JP3285010B2 - スタブ回路、スタブ回路の調整方法及び発振器 - Google Patents

スタブ回路、スタブ回路の調整方法及び発振器

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JP3285010B2 JP17479399A JP17479399A JP3285010B2 JP 3285010 B2 JP3285010 B2 JP 3285010B2 JP 17479399 A JP17479399 A JP 17479399A JP 17479399 A JP17479399 A JP 17479399A JP 3285010 B2 JP3285010 B2 JP 3285010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主線路のインピー
ダンス調整のために接続されるマイクロストリップ線路
からなるスタブ回路と、そのスタブ回路を利用した発振
器とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スタブ回路は、増幅器の入出力線
路のインピーダンス整合回路又は発振器の発振周波数を
決定するための共振回路などに利用されている。しか
し、増幅器や発振器を構成する能動素子(例えばバイポ
ーラトランジスタ、電界効果トランジスタなど)の特性
ばらつきにより、インピーダンス整合の周波数や、発振
周波数がばらつくため、スタブ回路の線路長を変化させ
て調整し、ばらつきを補正することがよく行われる。
【0003】例えば、主線路のインピーダンス調整のた
めに接続されるマイクロストリップ線路からなるスタブ
回路としては、図9に示すものが知られている。図9に
おいて、従来例のスタブ回路は、共通接地面を有する基
板上に形成されたマイクロストリップ線路からなる主線
路101に接続され、同様に同基板上に形成されたマイ
クロストリップ線路からなるスタブ線路102と、バイ
アホール106a,106b,106c,106d,1
06eと、ボンディングワイヤ105とから構成されて
いる。
【0004】以上の構成において、スタブ線路102の
主線路101と反対側の一端は、バイアホール106a
により基板の共通接地面に接続され、主線路101に対
しショートスタブ回路として機能する。
【0005】また、バイアホール106b,106c,
106d,106eは、1列をなしてスタブ線路102
に対し近接して平行配置され、さらに、それぞれ基板の
共通接地面に接続され、これらのバイアホールのうちの
1つが選択され、バイアホール106dに電気的に接続
された基板上の導体パターンである電極106kと、電
極106kに対向するスタブ線路102の部分とが、ボ
ンディングワイヤ105により電気的に接続されてい
る。
【0006】そして、主線路101のインピーダンス調
整は、ショートスタブ回路であるスタブ線路102の線
路長を変えることにより行い、そのために、ボンディン
グワイヤ105を接続するバイアホールを選択し、スタ
ブ線路102の有効長を変えていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】能動素子の特性ばらつ
きとしては、10%〜20%程度を見込めばよく、スタ
ブ回路の線路長の調整範囲も10%〜20%あれば十分
である。
【0008】しかし、従来例のスタブ回路では、ショー
トスタブ回路であるスタブ線路102の線路長を直接変
えているため、広い調整範囲は得られるのであるが、逆
に、微調整が容易にできないという問題点がある。
【0009】また、従来例のスタブ回路を利用して発振
器などを構成するときにも、発振周波数の微調整が容易
にできないという、同様の問題点がある。
【0010】また、他の従来例として、インピーダンス
の調整を連続的に行うことができるマイクロ波整合回路
が、特開平7−326909号公報に記載されている
が、上述した従来例と同じように、伝送用マイクロスト
リップラインに接続されたスタブ用マイクロストリップ
ラインの長さを直接変えて、インピーダンスの調整を行
うものであり、微調整を容易にできるようにすることに
ついては、何もふれられていない。
【0011】本発明の目的は、主線路のインピーダンス
調整のために接続されるマイクロストリップ線路からな
るスタブ回路であって、インピーダンスの微調整が容易
に可能となるスタブ回路を提供することにあり、また、
そのスタブ回路を利用し発振周波数の微調整が容易に可
能となる発振器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のスタブ回路の第
1の構成は、共通接地面を有する基板上に形成された第
1のマイクロストリップ線路と、前記基板上に形成され
た第2のマイクロストリップ線路と、前記基板に形成さ
れ前記共通接地面に接続されたn(nは1以上の整数)
個のバイアホールと、前記n個のバイアホールのうちの
1つと前記第2のマイクロストリップ線路とを電気的に
接続する接続体とを備えるスタブ回路であって、前記第
2のマイクロストリップ線路は前記第1のマイクロスト
リップ線路に対し近接して平行配置され、前記第2のマ
イクロストリップ線路の一方の端部は前記共通接地面に
接地され、前記n個のバイアホールは、前記第2のマイ
クロストリップ線路を挟んで前記第1のマイクロストリ
ップ線路と反対側に、1列をなして前記第2のマイクロ
ストリップ線路に対し近接して平行配置されることを特
徴とする。
【0013】また、本発明のスタブ回路の第2の構成
は、共通接地面を有する基板上に形成された第1のマイ
クロストリップ線路と、前記基板上に形成された第2の
マイクロストリップ線路と、前記基板上に形成された第
3のマイクロストリップ線路と、前記第2のマイクロス
トリップ線路と前記第3のマイクロストリップ線路とを
電気的に接続する接続体とを備えるスタブ回路であっ
て、前記第2のマイクロストリップ線路は前記第1のマ
イクロストリップ線路に対し近接して平行配置され、前
記第2のマイクロストリップ線路の一方の端部は前記共
通接地面に接地され、前記第3のマイクロストリップ線
路は前記第2のマイクロストリップ線路を挟んで前記第
1のマイクロストリップ線路と反対側に、前記第2のマ
イクロストリップ線路に対し近接して平行配置され、前
記第3のマイクロストリップ線路は、前記基板に形成さ
れ前記共通接地面に接続されたバイアホールを備えるこ
とを特徴とする。
【0014】また、本発明のスタブ回路の第1又は第2
の構成では、前記接続体は、ボンディングワイヤである
ことを特徴とする。
【0015】また、本発明のスタブ回路の第1又は第2
の構成では、前記接続体は、導体片であることを特徴と
する。
【0016】また、本発明のスタブ回路の第1又は第2
の構成では、前記基板は、半導体基板であることを特徴
とする。
【0017】また、本発明のスタブ回路の第1又は第2
の構成では、前記基板は、絶縁体基板であることを特徴
とする。
【0018】また、本発明のスタブ回路の調整方法は、
本発明のスタブ回路の第1又は第2の構成に適用され、
前記第1のマイクロストリップ線路が接続された主線路
に信号が入力される第1の工程と、前記第1の工程の
後、前記主線路が有する前記信号に対する線路インピー
ダンス値が所定の値になるように、前記接続体の位置を
前記第2のマイクロストリップ線路の長さ方向に移動し
固定する第2の工程とを備えることを特徴とする。
【0019】また、本発明の発振器の構成は、電界効果
トランジスタと、出力端子と、容量と、前記電界効果ト
ランジスタのゲート端子と接地面との間に前記容量を介
して接続された第1の線路と、前記電界効果トランジス
タのソース端子と前記接地面との間に接続された第2の
線路と、前記電界効果トランジスタのドレイン端子と前
記出力端子との間に接続された出力整合回路とを備える
発振器であって、前記第1の線路及び前記第2の線路は
請求項1又は請求項2記載の前記第1のマイクロストリ
ップ線路であり、前記接地面は請求項1又は請求項2記
載の前記共通接地面であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の実施の形態
のスタブ回路の構成を、図1を参照して説明する。本発
明の第1の実施の形態のスタブ回路は、図1に示すよう
に、主線路1と、スタブ線路2と、結合線路4と、ボン
ディングワイヤ5と、バイアホール6a,6b,6c,
6d,6e,6f,6g,6hとから構成されている。
【0021】主線路1は、ガリウムヒ素(以下GaAs
という。)基板などからなる共通接地面を有する基板上
に形成されたマイクロストリップ線路からなり、入力さ
れる信号に対し特定のインピーダンスを有している。
【0022】スタブ線路2は、主線路1と同様に、共通
接地面を有する基板上に形成されたマイクロストリップ
線路からなり、スタブ線路2の一方の端部である入力端
3は主線路1の所定の位置に接続され、スタブ線路2の
入力端3と反対側の端部は線路上に形成されたバイアホ
ール6aにより基板の共通接地面に接続され、主線路1
に対しショートスタブ回路として機能する。
【0023】結合線路4は、主線路1及びスタブ線路2
と同様に、共通接地面を有する基板上に形成されたマイ
クロストリップ線路からなり、スタブ線路2に対し近接
して平行配置され、スタブ線路2上のバイアホール6a
に対応する側の結合線路4の一方の端部は線路上に形成
されたバイアホール6bにより基板の共通接地面に接続
され、他方の端部は開放端になっている。
【0024】また、バイアホール6c,6d,6e,6
f,6g,6hは、結合線路4を挟んでスタブ線路2と
反対側に、1列をなして結合線路4に対し近接して平行
配置され、さらに、それぞれ基板の共通接地面に接続さ
れ、これらのバイアホールのうちの1つ(例えばバイア
ホール6e)が選択され、バイアホール6eに電気的に
接続された基板上の導体パターンである電極6kと、電
極6kに対向する結合線路4の部分とが、ボンディング
ワイヤ5により電気的に接続されている。 ボンディン
グワイヤ5をバイアホール6eの周囲の電極6kの部分
にボンディングするのは、バイアホール6eの導体が、
穴部の内側側面に形成された中空の筒状導体であった
り、バイアホール6eの内部に導体が充填されていると
してもボンディングの際の圧力に対して一般的に機械的
強度が不足することがあるためである。
【0025】次に、本発明の第1の実施の形態のスタブ
回路の動作を図1、図2、図3、図4、図5、図6を参
照して詳細に説明する。
【0026】図2は一般的なマイクロストリップ線路の
等価回路図であり、図3は本発明の第1の実施の形態の
スタブ回路の等価回路図であり、図4、図5及び図6は
本発明の第1の実施の形態のスタブ回路のシミュレーシ
ョン説明図である。
【0027】図1に示すように、結合線路4は、ボンデ
ィングワイヤ5とバイアホール6eとにより基板の共通
接地面に接続されているため、ボンディングワイヤ5に
よりバイアホール6eと接続された線路上の位置から、
バイアホール6bにより基板の共通接地面に接続された
位置までの部分が、両端が基板の共通接地面に短絡され
たマイクロストリップ線路となっている。
【0028】このように、結合線路4のボンディングワ
イヤ5によりバイアホール6eと接続された線路上の位
置からバイアホール6bにより基板の共通接地面に接続
された位置までの部分が、別のマイクロストリップ線路
であるスタブ線路2に近接して平行に配置されると、両
者の間に電磁界結合が生じ、スタブ線路2を伝搬する信
号により、結合線路4のボンディングワイヤ5によりバ
イアホール6eと接続された線路上の位置からバイアホ
ール6bにより基板の共通接地面に接続された位置まで
の部分にも電磁界が励振される。
【0029】さらに等価回路で説明すると、図2に示す
ように、一般にマイクロストリップ線路の等価回路は、
伝搬する信号が平面波で扱える周波数帯であれば、単位
量であるインダクタンス(L)と、単位量である容量
(C)とを用いた分布定数回路により表すことができ
る。但し、マイクロストリップ線路の導体損、基板の誘
電体損による抵抗、コンダクタンスは省略している。
【0030】図2に示す等価回路と同様に、図1に示す
本発明の第1の実施の形態のスタブ回路は、単位量のイ
ンダクタンスと単位量の容量とにより図3のように表す
ことができ、L1及びC1はスタブ線路2を構成するイ
ンダクタンス及び容量であり、L2及びC2は結合線路
の両端が接地された区間を構成するインダクタンス及
び容量であり、また、L12及びC12は、スタブ線路
2と結合線路4の両端が接地された区間との電磁界結合
により生じた相互インダクタンス及び線路間容量であ
る。
【0031】図3において、スタブ線路2の入力端3に
信号が入力されると、結合線路4の両端が接地された区
間と電磁界結合しているスタブ線路2の一部区間のイン
ダクタンス(L1)は、相互インダクタンス(L12)
の分だけ値が小さくなる。即ち、インダクタンス(L
1)はインダクタンス(L1−L12)に変化し、これ
により、入力端3から見たスタブ線路2のマイクロスト
リップ線路の位相遅延は小さくなる。
【0032】マイクロストリップ線路の位相遅延は、線
路を構成する基板(材質、厚み等)及び線路幅が同じで
あれば、線路長に比例する。したがって、スタブ線路2
を構成するマイクロストリップ線路の位相遅延が小さく
なることは、入力端3から見たスタブ線路2の線路長が
短くなることと等価である。
【0033】この線路長の短縮効果は、スタブ線路2が
ショートスタブ回路であるときだけでなく、通常の伝送
線路であるときにも得られるが、特にショートスタブ回
路である場合、入力端3から接地に短絡された先端へ向
かう進行波と、先端から反射して入力端3へ戻る反射波
の両方に効果があるので、通常の伝送線路であるときの
2倍の短縮効果があることになる。
【0034】この効果を利用して、スタブ線路2の線路
長を変更するには、結合線路4の両端が接地された区間
の長さを変更すれば良いわけで、そのために、結合線路
4に隣接してバイアホール6c,6d,6e,6f,6
g,6hが1列をなして平行して配置され、適当な位置
のバイアホール(例えば6e)が選択され、ボンディン
グワイヤ5により結合線路4に接続される。
【0035】結合線路4の両端が接地された区間の線路
長の最大変化量に対し、スタブ線路2の等価的な線路長
即ち有効長の変化量は、電磁界結合による相互インダク
タンス(L12)及び容量(C12)により決定され、
平行するスタブ線路2と結合線路4との近接距離を調整
することにより、相互インダクタンス(L12)をあま
り大きな値とせずに、スタブ線路2が等価的に有する線
路全体のインダクタンス(L1)に換算して、僅か10
%〜20%程度とすることができる。
【0036】したがって、スタブ線路2の線路長を等価
的に変化できる範囲は、−10%〜−20%程度とな
り、従来例のように、スタブ線路長を直接変更するスタ
ブ回路に比較し、微調整が容易に可能となる。
【0037】図4は、図1の構成をもとに、具体的に数
値を用いて、スタブ線路2の線路長の変化を電磁界シミ
ュレータを用いて解析するためのスタブ回路の構成を示
す。図4におけるスタブ線路7、入力端8、結合線路
9、バイアホール11a,11b,11c,11d,1
1e,11f,11g,11hは、それぞれ、図1にお
けるスタブ線路2、入力端3、結合線路4、バイアホー
ル6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hに
対応し、図4における導体10は図1におけるボンディ
ングワイヤ5の代用であり、幅は30μmであり、バイ
アホール11cの電極11kと結合線路9とを接続して
いる。
【0038】スタブ線路7の線路長は300μmであ
り、スタブ線路7の線路幅は10μmであり、結合線路
9の線路長は295μmであり、結合線路9の線路幅は
40μmであり、結合線路9はスタブ線路7から5μm
離れて平行に配置され、全てのバイアホールの電極面積
は40μmx40μmであり、全てのバイアホールの穴
直径は30μmである。また、基板としてはGaAs基
板を想定し、基板厚は40μmである。
【0039】図5により、図4に示したスタブ回路にお
いて、結合線路9とバイアホール11c,11e,11
hのうちの1つとを導体10により接続したときの、ス
タブ線路7の入力端8から見た入力信号に対する反射波
(SパラメータのS11)の位相即ち反射位相を電磁界
シミュレータによりシミュレーション解析した結果を説
明する。図5の横軸は入力信号の周波数を示し、縦軸は
反射波の反射位相を示し、反射位相の値が大きい程反射
波の位相遅れが小さいことを意味し、その周波数に対す
るスタブ線路7の有効長は短縮される。
【0040】トレースAは結合線路9が存在しないとき
のスタブ線路7における反射位相を示し、トレースBは
結合線路9がバイアホール11cと接続されたときのス
タブ線路7における反射位相を示し、トレースCは結合
線路9がバイアホール11eと接続されたときのスタブ
線路7における反射位相を示し、トレースDは結合線路
9がバイアホール11hと接続されたときのスタブ線路
7における反射位相を示し、トレースAに比べトレース
Dの方が反射波の位相遅れが小さく、トレースDに比べ
トレースCの方が反射波の位相遅れが小さく、トレース
Cに比べトレースBの方が反射波の位相遅れが小さいこ
とがわかる。したがって、結合線路9への導体10の接
続位置がバイアホール11hからバイアホール11cに
向けて移動するにつれ、スタブ線路7の有効長は短縮さ
れていくことになる。
【0041】さらに、図6により、図5に示された結果
をスタブ線路7の線路長の短縮率に換算するためのシミ
ュレーション解析の結果を説明する。図6の横軸は入力
信号の周波数を示し、縦軸は反射波の反射位相を示す。
【0042】トレースEは結合線路9が存在しないとき
のスタブ線路7における反射位相を示し、トレースFは
結合線路9がバイアホール11cと接続されたときのス
タブ線路7における反射位相を示し、トレースGは比較
のために結合線路9が存在せず線路長を240μmとし
たスタブ線路7における反射位相を示す。
【0043】図6によれば、線路長が300μmである
スタブ線路7の有効長が最も短縮されるときの反射位相
を示すトレースFと、結合線路9が存在せず線路長が2
40μmであるスタブ線路7における反射位相を示すト
レースGとは、40GHz以下の範囲で一致しており、
これはスタブ線路7の線路長が300μmから240μ
mに約20%短縮されたことを示し、これよりバイアホ
ール11cからバイアホール11hまでを適宜選択する
ことにより、スタブ線路7の線路長を約20%を限度に
微調整できることがわかる。
【0044】以上のシミュレーション結果を、図1に示
すスタブ回路について適用すれば、バイアホール6c,
6d,6e,6f,6g,6hを選択して結合線路4と
接続することにより、スタブ線路2の線路長を約20%
を限度に微調整できることになり、直接スタブ線路長を
調整することに比べはるかに線路長の変化率が小さいた
め、微調整が容易に可能となるという効果が得られる。
【0045】また、本実施の形態のスタブ回路は、調整
用として、6個のバイアホール6c〜6hを備えるが、
バイアホール個数は何個でもよく、製品量産時などにス
タブ線路2の微調整位置が一旦決定してしまえば必要な
バイアホール個数は1個であり、残りのバイアホールは
省略することもできる。
【0046】次に、本発明の第2の実施の形態のスタブ
回路の構成を説明する。本発明の第2の実施の形態のス
タブ回路は、図7に示すように、主線路1と、スタブ線
路2と、結合線路4と、ボンディングワイヤ5と、バイ
アホール6a,6b,12a,12b,12c,12
d,12e,12f,12gと、接地線路12kとから
構成されている。
【0047】図7では図1と同一要素には同一符号を付
しており、同一要素については本発明の第1の実施の形
態のスタブ回路と構成及び動作が同じであるため説明を
省略する。
【0048】本実施の形態のスタブ回路は、本発明の第
1の実施の形態のスタブ回路が備えるバイアホール6
c,6d,6e,6f,6g,6hの代わりに、共通接
地面を有する基板上に形成されたマイクロストリップ線
路である接地線路12kが、結合線路4を挟んでスタブ
線路2と反対側に、結合線路4に対し近接して平行配置
され、さらに、接地線路12kに設けられたバイアホー
ル12a,12b,12c,12d,12e,12f,
12gのそれぞれが基板の共通接地面に接続され、ボン
ディングワイヤ5により接地線路12k上の任意の位置
の部分と結合線路4上の対向する部分とが接続される。
ここで、バイアホールについては、接地線路12kが共
通接地面の電位を保てるように適当な個数が設けられ
る。
【0049】この構成により、ボンディングワイヤ5の
接続点を接地線路12kの全長にわたって連続的に選択
できるため、本発明の第1の実施の形態のスタブ回路よ
りも、さらに容易に微調整が可能となるという効果が得
られる。
【0050】また、本発明の第1及び第2の実施の形態
のスタブ回路では、バイアホール6c〜6h又は接地線
路12kと、結合線路4との接続には、ボンディングワ
イヤの他に、断面が薄板状の導体片なども適用でき、寄
生効果を抑えて、より高周波特性が向上する。
【0051】また、本発明の第1及び第2の実施の形態
のスタブ回路では、共通接地面を有しマイクロストリッ
プ線路が形成される基板としては、半絶縁性の半導体基
板であるGaAs基板の他に、表面に絶縁膜が形成され
たシリコン基板などの半導体基板であっても、セラミッ
ク基板などの絶縁体基板であってもよい。
【0052】また、本発明の第1及び第2の実施の形態
のスタブ回路では、スタブ線路2はショートスタブ線路
になっているが、オープンスタブ線路であっても同様の
効果が得られる。
【0053】また、本発明の第1の実施の形態のスタブ
回路の調整は、まず、スタブ線路2の入力端3が接続さ
れた主線路1に所定の信号を入力し、次に、主線路1が
有する入力信号に対する線路インピーダンス値が所定の
値になるように、測定器により信号を測定しながら、結
合線路4とバイアホール6c,6d,6e,6f,6
g,6hのうちの何れかとを適当な導通手段により暫定
的に短絡し、結合線路4の長さ方向に適宜移動して最適
なボンディングワイヤ5などを接続すべきバイアホール
を決定し、ボンディングワイヤ5などにより固定的に接
続することにより達成でき、本発明の第2の実施の形態
のスタブ回路の調整も同様に、まず、スタブ線路2が接
続された主線路1に所定の信号を入力し、次に、主線路
1が有する入力信号に対する線路インピーダンス値が所
定の値になるように、測定器により信号を測定しなが
ら、結合線路4と接地線路12kとを適当な導通手段に
より暫定的に短絡し、結合線路4の長さ方向に適宜移動
して最適なボンディングワイヤ5などを接続すべき位置
を決定し、ボンディングワイヤ5などにより固定的に接
続することにより達成できる。
【0054】次に、本発明の第3の実施の形態の発振器
の構成を説明する。本発明の第3の実施の形態の発振器
は、図8に示すように、電界効果トランジスタ13と、
スタブ回路14,16と、容量15と、出力整合回路1
7と、出力端子18とから構成されている。
【0055】電界効果トランジスタ13はGaAs系ヘ
テロ接合型電界効果トランジスタであり、電界効果トラ
ンジスタ13のソース端子と接地面との間に負性抵抗発
生用のスタブ回路16が備えるマイクロストリップ線路
が接続され、電界効果トランジスタ13のゲート端子と
接地面との間に容量15を介してスタブ回路14が備え
るマイクロストリップ線路が接続され、容量15とスタ
ブ回路14が備えるマイクロストリップ線路のリアクタ
ンスとにより発振周波数を決定する共振回路が形成さ
れ、電界効果トランジスタ13のドレイン端子から出力
整合回路17を介して出力端子18から出力が取り出さ
れる直列帰還型発振器である。なお、図示していない電
源電圧などの直流バイアスは適宜印加される。
【0056】この構成において、スタブ回路14とスタ
ブ回路16には本発明の第1又は第2の実施の形態のス
タブ回路が適用され、スタブ回路14及びスタブ回路1
6が備えるマイクロストリップ線路は、本発明の第1又
は第2の実施の形態のスタブ回路が備えるスタブ線路2
である。但し、スタブ回路14ではスタブ線路2の両端
とも接地されておらず、スタブ回路16ではスタブ線路
2の接地端側が接地面に接続される。また、この構成に
おいて、接地面は本発明の第1又は第2の実施の形態の
スタブ回路が備える共通接地面と同じである。
【0057】発振周波数の調整は共振回路を形成するス
タブ回路14のスタブ線路長を調整しリアクタンスを変
化させることで行なわれるが、本発明の第1又は第2の
実施の形態のスタブ回路であることにより、発振周波数
の微調整が容易に可能となるという効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
主線路のインピーダンス調整のために接続されるマイク
ロストリップ線路からなるスタブ回路のインピーダンス
の微調整が容易に可能となり、また、そのスタブ回路を
利用した発振器の発振周波数の微調整が容易に可能とな
るという効果が得られる。さらに、線路長の調整手段と
してワイヤボンディングを使用することにより、一般的
な半導体装置の製造設備を流用することができるため安
価に実現が可能となるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスタブ回路の構成
図である。
【図2】一般的なマイクロストリップ線路の等価回路図
である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のスタブ回路の等価
回路図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のスタブ回路のシミ
ュレーション説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のスタブ回路のシミ
ュレーション説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のスタブ回路のシミ
ュレーション説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のスタブ回路の構成
図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の発振器の構成図で
ある。
【図9】従来例のスタブ回路の構成図である。
【符号の説明】
1,101 主線路 2,7,102 スタブ線路 3,8 入力端 4,9 結合線路 5,105 ボンディングワイヤ 6a〜6h,11a〜11h,12a〜12g,106
a〜106e バイアホール 6k,11k,106k 電極 10 導体 12k 接地線路 13 電界効果トランジスタ 14,16 スタブ回路 15 容量 17 出力整合回路 18 出力端子

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通接地面を有する基板上に形成された
    第1のマイクロストリップ線路と、前記基板上に形成さ
    れた第2のマイクロストリップ線路と、前記基板に形成
    され前記共通接地面に接続されたn(nは1以上の整
    数)個のバイアホールと、前記n個のバイアホールのう
    ちの1つと前記第2のマイクロストリップ線路とを電気
    的に接続する接続体とを備えるスタブ回路であって、前
    記第2のマイクロストリップ線路は前記第1のマイクロ
    ストリップ線路に対し近接して平行配置され、前記第2
    のマイクロストリップ線路の一方の端部は前記共通接地
    面に接地され、前記n個のバイアホールは、前記第2の
    マイクロストリップ線路を挟んで前記第1のマイクロス
    トリップ線路と反対側に、1列をなして前記第2のマイ
    クロストリップ線路に対し近接して平行配置されること
    を特徴とするスタブ回路。
  2. 【請求項2】 共通接地面を有する基板上に形成された
    第1のマイクロストリップ線路と、前記基板上に形成さ
    れた第2のマイクロストリップ線路と、前記基板上に形
    成された第3のマイクロストリップ線路と、前記第2の
    マイクロストリップ線路と前記第3のマイクロストリッ
    プ線路とを電気的に接続する接続体とを備えるスタブ回
    路であって、前記第2のマイクロストリップ線路は前記
    第1のマイクロストリップ線路に対し近接して平行配置
    され、前記第2のマイクロストリップ線路の一方の端部
    は前記共通接地面に接地され、前記第3のマイクロスト
    リップ線路は前記第2のマイクロストリップ線路を挟ん
    で前記第1のマイクロストリップ線路と反対側に、前記
    第2のマイクロストリップ線路に対し近接して平行配置
    され、前記第3のマイクロストリップ線路は、前記基板
    に形成され前記共通接地面に接続されたバイアホールを
    備えることを特徴とするスタブ回路。
  3. 【請求項3】 前記接続体は、ボンディングワイヤであ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスタブ
    回路。
  4. 【請求項4】 前記接続体は、導体片であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のスタブ回路。
  5. 【請求項5】 前記基板は、半導体基板であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のスタブ回路。
  6. 【請求項6】 前記基板は、絶縁体基板であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のスタブ回路。
  7. 【請求項7】 前記第1のマイクロストリップ線路が接
    続された主線路に信号が入力される第1の工程と、前記
    第1の工程の後、前記主線路が有する前記信号に対する
    線路インピーダンス値が所定の値になるように、前記接
    続体の位置を前記第2のマイクロストリップ線路の長さ
    方向に移動し固定する第2の工程とを備えることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のスタブ回路に適用す
    るスタブ回路の調整方法。
  8. 【請求項8】 電界効果トランジスタと、出力端子と、
    容量と、前記電界効果トランジスタのゲート端子と接地
    面との間に前記容量を介して接続された第1の線路と、
    前記電界効果トランジスタのソース端子と前記接地面と
    の間に接続された第2の線路と、前記電界効果トランジ
    スタのドレイン端子と前記出力端子との間に接続された
    出力整合回路とを備える発振器であって、前記第1の線
    路及び前記第2の線路は請求項1又は請求項2記載の前
    記第1のマイクロストリップ線路であり、前記接地面は
    請求項1又は請求項2記載の前記共通接地面であること
    を特徴とする発振器。
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