JP3286390B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP3286390B2 JP09675193A JP9675193A JP3286390B2 JP 3286390 B2 JP3286390 B2 JP 3286390B2 JP 09675193 A JP09675193 A JP 09675193A JP 9675193 A JP9675193 A JP 9675193A JP 3286390 B2 JP3286390 B2 JP 3286390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制御装置に関
し、特に、アンチスキッドブレーキ装置とタイヤ空気圧
判定装置とを備えた車両において、タイヤ空気圧低下時
におけるブレーキ油圧の制御を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキシステムとして、制動時
の車輪のロックないしスキッド状態の発生を防止するア
ンチスキッドブレーキ装置が実用化されている。この種
のアンチスキッドブレーキ装置は、4つの車輪の車輪速
を検出する車輪速センサと、ブレーキ油圧を調整する電
磁制御弁と、車輪速センサで検出した車輪速に基いて電
磁制御弁を制御する制御装置とを有する。この制御装置
は、例えば検出車輪速に基いて車輪の加減速度を求め、
車輪減速度が所定値以下になったときには電磁制御弁を
減圧制御して制動圧を低下させると共に、制動圧の低下
によって車輪速が増大して、車輪加速度が所定値に達し
たときには上記制御弁を増圧制御することにより制動圧
を増大させる。このような一連の制動圧制御(以下、A
BS制御という)を、例えば車両が停止するまで継続す
ることにより、急制動時における車輪のロックないしス
キッド状態を防止して、車両の方向安定性を確保しつつ
短い制動距離で停止させることが可能となる。
【0003】一方、車両のタイヤの空気圧がある程度以
上低下した状態で走行することは好ましくないので、従
来より、種々のタイヤ空気圧判定装置が提案されてい
る。例えば、タイヤ空気圧をセンサで検知しタイヤ空気
圧の低下を判定するようにしたもの、或いは、タイヤ空
気圧が低下すると、空気圧が低下した車輪の回転数が増
加することから、4輪の車輪速を夫々検出する車輪速セ
ンサを設け、それら車輪速センサで検出した車輪速に基
いてタイヤ空気圧の低下を判定するようにしたもの、等
が提案されている。
【0004】例えば、特開昭63−305011号公報
には、4つ車輪の車輪速センサからの出力を用いて、対
角線上にある1対の車輪の車輪速の合計と、他の対角線
上にある1対の車輪の車輪速の合計との差が所定値以上
のときに、合計車輪速が大きい方の1対の車輪の何れか
のタイヤの空気圧が低下したと判定し、その1対の車輪
の車輪速のうちの大きい方の車輪速が、4輪の車輪速の
平均値よりも所定値以上大きいときに、その車輪の空気
圧が低下したと判定し、その判定結果を警報するように
構成したタイヤ空気圧判定装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両のタイヤ空気圧低
下時には、タイヤに作用する摩擦力が増大してタイヤの
負荷が増したり、タイヤのグリップ力が低下して制動力
が低下したりする。しかし、従来のアンチスキッドブレ
ーキ装置とタイヤ空気圧判定装置では、相互に独立に制
御するように構成してあるので、タイヤ空気圧低下に適
したアンチスキッド制御を行うことができないという問
題がある。例えば、タイヤ空気圧低下状態では、空気圧
が低下した車輪のグリップ力が低下して、走行安定性が
低下したり、空気圧が低下したタイヤの摩耗が著しくタ
イヤの信頼性低下を招く。本発明の目的は、タイヤ空気
圧低下時に空気圧低下に適したアンチスキッド制御を行
うことのできるような車両の制御装置を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両の制御装
置は、車輪速検出手段で検出された車輪速に基づいてブ
レーキ油圧を増減させるブレーキ油圧調整手段を制御す
るアンチスキッド制御手段を備えたアンチスキッドブレ
ーキ装置と、車輪のタイヤ空気圧の低下を検知するタイ
ヤ空気圧判定装置とを備えた車両において、前記アンチ
スキッド制御手段は、タイヤ空気圧判定装置からタイヤ
空気圧低下と判定されたときは、タイヤ空気圧が低下し
てないときに比べて、前記ブレーキ油圧を増減させるた
めの各フェーズ移行用しきい値を車輪がロックしにくい
方向に補正する補正手段を備えたものである。
【0007】ここで、前記タイヤ空気圧判定装置が、タ
イヤ空気圧が低下した車輪を検知する異常輪検知手段を
備え、前記補正手段は、異常輪検知手段からタイヤ空気
圧が低下した車輪を特定する信号を受けて、タイヤ空気
圧が低下した車輪がロックしにくい方向に補正するよう
にした構成(請求項2)、前記補正手段は、左右の後輪
のみがロックしにくい方向に補正するようにした構成
(請求項3)、前記補正手段は、後輪が前輪よりもロッ
しにくい方向に補正するようにした構成(請求項
4)、前記アンチスキッド制御手段は、路面の摩擦状態
を検知する摩擦状態検知手段を備え、前記補正手段は、
摩擦状態検知手段で路面摩擦状態が高摩擦状態と検知さ
れたときだけ、ロックしにくい方向へ補正するようにし
た構成(請求項5)、等種々の態様に構成することがで
きる。
【0008】請求項6の車両の制御装置は、車輪速検出
手段で検出された車輪速に基づいてブレーキ油圧を増減
させるブレーキ油圧調整手段を制御するアンチスキッド
制御手段を備えたアンチスキッドブレーキ装置と、車輪
のタイヤ空気圧の低下を検知するタイヤ空気圧判定装置
とを備えた車両において、前記アンチスキッド制御手段
は、タイヤ空気圧判定装置からタイヤ空気圧低下と判定
されたときは、タイヤ空気圧が低下してないときに比べ
て、前記ブレーキ油圧を増減させるための各フェーズ移
行用しきい値を車輪がロックしやすい方向に補正してア
ンチスキッド制御を行わせる補正手段を備えたものであ
る。
【0009】ここで、前記タイヤ空気圧判定装置は、タ
イヤ空気圧が低下した車輪を検知する異常輪検知手段を
備え、前記補正手段は、前記異常輪検知手段からタイヤ
空気圧が低下した車輪を特定する信号を受けて、タイヤ
空気圧が低下した車輪ロックしやすい方向に補正する
ようにした構成(請求項7)、前記補正手段は、左右の
前輪のみがロックしやすい方向に補正するようにした構
成(請求項8)、前記アンチスキッド制御手段は、路面
の摩擦状態を検知する摩擦状態検知手段を備え、前記補
正手段は、摩擦状態検知手段で路面摩擦状態が高摩擦状
態と検知されたときだけ、ロックしやすい方向に補正す
るようにした構成(請求項9)、等種々の態様に構成す
ることができる。
【0010】
【発明の作用及び効果】請求項1の車両の制御装置にお
いては、アンチスキッドブレーキ装置のアンチスキッド
制御手段は、車輪速検出手段で検出された車輪速に基
いてブレーキ油圧を増減させるブレーキ油圧調整手段を
制御し、タイヤ空気圧判定装置は、車輪のタイヤ空気圧
の低下を検知する。前記アンチスキッド制御手段に設け
られた補正手段は、タイヤ空気圧判定装置がタイヤ空気
圧低下と判定したときは、タイヤ空気圧が低下してない
ときに比べて、前記ブレーキ油圧を増減させるための各
フェーズ移行用しきい値を車輪がロックしにくい方向に
補正する。タイヤ空気圧が低下したときには、空気圧が
低下したタイヤの摩擦力が増大してタイヤの負荷が増大
することから、車輪がロックしにくい方向に補正するこ
とで、タイヤの負荷を軽減してタイヤの摩耗を抑制し、
タイヤの信頼性が低下するのを防止できる。
【0011】ここで、請求項2では、前記補正手段は、
タイヤ空気圧が低下した車輪ロックしにくい方向に補
正するので、空気圧が低下したタイヤの摩耗を抑制でき
る。請求項3では、前記補正手段は、左右の後輪のみが
ロックしにくい方向に補正するので、タイヤ空気圧低下
時に制動力の低下と制動力のアンバランスにより走行安
定性が低下するのを抑制することができる。請求項4で
は、前記補正手段は、後輪が前輪よりもロックしにくい
方向に補正するので、請求項3と同様の作用・効果が得
られる。請求項5では、前記補正手段は、摩擦状態検知
手段で路面摩擦状態が高摩擦状態と検知されたときだ
け、ロックしにくい方向へ補正するので、高摩擦路面の
場合のタイヤの損傷と走行安定性低下を確実に抑制でき
る。
【0012】請求項6の車両の制御装置においては、ア
ンチスキッドブレーキ装置のアンチスキッド制御手段
は、車輪速検出手段で検出された車輪速に基づいてブレ
ーキ油圧を増減させるブレーキ油圧調整手段を制御し、
タイヤ空気圧判定装置は、車輪のタイヤ空気圧の低下を
検知する。前記アンチスキッド制御手段に設けられた補
正手段は、タイヤ空気圧判定装置からタイヤ空気圧低下
と判定されたときは、タイヤ空気圧が低下してないとき
に比べて、前記ブレーキ油圧を増減させるための各フェ
ーズ移行用しきい値を車輪がロックしやすい方向に補正
してアンチスキッド制御を行わせる。タイヤ空気圧が低
下すると、タイヤの摩擦力が増大してロックしにくくな
るので、各フェーズ移行用しきい値を車輪がロックしや
すい方向に補正することで、タイヤのグリップ力の低下
を防止して、制動性の低下を防止できる。
【0013】ここで、請求項7では、前記補正手段は、
タイヤ空気圧が低下した車輪がロックしやすい方向に補
正するので、タイヤ空気圧が低下した車輪のグリップ力
の低下を防止できる。請求項8では、前記補正手段は、
左右の前輪のみがロックしやすい方向に補正するので、
制動力の低下を抑制し、かつ、走行安定性の低下を防止
できる。請求項9では、前記補正手段は、摩擦状態検知
手段で路面摩擦状態が高摩擦状態と検知されたときだ
け、ロックしやすい方向に補正するので、制動力の低下
を抑制し、走行安定性を確保できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、乗用の後輪駆動型自動車のアン
チスキッドブレーキ装置とタイヤ空気圧判定装置とに本
発明を適用した場合の一例である。最初に、アンチスキ
ッドブレーキ装置について、図1〜図11を参照しつつ
説明する。図1に示すように、この自動車では左右の前
輪1,2 が従動輪、左右の後輪3,4が駆動輪とされ、エン
ジン5 の出力トルクが自動変速機6 からプロペラシャフ
ト7、差動装置8 および左右の駆動軸9,10を介して左右
の後輪3,4 に伝達される。各車輪1〜4には、車輪と一
体的に回転するディスク11a 〜14a と、制動圧の供給を
受けて、これらディスク11a 〜14a の回転を制動するキ
ャリパ11b 〜14bなどからなるブレーキ装置11〜14が夫
々設けられ、これらのブレーキ装置11〜14を作動させる
ブレーキ制御システム15が設けられている。
【0015】このブレーキ制御システム15は、運転者に
よるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装置17
と、この倍力装置17によって増大された踏込力に応じた
制動圧を発生させるマスターシリング18とを有する。こ
のマスターシリング18からの前輪用制動圧供給ライン19
が2経路に分岐され、これら前輪用分岐制動圧ライン19
a,19b が左右の前輪1,2 のブレーキ装置11,12 のキャリ
パ11a,12a に夫々接続され、左前輪1のブレーキ装置11
に通じる一方の前輪用分岐制動圧ライン19a には、電磁
式の開閉弁20a と、同じく電磁式のリリーフ弁20b とか
らなる第1バルブユニット20が設けられ、右前輪2 のブ
レーキ装置12に通じる他方の前輪用分岐制動圧ライン19
b にも、第1バルブユニット20と同様に、電磁式の開閉
弁21a と、電磁式のリリーフ弁21b とからなる第2バル
ブユニット21が設けられている。
【0016】一方、マスターシリンダ18からの後輪用制
動圧供給ライン22には、第1、第2バルブユニット20,2
1 と同様に、電磁式の開閉弁23a と、電磁式のリリーフ
弁23b とからなる第3バルブユニット23が設けられてい
る。この後輪用制動圧供給ライン22は、第3バルブユニ
ット23の下流側で2経路に分岐されて、これら後輪用分
岐制動圧ライン22a,22b が左右の後輪3,4 のブレーキ装
置13,14 のキャリパ13b,14b に夫々接続されている。こ
のブレーキ制御システム15は、第1バルブユニット20を
介して左前輪1のブレーキ装置11の制動圧を可変制御す
る第1チャンネルと、第2バルブユニット21を介して右
前輪2のブレーキ装置12の制動圧を可変制御する第2チ
ャンネルと、第3バルブユニット23を介して左右の後輪
3,4 の両ブレーキ装置13,14 の制動圧を可変制御する第
3チャンネルとが設けられ、これら第1〜第3チャンネ
ルが互いに独立して制御されるように構成してある。
【0017】前記ブレーキ制御システム15には、第1〜
第3チャンネルを制御するコントロールユニット24が設
けられ、このコントロールユニット24は、ブレーキペダ
ル16のON/OFFを検出するブレーキスイッチ25からのブレ
ーキ信号と、ハンドル舵角θを検出する舵角センサ26か
らの舵角信号と、4輪の回転速度を夫々検出する車輪速
センサ27〜30からの車輪速信号とを受けて、これらの信
号に応じた制動圧制御信号を第1〜第3バルブユニット
20,21,23に夫々出力することにより、左右の前輪1,2 お
よび後輪3,4 のスリップに対する制動制御、つまりAB
S制御を第1〜第3チャンネルごとに並行して行うよう
になっている。
【0018】コントロールユニット24は、各車輪速セン
サ27〜30で検出された車輪速に基いて第1〜第3バルブ
ユニット20,21,23における開閉弁20a,21a,23a とリリー
フ弁20b,21b,23b とをデュティ制御でそれぞれ開閉制御
し、スリップの状態に応じた制動圧で前輪1,2 と後輪3,
4 に制動力を付与するようになっている。 尚、第1〜
第3バルブユニット20,21,23における各リリーフ弁20b,
21b,23b から排出されたブレーキオイルは、図示外のド
レンラインを介してマスターシリンダ18のリザーバタン
ク18a に戻される。
【0019】ABS非制御状態においては、コントロー
ルユニット24からは制動圧制御信号が出力されず、図示
のように第1〜第3バルブユニット20,21,23におけるリ
リーフ弁20b,21b,23b が夫々閉保持され、かつ各ユニッ
ト20,21,23の開閉弁20a,21a,23a が夫々開保持されるの
で、ブレーキペダル16の踏込力に応じてマスターシリン
ダ18で発生した制動圧が、前輪用制動圧供給ライン19お
よび後輪用制動圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2
および後輪3,4 のブレーキ装置11〜14に供給され、これ
らの制動圧に応じた制動力が前輪1,2 および後輪3,4 に
直接付与されることになる。
【0020】次に、コントロールユニット24が行うブレ
ーキ制御の概略を説明する。コントロールユニット24
は、車輪速センサ27〜30で検出された車輪速Vw1〜Vw4
に基いて各車輪ごとの減速度DVw1〜DVw4および加速
度AVw1〜AVw4を夫々算出する。この場合、車輪速の
前回値に対する今回値の差分をサンプリング周期Δt
(例えば8ms)で除算した上で、その結果を重力加速
度に換算した値を今回の加速度ないし減速度として更新
する。
【0021】また、コントロールユニット24は、所定の
悪路判定処理を実行して、走行路面が悪路か否かを判定
する。この悪路判定処理は、次のように実行される。例
えば、後輪3,4 の減速度ないし加速度が一定時間内に所
定の上限値又は下限値を超えた回数が設定値以内ならば
悪路フラグFakを0に維持し、また、設定値以上ならば
走行路面が悪路であるとして悪路フラグFakを1にセッ
トする。また、コントロールユニット24は、第3チャン
ネル用の車輪速および加減速度を代表させる後輪3,4 を
選択するが、スリップ時における後輪3,4 の両車輪速セ
ンサ29,30 の検出誤差を考慮して両車輪速のうちの小さ
いほうの車輪速を後輪車輪速として選択し、その車輪速
から求めた加速度および減速度が後輪加速度および後輪
減速度として選択されることになる。
【0022】更に、コントロールユニット24は、各チャ
ンネルごとの路面摩擦係数を推定し、それと並行して疑
似車体速を算出し、左右の各前輪1,2 の車輪速と疑似車
体速、後輪車輪速と疑似車体速とから、第1〜第3チャ
ンネルに対応するスリップ率を夫々算出するが、次の関
係式によりスリップ率が算出される。 スリップ率=( 車輪速/疑似車体速)×100 それ故、疑似車体速に対する車輪速の偏差が大きくなる
ほどスリップ率が小さくなって、車輪のスリップ傾向が
大きくなる。
【0023】次に、コントロールユニット24は、第1〜
第3チャンネルの制御に用いる各種の制御しきい値を夫
々設定し、これらの制御しきい値を用いて各チャンネル
ごとのロック判定処理と、第1〜第3バルブユニット2
0,21,23に対する制御量を規定する為のフェーズ決定処
理と、カスケード判定処理とを行う。ここで、上記ロッ
ク判定処理について、例えば、左前輪用の第1チャンネ
ルに対するロック判定処理においては、第1チャンネル
用の継続フラグFcn1 の今回値を前回値としてセットし
た上で、次に疑似車体速Vrと車輪速Vw1とが所定の条
件( 例えば、Vr<5Km/H, Vw1<7.5Km /H )を満
足するか否かを判定し、これらの条件を満足するときに
継続フラグFcn1 とロックフラグFlok1を夫々0にリセ
ットし、また、満足していなければロックフラグFlok1
が1にセットされているか否かを判定する。
【0024】ロックフラグFlok1が1にセットされてい
なければ、所定の条件のとき( 例えば疑似車体速Vrが
車輪速Vw1より大きいとき)にロックフラグFlok1に1
をセットする。一方、ロックフラグFlok1が1にセット
されていると判定したときには、例えば第1チャンネル
のフェーズ値P1がフェーズVを示す5 にセットされ、
かつスリップ率S1が90%より大きいときに継続フラグ
Fcn1 に1をセットする。尚、第2、第3チャンネルに
対しても同様にしてロック判定処理が行われる。
【0025】前記フェーズ決定処理の概略について説明
すると、車両の走行状態に応じて設定した夫々の制御し
きい値と、車輪加減速度やスリップ率との比較によっ
て、ABS非制御状態を示すフェーズ0、ABS制御時
における増圧状態を示すフェーズI、増圧後の保持状態
を示すフェーズII、減圧状態を示すフェーズIII 、急減
圧状態を示すフェーズIVおよび減圧後の保持状態を示す
フェーズVが選択されるように構成してある。
【0026】前記カスケード判定処理においては、特に
アイスバーンのような低摩擦路面では小さな制動圧でも
車輪がロックしやすいため、車輪のロック状態が短時間
に連続して発生するカスケードロック状態を判定し、カ
スケードロックの生じやすい所定の条件を満たしたとき
にカスケードフラグFcsが1にセットされる。こうし
て、コントロールユニット24は、各チャンネル毎に設定
されたフェーズ値P1に応じた制御量を設定し、その制
御量に応じた制動圧制御信号を第1〜第3バルブユニッ
ト20,21,23に対して夫々出力する。これにより、第1〜
第3バルブユニット20,21,23の下流側における前輪用分
岐制動圧ライン19a,19b および後輪用分岐制動圧ライン
22a,22b の制動圧が、増圧又は減圧されたり、増圧又は
減圧後の圧力レベルに保持されたりする。
【0027】前記路面摩擦係数の推定処理は、例えば、
第1チャンネルについては図2のフローチャートに基い
て次のように行われる。尚、図中符号Si(i=1,
2,3,・・・)は、各ステップを示すものである。各
種データが読み込まれ(S1)、次に、ABSフラグF
abs が1 にセットされているか否か(つまり、ABS制
御中か否か)を判定する(S2)。このABSフラグF
abs は、例えば、第1〜第3チャンネルのロックフラグ
Flok1,Flok2,Flok3のどれかが1にセットされたと
きに1にセットされ、またブレーキスイッチ25がONから
OFF 状態に切り変わったときなどには0にリセットされ
る。そして、ABSフラグFabs が1にセットされてい
ないと判定したときには、S3において摩擦係数値Mu1
として高摩擦路面を示す3をセットする。
【0028】S2においてABSフラグFabs が1にセ
ットされていると判定したとき、つまりABS制御中と
判定したときには、S4において前サイクル中の車輪減
速度DVw1が−20Gより小さいか否かを判定し、その
判定の結果Yes のときには、S5において同じく前サイ
クル中の車輪加速度AVw1が10Gより大きいか否かを
判定し、その判定の結果がNoのときには、S6において
摩擦係数値Mu1として低摩擦路面を示す1をセットす
る。一方、S4において車輪減速度DVw1が−20Gよ
り小さくないと判定したときには、S5をスキップして
S7に移行し、車輪加速度AVw1が20Gより大きいか
否かを判定し、その判定の結果がYes のときには、摩擦
係数値Mu1として3をセットする一方、Noと判定したと
きにはS9において摩擦係数値Mu1として中摩擦路面を
示す2をセットする。尚、第2、第3チャンネルについ
ても、同様にして路面摩擦係数が推定される。
【0029】次に、前記疑似車体速Vrの演算処理につ
いて、図3のフローチャートに基いて説明する。先ず、
各種データが読み込まれ(S20)、次にセンサ27〜30
からの信号が示す車輪速Vw1〜Vw4の中から最高車輪速
Vwmが演算され( S21)、次に最高車輪速Vwmのサン
プリング周期Δt あたりの最高車輪速変化量ΔVwmが算
出される(S22)。次に、S23において図4に示す
マップから代表摩擦係数値Mu(第1〜第3チャンネルの
最小値) に対応する車体速補正値CVrが読み出され、
S24では最高車輪速変化量ΔVwmが車体速補正値CV
r以下か否か判定される。
【0030】その判定の結果、車輪速変化量ΔVwmが車
体速補正値CVr以下のときには、S25において疑似
車体速Vrの前回値から車体速補正値CVr減算した値
を今回値に置き換える。それ故、疑似車体速Vrが車体
速補正値CVrに応じた所定の勾配で減少することにな
る。一方、S24において車輪速変化量ΔVwmが車体速
補正値CVrより大きいと判定したとき、つまり最高車
輪速Vwmが過大な変化を示したときには、S26におい
て疑似車体速Vrから最高車輪速Vwmを減算した値が所
定値V0 以上か否かを判定する。つまり、最高車輪速V
wmと疑似車体速Vrとの間に大きな開きがないかどうか
を判定し、大きな開きがないときには、S27において
疑似車体速Vrの前回値から車体速補正値CVrを減算
した値を今回値に置き換える。
【0031】更に、コントロールユニット24は、最高車
輪速Vwmと疑似車体速Vrとの間に大きな開きが生じた
ときには、S27において最高車輪速Vwmを疑似車体速
Vrに置き換える。こうして、車両の疑似車体速Vrが
各車輪速Vw1〜Vw4に応じてサンプリグ周期Δt ごとに
更新されていく。
【0032】次に、各種制御しきい値の設定処理につい
て、図5のフローチャートに基いて説明する。尚、この
制御しきい値の設定処理は、各チャンネルごとに独立し
て実行されるが、ここでは、左前輪用の第1チャンネル
の為の制御しきい値設定処理について説明する。S30
において各種データを読み込み、次にS31において、
図6に示すように車速域と路面摩擦係数とをパラメータ
として予め設定したテーブルから、車輪速Vw1〜Vw4か
ら求めた代表摩擦係数値Muと疑似車体速Vr とに応じ
た走行状態パラメータを選択する。ここで、代表摩擦係
数値Muとしては、第1〜第3チャンネルの各摩擦係数
値Mu1〜Mu3の最小値が使用される。例えば、代表摩擦
係数値Muが低摩擦路面を示す1のときに、疑似車体速
Vrが中速域に属するときには、走行状態パラメータと
して中速低摩擦路面用のLM2が選択される。
【0033】悪路フラグFakが悪路状態を示す1のとき
には、図6に示すように、疑似車体速Vrに応じた走行
状態パラメータを選択する。この場合、例えば、疑似車
体速Vrが中速域に属するときには、走行状態パラメー
タとして中速低摩擦路面用のHM2が強制的に選択され
る。これは、悪路走行時においては車輪速の変動が大き
いために、路面摩擦係数が小さく推定される傾向がある
からである。
【0034】走行状態パラメータの選択後、S32にお
いて図7に示す制御しきい値設定テーブルから、走行状
態パラメータに対応する各種制御しきい値が夫々読み出
される。ここで、各種制御しきい値としては、図7に示
すように、フェーズIからフェーズIIへの切換判定用の
1-2 中間減速度しきい値B12、フェーズIIからフェーズ
III への切換判定用の2-3 中間スリップ率しきい値Bs
g、フェーズIII からフェーズVへの切換判定用の3-5
中間減速度しきい値B35、フェーズVからフェーズIへ
の切換判定用の5-1 スリップ率しきい値Bszなどが、走
行状態パラメータ毎に夫々設定されている。
【0035】この場合、制動力に大きく影響する減速度
しきい値は、路面摩擦係数が大きいときのブレーキ性能
と、路面摩擦係数が小さいときの制御の応答性とを高水
準で両立するために、代表摩擦係数値Muのレベルが小
さくなるほど、つまり路面摩擦係数が小さくなるほど0
Gに近づくように設定してある。ここで、走行状態パラ
メータとして中速低摩擦路面用のLM2を選択している
ときには、図7の制御しきい値設定テーブルにおけるL
M2の欄に示すように、1-2 中間減速度しきい値B12、
2-3 中間スリップ率しきい値Bsg、3-5 中間減速度しき
い値B35、5-1スリップ率しきい値Bszとして、−0.
5G,90%,0G,90%の各値を夫々読み出すこと
になる。
【0036】次に、S33において、代表摩擦係数値M
uが高摩擦路面を示す3 にセットされているか否かを判
定し、Yes のときにはS34において悪路フラグFakが
1にセットされているか否かを判定する。悪路フラグF
akが1でなければ、S35に移行して舵角信号が示す舵
角θの絶対値が90°より小さいか否かを判定し、舵角
θの絶対値90°よりも小さくないときには、S36に
おいて、舵角θに応じた制御しきい値の補正処理を行
う。この制御しきい値の補正処理は、図8に例示した制
御しきい値補正テーブルに基いて実行される。
【0037】図8の制御しきい値補正テーブルでは、ハ
ンドル操作量の大きいときの操舵性を確保するために、
2-3 中間スリップ率しきい値Bsgおよび5-1 中間スリッ
プ率しきい値Bszに夫々5 %を加算した値が、最終の1-
2 スリップ率しきい値Bsgおよび最終の5-1 スリップ率
しきい値Bszとして設定され、その他の中間しきい値を
そのまま最終しきい値として設定してある。尚、S35
の判定結果がYes のときは各中間しきい値がそのまま最
終しきい値として夫々セットされる。
【0038】一方、S34において悪路フラグFakが1
にセットされていると判定したときには、S37に移行
してS35と同様に舵角θの絶対値が90°よりも小さ
いか否かを判定し、Yes のときには、S38において、
図8の制御しきい値補正テーブルに基いて、2-3 中間ス
リップ率しきい値Bsgおよび5-1 スリップ率しきい値B
szから夫々5%を減算した値を、最終の2-3 中間スリッ
プ率しきい値Bsgおよび最終の5-1 スリップ率しきい値
Bszとしてセットし、更に、S39において悪路に対応
するように、1-2 中間減速度しきい値B12から1.0 Gを
減算した値を最終の1-2 減速度しきい値B12としてセッ
トする補正処理を行う。
【0040】これは、悪路判定時においては、車輪速セ
ンサ27〜30が誤検出を生じやすいため、制御の応答性を
遅らせて良好な制動力を確保するためである。尚、その
他の中間しきい値はそのまま最終しきい値としてセット
される。S37において舵角θの絶対値が90°よりも
小さくないと判定したときには、S39に移行して悪路
のみに応じた制御しきい値の補正処理を行う。更に、S
33において代表摩擦係数値Muが3でないと判定した
ときには、S35へ移行する。
【0041】ここで、タイヤ空気圧が低下したときに
は、タイヤの接地面積が増大してタイヤに作用する摩擦
力が増大し、タイヤの負担が大きくなり、4つの車輪の
制動力のアンバランスにより走行安定性が低下すること
に鑑みて、S40、S41のステップが実行される。S
40においては、後述のタイヤ空気圧判定制御において
設定される空気圧低下フラグFAが1か否か判定され、
タイヤ空気圧が低下して、フラグFAが1のときには、
S41において、タイヤ空気圧低下時の制御しきい値の
補正処理が実行されてからリターンし、フラグFAが1
でないときは補正処理が実行されずに、S40からS4
1をスキップしてリターンする。尚、第2、第3チャン
ネルについても、前記第1チャンネルの場合と同様にし
て制御しきい値が設定される。
【0042】前記S41で実行される補正処理は、第1
〜第3チャンネルの全部に対して、ブレーキ油圧をロッ
ク緩和方向へ補正する処理、つまり、ブレーキ油圧を低
下側へ補正する処理である。このロック緩和方向へ補正
は、(a) フェーズI の増圧状態からフェーズIIの保持状
態への移行時期を早めたり、或いは、(b) フェーズIIの
保持状態からフェーズIII の減圧状態への移行時期を早
めたり、或いは、(c) フェーズIII の減圧状態からフェ
ーズVの保持状態への移行時期を遅らせたり、(d) フェ
ーズVの保持状態からフェーズI の増圧状態への移行時
期を遅らせるたり、することで達成することができる。
【0043】図9の制御しきい値補正テーブルには、S
41における補正の為の複数通りの補正パターン(A) 〜
(C) が図示してあり、この実施例の場合には、補正パタ
ーン(A) に示すように、タイヤ空気圧が低下したとの判
定により前記フラグFAが1にセットされると、第1〜
第3チャンネルのブレーキ油圧を制御する各種制御しき
い値が、補正パターン(A) の欄に示すように補正され
る。即ち、1-2 中間減速度しきい値B12が0.2 Gだけ、
また、2-3 中間スリップ率しきい値Bsgが3%だけ、ま
た、3-5 中間減速度しきい値B35が0.3 Gだけ、また、
5-1 スリップ率しきい値Bszが3%だけ、夫々、増加補
正される。但し、必ずしも、制御しきい値B12、Bsg、
B35、Bszの全部を増加補正する必要はなく、一部の制
御しきい値のみを増加補正してもよい。
【0044】S41における補正の種々の変形例につい
て説明する。タイヤ空気圧低下時には走行安定性が低下
するので、図9の補正パターン(B)に示すように、左右
の前輪のブレーキ油圧を補正せずに、左右の後輪のブレ
ーキ油圧のみをロック緩和方向へ補正してもよい。
【0045】また、タイヤの空気圧低下時に、後述のタ
イヤ空気圧判定制御において空気圧が低下した車輪を特
定し、左前輪1の空気圧低下時にフラグFA=1、ま
た、右前輪2の空気圧低下時にフラグFA=2、また、
左又は右後輪3,4の空気圧低下時にフラグFA=3、
のように夫々設定して、そのフラグFAのデータをコン
トロールユニット24に供給し、コントロールユニット24
では、そのフラグFAのデータを受けて、図9の補正パ
ターン(C) に示すように、空気圧が低下した車輪に対応
するチャンネル(空気圧低下チャンネル)のみのブレー
キ油圧をロック緩和方向へ補正し、空気圧が低下しない
車輪に対応するチャンネル(空気圧正常チャンネル)の
ブレーキ油圧は補正しないように構成してもよい。
【0046】また、前記補正パターン(A) 又は(B) 又は
(C) の制御しきい値の補正は、路面の摩擦状態が高摩擦
状態(つまり、Mu=3)の場合のみ実行するように構
成してもよい。即ち、路面摩擦係数が大きくないときに
は、タイヤ空気圧が低下しても、その影響が小さいから
である。
【0047】以上のように、タイヤ空気圧が低下したと
きには、タイヤの接地面積が増大してタイヤに作用する
摩擦力が増大し、タイヤの負担が大きくなるが、前記S
40、S41のステップを介して、タイヤ空気圧が低下
したときには、ブレーキ油圧をロック緩和方向へ補正す
ることにより、タイヤの負担を軽減してタイヤの摩耗に
よる損傷を軽減することができ、また、後輪3,4のブ
レーキ油圧のみをロック緩和方向へ補正する場合には、
タイヤ空気圧低下時の走行安定性の低下を抑制すること
ができる。尚、以上説明したアンチスキッドブレーキ装
置における第1チャンネルに対するABS制御のタイム
チャートの一例が図11に図示してある。
【0048】次に、タイヤ空気圧判定装置について説明
する。このタイヤ空気圧判定装置は、図1に示すよう
に、前記4つの車輪速センサ27〜30と、タイヤ空気圧判
定の初期設定を指令する為の初期設定スイッチ33(これ
は、インストルメントパネルに付設されている)と、イ
ンストルメントパネルに付設されたワーニングランプ3
4、コントロールユニット40、などで構成され、コント
ロールユニット40には、車輪速センサ27〜30、ブレーキ
スイッチ25、舵角センサ26、走行距離計31、初期設定ス
イッチ33、等のセンサやスイッチからの信号が供給さ
れ、ワーニングランプ34はコントロールユニット40で駆
動制御される。
【0049】前記各車輪速センサ27〜30は、ディスク11
a 〜14a に形成された又はディスク11a 〜14a に隣接さ
せて設けられた図示外の検出用ディスクに形成された4
4個の検出部を電磁ピックアップで検出する構成のもの
である。前記コントロールユニット40は、車輪速センサ
27〜30からの検出信号を濾波するフィルタ及びフィルタ
で濾波された検出信号を波形整形する回路、アナログの
各種検出信号をA/D変換するAD変換器、入力出力イ
ンターフェイスと、CPUとROMとRAMとからなる
マイクロコンピュータ等からなり、ROMには、後述の
タイヤ空気圧判定制御の制御プログラムやマップが予め
入力格納してあり、RAMには、その制御に必要な種々
のメモリ類(バッファ、メモリ、フラグ、カウンタ、ソ
フトタイマ等)が設けられている。
【0050】以下、前記コントロールユニット40で実行
されるタイヤ空気圧判定制御について、図12以降の図
面に基いて説明する。尚、フローチャートの図中、符号
Si(i=50,51,・・・)は各ステップを示す。
最初に、このタイヤ空気圧判定制御の概要について説明
すると、基本的に4つの車輪速センサ27〜30で検出され
る車輪速Vw1〜Vw4 に基いてタイヤ空気圧判定を行うの
であるが、自動車の使用開始時や1又は複数のタイヤを
交換したとき等に、タイヤの製作誤差や特性を補償する
為の係数Cx(これが補償係数に相当する)の初期設定
を実行する。その後、定期的(所定走行距離毎、又は、
所定期間毎)にタイヤ空気圧判定処理を実行して、何れ
かのタイヤの空気圧異常を判定し、タイヤ空気圧が低下
している場合には、ワーニングランプ34を介して警報を
出力するとともに、ABS制御用のコントロールユニッ
ト24に、タイヤ空気圧低下の状態に応じたフラグFAの
データを供給する。
【0051】前記初期設定処理は、路面摩擦状態に応じ
て設定される車速域のときに実行され、また、前記タイ
ヤ空気圧判定処理は、路面摩擦状態に応じて別途設定さ
れる車速域のときに実行される。尚、このタイヤ空気圧
判定制御は、前記初期設定処理と、タイヤ空気圧判定処
理とを含み、路面摩擦に関するデータは、コントロール
ユニット24からコントロールユニット40に供給される。
但し、路面摩擦係数を、加速状態のときの車速Vの変化
から求めることもできる。
【0052】次に、前記係数Cxの初期設定処理につい
て、図12を参照しつつ説明する。この係数Cxの初期
設定処理は、タイヤを交換した場合等にインストルメン
トパネルに付設したa接点型の初期設定スイッチ33がO
N操作されると開始され、次に前記センサ27〜30, 26や
スイッチ25からの信号をディジタル化した各種データが
読み込まれ(S50)、次に、初期設定処理の実行中を
示す為に、ワーニングランプ34が点灯され、且つタイヤ
空気圧判定処理を禁止する為にフラグFが0にリセット
される(S51)。次に、係数Cxの初期設定条件が成
立か否かの判定が実行される(S52)が、自動車が加
減速状態でないこと、定常直進走行状態であって、車速
Vが図16のマップに示す路面摩擦状態に応じて設定さ
れた係数Cxの初期設定許可車速域に入っていること、
が充足されたときには、条件成立と判定されてS53へ
移行し、また、条件不成立のときはS59へ移行する。
尚、車速Vとしては、車体速が適用され、左右の従動輪
(前輪1,2)の車輪速Vw1, Vw2の平均値に等しく設
定され、加減速は車速Vの変化から検知される。
【0053】ここで、図16に示した係数Cxの初期設
定許可車速域の下限値は、過度に低速でない所定値(例
えば、20Km/H)に設定され、また、初期設定許可車速域
の上限値は、走行路面の路面摩擦状態に応じて40〜5
0Km/Hの範囲の値に設定されている。前記上限値に関し
て、低μ状態のときの40Km/Hから高μ状態のときの5
0Km/Hへリニアに増大するように設定されている。尚、
μとは、路面の摩擦係数である。50Km/H超の高速状態
では、駆動輪のスリップ量が増加したり、前輪1,2 と後
輪3,4 の輪荷重が変化したりして、車輪速Vw1〜Vw4の
検出精度が低下するので、50Km/H以下の車速のとき
に、初期設定処理を実行することが望ましく、また、低
μのときには駆動輪のスリップ量が増加するので、40
Km/H以下の車速のときに、初期設定処理を実行すること
が望ましい。
【0054】次に、S52において条件成立と判定され
ると、S53においてタイヤの製作誤差や特性を加味し
てタイヤ交換時等における4つのタイヤの初期状態を補
償する為の係数Cxが、4輪の車輪速Vw1〜Vw4を用い
て、一方の対角線関係にある左前輪1と右後輪4の車輪
速の和(Vw1+Vw4)と、他方の対角線関係にある右前
輪2と左後輪3の車輪速の和(Vw2+Vw3)との比とし
て次式で演算される。 係数Cx=(Vw1+Vw4)/(Vw2+Vw3) 次に、S54において係数Cxが適正値か否か判定され
るが、タイヤの製作誤差によるタイヤ径の誤差が最大0.
3 %であることから、係数Cxが略1の所定範囲(例え
ば、0.95〜1.05)に入っている場合に、係数Cxが適正
値であると判定される。
【0055】係数Cxが適正値であるときには、S55
において係数Cxの書き換え処理が実行され、前回の係
数Cx(i-1) に今回のCx(i) が与えられ、次に、ワー
ニングランプ34が消灯され且つタイヤ空気圧判定処理
を許可する為にフラグFが1にセットされ、その後S5
9へ移行する。一方、S54の判定結果がNoのときは、
S57において係数Cxが、不定か否か判定され、不定
のときにはS59へ移行し、また、不定でないときに
は、S58においてワーニングランプ34が所定時間
(例えば、2秒間)点滅され、その後S59へ移行す
る。S59では、フラグFが1か否か判定され、Yes の
ときはこの処理が終了し、また、 No のときはS50へ
リターンする。但し、1回のスイッチ33のON操作に
基いて、複数回の初期設定処理を実行して複数の係数C
xを求め、それら複数の係数Cxの平均値から最終の係
数Cxを決定するように構成することも可能である。こ
うして、タイヤ交換時等における4つのタイヤの初期状
態を補償する為の係数Cxが決定され、RAMのメモリ
に格納される。
【0056】次に、タイヤ空気圧判定処理について、図
13と図14のフローチャートを参照しつつ説明する。
このタイヤ空気圧判定処理は、例えば、100Kmの走
行距離毎に実行される処理であり、この処理の開始後、
前記センサ27〜30,26 やスイッチ25からの信号をディジ
タル化した各種データが読み込まれ(S70)、次に、
前記フラグFが1か否か判定され(S71)、Yes のと
きには、S72においてタイヤ空気圧判定条件成立か否
か判定される。このタイヤ空気圧判定条件に関して、自
動車が加減速状態でないこと、定常直進走行状態であっ
て、車速が図17のマップに示す路面摩擦状態に応じて
設定されたタイヤ空気圧判定許可車速域に入っているこ
と、が充足されたときには、条件成立と判定されてS7
3へ移行し、条件不成立のときはS74へ移行する。
【0057】ここで、図17に示したタイヤ空気圧判定
許可車速域の下限値は、過度に低速でない所定値(例え
ば、20Km/H)に設定され、また、タイヤ空気圧判定許可
車速域の上限値は、走行路面の路面摩擦状態に応じて4
0Km/H〜最高車速の範囲の値に設定されている。前記上
限値に関して、低μ状態のときの40Km/Hから高μ状態
のときの最高車速へリニアに増大するように設定されて
いる。そして、50Km/H超の高速状態では、駆動輪のス
リップ量が増加して車輪速Vw1〜Vw4の検出精度が低下
するが、多少の精度低下は生じても、50Km/H超の高速
走行状態におけるタイヤ空気圧の低下を検出することが
望ましいので、前記のように設定してある。また、低μ
のときには駆動輪のスリップ量が増加するので、40Km
/H以下の車速のときに、タイヤ空気圧判定処理を実行す
ることが望ましい。
【0058】S73においては、図14のタイヤ空気圧
判定サブルーチンが実行され、その後リターンし、S7
1又はS72の判定結果がNoのときは、S74におい
て、タイヤ空気圧判定のサブルーチンにおけるタイマT
がリセットされ、フラグFa,Ftが0にリセットされ
るとともに、カウンタI,Jが0にリセットされ、その
後リターンする。
【0059】次に、S73のタイヤ空気圧判定サブルー
チンについて、図14を参照しつつ説明する。先ず、フ
ラグFtが1か否か判定され(S80)、最初はNoなの
でS81において、タイマTがスタートされ且つフラグ
Ftが1にセットされてS82へ移行する。また、フラ
グFtが1にセットされている状態では、S80からS
82へ移行する。次に、S82において、空気圧判定変
数Dが、図示の式、つまり、次式により演算される。
【0060】D=2×[Cx(Vw2+Vw3)-( Vw1+Vw4)]
/[ Vw1+Vw2+Vw3+Vw4 ] 上式において、係数Cxは、予めタイヤの初期状態を補
償するように設定してあるため、タイヤ空気圧が正常で
ある場合には、空気圧判定変数Dは略0に等しい値にな
るが、右前輪2又は左後輪3のタイヤ空気圧が低下して
いる場合には、車輪速Vw2又は車輪速Vw3が大きくなる
ため空気圧判定変数Dは正方向に増大し、また、左前輪
1又は右後輪4のタイヤ空気圧が低下している場合に
は、車輪速Vw1又は車輪速Vw4が大きくなるため空気圧
判定変数Dは負方向に増大する。
【0061】次に、S83において判定変数Dが所定値
D0(例えば、0.020 〜0.050 の範囲の所定値)以上か
否か判定され、その判定結果がYes のときは、フラグF
aが1か否か判定され(S84)、フラグFaが1でな
いときには、判定変数Dが所定値D0以上の回数をカウ
ントするカウンタIが1にセットされ且つフラグFaが
1にセットされ(S85)、その後S91へ移行する。
また、フラグFaが1にセットされている状態では、S
84からS86に移行してカウンタIがインクリメント
され、その後S91ヘ移行する。
【0062】一方、S83の判定結果がNoのときは、S
87へ移行して判定変数Dが所定値−D0以下か否か判
定され、Yes のときはフラグFaが2か否か判定され
(S88)、フラグFaが2でないときには、判定変数
Dが所定値−D0以下の回数をカウントするカウンタJ
が1にセットされ且つフラグFaが2にセットされ(S
89)、その後S91へ移行する。また、フラグFaが
2にセットされている状態では、S88からS90に移
行してカウンタJがインクリメントされ、その後S91
ヘ移行する。
【0063】次に、S91において、タイマTのカウン
ト値Tが所定時間T0(例えば、2秒)経過したか否か
判定されるが、最初のうちは、その判定結果がNoである
ため、S91からリターンするのを繰り返していって、
図13のS70〜S72、S80〜S91が繰り返えし
て実行され、タイマTのカウント値TとカウンタIのカ
ウント値I又はカウンタJのカウント値Jが増加してい
く。尚、図18には、タイヤ空気圧正常時の空気圧判定
変数Dの挙動を図示し、図19には、右側前輪2又は左
側後輪3のタイヤ空気圧異常時の空気圧判定変数Dの挙
動を図示してある。
【0064】所定時間T0経過すると、S91の判定結
果がYes となるため、S92へ移行し、カウンタIのカ
ウント値Iが所定値K0以上か又はカウンタJのカウン
ト値Jが所定値K0以上か否かの判定が実行され、その
判定結果がNoのときには、S93においてタイヤ空気圧
が正常と判定され、次にS94において空気圧低下フラ
グFAが0にリセットされ、次にS95においてABS
制御用コントロールユニット24にフラグFAのデータが
出力され、その後S100へ移行する。また、S92の
判定結果がYes のときには、S96においてタイヤ空気
圧異常(低下)と判定され、S97において、ドライバ
ーにタイヤ空気圧低下を警報する為に、ワーニングラン
プ34が所定時間(例えば、2秒間)点灯され、次にS
98においてフラグFAが1にセットされ、次にS99
においてコントロールユニット24にフラグFAのデータ
が出力され、その後S100へ移行する。S100にお
いては、次回のタイヤ空気圧判定処理に備えて、タイマ
T、フラグFa、フラグFt、カウンタI、カウンタJ
が、夫々0にリセットされ、今回のタイヤ空気圧判定処
理が終了する。
【0065】ここで、空気圧が低下した車輪を特定する
空気圧異常輪検知処理について、図15に基いて説明す
る。この異常輪検知処理は、図14のルーチンと同じ微
小時間毎の演算処理であって、図14のルーチンに対す
る割り込み処理で実行される。スタート後、車輪速Vw1
≧Vw4か否かの判定(S110)と、車輪速Vw2≧Vw3
か否かの判定(S113)が実行され、大きいと判定さ
れた方のカウンタK1〜K4がインクリメントされる
(S111〜S115)。
【0066】図14におけるタイマTの計時時間Tが所
定時間T0になるまでは、S110〜S116が繰り返
し実行されて、カウンタK1〜K4がインクリメントさ
れていく。そして、タイヤ空気圧判定処理開始後所定時
間T0経過すると、S117において、図14のS92
と同様の判定がなされ、その判定結果が No のときは、
S125においてフラグFAが0にリセットされ、ま
た、S117の判定結果がYes となって、タイヤ空気圧
が異常のときは、S118においてフラグFaが1か否
か判定され(S118)、フラグFaが1のときは、S
119において、カウント値K2がカウント値K3以上
か否か判定され、K2≧K3のときは、S120におい
て右前輪2のタイヤ空気圧が異常と判定されてフラグF
Aが2にセットされる。S119の判定結果、K2≧K
3でないないときは、S121において左後輪3のタイ
ヤ空気圧が異常と判定されてフラグFAが3にセットさ
れる。
【0067】また、S118の判定結果が No のとき、
つまり、フラグFaが2のときは、S122においてカ
ウント値K1がカウント値K4以上か否か判定され、K
1≧K4のときは、S123において左前輪1のタイヤ
空気圧が異常と判定されてフラグFAが1にセットされ
る。S122の判定結果、K1≧K4でないないとき
は、S124において右後輪4のタイヤ空気圧が異常と
判定されてフラグFAが3にセットされる。尚、S12
5では、カウンタK1〜K4がクリアされてから、演算
処理が終了する。
【0068】このように、空気圧低下フラグFAを、左
側前輪1の空気圧低下時には1にセットし、また、右側
前輪2の空気圧低下時には2にセットし、また、左側又
は右側の後輪3,4の空気圧低下時には3にセットし、
4輪とも空気圧が正常のときには0にセットし、この空
気圧低下フラグFAのデータをコントロールユニット24
へ供給し、コントロールユニット24では、空気圧低下フ
ラグFAのデータに基いて、空気圧が低下した車輪を特
定してABS制御に適宜適用するものとする。
【0069】次に、以上説明したタイヤ空気圧判定装置
の作用について説明する。インストルメントパネルに初
期設定スイッチ33を設け、そのスイッチ33を操作するこ
とにより、タイヤ交換時等の必要な時に係数Cxを初期
設定する初期設定処理を実行するので、交換後の4輪の
タイヤの製作誤差や特性を補償した係数Cxを設定する
ことができる。そして、初期設定処理は、定常直進走行
時に、走行路面の路面摩擦状態に応じて設定される車速
域のときに実行するので、低μ路における駆動輪のスリ
ップ、輪荷重の変動、等に起因する誤差要因を極力排除
して、係数Cxを高精度に初期設定できる。
【0070】その初期設定処理後には、所定距離走行毎
に又は所定期間経過毎に、前記係数Cxを用いてタイヤ
空気圧判定処理を実行する。このタイヤ空気圧判定処理
は、定常直進走行時に、走行路面の路面摩擦状態に応じ
て設定される車速域のときに実行するので、初期設定処
理の場合と同様に、低μ路における駆動輪のスリップや
輪荷重の変動、等に起因する誤差要因を極力排除して、
タイヤ空気圧判定の精度や信頼性を高めることができ
る。特に、本実施例におけるアンチスキッドブレーキ装
置と、タイヤ空気圧判定装置においては、タイヤ空気圧
低下時に、4輪のブレーキ油圧、又は、左右の後輪のブ
レーキ油圧、又は、空気圧が低下した車輪のブレーキ油
圧を、ロック緩和方向へ制御することで、タイヤの負荷
を軽減してタイヤの損傷を軽減したり、走行安定性を高
めたりすることができる。
【0071】次に、前記タイヤ空気圧判定制御の一部を
変更した別実施例について、図20、図21を参照しつ
つ説明する。図20は、図12に相当する初期設定処理
のフローチャートであり、図12と同一のステップに
は、同一符号を付して説明を省略する。この実施例で
は、前記係数Cxの代わりに、タイヤの製作誤差等を補
償するための初期偏差Δが適用され、S52Aにおい
て、S52と同様に初期偏差Δ初期設定条件が成立か否
かの判定が実行され、条件成立のときは、S53Aにお
いて、図示の式にて初期偏差Δが演算される。S54A
では、初期偏差Δが適正値か否か判定されるが、例え
ば、−0.05〜0.05の範囲のときに適正値であると判定さ
れ、S55Aにおいて初期偏差Δの書換え処理が実行さ
れる。また、初期偏差Δが適正値でないときには、S5
7Aにおいて、初期偏差Δが不定か否かの判定が、前記
S57と同様に実行される。
【0072】次に、前記図13のタイヤ空気圧判定処理
のうちのタイヤ空気圧判定サブルーチンについて図21
により説明するが、図21は、図14に相当する図であ
り、図14と同一のステップには、同一符号を付して説
明を省略する。本実施例におけるタイヤ空気圧判定変数
Dは、S82Aに示す式で演算され、S83Aでは、
(D−Δ)が所定値D0以上か否かの判定が実行され、
また、S87Aでは、(D−Δ)が所定値−D0以下か
否かの判定が実行される。
【0073】次に、前記コントロールユニット24で実行
するABS制御において、タイヤ空気圧低下時に、図5
のS41で実行する制御しきい値に対する補正の内容に
ついての別実施例について説明する。タイヤ空気圧低下
時には、空気圧が低下したタイヤの摩擦力が大きくなる
ため、車輪はロックしにくくなることに鑑み、タイヤの
グリップ力を確保する為に、タイヤ空気圧低下時には、
ブレーキ油圧をロック強化方向に補正する。この場合、
図10に示した制御しきい値補正テーブルの補正パター
ン(D) 、補正パターン(E) 、補正パターン(F) の何れか
のパターンで制御しきい値を補正するものとする。
【0074】即ち、補正パターン(D) の場合、空気圧低
下時に、1-2 中間減速度しきい値B12が0.2 Gだけ、ま
た、2-3 中間スリップ率しきい値Bsgが3%だけ、ま
た、3-5 中間減速度しきい値B35が0.3 Gだけ、また、
5-1 スリップ率しきい値Bszが3%だけ、夫々、減少補
正される。但し、必ずしも、制御しきい値B12、Bsg、
B35、Bszの全部を減少補正する必要はなく、一部の制
御しきい値のみを減少補正してもよい。
【0075】また、補正パターン(E) の場合、タイヤ空
気圧低下のときには制動力が低下して走行安定性が低下
することに鑑み、左右の前輪のブレーキ油圧を補正せず
に、左右の後輪のブレーキ油圧のみをロック強化方向へ
補正する。また、補正パターン(F) の場合、空気圧が低
下した車輪に対応するチャンネル(空気圧低下チャンネ
ル)のみのブレーキ油圧をロック強化方向へ補正し、空
気圧が低下しない車輪に対応するチャンネル(空気圧正
常チャンネル)のブレーキ油圧は補正しない。また、前
記補正パターン(D) 又は(E) 又は(F) の制御しきい値の
補正は、路面の摩擦状態が高摩擦状態(つまり、Mu=
3)の場合のみ実行するように構成してもよい。即ち、
低摩擦状態のときは、ブレーキ油圧をロック強化方向へ
の補正は、あまり有効でないからである。
【0076】尚、ここで、前記実施例のように車輪速を
用いずに、連続又は断続の所定期間における累積的な車
輪速センサ27〜30の出力パルスの数Nw1〜Nw4をパラメ
ータとして、タイヤ空気圧判定を実行することも可能で
あり、また、その所定期間とパルス数Nw1〜Nw4とから
演算される車輪1回転当りの時間Tw1〜Tw4をパラメー
タとしてタイヤ空気圧判定を実行することも可能であ
る。そして、この場合に、上記と同様に、初期設定処理
を実行して、連続又は断続の所定期間(前記所定期間と
は、同一又は異なる所定期間)における累積的な車輪速
センサ27〜30の出力パルスの数INw1〜INw4を求め、
パルス数の比(Nw1/INw1)〜(Nw4/INw4)をパ
ラメータとして、タイヤ空気圧判定を実行することも出
来る。尚、前記タイヤ空気圧判定制御のうちのタイヤ空
気圧判定処理は、自動車の走行中に常時実行するように
構成してもよい。また、前記タイヤ空気圧判定装置の代
わりに、4輪のタイヤの空気圧を空気圧センサで夫々検
出し、その空気圧に基いてタイヤ空気圧の低下を判定す
るタイヤ空気圧判定装置を適用することもできること
は、勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る自動車のアンチスキッドブレーキ
装置とタイヤ空気圧判定装置の構成図である。
【図2】路面摩擦係数推定のフローチャートである。
【図3】擬似車体速の演算処理のフローチャートであ
る。
【図4】車体速補正値のマップの線図である。
【図5】制御しきい値設定処理のフローチャートであ
る。
【図6】走行状態パラメータを設定したテーブルの図表
である。
【図7】各種制御しきい値を設定したテーブルの図表で
ある。
【図8】各種制御しきい値の補正値を設定したテーブル
の図表である。
【図9】各種制御しきい値の補正値を設定したテーブル
の図表である。
【図10】各種制御しきい値の補正値を設定したテーブ
ルの図表である。
【図11】アンチスキッドブレーキ装置の動作タイムチ
ャートである。
【図12】タイヤ空気圧判定制御の係数Cxの初期設定
処理のフローチャートである。
【図13】タイヤ空気圧判定制御のタイヤ空気圧判定処
理のフローチャートである。
【図14】図13のタイヤ空気圧判定サブルーチンのフ
ローチャートである。
【図15】空気圧異常輪検知処理のフローチャートであ
る。
【図16】係数Cxの初期設定許可車速域のマップを示
す図である。
【図17】タイヤ空気圧判定許可車速域のマップを示す
図である。
【図18】タイヤ空気圧正常時の空気圧判定変数Dの挙
動を示す線図である。
【図19】タイヤ空気圧異常時の空気圧判定変数Dの挙
動を示す線図である。
【図20】別実施例に係るタイヤ空気圧判定制御におけ
る図12相当図である。
【図21】前記別実施例のタイヤ空気圧判定サブルーチ
ンのフローチャートである。
【符号の説明】
1,2 前輪 3,4 後輪 11〜14 ブレーキ装置 20,21,23 第1〜第3バルブユニット 24 ABS制御用コントロールユニット 25 ブレーキスイッチ 26 舵角センサ 27〜30 車輪速センサ 33 初期設定スイッチ 34 ワーニングランプ 40 タイヤ空気圧判定用コントロールユニ
ット
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 B60C 23/00 - 23/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速検出手段で検出された車輪速に基
    づいてブレーキ油圧を増減させるブレーキ油圧調整手段
    を制御するアンチスキッド制御手段を備えたアンチスキ
    ッドブレーキ装置と、車輪のタイヤ空気圧の低下を検知
    するタイヤ空気圧判定装置とを備えた車両において、 前記アンチスキッド制御手段は、タイヤ空気圧判定装置
    からタイヤ空気圧低下と判定されたときは、タイヤ空気
    圧が低下してないときに比べて、前記ブレーキ油圧を増
    減させるための各フェーズ移行用しきい値を車輪がロッ
    クしにくい方向に補正する補正手段を備えたことを特徴
    とする車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記タイヤ空気圧判定装置は、タイヤ空
    気圧が低下した車輪を検知する異常輪検知手段を備え、 前記補正手段は、前記異常輪検知手段からタイヤ空気圧
    が低下した車輪を特定する信号を受けて、タイヤ空気圧
    が低下した車輪がロックしにくい方向に補正するように
    構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、左右の後輪のみがロッ
    しにくい方向に補正するように構成されたことを特徴
    とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、後輪が前輪よりもロッ
    しにくい方向に補正するように構成されたことを特徴
    とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アンチスキッド制御手段は、路面の
    摩擦状態を検知する摩擦状態検知手段を備え、 前記補正手段は、摩擦状態検知手段で路面摩擦状態が高
    摩擦状態と検知されたときだけ、ロックしにくい方向へ
    補正するように構成されたことを特徴とする請求項1に
    記載の車両の制御装置。
  6. 【請求項6】 車輪速検出手段で検出された車輪速に基
    づいてブレーキ油圧を増減させるブレーキ油圧調整手段
    を制御するアンチスキッド制御手段を備えたアンチスキ
    ッドブレーキ装置と、車輪のタイヤ空気圧の低下を検知
    するタイヤ空気圧判定装置とを備えた車両において、 前記アンチスキッド制御手段は、タイヤ空気圧判定装置
    からタイヤ空気圧低下と判定されたときは、タイヤ空気
    圧が低下してないときに比べて、前記ブレーキ 油圧を増
    減させるための各フェーズ移行用しきい値を車輪がロッ
    クしやすい方向に補正してアンチスキッド制御を行わせ
    補正手段を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記タイヤ空気圧判定装置は、タイヤ空
    気圧が低下した車輪を検知する異常輪検知手段を備え、 前記補正手段は、前記異常輪検知手段からタイヤ空気圧
    が低下した車輪を特定する信号を受けて、タイヤ空気圧
    が低下した車輪ロックしやすい方向に補正するように
    構成されたことを特徴とする請求項6に記載の車両の制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記補正手段は、左右の前輪のみがロッ
    しやすい方向に補正するように構成されたことを特徴
    とする請求項6に記載の車両の制御装置。
  9. 【請求項9】 前記アンチスキッド制御手段は、路面の
    摩擦状態を検知する摩擦状態検知手段を備え、 前記補正手段は、摩擦状態検知手段で路面摩擦状態が高
    摩擦状態と検知されたときだけ、ロックしやすい方向に
    補正するように構成されたことを特徴とする請求項6に
    記載の車両の制御装置。
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