JP3283614B2 - 不揮発性半導体メモリ装置及びその製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体メモリ装置及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフローティングゲート電
極を有する不揮発性半導体メモリ装置に関するものであ
る。不揮発性半導体メモリ装置はメモリ部分のみでな
く、メモリ部分と周辺回路とを集積化した半導体装置も
含んでいる。不揮発性半導体メモリ装置はEPROMや
EEPROM及びそれらを内蔵したデバイスに利用され
る。
【0002】
【従来の技術】フローティングゲート電極を有するEP
ROMやEEPROMでも、素子の微細化にともなって
ショートチャネル効果やホットキャリア耐性が問題にな
ってきている。その改善策としてはLDD(Lightly Do
ped Drain)構造などが提案されている。LDD構造で
は、ソース領域とドレイン領域のチャネル側に低濃度不
純物拡散領域が形成される。この低濃度拡散領域は一般
的な製造工程においてはフローティングゲート電極を含
むスタックゲート電極をマスクとして自己整合的に不純
物イオンが基板に注入されて形成される。その低濃度拡
散領域は活性化のための熱処理でフローティングゲート
電極の下側方向にも拡散するが、微細化された素子では
不純物イオンの活性化が低温でなされるため、低濃度拡
散領域はフローティングゲート電極の下側に十分入り込
むことができない。
【0003】MOSトランジスタのしきい値電圧を制御
するためにチャネル領域に不純物イオンが導入される
が、このイオンは基板表面全面にわたって注入される。
そのためソース領域及びドレイン領域との接合部での容
量が大きくなり、動作速度を高速化するうえで支障を来
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のEPROMやE
EPROMでは実効チャネル長Leffを決めるのは、フ
ローティングゲート電極をマスクとした不純物イオンの
基板への注入と、その後の横方向への熱拡散である。
方向への熱拡散により実効チャネル長を十分小さくしよ
うとすると、それだけ熱処理の時間が長くなり、その結
果、深さ方向にも不純物が拡散することとなり、ソース
−ドレイン間の耐圧の低下、寄生容量増大による動作速
度の低下などの不具合が生じてしまう。
【0005】LDD構造の低濃度不純物拡散領域とフロ
ーティングゲート電極とのオーバーラップが十分でない
ため、ドレイン領域の電界強度がピークになる位置が基
板表面側に発生し、ホットキャリア耐性が十分向上せ
ず、また基板電流が多くなる問題もある。
【0006】従来の製造方法では低濃度拡散領域を形成
した後、ゲート電極の側壁にスペーサを形成して高濃度
拡散領域を形成している。そのため高濃度拡散領域のた
めのイオン注入のダメージに起因する低濃度拡散領域の
異常増速拡散を抑えることができず、ショートチャネル
効果により素子特性がばらつく。またそのためにも実効
チャネル長を十分小さい値に設定することができない。
一般にはLDD構造では電流駆動能力が低下し、回路の
高速化が困難とされている。
【0007】本発明の目的は実効チャネル長を十分小さ
くするとともに、LDD構造の低濃度不純物拡散領域と
フローティングゲート電極とのオーバーラップを大きく
することによって、電流駆動能力を向上させて回路の高
速化を可能にすることである。本発明の他の目的は通常
のLDD構造でみられるような高濃度不純物注入時のダ
メージに起因する低濃度拡散領域の異常増速拡散を抑え
てショートチャネル効果を改善することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の不揮発性半導体
メモリ装置では、シリコン基板上にゲート酸化膜を介し
てフローティングゲート電極が形成され、フローティン
グゲート電極上には誘電体膜を介してフローティングゲ
ート電極よりもチャネル長方向の幅の狭いコントロール
ゲート電極が形成されており、コントロールゲート電極
のチャネル長方向の幅にほぼ等しい長さのチャネル領域
にのみしきい値電圧制御用のチャネルドープがなされて
おり、そのチャネル領域を挾んでソース領域とドレイン
領域が形成され、ソース領域とドレイン領域はチャネル
側でフローティングゲート電極の下側に低濃度拡散部分
をもっている。
【0009】この不揮発性半導体メモリ装置を製造する
ために、本発明の製造方法は、以下の工程(A)から
(I)を含んでいる。(A)シリコン基板上にゲート酸
化膜を介してフローティングゲート電極用の第1のポリ
シリコン膜を堆積し、そのポリシリコン膜に不純物を導
入して低抵抗化する工程、(B)第1のポリシリコン膜
上に第1の絶縁膜を形成し、コントロールゲート電極形
成領域に帯状の開口を有するように第1の絶縁膜にパタ
ーン化を施す工程、(C)第1のポリシリコン膜の露出
面上及び第1の絶縁膜の露出面上に第1の絶縁膜に対し
てエッチングに関し選択性を有する第2の絶縁膜を堆積
し、エッチバックを施して第1の絶縁膜の開口の内面に
第2の絶縁膜による側壁状スペーサを形成する工程、
(D)前記スペーサをマスクにして基板にしきい値電圧
制御用の不純物をイオン注入する工程、(E)前記開口
に露出している第1のポリシリコン膜上に誘電体膜を形
成する工程、(F)前記誘電体膜上、前記スペーサの露
出面上及び前記第1の絶縁膜の露出面上に第2のポリシ
リコン膜を堆積した後、エッチバックを施すことにより
前記開口内に第2のポリシリコン膜を残すことによって
コントロールゲート電極を形成する工程、(G)前記第
1の絶縁膜をエッチングにより除去し、その第1の絶縁
膜の下にあった第1のポリシリコン膜を異方性エッチン
グにより除去する工程、(H)前記スペーサ及びコント
ロールゲート電極をマスクとして基板にソース領域及び
ドレイン領域用の不純物イオンを高濃度に注入した後、
低温熱処理を施して活性化させる工程、(I)前記スペ
ーサを除去し、コントロールゲート電極をマスクとして
基板にソース領域及びドレイン領域用の不純物イオンを
低濃度に注入した後、低温熱処理を施して活性化させる
工程。得られる不揮発性半導体メモリ装置を微細化する
ために、好ましい態様では前記工程(B)における開口
幅を写真製版の最小解像寸法又はその付近まで微細化す
る。
【0010】
【作用】実効チャネル長はフローティングゲート電極よ
りもチャネル長方向の幅の狭いコントロールゲート電極
のチャネル長方向の幅とほぼ等しい長さに短く形成さ
れ、そのチャネル領域にのみ選択的にチャネルドープが
なされていることによって実効チャネル長が十分小さく
形成されている。また低濃度拡散領域とフローティング
ゲート電極のオーバーラップが大きいために電流駆動能
力が向上し、回路の高速動作が可能になる。低濃度拡散
領域とフローティングゲート電極とのオーバーラップが
大きいために、ドレイン領域で電界強度がピークとなる
位置が基板表面から深さ方向に離れることによって基板
電流が減少するとともに、ホットキャリア耐性が向上す
る。
【0011】本発明による製造方法では、先に高濃度拡
散領域の注入が行なわれ、そのダメージが回復させられ
た後に低濃度拡散領域用のイオン注入が行なわれるた
め、従来のLDD構造の製造方法で得られるような高濃
度拡散領域形成のための注入ダメージに起因する低濃度
拡散領域の異常増速拡散が抑えられ、ショートチャネル
効果が改善される。
【0012】
【実施例】図1は本発明をEPROMに適用した一実施
例を表わす。シリコン基板2上にゲート酸化膜4を介し
てフローティングゲート電極6がポリシリコン膜により
形成されている。フローティングゲート電極6上には誘
電体膜8を介してフローティングゲート電極6よりもチ
ャネル長方向の幅の狭いコントロールゲート電極10が
ポリシリコン膜により形成されている。フローティング
ゲート電極6とコントロールゲート電極10はともに不
純物導入により低抵抗化されている。誘電体膜8はシリ
コン酸化膜、その上のシリコン窒化膜及びさらにその上
のシリコン酸化膜の3層からなるONO膜、又はその他
の誘電体膜である。
【0013】基板2においては、コントロールゲート電
極10の幅にほぼ等しい長さのチャネル領域12に例え
ばボロンが注入されてP型チャネルドープがなされ、こ
のEPROM素子のしきい値電圧が調整されている。チ
ャネル領域を挾んでN型不純物領域のソース領域14と
ドレイン領域16が形成されている。ソース領域14は
チャネル側に低濃度N型不純物領域14aを有し、ドレ
イン領域16もチャネル側に低濃度N型不純物領域16
aを有している。低濃度N型不純物領域14aと16a
はフローティングゲート電極6の下側に形成されてい
る。18はPSG膜やBPSG膜などの層間絶縁膜であ
り、そのコンタクトホールを介してメタル配線20,2
2がソース領域14,ドレイン領域16とそれぞれ接続
されている。なおパッシベーション膜の図示は省略され
ている。
【0014】このEPROMでは低濃度N型不純物領域
14a,16aとフローティングゲート電極6との重な
り合いの程度が大きいため、ドレイン領域16aで電界
強度がピークとなる位置が基板表面から深さ方向に離れ
ることによって基板電流が減少するとともに、ホットキ
ャリア耐性が向上する。
【0015】次に、図2を参照して一実施例の製造方法
について説明する。(A)シリコン基板(ウエハ)2上
に薄い熱酸化膜4を形成してゲート酸化膜とする。その
上にフローティングゲート電極となる数1000Å程度
のポリシリコン膜6を堆積する。その後、フローティン
グゲート電極の抵抗を下げるためにリンをポリシリコン
膜6に注入する。ポリシリコン膜6上に数1000Åの
第1の絶縁膜30を堆積する。絶縁膜30は例えばシリ
コン酸化膜である。
【0016】(B)絶縁膜30に写真製版とエッチング
により、コントロールゲート電極形成領域に帯状の開口
を形成する。次に、全面にシリコン窒化膜を堆積し、異
方性エッチング法によりエッチバックを施すことにより
絶縁膜30の開口の内面に側壁状のシリコン窒化膜スペ
ーサ32を形成する。次に、その窒化膜スペーサ32を
マスクにして選択的に基板にしきい値電圧制御のための
チャネルドープを行なう。チャネルドープにはボロンイ
オンを注入する。12はチャネル領域に注入されたチャ
ネルドープ領域である。開口部のポリシリコン膜6上に
低温で誘電体膜8を形成する。誘電体膜8は例えばON
O膜であり、低温で形成するのはチャネルドープ層12
の拡散を抑えるためである。
【0017】(C)全面に第2のポリシリコン膜を数1
000Åの厚さに堆積し、エッチバックを施すことによ
りスペーサ32で挾まれた開口部内に第2のポリシリコ
ン膜を残してこれをコントロールゲート電極10とす
る。 (D)絶縁膜30をエッチングにより除去した後、スペ
ーサ32の外側に露出した第1のポリシリコン膜6を異
方性エッチングにより除去する。次に、スペーサ32及
びコントロールゲート電極10をマスクとして基板に自
己整合的に砒素イオンを注入し、低温で活性化させて高
濃度不純物拡散領域によるソース領域14とドレイン領
域16を形成する。このときコントロールゲート電極1
0のポリシリコン膜にも砒素が注入され、コントロール
ゲート電極10のポリシリコン膜の抵抗値が下がる。
【0018】(E)スペーサ32を除去した後、コント
ロールゲート電極10の厚いポリシリコン膜をマスクと
して自己整合的にリンイオンを基板に注入する。リンイ
オンはフローティングゲート電極6のポリシリコン膜を
貫通して基板に到達できるエネルギーで行なう。注入さ
れたリンを低温で活性化することによりフローティング
ゲート電極6の下側に低濃度拡散領域にてなるソース領
域14aとドレイン領域16aが形成される。その後、
層間絶縁膜を堆積し、コンタクトホールをあけ、メタル
配線を形成すれば図1の状態となる。
【0019】
【発明の効果】本発明の不揮発性半導体メモリ装置で
は、実効チャネル長はフローティングゲート電極よりも
チャネル長方向の幅の狭いコントロールゲート電極のチ
ャネル長方向の幅とほぼ等しい長さに短く形成され、そ
のチャネル領域にのみ選択的にチャネルドープがなされ
ているので、実効チャネル長が短い。また低濃度拡散領
域とフローティングゲート電極のオーバーラップが大き
い。そのため、電流駆動能力が向上し、回路の高速動作
が可能になる。また、低濃度拡散領域とフローティング
ゲート電極とのオーバーラップが大きいため、ドレイン
領域で電界強度がピークとなる位置が基板表面から深さ
方向に離れることによって基板電流が減少するととも
に、ホットキャリア耐性が向上する。
【0020】本発明による製造方法では、先に高濃度拡
散領域の注入が行なわれ、そのダメージが回復させられ
た後に低濃度拡散領域用のイオン注入が行なわれるた
め、従来のLDD構造の製造方法で得られるような高濃
度拡散領域形成のための注入ダメージに起因する低濃度
拡散領域の異常増速拡散が抑えられ、ショートチャネル
効果が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を示す断面図である。
【図2】製造方法の一例を示す工程断面図である。
【符号の説明】
2 シリコン基板 4 ゲート酸化膜 6 フローティングゲート電極 8 誘電体膜 10 コントロールゲート電極 12 チャネルドープ領域 14 ソース領域 14a ソース領域の低濃度拡散領域 16 ドレイン領域 16a ドレイン領域の低濃度拡散領域 30 絶縁膜 32 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 H01L 27/115 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板上にゲート酸化膜を介して
    フローティングゲート電極が形成され、フローティング
    ゲート電極上には誘電体膜を介してフローティングゲー
    ト電極よりもチャネル長方向の幅の狭いコントロールゲ
    ート電極が形成されており、コントロールゲート電極の
    チャネル長方向の幅にほぼ等しい長さのチャネル領域に
    のみしきい値電圧制御用のチャネルドープがなされてお
    り、そのチャネル領域を挾んでソース領域とドレイン領
    域が形成され、ソース領域とドレイン領域はチャネル側
    でフローティングゲート電極の下側に低濃度拡散部分を
    もっていることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装
    置。
  2. 【請求項2】 以下の工程(A)から(I)を含むこと
    を特徴とする不揮発性半導体メモリ装置の製造方法。 (A)シリコン基板上にゲート酸化膜を介してフローテ
    ィングゲート電極用の第1のポリシリコン膜を堆積し、
    そのポリシリコン膜に不純物を導入して低抵抗化する工
    程、 (B)第1のポリシリコン膜上に第1の絶縁膜を形成
    し、コントロールゲート電極形成領域に帯状の開口を有
    するように第1の絶縁膜にパターン化を施す工程、 (C)第1のポリシリコン膜の露出面上及び第1の絶縁
    膜の露出面上に第1の絶縁膜に対してエッチングに関し
    選択性を有する第2の絶縁膜を堆積し、エッチバックを
    施して第1の絶縁膜の開口の内面に第2の絶縁膜による
    側壁状スペーサを形成する工程、 (D)前記スペーサをマスクにして基板にしきい値電圧
    制御用の不純物をイオン注入する工程、 (E)前記開口に露出している第1のポリシリコン膜上
    に誘電体膜を形成する工程、 (F)前記誘電体膜上、前記スペーサの露出面上及び前
    記第1の絶縁膜の露出面上に第2のポリシリコン膜を堆
    積した後、エッチバックを施すことにより前記開口内に
    第2のポリシリコン膜を残すことによってコントロール
    ゲート電極を形成する工程、 (G)前記第1の絶縁膜をエッチングにより除去し、そ
    の第1の絶縁膜の下にあった第1のポリシリコン膜を異
    方性エッチングにより除去する工程、 (H)前記スペーサ及びコントロールゲート電極をマス
    クとして基板にソース領域及びドレイン領域用の不純物
    イオンを高濃度に注入した後、低温熱処理を施して活性
    化させる工程、 (I)前記スペーサを除去し、コントロールゲート電極
    をマスクとして基板にソース領域及びドレイン領域用の
    不純物イオンを低濃度に注入した後、低温熱処理を施し
    て活性化させる工程。
  3. 【請求項3】 前記工程(B)における開口幅を写真製
    版の最小解像寸法まで微細化した請求項2に記載の不揮
    発性半導体メモリ装置の製造方法。
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