JP3283611B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3283611B2
JP3283611B2 JP04396793A JP4396793A JP3283611B2 JP 3283611 B2 JP3283611 B2 JP 3283611B2 JP 04396793 A JP04396793 A JP 04396793A JP 4396793 A JP4396793 A JP 4396793A JP 3283611 B2 JP3283611 B2 JP 3283611B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造方法
に関し、更に詳しく言えば、基体上に形成された多結晶
シリコン膜/金属シリサイド膜の2層膜のドライエッチ
ング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高密度化に伴う微細
パターンの形成のため、被加工体のサイドエッチングが
少なく、かつ垂直な断面形状の形成に優れた、かつ、被
加工体と下地の絶縁膜との間のエッチングの選択比が高
いエッチング技術が要望されている。
【0003】従来、ポリシリコン膜/タングステンシリ
サイド膜等のポリサイド膜のエッチングには、フロンガ
スを用いることが多かった。しかし、環境保全のためフ
ロンガスが規制対象になってきたため、臭素(Br)を
含むガスを用いることが検討されている。図9(a),
図9(b)は、関連技術に係る、ポリシリコン膜(poly
-Si 膜)/タングステンシリサイド膜(WSi x 膜)から
なるポリサイド膜のエッチング方法について説明する断
面図である。
【0004】図9(a)に示すように、まず、シリコン
基板51上にシリコン酸化膜52を形成した後、シリコ
ン酸化膜52上に多結晶シリコン膜53及びタングステ
ンシリサイド膜54を順次形成する。これらが被加工体
55を構成する。続いて、レジスト膜56をマスクとし
て、臭素(Br)を含むエッチングガス、例えばSF 6
ガス+HBrガスの混合ガス、或いはCl2 ガス+HB
rガスの混合ガスにより被加工体55をエッチングす
る。
【0005】このとき、被加工体55のエッチングとと
もに、マスク材であるレジスト膜56もエッチングを受
ける。そして、エッチング中に、レジスト膜56から炭
素の供給を受けて、レジスト膜56及びタングステンシ
リサイド膜54の側壁に反応生成物57としての炭素化
合物からなる保護膜が形成される。この保護膜により被
加工体55のサイドエッチングを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9(a)に
示すように、レジスト膜56をマスクとして用い、かつ
臭素を含むガス、特にHBrガスやBr2 ガスを用いて
タングステンシリサイド膜54をドライエッチングする
と、図9(b)に示すように、反応生成物がレジスト膜
56aの側壁やタングステンシリサイド膜54a上に過剰に
付着してエッチングを妨げるという問題がある。
【0007】また、たとえタングステンシリサイド膜5
4を完全にエッチングし、除去することができた場合に
も、エッチング中に、次々にレジスト膜56の側壁に反
応生成物が付着し、実効的なレジスト膜56の幅がエッ
チングの経過につれて広くなってくるため、エッチング
後のタングステンシリサイド膜54の形状がテーパ状に
なり、マスクパターンの形状と異なってしまうという問
題がある。
【0008】更に、一旦付着した反応生成物は、通常、
除去しにくいので、RF電力を上げ、スパッタ効果を高
めてエッチングを行うと、付着した反応生成物を除去す
ることはできるが、タングステンシリサイド膜のエッチ
ングの残渣が生じたり、下地のシリコン酸化膜52との
間のエッチングの選択比がとれなくなったりするという
問題がある。
【0009】また、保護膜によって被加工体55のエッ
チングが妨げられると、相対的にレジスト膜56の方が
過剰にエッチングを受けるので、レジスト膜の後退が生
じ、パターン寸法が制御できないという問題もある。更
に、ウエハ上のレジスト膜56の形成された領域の面積
とレジスト膜56の形成されていない非形成領域の面積
とのウエハ上の面積比率に依存して、エッチング後の被
加工体の形状に差が生じるという問題もある。
【0010】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
創作されたものであり、基体上に形成された多結晶シリ
コン膜/金属シリサイド膜の2層膜をドライエッチング
する方法において、フロンガス規制に係るガスを用いる
ことなく、エッチングの寸法制御性及び被加工体と下地
膜との間のエッチングの選択比を向上し、かつ被加工体
の形状がマスクのパターン寸法に依存しないようにエッ
チングすることが可能な半導体装置の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決する手段】上記課題は、第1に、基体上に
形成された多結晶シリコン膜/金属シリサイド膜の2層
膜を有する被加工体のドライエッチングを行う半導体装
置の製造方法において、該被加工体上に無機化合物から
なる耐エッチング性膜を形成する工程と、次いで、レジ
スト膜をマスクとして該耐エッチング性膜を形成する工
程と、次いで、該レジスト膜を除去する工程と、次い
で、HBrガス、Br2ガス及びBBr3ガスのうち少な
くとも何れか一つを含む反応ガスを用いて該反応ガスを
プラズマ放電により活性化し、かつ該基体の温度を60
℃以上に保持した状態で、該耐エッチング性膜をマスク
として該被加工体の選択的なエッチングを行う工程を有
することを特徴とする半導体装置の製造方法によって達
成され、第2に、前記耐エッチング性膜として、シリコ
ン酸化膜、シリコン窒化膜、リンを含むガラス膜、ボロ
ンを含むガラス膜、リン及びボロンを含むガラス膜又は
スピンオングラス(SOG)膜を用いることを特徴とす
る第1の発明に記載の半導体装置の製造方法によって達
成され、第3に、前記反応ガスとして、HBrガス、B
2ガス及びBBr3ガスのうち少なくとも何れか一つを
含むガスに、希ガス、酸素を含むガス、窒素を含むガス
又は水素を含むガスのうち少なくとも何れか一つを添加
したガスを用いることを特徴とする第1又は第2の発明
に記載の半導体装置の製造方法によって達成される。
【0012】
【作用】本発明の半導体装置の製造方法によれば、HB
rガス,Br2 ガス及びBBr 3 ガスのうち少なくとも
いずれか一つを含む反応ガスを用いて反応ガスをプラズ
マ放電により活性化し、かつ基体の温度を60℃以上に
保持した状態で、無機化合物からなる耐エッチング性膜
をマスクとしてエッチングしているので、多結晶シリコ
ン膜/金属シリサイド膜の2層膜からなる被加工体の側
壁に炭素を含まない適正な保護膜を形成し、フロン系の
ガスを用いなくても、被加工体のエッチング後の断面形
状を略垂直な断面形状になるようにすることができる。
【0013】また、基体を加熱しているので、金属シリ
サイド膜のエッチングレートを実用的な値に保持するこ
とができる。更に、基体の温度を60℃以上に保持する
ことにより、エッチング後の被加工体の断面形状を制御
することができる。これにより、耐エッチング性膜の形
成領域と非形成領域の被加工体上の面積比率に依存して
エッチング後の被加工体の形状に差が生じないようにす
ることが可能になる。
【0014】また、前記反応ガスに更に、希ガス,酸素
を含むガス,窒素を含むガス又は水素を含むガスのうち
少なくとも一つを添加した混合ガスを反応ガスとして用
いる。特に、反応ガスに希ガスを添加することによりプ
ラズマが発生し易くなり、臭素を含む反応ガスの圧力を
高めても反応ガスのイオン化を促進することができるの
で、プラズマの発生の均一化によるウエハ内のエッチン
グレートの均一性の低下を防止しつつ、臭素を含む反応
ガスの圧力を高めることによるエッチングの選択比の向
上を図ることができる。
【0015】
【実施例】(一)発明の経過 本願発明者は、発明に至る過程で、HBrを用いた場合
の従来技術に係るエッチング方法の問題点を解決するた
め以下に述べる調査を行った。まず、レジスト膜をマス
クとしてそのまま用いてエッチング条件の適正化により
エッチング後の被加工体の形状を改善することを考え
た。即ち、参考資料(特開平2-224241,第3図)に明示
されているように、レジスト膜をマスクとして多結晶シ
リコンをエッチングする場合には、テーパ角は基板温度
の上昇とともに90度に漸近し、基板温度が60〜16
0℃の範囲でほぼ90度を保持することができる。従っ
て、タングステンシリコン膜の場合にも同じような依存
性があれば、テーパ角が90度となるような共通の温度
範囲に基板温度を保持してポリシリコン膜/タングステ
ンシリコン膜の2層膜のエッチングを行うことにより、
エッチング後の被加工体の形状を改善することが可能で
ある。
【0016】このような考えに基づいて多結晶シリコン
膜の場合とタングステンシリサイド膜の場合とでエッチ
ング後の被加工体のテーパ角がともにほぼ90度になる
ような共通の温度範囲を見いだすべく調査を行った。図
6は、本願発明者が行った実験結果を示す特性図で、レ
ジストマスクを用いてタングステンシリサイド膜をエッ
チングしたとき、基板温度に対してエッチング後のタン
グステンシリサイド膜のテーパ角θがどのように変化し
たかを示す。
【0017】実験結果によれば、基板温度を上昇させる
につれてテーパ角は90度に漸近してくるが、基板温度
が300℃でもテーパ角は60〜70度程度であり、な
お90度に達しない。従って、多結晶シリコン膜の場合
とタングステンシリサイド膜の場合とでテーパ角がほぼ
90度になるような共通の基板温度の範囲は存在しない
ことが判明した。
【0018】以上より、レジスト膜をマスクとして多結
晶シリコン膜/タングステンシリサイド膜の2層膜を被
加工体とするエッチングを行う場合、エッチング条件の
適正化のみによってエッチング後の被加工体の形状を改
善することは困難であり、従って、除去が容易な反応生
成物からなり、かつサイドエッチングを防止することが
できる別の保護膜を形成することが必要であるという方
針を得た。
【0019】以下、そのような保護膜の存在と適用の可
能性について検討した。即ち、従来例の反応生成物がレ
ジスト膜等の側壁に形成され易く、かつその反応生成物
の除去が困難である理由として、レジスト膜から発生し
た炭素(C)により強固なC−Brポリマからなる反応
生成物が形成され、特に、この反応生成物は炭素を含む
材料(レジスト膜)に付着しやすいことが考えられる。
このような考えに基づけば、炭素の存在が問題であるの
で、炭素を含むレジスト膜を用いずに、炭素を含まない
シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の無機化合物,又は
炭素含有の極めて少ないスピンオングラス(SOG)膜
等をマスクとして用いれば、除去しにくい反応生成物の
形成を防止することができることとなる。
【0020】本願発明者は、無機化合物からなるマスク
を用いた場合、除去しにくい反応生成物の形成を防止す
ることができるかどうか、及び保護膜が形成されてサイ
ドエッチングを防止することができるかどうかを確認す
るため、次のような実験を行った。即ち、実験は、フッ
素や塩素を含まずに臭素を含むガスを用い、耐エッチン
グ性膜として無機化合物又は炭素含有量の少ないSOG
膜を用いて、多結晶シリコン膜/金属シリサイド膜の2
層膜のドライエッチングを行った。上記において、耐エ
ッチング性膜としてシリコン酸化膜を用い、フッ素や塩
素を含まずに臭素を含むガスとしてHBrガス,Br2
ガス及びBBr3 ガスのうち少なくともいずれか一つを
含むガスか、又は、上記の臭素を含むガスに、希ガス,
酸素を含むガス,窒素を含むガス又は水素を含むガスの
うち少なくとも一つを添加した混合ガスを用いた。
【0021】この実験に先立って、形状やエッチング速
度に影響を与える基板温度を決定する必要がある。即
ち、参考資料(特開平2-224241,第3図)から、シリコ
ン酸化膜をマスクとする多結晶シリコン膜のエッチング
では、90度のテーパ角を保持するには基板温度を60
℃以上に保持することが必要であることは分かるが、金
属シリサイド膜のエッチング後の形状が基板温度にどの
ように依存するかは明確でない。また、タングステンシ
リサイド膜のエッチングレートが基板温度にどのように
依存するかが明確でない。
【0022】本願発明者は上記2点について次のような
調査を行った。即ち、被加工体の形成された基板を種々
の温度に保持した状態で、耐エッチング性膜としてシリ
コン酸化膜(CVD-SiO2膜)を用い、反応ガスとして臭素
を含むガスを用いて、被加工体としてのタングステンシ
リサイド膜(WSi x 膜)をドライエッチングした。そし
て、第1に、エッチング後の被加工体の形状を評価する
ため、テーパ角を調査した。調査結果によれば、図6に
示すように、調査範囲である基板温度約25℃以上の温
度範囲では基板温度によらずほぼ90度のテーパ角θを
保持することができることが判明した。第2に、タング
ステンシリサイド膜のエッチングレートを調査した。調
査結果によれば、図7に示すように、実用的なタングス
テンシリサイド膜のエッチングレートを得るためには、
基板温度を60℃以上に保持することが好ましいことが
判明した。
【0023】以上を勘案すると、耐エッチング性膜とし
てシリコン酸化膜を用いた、被加工体としての多結晶シ
リコン膜/タングステンシリサイド膜の2層膜のエッチ
ングでは基板温度を60℃以上に保持することが好まし
い。このような基板温度に関する調査結果を勘案して行
った前記実験により、除去が容易な反応生成物からなる
保護膜が被加工体の側壁に形成され、被加工体のサイド
エッチングを防止することができることを確認した。
【0024】なお、本願発明者の他の調査結果から、図
8に示すように、シリコン酸化膜の形成領域の面積とシ
リコン酸化膜の非形成領域の面積のウエハ上の面積比率
により、及び下地が多結晶シリコン膜であるか又はタン
グステンシリサイド膜であるかにより、シリコン酸化膜
のエッチングレートが変化することが判明した。このこ
とは、エッチングすべき多結晶シリコン膜及びタングス
テンシリサイド膜のエッチング中に、エッチングすべき
でない耐エッチング性膜としてのシリコン酸化膜も付随
的にエッチングを受けることを意味する。従って、エッ
チングすべき多結晶シリコン膜及びタングステンシリサ
イド膜の各膜厚を考慮し、これらの膜のエッチング後に
耐エッチング性膜としてのシリコン酸化膜が十分に残存
するように、シリコン酸化膜の膜厚を決定することが必
要になる。
【0025】以下、これらの実験結果に基づいてなされ
た、本発明の実施例の詳細について説明する。 (二)本発明の実施例 最初に、図5は本発明の実施例のエッチング方法に適用
される平行平板型RIE装置について説明する構成図で
ある。
【0026】図5において、1はチャンバ、2はエッチ
ングガスをチャンバ1内に導入するガス導入口、3は処
理後のガスの排気口、4は静電チャック5が設けられた
載置台である。静電チャック5には直流電源6が接続さ
れ、静電的に被加工体の形成された基体21を載置台4
に固定する。また、図示していないが、基体21を加熱
するヒータが設けられている。7a,7bは、それぞれ
基体21と対向する上部電極及び基体21と接触する下
部電極であり、上部電極7aが接地され、下部電極7b
が高周波電源8に接続されている。なお、上部電極7
a,下部電極7bの上部,下部はウエハ21の被加工面
を基準として決めている。9はチャンバ1の壁に形成さ
れた石英窓で、この石英窓9には終点検出器10/レコ
ーダ11が設けられ、プラズマの色によりエッチングの
終点が検出・記録できるようになっている。
【0027】次に、このようなRIE装置を用いて、本
発明の実施例のエッチング方法について説明する。即
ち、シリコン基板/シリコン酸化膜からなる基体上に形
成された多結晶シリコン膜/金属シリサイド膜からなる
金属ポリサイド膜の被加工体を、無機化合物からなる膜
又は炭素含有量が極めて少ないSOG膜からなる耐エッ
チング性マスク(耐エッチング性膜)を用いてドライエ
ッチングする方法について説明する。
【0028】(A)耐エッチング性マスク23として無
機化合物からなる膜又はSOG膜を用い、かつ反応ガス
としてHBrガス,Br2 ガス及びBBr3 ガスのうち
少なくともいずれか一つを含むガスを用いる場合につい
て第1〜第11の実施例により説明する。 (1)第1〜第7の実施例 第1〜第7の実施例において、エッチングガス(反応ガ
ス)としてHBrガスを用い、ガス流量を100SCCMと
し、チャンバ内の圧力を0.13Torrとし、RFパワー
を500Wとし、基体21の温度(基板温度)を80℃
とするエッチング条件で、被加工体36としての金属ポ
リサイド膜をエッチングする。なお、基体21の温度を
80℃としたのは、図7に示すように、金属ポリサイド
膜のエッチングレートを実用上必要とされる値に保持
し、かつ、エッチング後のポリシリコン膜及び金属ポリ
サイド膜のテーパ角θを略90度に保持するためであ
る。以下に説明する全ての実施例についてこの条件を同
様に適用する。
【0029】第1〜第7の実施例において、被加工体と
耐エッチング性マスクとの組み合わせが異なっている。 第1の実施例 図1(a)〜図1(d)は第1の実施例について説明す
る断面図である。図1(a)は、シリコン基板(半導体
基板)24上にシリコン酸化膜25が熱酸化により形成
された後の状態を示し、これらが基体21を構成する。
【0030】この様な状態で、まず、図1(b)に示す
ように、膜厚約2000Åのポリシリコン膜34及び膜厚約
2000Åのタングステンシリサイド膜(金属シリサイド
膜)35を、順次、CVD法によりシリコン酸化膜25
上に形成する。この2層膜がエッチングの被加工体36
となる。なお、このような2層膜は一般にタングステン
ポリサイド膜(金属ポリサイド膜)36と称される。続
いて、耐エッチング性マスクとなる膜厚約2000Åのシリ
コン酸化膜37をCVD法によりタングステンシリサイ
ド膜35上に形成する。なお、図8に示す本願発明者の
実験結果から、エッチングすべき多結晶シリコン膜34
及びタングステンシリサイド膜35の各膜厚を考慮し、
耐エッチング性膜としてのシリコン酸化膜37がエッチ
ングに十分耐えるように、十分な膜厚のシリコン酸化膜
37を形成することが必要である。
【0031】次いで、図1(c)に示すように、CF4
ガスとCHF3 ガスとの混合ガスを用いたRIE(反応
性イオンエッチング)により、選択的に形成されたレジ
スト膜38をマスクとしてシリコン酸化膜37を選択的
にエッチング・除去し、残存するシリコン酸化膜からな
る耐エッチング性マスク37aを形成する。次に、レジス
ト膜38を除去した後、耐エッチング性マスク37aに基
づいて被加工体36を選択的にエッチングする。以下、
その詳細について説明する。
【0032】まず、ポリシリコン膜34/タングステン
シリサイド膜35の形成された基体21を載置台4に載
置し、直流電源6により静電チャック5に直流電圧を印
加して基体21を静電的に固定する。次に、排気口3か
らチャンバ1内を排気し、減圧する。次いで、載置台4
内部に温水を循環させることにより基体21を加熱し、
基体21の温度が80℃になるように調節する。
【0033】次に、チャンバ1内が所定の圧力に到達し
たら、ガス導入口2から反応ガスとしてのHBrガスを
ガス流量100SCCMで導入するとともに、排気量を調節
してチャンバ1内を圧力0.05Torrに保持する。次い
で、高周波電源8によりRFパワー500Wを上部電極
7a及び下部電極7b間に印加する。これにより、反応
ガスはプラズマ化されてタングステンシリサイド膜35
及びポリシリコン膜34に作用し、耐エッチング性マス
ク37aに基づいてタングステンシリサイド膜35及びポ
リシリコン膜34はエッチングされる。このとき、タン
グステンシリサイド膜35のエッチングレートとして20
00Å/分が得られ、ポリシリコン膜34のエッチングレ
ートとして2380Å/分が得られ、下地のシリコン酸化膜
25に対するポリシリコン膜34の選択比として19が
得られた。エッチング後の被加工体36aの断面形状は、
図1(d)に示すように、略垂直な断面形状が得られ
た。また、エッチング速度の均一性は±10%以下であ
った。
【0034】第2の実施例 図2(a)は第2の実施例について説明する断面図で、
耐エッチング性マスク39aに基づいて被加工体36をエ
ッチングした後の状態を示す。第1の実施例と異なると
ころは、耐エッチング性マスク39aとして膜厚約2000Å
のシリコン窒化膜を用いていることである。この耐エッ
チング性マスク39aは、被加工体36上に形成された
後、CF4 ガスとCHF3 ガスとの混合ガスを用いたR
IE(反応性イオンエッチング)により、不図示のレジ
スト膜をマスクとして選択的にエッチング・除去するこ
とにより形成された。なお、被加工体36は膜厚約2000
Åのポリシリコン膜34/膜厚約2000Åのタングステン
シリサイド膜(金属シリサイド膜)35の2層膜からな
り、CVD法により順次形成された。
【0035】次に、不図示のレジスト膜を除去した後、
耐エッチング性マスク39aに基づいて被加工体36を選
択的にエッチングするが、その方法は第1の実施例と同
様なので省略する。これにより、タングステンシリサイ
ド膜35のエッチングレートとして1750Å/分が得ら
れ、ポリシリコン膜34のエッチングレートとして2250
Å/分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポ
リシリコン膜34の選択比として18が得られた。エッ
チング後の被加工体36bの断面形状は、図2(a)に示
すように、略垂直な断面形状が得られた。
【0036】第3の実施例 図2(b)は、第3の実施例について説明する断面図
で、耐エッチング性マスクに基づいて被加工体をエッチ
ングした後の状態を示す。第2の実施例と異なるところ
は、耐エッチング性マスク37bとして膜厚約2000Åのシ
リコン酸化膜を用い、被加工体41として膜厚約2000Å
のポリシリコン膜34/膜厚約2000Åのモリブデンシリ
サイド膜(金属シリサイド膜)40からなるモリブデン
ポリサイド膜(金属ポリサイド膜)を用いていることで
ある。
【0037】このような試料に対する第1の実施例と同
様なエッチング条件及び方法の適用により、モリブデン
シリサイド膜40のエッチングレートとして1750Å/分
が得られ、ポリシリコン膜34のエッチングレートとし
て2250Å/分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に対
するポリシリコン膜の選択比として18が得られた。エ
ッチング後の被加工体41aの断面形状は、図2(b)に
示すように、略垂直な断面形状が得られた。
【0038】第4の実施例 図2(c)は第4の実施例について説明する断面図で、
図2(c)は耐エッチング性マスクに基づいて被加工体
をエッチングした後の状態を示す。第3の実施例と異な
るところは、耐エッチング性マスク39bとして膜厚約20
00Åのシリコン窒化膜を用いていることである。
【0039】この場合、第1の実施例と同様なエッチン
グ方法を実施することにより、モリブデンシリサイド膜
40のエッチングレートとして1500Å/分が得られ、ポ
リシリコン膜34のエッチングレートとして2000Å/分
が得られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシリ
コン膜34の選択比として16が得られた。エッチング
後の被加工体41bの断面形状は、図2(c)に示すよう
に、略垂直な断面形状が得られた。
【0040】第5の実施例 図3(a)は第5の実施例について説明する断面図で、
図3(a)は耐エッチング性マスクに基づいて被加工体
をエッチングした後の状態を示す。第1及び第2の実施
例と異なるところは、耐エッチング性マスク42として
膜厚約2000Åのリンガラス(PSG膜)を用いているこ
とである。
【0041】この場合、第1の実施例と同様なエッチン
グ方法を実施することにより、タングステンシリサイド
膜35のエッチングレートとして2000Å/分が得られ、
ポリシリコン膜34のエッチングレートとして2380Å/
分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシ
リコン膜34の選択比として19が得られた。エッチン
グ後の被加工体36cの断面形状は、図3(a)に示すよ
うに、略垂直な断面形状が得られた。
【0042】第6の実施例 図3(b)は第6の実施例について説明する断面図で、
図3(b)は耐エッチング性マスクに基づいて被加工体
をエッチングした後の状態を示す。第5の実施例と異な
るところは、耐エッチング性マスク43として膜厚約20
00Åのボロンリンガラス(BPSG)膜を用いているこ
とである。
【0043】この場合、第1の実施例と同様なエッチン
グ方法を実施することにより、タングステンシリサイド
膜35のエッチングレートとして2000Å/分が得られ、
ポリシリコン膜34のエッチングレートとして2380Å/
分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシ
リコン膜34の選択比として19が得られた。エッチン
グ後の被加工体36dの断面形状は、図3(b)に示すよ
うに、略垂直な断面形状が得られた。
【0044】第7の実施例 図3(c)は第7の実施例について説明する断面図で、
図3(c)は耐エッチング性マスクに基づいて被加工体
をエッチングした後の状態を示す。第5及び第6の実施
例と異なるところは、耐エッチング性マスク44として
膜厚約2000Åのスピンオングラス(SOG)膜を用いて
いることである。
【0045】この場合、第1の実施例と同様なエッチン
グ方法を実施することにより、タングステンシリサイド
膜35のエッチングレートとして1980Å/分が得られ、
ポリシリコン膜34のエッチングレートとして2380Å/
分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシ
リコン膜34の選択比として19が得られた。エッチン
グ後の被加工体36eの断面形状は、図3(c)に示すよ
うに、略垂直な断面形状が得られた。
【0046】以上のように、本発明の第1〜第7の実施
例によれば、無機化合物からなる膜、或いはプラズマに
曝されたときに炭素の放出が極めて少ないSOG膜を耐
エッチング性マスク37a,37b,39a,39b,42〜4
4として用いているので、エッチングガスとしてHBr
ガスを用いたプラズマエッチング処理により、炭素を含
まず臭素を含む反応生成物からなり、除去の容易な保護
膜の形成により適度な側壁の保護を行うことができる。
これにより、より高い寸法制御性を有する、金属ポリサ
イド膜36a〜36e,41a,41bのエッチングが可能とな
る。
【0047】また、炭素フリーなので、又は微量な炭素
しか放出されないので、下地のシリコン酸化膜25のエ
ッチング速度は低下した。一方、その割にポリシリコン
膜34のエッチング速度は低下しなかった。このため、
ポリシリコン膜34と下地のシリコン酸化膜25との間
のエッチングの選択比が高くなった。 (2)第8の実施例 第8の実施例において、エッチングガス(反応ガス)と
してBr2 ガスを用いていることが第1〜第7の実施例
と異なる。エッチング条件は、第1〜第7の実施例と同
様に、ガス流量を100SCCMとし、チャンバ内の圧力を
0.13Torrとし、RFパワーを500Wとし、基板温
度を80℃としている。
【0048】試料は図1(c)に示す第1の実施例と同
様なものを用いている。従って、これを代用する。図1
(c)は耐エッチング性マスク37aの形成後、エッチン
グ前の状態を示す断面図で、耐エッチング性マスク37a
として膜厚約2000Åのシリコン酸化膜を用い、被加工体
36として膜厚約2000Åのポリシリコン膜34及び膜厚
約2000Åのタングステンシリサイド膜35からなる2層
の金属ポリサイド膜を用いている。この場合、第1の実
施例と同様なエッチング方法を実施することにより、タ
ングステンシリサイド膜35のエッチングレートとして
1980Å/分が得られ、ポリシリコン膜34のエッチング
レートとして2200Å/分が得られ、下地のシリコン酸化
膜25に対するポリシリコン膜34の選択比として19
が得られた。エッチング後の断面形状36aは、図1
(d)に示すように、略垂直な断面形状が得られた。
【0049】(3)第9の実施例 第9の実施例において、第8の実施例と異なるところ
は、エッチングガス(反応ガス)としてHBrガス+B
2 ガスの混合ガスを用い、HBrガス流量を50SCCM
とし、Br2 ガス流量を50SCCMとしていることであ
り、他のエッチングの条件は第8の実施例と同様にして
いる。即ち、チャンバ内の圧力を0.13Torrとし、R
Fパワーを500Wとし、基板温度を80℃としてい
る。
【0050】また、試料は第8の実施例に用いた、図1
(c)に示す第1の実施例と同様なものを用いている。
この場合、第1の実施例と同様なエッチング方法を実施
することにより、タングステンシリサイド膜35のエッ
チングレートとして1980Å/分が得られ、ポリシリコン
膜34のエッチングレートとして2200Å/分が得られ、
下地のシリコン酸化膜25に対するポリシリコン膜34
の選択比として19が得られた。エッチング後の断面形
状36aは、図1(d)に示すように、略垂直な断面形状
が得られた。
【0051】以上の第8及び第9の実施例によれば、種
々の臭素系ガスによりタングステンシリサイド膜35等
の金属シリサイド膜をドライエッチングすることがで
き、かつ高い寸法制御性を確保することが可能である。 (4)第10,第11の実施例及び比較例 第10,第11の実施例においては、図1(c)に示す
第1の実施例と同様に、耐エッチング性マスク37aとし
て膜厚約2000Åのシリコン酸化膜を用い、被加工体36
として膜厚約2000Åのポリシリコン膜34及び膜厚約20
00Åのタングステンシリサイド膜35からなる金属ポリ
サイド膜の形成された基体21を用いている。上記第1
の実施例と異なるところは、エッチングガスとしてHB
rガスに希ガスを混入したものを用い、チャンバ内の圧
力を、それぞれ0.5Torrと高くしたことである。
【0052】第10の実施例 第10の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。エッチングガス(反応ガス)とし
てHBrガス+Heガスの混合ガスを用い、HBrガス
流量を100SCCMとし、Heガス流量を20SCCMとして
いる。この場合、第1の実施例と同様なエッチング方法
を実施することにより、タングステンシリサイド膜35
のエッチングレートとして1200Å/分が得られ、ポリシ
リコン膜34のエッチングレートとして1800Å/分が得
られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシリコン
膜34の選択比として35が得られた。エッチング後の
被加工体36aの断面形状は、図1(d)に示すように、
略垂直な断面形状が得られた。また、エッチング速度の
均一性はウエハ上で±10%以下であった。
【0053】第11の実施例 第11の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。エッチングガス(反応ガス)とし
てHBrガス+Arガスの混合ガスを用い、HBrガス
流量を100SCCMとし、Arガス流量を20SCCMとして
いる。この場合、第1の実施例と同様なエッチング方法
を実施することにより、タングステンシリサイド膜35
のエッチングレートとして1000Å/分が得られ、ポリシ
リコン膜34のエッチングレートとして1600Å/分が得
られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシリコン
膜34の選択比として30が得られた。エッチング後の
被加工体36aの断面形状は、図1(d)に示すように、
略垂直な断面形状が得られた。また、エッチング速度の
均一性はウエハ上で±10%以下であった。
【0054】比較例 比較例について、図4を参照しながら説明する。図1
(c)と同様な試料を用い、エッチングガス(反応ガ
ス)として希ガスを混入しないHBrガスを用い、HB
rガス流量を50SCCMとし、チャンバ内の圧力を0.5
Torrと高くしている。この場合、第1の実施例と同様な
エッチング方法を実施することにより、タングステンシ
リサイド膜35のエッチングレートとして200Å/分
が得られ、ポリシリコン膜34のエッチングレートとし
て1000Å/分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に対
するポリシリコン膜の選択比として40が得られた。エ
ッチング後の被加工体36fの断面形状は、図4に示すよ
うに、タングステンシリサイド膜35f及びポリシリコン
膜34gともにサイドエッチングが生じており、あまりよ
くない。また、エッチング速度の均一性はウエハ上で±
30%を越え、実施例1,実施例10及び実施例11の
結果と比べて著しく悪化した。
【0055】以上のように、第10及び第11の実施例
では、臭素を含むガスに希ガスを添加した混合ガスを用
いることにより、臭素系ガスのみの場合と比較して、H
Brガスの圧力を高くしてもプラズマが発生し易くする
ことが可能になった。これにより、プラズマ発生の均一
化によるウエハ内のエッチングの均一性の高めつつ、高
いHBrガスの圧力による選択比の向上を図ることが可
能になった。(B)耐エッチング性マスクとして無機化
合物又はSOG膜を用い、かつ反応ガスとしてHBrガ
ス,Br2 ガス及びBBr3 ガスのうち少なくともいず
れか一つを含むガスに、希ガス,酸素ガスを含むガス,
窒素を含むガス又は水素を含むガスのうち少なくとも一
つを添加した混合ガスを用いた場合について説明する。
【0056】(5)第12,第13の実施例 第12,第13の実施例において、図1(c)に示す第
1の実施例と同様に、耐エッチング性膜37aとして膜厚
約2000Åのシリコン酸化膜を用い、被加工体36として
膜厚約2000Åのポリシリコン膜34/膜厚約2000Åのタ
ングステンシリサイド膜35からなる金属ポリサイド膜
の形成された基体21を用いている。また、第1の実施
例と異なるところは、反応ガスとして臭素系ガスに酸素
系ガスを添加したものを用いていることである。
【0057】第12の実施例 第12の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。エッチングガス(反応ガス)とし
てHBrガス+O2 ガスの混合ガスを用い、HBrガス
流量を100SCCMとし、O2 ガス流量を2SCCMとしてい
る。この場合、第1の実施例と同様なエッチング方法を
実施することにより、タングステンシリサイド膜35の
エッチングレートとして2100Å/分,ポリシリコン膜3
4のエッチングレートとして2200Å/分が得られ、下地
のシリコン酸化膜25に対するポリシリコン膜34の選
択比として25が得られた。また、エッチング後の被加
工体36aの断面形状は、図1(d)に示すように、ほぼ
垂直な断面形状が得られた。
【0058】第13の実施例 第13の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。第12の実施例と異なるところ
は、エッチングガス(反応ガス)としてHBrガス+O
3 ガスの混合ガスを用い、HBrガス流量を100SCCM
とし、O3 ガス流量を2SCCMとしていることである。こ
の場合について第1の実施例と同様なエッチング方法を
実施することにより、タングステンシリサイド膜35の
エッチングレートとして2100Å/分が得られ、ポリシリ
コン膜34のエッチングレートとして2200Å/分が得ら
れ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシリコン膜
34の選択比として25が得られた。また、エッチング
後の被加工体36aの断面形状は、図1(d)に示すよう
に、ほぼ垂直な断面形状が得られた。
【0059】第12及び第13の実施例では、臭素系ガ
スに酸素系ガスを添加することにより、第1の実施例の
場合と比較して、耐エッチング性マスク37aや下地のシ
リコン酸化膜25に対するポリシリコン膜34の選択比
が向上した。なお、酸素系ガスには、炭素やフッ素が含
まれないことが望ましい。また、耐エッチング性マスク
37aとしてレジスト膜を用いていないので、第1の実施
例と同様に、ポリシリコン膜/金属シリサイド膜の2層
膜に対して、除去しにくい反応生成物の形成を防止する
ことができ、かつより高い寸法制御性を確保することが
可能となった。更に、耐エッチング性マスクとしてレジ
スト膜を用いた場合に、図1(d)に示すエッチング後
の被加工体36aの形状が、図1(c)に示すような耐エ
ッチング性マスクのパターン寸法や被加工体36の露出
面積に依存するという弊害も低減した。
【0060】(6)第14,第15の実施例 第14,第15の実施例においては、図1(c)に示す
第1の実施例と同様に、耐エッチング性膜37aとして膜
厚約2000Åのシリコン酸化膜を用い、被加工体36とし
て膜厚約2000Åのポリシリコン膜34/膜厚約2000Åの
タングステンシリサイド膜35からなる金属ポリサイド
膜の形成された基体21を用いている。また、第1の実
施例と異なるところは、反応ガスとして臭素系ガスに窒
素系ガスを添加したものを用いていることである。
【0061】第14の実施例 第14の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。エッチングガス(反応ガス)とし
てHBrガス+N2 ガスの混合ガスを用い、HBrガス
流量を100SCCMとし、N2 ガス流量を10SCCMとして
いる。この場合、第1の実施例と同様なエッチング方法
を実施することにより、タングステンシリサイド膜35
のエッチングレートとして1780Å/分が得られ、ポリシ
リコン膜34のエッチングレートとして2000Å/分が得
られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシリコン
膜34の選択比として24が得られた。エッチング後の
被加工体36aの断面形状は、図1(d)に示すように、
ほぼ垂直な断面形状が得られた。
【0062】なお、下地の絶縁膜としてシリコン窒化膜
を用いた場合には、下地のシリコン窒化膜に対するポリ
シリコン膜の選択比は8となり、相当低くなる。 第15の実施例 第15の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。第14の実施例と異なるところ
は、エッチングガス(反応ガス)としてHBrガス+N
3 ガスの混合ガスを用い、HBrガス流量を100SC
CMとし、NH3 ガス流量を10SCCMとしていることであ
る。この場合において、第1の実施例と同様なエッチン
グ方法を実施することにより、タングステンシリサイド
膜35のエッチングレートとして1780Å/分が得られ、
ポリシリコン膜34のエッチングレートとして2000Å/
分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシ
リコン膜34の選択比として24が得られた。エッチン
グ後の被加工体36aの断面形状は、図1(d)に示すよ
うに、ほぼ垂直な断面形状が得られた。
【0063】なお、第15の実施例の場合も、第14の
実施例の場合と同様に、下地の絶縁膜としてシリコン窒
化膜を用いた場合には、下地のシリコン窒化膜に対する
ポリシリコン膜の選択比は8となり、相当低くなる。第
14及び第15の実施例では、臭素系ガスに窒素系ガス
を添加することにより、第1の実施例の場合と比較し
て、耐エッチング性マスク37aや下地のシリコン酸化膜
25に対するポリシリコン膜34の選択比が向上した。
なお、窒素系ガスには、炭素やフッ素が含まれないこと
が望ましい。
【0064】また、耐エッチング性マスク37aとしてレ
ジスト膜を用いていないので、第1の実施例と同様に、
ポリシリコン膜/金属シリサイド膜の2層膜に対して、
除去しにくい反応生成物の形成を防止することができ、
かつより高い寸法制御性を確保することができた。ま
た、耐エッチング性マスクとしてレジスト膜を用いた場
合に、エッチング後の被加工体36の形状が耐エッチン
グ性マスクのパターン寸法や被加工体36の露出面積に
依存するという弊害も低減した。
【0065】(7)第16,第17の実施例 第16,第17の実施例において、図1(c)に示す第
1の実施例と同様に、耐エッチング性膜37aとして膜厚
約2000Åのシリコン酸化膜を用い、被加工体36として
膜厚約2000Åのポリシリコン膜34/膜厚約2000Åのタ
ングステンシリサイド膜35からなる金属ポリサイド膜
の形成された基体21を用いている。また、第1の実施
例と異なるところは、反応ガスとして臭素系ガスに水素
系ガスを添加したものを用いていることである。
【0066】第16の実施例 第16の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。エッチングガス(反応ガス)とし
てHBrガス+H2 ガスの混合ガスを用い、HBrガス
流量を100SCCMとし、H2 ガス流量を5SCCMとしてい
る。この場合、第1の実施例と同様なエッチング方法を
実施することにより、タングステンシリサイド膜35の
エッチングレートとして2000Å/分が得られ、ポリシリ
コン膜34のエッチングレートとして2380Å/分が得ら
れ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシリコン膜
34の選択比として20が得られた。エッチング後の被
加工体36aの断面形状は、図1(d)に示すように、ほ
ぼ垂直な断面形状が得られた。
【0067】第17の実施例 第17の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。第16の実施例と異なるところ
は、エッチングガス(反応ガス)としてHBrガス+H
2 Sガスの混合ガスを用い、HBrガス流量を100SC
CMとし、H2 Sガス流量を5SCCMとしていることであ
る。この場合、第1の実施例と同様なエッチング方法を
実施することにより、タングステンシリサイド膜35の
エッチングレートとして2000Å/分が得られ、ポリシリ
コン膜34のエッチングレートとして2380Å/分が得ら
れ、下地のシリコン酸化膜25に対するポリシリコン膜
34の選択比として20が得られた。エッチング後の被
加工体36aの断面形状は、図1(d)に示すように、ほ
ぼ垂直な断面形状が得られた。
【0068】第16及び第17の実施例では、臭素系ガ
スに水素系ガスを添加することにより、第1の実施例の
場合と比較して、耐エッチング性マスク37aや下地のシ
リコン酸化膜25に対するポリシリコン膜34の選択比
が向上した。なお、水素系ガスには、炭素やフッ素が含
まれないことが望ましい。また、耐エッチング性マスク
37aとしてレジスト膜を用いていないので、第1の実施
例と同様に、ポリシリコン膜/金属シリサイド膜の2層
膜に対して、除去しにくい反応生成物の形成を防止する
ことができ、かつより高い寸法制御性を確保することが
できた。また、耐エッチング性マスクとしてレジスト膜
を用いた場合に、エッチング後の被加工体36aの形状が
パターン寸法や被加工体36の露出面積に依存するとい
う弊害も低減する。
【0069】(8)第18,19の実施例 第18,第19の実施例においては、図1(c)に示す
第1の実施例と同様に、耐エッチング性マスク37aとし
て膜厚約2000Åのシリコン酸化膜を用い、被加工体36
として膜厚約2000Åのポリシリコン膜34/膜厚約2000
Åのタングステンシリサイド膜35からなる金属ポリサ
イド膜の形成された基体21を用いている。また、第1
の実施例と異なるところは、反応ガスとして臭素系ガス
に希ガス及び酸素系ガスを添加したものを用い、かつ、
チャンバ内の圧力を0.5Torrと高くしていることであ
る。
【0070】第18の実施例 第18の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。エッチングガス(反応ガス)とし
てHBrガス+Heガス+O2 ガスの混合ガスを用い、
HBrガス流量を100SCCMとし、Heガス流量を20
SCCMとし、O2ガス流量を2SCCMとしている。この場
合、第1の実施例と同様なエッチング方法を実施するこ
とにより、タングステンシリサイド膜35のエッチング
レートとして2000Å/分が得られ、ポリシリコン膜34
のエッチングレートとして2100Å/分が得られ、下地の
シリコン酸化膜25に対するポリシリコン膜34の選択
比として20が得られた。エッチング後の被加工体36a
の断面形状は、図1(d)に示すように、ほぼ垂直な断
面形状が得られた。
【0071】第19の実施例 第19の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。第18の実施例と異なるところ
は、エッチングガス(反応ガス)としてHBrガス+H
eガス+O3 ガスの混合ガスを用い、HBrガス流量を
100SCCMとし、Heガス流量を20SCCMとし、O3
ス流量を2SCCMとしていることである。この場合、第1
の実施例と同様なエッチング方法を実施することによ
り、タングステンシリサイド膜35のエッチングレート
として2000Å/分が得られ、ポリシリコン膜34のエッ
チングレートとして2100Å/分が得られ、下地のシリコ
ン酸化膜25に対するポリシリコン膜34の選択比とし
て22が得られた。エッチング後の被加工体36aの断面
形状は、図1(d)に示すように、ほぼ垂直な断面形状
が得られた。
【0072】第18及び第19の実施例では、臭素系ガ
スに希ガス及び酸素系ガスを添加することにより、第1
の実施例の場合と比較して、耐エッチング性マスク37a
であるシリコン窒化膜や下地のシリコン酸化膜25に対
するポリシリコン膜34の選択比が向上した。また、第
10,第11の実施例で、臭素系ガスに希ガスを添加す
ることによりエッチングレートの均一性とエッチングの
選択比が向上することは確認されているが、更に、酸素
系ガスを添加することにより、第10,第11の実施例
の場合に比較して、選択比は低下したが、ポリシリコン
膜34のエッチングレートが向上した。なお、酸素系ガ
スには、炭素やフッ素が含まれないことが望ましい。
【0073】また、耐エッチング性マスク37aとしてレ
ジスト膜を用いていないので、ポリシリコン膜/金属シ
リサイド膜の2層膜に対して、除去しにくい反応生成物
の形成を防止することができ、かつより高い寸法制御性
を確保することが可能となった。また、耐エッチング性
マスクとしてレジスト膜を用いた場合にエッチング後の
被加工体36aの形状がパターン寸法や被加工体36の露
出面積に依存するという弊害も低減する。
【0074】(9)第20,第21の実施例 第20,第21の実施例において、図1(c)に示す第
1の実施例と同様に、耐エッチング性マスク37aとして
膜厚約2000Åのシリコン酸化膜を用い、被加工体36と
して膜厚約2000Åのポリシリコン膜34/膜厚約2000Å
のタングステンシリサイド膜35からなる金属ポリサイ
ド膜の形成された基体21を用いている。また、第1の
実施例と異なるところは、反応ガスとして臭素系ガスに
希ガスを添加し、更に窒素系ガスを添加したものを用
い、更に、チャンバ内の圧力を0.5Torrと高くしてい
ることである。
【0075】第20の実施例 第20の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。反応ガスとしてHBrガス+He
ガス+N2 ガスの混合ガスを用い、HBrガス流量を1
00SCCMとし、Heガス流量を20SCCMとし、N2 ガス
流量を10SCCMとしている。この場合、第1の実施例と
同様なエッチング方法を実施することにより、タングス
テンシリサイド膜35のエッチングレートとして1700Å
/分が得られ、ポリシリコン膜34のエッチングレート
として1900Å/分が得られ、下地のシリコン酸化膜25
に対するポリシリコン膜34の選択比として22が得ら
れた。エッチング後の被加工体36aの断面形状は、図1
(d)に示すように、ほぼ垂直な断面形状が得られた。
【0076】第21の実施例 第21の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。第20の実施例と異なるところ
は、反応ガスとしてHBrガス+Heガス+NH 3 ガス
の混合ガスを用い、HBrガス流量を100SCCMとし、
Heガス流量を20SCCMとし、NH3 ガス流量を10SC
CMとしていることである。この場合、第1の実施例と同
様なエッチング方法を実施することにより、タングステ
ンシリサイド膜35のエッチングレートとして2000Å/
分が得られ、ポリシリコン膜34のエッチングレートと
して2100Å/分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に
対するポリシリコン膜34の選択比として22が得られ
た。エッチング後の被加工体36aの断面形状は、図1
(d)に示すように、ほぼ垂直な断面形状が得られた。
【0077】第20及び第21の実施例のように、臭素
系ガスに希ガス及び窒素系ガスを添加することにより、
第1の実施例の場合と比較して、耐エッチング性マスク
37aであるシリコン窒化膜や下地のシリコン酸化膜25
に対するポリシリコン膜34の選択比が向上した。ま
た、第10,第11の実施例で、臭素系ガスに希ガスを
添加することによりエッチングレートの均一性とエッチ
ングの選択比が向上することは確認されているが、更に
窒素系ガスを添加することにより、第10,第11の実
施例の場合に比較して、選択比は低下したが、タングス
テンシリサイド膜35及びポリシリコン膜34のエッチ
ングレートが向上した。なお、酸素系ガスには、炭素や
フッ素が含まれないことが望ましい。
【0078】また、耐エッチング性マスク37aとしてレ
ジスト膜を用いていないので、第1の実施例と同様に、
ポリシリコン膜/金属シリサイド膜の2層膜に対して、
除去しにくい反応生成物の形成を防止することができ、
かつより高い寸法制御性を有するドライエッチングが可
能となること、レジスト膜のとき問題になっていた、エ
ッチング後の被加工体36aの形状差がパターン寸法や被
加工体36の露出面積に依存するという弊害も低減す
る。
【0079】(10)第22,第23のの実施例 第22,第23の実施例において、図1(c)に示す第
1の実施例と同様に、耐エッチング性膜37aとして膜厚
約2000Åのシリコン酸化膜を用い、被加工体36として
膜厚約2000Åのポリシリコン膜34/膜厚約2000Åのタ
ングステンシリサイド膜35からなる金属ポリサイド膜
の形成された基体21を用いている。また、第1の実施
例と異なるところは、反応ガスとして臭素系ガスに希ガ
ス及び水素系ガスを添加したものを用い、更に、チャン
バ内の圧力を0.5Torrと高くしていることである。
【0080】第22の実施例 第22の実施例について、図1(c),図1(d)を参
照しながら説明する。反応ガスとしてHBrガス+He
ガス+H2 ガスの混合ガスを用い、HBrガス流量を1
00SCCMとし、Heガス流量を20SCCMとし、H2 ガス
流量を5SCCMとしている。この場合、第1の実施例と同
様なエッチング方法を実施することにより、タングステ
ンシリサイド膜35のエッチングレートとして1900Å/
分が得られ、ポリシリコン膜34のエッチングレートと
して2200Å/分が得られ、下地のシリコン酸化膜25に
対するポリシリコン膜34の選択比として19が得られ
た。エッチング後の被加工体36aの断面形状は、図1
(d)に示すように、ほぼ垂直な断面形状が得られた。
【0081】第23の実施例 第23の実施例について図1(c),図1(d)を参照
しながら説明する。第22の実施例と異なるところは、
エッチングガス(反応ガス)としてHBrガス+Heガ
ス+H2 Sガスの混合ガスを用い、HBrガス流量を1
00SCCMとし、Heガス流量を20SCCMとし、NH3
ス流量を5SCCMとしていることである。この場合、第1
の実施例と同様なエッチング方法を実施することによ
り、タングステンシリサイド膜35のエッチングレート
として1900Å/分が得られ、ポリシリコン膜34のエッ
チングレートとして2200Å/分が得られ、下地のシリコ
ン酸化膜25に対するポリシリコン膜34の選択比とし
て19が得られた。エッチング後の被加工体36aの断面
形状は、図1(d)に示すように、ほぼ垂直な断面形状
が得られた。
【0082】第22及び第23の実施例では、臭素系ガ
スに希ガス及び水素系ガスを添加することにより、第1
の実施例の場合と比較して、耐エッチング性マスク37a
であるシリコン窒化膜や下地のシリコン酸化膜25に対
するポリシリコン膜34の選択比が向上した。また、第
10,第11の実施例で、臭素系ガスに希ガスを添加す
ることによりエッチングレートの均一性とエッチングの
選択比が向上することは確認されているが、更に水素系
ガスを添加することにより、第10,第11の実施例の
場合に比較して、選択比は低下したが、タングステンシ
リサイド膜35及びポリシリコン膜34のエッチングレ
ートが向上した。なお、水素系ガスには、炭素やフッ素
が含まれないことが望ましい。
【0083】また、耐エッチング性マスク37aとしてレ
ジスト膜を用いていないので、第1の実施例と同様に、
ポリシリコン膜/金属シリサイド膜の2層膜に対して、
除去しにくい反応生成物の形成を防止することができ、
かつより高い寸法制御性を確保することが可能となっ
た。また、耐エッチング性マスクとしてレジスト膜を用
いた場合に、エッチング後の被加工体36aの形状がパタ
ーン寸法や被加工体36の露出面積に依存するという弊
害が低減した。
【0084】以上の実施例で得られた結果を抽出し、表
1〜表3にまとめて記載する。即ち、 表1は、耐エッチング性マスクの材料と被加工体の各
膜のエッチング速度及びエッチングの選択比との関係に
ついて比較する表である。
【0085】
【表1】
【0086】耐エッチング性マスクとして、シリコン酸
化膜(CVD−SiO2膜),シリコン窒化膜(Si3N4 膜)
を用いた場合について掲げている。なお、従来の比較例
としてレジスト膜を掲げている。また、被加工体として
タングステンシリサイド膜(WSix 膜)及びポリシリ
コン膜(poly-Si 膜)を用い、下地の絶縁膜としてシリ
コン酸化膜(SiO2膜)を用いた場合について掲げる。
【0087】更に、反応ガスとしてHBrガスを用い、
エッチング条件としてガス流量を100SCCMとし、チャ
ンバ内圧力を0.13Torrとし、RFパワーを500W
とし、基板温度を80℃とした場合について掲げる。表
1に示すように、炭素フリーか又は炭素が微量なので、
下地のシリコン酸化膜のエッチング速度は低下する。一
方、その割にポリシリコン膜のエッチング速度は低下し
なかった。このため、被加工体と下地のシリコン酸化膜
との間のエッチングの選択比が高くなった。
【0088】表2は、反応ガスの種類と被加工体の各
膜のエッチング速度及びエッチングの選択比との関係に
ついて比較する表である。
【0089】
【表2】
【0090】反応ガスとしてHBrガスを用いた場合に
ついて掲げる。比較例として、SF 6 ガス,Cl2 ガス
を用いた場合について掲げる。また、エッチング条件と
して、ガス流量を100SCCMとし、チャンバ内圧力を
0.13Torrとし,RFパワーを500Wとし,基板温
度を80℃とした場合について掲げる。
【0091】更に、耐エッチング性マスクとしてCVD
−シリコン酸化膜(CVD−SiO2膜)を用い、被加工体
としてタングステンシリサイド膜(WSix 膜)及びポ
リシリコン膜(poly-Si 膜)を用い、下地の絶縁膜とし
てシリコン酸化膜(SiO2膜)を用いた場合について掲げ
る。表2に示すように、エッチングガスとして臭素系ガ
スを用いたことにより、フッ素系ガスや塩素系ガスを用
いてエッチングした場合と比較して被加工体(金属シリ
BR>サイド膜又はポリシリコン膜)と下地のシリコン酸
化膜との間の選択比が高くなった。なお、エッチングガ
スを臭素系ガスにしたことにより、フッ素系ガスや塩素
系ガスを用いてエッチングした場合と比較して金属シリ
サイド膜のエッチング速度が低下したが、基体を加熱し
てエッチング速度を高めている。
【0092】表3は、HBrガスに添加したガスの種
類とエッチングの選択比との関係について比較する表で
ある。
【0093】
【表3】
【0094】反応ガスとしてHBrガス+O2 ガス,H
Brガス+H2 ガス又はHBrガス+N2 ガスを用いた
場合について掲げ、比較例として、HBrガスのみを用
いた場合について掲げる。また、エッチング条件とし
て、ガス流量を100SCCMとし、チャンバ内圧力を0.
13Torrとし、RFパワーを500Wとし、基板温度を
80℃とした場合について掲げる。
【0095】更に、耐エッチング性マスクとしてCVD
−シリコン酸化膜(CVD−SiO2膜)を用いた場合につ
いて掲げる。また、被加工体としてタングステンシリサ
イド膜(WSix 膜)又はポリシリコン膜(poly-Si
膜)を用い、下地の絶縁膜としてシリコン酸化膜(SiO2
膜)又はシリコン窒化膜(Si3N4 膜)を用いた場合につ
いて掲げ、WSix 膜/SiO2膜,WSix 膜/Si3N
4 膜,poly-Si 膜/SiO2膜,poly-Si 膜/Si3N4 膜の各
組み合わせにおけるエッチングの選択比について比較す
る。
【0096】表3に示すように、反応ガスとして、臭素
を含むガスに酸素を含むガス,窒素を含むガス又は水素
を含むガスのうち少なくとも一つを添加した混合ガスを
用いることにより、臭素を含むガス単独の場合と比較し
てエッチングの選択比が向上した。以上、第1〜第23
の実施例で説明したように、耐エッチング性マスクとし
て無機化合物からなる膜又はSOG膜を用い、かつエッ
チングガスとして臭素系ガスを用いたプラズマエッチン
グにより、多結晶シリコン膜/金属シリサイド膜の2層
膜をエッチングしているので、炭素を含まず、かつ除去
の容易な反応生成物からなる適切な保護膜を形成するこ
とができ、これにより、より高い寸法制御性を確保する
ことが可能となった。
【0097】しかも、基板温度を60℃以上に保持して
エッチングすることにより、多結晶シリコン膜/金属シ
リサイド膜の2層膜に対して、略垂直な断面形状が得ら
れた。また、基板温度を60℃以上に保持してエッチン
グすることにより、エッチング後の被加工体の形状は被
加工体の露出面積及び耐エッチング性マスクのパターン
寸法に依存せず、ウエハ面内で均一となる効果を奏す
る。更に、金属シリサイド膜のエッチングに対して、実
用上必要な大きさのエッチングレートを維持することが
できる。また、有機物の付着物は存在しなくなったこと
からチャンバ内の洗浄時間を低減することができる。こ
れにより、半導体装置の微細加工及び生産性の向上に寄
与するところが大きい。
【0098】更に、反応ガスとして、臭素を含むガスに
希ガスを添加した混合ガスを用いることにより、臭素系
ガスのみの場合と比較して、プラズマが発生し易くなっ
たため、ウエハ内のエッチングレートの均一性を向上し
つつ、エッチングの選択比を向上することができた。な
お、ドライエッチングを行うためのプラズマ処理装置
は、実施例で用いた平行平板型RIE装置に限るもので
はない。バレル型RIE装置,マグネトロンRIE装置
或いはECR法を用いたドライエッチング装置等を用い
ても本発明を実施することが可能である。
【0099】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体装置の製
造方法によれば、耐エッチング性膜として無機化合物か
らなる膜又はSOG膜を用い、かつエッチングガスとし
て臭素系ガスを用いたプラズマエッチングにより、多結
晶シリコン膜/金属シリサイド膜の2層膜をエッチング
しているので、炭素を含まず、かつ除去の容易な反応生
成物からなる適切な保護膜を形成することができ、これ
により、より高い寸法制御性を確保することが可能とな
った。
【0100】しかも、基板温度を60℃以上に保持して
エッチングすることにより、多結晶シリコン膜/金属シ
リサイド膜の2層膜に対して、略垂直な断面形状を得る
ことができ、また、エッチング後の被加工体の形状は被
加工体の露出面積及び耐エッチング性膜のパターン寸法
に依存せず、ウエハ面内で均一となる効果を奏する。更
に、金属シリサイド膜のエッチングに対して、実用上必
要な大きさのエッチングレートを維持することができ
る。また、有機物の付着物は存在しなくなったことから
チャンバ内の洗浄時間を低減することができる。これに
より、半導体装置の微細加工及び生産性の向上に寄与す
るところが大きい。
【0101】更に、反応ガスとして、臭素を含むガスに
希ガスを添加した混合ガスを用いることにより、臭素系
ガスのみの場合と比較して、プラズマが発生し易くなっ
たため、ウエハ内のエッチングレートの均一性を向上し
つつ、エッチングの選択比を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1又は第8〜第23の実施例につい
て説明する断面図である。
【図2】本発明の第2〜第4の実施例について説明する
断面図である。
【図3】本発明の第5〜第7の実施例について説明する
断面図である。
【図4】本発明の第10,第11の実施例に対する比較
例について説明する断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る平行平板型RIE装置に
ついて説明する構成図である。
【図6】本発明に係る実験結果について示す特性図(そ
の1)である。
【図7】本発明に係る実験結果について示す特性図(そ
の2)である。
【図8】本発明に係る実験結果について示す特性図(そ
の3)である。
【図9】従来例について説明する断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバ、 2 ガス導入口、 3 排気口、 4 載置台、 5 静電チャック、 6 直流電源、 7a 上部電源、 7b 下部電源、 8 高周波電源、 9 石英窓、 10 終点検出器、 11 レコーダ、 21 ウエハ(基体)、 24 シリコン基板(半導体基板)、 25,37 シリコン酸化膜、 35,35a〜35f タングステンシリサイド膜(金属シ
リサイド膜)、 34,34a〜34g ポリシリコン膜、 36,36a〜36f 被加工体(タングステンポリサイド
膜;金属ポリサイド膜)、 37a〜37c,39a,39b,42〜44 耐エッチング性
マスク(耐エッチング性膜)、 38 レジスト膜、 40,40a,40b モリブデンシリサイド膜(金属シリ
サイド膜)、 41,41a,41b 被加工体(モリブデンポリサイド
膜;金属ポリサイド膜)。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に形成された多結晶シリコン膜/
    金属シリサイド膜の2層膜を有する被加工体のドライエ
    ッチングを行う半導体装置の製造方法において、 該被加工体上に無機化合物からなる耐エッチング性膜を
    形成する工程と、 次いで、レジスト膜をマスクとして該耐エッチング性膜
    を形成する工程と、 次いで、該レジスト膜を除去する工程と、 次いで、HBrガス、Br2ガス及びBBr3ガスのうち
    少なくとも何れか一つを含む反応ガスを用いて該反応ガ
    スをプラズマ放電により活性化し、かつ該基体の温度を
    60℃以上に保持した状態で、該耐エッチング性膜をマ
    スクとして該被加工体の選択的なエッチングを行う工程
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記耐エッチング性膜として、シリコン
    酸化膜、シリコン窒化膜、リンを含むガラス膜、ボロン
    を含むガラス膜、リン及びボロンを含むガラス膜又はス
    ピンオングラス(SOG)膜を用いることを特徴とする
    請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反応ガスとして、HBrガス、Br
    2ガス及びBBr3ガスのうち少なくとも何れか一つを含
    むガスに、希ガス、酸素を含むガス、窒素を含むガス又
    は水素を含むガスのうち少なくとも何れか一つを添加し
    たガスを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の
    半導体装置の製造方法。
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