JP3284581B2 - 16−ベンザル−o−メチルエストロン化合物、その製造法、非線形光学材料および非線形光学素子 - Google Patents
16−ベンザル−o−メチルエストロン化合物、その製造法、非線形光学材料および非線形光学素子Info
- Publication number
- JP3284581B2 JP3284581B2 JP09529292A JP9529292A JP3284581B2 JP 3284581 B2 JP3284581 B2 JP 3284581B2 JP 09529292 A JP09529292 A JP 09529292A JP 9529292 A JP9529292 A JP 9529292A JP 3284581 B2 JP3284581 B2 JP 3284581B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nonlinear optical
- methylestrone
- compound
- benzal
- optical element
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Steroid Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高調波発生、電気光学光
スイッチ等の素子に使用できる新規な16−ベンザル−
O−メチルエストロン化合物、その製造法、これを用い
た非線形光学材料および非線形光学素子に関するもので
ある。
スイッチ等の素子に使用できる新規な16−ベンザル−
O−メチルエストロン化合物、その製造法、これを用い
た非線形光学材料および非線形光学素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光情報処理、光通信その他の分野で重要
な役割を果たすとみられる非線形光学材料は、材料の非
線形光学的応答性に基づき光混合、パラメトリック発
振、光高調波発生等の機能を発揮するものであって、従
来、KH2PO4、NH4H2PO4等の無機結晶が用いら
れてきた。しかし、これらの材料は潮解性、低い非線形
感受率及び低い被破壊しきい値のために前述の要求を満
たすには至っていない。また光スイッチングに使用でき
る1次、2次の電気光学効果は、それぞれ2次、3次の
非線形光学効果と本質的に同じ非線形分極から生じる効
果であるから、基本的に同じ材料が使える可能性があ
る。前述のような無機材料では材料の応答速度が遅いこ
とから、周波数帯域が狭められている。π電子系の分極
を利用した有機非線形光学材料はその非線形光学定数が
無機材料よりも大きいことや、一般に潮解性もなく被破
壊しきい値が高い等優れているために各方面で幅広く研
究、開発が進められている。最近の成果については、例
えばノンリニア・オプティカル・プロパティズ・オブ・
オーガニック・モレキュールズ・アンド・クリスタルズ
(Nonlinear Optical Proper
ties of Organic Molecules
and Crystals)Vol.1及びVol.
2,D.S.Chemla,J.Zyss編(1987
年Academic Press社発行)に詳しく述べ
られている。
な役割を果たすとみられる非線形光学材料は、材料の非
線形光学的応答性に基づき光混合、パラメトリック発
振、光高調波発生等の機能を発揮するものであって、従
来、KH2PO4、NH4H2PO4等の無機結晶が用いら
れてきた。しかし、これらの材料は潮解性、低い非線形
感受率及び低い被破壊しきい値のために前述の要求を満
たすには至っていない。また光スイッチングに使用でき
る1次、2次の電気光学効果は、それぞれ2次、3次の
非線形光学効果と本質的に同じ非線形分極から生じる効
果であるから、基本的に同じ材料が使える可能性があ
る。前述のような無機材料では材料の応答速度が遅いこ
とから、周波数帯域が狭められている。π電子系の分極
を利用した有機非線形光学材料はその非線形光学定数が
無機材料よりも大きいことや、一般に潮解性もなく被破
壊しきい値が高い等優れているために各方面で幅広く研
究、開発が進められている。最近の成果については、例
えばノンリニア・オプティカル・プロパティズ・オブ・
オーガニック・モレキュールズ・アンド・クリスタルズ
(Nonlinear Optical Proper
ties of Organic Molecules
and Crystals)Vol.1及びVol.
2,D.S.Chemla,J.Zyss編(1987
年Academic Press社発行)に詳しく述べ
られている。
【0003】しかしながら、半導体レーザのように低出
力レーザで十分目的を達成しうる程度に大きな非線形光
学定数を持つ材料は見い出されておらず、さらに新規な
材料の開発が強く求められている。
力レーザで十分目的を達成しうる程度に大きな非線形光
学定数を持つ材料は見い出されておらず、さらに新規な
材料の開発が強く求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は大きい非線形
光学定数を持つ新規な有機非線形光学材料となる16−
ベンザル−O−メチルエストロン化合物、その製造法、
この化合物を用いた非線形光学材料および非線形光学素
子を提供するものである。
光学定数を持つ新規な有機非線形光学材料となる16−
ベンザル−O−メチルエストロン化合物、その製造法、
この化合物を用いた非線形光学材料および非線形光学素
子を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、16−ベンザ
ル−O−メチルエストロン化合物、非線形光学材料およ
び非線形光学素子に関する。
ル−O−メチルエストロン化合物、非線形光学材料およ
び非線形光学素子に関する。
【0006】上記の16−ベンザル−O−メチルエスト
ロン化合物としては、16−(4’−メトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロン、16−(3’,4’−ジ
メトキシベンザル)−O−メチルエストロン、16−
(4’−ジメチルアミノベンザル)−O−メチルエスト
ロンが挙げられる。
ロン化合物としては、16−(4’−メトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロン、16−(3’,4’−ジ
メトキシベンザル)−O−メチルエストロン、16−
(4’−ジメチルアミノベンザル)−O−メチルエスト
ロンが挙げられる。
【0007】また本発明は、16−ベンザル−O−メチ
ルエストロン化合物を含有する組成物からなる非線形光
学材料およびこの非線形光学材料を用いた非線形光学素
子に関する。16−ベンザル−O−メチルエストロン化
合物は、例えばオーガニック・リアクション(Orga
nic Reaction)第16巻に総説としてまと
められているアルドール型縮合反応を用いて置換又は無
置換の芳香族アルデヒドとO−メチルエストロンとを反
応させて得られる。
ルエストロン化合物を含有する組成物からなる非線形光
学材料およびこの非線形光学材料を用いた非線形光学素
子に関する。16−ベンザル−O−メチルエストロン化
合物は、例えばオーガニック・リアクション(Orga
nic Reaction)第16巻に総説としてまと
められているアルドール型縮合反応を用いて置換又は無
置換の芳香族アルデヒドとO−メチルエストロンとを反
応させて得られる。
【0008】置換又は無置換の芳香族アルデヒドの例と
しては4−メトキシベンズアルデヒド、3,4−ジメト
キシベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンズアル
デヒド、3−メトキシベンズアルデヒド、2−メトキシ
ベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒ
ド、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド、4−エトキ
シベンズアルデヒド、4−n−プロポキシベンズアルデ
ヒド、4−n−ブトキシベンズアルデヒド、4−クロロ
ベンズアルデヒド、4−ブロモベンズアルデヒド、4−
フルオロベンズアルデヒド、3,4,5−トリメトキシ
ベンズアルデヒド、4−シアノベンズアルデヒド、4−
アセトアミノベンズアルデヒド、4−フェニルベンズア
ルデヒド、4−トリフルオロメチルベンズアルデヒド、
4−メチルチオベンズアルデヒド、4−メチルベンズア
ルデヒド等が挙げられる。本発明においては4−メトキ
シベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデ
ヒドまたは4−ジメチルアミノベンズアルデヒドとO−
メチルエストロンとを反応させることが好ましい。
しては4−メトキシベンズアルデヒド、3,4−ジメト
キシベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンズアル
デヒド、3−メトキシベンズアルデヒド、2−メトキシ
ベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒ
ド、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド、4−エトキ
シベンズアルデヒド、4−n−プロポキシベンズアルデ
ヒド、4−n−ブトキシベンズアルデヒド、4−クロロ
ベンズアルデヒド、4−ブロモベンズアルデヒド、4−
フルオロベンズアルデヒド、3,4,5−トリメトキシ
ベンズアルデヒド、4−シアノベンズアルデヒド、4−
アセトアミノベンズアルデヒド、4−フェニルベンズア
ルデヒド、4−トリフルオロメチルベンズアルデヒド、
4−メチルチオベンズアルデヒド、4−メチルベンズア
ルデヒド等が挙げられる。本発明においては4−メトキ
シベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデ
ヒドまたは4−ジメチルアミノベンズアルデヒドとO−
メチルエストロンとを反応させることが好ましい。
【0009】本発明になる16−ベンザル−O−メチル
エストロン化合物は、例えばO−メチルエストロンに対
し等モルまたは過剰モルの芳香族アルデヒドを使用し
(モル比、ステロイド化合物/アルデヒド=1.0〜
1.8の範囲が好ましい)、O−メチルエストロンと芳
香族アルデヒドの合計重量の等量から20倍程度の溶媒
中で触媒の存在下、必要ならば加熱して、縮合させるこ
とによって得られる。好ましい溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンが挙げられる。また好ましい触媒としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バ
リウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシ
ド、水酸化テトラメチルアンモニウム、ピペリジン、モ
ルホリンが挙げられ、O−メチルエストロンに対して通
常1〜5重量%用いられる。反応温度は一般に室温から
150℃の間とされる。
エストロン化合物は、例えばO−メチルエストロンに対
し等モルまたは過剰モルの芳香族アルデヒドを使用し
(モル比、ステロイド化合物/アルデヒド=1.0〜
1.8の範囲が好ましい)、O−メチルエストロンと芳
香族アルデヒドの合計重量の等量から20倍程度の溶媒
中で触媒の存在下、必要ならば加熱して、縮合させるこ
とによって得られる。好ましい溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンが挙げられる。また好ましい触媒としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バ
リウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシ
ド、水酸化テトラメチルアンモニウム、ピペリジン、モ
ルホリンが挙げられ、O−メチルエストロンに対して通
常1〜5重量%用いられる。反応温度は一般に室温から
150℃の間とされる。
【0010】本発明になる非線形光学材料は上記の16
−ベンザル−O−メチルエストロン化合物を単独で用い
てもあるいはこの化合物を高分子化合物中に分散あるい
は溶解させた組成物であってもよい。高分子化合物とし
ては、例えばメチル(メタ)アクリレート(メタアクリ
レートまたはアクリレートを示す。以下同じ)、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼ
ン、塩化ビニル、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート等の単量体のホモポリマ、コポリマまたはターポ
リマ、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ
カーボネート、セルロースエステル、ポリエーテルなど
が用いられる。一般式〔I〕で示される化合物と相当す
る単量体を混合した後に熱又は光の作用により重合させ
て組成物としてもよく、上記の高分子化合物と一般式
〔I〕で示される化合物とを適当な溶媒を用いて溶解混
合させた後に溶媒を除去することによって組成物を得て
もよい。前者の場合には重合の最中にポーリングを行な
うことにより、あるいは前者、後者ともに組成物を得た
後にポーリングを行なうことにより非線形光学性能を向
上させることもできる。あるいは直流電場の存在下に上
記の一般式〔I〕で示される化合物を融点以上の温度に
加熱し溶融させたのちに電場を保持しながら徐冷あるい
は急冷することにより分子の配向状態が制御された非線
形光学性能の高い単結晶あるいは分子ガラスを得ること
もできる。
−ベンザル−O−メチルエストロン化合物を単独で用い
てもあるいはこの化合物を高分子化合物中に分散あるい
は溶解させた組成物であってもよい。高分子化合物とし
ては、例えばメチル(メタ)アクリレート(メタアクリ
レートまたはアクリレートを示す。以下同じ)、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼ
ン、塩化ビニル、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート等の単量体のホモポリマ、コポリマまたはターポ
リマ、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ
カーボネート、セルロースエステル、ポリエーテルなど
が用いられる。一般式〔I〕で示される化合物と相当す
る単量体を混合した後に熱又は光の作用により重合させ
て組成物としてもよく、上記の高分子化合物と一般式
〔I〕で示される化合物とを適当な溶媒を用いて溶解混
合させた後に溶媒を除去することによって組成物を得て
もよい。前者の場合には重合の最中にポーリングを行な
うことにより、あるいは前者、後者ともに組成物を得た
後にポーリングを行なうことにより非線形光学性能を向
上させることもできる。あるいは直流電場の存在下に上
記の一般式〔I〕で示される化合物を融点以上の温度に
加熱し溶融させたのちに電場を保持しながら徐冷あるい
は急冷することにより分子の配向状態が制御された非線
形光学性能の高い単結晶あるいは分子ガラスを得ること
もできる。
【0011】上記の非線形光学材料はバルク結晶の形と
して独立にあるいはファイバー型、スラブ型、平面型、
チャネル型等の導波路型非線形光学素子の一部として用
いることができる。上記の非線形光学材料を用いた非線
形光学素子としては第2高調波発生、和周波発生あるい
は光パラメトリック発振を利用した波長変換素子、電気
光学効果を利用した位相変調素子、偏光面変調素子等が
ある。
して独立にあるいはファイバー型、スラブ型、平面型、
チャネル型等の導波路型非線形光学素子の一部として用
いることができる。上記の非線形光学材料を用いた非線
形光学素子としては第2高調波発生、和周波発生あるい
は光パラメトリック発振を利用した波長変換素子、電気
光学効果を利用した位相変調素子、偏光面変調素子等が
ある。
【0012】
【作用】本発明の化合物においてはアクセプタ基として
カルボニル基を有し、これらがスチリルπ電子系と共役
しているため、励起状態での電荷移動により、大きな双
極子モーメントが生じ高い超分極率を持ち、これにより
高い光学非線形性が生じる。また、さらに不斉なステロ
イド構造を有しているためその結晶は必ず中心対称性を
欠く構造となり2次の光学非線形性が失われない。
カルボニル基を有し、これらがスチリルπ電子系と共役
しているため、励起状態での電荷移動により、大きな双
極子モーメントが生じ高い超分極率を持ち、これにより
高い光学非線形性が生じる。また、さらに不斉なステロ
イド構造を有しているためその結晶は必ず中心対称性を
欠く構造となり2次の光学非線形性が失われない。
【0013】
【実施例】本発明を実施例により説明する。 実施例1 16−(4′−メトキシベンザル)−O−メチルエスト
ロン(化合物1)の合成と第2高調波発生 4′−メトキシベンズアルデヒド0.718g(5.2
8mmol)とO−メチルエストロン1.5g(5.2
8mmol)を5mlのメタノールと35%NaOH水
溶液(0.5ml)を50mlのナス型フラスコにい
れ、さらに沸石を一片加え冷却用コンデンサをつけて約
1時間加熱還流した。放冷すると結晶が出てきたのでこ
れを濾別しメタノールで良く洗った。収量は約1.71
9g(81%)であった。生成物の構造はnmr及び吸
収スペクトルで確認した。この物質の塩化メチレン溶液
の紫外可視吸収スペクトルを図1に、重クロロホルム溶
液のnmrスペクトルを図4に示した。また、代表的な
ピークの化学シフト値をまとめて表1に示した。化合物
の構造はnmrおよび紫外可視吸収スペクトルにより決
定した。紫外可視吸収で見られる最長波長側の吸収極大
波長、融点および以下に述べる方法で測定した粉末法に
よる第2高調波発生(SHG)効率を表2に示した。比
較のために表2には尿素の値を示す。上述の合成法によ
って得られた16−(4′−メトキシベンザル)−O−
メチルエストロンの第2高調波発生を粉末法によって調
べた。粉末法の概略はジャーナル・オブ・アプライド・
フィジクス(Journal of AppliedP
hysics)vol.36(1963年)3798〜
3813頁に詳しく述べられている。粒径50〜150
μmに分級した試料粉末を無蛍光スライドガラス(マツ
ナミ硝子製)にはさみ、スペクトロレーザシステム社製
パルスNd:YAGレーザ(SL303型、最大出力8
50mJ、半値幅15ns、パルス当たりの出力60M
W、ビーム径9.5mm、波長1.064μm、繰り返
し周波数10Hz)により光照射した。発生した532
nmの第2高調波の強度を赤外フィルタ、UVフィルタ
を通して光電子倍増管により測定した。
ロン(化合物1)の合成と第2高調波発生 4′−メトキシベンズアルデヒド0.718g(5.2
8mmol)とO−メチルエストロン1.5g(5.2
8mmol)を5mlのメタノールと35%NaOH水
溶液(0.5ml)を50mlのナス型フラスコにい
れ、さらに沸石を一片加え冷却用コンデンサをつけて約
1時間加熱還流した。放冷すると結晶が出てきたのでこ
れを濾別しメタノールで良く洗った。収量は約1.71
9g(81%)であった。生成物の構造はnmr及び吸
収スペクトルで確認した。この物質の塩化メチレン溶液
の紫外可視吸収スペクトルを図1に、重クロロホルム溶
液のnmrスペクトルを図4に示した。また、代表的な
ピークの化学シフト値をまとめて表1に示した。化合物
の構造はnmrおよび紫外可視吸収スペクトルにより決
定した。紫外可視吸収で見られる最長波長側の吸収極大
波長、融点および以下に述べる方法で測定した粉末法に
よる第2高調波発生(SHG)効率を表2に示した。比
較のために表2には尿素の値を示す。上述の合成法によ
って得られた16−(4′−メトキシベンザル)−O−
メチルエストロンの第2高調波発生を粉末法によって調
べた。粉末法の概略はジャーナル・オブ・アプライド・
フィジクス(Journal of AppliedP
hysics)vol.36(1963年)3798〜
3813頁に詳しく述べられている。粒径50〜150
μmに分級した試料粉末を無蛍光スライドガラス(マツ
ナミ硝子製)にはさみ、スペクトロレーザシステム社製
パルスNd:YAGレーザ(SL303型、最大出力8
50mJ、半値幅15ns、パルス当たりの出力60M
W、ビーム径9.5mm、波長1.064μm、繰り返
し周波数10Hz)により光照射した。発生した532
nmの第2高調波の強度を赤外フィルタ、UVフィルタ
を通して光電子倍増管により測定した。
【0014】実施例2〜3 実施例1において4−メトキシベンズアルデヒド0.7
18gを3,4−ジメトキシベンズアルデヒド0.87
6g、4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド
0.787gにそれぞれ置き換えて実施例1と同様の合
成を行ない、16−(3′,4′−ジメトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロン(化合物2)、16−
(4′−N,N−ジメチルアミノベンザル)−O−メチ
ルエストロン(化合物3)を得た。これらの紫外可視吸
収スペクトルを図2〜3に示し、nmrスペクトルを図
5〜6に示した。また、代表的なピークの化学シフト値
をまとめて表1に示した。吸収極大波長、融点SHG効
率は表2にまとめて示した。
18gを3,4−ジメトキシベンズアルデヒド0.87
6g、4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド
0.787gにそれぞれ置き換えて実施例1と同様の合
成を行ない、16−(3′,4′−ジメトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロン(化合物2)、16−
(4′−N,N−ジメチルアミノベンザル)−O−メチ
ルエストロン(化合物3)を得た。これらの紫外可視吸
収スペクトルを図2〜3に示し、nmrスペクトルを図
5〜6に示した。また、代表的なピークの化学シフト値
をまとめて表1に示した。吸収極大波長、融点SHG効
率は表2にまとめて示した。
【0015】
【表1】
【化1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】16−ベンザル−O−メチルエストロン
化合物は高い光学的非線形性を有し波長変換材料として
必要な可視域での透明性に優れており、これにより非線
形光学定数の高い非線形光学材料および非線形光学素子
が得られる。
化合物は高い光学的非線形性を有し波長変換材料として
必要な可視域での透明性に優れており、これにより非線
形光学定数の高い非線形光学材料および非線形光学素子
が得られる。
【図1】実施例で得た16−(4′−メトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロンの塩化メチレン溶液の紫外
可視吸収スペクトルである。
ル)−O−メチルエストロンの塩化メチレン溶液の紫外
可視吸収スペクトルである。
【図2】実施例で得た16−(3′,4′−ジメトキシ
ベンザル)−O−メチルエストロンの塩化メチレン溶液
の紫外可視吸収スペクトルである。
ベンザル)−O−メチルエストロンの塩化メチレン溶液
の紫外可視吸収スペクトルである。
【図3】実施例で得た16−(4′−N,N−ジメチル
アミノベンザル)−O−メチルエストロンの塩化メチレ
ン溶液の紫外可視吸収スペクトルである。
アミノベンザル)−O−メチルエストロンの塩化メチレ
ン溶液の紫外可視吸収スペクトルである。
【図4】実施例で得た16−(4′−メトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロンの重クロロホルム溶液のn
mrスペクトルである。
ル)−O−メチルエストロンの重クロロホルム溶液のn
mrスペクトルである。
【図5】実施例で得た16−(3′,4′−ジメトキシ
ベンザル)−O−メチルエストロンの重クロロホルム溶
液のnmrスペクトルである。
ベンザル)−O−メチルエストロンの重クロロホルム溶
液のnmrスペクトルである。
【図6】実施例で得た16−(4′−N,N−ジメチル
アミノベンザル)−O−メチルエストロンの重クロロホ
ルム溶液のnmrスペクトルである。
アミノベンザル)−O−メチルエストロンの重クロロホ
ルム溶液のnmrスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07J 1/00 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (9)
- 【請求項1】 16−(4’−メトキシベンザル)−O
−メチルエストロン。 - 【請求項2】 16−(3’,4’−ジメトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロン。 - 【請求項3】 16−(4’−ジメチルアミノベンザ
ル)−O−メチルエストロン。 - 【請求項4】 16−(4’−メトキシベンザル)−O
−メチルエストロンを含む非線形光学材料。 - 【請求項5】 16−(3’,4’−ジメトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロンを少なくとも含む非線形光
学材料。 - 【請求項6】 16−(4’−ジメチルアミノベンザ
ル)−O−メチルエストロンを含む非線形光学材料。 - 【請求項7】 16−(4’−メトキシベンザル)−O
−メチルエストロンを含む非線形光学材料を用いた非線
形光学素子。 - 【請求項8】 16−(3’,4’−ジメトキシベンザ
ル)−O−メチルエストロンを含む非線形光学材料を用
いた非線形光学素子。 - 【請求項9】 16−(4’−ジメチルアミノベンザ
ル)−O−メチルエストロンを含む非線形光学材料を用
いた非線形光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09529292A JP3284581B2 (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 16−ベンザル−o−メチルエストロン化合物、その製造法、非線形光学材料および非線形光学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09529292A JP3284581B2 (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 16−ベンザル−o−メチルエストロン化合物、その製造法、非線形光学材料および非線形光学素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05289128A JPH05289128A (ja) | 1993-11-05 |
JP3284581B2 true JP3284581B2 (ja) | 2002-05-20 |
Family
ID=14133705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09529292A Expired - Fee Related JP3284581B2 (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 16−ベンザル−o−メチルエストロン化合物、その製造法、非線形光学材料および非線形光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3284581B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-15 JP JP09529292A patent/JP3284581B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Chem.Pharm.Bull.,21(8),1720−6 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05289128A (ja) | 1993-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH02288874A (ja) | 非直線光学活性チオフェン系化合物、これを含む物質および装置 | |
US4711532A (en) | Novel diacetylenic and polydiacetylenic compositions | |
US4703096A (en) | Novel diacetylenic and polydiacetylenic compositions | |
JP3284581B2 (ja) | 16−ベンザル−o−メチルエストロン化合物、その製造法、非線形光学材料および非線形光学素子 | |
JP3158631B2 (ja) | 1,4−ジオキサ−8−アザ−8−(4′−アセチルフェニル)−スピロ[4,5]デカンからなる非線形光学材料 | |
JPH04121717A (ja) | 新規な有機非線形光学材料及びそれを用いた光波長の変換方法 | |
Kimura et al. | Synthesis and non-linear optical properties of aromatic ester oligomers as chained chromophores | |
JP2727764B2 (ja) | 非線形光学材料 | |
US4909964A (en) | Nonlinear optical devices from derivatives of stilbene and diphenylacetylene | |
EP0290591B1 (de) | Materialien mit stickstoffhaltigen sechsringen | |
JP2550777B2 (ja) | ステロイドケトン系化合物,その製造法,非線形光学材料および非線形光学素子 | |
JP3036141B2 (ja) | 16−ベンザルアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン化合物、その製造法、非線形光学材料および非線形光学素子 | |
JPH0754390B2 (ja) | 非線形光学素子用材料 | |
US4966730A (en) | Nonlinear optical devices from derivatives of stilbene and diphenylacetylene | |
JP2773206B2 (ja) | 非線形光学素子用材料 | |
JPH05294950A (ja) | 6−〔2′−(2″−フリル)−ビニル〕メチレン−6,7,8,9−テトラヒドロ−5h−ベンゾシクロヘプテン−5−オンおよび非線形光学材料 | |
JPH05294889A (ja) | 2−(2′−クロロベンザル)−3−フェニルインダン−1−オンおよびこれを用いた非線形光学材料 | |
US5443758A (en) | Non-linear optical material containing steroidal ketone compound | |
JPH04358132A (ja) | 非線形光学材料 | |
JPH06345747A (ja) | 4−ニトロ−n−(1′−ピペリジノカルボニル)アニリン及び非線形光学材料 | |
US4720567A (en) | Novel diacetylenic and polydiacetylenic compositions | |
JPH04358133A (ja) | 非線形光学材料 | |
JPH05241214A (ja) | 有機非線形光学材料およびそれを用いた非線形光学素子 | |
JPH04223449A (ja) | 非線形光学材料 | |
JP2550756B2 (ja) | 非線形光学材料および非線形光学素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |