JP3286168B2 - 物体検出装置及び方法 - Google Patents

物体検出装置及び方法

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JP3286168B2
JP3286168B2 JP18865996A JP18865996A JP3286168B2 JP 3286168 B2 JP3286168 B2 JP 3286168B2 JP 18865996 A JP18865996 A JP 18865996A JP 18865996 A JP18865996 A JP 18865996A JP 3286168 B2 JP3286168 B2 JP 3286168B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の物体(人も
含む)が所定の監視領域内に存在するか否かを検出する
物体検出装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の用途において、所定の物体が所定
の監視領域内に存在するか否かを検出することが要請さ
れる。例えば、視覚障害者が監視領域内に進入したとき
に、警報を発したり現在位置を案内したりするために、
視覚障害者が所定領域内に存在するか否かを検出するこ
とが要請される。
【0003】従来、このような要請に基づいて、例え
ば、図8に示す検出装置が考案された。この検出装置
は、視覚障害者1が監視領域2内に進入したことを検出
するものであり、視覚障害者1が携帯し微弱電波を発す
る発信器3と、監視領域2の上方に設置され、前記発信
器3から発せられた微弱電波を受信する受信器4と、受
信器4が前記微弱電波を受信したか否かを判定する判定
部(図示せず)と、から構成されている。監視領域2
は、発信器3から発せられる微弱電波のレベルと受信器
4の受信感度により定められる。なお、視覚障害者1
は、視覚障害者用の杖5を持っている。
【0004】図8に示す検出装置によれば、発信器3が
監視領域2内に入ると、受信器4が発信器3から発せら
れた微弱電波を受信し、この受信状態が前記判定部によ
り判定されて視覚障害者1が監視領域2内にいることが
検出され、監視領域2内に発信器3がなければ、受信器
4が前記微弱電波を受信せず、この受信しない状態が前
記判定部により判定されて視覚障害者1が監視領域2内
にいないことが検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の検出装置では、視覚障害者1が発信器3を携帯する
ことを前提としており、発信器3は故障したりその電源
となる電池の寿命が尽きたりすると作動しないことか
ら、視覚障害者1は比較的短い時間間隔で定期的に電池
の交換をしたり動作確認を行ったりしなければなければ
ならず、発信器3の維持管理に手数を要し面倒であると
ともに、その維持管理を怠り易いことから検出装置が作
動しない可能性も高いという欠点がある。また、発信器
3は比較的高価であり、視覚障害者1は多数であるた
め、前記従来の検出装置はシステム全体として高価であ
るという欠点がある。
【0006】そして、このような事情は、視覚障害者が
監視領域内にいるか否かを検出する検出装置のみなら
ず、他の種々の物体が監視領域内に存在するか否かを検
出する検出装置においても、同様である。
【0007】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、検出すべき物体に高価な送信器等を設ける必要がな
く、検出すべき物体の側の維持管理が容易であり、ま
た、高度な画像処理回路等の必要がなく、構成が簡単で
安価な物体検出装置及び方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による物体検出装置は、所定の
監視領域に所定波長領域の光を照射する照射手段と、前
記照射手段の付近に配置され、前記所定波長領域の光の
みによる前記監視領域の像を撮像する撮像手段と、前記
撮像手段から得られた画像信号に基づいて、検出すべき
物体に予め設けられた所定パターンの再帰反射材であっ
て前記所定波長領域の光を再帰反射する再帰反射材が、
前記監視領域内に存在するか否かを判定する判定手段
と、を備えたものである。
【0009】なお、再帰反射材のパターンには、再帰反
射材の形状、大きさ、数、複数ある場合の位置関係や互
いの間隔などが含まれる。
【0010】本発明の第2の態様による物体検出装置
は、前記第1の態様による物体検出装置において、前記
所定パターンの再帰反射材が前記物体の向きに応じて異
なるパターンを有し、前記撮像手段から得られた画像信
号に基づいて、前記監視領域内に存在する前記再帰反射
材の向きを判定する方向判定手段を更に備えたものであ
る。
【0011】本発明の第3の態様による物体検出装置
は、所定の監視領域に所定波長領域の光を照射する照射
手段と、前記照射手段の付近に配置され、前記所定波長
領域の光のみによる前記監視領域の像を撮像する撮像手
段と、前記撮像手段から時間的に前後して得られた画像
信号に基づいて、検出すべき物体に予め設けられた所定
パターンの再帰反射材であって前記所定波長領域の光を
再帰反射し前記監視領域内に存在する再帰反射材の進行
方向を判定する進行方向判定手段と、を備えたものであ
る。
【0012】本発明の第4の態様による物体検出装置
は、前記第3の態様による物体検出装置において、前記
進行方向判定手段は、前記再帰反射材の像が、前記監視
領域の像に対して予め設定した複数のラインの各々を横
切る位置にあることをそれぞれ検出し、前記複数のライ
ンによる当該検出の時間的な順序に基づいて前記再帰反
射材の進行方向を判定するものである。
【0013】本発明の第5の態様による物体検出装置
は、前記第1乃至第4のいずれかの態様による物体検出
装置において、前記所定波長領域の光が近赤外波長領域
の光であるものである。
【0014】本発明の第6の態様による物体検出装置
は、前記第1乃至第5のいずれかの態様による物体検出
装置において、前記物体が視覚障害者用の杖であるもの
である。
【0015】本発明の第7の態様による物体検出方法で
は、所定波長領域の光を再帰反射する所定パターンの再
帰反射材を、検出すべき物体に予め設ける。所定の監視
領域に前記所定波長領域の光を照射する。前記所定波長
領域の光のみによる像を撮像する撮像手段を用いて、前
記所定波長領域の光の照射方向と略同一方向から前記監
視領域を撮像する。前記撮像手段から得られた画像信号
に基づいて、前記再帰反射材が前記監視領域内に存在す
るか否かを判定する。
【0016】本発明の第8の態様による物体検出方法で
は、前記第7の態様による物体検出方法において、前記
再帰反射材のパターンを前記物体の向きに応じて異なら
せ、前記撮像手段から得られた画像信号に基づいて、前
記監視領域内に存在する前記再帰反射材の向きを判定す
る。
【0017】本発明の第9の態様による物体検出方法で
は、所定波長領域の光を再帰反射する所定パターンの再
帰反射材を、検出すべき物体に予め設ける。所定の監視
領域に前記所定波長領域の光を照射する。前記所定波長
領域の光のみによる像を撮像する撮像手段を用いて、前
記所定波長領域の光の照射方向と略同一方向から前記監
視領域を撮像する。前記撮像手段から時間的に前後して
得られた画像信号に基づいて、前記監視領域内に存在す
る前記再帰反射材の進行方向を判定する。
【0018】本発明によれば、使用に際して、照射手段
が照射する所定波長領域の光を再帰反射する所定パター
ンの再帰反射材を、検出すべき物体に予め設けておく。
再帰反射材は、照射光の方向と略同一方向にのみ高輝度
光を反射する(再帰反射)する特性を有している。
【0019】したがって、照射手段により前記所定波長
領域の光が監視領域に照射され、撮像手段が照射手段の
付近に配置されているので、監視領域内に再帰反射材が
存在すれば、撮像手段が撮像する再帰反射材の像の輝度
は高輝度となり、しかもその像は前記所定波長領域の光
によるものである。
【0020】一方、照射手段により照射された前記所定
波長領域の光による、再帰反射材以外の部分(背景)の
像の輝度は、再帰反射材の像の輝度よりはるかに低い。
背景の像は周囲の照明の光や太陽光によっても生ずる
が、前記所定波長領域を周囲の照明の光や太陽光が含ま
れないように定めておく(前記所定波長領域を、前記第
5の態様のように、例えば近赤外波長領域としておく)
ことにより、たとえ周囲の照明の光や太陽光による背景
の像の輝度が高くなったとしても、その光による背景の
像は前記所定波長領域の光によるものではなくなること
になる。
【0021】ところで、撮像手段は、前記所定波長領域
の光のみによる像を撮像する。したがって、前述したよ
うに、監視領域内の再帰反射材の像は高輝度であって前
記所定波長領域の光によるものであるのに対し、監視領
域内の背景の像は輝度が低いかあるいは前記所定波長領
域の光によるものでないので、結局、撮像手段により得
られた画像信号から、監視領域内の再帰反射材の像のみ
を輝度の高低により簡単に抽出することができる。
【0022】このため、検出すべき物体の像などを高度
な画像処理回路や難しい画像処理手法により背景から抽
出することなく、撮像手段からの画像信号に基づいて、
検出すべき物体に設けられた再帰反射材が監視領域内に
存在するか否かを判定手段により簡単に判定することが
でき、ひいては検出すべき物体が監視領域内に存在する
か否かを検出することができる。したがって、本発明に
よれば、高度な画像処理回路等の必要がなく、構成が簡
単で安価となる。
【0023】また、本発明では、検出すべき物体には、
再帰反射材を設けるだけであって、従来のように送信器
等を設ける必要がない。再帰反射材は送信器等に比べて
極めて安価であるので、本発明によれば、システム全体
としてのコストを大幅に低減することができる。また、
本発明では、再帰反射材を物体に設けるだけであるの
で、検出すべき物体の側の電池交換や動作確認などの維
持管理の手数なしに、長期に渡って当該物体検出装置の
確実な動作を確保することができる。
【0024】また、再帰反射材のパターンを前記物体の
向きに応じて異ならせておけば、前記第2及び第8の態
様のように、撮像手段から得られた画像信号に基づい
て、監視領域内に存在する再帰反射材の向きを方向判定
手段により簡単に判定することができる。したがって、
この場合には、検出すべき物体の有無のみならず、検出
すべき物体の向きも知ることができる。
【0025】また、前記第3、第4及び第9の態様のよ
うに、撮像手段から時間的に前後して得られた画像信号
に基づいて再帰反射材の進行方向を判定すれば、検出す
べき移動物体の進行方向を検出することができる。そし
て、その進行方向が判定できない場合には当該移動物体
が存在しないことになるので、結果的に当該移動物体が
監視領域内に存在するか否かも検出することができるこ
とになる。
【0026】
【発明の実施の形態】まず、本発明の第1の実施の形態
による物体検出装置及び方法について、図1乃至図5を
参照して説明する。
【0027】図1は、本発明の第1の実施の形態による
物体検出装置を示す概略ブロック図である。図2は、照
射部1及びCCDカメラ2の配置例を示す説明図であ
る。
【0028】本実施の形態による物体検出装置は、図1
に示すように、照射部1と、CCDカメラ2と、2値化
処理部3と、画像メモリ4と、判定部5と、これらの各
要素を制御する制御部6と、を備えている。
【0029】本実施の形態では、照射部1は、図面には
示していないが、近赤外線波長領域の光を発光する赤外
線LEDと、該赤外線LEDを点灯駆動する駆動回路
と、を備えている。そして、照射部1は、図2に示すよ
うに、所定の監視領域7に上方から近赤外波長の光を照
射するように、監視領域7の上方に設置されている。本
実施の形態では、照射部1が、監視領域7に所定波長領
域の光を照射する照射手段を構成している。なお、照射
部1が照射する光は近赤外線波長領域の光に限定される
ものではない。また、本実施の形態では、照射部1は、
監視領域7の上方からほぼその真下へ光を照射するよう
に配置されているが、監視領域7の上方から斜め下方へ
光を照射するように配置したり、用途によっては監視領
域7の側方から横方向へ光を照射するように配置したり
してもよい。
【0030】CCDカメラ2は、図2に示すように、照
射部1の付近に配置されており、照射部1の光照射方向
と略同一方向から監視領域7の像を撮像するように配置
されている。また、CCDカメラ2は、図1に示すよう
に、受光側に近赤外線波長領域の光のみを透過する光学
フィルタ8を有しており、近赤外線波長領域の光による
監視領域7の像のみを撮像するようになっている。さら
に、CCDカメラ2は可変光学絞り9及び電子シャッタ
調節部10を有しており、これらを、画像信号増幅器
(図示せず)のゲイン調整や後述する2値化処理部3の
輝度閾値の調整等との関係で、適当に設定することによ
り、CCDカメラ2は高輝度光による像が判別可能なよ
うに露光調整されている。本実施の形態では、CCDカ
メラ2からの画像信号において高輝度光の部分以外の輝
度がほとんどゼロレベルとなってCCDカメラ2自体に
よって高輝度光の像のみが抽出されるように、前記露光
調整が行われている。もっとも、CCDカメラ2からの
画像信号において高輝度光の部分以外の輝度がゼロレベ
ルではないが高輝度光の部分の輝度のレベルより低レベ
ルとなるように前記露光調整を行えばよく、CCDカメ
ラ2自体によっては高輝度光の像のみが抽出されなくて
もよい。この場合であっても、例えば後述する2値化処
理部3の輝度閾値を適当に定めることにより、高輝度光
の像のみを簡単に抽出することができる。本実施の形態
では、CCDカメラ2が、高輝度光による像が判別可能
なように露光調整されるとともに、近赤外線波長領域の
光のみによる監視領域7の像を撮像する撮像手段とし
て、採用されているが、このような撮像手段はCCDカ
メラに限定されるものではない。
【0031】なお、監視領域7の最大の範囲は、照射部
1の照射野とCCDカメラ2の視野との重複領域である
が、監視領域7は、後述する判定部5により判定する領
域を適宜定めることによって、当該重複領域の全部又は
当該重複領域の任意の一部の領域のみとすることが可能
である。
【0032】本実施の形態による物体検出装置は、図2
及び図3に示すように、検出すべき物体、例えば視覚障
害者11が持つ視覚障害者用の杖12に、近赤外線波長
領域の光を再帰反射する所定のパターンの再帰反射材を
予め設けておくことを、前提とする。
【0033】図3は、再帰反射材の種々のパターンの例
を示す図である。図2及び図3(a)に示す例では、杖
12の全周に渡って長さL1の再帰反射材13が設けら
れている。図3(b)に示す例では、杖12の全周に渡
って同一長さL2の2つの再帰反射材14a,14bが
杖12の長さ方向に間隔L3をあけて設けられている。
図3(c)に示す例では、杖12の全周に渡って長さL
4の再帰反射材15aが設けられ、再帰反射材15aに
対して杖12の把持側に間隔L5をあけて長さL6(>
L4)の再帰反射材15bが杖12の全周に渡って設け
られている。図3(d)に示す例では、杖12の全周に
渡って同一長さL7の3つの再帰反射材16a,16
b,16cが設けられ、杖12の先端側に配置された再
帰反射材16aと中央の再帰反射材16bとは間隔L8
があけられ、中央の再帰反射材16bと杖12の把持側
の再帰反射材16cとは間隔L9(<L8)があけられ
ている。
【0034】図3(a)及び図3(b)に示す再帰反射
材のパターンは、杖12の向き(すなわち、杖12の先
端側か把持側か)にかかわらず同一であるが、図3
(c)及び図3(d)に示す再帰反射材のパターンは、
杖12の向きに応じて異なっている。すなわち、図3
(c)に示す例では、先端側の再帰反射材15aの長さ
L4と把持側の再帰反射材15bの長さL6とが異なっ
ている。また、図3(d)に示す例では、先端側の再帰
反射材16aと中央の再帰反射材16bとの間の間隔L
8と、中央の再帰反射材16bと把持側16cとの間隔
L9とが、異なっている。
【0035】以下の説明では、便宜上、杖12には、図
2及び図3(a)に示すように再帰反射材13が設けら
れているものとする。
【0036】再び、図1を参照すると、2値化処理部3
はCCDカメラ2から得られた画像信号を所定の輝度閾
値で2値化処理を行い、2値化画像データを得る。画像
メモリ4は、この2値化画像データを記憶する。
【0037】再帰反射材13は、照射光の方向と略同一
方向にのみ高輝度光を反射する(再帰反射)する特性を
有している。したがって、照射部1により近赤外線波長
領域の光が監視領域7に照射され、CCDカメラ2が照
射部1の付近に配置されているので、監視領域7内に再
帰反射材13が存在すれば、CCDカメラ2が撮像する
再帰反射材13の像の輝度は高輝度となり、しかもその
像は近赤外線波長領域の光によるものである。一方、照
射部1により照射された近赤外線波長領域の光による、
再帰反射材13以外の部分(背景)の像の輝度は、再帰
反射材13の像の輝度よりはるかに低い。背景の像は周
囲の照明の光や太陽光によっても生ずるが、周囲の照明
の光や太陽光は近赤外線波長領域の光をほとんど含まな
いので、たとえ周囲の照明の光や太陽光による背景の像
の輝度が高くなったとしても、その光による背景の像は
近赤外線波長領域の光によるものではなくなることにな
る。したがって、本実施の形態では、CCDカメラ2
は、高輝度光による像のみを抽出するように露光調整さ
れるとともに近赤外線波長領域の光のみによる像を撮像
するので、結局、CCDカメラ2から、監視領域7内の
再帰反射材13の像のみが高輝度の像として抽出された
画像信号が得られる。このため、2値化処理部3の輝度
閾値を適当に設定しておくことにより、2値化処理部3
から、再帰反射材13の像のみを抽出した画像データが
得られることとなり、この画像データが画像メモリ4に
記憶されることとなる。
【0038】今、CCDカメラ2の視野における可視像
が図4(a)に示すような像である場合には、画像メモ
リ4に記憶される画像データが示す像は、図4(b)に
示すように、再帰反射材13の像のみとなり、背景が消
去されることになる。なお、図4においては、便宜上、
視覚障害者11、杖12及び再帰反射材13の像も、視
覚障害者11、杖12及び再帰反射材13と同一符号を
付している。また、図4中の上方向が図2中の左方向に
相当し、図4中の下方向が図2中の右方向に対応してい
る。
【0039】このように、本実施の形態では、高度な画
像処理回路や難しい画像処理手法を用いることなく、簡
単に再帰反射材13の像のみを背景から抽出することが
できる。
【0040】また、図1において、判定部5は、画像メ
モリ4に記憶された画像データに基づいて監視領域7内
に再帰反射材13が存在するか否かを判定し、存在する
と判定した場合には、再帰反射材13が監視領域7内に
存在する旨の検出信号を出力する。
【0041】例えば、判定部5は、画像データ中の監視
領域7に対応する領域に高輝度の部分が存在するか否
か、存在すれば当該高輝度の部分のパターンが再帰反射
材13のパターンに適合するか否かを判定することによ
って、監視領域7内に再帰反射材13が存在するか否か
(すなわち、画像データ中の監視領域7に対応する領域
に再帰反射材13のパターンに適合する所定パターンの
像が存在するか否か)を判定する。高輝度の部分のパタ
ーンが再帰反射材13のパターンに適合するか否かの判
定は、通常の画像認識手法に従って、例えば、再帰反射
材13の形状、大きさ等に基づいて判定することができ
る。また、例えば、図3(b)〜(d)に示すような例
では、再帰反射材の間隔等にも基づいて判定することが
できる。
【0042】なお、判定部5は、単に、画像データ中の
監視領域7に対応する領域に高輝度の部分が存在するか
否かを判定することによって、監視領域7内に再帰反射
材13が存在するか否かを判定することもできる。しか
し、周囲の照明の光や太陽光は近赤外線波長領域の光が
近赤外線波長領域の光を含んでいてその強度が強い場合
も可能性は低いもののあり得る。そこで、誤検出を防止
するため、画像データ中の監視領域7に対応する領域に
高輝度の部分が存在する場合に当該高輝度の部分のパタ
ーンが再帰反射材13のパターンに適合するか否かも判
定することによって、監視領域7内に再帰反射材13が
存在するか否かを判定することが好ましい。
【0043】なお、本実施の形態では、2値化処理部
3、画像メモリ4及び判定部5が、CCDカメラ2から
得られた画像信号に基づいて、杖12に設けられた再帰
反射材13が監視領域7内に存在するか否かを判定する
判定手段を構成している。
【0044】次に、本実施の形態による物体検出装置の
動作について、図5に示すフローチャートを参照して説
明する。
【0045】動作を開始すると、まず、ステップS1
で、画像データを画像メモリ4に取り込む。この取り込
みは、制御部6の制御下で次のようにして行われる。ま
ず、制御部6は、照射部1に近赤外線波長領域の光を発
光させるとともに、CCDカメラ2にそのシャッタを開
らかせて1画像分の画像信号を2値化処理部3に供給さ
せる。制御部6は、少なくともCCDカメラ2のシャッ
タが開いている間は照射部1を点灯させ続ける。また、
制御部6は、2値化処理部3にCCDカメラ2からの画
像信号の2値化処理を行わせ、2値化処理部3から得ら
れる2値化画像データを画像メモリ4に記憶させる。
【0046】次に、ステップS2で、制御部6の制御下
において、判定部5が、前述したようにして、画像メモ
リ4に記憶された画像データに基づいて監視領域7内に
再帰反射材13が存在するか否かを判定する。存在する
と判定した場合には、ステップS3で、判定部5が再帰
反射材13が監視領域7内に存在する旨の検出信号(物
体識別信号)を出力し、ステップS1に戻る。一方、S
2で存在しないと判定されると、直接ステップS1に戻
る。
【0047】なお、本実施の形態では、検出すべき物体
が視覚障害者用の杖12とされているので、判定部5か
らの前記検出信号は、視覚障害者11が所定領域内にい
ることを示すことになる。この検出信号は、例えば、視
覚障害者11に対して音声で現在位置を案内したり危険
な場所であることを警告するためなどに用いることがで
きる。
【0048】以上説明した本実施の形態による物体検出
装置によれば、視覚障害者11や杖12の像などを高度
な画像処理回路や難しい画像処理手法により背景から抽
出することなく、CCDカメラ2からの画像信号に基づ
いて、杖12に設けられた再帰反射材13が監視領域7
内に存在するか否かを簡単に判定することができ、結
局、検出すべき杖12が監視領域7内に存在するか否
か、ひいては視覚障害者11が所定領域内にいるか否か
を検出することができる。したがって、本実施の形態に
よれば、高度な画像処理回路等の必要がなく、構成が簡
単で安価となる。
【0049】また、本実施の形態では、検出すべき物体
には、再帰反射材13を設けるだけであって、従来のよ
うに送信器等を設ける必要がない。再帰反射材13は送
信器等に比べて極めて安価であるので、本実施の形態に
よれば、システム全体としてのコストを大幅に低減する
ことができる。また、本実施の形態では、再帰反射材1
3を杖12に設けるだけであるので、視覚障害者12の
側の電池交換や動作確認などの維持管理の手数なしに、
長期に渡って当該物体検出装置の確実な動作を確保する
ことができる。
【0050】次に、本発明の第2の実施の形態による物
体検出装置について、説明する。
【0051】本実施の形態による物体検出装置は、前記
第1の実施の形態による物体検出装置と基本的には同様
に構成されるが、一部のみ変形したものである。すなわ
ち、本実施の形態による物体検出装置は、図3(c)や
図3(d)に示すように杖12の向きに応じて異なるパ
ターンを有する再帰反射材が杖12に設けられることを
前提とする。以下の説明では、便宜上、杖12には、図
3(c)に示すように再帰反射材15a,15bが設け
られているものとする。また、本実施の形態による物体
検出装置では、図1中の判定部5が、画像メモリ4に記
憶された画像データに基づいて監視領域7内に再帰反射
材15a,15bが存在するか否かを判定するのみなら
ず、画像メモリ4に記憶された画像データに基づいて監
視領域7内に存在する再帰反射材15a,15bの向き
を判定する。
【0052】本実施の形態による物体検出装置の動作に
ついて、図6及び図7を参照して説明する。
【0053】図6は、本実施の形態において画像メモリ
4に記憶される画像データが示す像の例を示す図であ
る。図6においては、便宜上、再帰反射材15a,15
bの像も再帰反射材15a,15bと同一符号を付して
おり、図6中の上方向が図2中の左方向に相当し、図6
中の下方向が図2中の右方向に対応している。また、図
7は、本実施の形態による物体検出装置の動作を示すフ
ローチャートであり、図5に示すフローチャート中のス
テップと同一ステップには同一符号を付し、その詳細な
説明は省略する。
【0054】本実施の形態では、動作を開始すると、前
述したステップS1で2値画像データが画像メモリ4に
取り込まれる。今、視覚障害者11が図2に示すように
図2中の右側から左側に進行して(あるいは進行しよう
として)杖12(ただし、今は、杖12には再帰反射材
15a,15bが設けられているものとしている。)が
監視領域7に入っている場合には、杖12の先端側が把
持側に対して図2中の左方向に突き出されるので、画像
メモリ4に記憶される画像データが示す像は、図6
(a)に示すように、再帰反射材15a,15bの像の
みとなって背景が消去され、しかも、長さの短い再帰反
射材15aの像が長さの長い再帰反射材15bに対して
上側に現れる。一方、視覚障害者11が図2とは逆に図
2中の左側から右側に進行して(あるいは進行しようと
して)杖12が監視領域7に入っている場合には、杖1
2の先端側が把持側に対して図2中の右方向に突き出さ
れるので、画像メモリ4に記憶される画像データが示す
像は、図6(b)に示すように、再帰反射材15a,1
5bの像のみとなって背景が消去され、しかも、長さの
長い再帰反射材15bの像が長さの短い再帰反射材15
aに対して上側に現れる。
【0055】次に、ステップS2で、判定部5が、画像
データ画像メモリ4に記憶された画像データに基づいて
監視領域7内に再帰反射材15a,15bが存在するか
否かを判定する。存在しないと判定した場合には、ステ
ップS1に戻る。一方、ステップS2で存在すると判定
されると、ステップS10で、判定部5が、画像メモリ
4に記憶された画像データに基づいて監視領域7内に存
在する再帰反射材15a,15bの向きを判定する。こ
の向きの判定は、例えば、次のようにして行うことがで
きる。すなわち、図6に示すように、上側の再帰反射材
15a又は15bの垂直方向の射影長さv1、及び、下
側の再帰反射材15b又は15aの垂直方向の射影長さ
v2を求め、v1<v2である(図6(a)の状態であ
る)か否かを判定することによって、再帰反射材15
a,15bの向き(すなわち、杖12の先端の向きであ
って視覚障害者11の進行方向)が正方向(図6中の上
方向であって図2中の左方向)であるか逆方向(図6中
の下方向であって図2中の右方向)であるか否かを判定
する。
【0056】ステップS10で正方向であると判定する
と、ステップ11で判定部5は正方向判別信号を出力
し、ステップS1に戻る。本実施の形態では、この正方
向判別信号は、視覚障害者11が所定の領域にいて正方
向に進行しているかあるいは進行しようとしていること
を示すことになる。一方、ステップS10で正方向でな
いと判定すると、ステップ12で判定部5は逆方向判別
信号を出力し、ステップS1に戻る。本実施の形態で
は、この逆方向判別信号は、視覚障害者11が所定の領
域にいて逆方向に進行しているかあるいは進行しようと
していることを示すことになる。これらの正方向判別信
号及び逆方向判別信号は、例えば、視覚障害者11に対
して音声で、現在位置のみならず視覚障害者11の進行
方向の行き先を案内するために、用いることができる。
また、これらの正方向判別信号及び逆方向判別信号は、
例えば、道路横断時の案内のみならず交通信号機の制御
のために用いることもできる。
【0057】このように、本実施の形態によれば、検出
しようとする物体の向きを極めて簡単に検出することが
できる。
【0058】なお、本実施の形態では、再帰反射材15
a,15bの向き(すなわち、杖12の先端の向き)を
2方向に分けて判定していたが、必要に応じて、もっと
細分化して向きを判定してもよい。例えば、前述したよ
うにv1<v2であるか否かを判定するのみならず、図
6に示すように、左側の再帰反射材15a又は15bの
水平方向の射影長さh1、及び、右側の再帰反射材15
b又は15aの垂直方向の射影長さh2を求め、h1<
v2であるか否かも判定することによって、杖12の先
端の向きが4方向(図6中の、上左方向、上右方向、下
左方向、下右方向)のいずれであるかを判定することも
できる。また、再帰反射材15a,15bの向き(すな
わち、杖12の先端の向き)を厳密に知る必要がある場
合には、例えば、再帰反射材15a,15bの像の中心
座標を求め長さの長い再帰反射材15bの像の中心座標
から長さの短い再帰反射材15aの像の中心座標へ向か
うベクトルを演算すればよい。
【0059】次に、本発明の第3の実施の形態による物
体検出装置について、説明する。
【0060】本実施の形態による物体検出装置は、前記
第1の実施の形態による物体検出装置を以下に説明する
ように変形したものであり、他の点は前記第1の実施の
形態による物体検出装置と同様に構成されている。すな
わち、本実施の形態による物体検出装置は、図5中のス
テップS1の画像取り込みが本装置の動作中に比較的短
い時間間隔で順次行われるとともに、図1中の判定部5
が図9に示す動作を行うように、前記第1の実施の形態
による物体検出装置を変形したものである。
【0061】なお、以下の説明では、便宜上、杖12に
は、図2及び図3(a)に示すように再帰反射材13が
設けられているものとする。
【0062】本実施の形態における判定部5の動作につ
いて、図9及び図10を参照して説明する。図9は、本
実施の形態における判定部5の動作を示すフローチャー
トである。図10は、ある時点において画像メモリ4に
記憶される画像データが示す像の例を示す図である。図
10においては、便宜上、再帰反射材13の像も再帰反
射材13と同一符号を付しており、図10中の上方向が
図2中の左方向に相当し、図10中の下方向が図2中の
右方向に対応している。
【0063】本実施の形態では、図10に示すように、
画像メモリ4に記憶される画像データが示す像(すなわ
ち、監視領域7の像)に対して、予め4本のラインC1
〜C4が設定されている。これらのラインC1〜C4
は、前記画像データ自体に現れるわけではなく、当該画
像上の線状の位置を示すものであり、仮想的なものであ
る。本実施の形態では、ラインC1〜C4は、図10中
の左右方向に延び、互いに間隔をあけて平行となり、か
つ、図10中の下からラインC1〜C4の順となるよう
に、設定されている。各ラインC1〜C4の間隔や監視
領域7における位置等は、図10に示す例に限定される
ものではない。
【0064】本実施の形態による物体検出装置が動作を
開始すると、判定部5は、まず、ステップS21で、そ
の時点で画像メモリ4に記憶されている最新の画像デー
タに基づいて、当該画像データが示す画像においてライ
ンC1を横切る位置に(換言すれば、ラインC1上に)
高輝度の像(すなわち、通常は再帰反射材13の像)が
あるか否かを判定する。この判定は、具体的には、例え
ば、ラインC1上の各画素の値を調べ、それらの画素中
に高輝度を示す値を有する画素があるか否かを判定する
ことによって行うことができる。ステップS21でライ
ンC1を横切る位置に高輝度の像があると判定されると
ステップS23に移行し、ステップS21でラインC1
を横切る位置に高輝度の像がないと判定されるとステッ
プS22に移行する。したがって、ステップS21の処
理中の時点tにおいて、図10(a)に示すように再帰
反射材13の像がラインC1を横切る位置にあると、ス
テップS23に移行することになる。
【0065】ステップS22において、判定部5は、そ
の時点で画像メモリ4に記憶されている最新の画像デー
タに基づいて、当該画像データが示す画像においてライ
ンC4を横切る位置に(換言すれば、ラインC4上に)
高輝度の像(すなわち、通常は再帰反射材13の像)が
あるか否かを判定する。ラインC4を横切る位置に高輝
度の像があると判定されるとステップS33に移行し、
ラインC4を横切る位置に高輝度の像がないと判定され
るとステップS21に戻る。したがって、ステップS2
2の処理中の時点t’において、図10(c)に示すよ
うに再帰反射材13の像がラインC4を横切る位置にあ
ると、ステップS33に移行することになる。
【0066】ステップS23において、判定部5は、所
定時間Δt1だけ待機する。これは、ステップS21で
ラインC1を横切る位置に高輝度の像があると判定され
てから所定時間Δt1を経過した後に得られた画像デー
タに基づいて後述するステップS26の判定を行うこと
により、検出すべき物体である杖12(本実施の形態で
は、杖12を移動体として捉える)の移動速度に比べて
高速で移動する移動体を無視して、検出精度を向上させ
るためである。もっとも、必ずしもステップS23の処
理を行う必要はなく、ステップS21でラインC1を横
切る位置に高輝度の像があると判定された場合には、直
ちにステップS24に移行するようにしてもよい。
【0067】次に、判定部5は、計時を開始し(ステッ
プS24)、ステップS24で計時を開始してから所定
時間Δt2を経過したか否かを判定する(ステップS2
5)。所定時間Δt2を経過していればステップS21
に戻り、所定時間Δt2を経過していなければステップ
S26に移行する。ステップS26において、判定部5
は、その時点で画像メモリ4に記憶されている最新の画
像データに基づいて、当該画像データが示す画像におい
てラインC2を横切る位置に(換言すれば、ラインC2
上に)高輝度の像(すなわち、通常は再帰反射材13の
像)があるか否かを判定する。ラインC2を横切る位置
に高輝度の像がないと判定されるとステップS25に戻
り、ラインC2を横切る位置に高輝度の像があると判定
されるとステップS27に移行する。したがって、ステ
ップS26の処理中の時点t+Δt(前記時点tからΔ
t時間経過した時点)において、図10(b)に示すよ
うに再帰反射材13の像がラインC2を横切る位置にあ
ると、ステップS27に移行することになる。
【0068】なお、ステップS24,S25の処理を行
わずにステップS23からあるいはステップS21から
直ちにステップS26に移行するとともに、ステップS
26でラインC2を横切る位置に高輝度の像がないと判
定された場合に再びステップS26に戻るようにしても
よい。ただし、再帰反射材13の像が図10中の斜め上
方に進行して一旦ラインC1を横切った後にラインC2
を横切ることなく監視領域7の像から外れてしまうよう
なこともあり得るので、前述したようにステップS2
4,S25の処理を行うことが好ましい。
【0069】ステップS27において、判定部5は、ス
テップS26でラインC2を横切る位置にあると判定し
た高輝度の像が、再帰反射材13のパターンに適合する
か否かを判定する。この判定は、例えば、図10(b)
に示すように当該像の垂直方向の射影長さv10を求
め、この射影長さv10が所定範囲に入っているか否か
を判定することによって、行うことができる。再帰反射
材13のパターンに適合しないと判定されるとステップ
S21に戻り、再帰反射材13のパターンに適合すると
判定されるとステップS28に移行する。
【0070】なお、ステップS27の判定は、可能性は
低いものの高輝度の像が再帰反射材13の像でない場合
もあり得るので、誤検出を防止して検出精度を向上させ
るために行われるものである。もっとも、ステップS2
7の処理を行わずに、ステップS26でラインC2を横
切る位置に高輝度の像があると判定された場合に直ちに
ステップS28に移行するようにしてもよい。
【0071】ステップS28において判定部5は正方向
判別信号を出力し、ステップS21に戻る。本実施の形
態では、この正方向判別信号は、図10(a)(b)に
示すように、最初に再帰反射材13の像がラインC1を
横切る位置にあることが検出された(ステップS21で
YES)後にラインC2を横切る位置にあることが検出
された場合(ステップS26でYES)に、出力される
ことになるので、視覚障害者11が所定の領域にいて正
方向(図10中の上方向であって図2中の左方向)に進
行していることを示すことになる。
【0072】また、ステップS22においてラインC4
を横切る位置に高輝度の像があると判定されると、ライ
ンC3に関して、前述したステップS23〜S28と同
様のステップS33〜S38が行われる。
【0073】すなわち、ステップS33において、判定
部5は、所定時間Δt1だけ待機する。これは、ステッ
プS22でラインC4を横切る位置に高輝度の像がある
と判定されてから所定時間Δt1を経過した後に得られ
た画像データに基づいて後述するステップS36の判定
を行うことにより、検出すべき物体である杖12(本実
施の形態では、杖12を移動体として捉える)の移動速
度に比べて高速で移動する移動体を無視して、検出精度
を向上させるためである。もっとも、必ずしもステップ
S33の処理を行う必要はなく、ステップS22でライ
ンC4を横切る位置に高輝度の像があると判定された場
合には、直ちにステップS34に移行するようにしても
よい。
【0074】次に、判定部5は、計時を開始し(ステッ
プS34)、ステップS34で計時を開始してから所定
時間Δt2を経過したか否かを判定する(ステップS3
5)。所定時間Δt2を経過していればステップS21
に戻り、所定時間Δt2を経過していなければステップ
S36に移行する。ステップS36において、判定部5
は、その時点で画像メモリ4に記憶されている最新の画
像データに基づいて、当該画像データが示す画像におい
てラインC3を横切る位置に(換言すれば、ラインC3
上に)高輝度の像(すなわち、通常は再帰反射材13の
像)があるか否かを判定する。ラインC3を横切る位置
に高輝度の像がないと判定されるとステップS35に戻
り、ラインC3を横切る位置に高輝度の像があると判定
されるとステップS37に移行する。したがって、ステ
ップS36の処理中の時点t’+Δt’(前記時点t’
からΔt’時間経過した時点)において、図10(d)
に示すように再帰反射材13の像がラインC3を横切る
位置にあると、ステップS37に移行することになる。
【0075】なお、ステップS34,S35の処理を行
わずにステップS33からあるいはステップS22から
直ちにステップS36に移行するとともに、ステップS
36でラインC3を横切る位置に高輝度の像がないと判
定された場合に再びステップS36に戻るようにしても
よい。ただし、再帰反射材13の像が図10中の斜め下
方に進行して一旦ラインC4を横切った後にラインC3
を横切ることなく監視領域7の像から外れてしまうよう
なこともあり得るので、前述したようにステップS3
4,S35の処理を行うことが好ましい。
【0076】ステップS37において、判定部5は、ス
テップS36でラインC3を横切る位置にあると判定し
た高輝度の像が、再帰反射材13のパターンに適合する
か否かを判定する。この判定は、例えば、図10(d)
に示すように当該像の垂直方向の射影長さv20を求
め、この射影長さv20が所定範囲に入っているか否か
を判定することによって、行うことができる。再帰反射
材13のパターンに適合しないと判定されるとステップ
S21に戻り、再帰反射材13のパターンに適合すると
判定されるとステップS38に移行する。
【0077】なお、ステップS37の判定は、可能性は
低いものの高輝度の像が再帰反射材13の像でない場合
もあり得るので、誤検出を防止して検出精度を向上させ
るために行われるものである。もっとも、ステップS3
7の処理を行わずに、ステップS36でラインC3を横
切る位置に高輝度の像があると判定された場合に直ちに
ステップS38に移行するようにしてもよい。
【0078】ステップS38において判定部5は逆方向
判別信号を出力し、ステップS21に戻る。本実施の形
態では、この正方向判別信号は、図10(c)(d)に
示すように、最初に再帰反射材13の像がラインC4を
横切る位置にあることが検出された(ステップS22で
YES)後にラインC3を横切る位置にあることが検出
された場合(ステップS36でYES)に、出力される
ことになるので、視覚障害者11が所定の領域にいて逆
方向(図10中の下方向であって図2中の右方向)に進
行していることを示すことになる。
【0079】本実施の形態においても、前記正方向判別
信号及び逆方向判別信号は、例えば、視覚障害者11に
対して音声で、現在位置のみならず視覚障害者11の進
行方向の行き先を案内するために、用いることができ
る。また、これらの正方向判別信号及び逆方向判別信号
は、例えば、道路歩行時の案内のみならず交通信号機の
制御のために用いることもできる。
【0080】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、判定部5は、CCDカメラ2から時間的に前後
して得られた画像信号に基づいて、検出すべき物体に予
め設けられ監視領域7内に存在する再帰反射材13の進
行方向を判定する進行方向判定手段を構成している。そ
して、判定部5は、再帰反射材13の像が、監視領域7
の像に対して予め設定した複数のラインC1〜C4の各
々を横切る位置にあることをそれぞれ検出し、前記複数
のラインC1〜C4による当該検出の時間的な順序に基
づいて再帰反射材13の進行方向を判定している。もっ
とも、前記進行方向判定手段は、このような複数のライ
ンを用いたものに限定されるものではない。
【0081】なお、本実施の形態では、1対のラインC
1,C2により正方向を判定し、他の1対のラインC
3,C4により逆方向を判定しているが、1対のライン
で両方向を判定してもよい。例えば、1対のラインC
1,C2のみを設定する場合には、図9中のステップ2
2において、その時点で画像メモリ4に記憶されている
最新の画像データに基づいて、当該画像データが示す画
像においてラインC2を横切る位置に高輝度の像がある
か否かを判定し、図9中のステップ36において、その
時点で画像メモリ4に記憶されている最新の画像データ
に基づいて、当該画像データが示す画像においてライン
C1を横切る位置に高輝度の像があるか否かを判定すれ
ばよい。
【0082】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。例えば、前記各実施の形態では、検出すべき
物体を視覚障害者用の杖としていたが、検出対象の物体
はこのような杖に限定されるものではない。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、検出すべき物体に高価
な送信器等を設ける必要がなく、検出すべき物体の側の
維持管理が容易であり、また、高度な画像処理回路等の
必要がなく、構成が簡単で安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施の形態による物体検出装置を示
す概略ブロック図である。
【図2】照射部及びCCDカメラの配置例を示す説明図
である。
【図3】再帰反射材の種々のパターンの例を示す図であ
る。
【図4】CCDカメラの視野における可視像及び画像メ
モリに記憶される画像データが示す像の一例を示す図で
ある。
【図5】本発明の第1の実施の形態による物体検出装置
の動作を示すフローチャートである。
【図6】画像メモリに記憶される画像データが示す像の
他の例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による物体検出装置
の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の検出装置を示す概略構成図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による物体検出装置
における判定部の動作を示すフローチャートである。
【図10】画像メモリに記憶される画像データが示す像
の更に他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 照射部 2 CCDカメラ 3 2値化処理部 4 画像メモリ 5 判定部 6 制御部 7 監視領域 11 視覚障害者 12 杖 13,14a,14b,15a,15b 再帰反射材 16a,16b,16c 再帰反射材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 7/18 G01V 9/04 S // G01J 1/02 G06F 15/70 350H (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 8/12 G01V 8/10 G02B 5/12 G06T 7/60 G08B 13/18 H04N 7/18 G01J 1/02

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の監視領域に所定波長領域の光を照
    射する照射手段と、 前記照射手段の付近に配置され、前記所定波長領域の光
    のみによる前記監視領域の像を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段から得られた画像信号に基づいて、検出す
    べき物体に予め設けられた所定パターンの再帰反射材で
    あって前記所定波長領域の光を再帰反射する再帰反射材
    が、前記監視領域内に存在するか否かを判定する判定手
    段と、前記所定パターンの再帰反射材は前記物体の向きに応じ
    て異なるパターンを有し、前記撮像手段から得られた画
    像信号に基づいて、前記監視領域内に存在する前記再帰
    反射材の向きを判定する方向判定手段と、 を備えたことを特徴とする物体検出装置。
  2. 【請求項2】 所定の監視領域に所定波長領域の光を照
    射する照射手段と、 前記照射手段の付近に配置され、前記所定波長領域の光
    のみによる前記監視領域の像を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段から時間的に前後して得られた画像信号に
    基づいて、検出すべき物体に予め設けられた所定パター
    ンの再帰反射材であって前記所定波長領域の光を再帰反
    射し前記監視領域内に存在する再帰反射材の進行方向を
    判定する進行方向判定手段と、 を備えたことを特徴とする物体検出装置。
  3. 【請求項3】 前記進行方向判定手段は、前記再帰反射
    材の像が、前記監視領域の像に対して予め設定した複数
    のラインの各々を横切る位置にあることをそれぞれ検出
    し、前記複数のラインによる当該検出の時間的な順序に
    基づいて前記再帰反射材の進行方向を判定することを特
    徴とする請求項記載の物体検出装置。
  4. 【請求項4】 前記所定波長領域の光が近赤外波長領域
    の光であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    記載の物体検出装置。
  5. 【請求項5】 所定の監視領域に所定波長領域の光を照
    射する照射手段と 前記照射手段の付近に配置され、前記所定波長領域の光
    のみによる前記監視領域の像を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段から得られた画像信号に基づいて、検出す
    べき物体に予め設けられた所定パターンの再帰反射材で
    あって前記所定波長領域の光を再帰反射する再帰反射材
    が、前記監視領域内に存在するか否かを判定する判定手
    段と、 を備え、 前記所定波長領域の光が近赤外波長領域の光であること
    を特徴とする物体検出装置。
  6. 【請求項6】 前記物体が視覚障害者用の杖であること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物体検
    出装置。
  7. 【請求項7】 所定の監視領域に所定波長領域の光を照
    射する照射手段と、 前記照射手段の付近に配置され、前記所定波長領域の光
    のみによる前記監視領域の像を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段から得られた画像信号に基づいて、検出す
    べき物体に予め設けられた所定パターンの再帰反射材で
    あって前記所定波長領域の光を再帰反射する再帰反射材
    が、前記監視領域内に存在するか否かを判定する判定手
    段と、 を備え、 前記物体が視覚障害者用の杖であることを特徴とする物
    体検出装置。
  8. 【請求項8】 所定波長領域の光を再帰反射する所定パ
    ターンの再帰反射材を、検出すべき物体に予め設け、 所定の監視領域に前記所定波長領域の光を照射し、 前記所定波長領域の光のみによる像を撮像する撮像手段
    を用いて、前記所定波長領域の光の照射方向と略同一方
    向から前記監視領域を撮像し、 前記撮像手段から得られた画像信号に基づいて、前記再
    帰反射材が前記監視領域内に存在するか否かを判定し、 前記再帰反射材のパターンを前記物体の向きに応じて異
    ならせ、前記撮像手段から得られた画像信号に基づい
    て、前記監視領域内に存在する前記再帰反射材の 向きを
    判定する ことを特徴とする物体検出方法。
  9. 【請求項9】 所定波長領域の光を再帰反射する所定パ
    ターンの再帰反射材を、検出すべき物体に予め設け、 所定の監視領域に前記所定波長領域の光を照射し、 前記所定波長領域の光のみによる像を撮像する撮像手段
    を用いて、前記所定波長領域の光の照射方向と略同一方
    向から前記監視領域を撮像し、 前記撮像手段から時間的に前後して得られた画像信号に
    基づいて、前記監視領域内に存在する前記再帰反射材の
    進行方向を判定する、 ことを特徴とする物体検出方法。
  10. 【請求項10】 所定波長領域の光を再帰反射する所定
    パターンの再帰反射材を、検出すべき物体に予め設け、 所定の監視領域に前記所定波長領域の光を照射し、 前記所定波長領域の光のみによる像を撮像する撮像手段
    を用いて、前記所定波長領域の光の照射方向と略同一方
    向から前記監視領域を撮像し、 前記撮像手段から得られた画像信号に基づいて、前記再
    帰反射材が前記監視領域内に存在するか否かを判定し、 前記前記所定波長領域の光が近赤外波長領域の光である
    ことを特徴とする物体検出方法。
  11. 【請求項11】 所定波長領域の光を再帰反射する所定
    パターンの再帰反射材を、検出すべき物体に予め設け、 所定の監視領域に前記所定波長領域の光を照射し、 前記所定波長領域の光のみによる像を撮像する撮像手段
    を用いて、前記所定波長領域の光の照射方向と略同一方
    向から前記監視領域を撮像し、 前記撮像手段から得られた画像信号に基づいて、前記再
    帰反射材が前記監視領域内に存在するか否かを判定し、 前記物体が視覚障害者用の杖であることを特徴とする物
    体検出方法。
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