32ビットと残りの部分とに分離す
る。もし、1ブロック分のデータが32ビット以下の場
合は、分離は行わない。分離されたデータは、それぞれ
データ並べ換え回路308に入力される。前半32ビッ
トが第11のメモリ315に、残りの部分が第12のメ
モリ316に出力される。
【0477】次に、データ並べ換え回路308の動作に
ついて、図91を用いて説明する。入力端子312から
は、第13のデータ分離回路305で分離されたデータ
のうち、前半32ビット、もしくは、分離が行われなか
ったブロックのデータすべてが入力され、入力されたデ
ータは、順次第11のメモリ315に記録される。入力
端子313からは、分離されたデータのうち、残りの部
分のデータが入力され、入力されたデータは、順次第1
2のメモリ316に記録される。イントラ符号化データ
の生成過程から、第11のメモリ315には、各ブロッ
クの低域周波数成分が、第12のメモリ316には、高
域周波数成分がそれぞれ記録される。また、入力端子3
14からは、第1のヘッダ生成回路307によって生成
されたヘッダ情報が入力される。
【0478】セレクタ317は入力端子314に入力さ
れたヘッダ情報と第11のメモリ315及び第12のメ
モリ316から出力されるデータとを入力側、第13の
メモリ319から第17のメモリ323までを出力側と
して、以下に示す手段で、入力するデータと出力するメ
モリとの切り替えを行う。ビットカウンタ318は、第
13のメモリ319から第17のメモリ323までに記
録したデータ量をカウントしている。まず、ビットカウ
ンタ318は、各メモリのデータ量を0にリセットす
る。そのあと、セレクタ317は入力端子314から1
番目のマクロブロックのヘッダを入力し、第13のメモ
リ319に出力する。次に、第11のメモリ315か
ら、1マクロブロック分のデータを入力し、第13のメ
モリ319に出力する。上記の処理を10マクロブロッ
ク分繰り返す。但し、各メモリに記録するデータ量は6
16ビット(1シンクブロック分)であるとし、616
ビットを超えた場合は、第13のメモリ319から第1
4のメモリ320、第14のメモリ320から第15の
メモリ321と順に出力されるメモリは切り替わってい
く。以上の処理により、第11のメモリ315に記録し
たデータをすべて出力し終えたら、次に、第12のメモ
リ316からデータを読み出し、順次第16のメモリ3
22に出力する。この場合も上記の場合と同様に第16
のメモリ322に記録されたデータ量が616ビットに
なったら、出力を第17のメモリ323に切り換える。
さらに、第17のメモリ323に記録されたデータ量が
616ビットになったら、ビットカウンタ318がカウ
ントした各メモリに記録したデータ量を調べ、データ量
が616ビット未満のメモリに、続くデータを出力して
いく。以上の処理により、10マクロブロック分のデー
タとヘッダはすべて5つのメモリのいずれかに記録され
る。
【0479】混合器324は、第13のメモリ319か
ら第17のメモリ323に記録されているデータを61
6ビットずつ読み出し、連結して、フォーマット生成回
路309に出力する。メモリからの読み出しは、第16
のメモリ322,第14のメモリ320,第13のメモ
リ319,第15のメモリ321,第17のメモリ32
3の順で行う。上記の順で読み出されたデータを2次元
的に図示すると、図94に示す複写エリアの構造図のよ
うになる。図94では、AとEのシンクブロックに第1
2のメモリ316からのデータ、つまり、各ブロックの
高域周波数成分が、B,C,Dのシンクブロックには、
第1のヘッダ生成回路307から出力されるヘッダ情報
と第11のメモリ315からのデータ、つまり、各ブロ
ックの低域周波数成分と第12のメモリ316からのデ
ータの一部分が記録される。
【0480】フォーマット生成回路309は、入力端子
301から入力されたMPEG2のビットストリーム
と、混合器324から出力される高速再生用データを入
力として、図92のようにシンクブロック単位でシンク
パターン,IDデータ,パリティを付加して1トラック
を構成し、記録信号処理回路310に出力する。IDデ
ータには、シンクブロック番号等の情報が記録されてお
り、再生時に使われる。記録信号処理回路310では、
ディジタル変調などの処理を行った後、記録信号出力端
子311からデータを出力する。記録信号出力端子31
1から出力されたデータは磁気テープに記録される。
【0481】次に、再生時の動作について説明する。図
95は実施例20におけるディジタル記録再生装置の再
生時を示すブロック図である。図において、326は再
生データ入力端子、327は再生信号処理回路、328
は第14のデータ分離回路、329は高速再生データ復
号回路、330は第2のヘッダ生成回路、331は第1
8のメモリ、332はビットストリーム形成回路、33
3は再生データ出力端子である。また、図96は図95
における高速再生データ復号回路329の構成を示すブ
ロック図である。ここで、334はセレクタ、335は
第19のメモリ、336は第20のメモリ、337はデ
ータ選択回路、338は第5のEOB付加回路、339
はブロックデータ出力端子、340はヘッダデータ出力
端子である。
【0482】再生時、磁気テープから読み出された再生
データは、再生データ入力端子326を通して、再生信
号処理回路327に入力される。再生信号処理装置32
7に入力されたデータは、ディジタル復調,誤り訂正復
号化等の処理が行われた後、第14のデータ分離回路3
28に出力される。また、再生信号処理回路327は、
後述する高速再生時に、誤り訂正とIDコードを検査す
ることにより、複写エリアを構成する5シンクブロック
がすべて正しく読み出せたかどうかを調べ、その結果を
高速再生データ復号回路329に送る。第14のデータ
分離回路328は、入力されたデータのIDコードに記
録されたシンクブロック番号を調べて、メインエリアの
シンクブロックと複写エリアのシンクブロックとに分離
する。
【0483】通常再生時、第14のデータ分離回路32
8は、分離したメインエリアの映像データを取り出し、
第18のメモリ331に出力する。第18のメモリ33
1は、第14のデータ分離回路328から出力されるデ
ータを記憶し、記録時と同じタイミングで読み出しを行
う。これにより、通常再生時は、記録時に入力されたビ
ットストリームと同じものが再生データ出力端子333
より出力される。
【0484】高速再生時は、第14のデータ分離回路3
28によって分離されたデータのうち、複写エリアの画
像データが高速再生データ復号回路329に入力され
る。高速再生データ復号回路329の動作を図96にお
いて説明する。セレクタ34は、再生信号処理回路27
から送られる信号によって、5シンクブロック全部が読
みだされていれば、B,C,DのデータをC,B,Dの
順で第19のメモリに、A,EのデータをA,Eの順で
20のメモリに出力するように出力の切り替えを行
う。もし、読み出しエラーによってAもしくはEのシン
クブロックが正しく読み出せなかった場合には、B,
C,DのデータをC,B,Dの順で第19のメモリ33
に記録する。
【0485】データ選択回路337は、後述する手順で
各メモリに記録されたデータを読み出し、選択して、ブ
ロックデータは第5のEOB付加回路338に、ヘッダ
データはヘッダデータ出力端子340に出力する。図9
7,図98は高速再生データ復号回路の動作を示すフロ
ーチャートであり、このフローチャートによって、デー
タ選択回路337の動作の手順を説明する。まず、マク
ロブロックの番号を示すnを1にする(S1)。n番目
のマクロブロックのヘッダとして、第19のメモリ33
5に記録されたデータを16ビット取り出し(S2)、
ヘッダデータ出力端子340に出力する(S3)。次
に、ブロックの番号を示すkを1にリセットし(S
4)、1ブロック分のデータを第19のメモリ335か
ら読み出す(S5)。この時、1ブロック分として読み
出すのは、最大32ビットで、それ以前にEOBコード
が検出された場合はEOBコードまでで読み出しを終え
る。上記の処理をkが6になるまで繰り返す(S6)。
kが6になったら、ステップS7に進み、nが10であ
れば、次のステップS10に進み、10でなければ、n
を1インクリメントして(S9)、ステップS2に戻
る。
【0486】S10では、まず、再生信号処理回路32
7から送られる信号によりA,Eのシンクブロックが正
しく読み出せているかどうかを調べる。正しく読み出せ
ていなければ、そこまでの処理で読み出した各ブロック
のデータを第5のEOB付加回路338に出力し(S1
1)、処理を終える。正しく読み出せていれば、次のス
テップS12に進む。ステップS12では、第19のメ
モリ335に記録されたデータ中にまだ読み出されてい
ないデータがあるかどうかを調べ、もしあれば、このデ
ータを第20のメモリ336に記録されたデータの最後
方の部分につなげる形で記録する(S13)。次に、ブ
ロックの番号を示すnを1にリセットする(S14)。
読み出した各ブロックのデータを1番目から順に、EO
Bコードが検出されているかどうか調べ(S15)、E
OBコードが含まれていない場合は、ステップS16に
進み、第19のメモリ335から続きのデータを読み出
し、ステップS17に進む。EOBコードが含まれてい
る場合には、そのままステップS17に進む。上記の処
理をkが60になるまで繰り返す(S17)。kが60
になったら、読み出した60ブロック分のデータを1ブ
ロックずつ第5のEOB付加回路338に出力して(S
19)、処理を終える。
【0487】第5のEOB付加回路338は入力された
各ブロックのデータを調べ、EOBコードが正しく付加
されている場合は、何もしないで入力されたデータをそ
のまま出力する。一方、EOBコードが正しく付加され
ていない場合は、一部分しか読み出されなかったVLC
コードを切り捨て、その後にEOBコードを付加して出
力する。
【0488】第2のヘッダ生成回路330では、ヘッダ
データ出力端子340から出力されるヘッダ情報を入力
して、MPEG2にあったフォーマットのヘッダを生成
し、出力する。ビットストリーム形成回路332では、
第5のEOB付加回路338から出力されるデータと、
第2のヘッダ生成回路330から出力されるヘッダとを
入力として、MPEG2のビットストリームを形成し、
第18のメモリ331に出力する。第18のメモリ33
1はビットストリーム形成回路332から出力されるビ
ットストリームを記録し、読み出すことにより高速再生
用のデータを出力する。
【0489】
【発明の効果】本発明の請求項1のディジタル記録再生
装置によれば、伝送されてくるデータからそのイントラ
成分を抽出し、そのイントラ成分を構成する映像ブロッ
ク(DCT:離散コサイン変換が行われる単位)のデー
タから高速再生時に使用するHPデータを構成し、その
HPデータを低域HPデータと高域HPデータとに分割
し、それぞれの低域HPデータ,高域HPデータを1ト
ラック上の別々のエリア(低域エリアと高域エリア)に
記録する。また同一の低域HPデータ,高域HPデータ
を規定倍速内の最大倍速で横切るトラック数分連続して
記録する。即ち、メインエリアのデータは異なるが、低
域エリア,高域エリアは規定倍速内の最大倍速で横切る
トラック数分同じデータが記録される。加えてそれぞれ
の複写エリアの全てのデータには複写間隔毎に異なるP
HASE信号を記録しておく。このようにHPデータを
分割することで、限られたエリアに従来に比して多くの
映像ブロック分のデータを記録することができる。
【0490】本発明の請求項2のディジタル記録再生装
によれば、規定倍速内の高速再生を行う場合には、P
HASE信号をチェックし、同一のPHASE信号をも
った低域エリア,高域エリアのデータからHPデータを
再構成して再生データとし、規定倍速を越える倍速で再
生を行った場合でも、低域エリアのみを再生すること
で、従来に比して大きな面積の画面を再生することがで
きる。
【0491】本発明の請求項3のディジタル記録再生装
によれば、規定倍速を越える倍速で再生を行った場合
でも、PHASE信号をチェックし、PHASE信号が
同一である場合のみ、そのPHASE信号が同一である
低域エリアと高域エリアを結合して再生データとするこ
とで、従来に比して大きな面積の画面を高画質で再生す
ることができる。
【0492】本発明の請求項4のディジタル記録再生装
によれば、MPEG2のシンタックスの解析をマクロ
ブロックの単位の解析まで行わず、フレーム単位で付加
されているピクチャヘッダまでの解析で行うことによっ
て、より簡易にすることができる。
【0493】本発明の請求項5のディジタル記録再生装
によれば、可変長符号化された入力ディジタルデータ
と、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、入
力ディジタルデータの一部を可変長復号し、その復号さ
れたデータを予め定められた値で除算し、除算されたデ
ータを可変長符号化して特殊再生用ディジタルデータを
生成するように構成するので、入力されたディジタルデ
ータの振幅を制限することによりデータ量を制限するこ
とができるため、高速再生時に画像の再構成に用いるH
Pデータをより高域側の係数までを用いて構成すること
ができ、より高画質な高速再生画像を得ることが可能と
なる。
【0494】本発明の請求項6のディジタル記録再生装
によれば、上記可変長復号されたディジタルデータに
さらに予め定められた値で除算を施されたディジタルデ
ータに対して、さらに可変長符号化を行う際、可変長符
号化を行うデータ単位内のディジタルデータを全て伝送
するように構成するので、入力されたディジタルデータ
の振幅を制限することによりデータ量を制限することが
できるため、高速再生時に画像の再構成に用いるHPデ
ータを可変長符号化を施すデータ単位内の全ての係数を
用いて構成することができ、より高画質な高速再生画像
を得ることができる。
【0495】本発明の請求項7のディジタル記録再生装
によれば、上記可変長復号されたディジタルデータに
さらに予め定められた値で除算を施されたディジタルデ
ータに対して、さらに可変長符号化を行う際、可変長符
号化を行うデータ単位内のディジタルデータを予め定め
られたデータ数分だけ伝送するように構成するので、入
力されたディジタルデータの振幅を制限することにより
データ量を制限することができるため、高速再生時に画
像の再構成に用いるHPデータを可変長符号化を施すデ
ータ単位内のより高域側の係数までを用いて構成するこ
とができ、より高画質な高速再生画像を得ることができ
る。
【0496】本発明の請求項8のディジタル記録再生装
によれば、上記可変長復号されたディジタルデータに
さらに予め定められた値で除算を施されたディジタルデ
ータに対して、さらに可変長符号化を行う際、可変長符
号化を行うデータ単位に、予め定められた符号量に達す
るまで、可変長符号化を行うように構成するので、入力
されたディジタルデータの振幅を制限することによりデ
ータ量を制限することができるため、高速再生時に画像
の再構成に用いるHPデータを可変長符号化を施すデー
タ単位内のより高域側の係数までを用いて構成すること
ができ、より高画質な高速再生画像を得ることができ
る。
【0497】本発明の請求項9のディジタル記録再生装
によれば、可変長符号化された入力ディジタルデータ
と、特殊再生用のディジタルデータを記録する際、入力
ディジタルデータの一部の可変長符号化データを予め定
められた異なる量子化ステップの可変長符号化データに
変換する変換テーブルを有し、変換した可変長符号化デ
ータを特殊再生用のディジタルデータとして用いるよう
に構成するので、より簡単な回路構成でデータ量を制限
することができ、高速再生時に画像の再構成に用いるH
Pデータをより高域側の係数までを用いて構成すること
ができ、より高画質な高速再生画像を得ることができ
る。
【0498】本発明の請求項10のディジタル記録再生
装置によれば、入力ディジタルデータの一部の可変長符
号化データを予め定められた異なる量子化ステップの可
変長符号に変換する際、入力されるディジタルデータを
シリアルデータからパラレルデータに変換し、変換され
たパラレルデータをさらに変換テーブルにより予め定め
られたパラレルデータに変換し、上記変換テーブルによ
り変換されたパラレルデータをシリアルデータに変換す
るように構成するので、より簡単な回路構成でデータ量
を制限することができ、高速再生時に画像の再構成に用
いるHPデータをより高域側の係数までを用いて構成す
ることができ、より高画質な高速再生画像を得ることが
できる。
【0499】本発明の請求項11のディジタル記録再生
装置によれば、ディジタル映像信号とディジタル音声信
号とを斜めトラックのそれぞれ決められたエリアに記録
するようなトラックフォーマットを有するディジタル
録再生装置において、フレームまたはフィールド内、も
しくは、フレームまたはフィールド間符号化されたディ
ジタル映像信号と、ディジタル音声信号とがビットスト
リームにて入力され、該ビットストリームからフレーム
またはフィールド内符号化データを取り出し、取り出し
たフィールドまたはフレーム内符号化ディジタルデータ
を予め定められた規則に従い2つ以上のデータに分割
し、その分割されたデータを上記トラック上の予め定め
られた特殊再生用データ記録エリアに交互に所定数繰り
返し記録するように構成するので、予め定められた、上
記複写エリアに特殊再生用データを記録する際、上記分
割されたデータを交互に記録するので上記複写エリアに
記録できるデータ量を増やすことができ特にスチル再
生,スロー再生及び低速の高速再生(例えば2倍、ある
いは3倍速再生)時の再生画質を向上することができる
効果がある。
【0500】本発明の請求項12のディジタル記録再生
装置によれば、入力ディジタルデータDを該n個(nは
2以上の整数)の出力コードX0,X1,・・・,Xn
ー1に分割する際、データ分割則が以下の規則に従うよ
うに構成するので、効率的にデータを分割することがで
き、また特にスチル再生、スロー再生、及び低速の高速
再生(例えば2倍、あるいは3倍速再生)時の再生画質
を向上することができる効果がある。n個の出力コード
X0,X1,・・・,Xn−1と入力ディジタルデータ
Dとの関係が、D=K0×X0+K1×X1+・・・+
Kn−1×Xn−1(K0,K1,・・・,Kn−1は
実数)と表され、X0,X1,・・・,Xn−1から一
意的に入力ディジタルデータDが求められるように入力
ディジタルデータDから出力コードX0,X1,・・
・,Xn−1を変換する規則。
【0501】本発明の請求項13のディジタル記録再生
装置によれば、入力ディジタルデータDと2つの出力コ
ードX0及びX1に分割する際、入力ディジタルデータ
Dと出力コードX0及びX1の関係がD=2×X0+X
1またはD=3×X0+X1となるように構成するの
で、効率よく入力されたデータを2分割することがで
き、スチル再生,スロー再生及び低速の高速再生(例え
ば2倍または3倍速再生)時の再生画質を向上すること
ができる効果がある。
【0502】本発明の請求項14のディジタル記録再生
装置によれば、互いに異なるアジマス角を有する回転ヘ
ッドを用いて磁気テープ上にアジマス記録を行うディジ
タル記録再生装置において、2分割されたX0及びX1
のデータを互いに異なるアジマス角を有する回転ヘッド
で特殊再生用データ記録エリアへ記録するように構成す
るので、新たに分割情報を付加することなく、回転ヘッ
ドのアジマス角によりX0データとX1データを識別で
きるので、データ識別情報を付加する、あるいはデータ
識別情報を検出する新たな回路を付加することが必要な
いので回路規模の削減を図れる効果がある。
【0503】本発明の請求項15のディジタル記録再生
装置によれば、高速再生,スチル,スロー再生等の特殊
再生においては2以上に分割されたn個のデータのうち
再生されたすべてのデータを用いて映像データ合成する
ように構成するので、再生データを効率的に活用でき、
特殊再生中分割されたデータの1部が再生されないよう
な場合でも異なる分割データを用いてほぼもとのデータ
が復元できるので、良好な特殊再生画像を合成すること
ができる効果がある。
【0504】本発明の請求項16のディジタル記録再生
装置によれば、2分割されたX0及びX1データを同一
記録トラック内の異なる位置に設けられている特殊再生
用データ記録エリアに記録するように構成するので、再
生時に再生されるID情報中のシンクブロックナンバー
により簡単に分割されたX0データとX1データとを識
別できるので、分割データの識別情報を付加する、また
は、識別情報を検出する新たな回路を付加することが必
要ないので、回路規模の削減を図れる効果がある。
【0505】本発明の請求項17のディジタル記録再生
装置によれば、N分割(Nは整数)されたデータをN箇
所の特殊再生データ記録エリアにそれぞれ1個づつ記録
するように構成するので、最も効果的にデータを分割す
ることができ良好な特殊再生画像を合成することができ
る効果がある。
【0506】本発明の請求項18のディジタル記録再生
装置によれば、分離されたフィールドまたはフレーム内
符号化ディジタルデータより画像データを構成する最重
要データを分離する最重要データ分離手段を有し、デー
タ分割方法が最重要データと他のデータ(重要データ)
とで異なるように構成するので、各々データの特性に見
合った分割ができるので限られた記録容量を効果的に活
用することができ、良好な特殊再生画像を合成すること
ができる効果がある。
【0507】本発明の請求項19のディジタル記録再生
装置によれば、分割された最重要データを各記録トラッ
クの同一の高さにある特殊再生用データ記録エリアに記
録するように構成するので、トラックの直線性が異なる
互換再生時においても良好な特殊再生画像を得ることが
できる効果がある。
【0508】本発明の請求項20のディジタル記録再生
装置によれば、トラック中に記録されている最重要デー
タが記録されているエリアを検出する最重要データ記録
エリア検出手段を有し、特殊再生時に最重要データ記録
エリア検出手段の出力が最大になるように回転ヘッドの
トラッキングを制御するように構成するので、トラック
の直線性が異なる互換再生においても、最重要データを
確実に再生できるので良好な特殊再生画像を得ることが
できる効果がある。
【0509】本発明の請求項21のディジタル記録再生
装置によれば、2分割された重要データX0及びX1を
同一記録トラック内の異なる位置に設けられた特殊再生
用データ記録エリアに配置するように構成するので、X
0コードとX1コードとを識別するためのコード情報を
付加する、または、付加されたコード情報を識別する新
たな回路を付加することが必要ないので回路規模の削減
を図れる効果がある。
【0510】本発明の請求項22のディジタル記録再生
装置によれば、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータを記録する際、入
力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号された
データを予め定められた方法に従い演算を行い、2つの
メインコードとY1及びY2とサブコードZとに分離
し、分離されたデータY1,Y2及びZをそれぞれ可変
長符号化し、メインコードY1とサブコードZ、及び、
メインコードY2とサブコードZの2つのデータの組を
合成し、それぞれ異なるアジマス角度を有するヘッドに
より分けて記録するようにデータ合成を行い、特殊再生
用のディジタルデータを生成するように構成するので、
一方のメインコードのみでも本来のディジタルデータを
ほぼ復元することができ、またすべてのデータが復元で
きる時は同一のデータを2カ所に記録する場合に比較し
て、HPデータとしてイントラ符号化ブロックのより高
域側の係数まで用いることが可能となるため高画質な高
速再生画像を得ることができる。
【0511】本発明の請求項23のディジタル記録再生
装置によれば、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータを記録する際、入
力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号された
データを予め定められた方法に従い演算を行い、2つの
メインコードとサブコードと分離するように構成する。
具体的には、可変長復号されたディジタルデータXをX
=2n-1 ×(Y1+Y2)+Zの方法で計算されるメイ
ンコードY1,Y2及びサブコードZに分離する。但
し、Y1,Y2及びZは以下の方法に従い算出される値
を使用する。 Y1=INT(X/2n ) Y2=INT(X/2n-1 )−INT(X/2n ) Z =X mod 2n-1 但し、INT(A/B):AをBで割った時の商 A mod B :AをBで割った時の余り さらに以上のように分離されたデータY1,Y2及びZ
をそれぞれ可変長符号化し、メインコードY1とサブコ
ードZ、及び、メインコードY2とサブコードZの2つ
のデータの組を合成し、それぞれ異なるアジマス角度を
有するヘッドにより分けて記録するようにデータ合成を
行い、特殊再生用のディジタルデータを生成するように
構成するので、一方のメインコードのみでも本来のディ
ジタルデータをほぼ復元することができ、またすべての
データが復元できる時は同一のデータを2カ所に記録す
る場合に比較して、HPデータとしてイントラ符号化ブ
ロックのより高域側の係数まで用いることが可能となる
ため高画質な高速再生画像を得ることができる。
【0512】本発明の請求項24のディジタル記録再生
装置によれば、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータを記録する際、入
力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号された
DCTブロックデータをDC係数とAC係数とに分離
し、AC係数に対して、予め定められた方法に従い演算
を行い、2つのメインコードとサブコードとに分離する
ように構成する。具体的には、可変長復号されたディジ
タルデータXをX=2n ×Y1(またはY2)+Zの方
法で計算されるメインコードY1及びY2(値は同
一)、及びサブコードZに分離する。但し、Y1(また
はY2)及びZは以下の方法に従い算出される値を使用
する。 Y1(またはY2)=INT(X/2n ) Z =X mod 2n 但し、INT(A/B):AをBで割った時の商 A mod B :AをBで割った時の余り さらに以上のように分離されたデータY1,Y2及びZ
をそれぞれ可変長符号化し、メインコードY1とサブコ
ードZ、及び、メインコードY2とサブコードZの2つ
のデータの組を合成し、それぞれ異なるアジマス角度を
有するヘッドにより分けて記録するようにデータ成を行
い、特殊再生用のディジタルデータを生成するように構
成するので、一方のメインコードのみでも本来のディジ
タルデータをほぼ復元することができ、またすべてのデ
ータが復元できる時は同一のデータを2カ所に記録する
場合に比較して、HPデータとしてイントラ符号化ブロ
ックのより高域側の係数まで用いることが可能となるた
め高画質な高速再生画像を得ることができる。
【0513】本発明の請求項25のディジタル記録再生
装置によれば、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、
入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号され
たDCTブロックデータをDC係数とAC係数とに分離
し、AC係数を予め定められた方法に従い演算し、2つ
のデータx及びyに分離し、分離されたデータx及びy
をそれぞれ可変長符号化し、DCとACとのxデータ、
及び、DCとACとのyデータの2つのデータの組を合
成して、それぞれ異なるアジマス角度を有するヘッドに
より分けて記録するようにデータ合成を行い、特殊再生
用のディジタルデータを生成するように構成するので、
一方のメインコードのみでもディジタルデータを復元す
ることができ、またすべてのデータが復元できる時は同
一のデータを2カ所に記録する場合に比較して、HPデ
ータとしてイントラ符号化ブロックのより高域側の係数
まで用いることが可能となるため高画質な高速再生画像
を得ることができる。
【0514】本発明の請求項26のディジタル記録再生
装置によれば、請求項22または請求項26におけるデ
ータ合成時に、2つのデータの組をそれぞれ異なるアジ
マス角度を有するヘッドにより記録するようにデータ合
成するように構成するので、再生時に、特別な回路を設
けることなく、再生信号から得られる異なるアジマス情
報により分離されたデータを判別することができる。
【0515】本発明の請求項27のディジタル記録再生
装置によれば、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータを記録する際、入
力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号された
DCTブロックデータをDC係数とAC係数とに分離
し、AC係数を予め定められた方法に従い演算し、メイ
ンコードXと2つのサブコードYR及びYVとに分離
し、分離されたデータX,YR及びYVをそれぞれ可変
長符号化し、メインコードXとサブコードYR、及び、
メインコードXとサブコードYVの2つのデータの組を
合成して、それぞれ異なるアジマス角度を有するヘッド
により分けて記録するようにデータ合成を行い、特殊再
生用のディジタルデータを生成するように構成するの
で、上記2つのデータの組のうち一方しか再生されない
場合でも、メインコードのみでもディジタルデータを復
元することができ、また上記2つのデータの組の両方が
再生されすべてのデータが復元できる時は同一のデータ
を2カ所に記録する場合に比較して、HPデータとして
イントラ符号化ブロックのより高域側の係数まで用いる
ことが可能となるため高画質な高速再生画像を得ること
ができる。
【0516】本発明の請求項28のディジタル記録再生
装置によれば、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、
入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号され
たDCTブロックデータをDC係数とAC係数とに分離
し、AC係数zに対して、 z=0の時、 Xはデータ伝送せず Y=0 z>0の時、 X=[z/a+0.49*] Y=z−a×X z<0の時、 X=[z/a−0.49*] Y=z−a×X (但し、aは予め定められた2以上の整数、記号[t]
は実数tの整数部分、0.49*は小数点第2位以下9
の循環小数)によりデータzをデータX及びデータYに
分離し、分離されたデータYを一次元的にスキャンして
1をランとするランレングス符号化を行い1ランレング
スデータと係数データとに分離し、1ランレングスデー
タをYR,係数データをYVとして算出し、分離された
X,YR及びYVをそれぞれ可変長符号化し、メインコ
ードXとサブコードYR、及び、メインコードXとサブ
コードYVの2つのデータの組を合成して、それぞれ異
なるアジマス角度を有するヘッドにより分けて記録する
ようにデータ合成を行い、特殊再生用のディジタルデー
タを生成するように構成するので、上記2つデータの組
の両方が再生されすべてのデータが復元できる時は同一
のデータを2カ所に記録する場合に比較して、HPデー
タとしてイントラ符号化ブロックのより高域側の係数ま
で用いることが可能となるため高画質な高速再生画像を
得ることができる。また、係数z=0のときX=0とし
てデータ伝送すれば、上記2つデータの組のうち一方し
か再生されない場合でも、メインコードからディジタル
データをほぼ復元することが可能である。
【0517】本発明の請求項29のディジタル記録再生
装置によれば、可変長符号化された入力ディジタルデー
タと、特殊再生用のディジタルデータとを記録する際、
入力ディジタルデータの一部を可変長復号し、復号され
たDCTブロックデータをDC係数とAC係数とに分離
し、AC係数zに対して、 z=0の時、 X=0 Yは伝送せず z>0の時、 X=[(z−1)/a]+1 Y=z−a×X z<0の時、 X=[(z+1)/a]−1 Y=z−a×X (但し、aは予め定められた2以上の整数、記号[t]
は実数tの整数部分、0.49*は小数点第2位以下9
の循環小数)によりデータzをデータX及びデータYに
分離し、分離されたデータYを一次元的にスキャンして
1をランとするランレングス符号化を行い1ランレング
スデータと係数データとに分離し、1ランレングスデー
タをYR、係数データをYVとして算出し、分離された
X,YR及びYVをそれぞれ可変長符号化し、メインコ
ードXとサブコードYR、及び、メインコードXとサブ
コードYVの2つのデータの組を合成して、それぞれ異
なるアジマス角度を有するヘッドにより分けて記録する
ようにデータ合成を行い、特殊再生用のディジタルデー
タを生成するように構成するので、上記2つデータの組
の両方が再生されすべてのデータが復元できる時は同一
のデータを2カ所に記録する場合に比較して、HPデー
タとしてイントラ符号化ブロックのより高域側の係数ま
で用いることが可能となるため高画質な高速再生画像を
得ることができる。また、上記2つデータの組のうち一
方しか再生されない場合でも、メインコードからディジ
タルデータをほぼ復元することが可能である。
【0518】本発明の請求項30のディジタル記録再生
装置によれば、入力されたフレームまたはフィールド
内、もしくはフレームまたはフィールド間符号化された
ディジタル映像信号とディジタル音声信号とのビットス
トリームから、フレームまたはフィールド内符号化デー
タを分離し、分離されたフレームまたはフィールド内符
号化データから特殊再生用ディジタルデータを生成し、
トラック上の予め定められた複数のエリアに重複して記
録する際、上記入力されたフレームまたはフィールド内
符号化データを可変長復号し、復号されたデータを予め
定められた方法に従い演算し、2つのデータx及びyに
分離し、分離された2つのデータx及びデータyをそれ
ぞれ量子化し、量子化されたデータQx及びデータQy
をそれぞれ可変長符号化し、可変長符号化されたデータ
xL及びデータyLをそれぞれ特殊再生用ディジタルデ
ータとして上記特殊再生ディジタルデータを記録する複
数のエリアの予め定められたエリアに重複することなく
記録するようにデータ生成するように構成するので、低
速倍速数では分離されたデータx及びデータyの両方の
データが再生され高画質な再生画像を得ることができ、
また、高速倍速数においても分離されたデータxまたは
データyの何れか一方のみから本来のディジタルデータ
をほぼ復元することができ、高速再生画像として十分な
画質の再生画像を得ることができる。
【0519】本発明の請求項31のディジタル記録再生
装置によれば、入力されたフレームまたはフィールド
内、もしくはフレームまたはフィールド間符号化された
ディジタル映像信号とディジタル音声信号とのビットス
トリームから、フレームまたはフィールド内符号化デー
タを分離し、分離されたフレームまたはフィールド内符
号化データから特殊再生用ディジタルデータを生成し、
トラック上の予め定められた複数のエリアに重複して記
録する際、上記入力されたフレームまたはフィールド内
符号化データを可変長復号し、復号されたデータを予め
定められた方法に従い演算し、2つのデータにデータ分
離するように構成する。具体的には、可変長復号された
ディジタルデータzをz=x+yの方法で計算されるデ
ータx及びデータyに分離する。但し、x、及びyは以
下の方法に従い算出される値を使用する。z≧0の時、 x = (INT)(z/2) y = z−x z<0の時、 x = (INT)((z−1)/2) y = z−x なお、(INT)(A/B)はAをBで割った時の商を
示す。さらに以上のように分離された2つのデータx及
びデータyをそれぞれ量子化し、量子化されたデータQ
x及びデータQyをそれぞれ可変長符号化し、可変長符
号化されたデータxL及びデータyLをそれぞれ特殊再
生用ディジタルデータとして上記特殊再生ディジタルデ
ータを記録する複数のエリアの予め定められたエリアに
重複することなく記録するようにデータ生成するように
構成するので、低速倍速数では分離されたデータx及び
データyの両方のデータが再生され高画質な再生画像を
得ることができ、また、高速倍速数においても分離され
たデータxまたはデータyの何れか一方のみから本来の
ディジタルデータをほぼ復元することができ、高速再生
画像として十分な画質の再生画像を得ることができる。
【0520】本発明の請求項32のディジタル記録再生
装置によれば、データ分離された2つのデータx及びy
を2倍速及び4倍速で共用する特殊再生用ディジタルデ
ータとして生成し、該2つのデータx及びyを量子化し
て可変長符号化したデータxL及びyLの符号量がほぼ
等しくなるように、量子化レベルを設定し、2倍速再生
時にはxL及びyLの両方のデータから再生画像を構成
し、4倍速再生時にはxLまたはyLの何れか一方のデ
ータのみから再生画像を構成するので、低速倍速数では
分離されたデータx及びデータyの両方のデータが再生
され高画質な再生画像を得ることができ、また、高速倍
速数においても分離されたデータxまたはデータyの何
れか一方のみから本来のディジタルデータをほぼ復元す
ることができ、高速再生画像として十分な画質の再生画
像を得ることができる。
【0521】本発明の請求項33のディジタル記録再生
装置によれば、高速再生用データを分離、再構成するこ
とにより、1ブロックのデータを複写エリアの異なった
部分に優先度をつけて配することができ、高速再生時に
読み出しエラーが生じた場合でも、その影響が1ブロッ
クのデータ全てに及ばないような、記録フォーマットを
構成することができる。
【0522】本発明の請求項34のディジタル記録再生
装置によれば、各ブロックの低域周波数成分を含む部分
をまとめて複写エリアの中心部のシンクブロックに配
し、高域周波数成分を含む部分をまとめて複写エリアの
周辺部のシンクブロックに配するように再構成を行うの
で、高速再生時に読み出しエラーが生じた場合でも、そ
の影響が1ブロックのデータ全てに及ばないような、記
録フォーマットを構成することができる。
【0523】本発明の請求項35のディジタル記録再生
装置によれば、低域周波数成分の抽出対象のイントラ符
号化データを、イントラ符号化フレームまたはイントラ
符号化フィールドに属するイントラデータとするので、
高速再生用データのもとになるイントラデータの入力ビ
ットストリームからの識別を簡略に行うことができる。
【0524】本発明の請求項36のディジタル記録再生
装置によれば、記録媒体から読み出されたデータからメ
インエリアに記録されたビットストリームと複写エリア
に記録された高速再生用データとを分離し、通常再生時
は、ビットストリームを再生信号としてデコーダに出力
し、高速再生時は、高速再生用データから再生ビットス
トリームを形成し、再生信号としてデコーダに出力する
ことにより再生を行うので、高速再生時に読み出しエラ
ーが生じた場合でも、その影響が1ブロックのデータ全
てに影響を及ぼすことがなく、良好な高速再生を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1,第2,第3の実施例の構成を
示す図である。
【図2】 第1,第2,第3の実施例において記録する
1トラック内のエリアの構成を示す図である。
【図3】 第1,第2,第3の実施例において記録する
トラックを構成するシンクブロックの構成図である。
【図4】 第1,第2,第3の実施例において規定倍速
内の高速再生を行った場合のヘッドのスキャンを示す図
である。
【図5】 第1,第2,第3の実施例において規定倍速
を越える高速再生を行った場合のヘッドのスキャンを示
す図である。
【図6】 実施例1で再生を行う時の様子の1例を示す
図である。
【図7】 実施例2で再生を行う時の様子の1例を示す
図である。
【図8】 第1,第2,第3の実施例において1トラッ
ク当りに記録されるHPデータの構成を示す図である。
【図9】 本発明の第4の実施例によるディジタル記録
再生装置の高速再生が可能なビットストリーム記録装置
の構成を示すブロック図である。
【図10】 第4の実施例における第1の再符号化回路
の構成を示すブロック図である。
【図11】 第4の実施例によるディジタル記録再生装
のビットストリーム記録装置を採用した場合の高速再
生画質を示すための図である。
【図12】 本発明の第5の実施例によるディジタル
録再生装置の高速再生が可能なビットストリーム記録装
置の構成を示すブロック図である。
【図13】 第5の実施例における第2の再符号化回路
の構成を示すブロック図である。
【図14】 第5の実施例における第2の再符号化回路
の動作を説明するための図である。
【図15】 本発明の第6の実施例によるディジタル
録再生装置の高速再生が可能なビットストリーム記録装
置の構成を示すブロック図である。
【図16】 第6の実施例における第3の再符号化回路
の構成を示すブロック図である。
【図17】 本発明の第7の実施例によるディジタル
録再生装置の高速再生が可能なビットストリーム記録装
置の構成を示すブロック図である。
【図18】 第7の実施例における第4の再符号化回路
の構成を示すブロック図である。
【図19】 第7の実施例における第4の再符号化回路
において用いるVLCコード表の一例を示す図である。
【図20】 第7の実施例における第4の再符号化回路
の動作を説明するための図である。
【図21】 本発明の第8の実施例におけるディジタル
記録再生装置の記録系のブロック構成図である。
【図22】 図21における第2のデータ分割回路のブ
ロック構成図である。
【図23】 図22における第1のROMテーブル及び
第2のROMテーブルのテーブル内容を示す図である。
【図24】 第8の実施例におけるデータパケット図で
ある。
【図25】 データ分割方式の動作を説明するための動
作説明図である。
【図26】 第8の実施例におけるディジタル記録再生
装置のトラックフォーマットを示す図である。
【図27】 SD規格における映像信号の1トラック内
のデータフォーマットを示す図である。
【図28】 第8の実施例におけるディジタル記録再生
装置の再生系のブロック構成図である。
【図29】 図28における第11のデータ合成回路の
ブロック構成図である。
【図30】 第8の実施例におけるディジタル記録再生
装置で5倍速再生及び17倍速再生を行った際の回転ヘ
ッドの走査軌跡図である。
【図31】 本発明の第9の実施例における第2のデー
タ分割回路中の第1のROMテーブル及び第2のROM
テーブルのテーブル内容を示す図である。
【図32】 第9の実施例における第11のデータ合成
回路のブロック構成図である。
【図33】 本発明の第10の実施例における第2のデ
ータ分割回路のブロック構成図である。
【図34】 本発明の第11の実施例におけるディジタ
記録再生装置の磁気テープ上での記録フォーマットを
示す図である。
【図35】 第11の実施例におけるディジタル記録再
生装置で11倍速再生を行った際の回転ヘッドの走査軌
跡図である。
【図36】 本発明の第12の実施例におけるディジタ
記録再生装置の磁気テープ上での記録フォーマットを
示す図である。
【図37】 本発明の第13の実施例における第2のデ
ータ分割回路のブロック構成図である。
【図38】 第13の実施例におけるディジタル記録再
生装置のトラックフォーマットを示す図である。
【図39】 第13の実施例におけるディジタル記録再
生装置の再生系のブロック構成図である。
【図40】 本発明の第14の実施例によるディジタル
記録再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。
【図41】 図40における第1のデータ分離符号化回
路の構成を示すブロック図である。
【図42】 図41における第2のデータ分離回路の構
成を示すブロック図である。
【図43】 第14の実施例によるディジタル記録再生
装置の再生系の構成を示すブロック構成図である。
【図44】 図43における第12のデータ合成回路の
構成を示すブロック図である。
【図45】 図44における第1のデータ復元回路の構
成を示すブロック図である。
【図46】 第14の実施例のディジタル記録再生装置
の磁気テープ上での記録フォーマットの一例を示す図で
ある。
【図47】 図46の記録トラックにおける5倍速再生
時のヘッドトレース図である。
【図48】 図46の記録トラックにおける、9倍速再
生時のヘッドトレース図である。
【図49】 図46の記録トラックにおける、17倍速
再生時のヘッドトレース図である。
【図50】 本発明の第15の実施例によるディジタル
記録再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。
【図51】 図50における第2のデータ分離符号化回
路の構成を示すブロック図である。
【図52】 図51における第3のデータ分離回路の構
成を示すブロック図である。
【図53】 第15の実施例によるディジタル記録再生
装置の再生系の構成を示すブロック図である。
【図54】 図53における第13のデータ合成回路の
構成を示すブロック図である。
【図55】 図54における第2のデータ復元回路の構
成を示すブロック図である。
【図56】 本発明の第16の実施例によるディジタル
記録再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。
【図57】 図56における第3のデータ分離符号化回
路の構成を示すブロック図である。
【図58】 図57における第4のデータ分離回路の構
成を示すブロック図である。
【図59】 第16の実施例によるディジタル記録再生
装置の再生系の構成を示すブロック図である。
【図60】 図59における第14のデータ合成回路の
構成を示すブロック図である。
【図61】 図57における第4のデータ分離回路にお
けるデータ分離及び変換の具体例を示すテーブル図であ
る。
【図62】 図57における第4のデータ分離回路にお
けるデータ分離及び変換の動作の具体例を示す図であ
る。
【図63】 図57における第5のデータ分離回路にお
けるデータ分離の動作を説明するための図である。
【図64】 図57における第5のデータ分離回路にお
けるデータ分離の動作を説明するための図である。
【図65】 図56における第3のデータ分離符号化回
路における動作のフローを示す図である。
【図66】 図56における第3のデータ合成回路にお
けるデータ合成方法を示す図である。
【図67】 本発明の第17の実施例によるディジタル
記録再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。
【図68】 図67における第4のデータ分離符号化回
路の構成を示すブロック図である。
【図69】 図68における第9のデータ分離回路の構
成を示すブロック図である。
【図70】 第9のデータ分離回路におけるデータ分離
及び変換の動作の具体例を示す図である。
【図71】 第9のデータ分離回路におけるデータ分離
及び変換の具体例を示すテーブル図である。
【図72】 本発明の第18の実施例によるディジタル
記録再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。
【図73】 図72における第5のデータ分離符号化回
路の構成を示すブロック図である。
【図74】 第18の実施例によるディジタル記録再生
装置の再生系の構成を示すブロック図である。
【図75】 図74における第15のデータ合成回路の
構成を示すブロック図である。
【図76】 第15のデータ合成回路におけるデータ合
成方法を示す図である。
【図77】 本発明の第19の実施例によるディジタル
記録再生装置の記録系の構成を示すブロック図である。
【図78】 図77における第6のデータ分離符号化回
路の構成を示すブロック図である。
【図79】 第19の実施例のSD規格における映像信
号の1トラック内のデータフォーマット図である。
【図80】 第19の実施例におけるトラックフォーマ
ット図である。
【図81】 第19の実施例におけるドラム上の回転ヘ
ッドの配置を示す図である。
【図82】 第19の実施例によるディジタル記録再生
装置の再生系の構成を示すブロック構成図である。
【図83】 図82における第16のデータ合成回路の
構成を示すブロック図である。
【図84】 第19の実施例におけるデータ分離を示す
データマップ図である。
【図85】 第19の実施例におけるデータ復元を説明
するための図である。
【図86】 図80に示すトラックフォーマットにおい
て2倍速再生及び4倍速再生を行った場合の複写エリア
とヘッド走査軌跡との関係を示す図である。
【図87】 第19の実施例における記録方法を示すト
ラックフォーマット図である。
【図88】 第19の実施例であるディジタル記録再生
装置において図87の記録トラック(フォーマット)に
おける2倍速再生時のヘッドトレースを示す図である。
【図89】 第19の実施例であるディジタル記録再生
装置において図87の記録トラック(フォーマット)に
おける4倍速再生時のヘッドトレースを示す図である。
【図90】 本発明の第20の実施例におけるディジタ
記録再生装置の記録系の構成を示すブロック図であ
る。
【図91】 図90におけるデータ並べ換え回路の構成
を示すブロック図である。
【図92】 第20の実施例におけるメインエリアと複
写エリアとの配置を示す図である。
【図93】 第20の実施例におけるデータ量制御を説
明するための図である。
【図94】 第20の実施例における複写エリアの構造
図である。
【図95】 第20の実施例におけるディジタル記録再
生装置の再生系のブロックを示すブロック図である。
【図96】 図95における高速再生データ復号回路の
構成を示すブロック図である。
【図97】 高速再生データ復号回路の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図98】 高速再生データ復号回路の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図99】 従来の一般的な家庭用ディジタル記録再生
装置のトラック図である。
【図100】 従来のディジタル記録再生装置の通常再
生時と高速再生時とにおけるヘッドトレース図である。
【図101】 従来のディジタル記録再生装置における
ビットストリーム記録装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図102】 従来のディジタル記録再生装置の再生時
の概念図である。
【図103】 従来のディジタル記録再生装置の高速再
生時のヘッドトレースの例を示す図である。
【図104】 従来のディジタル記録再生装置の高速再
生時のヘッドのトラック上のスキャン領域の例を示す図
である。
【図105】 従来のディジタル記録再生装置における
異なるテープ速度のヘッドトレースの例を示す図であ
る。
【図106】 従来のディジタル記録再生装置における
5倍速時のヘッドトレースの例を示す図である。
【図107】 従来のディジタル記録再生装置における
トラックの配置図である。
【図108】 HPデータにより再構成された高速再生
画像を評価するための図である。
【図109】 DCTブロックの構成を示す図である。
【図110】 図108を説明するための図である。
【図111】 従来のHPデータの記録方法を説明する
ための図である。
【図112】 5倍速再生時のヘッド走査軌跡を示す図
である。
【図113】 9倍速再生時のヘッド走査軌跡を示す図
である。
【図114】 17倍速再生時のヘッド走査軌跡を示す
図である。
【符号の説明】
5 第1のデータ分割回路、6 第1のEOB付加回
路、7 低域データ構成回路、8 第2のEOB付加回
路、9 高域データ構成回路、10 フォーマット回
路、38 第2の再符号化回路、40 第2の可変長復
号器、41 除算回路、42 第2の可変長符号器、
3 可変長符号器制御回路、45 第3の再符号化回
路、46 第3の可変長符号器、47 符号量制御回
路、48 第4の再符号化回路、49 第1のデータ変
換回路、51 マッピング制御回路、52 第2のデー
タ変換回路、50 マッピング回路、54 第1の再符
号化回路、56 第1の可変長符号器、61 パケット
検出回路、62 第1のメモリ、63 イントラ検出回
路、64 第2のデータ分割回路、65 第2のメモ
リ、66 第1のデータ合成回路、69 回転ドラム、
70a,70b 回転ヘッド、73 第1のROMテー
ブル、74 第2のROMテーブル、84 第11のデ
ータ合成回路、91 X・Yデータ分離回路、102
第1のデータ合成制御回路、114 DC検出回路、1
20 トラッキング制御回路、121 テープ走行制御
回路、122 キャプスタンモータドライバ、123
キャプスタンモータ、124 ドラム回転制御回路、1
29 第1のデータ分離符号化回路、128 第2のデ
ータ合成回路、131 第6の可変長復号器、132
第2のデータ分離回路、133 第9の可変長符号器、
134 第10の可変長符号器、135 第11の可変
長符号器、160 第2のデータ分離符号化回路、16
1 第3のデータ分離回路、189 第3のデータ分離
符号化回路、200 第4のデータ分離回路、201
第5のデータ分離回路、202 第6のデータ分離回
路、203 第7のデータ分離回路、204 第8のデ
ータ分離回路、205 第12の可変長符号器、206
第13の可変長符号器、207 第14の可変長符号
器、190 第3のデータ合成回路、237 第4のデ
ータ分離符号化回路、238 第9のデータ分離回路、
249 第5のデータ分離符号化回路、250 第4の
データ合成回路、251 第10のデータ分離回路、2
52 第11のデータ分離回路、253 第15の可変
長符号器、254 第16の可変長符号器、262 第
6のデータ分離符号化回路、263 第6のデータ合成
回路、271 第15の可変長復号器、272 第12
のデータ分離回路、273a 第1の量子化器、273
b 第2の量子化器、274a 第17の可変長符号
器、274b 第18の可変長符号器、302 イント
ラ検出回路、303 データ抜き取り回路、304 第
4のEOB付加回路、305 第13のデータ分離回
路、306 ヘッダ抜き取り回路、307 第1のヘッ
ダ生成回路、308 データ並べ換え回路、309 フ
ォーマット生
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−121717 (32)優先日 平成6年5月10日(1994.5.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−121974 (32)優先日 平成6年5月10日(1994.5.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−108569 (32)優先日 平成6年5月23日(1994.5.23) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 上田 智弘 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電 機株式会社 映像システム開発研究所内 (72)発明者 大西 健 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電 機株式会社 映像システム開発研究所内 (72)発明者 倉橋 聡司 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電 機株式会社 映像システム開発研究所内 (56)参考文献 特開 平6−343156(JP,A) 特開 平5−268568(JP,A) 特開 平6−86215(JP,A) 特開 平7−59047(JP,A) 特開 平7−78420(JP,A) 特開 平7−264544(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/76 - 5/956 H04N 7/24 - 7/68 G11B 20/10 - 20/12

Claims (36)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル映像信号とディジタル音声信
    号とがビットストリームで入力され、このビットストリ
    ームをトランスペアレント記録方式で記録するディジタ
    記録再生装置において、記録するビットストリームか
    らイントラ符号化ブロックを検出・抽出する手段と、す
    べてのイントラ符号化ブロックから低域周波数成分を抜
    き出し、高速再生用のHPデータを構成する手段と、1
    トラック内でビットストリームのみを記録するメインエ
    リア及び前記HPデータを記録する複数の複写エリアを
    有するフォーマットで記録する手段とを備え、前記HP
    データを低域HPデータと高域HPデータとに分割し、
    このHPデータに複写間隔を単位としてその値を変える
    PHASE信号を付加して、前記複数の複写エリアを低
    域HPデータを記録する低域エリアと高域HPデータを
    記録する高域エリアとに指定し、それぞれの信号を記録
    するように構成してあることを特徴とするディジタル
    録再生装置
  2. 【請求項2】 通常再生時にメインエリアに記録された
    ビットストリームを再生信号としてデコーダに伝送し、
    規定倍速内の再生時には、PHASE信号をチェック
    し、同一のPHASE信号をもつ低域エリアの低域HP
    データと高域エリアの高域HPデータとから再生HPデ
    ータを構成してデコーダに伝送し、規定倍速を越える高
    速な再生時には、PHASE信号に関わらず、低域エリ
    アの低域HPデータを再生HPデータとしてデコーダに
    伝送するように構成してあることを特徴とする請求項1
    記載のディジタル記録再生装置
  3. 【請求項3】 通常再生時にメインエリアに記録された
    ビットストリームを再生信号としてデコーダに伝送し、
    規定倍速内の再生時には、PHASE信号をチェック
    し、同一のPHASE信号をもつ低域エリアの低域HP
    データと高域エリアの高域HPデータとから再生HPデ
    ータを構成してデコーダに伝送し、規定倍速を越える高
    速な再生時にも、PHASE信号をチェックし、低域エ
    リアの低域HPデータのPHASE信号とそのPHAS
    E信号が一致する高域エリアの高域HPデータが存在す
    れば、該データを使用して再生HPデータを再構成し、
    デコーダに伝送するように構成してあることを特徴とす
    る請求項1記載のディジタル記録再生装置
  4. 【請求項4】 検出・抽出するイントラ符号化ブロック
    は、イントラ符号化フレームまたはイントラ符号化フィ
    ールドに属するものであることを特徴とする請求項1記
    載のディジタル記録再生装置
  5. 【請求項5】 予めブロック化され、ブロック単位に可
    変長符号化された入力ディジタルデータと、該入力ディ
    ジタルデータより生成した特殊再生用のディジタルデー
    タとを記録するディジタル記録再生装置において、前記
    入力ディジタルデータの一部を可変長復号化する手段
    と、該復号されたデータを予め定められた値で除算する
    手段と、該除算されたデータを再び可変長符号化する手
    段とを備え、該可変長符号化データを特殊再生用のディ
    ジタルデータとして生成するように構成してあることを
    特徴とするディジタル記録再生装置
  6. 【請求項6】 可変長復号されたディジタルデータにさ
    らに予め定められた値で除算を施されたディジタルデー
    タに対して、再び可変長符号化を行う際、可変長符号化
    を行う前記ブロック内のディジタルデータを全て伝送す
    るように構成してあることを特徴とする請求項5記載の
    ディジタル記録再生装置
  7. 【請求項7】 可変長復号されたディジタルデータにさ
    らに予め定められた値で除算を施されたディジタルデー
    タに対して、再び可変長符号化を行う際、可変長符号化
    を行う前記ブロック内のディジタルデータを予め定めら
    れたデータ数分だけ伝送するように構成してあることを
    特徴とする請求項5記載のディジタル記録再生装置
  8. 【請求項8】 可変長復号されたディジタルデータにさ
    らに予め定められた値で除算を施されたディジタルデー
    タに対して、再び可変長符号化を行う際、可変長符号化
    を行う前記ブロック単位に予め定められた符号量に達す
    るまで、可変長符号化を行うように構成してあることを
    特徴とする請求項5記載のディジタル記録再生装置
  9. 【請求項9】 予めブロック化され、ブロック単位に可
    変長符号化された入力ディジタルデータと、該入力ディ
    ジタルデータより生成した特殊再生用のディジタルデー
    タとを記録するディジタル記録再生装置において、前記
    入力された可変長符号化データの一部を予め定められた
    異なる量子化ステップの可変長符号化データに変換する
    変換手段を備え、該変換手段より出力される可変長符号
    化デー タを特殊再生用のディジタルデータとして生成す
    るように構成してあることを特徴とするディジタル記録
    再生装置
  10. 【請求項10】 入力される可変長符号化を施されたデ
    ィジタルデータを予め定められた別の可変長符号に変換
    する際、入力されるディジタルデータをシリアルデータ
    からパラレルデータに変換する第1のデータ変換手段
    と、変換されたパラレルデータを予め定められたパラレ
    ルデータに変換する変換テーブルと、該変換テーブルに
    より変換されたパラレルデータをシリアルデータに変換
    する第2のデータ変換手段とを備えることを特徴とする
    請求項9記載のディジタル記録再生装置
  11. 【請求項11】 ディジタル映像信号とディジタル音声
    信号とを斜めトラックのそれぞれ決められたエリアに記
    録するようなトラックフォーマットを有するディジタル
    記録再生装置において、フレームまたはフィールド内、
    もしくは、フレームまたはフィールド間符号化されたデ
    ィジタル映像信号と、ディジタル音声信号とがビットス
    トリームにて入力され、該ビットストリームからフレー
    ムまたはフィールド内符号化データを取り出すデータ分
    離手段と、分離されたフィールドまたはフレーム内符号
    化ディジタルデータを予め定められた規則に従い2つ以
    上のデータに分割するデータ分割手段と、その分割され
    たデータを前記トラック上の予め設けられた特殊再生用
    データ記録エリアに交互に所定数繰り返し記録する記録
    手段とを備えることを特徴とするディジタル記録再生装
  12. 【請求項12】 データ分割手段の入力ディジタルデー
    タDをn個(nは2以上の整数)の出力コードX0,X
    1,・・・,Xnー1に分割する際、データ分割則が以
    下の規則に従うことを特徴とする請求項11記載のディ
    ジタル記録再生装置。n個の出力コードX0,X1,・
    ・・,Xn−1と入力ディジタルデータDとの関係が、
    D=K0×X0+K1×X1+・・・+Kn−1×Xn
    −1(K0,K1,・・・,Kn−1は実数)と表さ
    れ、X0,X1,・・・,Xn−1から一意的に入力デ
    ィジタルデータDが求められるように入力ディジタルデ
    ータDから出力コードX0,X1,・・・,Xn−1を
    変換する規則。
  13. 【請求項13】 データ分割手段において、入力ディジ
    タルデータDと2つの出力コードX0及びX1との関係
    がD=2×X0+X1またはD=3×X0+X1である
    ことを特徴とする請求項12記載のディジタル記録再生
    装置
  14. 【請求項14】 互いに異なるアジマス角を有する回転
    ヘッドを用いて磁気テープ上にアジマス記録を行うこと
    とし、前記データ分割手段で2分割されたX0及びX1
    のデータを互いに異なるアジマス角を有する回転ヘッド
    で前記特殊再生用データ記録エリアへ記録するように構
    してあることを特徴とする請求項11記載のディジタ
    記録再生装置
  15. 【請求項15】 高速再生,スチル再生またはスロー再
    生を含む特殊再生においては、分割されたn個のデータ
    のうち再生された全てのデータを用いて復号する映像デ
    ータ合成手段を備えることを特徴とする請求項11また
    は12記載のディジタル記録再生装置
  16. 【請求項16】 データ分割手段により2分割されたX
    0及びX1データを前記同一記録トラック内の異なる位
    置に設けられている前記特殊再生用データ記録エリアに
    記録するように構成してあることを特徴とする請求項1
    1記載のディジタル記録再生装置
  17. 【請求項17】 データ分割手段によりN分割(Nは整
    数)されたデータをN箇所の前記特殊再生データ記録エ
    リアにそれぞれ1個づつ記録するように構成してある
    とを特徴とする請求項11記載のディジタル記録再生装
  18. 【請求項18】 データ分離手段で分離されたフィール
    ドまたはフレーム内符号化ディジタルデータより画像デ
    ータを構成する最重要データを分離する最重要データ分
    離手段を備え、前記データ分割手段によるデータ分割方
    法がこの最重要データと他のデータ(重要データ)とで
    異なることを特徴とする請求項11記載のディジタル
    録再生装置
  19. 【請求項19】 分割された最重要データを各記録トラ
    ックの同一の高さにある前記特殊再生用データ記録エリ
    アに記録するように構成してあることを特徴とする請求
    項18記載のディジタル記録再生装置
  20. 【請求項20】 トラック中に記録されている最重要デ
    ータが記録されているエリアを検出する最重要データ記
    録エリア検出手段と、特殊再生時に該最重要データ記録
    エリア検出手段の出力が最大になるように回転ヘッドの
    トラッキングを制御するトラッキング制御手段とを備え
    ることを特徴とする請求項19記載のディジタル記録再
    生装置
  21. 【請求項21】 データ分割手段により2分割された重
    要データX0及びX1を前記同一記録トラック内の異な
    る位置に設けられている特殊再生用データ記録エリアに
    記録するように構成してあることを特徴とする請求項1
    9記載のディジタル記録再生装置
  22. 【請求項22】 予めブロック化され、ブロック単位に
    可変長符号化された入力ディジタルデータと、該入力デ
    ィジタルデータより生成した特殊再生用のディジタルデ
    ータとを記録するディジタル記録再生装置において、前
    記入力ディジタルデータの一部を可変長復号する手段
    と、該可変長復号されたデータを予め定められた方法に
    従い演算し、2つのメインコードY1及びY2とサブコ
    ードZとに分離するデータ分離手段と、データ分離され
    た3つのデータY1,データY2及びデータZをそれぞ
    れ可変長符号化してデータY1L,Y2L及びZLを生
    成する可変長符号化手段と、これらの3つのデータY1
    L,データY2L及びデータZLを合成して、データY
    1L及びデータZLからなるデータの組とデータY2L
    及びデータZLからなるデータの組との2つのデータの
    組を特殊再生用ディジタルデータとして生成するデータ
    合成手段とを備えることを特徴とするディジタル記録再
    生装置
  23. 【請求項23】 データ分離手段を規定する方法が、X
    =2n-1 ×(Y1+Y2)+Zの方法で規定されること
    を特徴とする請求項22記載のディジタル記録再生装
    。但し、Y1,Y2及びZは以下の方法に従い算出さ
    れる。 Y1= INT(X/2n ) Y2= INT(X/2n-1 )−INT(X/2n ) Z = X mod 2n-1 なお、INT(A/B)はAをBで割った時の商を、ま
    た、A mod BはAをBで割った時の余りを示す。
  24. 【請求項24】 データ分離手段を規定する方法が、X
    =2n ×Y+Zの方法で規定されることを特徴とする請
    求項22記載のディジタル記録再生装置。但し、Y及び
    Zは以下の方法に従い算出される。 Y = INT(X/2n ) Z = X mod 2n なお、INT(A/B)はAをBで割った時の商を、ま
    た、A mod BはAをBで割った時の余りを示し、
    Y=Y1=Y2とする。
  25. 【請求項25】 予めブロック化され、ブロック単位に
    可変長符号化された入力ディジタルデータと、該入力デ
    ィジタルデータより生成した特殊再生用のディジタルデ
    ータとを記録するディジタル記録再生装置において、前
    記入力ディジタルデータの一部を可変長復号する手段
    と、該可変長復号データを最重要データAと最重要デー
    タ以外のデータBとに分離し、該データBを予め定めら
    れた方法に従い演算し、2つのデータx及びデータyに
    分離するデータ分離手段と、分離されたデータx及びデ
    ータyをそれぞれ可変長符号化してデータxL及びデー
    タyLを生成する可変長符号化手段と、前記最重要デー
    タAと前記データxL及びデータyLとを合成して、最
    重要データA及びxLからなるデータの組と、最重要デ
    ータA及びyLからなるデータの組との2つのデータの
    組を特殊再生用ディジタルデータとして生成するデータ
    合成手段とを備えることを特徴とするディジタル記録再
    生装置
  26. 【請求項26】 データ合成手段において、生成された
    2つの特殊再生用ディジタルデータの組をそれぞれ異な
    るアジマス角度を有するヘッドにより記録するようにデ
    ータ合成を行うように構成してあることを特徴とする請
    求項22または25記載のディジタル記録再生装置
  27. 【請求項27】 可変長復号データの最重要データA以
    外のデータBを予め定められた方法に従い演算し、メイ
    ンコードXと2つのサブコードYR及びYVとに分離す
    るデータ分離手段と、データ分離されたデータX,YR
    及びYVをそれぞれ可変長符号化してデータXL,YR
    L及びYVLを生成する可変長符号化手段と、最重要デ
    ータAと、これらのデータXL,YRL及びYVLとを
    合成して、最重要データAとデータXL及びYRLとか
    らなるデータの組と、最重要データAとデータXL及び
    YVLとからなるデータの組との2つのデータの組を特
    殊再生用ディジタルデータとして生成するデータ合成手
    段とを備えることを特徴とする請求項25記載のディジ
    タル記録再生装置
  28. 【請求項28】 データ分離手段を規定する方法が、可
    変長復号されたディジタルデータzに対して、 z=0の時、 Xはデータ伝送せず Y=0 z>0の時、 X=[z/a+0.49*] Y=z−a×X z<0の時、 X=[z/a−0.49*] Y=z−a×X (但し、aは予め定められた2以上の整数、記号[t]
    は実数tの整数部分、0.49*は小数点第2位以下9
    の循環小数)によりデータzをデータX及びデータYに
    分離し、分離されたデータYを一次元的にスキャンして
    1をランとするランレングス符号化を行い1ランレング
    スデータと係数データとに分離し、1ランレングスデー
    タをYR、係数データをYVとして算出することを特徴
    とする請求項25または27記載のディジタル記録再生
    装置
  29. 【請求項29】 データ分離手段を規定する方法が、可
    変長復号されたディジタルデータzに対して、 z=0の時、 X=0 Yは伝送せず z>0の時、 X=[(z−1)/a]+1 Y=z−a×X z<0の時、 X=[(z+1)/a]−1 Y=z−a×X (但し、aは予め定められた2以上の整数、記号[t]
    は実数tの整数部分、0.49*は小数点第2位以下9
    の循環小数)によりデータzをデータX及びデータYに
    分離し、分離されたデータYを一次元的にスキャンして
    1をランとするランレングス符号化を行い1ランレング
    スデータと係数データとに分離し、1ランレングスデー
    タをYR、係数データをYVとして算出することを特徴
    とする請求項25または請求項27記載のディジタル
    録再生装置
  30. 【請求項30】 入力されたフレームまたはフィールド
    内、もしくはフレームまたはフィールド間符号化された
    ディジタル映像信号とディジタル音声信号とのビットス
    トリームから、フレームまたはフィールド内符号化デー
    タを取り出す第1のデータ分離手段と、分離されたフレ
    ームまたはフィールド内符号化データから特殊再生用デ
    ィジタルデータを生成し、トラック上の予め定められた
    複数のエリアに重複して記録するディジタル記録再生装
    において、入力されたフレームあるいはフィールド内
    符号化データを可変長復号する手段と、可変長復号され
    たデータzを予め定められた方法に従い演算し、2つの
    データx及びyに分離する第2のデータ分離手段と、デ
    ータ分離された2つのデータx及びyをそれぞれ量子化
    してデータQx及びQyを生成する量子化手段と、該デ
    ータQx及びQyを可変長符号化してデータxL及びy
    Lを生成する可変長符号化手段と、該2つのデータxL
    及びyLを特殊再生用ディジタルデータとして該特殊再
    生ディジタルデータを記録する複数のエリアの予め定め
    られたエリアに重複することなく記録するようにデータ
    生成を行うデータ生成手段とを備えることを特徴とする
    ディジタル記録再生装置
  31. 【請求項31】 第2のデータ分離手段を規定する方法
    が、z=x+yの方法で規定され、前記データx及びy
    は以下の方法に従い算出されることを特徴とする請求項
    30記載のディジタル記録再生装置。z≧0の時、 x = (INT)(z/2) y = z−x z<0の時、 x = (INT)((z−1)/2) y = z−x 但し、(INT)(A/B)はAをBで割った時の商を
    示す。
  32. 【請求項32】 第2のデータ分離手段によりデータ分
    離されたディジタルデータを2倍速及び4倍速で共用す
    る特殊再生用ディジタルデータとして生成し、データ分
    離された2つのデータx及びyを量子化して可変長符号
    化したデータxL及びyLの符号量がほぼ等しくなるよ
    うに、量子化レベルを設定し、2倍速再生時には該デー
    タxL及びyLの両方のデータから再生画像を構成し、
    4倍速再生時には該データxLまたはyLの何れか一方
    のデータのみから再生画像を構成すべくなしたことを特
    徴とする請求項30記載のディジタル記録再生装置
  33. 【請求項33】 ディジタル伝送されたビットストリー
    ムを記録するトランスペアレント記録方式を備えたディ
    ジタル記録再生装置において、入力されたビットストリ
    ームからイントラ符号化ブロックを検出する検出手段
    と、該検出手段によって検出されたイントラ符化ブロッ
    クから低域周波数成分を抽出して高速再生用データを生
    成する生成手段と、高速再生用データと入力されたビッ
    トストリームとを混合して、1トラック内でビットスト
    リームのみを記録するメインエリアと該高速再生用デー
    タを記録する複写エリアとを含む複数のエリアを有する
    フォーマットで記録する手段と、前記生成手段によって
    生成された高速再生用データを1ブロック毎に先頭から
    pビットの第1のパートとそれ以後の部分の第2のパー
    トとに分離する第1の分離手段と、該第1の分離手段に
    よって分離された前記データをそれぞれ第1のパート
    毎、第2のパート毎にまとめて再構成する再構成手段と
    を備えることを特徴とするディジタル記録再生装置
  34. 【請求項34】 第1の分離手段では、第1のパートと
    して前記ブロック内の低域周波数成分を分離するととも
    に、第2のパートとして前記ブロック内の残りの高域周
    波数成分を分離し、前記再構成手段においては、前記第
    1のパートをまとめて前記複写エリアの中心付近のシン
    クブロックに配置するとともに、前記第2のパートをま
    とめて前記複写エリアの周辺部のシンクブロックに配置
    するようにデータの再構成を行うように構成してある
    とを特徴とする請求項33記載のディジタル記録再生装
  35. 【請求項35】 検出するイントラ符号化ブロックは、
    イントラ符号化フレームまたはイントラ符号化フィール
    ドに属するものであることを特徴とする請求項33記載
    のディジタル記録再生装置
  36. 【請求項36】 再生時に、記録媒体から読み出された
    データからメインエリアに記録されたビットストリーム
    と複写エリアに記録された高速再生用データとを分離す
    る第2の分離手段を備え、通常再生時は、該メインエリ
    アに記録されたビットストリームを再生信号としてデコ
    ーダに出力し、高速再生時は、高速再生用データから再
    生ビットストリームを形成し、再生信号としてデコーダ
    に出力するように構成してあることを特徴とする請求項
    33記載のディジタル記録再生装置
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