JP3286496B2 - 剛体電車線用t型架台の孔明け治具 - Google Patents

剛体電車線用t型架台の孔明け治具

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JP3286496B2
JP3286496B2 JP13809695A JP13809695A JP3286496B2 JP 3286496 B2 JP3286496 B2 JP 3286496B2 JP 13809695 A JP13809695 A JP 13809695A JP 13809695 A JP13809695 A JP 13809695A JP 3286496 B2 JP3286496 B2 JP 3286496B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剛体電車線を布設する
現場において、トロリ線を支持するT型架台に精密孔明
けする際に、その孔明け位置決めと孔明け加工とのため
に用いられる孔明け治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気鉄道車両等に給電するた
めに用いられる剛体電車線としては、直列に配設されて
長手方向に延びる2以上の銅製T型架台を介してトロリ
線が支持されるものが知られている(例えば、特開平5
−270302号公報参照)。このものにおいては、図
1に示すように、互いに隣接する2つのT型架台11,
11の各端部をジョイントスプライサと呼ばれる接続部
材12で接続して上記2以上の架台11,11,…を一
体化する一方、その一体化された2以上の架台11,1
1,…の高さ方向先端側位置に取付けたイヤー部材1
3,13,…を介してトロリ線14を固定するようにな
っている。
【0003】上記T型架台11は、例えば図2に断面形
状の一例を示すように、高さ方向(図2の上下方向)の
基端側(図2の上側)位置で幅方向(図2の左右方向)
に広がるフランジ部111と、このフランジ部111の
幅方向中央位置から高さ方向先端側(図2の下側)に突
出するウェブ部112とから略T字形横断面形状になる
ように銅または銅合金により形成され、図例のものでは
上記ウェブ部112の先端部に膨出部113が形成され
たものである。上記T型架台11は、通常、定尺長(例
えば7.5m)のもので製造され、上記ジョイントスプ
ライサ12を取付けるための複数の取付孔15と、イヤ
ー部材13,13,…を取付けるための複数の取付孔1
6とがそれぞれ高精度で所定位置に予め明けられた状態
にされ、このような状態で所用本数のものが剛体電車線
の布設現場に搬入される。そして、上記ジョイントスプ
ライサ12を取付孔15に貫通させたボルトもしくはか
しめピン等の第1締結手段17で締結することにより順
次継ぎ足して線路長の全長にわたり布設され、上記イヤ
ー部材13を同様に取付孔16に貫通させたボルト等の
第2締結手段18で締結することにより上記トロリ線1
4がT型架台11,11,…に固定される。
【0004】上記T型架台の布設に当たり、T型架台1
1,11,…が定尺長に製造されているため、布設線路
の線路長に応じて端尺部分が必ず生じることになる。そ
して、この端尺部分の正確な長さは、現実に布設線路に
上記架台を順次継ぎ足して布設してみないと分からない
ため、上記取付孔が明けられていない架台、もしくは、
上記取付孔が明けられた定尺長の架台11を現場合わせ
で切断して端尺品11a(図3参照)とし、ジョイント
スプライサ用取付孔15やイヤー部材用取付孔16を隣
接する定尺長の架台11の各取付孔15,16との寸法
関係から測定した所定位置に電動ドリル等を用いて現場
で孔明け加工を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記布設現
場での孔明け加工作業においては、孔明け位置の位置決
めと、孔明け作業とに極めて多大な手間と時間とを要し
作業性の低下を招いている。
【0006】この理由として、第1に、上記トロリ線1
4には電気鉄道車両等のパンタグラフ等が当接し、その
電気鉄道車両等の移動に伴い上記パンタグラフ等がトロ
リ線14に沿って摺動しつつ給電されるため、上記トロ
リ線14やイヤー部材13の架台11,11,…に対す
る相対位置のずれが発生すると、接触面積や接触圧力が
変動して接触抵抗の変動による電気接触性が悪化しトロ
リ線14自体の集電性の低下を招くことになる。これを
防止するために、上記剛体電車線の布設に当たっては集
電特性上の要求性能からトロリ線14の真直性について
高い精度が要求され、これに伴い、複数のものを接続し
て一体化される架台11,11,…についても高い精度
の真直性が要求される。ここで、上記端尺品11aに対
する、特にジョイントスプライサ12用の取付孔15に
ついての孔明け位置が不正確であると、上記定尺長の架
台11と、端尺品の架台11aとの接続部において両架
台11,11a間に高さ方向もしくは幅方向にずれ(段
違い)が生じることになる。このため、これらに取付け
られるトロリ線14もそのずれの影響を受けて撓むこと
になる上、そのずれの部位でトロリ線14と架台11も
しくは11aとが離れたり両者の接触面積の変動を生じ
たりすることにもなる。従って、このような端尺品11
aとの接続部においても、上記の高精度の真直性を確保
するためには、上記端尺品11aに対するジョイントス
プライサ用取付孔15の孔明け作業において、その孔明
け位置について高精度の位置決めが要求され、このよう
な高精度の孔明け位置の位置決めを現場で行うには、多
大な手間と時間を要する上に熟練を要し、困難なものと
なっている。
【0007】しかも、上記孔明け位置の位置決めの基準
となる隣接する定尺長の架台11は極めて重く、また、
断面形状がT型と異形であるため、その取扱いが困難と
なる上、上記切断した端尺品11aでさえもかなりの自
重を有している。このため、上記定尺長の架台11の端
部に予め明けられている取付孔15を基準にして端尺品
11aの孔明け位置を正確に測定するという作業はより
困難なものとなっている。そして、孔明けされた取付孔
がその所定の高精度を満たしていない場合には、その端
尺品は廃棄処分にされて新たな端尺品を用意して、再
度、孔明け作業を行う必要がある。
【0008】第2に、高精度に孔明け位置の位置決めが
できたとしても、現場では電動ドリルを用いて孔明け作
業が行われるため、そのドリル刃が架台(端尺品)11
aに対し正確に直交する方向に当てられていないと、孔
明けされた取付孔の孔軸が所定のものから斜めに傾くこ
とになり、この結果、架台の真直性、ひいては、トロリ
線の真直性を高精度に保ち得ないことになる。このた
め、上記取付孔15の孔明け作業においては、上記ドリ
ル刃の方向を正確に所定の方向に向け、かつ、その方向
を孔明け終了まで維持する必要があるが、このような作
業を布設現場で行うことは困難を伴う。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、剛体電車線用
T型架台に対する孔明け作業を、布設現場においても、
高精度かつ迅速に行い得るようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、長手方向に延びるトロリ線
と、高さ方向基端側位置で幅方向に広がるフランジ部か
らウェブ部が高さ方向先端側に突出する略T字形横断面
形状を有し上記トロリ線に沿って直列に配設される2以
上のT型架台と、互いに隣接する2つの架台の各端部を
またぐよう長手方向に延び長手方向に所定間隔で予め形
成された少なくとも2つの貫通孔にそれぞれ挿通された
締結手段が上記各端部を貫通して締結されることにより
上記2つの架台を互いに連結して上記2以上の架台を一
体化する接続部材とからなり、上記一体化された2以上
の架台の高さ方向先端側位置に上記トロリ線が支持され
る剛体電車線を布設するために用いるものであって、上
記T型架台の長手方向端部に対し、上記締結手段が貫通
する取付孔を孔明けするために用いる孔明け治具を対象
とする。
【0011】そして、上記架台の高さ方向基端側から先
端側までの寸法に対応する高さを有し、その架台の幅方
向基準面として予め設定された幅方向一側に向いた面に
当接するよう上記架台に沿って長手方向に延びるベース
部材と、上記架台の長手方向基準面としての長手方向一
端面に当接するよう、上記ベース部材の長手方向一端部
から上記架台の幅方向他側に突出する長手方向位置決め
部材と、上記架台の高さ方向基準面として予め設定した
高さ方向先端側に向いた面に高さ方向先端側から当接す
るよう、上記ベース部材の長手方向中間位置から上記架
台の幅方向他側に突出する少なくとも1の高さ方向位置
決め部材と、上記ベース部材が上記架台の幅方向基準面
に、上記長手方向位置決め部材が上記架台の長手方向一
端面に、上記高さ方向位置決め部材が上記架台の高さ方
向基準面にそれぞれ当接した状態を保つよう、上記ベー
ス部材の長手方向中間位置に固定されて上記高さ方向基
準面よりも高さ方向基端側位置の架台を高さ方向基端側
から先端側に押圧することにより上記ベース板を架台に
対し保持する少なくとも1の保持手段とを備える。加え
て、上記架台の高さ方向基準面から上記取付孔までの距
離と等しい寸法だけ上記高さ方向位置決め部材から高さ
方向に離れたベース部材の位置であって、上記長手方向
位置決め部材から長手方向に上記接続部材の貫通孔間隔
に応じた寸法だけ離れた位置に架台の幅方向に分厚くな
るよう少なくとも1の厚肉部を設ける。これに対し、上
記締結手段の外径に対応した内径を有し、上記厚肉部を
架台のウェブ部に直交する方向に貫通するようガイド孔
を形成する構成とするものである。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、T型架台の幅方向一側に向いた面を、フラ
ンジ部の幅方向一側面とするものである。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、T型架台の高さ方向先端側に向いた面を、
フランジ部の高さ方向先端側の面、及び、ウェブ部の高
さ方向先端側の端面の内、少なくとも一方の面とするも
のである。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、高さ方向位置決め部材として、ベース部材
の高さ方向先端側位置から架台の幅方向他側に向けてウ
ェブ部の高さ方向先端側の端面に当接するよう突出した
突出片と、この突出片の突出端から高さ方向基端側に上
記ウェブ部の幅方向他側に向いた面に当接するよう突出
する挟持片とを備える構成とするものである。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、高さ方向位置決め部材として、ベース部材
にその高さ方向基端側から先端側にかけて固定されて高
さ方向先端部位に突出片が固定された垂下片を備えたも
のとする。そして、上記垂下片を、上記ベース部材が保
持手段により保持された状態で高さ方向基端面が架台の
フランジ部の高さ方向先端側の面に当接するように位置
付けるものである。
【0016】また、請求項6記載の発明は、請求項1記
載の発明において、保持手段を、T型架台の高さ方向に
開閉可能で、かつ、上記架台を高さ方向位置決め部材と
の間で高さ方向両側から挟み込むことによりベース部材
を架台に対し仮固定するクランプ手段により構成するも
のである。
【0017】さらに、請求項7記載の発明は、請求項1
記載の発明において、各厚肉部と各ガイド孔とを、ベー
ス部材の各第1位置及び各第2位置にそれぞれ貫通して
形成された複数の保持孔と、各保持孔に内嵌状態にされ
て着脱可能に保持されたガイドアダプタと、このガイド
アダプタに貫通して形成されたガイド孔とから構成し、
上記ガイドアダプタを、上記内嵌状態でベース部材から
架台の幅方向に突出し得る厚みを有する構成とするもの
である。
【0018】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
ベース部材をT型架台の幅方向基準面として予め設定し
た幅方向一側に向いた面に、長手方向位置決め部材を長
手方向基準面としての架台の長手方向一端面に、高さ方
向位置決め部材を高さ方向基準面として予め設定した架
台の高さ方向先端側に向いた面にそれぞれ当接させた状
態で、保持手段により孔明け治具を上記架台に対し保持
させると、厚肉部のガイド孔が接続部材用取付孔の孔軸
延長上に位置決めされることになる。この場合、架台の
長手方向一端面を長手方向基準面として、これに長手方
向位置決め部材を当接させるようにしているため、隣接
する定尺長の架台の取付孔を基準にすることなく、上記
ガイド孔の長手方向位置が正確に定まる。また、高さ方
向位置決め部材を架台の上記架台の高さ方向先端側に向
いた面に当接させることにより、上記ガイド孔の高さ方
向位置が正確に定まることになる。そして、保持手段に
より孔明け治具を架台に対して保持させることにより、
孔明け作業の期間中、上記各ガイド孔が架台に対し所定
の相対位置に位置付けられた状態に仮固定されることに
なる。このため、端尺品に接続部材用取付孔を孔明けす
る場合であっても、その孔明け位置の位置決めについ
て、隣接する定尺長の架台との関係を考慮せずに端尺品
単独で作業が可能になる上に、上記各部材を所定面に当
接させて保持手段でその状態を保持させるだけで孔明け
位置が確実に所定位置に定まる。
【0019】しかも、上記ガイド孔が厚肉部に形成され
てその厚肉部に相当する孔長さを有し、かつ、そのガイ
ド孔が架台のウェブ部に直交する方向に貫通されている
ため、このガイド孔にドリル刃を挿通させるだけで上記
ドリル刃の方向が正確に所定方向に向き、かつ、そのド
リル刃が前進してもガイド孔にガイドされてドリル刃の
方向が一定方向に保たれる。
【0020】従って、孔明け位置の位置決めと、位置決
めされた孔位置への孔明け作業とを迅速にかつ高精度に
行うことが可能になり、作業性の向上が図られる。
【0021】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、幅方向基準面となるT型
架台の幅方向一側に向いた面がフランジ部の幅方向一側
面に特定されているため、T型架台の長手方向に対しベ
ース部材をより確実に平行に添わせることが可能にな
る。
【0022】請求項3記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、高さ方向基準面となるT
型架台の高さ方向先端側に向いた面が、フランジ部の高
さ方向先端側の面、及び、ウェブ部の高さ方向先端側の
端面の内、少なくとも一方の面に特定されているため、
接続部材用取付孔の各孔明け位置の高さ方向位置がより
確実に定まる。
【0023】請求項4記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、高さ方向位置決め部材
が、ベース部材から架台の幅方向他側に向けてウェブ部
の高さ方向先端側の端面に当接するよう突出した突出片
と、この突出片の突出端から高さ方向基端側に上記ウェ
ブ部の幅方向他側に向いた面に当接するよう突出する挟
持片とを備えているため、上記突出片を高さ方向基準面
となる上記ウェブ部の高さ方向先端側の端面に当接させ
ることにより、架台に対するベース板の高さ方向の相対
位置が所定のものに定まる。そして、上記挟持片を上記
ウェブ部の幅方向他側に向いた面に当接させることによ
り、この挟持片と、架台の幅方向一側の面に当接させた
ベース部材とで架台を幅方向両側から挟み込むことにな
る。これにより、孔明け治具が架台に対しより確実に保
持させ得ることになる。
【0024】請求項5記載の発明では、上記請求項4記
載の発明による作用に加えて、高さ方向位置決め部材
が、ベース部材にその高さ方向基端側から先端側にかけ
て固定されて高さ方向先端部位に突出片が固定された垂
下片を備え、その垂下片が上記ベース部材が保持手段に
より保持された状態で高さ方向基端面が架台のフランジ
部の高さ方向先端側の面に当接するように位置付けられ
ているため、上記垂下片の高さ方向基端面を高さ方向基
準面となる上記フランジ部の高さ方向先端側の面に当接
させることにより、突出片による相対位置決めに加え、
架台に対するベース板の高さ方向の相対位置がより確実
に定まる。しかも、このような2つの高さ方向基準面に
当接する高さ方向位置決め部材として、略Lの字形のも
のをベース部材の所定位置に固定するだけで形成するこ
とが可能になる。
【0025】また、請求項6記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、保持部材が、T型
架台の高さ方向に開閉可能で、かつ、上記架台を高さ方
向位置決め部材との間で高さ方向両側から挟み込むこと
によりベース部材を架台に対し保持するクランプ手段に
より構成されているため、孔明け治具を架台に対しガイ
ド孔が所定位置に位置付けられた状態に仮固定すること
が容易かつ確実に行われ、孔明け作業終了後の取り外し
も容易になる。
【0026】さらに、請求項7記載の発明では、上記請
求項1記載の発明による作用に加えて、厚肉部が、ベー
ス部材に貫通して形成された保持孔に対し内嵌されて着
脱可能に保持されたガイドアダプタにより構成されてい
るため、ガイド孔を形成するための厚肉部の形成が容易
になる。そして、上記ガイドアダプタが、上記内嵌状態
でベース部材から架台の幅方向に突出し得る厚みを有し
ているため、ガイド孔内に挿通されるドリル刃を所定方
向に位置付け、かつ、その所定方向に維持してガイドす
ることが確実になる。また、上記ガイドアダプタが保持
孔に対し着脱可能に保持されているため、ドリル刃を挿
通させて孔明け作業を繰り返すことによりガイド孔が磨
耗した場合や、異なる内径の取付孔を明けるために異な
る径のドリル刃を用いる必要がある場合等に、新たなガ
イドアダプタやガイド孔の孔径の異なる他のガイドアダ
プタに交換することが可能となり、交換することで上記
の各場合に容易に対処することが可能になる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0028】<孔明け治具1の構成>図4〜図7は、本
発明の実施例に係る剛体電車線用T形架台の孔明け治具
1を示すものである。同図において、2はベース部材、
3は長手方向位置決め部材、4は高さ方向位置決め部
材、5は保持手段としてのクランプ手段、6,6はそれ
ぞれガイド孔7を有するガイドアダプタであり、上記各
ガイドアダプタ6によって厚肉部が構成されている。以
下に、上記の各構成部材2,3,…について詳細に説明
する。
【0029】なお、以下の説明では、孔明け対象を端尺
品のT型架台11aとし、かつ、そのT型架台11aが
図2に示すように上下方向に配置されている場合につい
て説明するが、上記T型架台11aが長手方向の軸回り
に90度倒されて横向きに配置されている場合にはそれ
に合わせて孔明け治具1も長手方向軸回りに90度倒し
た状態が対応するものである。従って、図7において、
図面の上下方向が高さ方向、図面の左右方向が幅方向、
図面の紙面に直交する方向が長手方向であるとして、以
下の説明を行う。また、この実施例は、図2に示すT型
架台11aのフランジ部111の幅方向一側に向いた面
(一側面)111aを幅方向基準面に、上記フランジ部
111の高さ方向先端側に向いた面(下面)111bも
しくはウェブ部112の高さ方向先端側の端面(膨出部
113の端面)113aを高さ方向基準面に、上記架台
11aの長手方向一端面114(図3参照)を長手方向
基準面にそれぞれ設定して構成したものである。
【0030】上記ベース部材2は、T型架台11aの高
さ方向基端側(上端側)から先端側(下端側)までの寸
法よりやや大きい高さを有し、その架台11aの長手方
向に一直線状に延びる平面板により構成されたものであ
る。このベース部材2は、少なくとも上記架台11aに
相対向する側の面が厳格に平坦になるように仕上げられ
たベース面21とされており、これにより、そのベース
面21の上端側の長手方向に延びる上端部分22が、上
記架台11aのフランジ部111の一側面111aに密
着して当接するようになっている。
【0031】そして、上記ベース部材2には、長手方向
右端23側の上端側所定位置に上記各ガイドアダプタ6
を内嵌させて保持する2つの保持孔24,24が長手方
向に所定間隔で貫通して形成されている。上記2つの保
持孔24,24は、その孔心がベース部材2の右端23
位置から長手方向に順に寸法L1 /2、L1 の距離に位
置付けられるように明けられており(図6参照)、この
L1 の寸法はジョイントスプライサ12の4つの第1締
結手段17,17,…の長手方向間隔L1 (図1参照)
に等しく設定されている。加えて、上記2つの保持孔2
4,24は、その孔心が高さ方向位置決め部材4の後述
の突出片42の上面42a位置から上方にH1 (図6参
照)の距離に位置付けられており、この寸法H1 は架台
11a(図2参照)の膨出部113の端面113aから
取付孔15の孔心位置までの寸法H1 に等しく設定され
ている。
【0032】また、上記ベース部材2には、上記各クラ
ンプ手段5をベース部材2に固定するためのねじ孔2
5,25,…と、上記各ガイドアダプタ6をベース部材
2に着脱可能に固定するためのねじ孔26,26,…と
がそれぞれねじ溝切りされた状態で形成されている。
【0033】上記長手方向位置決め部材3は、上記ベー
ス部材2の右端23に対し、この右端23から幅方向他
側、すなわち、架台11a側に突出するように配置され
てねじ31,31により固定されたものである。そし
て、上記長手方向位置決め部材3の内面32が平坦にさ
れて上記ベース部材2のベース面21との内角が正確に
直角になるように形成されており、これにより、上記ベ
ース部材2の上端部分22を架台11aのフランジ部1
11の側面111aに当接させた状態で、上記内面32
が架台11aの一端面114に密着して当接し得るよう
になっている。
【0034】上記高さ方向位置決め部材4は、上記ベー
ス部材2の長手方向略中央位置に設けられたものであ
り、ベース部材2のベース面21に対し上下方向に溶着
等の手段により固定された垂下片41と、この垂下片4
1の下端から幅方向他側側に架台11a(図7参照)の
膨出部113の幅方向長さに等しい長さだけ突出する突
出片42と、この突出片42の突出端から上方に突出す
る挟持片43とからLの字状に構成されたものである。
図例では、上記垂下片41と突出片42とを一体に形成
する一方、上記挟持片43を突出片42の突出端に対し
ねじ43a,43aにより取付けたものを示している
が、全てを一体物で形成してもよい。
【0035】上記高さ方向位置決め部材4のベース部材
2に対する相対固定位置は、上記突出片42の上面42
aと、上述の各保持孔24の孔心位置との高さ方向に対
する相対位置関係に基づいて定められている。すなわ
ち、上記各保持孔24の孔心の高さ方向(上下方向)位
置について説明したように、上記上面42a位置を基準
にして各保持孔24がH1 の寸法だけ上方位置に位置付
けられるように上記突出片42の固定位置が定められて
いる。加えて、上記垂下片41の高さ方向基端面である
上端面41aが、上記突出片42の上面42a位置から
上方にH2 (図6参照)、すなわち、架台11aの膨出
部113の端面113aからフランジ部111の下面1
11bまでの距離H2 (図2参照)と等しいの距離の位
置に位置付けられており、これにより、突出片42の上
面42a(図7参照)が架台の膨出部113の端面11
3aに当接したときに、垂下片41の上端面41aがフ
ランジ部111の下面111bに当接し得るようになっ
ている。また、上記挟持片43は、各ねじ43aを締め
付けることにより垂下片41側に向いた内面43bが架
台11aの膨出部113の幅方向他側に向いた面113
bに当接し得るようにされており、上記膨出部113を
挟持片43と垂下片41とで幅方向両側から挟み付ける
ようになっている。
【0036】なお、上記突出片42の上面42a、もし
くは、垂下片41の上端面41aのいずれか一方または
双方の長手方向幅を広くする程、後述のクランプ手段5
による仮固定をより安定的に行い得る。
【0037】上記両クランプ手段5は、上記ベース部材
2に対し上記各高さ方向位置決め部材4と同じ長手方向
位置に配設されたものであり、レバー51と、このレバ
ー51の先端に長手方向の軸回りに回転可能に連結され
たL字状のクランプアーム52と、このクランプアーム
52の先端部に進退可能に取付けられたクランプボルト
53と、ねじ54a,54a,…をねじ孔25にねじ込
むことによりベース部材2に固定されたブラケット54
と、上記レバー51を支持する支持アーム55とを備え
たものである。上記クランプアーム52の基端部が上記
軸と平行な軸回りに回転可能に上記ブラケット54に連
結される一方、上記支持アーム55が上記レバー51と
ブラケット54とにそれぞれ上記軸と平行な軸回りに回
転可能に連結され、これらクランプアーム52と支持ア
ーム55とレバー51とのリンク機構によって上記クラ
ンプボルト53が架台11aに対し開閉可能に作動する
ようになっている。すなわち、レバー51を上げること
によりクランプボルト53が上り開状態(図7に一点鎖
線で、図4に実線で示す状態)になり、上記レバー51
を下げることにより上記クランプボルト53が下がり架
台11aのフランジ部111を垂下片41の上端面41
aとの間で挟み付けた閉状態(図7に実線で示す状態)
になるようになっている。上記クランプボルト53は、
軸回りに回転することにより前進・後退作動が可能にな
っており、その進退位置を調整することにより上記閉状
態のときに孔明け治具1が架台11aに対し相対的にず
れを生じないように上記フランジ部111を下方に押圧
して上記孔明け治具1を仮固定するようになっている。
なお、架台11aへの当たり面となる上記クランプボル
ト53の先端面53aにゴム部材を取付けるようにして
もよい。
【0038】上記各ガイドアダプタ6は、図8に詳細を
示すように、小径部61と、大径部62と、内部を貫通
するガイド孔7とを有する円筒ブロック状のものであ
り、これら小径部61と大径部62とガイド孔7とがガ
イド孔7の孔軸Wに対し同軸に配置されて構成されたも
のである。上記小径部61は第1保持孔24に密に内嵌
し得る外径を有し、上記大径部62は保持孔24の内径
より所定寸法大径の外径を有している。そして、上記小
径部61と大径部62との境界がドーナッツ形の平坦面
を有する段部63とされ、上記小径部61を保持孔24
に幅方向一側、すなわち、図8の左側から内嵌させて上
記段部63をベース部材2に当接させた状態で上記大径
部62を貫通する六角穴付きねじ64,64をそれぞれ
ねじ孔26にねじ込むことにより、上記各ガイドアダプ
タ6はベース部材2に対し着脱可能に固定されるように
なっている。従って、上記各ガイドアダプタ6は、保持
孔24に内嵌状態で取付けられることにより、上記ガイ
ド孔7の孔軸Wが保持孔24の孔心に一致した状態に配
設されるようになっている。
【0039】上記小径部61及び大径部62は架台11
aの幅方向に対し所定の長さを有するように形成され、
これにより、ガイド孔7の孔軸Wに沿った長さがこのガ
イド孔7に挿通される図示省略の電動ドリルのドリル刃
を一定方向に維持しかつガイドし得るようにされてい
る。加えて、上記小径部61の上記孔軸Wに沿う長さ
は、上記ベース部材2に固定された状態でベース面21
から架台11aの幅方向他側、すなわち、図面の右側に
所定寸法突出して架台11aのウェブ部112に近付い
た位置まで突出するように設定されている。
【0040】そして、上記ガイド孔7は、架台11aの
取付孔15の内径を削孔するためのドリル刃の外径とほ
ぼ同じ内径を有し、その孔軸Wが架台11の高さ方向に
延びる中心軸Yに対し直交するように形成されている。
【0041】次に、以上説明したベース部材2、長手方
向位置決め部材3、高さ方向位置決め部材4、クランプ
手段5、ガイドアダプタ6、及び各種ねじ31,54
a,64等を形成する材料について説明すると、原則と
しては、例えば鋼により全ての部材を形成してもよく、
所要強度が確保されるならばプラスチックスにより形成
してもよい。ここで、対象であるT形架台11aが、一
般には銅により形成されたものであるため、この架台1
1aに悪影響のないように定めるのが好ましく、架台1
1aの一端面114aと接触する長手方向位置決め部材
3と、膨出部113と接触する高さ方向位置決め部材4
とを、例えばステンレス鋼、中でもSUS303(JI
S)により形成するのが好ましい。また、ベース部材2
や各種ねじ31等は、孔明け治具1全体の軽量化や、布
設現場で使用されることから耐食性の観点から定めれば
よく、例えばアルミニウム鋼もしくはステンレス鋼によ
り形成すればよい。中でも、上記ベース部材の素材とし
ては孔明け治具1の全体重量に与える影響が高いことか
ら、アルミニウム鋼がよく、さらに、それにアルマイト
処理を加えたものが好ましい、一方、ガイドアダプタ6
は、ガイド孔7に挿通されるドリル刃による損耗を防止
する観点から硬材質のもので形成するのがよく、例えば
ダイス鋼(SKD11)により形成すれば耐摩耗性の向
上を図ることができる。
【0042】<孔明け治具の作用・効果>まず、上記孔
明け治具1の架台11aに対するセッティングの手順の
一例について説明すると、クランプ手段5をそれぞれ開
状態にし、ベース部材2を架台11aの長手方向一端部
に対し幅方向一側からその架台11aのやや下位置に添
わせる。そして、孔明け治具1を架台11aの下側から
すくい上げるようにして持ち上げて、高さ方向位置決め
部材4の突出片42の上面42aに上記架台11aの膨
出部113の端面113aを当接させ、同時に垂下片4
1の上端面41aにフランジ部111の下面111bを
当接させる。この状態で孔明け治具1全体を長手方向に
静かに移動させて、長手方向位置決め部材3の内面32
を架台11aの一端面114に当接させ、上記クランプ
手段5を閉状態にする。これにより、孔明け治具1の架
台11aに対する仮固定が行われると同時に、孔明け位
置の位置決めが終了する。すなわち、ベース部材2のベ
ース面21が架台11aの中心軸Yに対し確実に平行な
状態にされ、かつ、ガイド孔の孔軸Wがそれぞれ上記中
心軸Yに対し確実に直交する方向に配置される。
【0043】上記手順の作業の際、各高さ方向位置決め
部材4の挟持片43のねじ43aを予め緩めた状態にし
ておき、クランプ手段5を閉状態にする直前もしくは直
後に上記ねじ43aを締め付けて上記挟持片43で膨出
部113を幅方向両側から挟み付けるようにしてもよ
い。これにより、上記孔明け治具1の架台11aに対す
るセッティングの容易化、及び、架台11aに対するよ
り確実な位置決めを図ることができる。
【0044】次に、電動ドリルを用い、各ガイドアダプ
タ6のガイド孔7に所定径のドリル刃を挿通させて、架
台11aの取付孔15、つまり、ジョイントスプライサ
12を固定するための第1締結手段17用の取付孔15
の孔明けを行う。この場合、上記孔明け治具1が架台1
1aに対し仮固定された状態では、上記取付孔15用の
孔明け位置は、長手方向位置が架台11aの一端面11
4を基準にして、高さ方向位置が膨出部113の端面1
13aを基準にしてそれぞれ確実に位置決めされ、しか
も、上記の如くガイド孔7の孔軸W方向が架台の中心軸
Yに対し確実に直交した状態になっており、かつ、ドリ
ル刃がガイド孔7によって確実に一定方向に保たれるた
め、上記ドリル刃をガイド孔7内に沿って前進させるだ
けで、高精度の孔位置にかつ傾き等のない取付孔15を
明けることができる。
【0045】従って、上記孔明け治具1によれば、布設
現場における孔明け作業であっても、架台11aに対
し、ジョイントスプライサ12取付け用の取付孔15
を、隣接する他の架台11との関係を考慮することなく
孔明け対象の架台11a単独で、高精度にかつ迅速に孔
明けすることができ、作業性の大幅な向上を図ることが
できる。これによって、定尺長の架台11と端尺品の架
台11aとの接続部においても、高精度の真直性を維持
した状態にすることができる。
【0046】さらに、繰り返しの使用によりガイド孔7
が摩耗した場合であっても、ねじ64により新たなもの
と容易に交換することができ、孔明け治具1の耐久性を
向上させることができる。また、ガイド孔7について予
め異なる孔径の他のガイドアダプタを用意しておけば、
それらのガイドアダプタをねじ64で交換するだけで孔
径の変更に容易にかつ素早く対応することができる。
【0047】なお、イヤー部材13用の取付孔16は、
他の治具を用いて、もしくは、端尺品の架台11aを定
尺長の架台11に接続した後に原寸合わせで孔明けすれ
ばよい。
【0048】<他の態様>なお、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含す
るものである。すなわち、上記実施例では、架台11a
の幅方向基準面としてフランジ部111の側面111a
を、高さ方向基準面として膨出部113の端面113a
をそれぞれ採用しているが、これに限らず、架台11a
の他の面を採用してもよい。例えば、高さ方向基準面と
してフランジ部111の下面111bを採用して、この
下面111bから各保持孔24の高さ方向位置を定めて
もよい。
【0049】上記実施例では、厚肉部を、ガイドアダプ
タ6を着脱可能にベース部材2にに取付けることにより
形成しているが、これに限らず、最も単純には、上記ベ
ース部材の所定位置が厚肉になるように一体形成した
り、その位置に他の板部材もしくはブロック部材を溶着
したりして厚肉部を形成するようにしてもよい。
【0050】上記実施例では、高さ方向位置決め部材4
として、Lの字状のものを示したが、これに限らず、例
えば上記膨出部113の端面113aを高さ方向基準面
とする場合には突出片42のみにより高さ方向位置決め
部材を構成したり、または、上記フランジ部111の下
面111bを高さ方向基準面とする場合には垂下片41
の上端面41aに相当する面を形成するための凸部のみ
により構成したりしてもよい。
【0051】上記実施例では、ガイドアダプタ6として
小径部61と大径部62とを有する円筒状のものを示し
たが、これに限らず、例えば、単なる円筒状、もしく
は、単なる角筒状のもので構成してもよい。
【0052】上記実施例では、高さ方向位置決め部材4
とクランプ手段5とをベース部材2の同じ長手方向位置
に設けて組み合わせたものを1つ示しているが、これに
限らず、例えば上記組み合わせたもの2つを長手方向に
互いに離して設けるようにしてもよい。また、1つの高
さ方向位置決め部材と、その長手方向両側位置に配設し
た2つのクランプ手段との組み合わせ、または、2つの
高さ方向位置決め部材と、その中間位置に配設した1つ
のクランプ手段との組み合わせをベース部材に設けるよ
うにしてもよい。
【0053】また、上記実施例では、図2に示す断面形
状のT型架台11aを孔明け対象として説明したが、こ
れに限らず、他の断面形状のT型架台に対して適用して
もよい。
【0054】さらに、上記実施例では、保持手段として
クランプ手段を示したが、これに限らず、例えば、ベー
ス部材2を架台11aに対し着脱可能に仮固定し得るも
のであればいずれのものでもよく、例えば、ベース部材
2から上方に延びる逆Lの字状のブラケットをベース部
材2に固定し、このブラケットの先端部に対し架台11
aのフランジ部111の上面に向けて上下方向に進退す
るようにボルトをねじ込んだものにより、保持手段を構
成してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における剛体電車線用T型架台の孔明け治具によれ
ば、予め工場で接続部材用取付孔が高精度に孔明け加工
された架台に対し、布設現場において、孔明けされてい
ない端尺の架台に対し上記接続部材用取付孔を孔明けす
る場合であっても、隣接する定尺長の架台の取付孔を基
準にすることなく上記端尺の架台単独で接続部材用取付
孔の孔明け位置の位置決め作業を行うことができ、ま
た、孔明け治具を上記端尺の架台に対し各位置決め部材
を所定の基準面に当接させて保持手段により仮固定する
だけで上記孔明け位置を高精度に位置決めすることがで
きる。しかも、ガイド孔がベース部材の厚肉部に対し架
台のウェブ部に直交する方向に貫通されているため、こ
のガイド孔にドリル刃を挿通させるだけで上記ドリル刃
の方向を正確に所定方向に向けることができ、かつ、そ
のドリル刃の前進による孔明け作業中、ドリル刃の方向
を確実に一定方向に保つことができる。従って、孔明け
位置の位置決めと、位置決めされた孔位置への孔明け作
業とを迅速にかつ高精度に行うことができ、作業性の大
幅な向上を図ることができる。
【0056】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、幅方向基準面となる
T型架台の幅方向一側に向いた面をフランジ部の幅方向
一側面に特定しているため、T型架台の長手方向に対し
ベース部材をより確実に平行に沿わせることができる。
【0057】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、高さ方向基準面とな
るT型架台の高さ方向先端側に向いた面を、フランジ部
の高さ方向先端側の面、及び、ウェブ部の高さ方向先端
側の端面の内、少なくとも一方の面に特定しているた
め、接続部材用取付孔の孔明け位置の高さ方向位置をよ
り確実に定めることができる。
【0058】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、高さ方向位置決め部
材として、ベース部材から架台の幅方向他側に向けてウ
ェブ部の高さ方向先端側の端面に当接するよう突出した
突出片と、この突出片の突出端から高さ方向基端側に上
記ウェブ部の幅方向他側に向いた面に当接するよう突出
する挟持片とを備えたものとしているため、上記突出片
を高さ方向基準面となる上記ウェブ部の高さ方向先端側
の端面に当接させることにより、架台に対するベース板
の高さ方向の相対位置を所定のものに確実に定めること
ができる。加えて、上記挟持片を上記ウェブ部の幅方向
他側に向いた面に当接させることにより、孔明け治具を
架台に対し、より確実に保持させることができる。
【0059】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の発明による効果に加えて、高さ方向位置決め部
材を、ベース部材にその高さ方向基端側から先端側にか
けて固定されて高さ方向先端部位に突出片が固定された
垂下片を備えたものとし、その垂下片を上記ベース部材
が保持手段により保持された状態で高さ方向基端面が架
台のフランジ部の高さ方向先端側の面に当接するように
位置付けているため、上記垂下片の高さ方向基端面を高
さ方向基準面となる上記フランジ部の高さ方向先端側の
面に当接させることにより、突出片による相対位置決め
に加え、架台に対するベース板の高さ方向の相対位置を
より確実に定めることができる。しかも、このような2
つの高さ方向基準面に当接する高さ方向位置決め部材と
して、略Lの字形のものをベース部材の所定位置に固定
するだけで、容易に形成することができる。
【0060】また、請求項6記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明による効果に加えて、保持部材が、
T型架台の高さ方向に開閉可能で、かつ、上記架台を高
さ方向位置決め部材との間で高さ方向両側から挟み込む
ことによりベース部材を架台に対し保持するクランプ手
段により構成されているため、孔明け治具を架台に対し
各ガイド孔が所定位置に位置付けられた状態に仮固定す
ることが容易かつ確実に行われ、孔明け作業終了後の取
り外しも容易になる。
【0061】さらに、請求項7記載の発明によれば、上
記請求項1記載の発明による効果に加えて、厚肉部を、
ベース部材に貫通して形成された保持孔に対し内嵌され
て着脱可能に保持されたガイドアダプタにより構成して
いるため、ガイド孔を形成するための厚肉部の形成を容
易に行うことができる。そして、上記ガイドアダプタ
を、上記内嵌状態でベース部材から架台の幅方向に突出
し得る厚みにしているため、ガイド孔内に挿通されるド
リル刃を所定方向に位置付け、かつ、その所定方向に維
持してガイドすることをより確実に行うことができる。
また、上記ガイドアダプタを保持孔に対し着脱可能に保
持させているため、ドリル刃を挿通させて孔明け作業を
繰り返すことによりガイド孔が磨耗した場合や、異なる
内径の取付孔を明けるために異なる径のドリル刃を用い
る必要がある場合等に、新たなガイドアダプタやガイド
孔の孔径の異なる他のガイドアダプタに容易に交換する
ことができ、交換することで上記の各場合に容易に対処
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】剛体電車線の正面図である。
【図2】図1のA−A線における拡大断面図である。
【図3】架台のみを抜き出して配設した図1対応図であ
【図4】本発明の実施例に係る孔明け治具の斜視図であ
る。
【図5】クランプ手段が閉状態のときの孔明け治具の平
面図である。
【図6】クランプ手段が閉状態のときの孔明け治具の正
面図である。
【図7】図6のB−B線における拡大断面図である。
【図8】図6のC−C線における一部省略拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 孔明け治具 2 ベース部材 3 長手方向位置決め部材 4 高さ方向位置決め部材 5 クランプ手段(保持手段) 6 ガイドアダプタ(厚肉部) 7 ガイド孔 11,11a T型架台 12 ジョイントスプライサ(接続部材) 14 トロリ線 15 取付孔 17 第1締結手段(締結手段) 24 保持孔 41 垂下片 42 突出片 43 挟持片 111 フランジ部 111a フランジ部の側面(幅方向一側に向い
た面) 111b フランジ部の下面(高さ方向先端側に
向いた面) 112 ウェブ部 113 膨出部(ウェブ部の高さ方向先端部) 113a 膨出部の端面(ウェブ部の高さ方向先
端側の端面) 114 架台の長手方向一端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−80051(JP,A) 特開 平7−166503(JP,A) 特開 平5−345210(JP,A) 特開 平3−228391(JP,A) 実開 平1−87813(JP,U) 実開 平1−87812(JP,U) 実公 昭29−13903(JP,Y1) 実公 昭40−12165(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60M 1/28 B60M 1/30 E01B 27/00 - 37/00 B23B 49/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に延びるトロリ線と、高さ方向
    基端側位置で幅方向に広がるフランジ部からウェブ部が
    高さ方向先端側に突出する略T字形横断面形状を有し上
    記トロリ線に沿って直列に配設される2以上のT型架台
    と、互いに隣接する2つの架台の各端部をまたぐよう長
    手方向に延び長手方向に所定間隔で予め形成された少な
    くとも2つの貫通孔にそれぞれ挿通された締結手段が上
    記各端部を貫通して締結されることにより上記2つの架
    台を互いに連結して上記2以上の架台を一体化する接続
    部材とからなり、この一体化された2以上の架台の高さ
    方向先端側位置に上記トロリ線が支持される剛体電車線
    を布設するために、 上記T型架台の長手方向端部に対し、上記締結手段が貫
    通する取付孔を孔明けするために用いる孔明け治具であ
    って、 上記架台の幅方向基準面として予め設定された幅方向一
    側に向いた面に当接するよう上記架台に沿って長手方向
    に延びるベース部材と、 上記架台の長手方向基準面としての長手方向一端面に当
    接するよう、上記ベース部材の長手方向一端部から上記
    架台の幅方向他側に突出する長手方向位置決め部材と、 上記架台の高さ方向基準面として予め設定した高さ方向
    先端側に向いた面に高さ方向先端側から当接するよう、
    上記ベース部材の長手方向中間位置から上記架台の幅方
    向他側に突出する少なくとも1の高さ方向位置決め部材
    と、 上記ベース部材が上記架台の幅方向基準面に、上記長手
    方向位置決め部材が上記架台の長手方向一端面に、上記
    高さ方向位置決め部材が上記架台の高さ方向基準面にそ
    れぞれ当接した状態を保つよう、上記ベース部材の長手
    方向中間位置に固定されて上記高さ方向基準面よりも高
    さ方向基端側位置の架台を高さ方向基端側から先端側に
    向けて押圧することにより上記ベース板を架台に対し保
    持する少なくとも1の保持手段と、 上記架台の高さ方向基準面から上記取付孔までの距離と
    等しい寸法だけ上記高さ方向位置決め部材から高さ方向
    に離れたベース部材の位置であって、上記長手方向位置
    決め部材から長手方向に上記接続部材の貫通孔間隔に応
    じた寸法だけ離れた位置に架台の幅方向に分厚くなるよ
    う設けられた少なくとも1の厚肉部と、 上記締結手段の外径に対応した内径を有し上記厚肉部を
    架台のウェブ部に直交する方向に貫通するよう形成され
    たガイド孔とを備えていることを特徴とする剛体電車線
    用T型架台の孔明け治具。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 T型架台の幅方向一側に向いた面は、フランジ部の幅方
    向一側面であることを特徴とする剛体電車線用T型架台
    の孔明け治具。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 T型架台の高さ方向先端側に向いた面は、フランジ部の
    高さ方向先端側の面、及び、ウェブ部の高さ方向先端側
    の端面の内、少なくとも一方の面であることを特徴とす
    る剛体電車線用T型架台の孔明け治具。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 高さ方向位置決め部材は、ベース部材の高さ方向先端側
    位置から架台の幅方向他側に向けてウェブ部の高さ方向
    先端側の端面に当接するよう突出した突出片と、この突
    出片の突出端から高さ方向基端側に上記ウェブ部の幅方
    向他側に向いた面に当接するよう突出する挟持片とを備
    えたものであることを特徴とする剛体電車線用T型架台
    の孔明け治具。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 高さ方向位置決め部材は、ベース部材にその高さ方向基
    端側から先端側にかけて固定されて高さ方向先端部位に
    突出片が固定された垂下片を備えており、 上記垂下片は、上記ベース部材が保持手段により保持さ
    れた状態で高さ方向基端面が架台のフランジ部の高さ方
    向先端側の面に当接するように位置付けられていること
    を特徴とする剛体電車線用T型架台の孔明け治具。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 保持手段は、T型架台の高さ方向に開閉可能で、かつ、
    上記架台を高さ方向位置決め部材との間で高さ方向両側
    から挟み込むことによりベース部材を架台に対し仮固定
    するクランプ手段により構成されていることを特徴とす
    る剛体電車線用T型架台の孔明け治具。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 厚肉部は、ベース部材を貫通して形成された保持孔と、
    この保持孔に内嵌状態にされて着脱可能に保持されたガ
    イドアダプタとから構成され、 上記ガイドアダプタは、上記内嵌状態でベース部材から
    架台の幅方向に突出し得る厚みを有していることを特徴
    とする剛体電車線用T型架台の孔明け治具。
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