JP3284042B2 - 歯周病の予防用或いは治療用組成物 - Google Patents

歯周病の予防用或いは治療用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たばこ抽出物を活
性物質とする歯周病の予防用或いは治療用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】歯周病には、多くの人が悩まされてお
り、不快な臭いを発散させるので、周りの人にも不快な
感情を与え、最悪の場合は、歯を失う厄介な病気であ
る。歯周病の1つとして、歯槽膿漏が知られるが、歯槽
膿漏は、進行するとついには、歯を失い、また、不快な
臭いを発散させるので、本人はもとより周りの人にも不
快な感情を与える、実に厄介な病気である。
【0003】本発明では、歯肉炎と歯周炎を合わせた歯
周疾患を総称して歯周病と称する。歯周病は、歯溝など
に繁殖する細菌により起こる病気であるから、その細菌
の発生を抑制するか、繁殖を抑制するか、或いは殺菌す
るかしない限り、防止できないし、治療できない。歯周
病の原因となる細菌の増殖を抑制するには、口の中を清
潔に保ち、細菌に栄養を補給しないことが、肝要である
が、実際に清潔に保つためには、歯ブラシなどによる長
時間のクリーニングが必要である。通常の人が、歯周病
にならないための、歯周病細菌の繁殖を抑制し、更に殺
菌する効果のある薬剤の出現が待たれていた。現在市販
されている歯周病用の薬用歯みがきとしては、例えば、
商標名[GUM]があるが、成分として、塩化セチルピリジ
ニウムを含有させたものである。本発明者も、この歯み
がきを数年にわたり使用しているが、歯周炎を治療する
には、至らなかった。むしろ、それは、歯周炎予防に有
効と謌ってある。一般的に言えば、現在のところ、歯周
病を積極的に治す薬用組成物は開発されていないと言う
べきであろう。
【0004】歯周組織に生じる病変を、歯周疾患(Perio
dontal Disease)と言うが、病変は歯肉に限局している
場合は、歯肉炎(Gingivitis)と云う。病変が更に進行
し、歯槽骨にまで及んでいる場合は、歯周炎(歯槽膿漏;
Periodontitis)と呼ばれる。それらを総合して、ここで
歯周病と称する。近年、歯周病原生菌として、Bacteroi
des,Fusobacterium,Capnocytophaga,Actinobacillus,Ei
kenellaなどが注目されている。このように、歯周病の
原因となる細菌にも、多種あり、これらのすべてを有効
に殺菌する薬用組成物が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたもので、歯周病の予防用或
いは治療用組成物を提供することを目的とする。また、
本発明は、歯周病の原因となる多種の細菌に有効である
予防用或いは治療用組成物を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、前記
のような、上記の技術的課題の解決のために成されたも
ので、歯周病を予防あるいは治療するに活性ある成分と
して、たばこ抽出物を含有することを特徴とする歯周病
の予防用あるいは治療用組成物を提供する。そして、た
ばこ抽出物の原料は、植物としてのたばこ、それを加工
したもの、あるいは喫煙用たばこを利用できる。また、
たばこ抽出物の担体は、溶液、ペースト、ゼリー、ガ
ム、固体が好適である。そして、たばこ抽出物は、水溶
液あるいは水溶液を溶媒として得られたものを使用でき
る。
【0007】また、たばこ抽出物は、気相あるいは液相
において抽出されたものが好適である。
【0008】本発明者は、1995年末現在、53歳の
日本人男性であるが、35歳ころより歯槽膿漏に悩まさ
れ続け、結果として数本の歯を失うに至っている。その
間、口臭に悩まされ、周りの人に不快な臭を与えること
に、心を痛めてきた。その対策として、食後の歯磨きを
比較的丹念に行なってきたが歯槽膿漏の根絶には至らな
かった。歯医者による歯石の除去、歯磨きにおいて、歯
間ブラシや糸楊子なども、併用して試みているが、治療
には至らない。ここにおいて、本発明者は、喫煙の癖を
18歳のころより有しているが、禁煙も度々実行してお
り、短い場合は1〜5週間を約20回、長い場合は1〜
3年の禁煙も3回実行している。前述のように、35歳
ころより歯槽膿漏に悩まされ始めたが、歯槽膿漏の進展
或いは停滞が喫煙或いは禁煙と著しく関連のあることを
認識するに至った。禁煙を始めて、1乃至2ケ月経過す
ると、決まって口臭が激しくなり、著しい場合には、歯
茎が炎症を起こし、歯がぐらつくようになった。ところ
が、喫煙を再び開始すると、2週間後くらいから歯茎の
腫れが引き、口臭も少なくなる経験が多かった。1年以
上の禁煙を続けると、炎症が激しくなり、排膿まで見ら
れるようになり、その結果歯を失った経験も2度ある。
このような少なくとも20回の禁煙と喫煙の経験によ
り、たばこ或いはたばこ抽出物が歯槽膿漏の予防或いは
治療に効果があるとの結論に達し、本発明に至った。更
に、たばこ抽出物を含有する物質を用いて歯ブラシによ
り口腔内に適用することにより、歯槽膿漏を治療或いは
予防することを見出した。
【0009】従って、本発明は、歯周病の予防或いは治
療に係わり、その効用物質(薬用物質)による組成物を
提示するものである。歯周病の予防或いは治療に効く本
発明の効用物質は、たばこ或いはたばこ葉より得られる
抽出物の中に含まれている。煙草(喫煙用)、煙草の煙
或いはたばこ(植物としての)の葉には、後述のように
極めて多種類の物質が含まれている。本発明の効用物質
は、たばこ抽出物の一成分或いは多数の成分の複合物で
あり得る。歯周病の原因となる細菌が、多数いるよう
に、抽出物の複数の成分の単独或いは複合効果が、歯周
病の予防、治療に効果を発揮することが考えられる。1
種のたばこ抽出物が、ある種の細菌に効果がある場合、
その細菌は死に絶えるが、別の種類の細菌は繁殖する場
合もある。そうした場合、別の種類のたばこを原料にし
た抽出物を適宜交互に使用するのも良い方法の1つであ
る。
【0010】煙草の煙の中の成分としては、ニコチン類
とタール類が一般には良く知られるが、本発明のたばこ
抽出物は、それに限らない。たばこは、ナス科の植物ニ
コチアナ タバカム(Nicotiana tabacum)の他にN. lati
ssima,N. rusticaの葉から作られた嗜好品であるが、本
発明では、それらを総合して、たばこと称する。即ち、
本発明でたばこという場合、一般的に市販されている紙
巻煙草、葉巻煙草、噛み煙草などを総称している。本発
明のたばこ抽出物の原料としても、植物としてのたば
こ、それを乾燥などで加工したもの、或いは嗜好品とし
ての煙草などを意味している。また、細胞培養したたば
こも、これに含まれる。
【0011】即ち、本発明では、”たばこ”とは、a.
たばこ(煙草);製品化されたシガレット若しくは広い
意味でのたばこ、b.葉たばこ;製品化される前の原
料、c.タバコ;植物学的な意味でのたばこ、主として
緑葉の3つのカテゴリーを総合して、意味している。
【0012】たばこの葉に含まれる成分のうち、たばこ
を特徴づける物質は、いくつかあるが、特に有名なアル
カロイド類(含窒素化合物に属する塩基性植物成分)で
あり、12種の存在が確認されているが、主なものはニ
コチン、ノルニコチン、アナバシン等である。一般的に
言って、アルカロイドは薬理作用、毒作用を有するもの
が多い。
【0013】たばこ葉として利用される植物は、ナス科
ニコチアナ属の植物であるが、この属に植物は、65種
知られ、現在栽培されているのは、Nicotiana Tabacum
とNicotiana Rusticaである。後者は、少量のみ生産さ
れているが、通常はNicotianaTabacumが一般的な煙草の
原料となっている。本発明のたばこ抽出物の原料として
は、これらはいずれも使用できる。Nicotiana Tabacum
には、一般的に黄色種(flue-cured tobacco)、バーレー
種(burley tobacco)、オリエント種(orient tobacco)、
葉巻種(cigar tobacco)及び日本で古くから栽培されて
きた在来種(domestic tobacco)の5つのタイプが知られ
ている。本発明のたばこ抽出物の原料としては、これら
の品種はいずれも使用できる。たばこ葉は、収穫後、加
熱乾燥或いは空気乾燥などで乾燥される。乾燥された葉
たばこは、水分調節、均質化工程などを経た後、数年間
樽詰め熟成、或いは堆積発酵などの熟成処理を受ける。
本発明のたばこ抽出物の原料としては、葉たばこから熟
成後のたばこに至るまでのたばこをいずれも使用でき
る。或いは喫煙用に調整されている煙草も勿論、本発明
のたばこ抽出物の原料として使用できる。更に、植物と
してのたばこも、本発明の原料の中に入る。
【0014】葉たばこ(tobacco leaf)及び煙草の煙(smo
ke)に含まれる化学物質については、多くの研究がある
が、その種類は数千から数万まであると言われている。
煙草の煙は、煙草の気相抽出物或いは燃焼による抽出物
と考えられるが、その主流煙の組成の一例を示すと、19
92年3月刊行の石津嘉昭著のクリーンテクノロジーによ
ると 窒素;59%、酸素;13%、炭酸ガス;13
%、一酸化炭素;3%、粒子相(Total Particulate Mat
ters);8%、蒸気相(Vapor Phase);3%、その他;残
りである。そのうち、粒子相の内訳は、水;18%、カ
ルボン酸;13%、アルデヒド、ケトン;11%、アル
コール;8%、ニコチン;6%、ニコチン以外のアルカ
ロイド;3.5%、エステル;3.5%、フェノール
類;3.5%、テルペン系炭化水素;5%、アルカン;
5%、その他;5%、煙色素;4%、未同定成分;1
6.5%となっている。
【0015】また、蒸気相の成分については、水分を除
いて、炭化水素;45%、アルデヒド;20%、ケト
ン;12%、ニトリル;9%、その他;14%という分
析結果が報告されている。以上のように葉煙草の熱分解
生成物と見られる煙の組成は複雑であるが、その化学成
分は更に多岐にわたる。煙中の粒子相成分のうち揮発性
成分の組成例を示すと(昭和56年1月発行の香料,No.
130の第31〜39頁の石黒繁夫等の[たばこの煙とそのか
おりと味]及び1988年発行の財団法人たばこ総合研究セ
ンター編の[たばこを考える2]平凡社,第326〜338頁
参照)、次の通りである。
【0016】(1)炭化水素類:メタン、ベンゼンなど
の鎖状炭化水素、環状芳香族炭化水素の他に、葉たばこ
中に2〜3%含有するテルペノイドアルコールであるイ
ソプレノイド化合物に由来するイソプレン、リモネンな
どが存在する。また、たばこ特有のジテルペン炭化水素
としてネオフィタジエンが葉たばこに存在し、煙中へ移
動する。ネオフィタジエンは、葉たばこ刻み中に多量に
存在する鎖状ジテルペン炭化水素であり、葉の成分であ
るコロロフィルから分解して出てきたものと考えられ
る。 (2)アルコール及びエーテル類:エタノールを始め多
くのアルコールが知られているが、ソラネソール、グリ
セロール、メンソール、ベンジルアルコール、フェニル
エチルアルコール、フルフリルアルコールが煙中に存在
するが、これらのなかには、葉たばこに始めから存在す
るものと、セルロースなどの葉たばこの組成物が熱分解
して生成するのに由来するものがある。2-メチルフラ
ン、2,5-ジメチルフランなど環状アルコールも煙中に
存在する。 (3)有機酸、エステル及びラクトン類:ギ酸、酢酸、
乳酸、グリコール酸、吉草酸など多くの有機酸が煙中に
存在する。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸などの高級脂肪酸が存在する。
エステルとしては、アセトールアセテート、アセトール
ホルメートが存在する。γ-ブチロラクトン、キナ酸γ
−ラクトン、レバンテノライドなどのラクトン類の存在
も知られている。 (4)アルデヒド及びケトン類:ホルムアルデヒド、ア
クロレイン、フルフラール、5-メチルフルフラール、
ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アセトール、ジ
アセチル、ソラノン、シクロペンテノン類、γ-パイロ
ン、シクロペンテノン類などのケトン類の存在が知られ
ている。 (5)フェノール類:フェノール、クレゾール、キシレ
ノール、4-ビニルフェノール、4-ビニルグアヤコー
ル、カテコール、ハイドロキノンなどのフェノール類の
存在が知られている。 (6)脂肪族アミン類:短鎖のアルキルアミン類、ピロ
リジン、N-メチルピロリジンなどが存在する。 (7)アルカロイドを含むピリジン及びピラジン類:煙
中に含まれるピリジン類の多くは、葉たばこ中に存在す
るニコチンに代表されるピリジンアルカロイドを先駆体
としている。メチルピラジンなどのピラジン類も存在す
る。その他の含-窒素化合物としては、α-ピリルメチル
ケトン、インドール、カストール、α-ピロリドンなど
が存在する。
【0017】たばこ特有の成分としては、センブラノイ
ドと称される14員環の炭素骨格を有するテルペン化合
物に由来する、ソラノン、ノルソラナジオン、ソラノフ
ランなどが存在している。たばこの葉のカロチノイド
(色素類脂質)は、テルペン系化合物の一種であるが、
ルティンとβ-カロチンが主成分である。カロチノイド
からの分解生成物としては、メガスティグマトリエノ
ン、β-イオノン、β-ダマスコン、ダマセノンなどが存
在し、イオノン系化合物と呼ばれる。
【0018】煙草の煙の成分については、その香気との
関係で化学分析がなされているが、前記の昭和56年1
月発行の香料,No.130の第31〜39頁の石黒繁夫等の[た
ばこの煙とそのかおりと味]によると、炭化水素類とし
て46成分、アルコール及びエステル類として98成
分、アルデヒド類として36成分、ケトン及びケトール
類として144成分、エステル類として83成分、ラク
トン類として66成分、フラン類として23成分、フェ
ノール及びフェノールエステル類として23成分、酸無
水物類として4成分、ピロール類として11成分、ピリ
ジン類として26成分、ピラジン類として15成分、ア
ミド類として12成分、イミド類として10成分、チオ
フェン類として4成分、その他の窒素或いは硫黄含有化
合物類として10成分、飽和脂肪酸類として40成分、
不飽和脂肪酸類として36成分、芳香族酸として28成
分、テルペノイド酸類として23成分、ジ-及びトリ-塩
基酸類として19成分、ハイドロオキシ酸類として12
成分、その他の各種酸として10成分が含有物質として
説明されている。
【0019】煙草に用いられている原料葉たばこは、セ
ルロース(繊維素)、蛋白質、アミノ酸、糖類、有機
酸、アルカロイドなどの成分からなっている。葉たばこ
(tobacco leaf)の化学分析による成分の分析も古くから
行なわれており、構造が確認されている化合物だけでも
約2500種類もある。R.L.Stedman,”Chemical Compo
sition of Tobacco and Tobacco Smoke” Chemical Rev
iew,Vol.68;p153〜207(1968)によると、たばこの葉に含
まれる化学成分としては、 (1)アルカン類:炭素数8〜35個のノーマル アルカン
類、炭素数27〜34のイソ アルカン類、 (2)アルケン類:α-カロテン、β-カロテン、ネオフタ
ジエンなどの6種、 (3)Sterols,Oxygenated Terpenes,Other Isoprenoids,C
ampesterol,Cholesterol,β-Sitosterol;29種、 (4)アルコール類:エチルアルコール、フルフラールア
ルコールなどの19種、 (5)エステル類:ベンジル アセテート、ジプロピル
フタレート、ステリルエステルなどの19種、 (6)アルデヒド類、ケトン類、キノン類;アセトアルデ
ヒド、イソブチルアルデヒド、2-ブタノン、9,10-
アントラキノンなどの27種、 (7)酸類58種、 (8)フェノール類及び関連化合物、 (9)アルカロイド類及び他の塩基類、Anabasine, Cotini
ne, Harmane, N-Methylnicotinamide, 2-Methylpyrroli
dine, N-Methylpyrrolidine, Myosmine, Nicotlline, N
icotinamide, Nicotine,Nicotine N-oxide, Nicotinic
acid, Nicotyrine, Norharmane, Nornicotine,Piperidi
ne, Pyridine, Pyrrolidineなどの37種、が挙げられ
ている。
【0020】また、葉たばこの溶剤による抽出物の分析
も、香料との関連で研究されている。昭和55年6月の
刊行の香料,No.128,第23〜33頁の金子肇著の[葉たばこ
成分とたばこ香料]には、ジクロロメタン、メタノー
ル、水による順次抽出の結果を示す。それによると、黄
色種葉たばこのラミナ(葉肉部分)の化学成分は、炭化
水素;0.66%(対乾物重量%:以下同様)、ソラネ
ソール及びそのエステル;0.99%、不揮発性有機酸
及び高級脂肪酸;11.3%、ポリフェノール;3.1
9%、グルコース、フラクトース、ショ糖;18.6
%、ニコチン;3.4%、蛋白質;5.06%、アミノ
酸;1.0%、セルロース、リグニン、ペクチン等;2
8.1%、灰分;11.1%、精油;0.72%であ
る。更に、葉たばこの抽出物(エキス)の化学成分とし
て、次のようなものが含有されている。
【0021】(1)ニコチン及び関連物質;ニコチンの
他に、N.glutinosaの主アルカロイドであるノルニコチ
ン,N.glaucaの主アルカロイドであるアナバシンを始め
とする関連物質20種が同定されている。また葉たばこ
中には、微量のアルカロイドがニコチンの酵素的或いは
非酵素的分解、或いは酸化的分解により生成する。例え
ば、コチニンは、乾燥或いは熟成工程において、ニコチ
ンが酸化して生成すると考えられる。 (2)糖及び関連化合物:糖類の主なものは、シューク
ロース、グルコース、フラクトースである。糖の関連物
質としては、アミノ酸-糖化合物、例えば、1-デオキシ
-1-(N-アミノ酸)-D-フラクトースがあるが、これは
アミノ酸とD-グルコースの加熱により生じるものであ
る。 (3)無機化合物:カリウムイオン、燐酸イオン、アン
モニウムイオン、塩素イオンなどが存在する。 (4)葉面樹脂成分:タバコの葉の表面は、毛茸と呼ば
れる小さな毛が密生しており、そこから樹脂物質が分泌
される。樹脂物質としては、飽和炭化水素類の他に、ジ
テルペノイドに属するduvatriene-1,3-diol, cis-abien
olが知られる。これらは、成熟、乾燥、熟成工程で熱分
解、或いは酸化的熱分解、或いは光化学的分解を受け
て、それらの誘導体が生じる。例えば、duvatriene-1,3
-diolの関連化合物及び分解生成物は70種以上も同定
されている。例えばcembrene,solanone,norsolanadion
e, 4-isopropyl-7-oxo-2E-octenoic acid等の不飽和酸
類である。ラブダン骨格を有するジテルペンであるcis-
abienolでは、やはり熱分解、光或いは酸化分解によ
り、その関連物質を生成する(前記の昭和55年6月の
刊行の香料,No.128,第23〜33頁の金子肇著の[葉たばこ
成分とたばこ香料]参照)。 (5)カロチノイド関連化合物:葉たばこ中には、ルテ
ィンとβ-カロチンを主成分とし、11種のカロチノイ
ドの存在が知られている。これらは植物界に広く共通す
る成分であるが、例えば、3-ヒドロキシ-β-イオノー
ル、デヒドロールオリオリド等のようにたばこ特有とさ
れるものもある。また、ダマスセノン、3-ヒドロキシ-
β-ダマスコン、4-ケト-β-イオノン、β-イオノン、
3-ヒドロキシ-β-イオノンオン、β-ダマスコン等が知
られている。 (6)その他の精油成分:炭化水素としては、ジテルペ
ン炭化水素のネオフタジエン、テルペンアルコールから
生じるリモネンの含有量が多い。また葉たばこ抽出成分
(精油)には、各種の高級脂肪酸、そのエステル、前記
のジテルペンアルコール以外にも、モノテルペンアルコ
ールのゲラニオール、シトロネロール、メントールが含
有されている。ラクトン類としては、ジヒドロアクチニ
ドイオリド、テトラヒドロアクチニドイオリド、ノルア
ンブレイノリド等が抽出されている。含窒素化合物とし
ては、ピロール類、ピラジン類、ピリジン類、アミド
類、イミド類が抽出されるが、これらは、クロロフィル
或いはニコチンの分解により生成したものが多い。
【0022】煙草の煙は、煙草の気相抽出濃度或いは熱
分解生成物と考えられるが、その構成成分は、溶媒抽出
の生成物に由来するものが多い。熱分解を受けない成分
は、揮発性であれば、そのまま煙の中へ移動する。一般
的に言えば、気相抽出物の分子量は、溶媒抽出物中の化
合物の分子量より小さい。しかも、気相抽出物は、アル
カロイド、カロチノイド、テルペン類等、溶媒による抽
出物からの関連物質、誘導体を含有していることは明ら
かである。
【0023】本発明の本質的な部分は、歯周病の予防、
治療に有効な薬用物質として、たばこからの抽出物を含
有する物質を提供することにある。前記のように、たば
こ抽出物は、多くの種類の化合物を含んでいる。これら
のどの化合物或いは化合物群が有効かは、特定されてい
ないが、たばこ抽出物に含有する化合物の複数が歯周病
に有効であることは、十分に考えられることである。前
述のように、歯周病菌そのものは、複数存在するのであ
るから、それらに有効な化合物も複数存在することは、
容易に考えられる。従って、本発明の本質は、たばこか
らの抽出物が、歯周病の予防、治療に有効であることを
見出したことに基づいている。
【0024】本発明の歯周病を予防、治療するのに有効
な物質は、たばこ抽出物に含まれる。前述のように、有
効成分を特定の1つの化合物に帰することは出来ない
し、それは、正しくない可能性もある。然し乍ら、歯周
病に薬効がある物質として、たばこ抽出物の中から、ア
ルカロイド(植物性塩基)、及びたばこに特有な(或い
は多く含有する)化合物としてジテルペン類化合物、及
びカロチノイド関連化合物を候補として挙げることがで
きる。それにも増して、可能性としては、これらの化合
物の複合効果、相乗効果が歯周病菌に効果を発揮してい
る可能性が強いのである。
【0025】また、従来にも、植物塩基であるアルカロ
イド類は、種々の疾病に薬理効果を持つものが多いこと
が知られている。本発明のたばこ抽出物は、当然にたば
こに含有するアルカロイドを有することから、それらが
歯周病菌に対して、繁殖抑制効果、殺菌作用を持ってい
ることは考えられる。本発明では、たばこ抽出物に含有
する多種の化合物の複合効果、相乗作用により、歯周病
菌の抑制或いは殺菌の効果を発揮している可能性が強い
ので、その化合物(群)を特定しない。
【0026】然し乍ら、歯周病菌に対して抑制効果を有
する化合物群を挙げると、たばこ抽出物に含有する窒素
原子含有化合物である。たばこ抽出物に特有のアルカロ
イド類、その関連化合物及びその誘導体である。例え
ば、たばこ抽出物に含まれる窒素含有化合物としては、
たばこ抽出物に特有のピリジン類、ニコチン、ノルニコ
チン、アナバシン、ピロール類、ハルメン類、インドー
ル類、ミオスミン類、アルカロイド類及びそれらの関連
化合物及びその誘導体からなる化合物群を挙げることが
できる。将来、歯周病に効果のある化合物を、たばこ抽
出物の中から特定できた場合には、それをたばこ抽出物
から分離、精製して用いることができるし、或いは、そ
れらの化合物群を化学的に合成して使用することもでき
る。後者の方法は、薬理効果のある物質以外の物質を、
不必要なまでに含まないように合成できるであろうか
ら、将来望ましい方法である。
【0027】本発明のたばこ抽出物を得る方法として
は、周知の方法が適用できる。抽出剤として、液体溶媒
を用いる場合には、例えば、水、メチルアルコール、エ
チルアルコール等のアルコール類、エチルアミン、アニ
リン類のアミン類、アセトニトリルなどのニトリル類、
エチルエーテル、メチルエーテル等のエーテル類、酢
酸、しゅう酸等の有機酸類或いはそれの混合物を用いる
ことができる。また、ジクロロメタン、クロロフォルム
等のハロゲンを含む化合物も溶媒として用いることがで
きる。水は溶媒として非常に優れているので、0℃〜1
00℃の間で用いることができる。熱水は特に抽出速度
を早めるのに効果がある。高圧下で操作する場合には、
100℃以上の水も当然使用できる。水を溶媒にする場
合、他の無機物、有機物を混合した状態で用いることも
できる。例えば、食塩、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、塩
化カリ等の水溶液を用いることができる。水とアルコー
ル類等の混合溶液もまた使用できる。上記の液体の溶媒
を用いて、たばこ抽出物を得るには、たばこを溶媒に浸
して、ある時間の後にロ過などの操作で、抽出残査と分
離すれば良い。他の抽出方法は、たばこを充填した層
に、溶媒を流通させるものである。温度と接触時間を適
当に選べば、効率的に抽出することができる。
【0028】本発明のたばこ抽出物を得る方法として
は、気相で抽出する方法も可能である。煙草の喫煙は、
一種の気相抽出過程であり、煙草の一部を燃焼して温度
を挙げ、揮発成分或いは熱分解生成物を取り出すもので
ある。従って、気相抽出の媒体として、空気、窒素、酸
素、ヘリウム、アルゴン、水素、水蒸気、アルコール等
が用いられる。気体と液体の中間物質である超臨界状態
の炭酸ガスも抽出媒体として使用可能である。これらの
抽出媒体を用いて、たばこからの抽出物を得るには、た
ばこを充填した層に、適正温度に設定した気相媒体を流
通する。抽出物を含有する生成ガスを、凝縮するか、フ
ィルター等で捕集するか、電気集塵器又はサイクロン等
で捕集するか、或いは水等と接触させて抽出物を捕集す
ることができる。気相抽出法による有用物質を捕獲する
方法としては、多孔性物質、例えばγ-アルミナ、シリ
カ、シリカアルミナ、活性炭、モレキュラーシーブ等と
接触させ、吸着させた後、加熱で分離したり、溶剤で抽
出したりできる。高温の水蒸気を用いて抽出する方法
は、抽出した物質を捕集する工程が温度を下げて凝縮す
ると、直接に水溶液になるので、適切な方法である。
【0029】本発明の他の重要なものは、たばこ抽出物
を口腔内に適用する方法である。歯周病を予防、治療す
るためには、薬用効果のある物質を歯と歯茎の間に接
触、或いは塗布しなければならない。たばこ抽出物を含
有する物質が溶液状であれば、通常の歯ブラシに付着さ
せて、それをもって歯を磨く。これまで、歯磨き粉は、
粉末状、ゼリー状或いはペースト状であるが、この従来
技術により、本発明のたばこ抽出物を粉末状、ゼリー
状、ペースト状にするのが良い。そのためには、従来の
練歯磨きで行なわれてきたように、研磨剤、湿潤剤、保
存剤、ガム状物質、香味剤などを添加して、ペースト状
にする。水を抽出剤として用いて、たばこ抽出物を得る
方法は最も実際的な方法で、抽出した抽出液を、そのま
ま口腔内に適用できる。抽出には、ある程度以上の溶媒
量を必要とするが、抽出に要する溶媒量が多くて、有効
成分の量が薄い場合には、抽出後に加熱蒸発して濃縮す
ればよい。
【0030】本発明の歯周病に有効な薬用物質を含む薬
剤が、水溶液のように液体状であると、それを適度な濃
度にして口に含み、うがいするのもよい。従って、本発
明のたばこ抽出物を含有するうがい液にすることもで
き、また、ガム状組成物に含有させることができる。そ
のガムを口腔内で噛むことにより適用される。ニコチン
を含有するガムが、煙草の喫煙を止める或いは減らす方
法として提供されるが、これは、本発明の目的とは、ま
ったく異なる。本発明の歯周病に有効な薬用組成物は、
口腔内全体に拡散するのが好ましくない場合には、薬剤
を液状、ゼリー状、ペースト状、固体状(粉末も含む)
にしたものを、筆、針の先端のような鋭い道具で、適用
患部に限定して塗布、接触するだけで良い。歯と歯茎の
間の歯溝を押し広げてから、本発明の薬剤を適用する。
【0031】本発明のたばこ抽出物を歯と歯茎に適用す
るために、市販の歯磨き粉(練歯磨粉、ペースト)に混
合して、用いるのが好適である。この方法では、習慣化
されている歯磨きとまったく同様に実施することができ
る利点がある。市販の歯磨き粉は、例として、次の成分
からなる。
【0032】イ.練歯磨−Cの組成物 ナトリウム モノフルオロフォスフェート(フッ素とし
て0.145%含有) プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、水、ポリエ
チレングリコール-12,三燐酸五ナトリウム、テトラナト
リウムパイロフォスフェート、炭酸ナトリウム、ナトリ
ウムラウリル硫酸、香料、二酸化チタニウム、過酸化カ
ルシウム、サッカリンナトリウム、キサンテンガム、セ
ルロースガム等である。
【0033】ロ.練歯磨−Pの組成物 フッ化ナトリウム、水、ハイドレイテッドシリカ、燐酸
3ナトリウム、ナトリウムラウリルサルフェート、香
料、燐酸ナトリウム、キサンテンガム、サッカリンナト
リウム、二酸化チタニウム等である。
【0034】ハ.練歯磨−Sの組成物 重質炭酸カルシウム(研磨剤)、湿潤剤としてプロピレ
ングリコール、グリセリン、発泡剤としてラウリル硫酸
ナトリウム、香味剤としてペパーミント、ウインターグ
リーン、サッカリンナトリウム、着色剤、及び保存剤と
してデヒドロ酢酸ナトリウムを含む。
【0035】ニ.デンタルペースト−G 塩化セチルピリジウム、酢酸トコフェロール、モノフル
オロ燐酸ナトリウム及び香料等である。 ホ.練歯磨−Mの組成物 重質炭酸カルシウム(研磨剤)、湿潤剤としてソルビッ
ト液、薬用成分として塩化ナトリウム、酢酸dl-α-トコ
フェロール、アラントイン、発泡剤としてラウリル硫酸
ナトリウム、粘結剤としてカルボキシメチルセルロース
ナトリウム、香味剤として香料(スパイシーミント)、
サッカリンナトリウム等を含む。
【0036】次に、本発明の歯周病の予防用或いは治療
用組成物を具体的に実施例により説明するが、本発明は
それらによって限定されるものではない。
【0037】
【実施例1】市販のシガレットM(紙巻たばこ)40本
(約30g)の紙及びフィルター部分を除き、たばこ葉
部分を、ビーカーに入れ、室温水800ccを加え、1
晩(約12時間)放置した。静かに傾斜させて、上澄み
液を得た。このたばこ抽出液は、濃い茶色を呈してい
た。これをたばこ抽出液M−1とする。抽出液M−1を
加熱蒸発して、700ccを100ccまで7倍に濃縮
し、抽出液M−1Xを得た。
【0038】
【実施例2】市販のシガレットH(紙巻たばこ)40本
(約30g)の紙及びフィルター部分を除き、たばこ葉
部分を、ビーカーに入れ、室温水800ccを加え、1
晩(約12時間)放置した。その後、ロ紙を用いて、ロ
過し、たばこ葉の残査と溶液部分を分離した。濃い茶色
を呈した抽出液H−1を約700cc得た。この抽出液
に食塩50gを添加して、抽出液M−1Sを得た。過剰
の食塩は、液の底に堆積した。
【0039】
【実施例3】市販のシガレットM40本の葉部分約30
gをコーヒー沸かし器に入れ、水約1000ccを熱
湯、或いは水蒸気の形態でたばこの葉を入れた槽を通過
させ、抽出液M−2を得た。抽出液M−2に食塩を飽和
量以上に加えて、液M−2Xを得た。抽出形M−2Xの
約500ccを加熱、蒸発により濃縮し、液M−2Y約
100ccを得た。この際に、過剰の食塩は、ビーカー
の底に析出した。
【0040】
【実施例4】市販のシガレットM40本の葉部分約30
gに、沸騰直後の熱湯約900ccを添加し、約2時間
放置した。その後、ロ過して、濃い茶色を呈した抽出液
M−3を約800ccを得た。抽出液M−3の400c
cを濃縮して、約100ccの液M−3Xを得た。液M
−3Xに食塩約20gを添加して、液M−3Yを得た。
【0041】
【実施例5】市販の練歯磨C約150gに、たばこ抽出
液M−1X約30ccを添加して、その後、よく混練し
た。たばこ抽出物を含むペーストM−1X−Cを得た。
【0042】
【実施例6】市販の練歯磨P約160gに、たばこ抽出
液M−2X約90ccを添加して、その後、よく混練し
て、たばこ抽出物を含むペーストM−2Y−Pを得た。
【0043】
【実施例7】市販の歯磨粉S約100gに、たばこ抽出
液M−3X約20ccを添加して、よく混練した。この
場合、一日放置しておくと、液と粉の部分が分離してし
まった。
【0044】
【実施例8】日本人男性53歳は、歯周病に10年来悩
まされ続けており、歯1本がグラグラし、痛みを感じる
状態にあった。たばこ抽出液M−1を歯ブラシに含ませ
て、朝夕2回、2週間歯磨きを実施したところ、歯のグ
ラグラが全く無くなり、痛みも完全に消失した。口臭に
も悩まされていたが、口臭は10日以内に感じられなく
なった。その後、彼は、実施例5と6のたばこ抽出物を
含有するペーストを朝夕の歯磨きに使用しているが、歯
周病にかかわる疾病に悩まされていない。
【0045】
【実施例9】日本人女性48歳は、軽い歯周病(歯肉
炎)で本人にはほとんど感じられないが、周囲の人には
口臭が感じられるほどであった。たばこ抽出液H−1を
3週間使用してみたが、最初の10日間でその口臭が感
じられなくなった。それ以来、毎朝起きた時の、口の中
の粘ついた感じが無くなった。これは推定するに、歯溝
で繁殖していた歯周病菌が、たばこ抽出液の殺菌作用に
より、夜の間に繁殖できなくなったためである。その
後、彼女は、たばこ抽出液H−1X、M−2Y、M−3
Y、M−1X−C、M−2Y−Pを使用しているが、不
快な口臭に悩まされることはない。
【0046】
【実施例10】日本人男性47歳は、歯槽膿漏の初期段
階で、特に本人が気付き難いが、周囲の人に不快な口臭
を強く与えていた。たばこ抽出物を含むペーストM−1
X−Cを毎朝夕、2ケ月間用いて歯ブラシで歯磨きを行
なった。2週間目に、彼は、彼の妻から口臭が無くなっ
たと告げられた。彼は、1ケ月後には、歯がシッカリし
たと感じた。
【0047】
【実施例11】日本人男性55歳は、40台後半から歯
槽膿漏に悩まされ、口臭と歯のぐらつきによる痛みを感
じていた。ペーストM−2Y−Pを使用して、歯磨きを
実施し始めて、10日目に口臭に気がつかなくなった。
一月後に、歯のぐらつきがなくなり、痛みを感じなくな
った。
【0048】
【実施例12】本実施例では、たばこ抽出物を含む溶液
の保存状態を観察した。広口ビンに入れた保存したたば
こ抽出液M−1、H−1、M−2、M−3は、いずれも
7乃至21日後に液の表面にカビが生じていた。このよ
うな毒性(それは薬用効果でもある)のある化合物を含
む溶液の中でも繁殖できる細菌がいることは、驚きであ
る。たばこ抽出物を含む溶液に食塩を添加した場合(溶
液H−1S、M−2X、M−2Y、M−3Y)は、カビ
発生が大幅に遅れ、その発生量も食塩を添加しない場合
に比べ、半分から50分の1くらい観察された。
【0049】以上のように、本発明により、たばこ抽出
物を活性成分として、歯周病に適用すると、治療効果が
あることが明らかになった。
【0050】
【発明の効果】本発明の歯周病の予防用或いは治療用組
成物は、次のごとき技術的効果があった。即ち、第1
に、歯周病菌を抑制或いは殺菌できるたばこ抽出物を有
効物質とする歯周病の予防或いは治療用の組成物を提供
できた。第2に、簡単に製造でき、簡便に使用でき、自
然に存在する成分で構成される歯周病の予防又は治療に
有効な組成物を提供できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/26 A61K 9/06 A61K 35/78 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯周病を予防あるいは治療するに活性
    ある成分として、たばこ抽出物を含有することを特徴と
    する歯周病の予防用あるいは治療用組成物。
  2. 【請求項2】 たばこ抽出物の原料は、植物としての
    たばこ、それを加工したもの、あるいは喫煙用たばこで
    あることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載
    の歯周病の予防用あるいは治療用組成物。
  3. 【請求項3】 たばこ抽出物の担体は、溶液、ペース
    ト、ゼリー、ガム、固体であることを特徴とすることを
    特徴とする請求項1あるいは2に記載の歯周病の予防用
    あるいは治療用組成物。
  4. 【請求項4】 たばこ抽出物は、水溶液あるいは水溶
    液を溶媒として得られたものであることを特徴とするこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の歯周病
    の予防用あるいは治療用組成物。
  5. 【請求項5】 たばこ抽出物は、気相あるいは液相に
    おいて抽出されたものであることを特徴とすることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の歯周病の予防
    用あるいは治療用組成物。
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