JP3287448B2 - スラグからの熱回収方法 - Google Patents
スラグからの熱回収方法Info
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Description
炉から排出されるスラグを処理する方法に関するもので
あり、さらに詳しく述べると、高温のスラグを効率良く
冷却して熱を回収する方法に係るものである。
スラグは、スラグ冷却場において自然冷却又は散水冷却
されるか、もしくは、風砕設備に空気と共に投入されて
粉砕冷却されていた。さらに、スラグを入口から出口へ
又はその逆に空気が流れるロータリクーラーに供給して
粉砕冷却することも、ボイラーの熱源として使用後に冷
却することも行われていた。
又は散水冷却する方式は大規模なスラグ冷却場が必要で
あるだけでなく、スラグから熱を回収することが困難で
あるという問題があった。又、散水冷却は水蒸気爆発を
起こすおそれもあった。風砕設備は空気を媒体としてス
ラグから熱を回収する方式であり、又、スラグをボイラ
ーの熱源として熱を回収する方式もある。しかし、いず
れも設備とその運転に多大な費用を要するという問題が
あった。従来のロータリクーラーもスラグから熱回収可
能であるが、冷却効率が低いため、大量処理には不適当
であるという問題があった。
されたものであり、その目的とするところは、高温スラ
グの大量冷却処理が可能であり、設備と運転に要する費
用が極めて少なく、熱回収の効率が高い方法を提供する
ことにある。
め、本発明が採用する手段は、金属精錬炉で発生し排出
される高温のスラグを搬送手段によってハウジング内を
入口から出口へ層状又は塊状の流れの状態で移動させ、
そのスラグの表面近傍又は内部に空気管の先端部から冷
却用空気を吹き出してスラグを冷却するとともに、これ
により昇温した空気をハウジングから加熱用空気として
排出させるようにしたことにある。ここで、金属精錬炉
とは、鉄系金属精錬における高炉、転炉、電気炉等を、
非鉄金属精錬における転炉、電気炉等を称する。また、
高温のスラグとは、溶融状態のスラグ或いは風砕設備で
処理された粒状(粉状を含む)又は塊状のスラグ若しく
はこれらの混合物を称する。
行する金属製コンベヤを使用すれば良いが、ハウジング
の一部を構成するロータリドラムを使用することが好ま
しい。スラグの流れの層中へ挿入する場合、空気管は特
に太いとスラグの流れ方向に直交してスラグの流れの抵
抗となるから、複数の空気管をスラグの流れの層断面内
に分散的に配置することが望ましい。又、空気管から吹
き出す風速は10m/sec以上とすることが望まし
い。スラグが塊状の場合は、入口に破砕機を設置して粒
状に粉砕してスラグの表面積を増大し、それにより冷却
効果を高めることが望ましい。
基づいて説明する。本発明はハウジング内を入口から出
口へスラグを搬送することができる冷却装置を使用して
実施する。図1及び図2に示すコンベヤ式冷却装置1
は、ハウジング2の入口3から出口4へ貫通する金属製
ベルト6を備えたコンベヤ5を有する。高温スラグSは
入口3に設置したホッパー8からベルト6にのせられ、
一定の速度でハウジング2の内部を進行し、出口4に設
置された排出コンベヤ9に排出される。ベルト6の両側
にはサイドプレート7が立ち、スラグSの搬送中のこぼ
れを防止する。ベルト6の下面と側面に散水装置10を
設け、ベルト6を冷却する。ハウジング1の天井には排
気口11を設け、その排気口11に排気ダクト12を連
結する。排気ダクト12を排気用送風機13の入口に連
結する。ハウジング1の外側に給気用送風機14を配置
し、その給気用送風機14の出口をハウジング1の外側
面に沿う主給気管15に連結する。その主給気管15か
ら多数の給気管16をハウジング内に配置する。各給気
管16はベルト6の上方をその進行方向に略直交する方
向に延長する。各給気管16から略等間隔で複数本の空
気管17を垂下し、その先端部18をベルト6の上面に
接近させる。
置として使用する。冷却装置1の回転するロータリドラ
ム20はハウジング2の一部を構成する。ロータリドラ
ム20とは別体の入口3からホッパー8をロータリドラ
ム20の内部に挿入する。粒状スラグSはロータリドラ
ム20の回転に伴い出口4の方へ順次移動する。処理し
たスラグはロータリドラム20とは別体の出口4から図
外の排出コンベヤに排出される。
ドラム20の外周を冷却する装置を設ける。出口4の上
に排気口11を設け、その排気口に排気ダクト12を連
結する。排気ダクト12は排気用送風機13の入口に連
結する。出口4の外側に給気用送風機14を設置し、そ
の出口に給気管16を連結する。給気管16はロータリ
ドラム20内を軸方向に通る。給気管16から多数の空
気管17を下方に軸方向から見ると角度的に分散するよ
うに分岐させ、その先端部18からロータリドラム20
の内部のスラグに冷却用空気を噴出させる。
先端部18から冷却空気を下向き太矢印で示すように噴
出すると、空気は細矢印で示すように、高温スラグSの
層内の各粒子Pの間隙を通過し、各スラグ粒子Pとの熱
交換によりスラグSを冷却する。この熱交換の材料表面
の伝熱係数(kcal/m2 hr℃)は風速の約0.7
乗に比例するから、噴出する空気の風速が大きい程、効
率の高い熱交換がなされる。このため、空気管17から
噴出する冷却用空気の風速は10m/sec以上、好ま
しくは20m/sec以上とする。先端部18はスラグ
の表面近傍又は内部に位置する。高温のスラグSとの熱
交換によって昇温した空気は、ロータリドラム20内を
通過し、排気口11から排気ダクト12を通って排気用
送風機13に至る。この加熱空気は金属精錬用原料鉱石
又は石炭、コークス等の燃料を乾燥、予熱する乾燥機の
熱源として使用する。
説明する。図示したロータリドラム式冷却装置1に金属
精錬炉(フェロニッケル精錬用電気炉)から排出され風
砕設備で処理された約1000℃のスラグを、毎時50
トンの割合で前記冷却装置1の入口3から内部に投入し
た。空気管17の先端部18から20m/sec以上の
風速で、20℃の冷却用空気をスラグ中へ噴出させた。
このようにして処理したスラグの出口4における温度は
約450℃、排気ダクト12における空気の温度は40
0℃であった。これによる回収熱量は毎時約6,00
0,000キロカロリーの割合となった。
から噴出した空気がスラグSの横断面が三日月形の層中
を通過してスラグSを冷却するから、冷却効果は良好で
あった。このテスト結果から、構造が簡単で運転も容易
なコンベヤ式又はロータリドラム式冷却装置において、
搬送中のスラグの表面近傍又は内部に空気管の先端部を
配置して本発明の方法を実施すると、これまで不可能で
あった多量のスラグの処理が可能となること、スラグの
熱も効率良く回収されること、その回収した熱は原料鉱
石又は石炭、コークス等の燃料の乾燥に使用できること
が確認された。
へ移動する高温スラグの表面近傍又は内部に配置した空
気管の先端から高速で冷却用空気を噴出し、スラグ粒子
の間隙を高速で通過させることにより、熱交換の表面伝
熱係数を増大して高効率でスラグの熱を回収する方法で
あるから、従来方法では得られなかった効果を次の通り
奏する。 1.処理に要するスペースは小さく、 2.処理に要する設備は構造が簡単で運転も容易であ
る。 3.熱回収率が高くて処理能力が大きい。 4.回収した熱は原料鉱石ヤ燃料の乾燥に有効利用する
ことができる。 5.スラグ処理のコストは大幅に低減する。
ヤ式冷却装置の一部を断面で示す正面図、
リドラム式冷却装置の一部を断面で示す側面図、
拡大して示す図、
出口, 5:コンベヤ, 6:ベルト, 7:サイドプ
レート, 8:ホッパー,9:排出コンベヤ,10:散
水装置,11:排気口,12:排気ダクト,13:排気
用送風機,14:給気用送風機,15:主給気管,1
6:給気管,17:空気管,18:先端部,20:ロー
タリドラム, P:スラグ粒子, S:スラグ
Claims (2)
- 【請求項1】 金属精錬炉から排出される高温のスラグ
から熱回収する際に、前記スラグをコンベア(5)を介
してハウジング(2)の入口(3)から出口(4)へス
ラグを移動し、その移動中の前記スラグの内部に空気管
(17)の先端部(18)を配置し、前記先端部から冷
却用空気を吹き出して前記スラグを冷却すると共に、こ
れにより昇温した空気を前記ハウジングから加熱用空気
として回収する熱回収方法において、前記空気管を垂下
して前記先端部を前記コンベアのベルト(6)の上面に
接近させることを特徴とするスラグからの熱回収方法。 - 【請求項2】 金属精錬炉から排出される高温のスラグ
から熱回収する際に、前記スラグを回転するロータリド
ラム(20)を介してハウジング(2)の入口(3)か
ら出口(4)へスラグを移動し、その移動中の前記スラ
グの内部に空気管(17)の先端部(18)を配置し、
前記先端部から冷却用空気を吹き出して前記スラグを冷
却すると共に、これにより昇温した空気を前記ハウジン
グから加熱用空気として回収する熱回収方法において、
前記空気管を下方に軸方向から見ると角度的に分散する
ように分岐させることを特徴とするスラグからの熱回収
方法。
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