JP3285339B2 - 防音装置 - Google Patents

防音装置

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JP3285339B2
JP3285339B2 JP2000094854A JP2000094854A JP3285339B2 JP 3285339 B2 JP3285339 B2 JP 3285339B2 JP 2000094854 A JP2000094854 A JP 2000094854A JP 2000094854 A JP2000094854 A JP 2000094854A JP 3285339 B2 JP3285339 B2 JP 3285339B2
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弘 矢野
寿夫 和田
志郎 本間
泰典 柴田
秀樹 下土居
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路、鉄道線路、
飛行場、トンネルおよび工場などの騒音発生域に防音壁
などとして好適に実施することができる防音装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】典型的な従来の技術は、特開平10−2
66388号公報に記載されている。この従来の技術で
は、高速鉄道車両の床、壁および天井に用いられる制振
遮音パネルであって、対向する2枚の表面板間に平均粒
径が30〜1000μmの粉体が収納され、各表面板の
振動によって粉体を流動化させ、粉体が受けた振動エネ
ルギを熱エネルギに変換し、1G程度の振動加速度で6
3Hz〜4kHzの周波数帯域にわたって2〜5dBの
騒音レベルを低下して、防音効果が得られることが示さ
れている。この従来の技術にはまた、前記粉体はガラス
ビーズ、シリカバルーン、シラスバルーン、蛭石、パー
ライトなどの無機質系材料が用いられ、これによって粉
体の表面が硬く、流動に伴う衝突および摩擦による表面
の摩耗が少なく、高い耐久性が得られることが示されて
いる。
【0003】他の従来の技術は、特開平8−20981
7号公報に記載されている。この従来の技術では、ゴム
アスファルト100重量部に対して、100メッシュ以
上10メッシュ以下の任意の範囲で振分けされた鱗片状
鋳鉄粉300〜600重量部と無機粉末100重量部以
下とを添加し、ロール成形機などを用いて厚さ1〜3m
mのシート状に成形した制振遮音材が開示されている。
【0004】さらに他の従来の技術は、特開平6−30
7066号公報に示されている。この従来の技術では、
鉄道車両の床板用構造体として用いられる防音パネルで
あって、アルミ発泡材層の音源側の表面にサンドイッチ
制振板を貼付け、室内側の表面にアルミ板を貼付け、前
記サンドイッチ制振板は、厚みが等しい2枚のアルミ板
の間にポリエステル樹脂などの合成樹脂を介在させた構
成を有し、また前記アルミ発泡材層は、アルミニウムの
薄い膜に包まれた独立気泡が集合した構成を有する。音
源からの振動によってサンドイッチ制振板は曲げ振動を
生じ、この曲げ振動によるサンドイッチ制振板の曲げ変
形は、合成樹脂の先端歪みエネルギに変換されて減衰さ
れ、この減衰後の曲げ振動はアルミ発泡材層のアルミニ
ウムの薄い膜を伝わり、かつ独立気泡中の空気も同時に
振動させながらアルミ板に伝達され、こうして振動エネ
ルギを熱エネルギに変換して、制振効果が得られること
が開示されている。
【0005】さらに他の従来の技術は、特開平8−31
2021号公報に示されている。この従来の技術では、
フライアッシュ、クリンカアッシュ、シンダーアッシュ
およびコークス灰などの石炭灰とセメントとの水和反応
によって連続気泡が形成され、粒径が0.2〜4.0m
mの石炭灰粒状物から成る吸音パネルに、繊維質の吸音
材および遮音パネルをこの順序に積層して一体化した吸
遮音パネルが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平10−2
66388号公報の従来の技術では、前記粉体は、ガラ
スビーズ、シリカバルーン、シラスバルーン、蛭石、パ
ーライトなどの無機質系材料が用いられるが、これらの
材料は高価であり、道路および鉄道線路などのように、
防音装置を1つの工事区間であっても長い距離、たとえ
ば数百mあるいは数kmという距離にわたって設置する
場合には、大量の粉体が必要となり、複数の工区の総延
長では、材料コストが膨大となって経済性が悪く、実際
上、長い設置距離には不向きである。
【0007】このような単位長さあたりの材料コストが
高価である点は、上記の特開平8−209817号公
報、特開平6−307066号公報および特開平8−3
12021号公報に示される各従来の技術に対しても同
様である。
【0008】また上記4つの各従来の技術では、粉体お
よび粒状物の表面は平滑であるので、それ自体には吸音
性能はなく、さらにその粒径が小さく、したがって各粉
体間および各粒状物間に生じる空隙が微小であり、した
がって空隙率が小さく、たとえば自動車の走行時の路面
とタイヤとの走行音などのように、500Hz以上の高
い周波数に対する振動の減衰特性が低いという問題があ
る。
【0009】本発明の目的は、低コストで広い周波数帯
域で高い制振特性を達成することができる防音装置を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、音源に臨んで設置され、音源側から伝達する空気の
振動を吸収して外部空間への騒音の漏洩を防止する防音
装置において、相互に間隔をあけて並列に連結される2
つの表面板間に、平均粒径が1mm以上でかつ20mm
以下であり、表面が粗面状の造粒物から成る多孔質の粒
状体が15〜30%の空隙率を有するようにして充填さ
れ、音源側に配置される表面板の振動を、その表面板と
粒状物との間の摩擦および粒状体同士の摩擦によって吸
収し、音源側表面板の振動による空気の振動を、粒状物
間の空隙に臨む微細な孔によって吸収することを特徴と
する防音装置である。
【0011】本発明に従えば、相互に間隔をあけて並列
に連結される2つの表面板間には粒状体が充填され、こ
の粒状体の平均粒径は1mm以上でかつ20mm以下に
選ばれるので、各粒状体間の空隙は、前記平均粒径より
も小さい粒状体に比べて大きくすることができ、これに
よって音源側に配置される一方の表面板の振動によって
発生した空気の振動を、前記空隙によって減衰すること
ができ、広い周波数帯域に対して高い振動減衰効果を得
ることができるとともに、各粒状体が前記一方の板状体
から伝達される振動に対して、周囲の広い空隙によっ
て、変位または振動に対する自由度が向上され、高い制
振性を得ることができる。さらに粒状体は多孔質である
ため、各粒状体の前記空隙に臨む微小な孔によって吸音
することができ、したがって粒状体によって音が反射さ
れにくく、このような高い吸音特性および前記制振特性
の相乗効果によって、低コストで広い周波数帯域の騒音
に対する高い防音性を達成することができる。また粒状
体は、平均粒径が1mm以上でかつ20mm以下に選ば
れるので、この平均粒径よりも小さな粒状体を用いる場
合に比べて、製造が容易であり、これによって材料コス
トが安価で済み、低コストで高い防音効果を有する防音
装置を提供することができる。
【0012】
【0013】また前記粒状体は造粒物であって、その表
面は粗面状に形成されるので、表面積が増し多孔質であ
り吸音効果を高め、さらに相互に接触する粒状体間の摩
擦が大きく、これによってより一層高い制振性を得るこ
とができる。
【0014】請求項2記載の本発明は、粒状体は、石炭
灰、汚泥およびスラグ粉砕物のうちの1つから成ること
を特徴とする。
【0015】本発明に従えば、前記粒状体は石炭灰、汚
泥およびスラグ粉細物のうちの1つによって形成される
ので、安価な廃材を用いることができ、これによって安
価で防音性の高い防音装置を実現することができる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の防
音装置1を示す断面図であり、図2は図1の切断面線I
I−IIから見た防音装置1の断面図である。本実施の
形態の防音装置1は、道路2の路肩に設置される防音壁
として用いられ、相互に間隔ΔL1をあけて並列に連結
される2枚の板状体である表面板3a,3bと、各表面
板3a,3bを連結する複数の水平補強部材4と、各水
平補強部材4に溶接して固定され、道路2の図1の紙面
に垂直な縦断方向(または道路軸方向)に沿って間隔を
あけて配置される複数の縦補強部材5と、各水平補強部
材4および各縦補強部材5の間でかつ各表面板3a,3
b間に充填される粒状体6と、各縦補強部材5の下端部
が溶接によって連結されるとともに、各表面板3a,3
bの下端部がビス止めまたは溶接によって固定される底
壁部材7と、各表面板3a,3bの上端部を塞ぐ上蓋8
とを含む。
【0022】各表面板3a,3bおよび上蓋8は、アル
ミニウム合金から成るフラットパネルによって実現さ
れ、また各水平補強部材4はH形鋼などの鋼材によって
実現され、前記縦補強部材5および底壁部材7は、たと
えば溝形鋼などの鋼材によって実現される。
【0023】前記粒状体6は、その平均粒径が1mm以
上でかつ20mm以下の石炭灰から成る造粒物であっ
て、表面が粗面状であり、多孔質である。防音装置1の
形状を一例として述べると、幅B1は3000〜600
0mm、高さH1は2000〜3000mm、厚みT1
は70〜150mmであり、図1の紙面に垂直な道路の
延長方向に隣接して複数の防音装置1が予め定める防音
区間にわたって複数、たとえば100〜300枚1工区
が設置される。
【0024】図3は、道路2の片側車線に防音装置1が
設置された状態を示す断面図である。前記道路2は、高
架道路であって、複数の主桁9が橋脚10によって支承
され、各主桁9には舗装路面を含む路床11が一体化さ
れて設けられる。路床11の一側部11aには図3の紙
面に垂直な縦断方向に等間隔をあけて複数の支柱12の
下端部側が固定され、各支柱12の上端部には防音装置
1が図示しない取付金具、ボルトなどによって取外して
交換可能に連結される。こうして道路2の路肩に取付け
られた防音装置1によって、道路2を走行する自動車1
4の走行時の騒音が外部空間13に伝播することを防止
し、道路2に隣接する民家などへの騒音の影響を格段に
少なくすることができる。
【0025】図4は、防音装置1の音源側に配置される
一方の表面板3bの一部およびその付近の拡大断面図で
ある。前記粒状体6は、前述したように、その平均粒径
が1mm以上であり、かつ20mm以下に選ばれ、好ま
しくは3mm以上でかつ12mm以下に選ばれる。図3
に示す道路2の路面上を自動車14が走行すると、この
自動車14が走行する音源側に配置される一方の表面板
3bは、路面とタイヤとの接触によって騒音として発生
する空気の振動が伝達され、仮想線15,16で示され
るように矢符A方向に伝達する。
【0026】このとき、表面板と粒子との微小な衝突に
よってエネルギが消散され、これによって制振性能が向
上される。
【0027】このような表面板3bの振動によって、一
方の表面板3b寄りに配置される粒状体6とこの表面板
3bの内面17との間には、摺動摩擦が矢符Bで示され
るように生じ、このような摺動摩擦によって他方の表面
板3bの振動が減衰され、制振される。また他方の表面
板3bの矢符A方向の振動によって、各表面板3a,3
b間の充填空間18内に積重して充填される各粒状体6
の相互に接触する部分においても、矢符Cで示されるよ
うに摺動摩擦が生じ、これらの粒状体6と内面17との
矢符Bで示す壁面摩擦および相互に接触する粒状体6間
の矢符Cで示す内部摩擦によって、一方の表面板3bの
振動が他方の表面板3aに近づくほど減衰され、高い制
振効果を得ることができる。
【0028】相互に接触する各粒状体6間の内部摩擦C
は、各粒状体6の表面が粗面状であるため、大きな摩擦
力を得ることができ、これによって他方の表面板3bの
振動に起因する各粒状体6の挙動を大きな摩擦力で抑制
することができ、これによって高い制振効果を得ること
ができる。また各粒状体6の粒子の表面が粗面状であ
り、表面積が大きな多孔質であることによって、粒子自
身の吸音特性により、さらにエネルギ消散が大きくな
る。さらに他方の表面板3bの矢符Aで示す振動は、相
互に接触する各粒状体6間の空隙19に存在する空気に
も伝達されるが、各粒状体6は多孔質であるため、空隙
19に臨んで各粒状体6の微細な孔によって前記空隙1
9の空気の振動が吸収され、高い吸音性を得ることがで
きる。
【0029】このように粒状体6が各表面板3a,3b
間に充填された状態における空隙率(Vc/Vs)は、1
5〜30%程度に選ばれる。粒状体6は、その空隙率が
10〜20%程度のものが選ばれる。この粒状体6の表
面の粗面状および多孔質は、造粒時の条件、すなわち温
度制御スケジュール、石炭灰微粒子の粒度およびバイン
ダ量などによって調整することができる。前記石炭灰
は、フライアッシュ、クリンカアッシュ、シンダアッシ
ュおよびコークス灰のいずれか1つによって実現されて
もよい。
【0030】本発明の実施の他の形態では、乾燥汚泥お
よびスラグ粉細物のいずれか一方を前記石炭灰に代えて
選択的に用いるようにしてもよい。前記乾燥汚泥は、ト
ンネルなどの岩盤掘削において発生した建設汚泥を脱水
および乾燥して、フェノール樹脂などのバインダを混合
して造粒されたものであってもよい。またスラグ粉細物
は、たとえば高炉スラグを微粉砕したものに適度の配合
比でバインダを混合して造粒したものであってもよい。
またこのような粒状体6を多孔質とするにあたっては、
造粒時の発泡材の発泡によるもの、また水和反応による
もののいずれであってもよく、またさらに前記バインダ
の温度上昇によって発生したガスの放出によって形成さ
れる微細孔によるものであってもよい。このような微細
孔は、連続気泡が好ましく、空隙19内の空気の振動を
吸収して、吸音効果を達成することができる。
【0031】前記石炭灰の組成を一例として述べると、
SiO2が42.83wt%、Al23が29.32w
t%、Fe23が2.68wt%、CaOが14.83
wt%、MgOが1.57wt%、Na2Oが3.49
wt%、K2Oが4.58wt%である。この石炭灰の
軟化点温度は1210℃、溶融温度は1250℃であ
る。
【0032】図5は、本件発明者による防音効果を確認
するための供試体パネル21を用いた音響透過損失試験
の実験設備22を簡略化して示す縦断面図であり、図6
は実験設備22の平面図である。実験室内の床23上に
は、鋼板から成る残響箱25の外側の周囲に、繊維状吸
音材から成る高さH2=800mmの中空四角筒状の吸
音体24を取付け、天井には縦W1=800mm、横W
2=800mm、厚さT2=30mmで前記粒状体6が
充填された供試体パネル21が載置される。
【0033】このようにして吸音体24内の残響箱25
は、前記供試体パネル21によって気密な状態で塞が
れ、残響箱25内には1つの入隅部26に向けてスピー
カ27が設置される。このスピーカ27の床23からの
設置高さH3は、300mmに選ばれ、傾斜角度θは1
0°に設定されている。供試体パネル21には、その下
面28から下方に間隔ΔL2をあけて音源側マイクロホ
ン29が対角線の交点を通る鉛直軸線上に設置され、ま
た供試体パネル21の上方には、上面30から上方に間
隔ΔL3をあけて前記中心軸線から放射状に4つと、中
心軸線上に1つの受音側マイクロホン31a〜31eが
設置される。
【0034】このような実験設備22において、前記ス
ピーカ27から発生される音を100〜10000Hz
の範囲で変化させて、供試体パネル21に粒状体6を充
填したものと、粒状体6を充填しない場合とに対して、
音源側マイクロホン29と受音側マイクロホン31a〜
31eとの音圧レベルを測定した。
【0035】図7は、実験設備22による防音効果の実
験結果の周波数に対する音圧レベル差の変化を示すグラ
フである。このグラフにおいて、ラインm1は、供試体
パネル21内に粒状体6を充填せずに各受音側マイクロ
ホン31a〜31eによって得られた音圧レベルの平均
値V1と音源マイクロホン29によって測定した音圧レ
ベルV2との差を示し、ラインm2は粒状体6が充填さ
れた供試体パネル21を用いて各受音側マイクロホン3
1a〜31eによって得られた音圧レベルの平均値V1
と音源マイクロホン29によって測定した音圧レベルV
2との差を示す。これらのラインm1,m2から明らか
なように、周波数が約3700Hz以下でかつ100H
z以上の音に対して、粒状体6による音響減衰効果があ
ることが確認された。前述の図3に示されるような、道
路2を走行する自動車14の走行音は、約500〜12
00Hzであるため、本実施の形態のように、道路2の
側部に防音装置1を設けることによって、自動車の走行
音に対して防音効果を期待できることが確認された。
【0036】図8は、本件発明者による防音効果を確認
するための第2の供試体パネル33を用いた音響透過損
失試験の実験設備34を上方から見た簡略化した断面図
であり、図9は供試体パネル33の一部の拡大断面図で
ある。この実験では、コンクリート材から成り、水平断
面形状が五角形の外壁46と図示しない天井とによって
囲まれた外部残響室35内に、平行な2つの内壁47
a,47b間に第2の供試体パネル33が嵌め込まれた
内部残響室36を形成し、この内部残響室36内に音源
としてスピーカ37を設け、このスピーカ37から発生
される音を100〜10000Hzの範囲で変化させ
て、内部残響室36から外部残響室35への音響透過損
失を測定した。このとき用いた第2の供試体パネル33
は、図9に示されるように、2枚の表面板38a,38
bと、外部残響室35側(スピーカ37とは反対側)に
配置される一方の表面板38aの内面に繊維質吸音マッ
ト39が接着され、この吸音マット39と他方の表面板
38bとの間に前述と同様な粒状体6が充填されてい
る。
【0037】この実験設備34の外部残響室35および
内部残響室36の床は、前述の実験設備22と同様に、
床23上に設置されて塞がれており、天井部が外壁46
および内壁47a,47bと同様なコンクリート材によ
って塞がれており、床23と天井壁との間で内壁47
a,47bおよび第2の供試体パネル33によって規定
される内部残響室36と外部残響室35とが仕切られ、
外部残響室35には、3つの受音側マイクロホン43a
〜43cが設置され、また内部残響室36には、音源側
マイクロホン44a〜44cがそれぞれ設置される。
【0038】図10は、実験設備34による防音効果の
実験結果である周波数に対する透過損失の変化を示すグ
ラフである。このグラフにおいてラインm3は、粒状体
6が充填されていない供試体パネル33を用いたときの
各音源側マイクロホン44a〜44cによって測定され
た音圧レベルの平均値と受音側マイクロホン43a〜4
3cによって測定された音圧レベルの平均値との差から
求めた透過損失を示し、ラインm4は、粒状体6が充填
された供試体パネル33を用いたときの各音源側マイク
ロホン43a〜43cによって測定された音圧レベルの
平均値と各受音側マイクロホン44a〜44cによって
測定された音圧レベルの平均値との差から求めた透過損
失を示す。
【0039】同図から明らかなように、100〜125
0Hzの周波数帯域においては、粒状体6によって音響
透過損失が大きく、音響減衰効果が高いことが確認され
た。この場合においても、自動車の走行騒音である約5
00〜1200Hzの周波数帯域において、顕著な防音
効果が得られることが確認された。
【0040】本発明の実施の他の形態では、上記各表面
板3a,3bに変えて、開口率が適宜選択されたパンチ
ングメタルなどの多孔金属板または繊維強化プラスチッ
ク(略称FRPなどの)多孔複合板が用いられてもよ
く、さらにハニカム状の多数の孔が形成されるパネルが
用いられてもよい。これらの場合には、充填される粒状
体の粒径よりも孔の内径が小さいものを選択する必要が
あり、前記無孔の各表面板3a,3bのように、空気の
振動波の反射はわずかとなるため、粒状体は1〜10m
mの比較的小さい粒径のものが好ましい。また表面板と
しては、網であってもよく、さらにフラットパネルをエ
ンボス加工した粗面状パネルであってもよい。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、相互に
間隔をあけて並列に連結される2つの表面板間には粒状
体が充填され、この粒状体の平均粒径は1mm以上で、
かつ20mm以下に選ばれ、各粒状体間の空隙を空隙率
15〜30%と前記平均粒径よりも小さい粒状体に比べ
て大きくする。また前記粒状体は造粒物であって、その
表面は粗面状に形成されるので、相互に接触する粒状体
間の摩擦が大きく、高い制振性を得ることができる。こ
れによって音源側に配置される表面板の振動などによっ
て発生した空気の振動を、空隙に臨む粒状体によって確
実に吸収して減衰することができ、広い周波数帯域に対
して高い吸音効果を得ることができる。また粒状体同士
の摩擦および音源側表面板との摩擦によって、高い制振
性を得ることができる。さらに粒状体は多孔質であるた
め、各粒状体によって吸音することができ、したがって
粒状体によって音が反射されにくく、このような高い吸
音特性および前記制振特性の相乗効果によって、低コス
トで広い周波数帯域の騒音に対する高い防音性を達成す
ることができる。また粒状体は、平均粒径が1mm以上
でかつ20mm以下に選ばれるので、この平均粒径より
も小さな粒状体を用いる場合に比べて、製造が容易であ
り、これによって材料コストが安価で済み、低コストで
高い防音効果を有する防音装置を実現することができ
る。
【0048】
【0049】請求項2記載の本発明によれば、前記粒状
体は石炭灰、汚泥およびスラグ粉砕物のうちの1つによ
って形成されるので、安価な廃材を用いることができ、
これによって安価で防音性の高い防音装置を実現するこ
とができる。
【0050】
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の防音装置1を示す断面
図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た防音装置1
の断面図である。
【図3】道路2の片側車線に防音装置1が設置された状
態を示す断面図である。
【図4】防音装置1の音源側に配置される一方の表面板
3bの一部およびその付近の拡大断面図である。
【図5】本件発明者による防音効果を確認するための供
試体パネル21を用いた音響透過損失試験の実験設備2
2を簡略化して示す縦断面図である。
【図6】実験設備22の平面図である。
【図7】実験設備22による防音効果の実験結果である
周波数に対する音圧レベル差の変化を示すグラフであ
る。
【図8】本件発明者による防音効果を確認するための第
2の供試体パネル33を用いた音響透過損失試験の実験
設備34を上方から見た簡略化した断面図である。
【図9】供試体パネル33の一部の拡大断面図である。
【図10】実験設備34による防音効果の実験結果であ
る周波数に対する透過損失の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 防音装置 2 道路 3a,3b 表面板 4 水平補強部材 5 縦補強部材 6 粒状体 13 外部空間 14 自動車 17 内面 18 充填空間 19 空隙 21,33 供試体パネル 22,34 実験設備
フロントページの続き (72)発明者 本間 志郎 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 柴田 泰典 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 下土居 秀樹 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (56)参考文献 特開 昭52−134401(JP,A) 特開 昭50−69705(JP,A) 特開 昭49−135304(JP,A) 特開 昭51−94624(JP,A) 実開 昭57−178609(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01F 8/00 - 8/02 G10K 11/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源に臨んで設置され、音源側から伝達
    する空気の振動を吸収して外部空間への騒音の漏洩を防
    止する防音装置において、 相互に間隔をあけて並列に連結される2つの表面板間
    に、平均粒径が1mm以上でかつ20mm以下であり、
    表面が粗面状の造粒物から成る多孔質の粒状体が15〜
    30%の空隙率を有するようにして充填され、音源側に
    配置される表面板の振動を、その表面板と粒状物との間
    の摩擦および粒状体同士の摩擦によって吸収し、音源側
    表面板の振動による空気の振動を、粒状物間の空隙に臨
    む微細な孔によって吸収することを特徴とする防音装
    置。
  2. 【請求項2】 粒状体は、石炭灰、汚泥およびスラグ粉
    砕物のうちの1つから成ることを特徴とする請求項1記
    載の防音装置。
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