JP3288373B2 - 安定および生体活性改変ソマトトロピン類 - Google Patents

安定および生体活性改変ソマトトロピン類

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は一般にソマトトロピン類に関し、および特
に、安定および生体活性組換え改変ソマトトロピン類、
前記改変ソマトトロピン類をコードするDNA配列類、前
記改変ソマトトロピン類をコードするDNA配列類含有プ
ラスミド類、および前記改変ソマトトロピン類をコード
するDNA配列類を有する形質転換微生物類に関する。さ
らに、前記新規DNA配列類、プラスミド類および微生物
類を構築するための製法も開示している。前記改変ソマ
トトロピン類を含む薬剤組成物類および前記薬剤組成物
類を使用した方法も、同様に、開示している。
発明の背景 ソマトトロピン類の単離、精製および性質は、当該技
術で周知である。特に成長ホルモンともいわれる1種の
タンパク質であるソマトトロピンは、動物の下垂体によ
ってこの動物の全生涯にわたり産生される。ソマトトロ
ピンは、骨格成長、窒素貯留、タンパク質合成を促進
し、かつグルコースおよび脂質代謝に影響を及ぼす。し
たがって、ソマトトロピンは、総合的異化物質として認
識されている。
ソマトトロピンは、摘出下垂体組織から単離できる。
たとえば、リー(Li)、ジャーナル オブ バイオロジ
カル ケミストリー(J.Biol.Chem).,211:55(1954)
を参照。また、ソマトトロピンは、ソマトトロピン産生
を特定する組換えDNAを含有する遺伝子工学で産生され
た微生物類からも得ることが可能である。たとえば、シ
ーバーグ(Seeburg)ら、ネーチャー(Nature),276:7
95−798(1978);シーバーグ(Seeburg)ら、ネーチャ
ー(Nature),270:486−494(1978);マーシャル(Ma
rtial)、サイエンス(Science),205:602−607(197
9);およびシーバーグ(Seeburg)ら、ディーエヌエイ
(DNA),::37−45(1983)を参照。実施例を含めて
本明細書全体において、引用文献は、参考のために本文
で引用してある。
種々の種由来のソマトトロピン類が研究され、特性解
析されている。たとえば、ウシソマトトロピンは、ウシ
下垂体の前葉で合成されかつそこから分泌されることが
公知である。天然のウシソマトトロピンのヌクレオチド
コード配列およびアミノ酸配列が、たとえばミラー(Mi
ller)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミス
トリー(J.Biol.Chem.),255:7521−24(1980);およ
びウォーリス(Wallis),エフイービーエス レット
(FEBS Lett),35:11−14(1973)に報告されてい
る。また、ウシソマトトロピンは、たとえば、ミラー
(Miller)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケ
ミストリー(J.Biol.Chem.),255:7521−24(1980)の
ように適当な宿主類において組換えDNA法によって産生
されている。フレーザー(Frazier)らの米国特許第4,4
43,539号は、ウシソマトトロピン構造遺伝子を酵母細胞
中に入れ、組換えDNA法を利用してウシソマトトロピン
を調製する方法を開示している。ヘクト(Hecht)の米
国特許第4,371,462号は、前下垂体ペプチド類の精製の
方法を開示している。1983年8月8日出願で公開番号10
3,395の欧州特許出願第83304574号;1982年9月16日出願
で公開番号075,444の欧州特許出願第82304880.6号;1981
年8月21日出願で公開番号047,600の欧州特許出願第813
03824.7号;英国特許出願第2,073,245A号は、高収率で
組換えウシソマトトロピンを産生する方法類を開示して
いる。ウシソマトトロピンを産生する大腸菌(E.coli)
株類が、寄託番号ATCC31826、31840,31841,31842および
31843としてアメリカンタイプカルチャーコレクション
から入手可能である。
同様に、天然および組換えブタおよびヒトソマトトロ
ピンの調製も周知である。たとえば、上記の刊行物に加
えて、米国特許第4,604,359号は、ヒトソマトトロピン
の微生物発現方法類を開示している;米国特許第4,332,
717号は、ヒトソマトトロピンの精製方法を開示してい
る;および1983年9月26日出願の公開番号104,920の欧
州特許出願第83305717.7号は高収率で組換えブタソマト
トロピンを産生する方法類を開示している。米国特許第
4,604,359号は、生体活性テトラ−S−カルバミドメチ
ル誘導体を合成する方法類を含めて生体活性ヒトソマト
トロピンを合成する方法類を開示している。種々のソマ
トトロピンを得るためのその他多くのこのような刊行物
および方法類が当業者に周知であり、たとえば、米国特
許第4,645,755号は、魚のソマトトロピンを産生する方
法類を開示している。
異なる動物種から単離されたソマトトロピン類は、高
度のアミノ酸配列相同性を有しているが、ペプチド類に
存在するアミノ酸類の数および配列においてわずかに異
なる。たとえば、天然のヒトソマトトロピン(nhST)
は、アミノ酸188個から構築されたポリペプチドであ
り、その内4個がシステインであり、68、162,179およ
び186位に存在している。このシステイン類は、2個の
ジスルフィド結合を形成している;(シスチン結合)ア
ミノ酸179および186の間に1個およびアミノ酸68および
162の間に1個である。アミノ酸179および186の間のア
ミノ酸類のセグメントは、当該技術で“小ループ”とし
て公知のものを形成する。“小ループ”および“大ルー
プ”を示したヒトソマトトロピンの完全な配列および構
造は、本文で参考として引用した米国特許第3,853,832
号に示されている。
天然のブタソマトトロピン(npST)は、特徴的な小ル
ープおよび大ループを形成する2個のシスチンボンドを
有するアミノ酸190個のポリペプチドである。この小ル
ープは、180位および188位のシスチン類の間のアミノ酸
類について形成され、かつ、大ループは、163位および5
2位のアミノ酸の間に形成される。天然のウシソマトト
ロピン(nbST)は、前記の特徴的小ループおよび大ルー
プを形成するシスチンボンド類を2個有するアミノ酸19
1個のポリペプチドである。ここで、小ループは、181位
および189位のシステイン類の間にあり、かつ、前記ア
ミノ酸の大ループは、53位および164位のシステイン類
の間にある。全ての天然のソマトトロピン類は、上記の
小および大ループを有する特徴的3級構造を有するよう
に見える。組換えまたは合成ソマトトロピン類は種々の
数または配列のアミノ酸類を有することができるが、現
時点では、全てが前記の大および小ループ類を含有する
ようである。
欧州特許出願公報第0 103 395号は、ラムダPLプロ
モーター・オペレータの制御下でデルタ−9(Ser)ウ
シソマトトロピン(その9N末端アミノ酸類を欠失しかつ
そのN末端に付加的セリン残基を有するソマトトロピ
ン)をコードする第一のプラスミドを含有しかつバクテ
リオファージmu(Pmu)由来のシン デルガーノ(Shine
−Delgarno)領域を有する形質転換大腸菌(E.coli)株
の構築を記載している。この形質転換株は第二のプラス
ミドpcI857を有し、これは、cI857温度感受性リプレッ
サータンパク質をコードする。このプラスミドおよび結
果として生成したタンパク質は、当業者に公知である。
このリプレッサータンパク質は、約37゜から42℃まで温
度を上昇させ、それによって、デルタ−9(Ser)ウシ
ソマトトロピンの発現を誘発することによって、不活化
できる。この型の形質転換株大腸菌(E.coli)、HB101
(PLmu−デルタ−9(Ser)ウシソマトトロピンおよびp
cI857)は、メリーランド州、ロックビル(Rockville)
のアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に
寄託されており、寄託番号No.53030を付与されている。
デルタ−7ブタソマトトロピン(その最初の7N末端ア
ミノ酸類を欠失したブタソマトトロピン)の産生をコー
ドする形質転換株の構築は、欧州特許出願公報第0 10
4 920号に記載されている。Δ7−ブタソマトトロピン
を産生可能な形質転換株大腸菌(E.coli)HB101(PLmu
−デルタ−7ブタソマトトロピンおよびcI857)はATCC
に寄託され、寄託番号No.53031を付与されている。
53030および53031株は、それぞれ、デルタ−9(Se
r)ウシソマトトロピンおよびデルタ−7ブタソマトト
ロピンの増殖性産生体である。
ソマトトロピン類産生の方法は周知であるが、ソマト
トロピン保存方法は、あまり開発されていない。上記方
法で産生されたソマトトロピン類は、賛成されたソマト
トロピンが実際使用されるまで長期間が経過するにもか
かわらず、長期保存に適していない。この保存期間中に
ソマトトロピン類は生体不活性のダイマー類、オリゴマ
ー類および不溶性凝集体類を形成する傾向があることが
公知である。これらの生体不活性形態のソマトトロピン
は、使用可能なソマトトロピンの量を低下させ、投与
時、特に、不溶性凝集体類が不安定な沈澱物類を形成す
るときに問題を生ずる可能性がある。
したがって、安定でかつ保存中も生体活性のままであ
るソマトトロピン類が、必要とされている。このような
ソマトトロピン類は、保存時における生体不活性ダイマ
ー類、オリゴマー類および凝集体類の形成に耐性でなけ
ればならない。
ゆえに、産生時および保存時において生体不活性ダイ
マー類、オリゴマー類および凝集体類を形成する傾向が
ない安定かつ生体活性改変ソマトトロピン類を提供する
ことが、本発明の目的である。
このようなソマトトロピン類産生方法を提供すること
が、本発明のもうひとつの目的である。
保存時において生体不活性ダイマー類、オリゴマー類
および凝集体類を形成する傾向がない安定かつ生体活性
改変ソマトトロピン類を含有する薬剤組成物を提供する
ことが、本発明のもうひとつの目的である。また、この
組成物は、長期保存に適しかつ投与量調製および投与が
容易でなければならない。
産生時および保存時において生体不活性ダイマー類、
オリゴマー類およびかつ凝集体類を形成する傾向がない
安定かつ生体活性改変ソマトトロピン類をコードするDN
A配列を提供することが、本発明のもうひとつの目的で
ある。
このようなDNA含有プラスミドおよびこのようなプラ
スミドで形質転換された微生物を提供することが、もう
ひとつの本発明の目的である。
発明の要約 本発明は、対応する天然ポリペプチド類に特徴的な小
ループを欠失する組換え改変生体活性ソマトトロピン類
を提供する。さらに、本発明は、このような改変ソマト
トロピン類をコードするDNA配列類、このようなDNA配列
類を有するプラスミド類およびこのようなプラスミド類
によって形質転換された組換え微生物類を提供する。ま
た、本発明は、上記および小ループ欠失薬剤組成物類の
それぞれを構築する方法を提供する。本発明は、また、
この改変生体活性ソマトトロピン類を使用して成長を促
進する方法を提供する。
図面の簡単な説明 第1図は、ブタソマトトロピンの核酸およびアミノ酸
配列である。
第2図は、デルタ7ブタソマトトロピン(Δ7pST)の
核酸およびアミノ酸配列である。
第3図は、Δ7pSTのアミノ酸163−183の核酸およびア
ミノ酸配列であり、173位にアスパラギンおよび181位に
セリンを示している。
第4図は、Δ7pSTのアミノ酸163−183の核酸およびア
ミノ酸配列であり、173位および181位にアラニンを示し
ている。
第5Aおよび5B図は、部位特異的変異の過程を例示して
いる。
第6図は、Δ7pSTのDNAにアニールさせたアスパラギ
ン(173)オリゴヌクレオチドを示している。
第7図は、本発明の改変pSTについて数日後に残留す
るモノマーの百分率を天然pSTと比較している。
第8図は、徐放性埋め込み物質(インプラント)から
の改変および天然ブタソマトトロピンの放出プロフィー
ルを示している。
発明の詳細な説明 A.定義 本文で使用する用語“ソマトトロピン”は、このタン
パク質のシステイン残基間のジスルフィド結合によって
形成された“大ループ”を有する全てのソマトトロピン
類を包含し、“天然ソマトトロピン類”ばかりでなく動
物またはヒトに投与したときに天然ソマトトロピンの生
理効果をもたらすことができる“合成ソマトトロピン
類”および“組換えソマトトロピン類”も含む。
天然ソマトトロピン類は、動物によってインビボで産
生されたソマトトロピン類として定義される。
合成ソマトトロピン類は、天然ソマトトロピンの成長
促進生理効果を発現する化学合成ポリペプチド類として
定義される。
組換えソマトトロピン類は、組換え遺伝子操作によっ
て産生されたポリペプチド配列類であり、天然ソマトト
ロピンの成長促進効果を発揮する。
このようなソマトトロピン類は、天然ソマトトロピン
のアミノ酸配列、実質的にそれに類似のアミノ酸配列
類、またはその省略配列を有することができ、置換、欠
失、伸長、再配置、またはそうでなければ改変配列類を
有するアナログ類およびムテイン類を含む。特に、本文
で使用した“ソマトトロピン”は、天然ソマトトロピン
と同一の配列を有するがそのアミノおよび/またはカル
ボキシ末端からアミノ酸類を欠失している組換えタンパ
ク質を含んでいる。このようなタンパク質類の例とし
て、それぞれ、そのアミノ末端から7個および4個の残
基類を欠失しているデルタ−7組換えブタソマトトロピ
ン、およびデルタ−4組換えウシソマトトロピンが含ま
れる。
本文で使用する用語“小ループ改変ソマトトロピン”
は、先に述べたような大ループを有するがしかし小ルー
プは有していない“ソマトトロピン”を示す。小ループ
形成スルフィドリル基類を付与するシステイン類がその
他のアミノ酸によって置換されており、それによって、
必要なシスチンすなわちジスルフィド結合の形成を防止
するので、この小ループは存在しない。この小ループ改
変ソマトトロピンは、アミノ酸配列において、非改変
“ソマトトロピン”と同一であることができるが、ただ
し、天然のソマトトロピン類において小ループ形成に通
常関与するシステイン類がその他のアミノ酸類によって
置換されていることを除く。
B.説明 遺伝子工学産生ブタソマトトロピンの3級構造は、本
文で参考として引用したアブデル−メガイド(Abdel−M
eguid)ら、"Three−dimensional Structure of Gen
etically Engineered Vari ant of Porcine Grow
th Hormone(ブタ成長ホルモンの遺伝子工学変異体の
3次元構造)“プロシーディングス オブ ナショナル
アカデミー”(Proc.Natl.Acad).,U.S.A.,84:6434−
6437(1987)に例示されている。
本発明は、小ループ改変ソマトトロピンをコードする
DNA配列を提供する。好適な種類のソマトトロピン類
は、ブタ、ウシまたはヒトソマトトロピン類である。特
に好適なソマトトロピンは、デルタ7ブタソマトトロピ
ン(Δ7pST)である。このΔ7は、このポリペプチドN
末端から7個のアミノ酸類が欠失していることを示して
いる。先に開示したように、Δ7pSTを産生可能な有機物
は、メリーランド州ロックビルのアメリカンタイプカル
チャーコレクションから入手可能である。
本発明のDNA配列は、化学合成または組換え法を含む
いかなる適当な方法によっても産生可能である。特に好
適な方法は、本文で参考として引用のクンケル(Kunke
l)ら、メソッズ イン エンジモロジー(Methods in
Enzymology)、154:367−382(1987)に開示されたよ
うな部位特異的変異のそれである。部位特異的変異にお
いて、変化を受けるアミノ酸をコードするコドンの両側
の塩基類に相補性である配列を有する小オリゴヌクレオ
チドが、タンパク質をコードする一本鎖DNAにアニール
される。非相補性の3個の塩基対配列は、変化を受ける
アミノ酸をコードするコドンの反対にあり、以下で“置
換部位”と称する。一般にこのオリゴヌクレオチド配列
は、長さが15から30個の塩基類であることができる。よ
り長いオリゴヌクレオチド類は、塩基間のミスがなく配
向された水素結合の数が増加しているために、短いオリ
ゴヌクレオチド類よりも安定である。前記置換部位のそ
れぞれの側において等しい数の相補性塩基類を有するこ
とが、好適である。置換されるアミノ酸をコードするコ
ドンは、前記オリゴヌクレオチドに挿入されて、親一本
鎖DNAにアニールされる。変化を受けるアミノ酸と置換
されるアミノ酸のためのコドンを含有するオリゴヌクレ
オチドがこの一本鎖DNAにアニールされた後、当業者に
公知の方法に従ってDNAポリメラーゼ、次に、T4リガー
ゼによる処理によって、2本鎖DNA分子が産生する。所
望の位置でアミノ酸置換を有するタンパク質をコードす
るDNA鎖の選択は、クンケル(Kunkel)らの方法に従っ
て実施される。オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーシ
ョンを繰り返して、さらにポリペプチド配列において特
異的なアミノ酸置換が起こり得る。
本発明において、ジスルフィド架橋を形成し、その結
果、その3級構造において小ループを有するソマトトロ
ピンを形成するシステイン類は、クンケル(Kunkel)ら
の方法を用いてその他のアミノ酸類によって置換するこ
とが可能である。結果として生成した小ループ改変ソマ
トトロピンは、小ループを天然ソマトトロピンに形成さ
せることができるシステイン類を有していないが、その
生体活性は、天然のソマトトロピン類に匹敵する。
小ループ改変ソマトトロピン遺伝子の発現は、小ルー
プシステイン類によって分子内シスチンボンドを形成で
きないソマトトロピン類の産生を結果としてもたらす。
したがって、ダイマー類、オリゴマー類および凝集体類
の形成はこのソマトトロピン保存時において極めて低下
する。そのかわりに、投与量当たりの高生体活性が、達
成される。
第4図に示したような本発明の1態様において、Δ7p
STをコードするDNA配列は、ペプチド配列の173位および
181位のシステインをコードするコドン類をアラニンを
コードするコドン類で置換することによって、改変され
る。理論によって制限されることを望むわけではない
が、大側鎖を有するその他のアミノ酸類に対してアラニ
ンのようなアミノ酸をそれらの位置に通常見られるシス
テイン類に代わって取り込むことで、生成した分子の構
造的ゆがみが少なくなるであろう。当業者は、グリシ
ン、バリン、ロイシンまたはアラニンを含むその他のア
ミノ酸置換を容易に決定でき、これらも同様にこの機能
を果たすであろう。
第3図に示した本発明の別の態様において、Δ7pSTを
コードするDNA配列は、前記アミノ酸配列の173位および
181位のそれぞれのシステインをコードするコドンを173
位のアスパラギンおよび181位のセリンをコードするヌ
クレオチド類で置換することによって改変された。ま
た、理論によって限定されることを望むわけではない
が、アスパラギンのアミド基およびセリンの水酸基の間
の水素結合が分子内結合を防止する一方でソマトトロピ
ンの3級構造を維持していると考えられる。その他の適
切なアミノ酸置換体は当業者が決定でき、本発明の範囲
に包含される。
本発明の改変DNAを部位特異的変異によって産生する
ため、出発ソマトトロピンDNA配列を得る。このようなD
NA配列類を得る方法は、当業者に公知である。一般に、
所望のソマトトロピン遺伝子が、いかなる適切な起源か
らも得られ、適切なベクター中にサブクローニングされ
る。適切なベクター類は当業者に公知であり、M13のよ
うなファージ類が挙げられる。このファージは、大腸菌
(E.coli)のdut−ung−2重変異株であるRZ1032または
CJ236株類ような変異菌中において増殖する。このよう
な細菌類は、dUTPaseを欠失しており、その結果、細胞
内高dUTPレベルとなり、また、取り込んだウラシルをDN
A中に残存されることができる酵素ウラシルN−グリコ
シラーゼが高含量となる。これらの遺伝子類の一本鎖は
単離でき、および、所望のヌクレオチド置換を含有する
オリゴヌクレオチドにアニールさせキナーゼ処理するこ
とができる。好適には、このオリゴヌクレオチド配列
は、複製因子を含むサブクローンのファージ鎖に存在す
る外来DNA鎖中の対応する配列に相補性である。この鎖
は、使用したポリリンカーおよび特定のクローニングサ
イトを使用した特定ファージのファージDNA配列内部に
配置することによって決定できる。このような決定は、
当業者が容易に行うことができ、たとえば、ウィスコン
シン大学から入手可能なVECBASEのようなコンピュータ
データベースを参考とすることが挙げられる。配列を正
確に決定した後でこのオリゴヌクレオチドを合成し、当
業者に公知の方法によって一本鎖DNAにアニールさせ
る。アニールさせたオリゴヌクレオチドは、たとえば、
T4DNAポリラーゼを用いる相補性鎖合成のためのプライ
マーとして作用する。この反応混合物中にはdUTPは全く
存在せず、一方、相補性鎖は、インビトロで合成されつ
つある。したがって、この相補性鎖は、ウラシルを含ま
ないであろう。全相補性鎖が合成された後、たとえばT4
DNAリガーゼによる連結によって、前記2重鎖遺伝子の
構築が完成する。次に、前記オリゴヌクレオチド、すな
わちウラシルを含有しないオリゴヌクレオチドを取り込
む鎖に好適な圧力が、本文で参考として引用したKunkel
らの方法に従って適用される。
適当な改変を含むファージ類は、当業者に公知の方法
によって検出される。このような方法として、たとえ
ば、制限酵素マッピングまたはDNA配列決定が挙げられ
る。
本発明のプラスミド類は、安定かつ生体活性小ループ
改変ソマトトロピン類およびプロモータ−オペレータ領
域を含むソマトトロピン遺伝子発現に必要なエレメント
類をコードするDNAを含有する。好適なプラスミド類
は、小ループ改変ブタ、ウシまたはヒトソマトトロピン
のためのDNAを含有するものである。これらの内で、小
ループ改変ブタソマトトロピンのためのDNAを含有する
プラスミドは、特に好適である。
微生物細胞類、特に、細菌細胞類は、当業者に公知の
従来法に従って、小ループ改変ソマトトロピンをコード
する前記所望のDNA配列類を含有するプラスミド類によ
って形質転換できる。HB101細胞類は、特に好適であ
る。この微生物類は、また、前記ソマトトロピンの回収
を促進するその他のプラスミド類によっても同時形質転
換できる。このようなその他のプラスミド類として、周
知の温度感受性リプレッサータンパク質をコードする遺
伝子を含有するプラスミドpcI857が挙げられる。このよ
うなその他のプラスミド類は、本発明の部分を構成しな
い。
本発明の組換え細胞類は培養され、それらが産生する
ソマトトロピンが回収される。培養および回収法の両者
が当業者に公知であり、本発明の部分を形成しない。
本発明の回収されたソマトトロピンは、非改変ソマト
トロピンの生体活性にほとんど等しいかそれを上回る生
体活性を有している。
さらに、本発明のソマトトロピンにおいて、分子内シ
スチンボンドは、極めて低下している。ゆえに、本発明
のソマトトロピンは、生体活性形態のままであり、長期
保存時においてより安定である。
本発明のもうひとつの面では、前記改変ソマトトロピ
ンが希釈剤またはその他のビヒクルのような許容可能な
担体と併用されている薬剤組成物が提供される。この担
体は、いかなる生体適合性の、小ループ改変ソマトトロ
ピン適合担体であってもよく、好適には、リン酸緩衝生
理食塩水、トリス塩酸、アルギニン、ヒスチジン等であ
る。一般に、6乃至11のpHを有する全ての生体適合性溶
液または担体が、本発明において小ループ改変ソマトト
ロピンの担体として作用する。この小ループ改変ソマト
トロピンは、前記薬剤学的に許容可能な担体類と混合さ
れ、長期保存時に安定でかつ投与量調製および投与を容
易とする組成物を形成する。この組成物は、好適には、
保存のために凍結保存される。
小ループ改変ソマトトロピンの標的対象に対する投与
は、この標的中において天然ソマトトロピン類に匹敵す
るような方法で成長を促進する。標的は、ヒトまたは動
物とすることができる。ソマトトロピン類投与方法は、
当業者に公知である。このような方法は、本発明の薬剤
組成物投与にも適用できる。
本発明を一般的に説明したので、下記の実施例を本発
明の特定態様として示し、その実際と利点を明らかとす
る。これらの実施例は、例示の目的のためのみであり、
それらは本発明の範囲を限定するものではない。下記の
実施例に使用した組換えブタソマトトロピン(rpST)
は、寄託番号No.53031を有しメリーランド州ロックビ
ル、アメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託さ
れている大腸菌(E.coli)微生物を用いて産生される。
この微生物の完璧な説明については、本文で参考として
引用した米国特許第4,656,255号に記載されている。
実施例 1.部位特異的オリゴヌクレオチド変異によるシステイン
173およびシステイン181の改変 a.コンピテントJM103細胞類の調製 JM103細胞類は、M9培地プレートからの単一コロニー
とともに37℃で一晩培養した。温めたLB培地100mlに一
晩培養したJM103培養物1mlを接種し、O.D.650=0.2とな
るまで37℃で振とう培養した。次に、この培養物を20分
間氷上に置き、10,000rpmで10分間遠心分離した。細胞
ペレットを取り100mm MgCl250mlで洗浄した。再度、こ
の混合物を上記条件下で遠心分離し、この上清をまた捨
てた。細胞ペレットを100mM CaCl2/50mM MgCl250ml中
に1時間懸濁し、上記のようにして懸濁した。冷却した
100mM CaCl2/50mM mgCl2/30% 1ml中に細胞を懸濁
し、使用時まで0.2mlのアリコットとして−80℃で保存
した。
b.JM103細胞類のM13RFデルタ−7−pST DNAによる形質
転換 保存JM103細胞類の0.2mlアリコット3個を氷バケツ中
でゆっくりと融解した。細胞類を公知の操作によってM1
3RF Δ7pST DNA 50ngで形質転換した。
c.M13テンプレート中へのウラシルの取り込み 前記形質転換細胞の無色プラークをプレートから200
μlのキャピラリピペットによって取り出し、JM103部
を接種したYT培地に添加した。この培養物を一晩増殖さ
せ、10,000rpmで10分間遠心分離し、細胞類および細胞
残渣をペレットとした。前記pST遺伝子含有M13mp11pST
ファージはJM103培養物から単離され、RZ1032(dut-ung
-)株に形質移入された。RZ1032(dut-ung-)株におけ
る前記ファージの増殖によって、ウラシルがファージDN
Aに確実に取り込まれた。RZ1032株をテトラサイクリン2
0μg/ml存在下で増殖させ、アンバーサプレッサー表現
型を維持した。本株を一晩培養したものを新鮮LB培地に
接種し、7−8時間増殖させた。滴定ファージストック
の10-6,10-7および10-8希釈物を本株と混合し、20分間
吸収させた。これらの前記ファージ含有細胞類をその後
平板として、単離したプラークをRZ1032株ファージスト
ックとして取りだした。
部位特異的変異のために使用するためウラシル含有フ
ァージDNAを単離するため、M13mp11pSTファージ株含有R
Z1032株をO.D.500=0.08になるまでLB培地500ml中で増
殖させた。その後、このウラシル含有ファージストック
0.5mlおよびウリジンを最終濃度0.25μg/mlとなるよう
に添加した。生成した混合物を37℃で振とうしながら6
時間、インキュベートした。細胞類をペレットとして、
NaCl 7.25gおよびPEG8000 12.5gを上清に添加した。
上清を氷上に1時間置いた後、10,000rpmで20分間遠心
分離し、このファージをペレットとした。その後、ファ
ージをCsCl勾配中でバンドとし、TE緩衝液に対して透析
した。ファージからの1本鎖DNAを等量のフェノール:
クロロホルム(1:1)添加によって抽出し、ボルテック
スし、遠心分離して、2相を分離した。ファージDNA含
有水相をフェノールで2回再抽出し、追加したTE緩衝液
に対する透析を行った。
部位特異的変異のためのオリゴヌクレオチド類は、イ
リノイ州、アーバナ(Urbana)、ジェネティック エン
ジニアリング ラボラトリィ(Genetic Engineering
Laboratory)、イリノイ大学で合成されHPLC精製され
た。変異オリゴヌクレオチド類は、改変コドンにそれぞ
れの側で3つのコドンが隣接しているように構築され
た。21merオリゴヌクレオチドの20pmoleを最初にキナー
ゼ連結させた。テンプレートに対して30:1のモル比のオ
リゴヌクレオチドをアニーリング反応のために使用し
た。この反応混合物を70℃に加温すること、およびこの
反応を1℃/分の速度で30℃まで冷却することによっ
て、アニーリングを実行した。冷却後、Bio−Radから入
手可能な相補性鎖合成緩衝液、T4DNAリガーゼ4単位、
遺伝子32タンパク質2μg(1単位)T4DNAポリメラー
ゼ1単位を、この順序で試験管に添加した。この反応混
合物を氷上に5分間置き、次に室温に5分間置き、最後
にこの反応混合物を37℃の水浴中に90分間置いた。反応
をTE緩衝液を添加して停止させ、JM103株コンピテント
細胞の形質転換に使用した。これらの形質転換細胞類を
対数増殖培養期のJM103株と混合し、LBを上に載せた寒
天に入れた。プラークを取り出し、緩衝液に入れた。こ
のファージストックを用いて、JM103を接種し、一晩増
殖させ、プラスミド小調製のために使用した。マニアテ
ィズ(Maniatis)記載のアルカリ溶解方法をプラスミド
小調製単離のために使用した。制限酵素分析を用いて、
前記のミスのない変異を最初に同定した。システインの
ためのコドンがアスパラギンのためのコドンに173位に
おいて改変されていることで、追加のMbo II制限酵素部
位をもたらされた。このことは、プラスミドDNAの制限
酵素消化によって可視できるようにした。この最初のコ
ドン変化を最初に確認した後、改変DNAをRZ1032株中に
再度形質転換し、DNAを単離し、第2の部位特異的変異
を実行して181位のシステインのためのコドンをセリン
のためのコドンに改変した。このコドンの改変によっ
て、Pvu II制限酵素部位が除去された。このことも同様
に、プラスミドDNAの制限酵素消化によって可視できる
ようにした。これらの改変の決定的確認は、DNA配列決
定によった。これらの変異を取り込んだDNAを次にpIC10
1発現ベクター中に入れた。変異RF DNAおよびプラスミ
ドpIC101の両者が、BstX IおよびBamH Iによって制限酵
素消化された。この変異領域を含むBstX IおよびBamH I
による366bpのDNA断片を、プラスミドpIC101中に連結し
て、野生型領域を再配置した。この新規プラスミドはas
n(173)およびser(181)改変を含有し、pPM100と命名
した。このプラスミドを含有する大腸菌(E.coli)HB10
1およびプラスミドpcI857をATCCに寄託し、寄託番号682
26を付与された。
2.pST遺伝子の改変の確認 改変制限酵素分析によって潜在的変異体を同定した
後、DNA配列解析によって確認を行った。使用したDNA配
列決定方法は、テンプレートとして使用するために二重
鎖分子を変性させることを含むプロメガ ピージーイー
エム(Promega pGEM)系(プロメガ バイオテック 2
800 エス.フィッシュ ハッチェリー ロード,マデ
ィソン ダブリューアイ53711−5305(Promega Biote
c,2800 S.Fish Hatchery Rd.,Madison,WI53711−530
5))を改良したものであった。塩化セシウム生成変異R
F DNAをDNA配列決定に使用した。変異を起こさせた領
域の上流のDNAのある領域に相同の17mer オリゴヌクレ
オチドを、DNA配列決定プライマーとして合成した。
3.モノマータンパク質の回収 プラスミドpPM100含有菌株由来ブタソマトトロピン
(pST)の回収は、50%も低下する可能性があるモノマ
ー比に対する高分子量タンパク質の有意な低下および回
収可能タンパク質収量の増加を特徴とした。収量に対す
る正の効果に加えてこの高分子量タンパク質の低下も、
また、処理を簡易化する。改変タンパク質の回収は、未
改変タンパク質の182%にまで達した。ブタソマトトロ
ピンの回収および精製は、アウッシュ(Raush)および
メング(Meng)が先に記載の方法で本文で参考として引
用した方法に従った。
改変pSTは、溶液保存時において安定性増加を示し
た。種々の温度の種々の緩衝液に溶解したとき、この精
製ソマトトロピンは、溶液中における安定性増加および
凝集および分解に対する耐性の増加を示した。未改変タ
ンパク質と比較した場合、改変タンパク質は、7日後に
残存するモノマーpSTの量として20%も増加していた。
これらのデータは、第7図にも示してあるように、改変
pSTタンパク質の安定性増加を示す。
4.改変タンパク質の産生の確認 改変asn(173)ser(181)Δ7pST 10mgを臭化シアン
によって消化し、タンパク質内部のメチオニン残基類の
ところでこのタンパク質を切断した。これは、大ループ
を減少させずに、異なる大きさのペプチド類を2個生成
した。小さいアミノ酸12個のC末端ペプチドは、ベック
マン スフェローゲル ティーエスケイ エスダブリュ
ー(Beckman Spherogel TSK SW)300カラムを用いて
サイズ排除クロマトグラフィによって単離した。このサ
イズ排除クロマトグラフィの移動相は、1%ギ酸とし
た。クロマトグラフィによってこのC末端ペプチドを単
離した後、このペプチドをアミノ酸配列に関して、アプ
ライド バイオシステムズ477エイ(Applied Biosyste
ms477A)プロテインシークエンサーによって特性解析し
た。このシークエンサーは、製造業者の指示に従って操
作した。前記12個のアミノ酸のC末端ペプチドアミノ
は、Lys−Asn−Arg−Arg−Phe−Val−Glu−Ser−Ser−S
er−Ala−Pheであることが実験的に決定された。この配
列は、この改変タンパク質について予測された配列と一
致しており、システイン173のアスパラギンへの変化お
よびシステイン181のセリンへの変化を証明する。
5.ラジオレセプターアッセイ ラジオレセプターアッセイ(RRA)を用いて、pST分子
のそれらの細胞表面レセプター類への結合を直接測定し
た。使用した方法は、ツシマ(Tsushima)およびフリー
セン(Friesen),「ラジオレセプター アッセイ フ
ォー グロウス ハーモン」(“Radioreceptor Assay
for Growth Hormone",)ジェイ.クリン.エンドク
リノル.メタブ(J.Clin.Endocrinol.Metab.),37:334
−337(1973)によって最初に記載されたそれを改変し
たものであった。妊娠ウサギ肝ミクロゾームは、ソマト
トロピン結合タンパク質が著しく増加していることがゲ
ラシモ(Gerasimo)ら(1979)によって示されている。
その結果、これらを本アッセイに使用した。ブタソマト
トロピンの本アッセイのさらなる最適化および特定解析
については、チャン(Chung)およびエサートン(Ether
ton)(1986)によって記載されている。改変Δ7pST 1
mg/mlの試料を調製し、I 125によって標識した。未改
変研究用標準Δ7pSTを対照として用い、結合活性推定に
使用した。パラメータ4個のロジスティック式をデータ
解析に使用した。この4個のパラメータ類は、ALLFIT
(デレーン(Delean)ら,1977)を用いる各排除曲線に
ついて計算した。2つの別々のアッセイにおける改変as
n(173)ser(181)Δ7pST分子は、対照の結合活性の19
0%および225%を有していた。
6.タンパク質安定性 改変Δ7pSTまたはΔ7pST(1重量部)のL−アルギニ
ン、遊離塩基(3部)およびショ糖の直接圧縮可能形態
であるDestab(1重量部)との製剤をキー インターナ
ショナル(Key International)単発式プレスを用いて
混合圧縮し、直径4mmの100mgペレットを得た。ペレット
3個を事前に切断したシリコン管中に挿入し、その管の
1端でガラスビーズで密封した。微多孔性ポリエチレン
ディスクを多端に挿入した。これらのインプラント類
を、10mMリン酸緩衝生理食塩水(pH:7.4)中に入れ、溶
液を換え、毎日分析した。これらの溶液をFPLCによって
分析し、pST含有インプラント中において、モノマータ
ンパク質の17%が、7日後に放出されていたことが示唆
された。改変pST含有製剤は、同一期間内においてモノ
マーの37%を放出した。これらのデータは、アルカリ性
条件下で、この改変pSTが、凝集を低下させかつ放出さ
れた生体活性タンパク質量を増加させることが示唆さ
れ、第8図に示してある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:19) A61K 37/36 (72)発明者 ルビネリ,ピーター・エム アメリカ合衆国、60655 イリノイ州、 シカゴ、サウス・トールマン・アベニュ ー 10419 (72)発明者 オウアー,ヘンリー・イー アメリカ合衆国、02138 マサチューセ ッツ州、ケンブリッジ、コンコード・ア ベニュー 763ディ (72)発明者 シーリー,ジェイムズ・イー アメリカ合衆国、47802 インディアナ 州、テールオート、トロイ・コート 7389 (56)参考文献 欧州特許出願公開355460(EP,A 1) 欧州特許出願公開104920(EP,A 1) 欧州特許出願公開103395(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Δ7ブタソマトトロピンのアミノ酸配列の
    173位および181位における天然システイン残基をそれぞ
    れAsn残基およびSer残基に置換することによって改変さ
    れた小ループ改変Δ7ブタソマトトロピンをコードする
    DNA配列。
  2. 【請求項2】以下の配列から成る請求項1記載のDNA配
    列。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載のDNA配列を
    含んで成る組換えプラスミド。
  4. 【請求項4】pPM100であることを特徴とする請求項3記
    載の組換えプラスミド。
  5. 【請求項5】請求項3記載のプラスミドで形質転換した
    組換え微生物。
  6. 【請求項6】細菌であることを特徴とする請求項5記載
    の組換え微生物。
  7. 【請求項7】さらに、温度感受性リプレッサータンパク
    質をコードするプラスミドを含んで成る請求項5記載の
    組換え微生物。
  8. 【請求項8】請求項1または請求項2記載のDNA配列に
    よってコードされるアミノ酸配列を有する小ループ改変
    Δ7ブタソマトトロピン。
  9. 【請求項9】請求項8記載の小ループ改変Δ7ブタソマ
    トトロピンと、その薬学的に許容される担体を含有す
    る、ヒトまたは動物の成長を促進するための安定かつ生
    体活性なソマトトロピン薬剤組成物。
  10. 【請求項10】凍結乾燥された請求項9記載の薬剤組成
    物。
  11. 【請求項11】請求項9記載の薬剤組成物の成長促進量
    をブタに投与することから成るブタの成長促進方法。
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