JP3282952B2 - バッグ加圧装置 - Google Patents

バッグ加圧装置

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JP3282952B2
JP3282952B2 JP29368395A JP29368395A JP3282952B2 JP 3282952 B2 JP3282952 B2 JP 3282952B2 JP 29368395 A JP29368395 A JP 29368395A JP 29368395 A JP29368395 A JP 29368395A JP 3282952 B2 JP3282952 B2 JP 3282952B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばバッグ内か
ら分離された所定の血液成分を他所へ移送する際等に用
いられるバッグ加圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】輸血を行う場合、現在では、血液の有効
利用および輸血者の負担軽減などの理由から、供血者か
ら得た血液を遠心分離などにより各成分に分離し、輸血
者に必要な成分だけを輸血する体制がとられている。こ
の成分輸血が導入されたことにより、従来行われていた
全血輸血に比べ、血液の有効利用が行われるようになっ
ている。また、例えば、血液を赤血球、バフィーコート
および血漿の3層に遠心分離した後、その中間層たるバ
フィーコートを除去することは、白血球を除去すること
になるので、白血球を除去せずに輸血した際にしばしば
生ずる発熱反応を回避できる点で臨床的に有用性が高
い。
【0003】このような成分輸血においては、採血バッ
グを含む複数のバッグをチューブで接続したバッグ連結
体(マルチプルバッグ)が使用される。この場合、採血
バッグとして、特公昭63−20144号等に示される
タイプの採血バッグの上端に血漿を排出するチューブが
接続され、採血バッグの下端に赤血球を排出するチュー
ブが接続された構成のバッグが知られている。このよう
なバッグをトリプルバッグの採血バッグに適用した場合
(BATシステム)、採血バッグの上端に接続されたチ
ューブおよび下端に接続されたチューブがそれぞれ血漿
バッグおよび赤血球収納バッグ(以下、赤血球バッグと
いう)に接続された構成となり、前記採血バッグに採血
した血液に対し遠心分離を施して赤血球、バフィーコー
トおよび血漿の3層に分離した後、下層の赤血球および
上層の血漿をそれぞれ各チューブを介して赤血球バッグ
および血漿バッグに同時に移送し、中間層のバフィーコ
ートを採血バッグ内に残す。
【0004】しかしながら、前記BATシステムでは、
採血バッグの上端と下端の両側にチューブが接続されて
いるので、取扱が困難である。しかも、採血バッグの下
端(底部)にチューブが接続されているので、遠心分離
の際に、その底部にデッドスペースが生じ易く、これに
よりイボ状の突起が形成され、遠心破損が生じ易いとい
う欠点がある。
【0005】また、EP0523180号等に示される
MECOシステムが知られている。このMECOシステ
ムでは、チューブがバッグ上端からバッグ内部まで挿入
された特殊形状の採血バッグが用いられており、遠心分
離後、空気枕状の加圧部材で採血バッグを圧迫して血液
成分の移送を行う。
【0006】しかしながら、前記MECOシステムで
は、血液成分を移送する際に採血バッグを圧迫するバッ
グ加圧装置の構成が極めて複雑である。そして、採血量
のバラツキや、遠心分離の際の採血バッグのすくみ具合
のバラツキ等により、血液成分の回収率が低く、かつそ
の回収率にバラツキが生じるという問題がある。
【0007】さらに、採血バッグ内に挿入されているチ
ューブが、輸送、採血、遠心分離、この他の所定の操作
に際して動く場合があるので、チューブの先端が意図し
た位置にあるとは限らず、このため、血液分離成績がば
らつき、場合によっては血液分離できないことがある。
【0008】また、専用のバッグ加圧装置を使用せず、
従来の平板状の加圧部材を備えたバッグ加圧装置を用い
て前記採血バッグを圧迫し、血液分離を行う場合には、
分離操作終了前に採血バッグ内に挿入されたチューブが
加圧部材によるバッグの圧迫を妨害してしまうので、各
血液成分の回収率が低下するという欠点がある。
【0009】また、EP0484751号等に示される
CHANNELバッグシステムが知られている。このC
HANNELバッグシステムでは、採血バッグとして、
バッグ内部が、バッグ上端から下端の近傍まで延びる帯
状の仕切り部により、大空間と小空間の2つの空間に仕
切られたものが用いられている。
【0010】しかしながら、前記CHANNELバッグ
システムでは、前記小空間によるバッグ内のデッドスペ
ースのために実質的に採血可能な容量が減少してしま
う。このため、同じ採血量に対して採血バッグ全体を大
型化する必要があり、これにより、例えば、採血装置等
の関連器具への採血バッグの挿入性や、採血バッグの操
作性が低下し、場合によってはその採血バッグを使用で
きないことがある。
【0011】また、特開平6−296660号等に示さ
れるように、前記CHANNELバッグシステムにおい
て、採血バッグの仕切り部の長さを短縮したものが知ら
れている。この場合には、小空間によるバッグ内のデッ
ドスペースが減少するので、前記CHANNELバッグ
システムの問題点を解決することができる。
【0012】しかしながら、特開平6−296660号
に示される採血バッグを、従来の平板状の加圧部材を備
えたバッグ加圧装置を用いて均一に圧迫して血液分離を
行う場合、血液分離成績が悪いという欠点がある。
【0013】すなわち、血液分離の際には、加圧部材に
より、採血バッグが全体的に均一に圧迫されていくの
で、その終期段階になると、赤血球層およびバフィーコ
ート層がともに採血バッグ内に広げられてしまい、この
ため赤血球バッグ内に、バフィーコート、すなわち白血
球が混入し、白血球除去率が減少する。
【0014】しかも、採血バッグの全体をフラットに圧
迫していくので、採血バッグを最後まで押圧できず、こ
のため各血液成分の回収率、特に赤血球の回収率が低い
といった問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、バッ
グを圧迫し、このバッグ内の分離成分(例えば、分離さ
れた血液成分等)を移送する場合に、分離成分の回収率
等の分離成績(例えば、血液分離成績等)が良いバッグ
加圧装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(9)の本発明により達成される。
【0017】(1) 内部を少なくとも2つの空間に仕
切る仕切り部を有し、この仕切り部の下端がバッグの上
下方向の中央付近またはそれより上側に位置する可撓性
を有するバッグを圧迫し、このバッグに収納された分離
成分を移送するバッグ加圧装置であって、第1の加圧部
材および第2の加圧部材を備え、これらにより前記バッ
グを圧迫する加圧手段と、この加圧手段を駆動する駆動
手段とを有し、前記加圧手段が前記バッグの下方を優先
的に圧迫するよう構成したことを特徴とするバッグ加圧
装置。
【0018】(2) 前記第1の加圧部材および第2の
加圧部材のうちの少なくとも一方が他方に向って平行に
移動するよう構成され、これにより該第1の加圧部材と
該第2の加圧部材との間に配置された前記バッグを圧迫
する上記(1)に記載のバッグ加圧装置。
【0019】(3) 前記第1の加圧部材および第2の
加圧部材のうちの少なくとも一方がその一端部を中心に
他方に向って回動するよう構成され、これにより該第1
の加圧部材と該第2の加圧部材との間に配置された前記
バッグを圧迫する上記(1)に記載のバッグ加圧装置。
【0020】(4) 前記第1の加圧部材および第2の
加圧部材のうちの少なくとも一方は、前記バッグの下方
を圧迫する凸部を有する上記(1)ないし(3)のいず
れかに記載のバッグ加圧装置。
【0021】(5) 前記加圧手段は、前記バッグの下
端から上端側へ該バッグをしごく第3の加圧部材を有す
る上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のバッグ加
圧装置。
【0022】(6) 前記第3の加圧部材はローラであ
る上記(5)に記載のバッグ加圧装置。
【0023】(7) 前記加圧手段は、初め前記バッグ
の全体を圧迫し、この後、前記バッグの下方を圧迫する
よう構成されている上記(1)ないし(6)のいずれか
に記載のバッグ加圧装置。
【0024】(8) 前記バッグ内の分離成分の界面位
置を検出するセンサーと、このセンサーからの情報に基
づいて前記駆動手段の作動を制御する制御手段とを有す
る上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のバッグ加
圧装置。
【0025】(9) 前記バッグ内の分離成分の界面位
置を前記仕切り部の下端より上側の所定位置に保持する
界面位置保持手段を有する上記(1)ないし(8)のい
ずれかに記載のバッグ加圧装置。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明のバッグ加圧装置を
添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0027】図1は、本発明のバッグ加圧装置の第1実
施例を示す断面側面図、図2は、図1に示すバッグ連結
体の構成例を示す正面図である。図1に示すように、バ
ッグ加圧装置1aは、箱状のケーシング51を有し、こ
のケーシング51の図1中右側の側壁511の外側面に
は、平板状の凸部512が形成されている。これら側壁
511および凸部512により、第1の加圧部材である
受け板52が構成される。
【0028】受け板52の凸部512は、後述するバッ
グ連結体2の採血バッグ10の下方を圧迫するための部
材である。従って、凸部512は、採血バッグ10の下
方に対応する位置に設けられている。この場合、凸部5
12の上端513が、後述する採血バッグ10の仕切り
部13の端部131の下側近傍に位置するようになって
いるのが好ましい。
【0029】なお、前記凸部512の上端513は、図
示のような平面形状に限らず、例えば、図1中上側が凸
となるような湾曲形状(丸みを帯びた形状)になってい
ていてもよい。上端513がこのような形状の場合に
は、採血バッグ10の破損(切れ)が防止されるととも
に、採血バッグ10内の血液成分の残量を減少させるこ
とができ、これにより血液成分の回収率がさらに向上す
る。
【0030】前記受け板52の図1中右側には、受け板
52から所定距離離間して、加圧板53が設置されてい
る。この加圧板53は、図示しない案内機構により、図
1中の左右方向に移動し得るようになっている。なお、
前記加圧板53により、第2の加圧部材が構成され、前
記受け板52と加圧板53とで、採血バッグ10を圧迫
する加圧手段が構成される。
【0031】ケーシング51の内部には、駆動手段とし
て、エアーシリンダー55が側壁511に対して垂直に
設置されている。このエアーシリンダー55のピストン
ロッド551は、側壁511の孔部514からケーシン
グ51の外部に突出しており、そのピストンロッド55
1の先端は、前記加圧板53に接合されている。このエ
アーシリンダー55は、図示しないエアーコンプレッサ
ーから送出される圧縮空気によって、そのピストンロッ
ド551が伸長または収縮するようになっている。
【0032】また、加圧板53の所定の位置には、血漿
とバフィーコートの界面位置、バフィーコートと赤血球
の界面位置のようなバッグ内の分離成分の界面位置を検
出するセンサー54が設置されている。
【0033】センサー54としては、例えば、図示しな
い投光部および受光部を有する光学センサー(反射型光
学センサー)等を用いることができる。この場合、投光
部の光源は、鉛直方向に沿って等間隔で複数配列され、
また、受光部の受光素子は、前記各光源に対応する位置
に、同様に鉛直方向に複数配列されている。これによ
り、液体の液面または異なる液体同士の界面(特に血液
成分同士の界面)の上下方向の位置を走査し、検出する
アレー状の多点検出光学センサーが構成される。
【0034】投光部の光源からの照射光は、採血バッグ
10内の液体表面で反射して、受光部の受光素子の受光
面上に集光される。受光素子は、その受光光量に応じた
電圧の電気信号を出力するが、血液成分の種類(例え
ば、血漿とバフィーコート)によって、光の反射率が変
化するため、出力電圧が変化する。受光光量(出力電
圧)が変化した受光素子に対応する位置が、血液成分の
界面の位置として検出される。
【0035】また、ケーシング51の図1中上側には、
後述するバッグ連結体2のチューブ18および25内の
流路を開放または閉塞させるチューブクランプ17およ
び24がそれぞれ設けられている。チューブクランプ1
7および24は、それぞれ、開閉自在の弁を有してお
り、これらの弁にチューブ18および25が挿入されて
いる。そして、チューブクランプ17の弁が開くとチュ
ーブ18内の流路が開放され、その弁が閉じるとチュー
ブ18内の流路が閉塞し、これと同様に、チューブクラ
ンプ24の弁が開くとチューブ25内の流路が開放さ
れ、その弁が閉じるとチューブ25内の流路が閉塞す
る。
【0036】バッグ加圧装置1aは、例えば、マイクロ
コンピュータで構成される図示しない制御手段を有して
おり、各部の動作は、この制御手段により制御される。
制御手段には、前述したセンサー54、エアーコンプレ
ッサー、チューブクランプ17および24が、それぞれ
電気的に接続されており、前述したように、これらエア
ーコンプレッサー、チューブクランプ17および24
は、それぞれ制御手段からの指令に基づいて作動する。
また、センサー54から制御手段へは、所定の電気信号
(界面位置情報)が入力される。
【0037】この場合、制御手段からの指令により、エ
アーコンプレッサーが、エアーシリンダー55の図1中
右側へ圧縮空気を送出し、エアーシリンダー55の図1
中左側から空気が排気されると、ピストンロッド551
が収縮する。逆に、エアーコンプレッサーが、エアーシ
リンダー55の図1中左側へ圧縮空気を送出し、エアー
シリンダー55の図1中右側から空気が排気されると、
ピストンロッド551が伸長する。
【0038】次に、前述したバッグ加圧装置1aに適用
されるバッグ、特に、複数のバッグをチューブで接続し
たバッグ連結体(マルチプルバッグ)の構成例につい
て、図2および図3に基づき説明する。
【0039】図2に示すようにバッグ連結体2は、採血
バッグ10と、血漿バッグ40と、赤血球バッグ30と
をそれぞれ所定のチューブで連結した3連バッグであ
る。採血バッグ10は、後述する樹脂製の可撓性を有す
るシート材を重ね、その周縁のシール部12において融
着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状に構成
したバッグ本体11を有する。
【0040】このバッグ本体11の内部は、湾曲した帯
状の仕切り部13により2つの空間14Aおよび14B
に仕切られている。空間14Aは、バッグ本体11の内
部空間の大部分を占める空間であり、空間14Bは、バ
ッグ本体11の側部に沿って形成された帯状の空間であ
る。空間14Bは、後述するように、血液を遠心分離し
て得られた下層の赤血球をバッグ本体11外に排出する
ための流路として機能するものである。
【0041】このような、両空間14A、14Bは、仕
切り部13の下端部(端部131)付近、すなわちバッ
グ本体11の側部(連通部141)にて連通している。
なお、仕切り部13の端部131は、湾曲形状、特に丸
みを帯びた形状をなしている。
【0042】仕切り部13の上端は、シール部12と連
結されている。この仕切り部13の長さ(図3中、上下
方向の長さ)は、その端部131がバッグ本体11の内
部空間の上下方向の中央部に位置するように、所定の長
さに設定されている。
【0043】このように、仕切り部13の長さが短く、
すなわち、仕切り部13の端部131がバッグ本体11
の上下方向中央部に位置するように構成されていると、
仕切り部の端部がバッグ本体の下端近傍に位置する採血
バッグに比べ、空間14B(小空間)によるバッグ内の
デッドスペースが少なく、あるいは前記デッドスペース
がなくなり、バッグの小型化に有利である。
【0044】前記仕切り部13の上下方向の長さは、例
えば、バッグ本体11の内部空間の上下方向の長さの1
/3〜2/3程度が好ましい。バッグ本体11の上部に
は、ピールタブにより開封可能に封止された輸血用の排
出口15と、血漿バッグ40に接続するための連結部材
(封止部材)16とが設けられ、さらに、採血血液を導
入するための可撓性を有するチューブ19の一端が接続
されている。これらの排出口15、連結部材16および
チューブ19は、いずれも空間14Aに連通している。
【0045】連結部材16には可撓性を有するチューブ
18の一端が接続され、このチューブ18の他端は、後
述する血漿バッグ40の上部に接続されている。チュー
ブ19の他端には、ハブ20を介して採血針21が装着
されている。また、ハブ20には採血針21を被包する
キャップ22が装着される。
【0046】また、バッグ本体11の上部のチューブ1
8の図中右側には、赤血球バッグ30に接続するための
前記連結部材16と同様の連結部材(封止部材)23が
設けられている。この連結部材23は、空間14Bに連
通している。また、連結部材23には、可撓性を有する
チューブ25の一端が接続され、このチューブ25の他
端は、後述する赤血球バッグ30の上部に接続されてい
る。
【0047】連結部材16および23としては、破断前
は流路が閉塞されているが、破断すると流路が開通する
封止部材を用いるのが好ましく、その構成例について
は、後に詳述する。
【0048】なお、前記チューブ18および25の途中
には、それぞれ、前述したチューブクランプ17および
24が設けられている。以上のような構成の採血バッグ
10では、チューブ18、19、25等の接続をバッグ
本体11の上端側に集中させることができるので、遠心
分離を行う際に、バッグの上下を間違えて遠心カップに
入れてしまうことが防止され、また、バッグ連結体1の
各バッグの束ね性が良く、取り扱いがし易く、しかも、
遠心カップ内に生じるデッドスペースが小さくなり、遠
心時の圧力によるバッグの破損が防止される。
【0049】図2中の中央に位置する赤血球バッグ30
は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、
その周縁のシール部32において、融着(熱融着、高周
波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体31を
有する。
【0050】このバッグ本体31のシール部32で囲ま
れる内側の部分に、採血バッグ10内の血液より分離さ
れた濃厚赤血球が収納される赤血球収納部33が形成さ
れている。
【0051】バッグ本体31の上部には、ピールタブに
より開封可能に封止された2つの輸血用の排出口34、
34が形成され、さらにその側部には、赤血球収納部3
3に連通するよう前記チューブ25の端部が接続されて
いる。これにより、連通部材23内の流路開通時で、か
つチューブクランプ24による流路開通時に、採血バッ
グ10の空間14Bと赤血球バッグ30の赤血球収納部
33とが、チューブ25を介して連通する。
【0052】図2中の右側に位置する血漿バッグ40
は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、
その周縁のシール部42において、融着(熱融着、高周
波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体41を
有する。
【0053】このバッグ本体41のシール部42で囲ま
れる内側の部分に、採血バッグ10内の血液より分離さ
れた血漿が収納される血漿収納部43が形成されてい
る。バッグ本体41の上部には、ピールタブにより開封
可能に封止された2つの輸血用の排出口44、44が形
成され、さらにその側部には、血漿収納部43に連通す
るよう前記チューブ18の端部が接続されている。これ
により、連通部材16内の流路開通時で、かつチューブ
クランプ17による流路開通時に、採血バッグ10の空
間14Aと血漿バッグ40の血漿収納部43とが、チュ
ーブ18を介して連通する。
【0054】図2に示すバッグ連結体2において、各バ
ッグ10、30および40のバッグ本体を構成するシー
ト材の構成材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル
が好適に使用される。
【0055】この軟質ポリ塩化ビニルにおける可塑剤と
しては、例えば、ジ(エチルヘキシル)フタレート(D
EHP)、ジ−(n−デシル)フタレート(DnDP)
等が使用される。なお、このような可塑剤の含有量は、
ポリ塩化ビニル100重量部に対し、30〜70重量部
程度とするのが好ましい。
【0056】また、各バッグ10、30および40のシ
ート材の他の構成材料としては、ポリオレフィン、すな
わちエチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等
のオレフィンあるいはジオレフィンを重合または共重合
した重合体を用いることができ、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、EVAと各種熱可塑性エラストマーとのポ
リマーブレンド等、あるいは、これらを任意に組み合せ
たものが挙げられる。さらには、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチルテレフタ
レート(PCHT)のようなポリエステルや、ポリ塩化
ビニリデンを用いることもできる。
【0057】次に、連結部材16の構成について説明す
る。図3は、連結部材16の構成例を拡大して示す縦断
面図である。同図に示すように、連結部材16は、例え
ば軟質ポリ塩化ビニルのような可撓性を有する樹脂によ
り構成された短チューブ160と、この短チューブ16
0内に液密に嵌入され、中実柱状部162によりその一
端が閉塞された筒体161とで構成されている。
【0058】短チューブ160の図3中上端部には、チ
ューブ18の一端が液密に接続され、短チューブ160
の図3中下端部は、バッグ本体11の上部のシール部1
2に液密に接着または融着される。
【0059】筒体161の外周には、薄肉で脆弱な破断
部163が形成されている。手指等により短チューブ1
60の外部から短チューブ160ごと中実柱状部162
を折り曲げて破断部163を破断し、中実柱状部162
を分離することにより、流路が開通する。筒体161の
構成材料としては、例えば、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ
カーボネート、ポリエステル等の硬質材料が挙げられ
る。
【0060】また、中実柱状部162の図中上方は、く
さび形状をなし、その上端部(頂部)164は、幅方向
の寸法が筒体161の外径より小さく、チューブ18の
内径より大きい寸法とされ、中実柱状部162の破断分
離後に中実柱状部162がチューブ18を閉塞しないよ
うな構成とするのが好ましい。さらに、図示のごとく、
中実柱状部162の上端部164には、液の流通を促進
する溝165を設けてもよい。
【0061】連結部材23についても図3と同様の構成
のものを用いることができる。なお、バッグ連結体2
は、図示の構成のものに限定されず、仕切り部13の端
部131(下端)がバッグの中央付近またはそれより上
側に位置するバッグ(採血バッグ)、特に各チューブが
それぞれバッグの上部に接続されているバッグ(採血バ
ッグ)を備えたものであればよい。
【0062】次に、バッグ加圧装置1aの作用について
説明する。図2に示すように、バッグ連結体2の採血バ
ッグ10内に採血し、この後、チューブ19を例えば融
着により封止し、この封止部を切断して採血針21側の
チューブを分離、除去する。
【0063】次いで、採血バッグ10、赤血球バッグ3
0および血漿バッグ40を束ね、各バッグの底部を下側
にして遠心分離器の遠心カップに入れ、遠心分離を施
す。図4は、バッグ加圧装置1aによる圧迫前の採血バ
ッグ10を示す正面図、図5は、バッグ加圧装置1aに
よる圧迫途中の採血バッグ10を示す正面図である。
【0064】図4に示すように、前記遠心分離により、
採血バッグ10内の血液は、上層(血漿)61、中間層
(バフィーコート)62および下層(赤血球)63のほ
ぼ3層に分離された状態となる。なお、遠心条件によっ
て、分離される層の構成成分は異なる。
【0065】遠心分離後、バッグ連結体2を遠心カップ
から静かに取り出し、そのバッグ連結体2をバッグ加圧
装置1aにセットする。この場合、図1に示すように、
採血バッグ10を受け板52と加圧板53との間に挿入
するとともに、赤血球バッグ30および血漿バッグ40
をそれぞれケーシング51上の所定位置に載置する。
【0066】バッグ連結体2のセット終了後、バッグ加
圧装置1aを作動させる。図1に示すように、まず、チ
ューブクランプ17および24により、チューブ18お
よび25内の流路をそれぞれ閉塞させる。この後、図2
および図3に示すように、採血バッグ10の連結部材1
6および23において、それぞれ破断部163を破断し
て中実柱状部162を分離し、連結部材16および23
内の流路を開通させ、チューブ18および25内の流路
開閉がそれぞれチューブクランプ17および24のみに
よって制御し得るようにする。
【0067】次いで、図1に示すように、チューブクラ
ンプ17によりチューブ18内の流路を開放する。次い
で、エアーコンプレッサーにより、エアーシリンダー5
5の図1中右側へ圧縮空気を送出するとともに、エアー
シリンダー55の図1中左側から空気を排気する。これ
によりピストンロッド551が収縮し、加圧板53が図
1中左側へ平行に移動(姿勢を保持したまま移動)して
採血バッグ10を徐々に圧迫する。この際、採血バッグ
10は、受け板52の凸部512により、その下方が優
先的に圧迫される。すなわち、まず、採血バッグ10の
下方が凸部512で圧迫され、次いで、採血バッグ10
の下方が凸部512で、上方が側壁511の上部で圧迫
される。
【0068】図4に示すように、採血バッグ10が圧迫
されると、上層61の血漿は、チューブ18を経て血漿
バッグ40の血漿収納部43に移送され、これにより上
層61と中間層62の界面64と、中間層62と下層6
3の界面65とがそれぞれ上昇する。
【0069】前記界面64、65の位置はセンサー54
により検出され、図5に示すように、界面64、65が
仕切り部13の端部131より図5中上側の所定位置、
すなわち基準位置まで上昇すると、チューブクランプ2
4によりチューブ25内の流路を開放する。これによ
り、下層63の赤血球は、連通部141を経て空間14
B内に入り、さらにチューブ25を経て赤血球バッグ3
0の赤血球収納部33に移送される。この場合、上層6
1の血漿もチューブ18を経て血漿バッグ40の血漿収
納部43に移送されるので、界面64、65は基準位置
またはその近傍に保持される。
【0070】前記「基準位置」は、仕切り部13の端部
131より図5中上側で、かつ空間14Aの上端より図
5中下側の所定位置、特に、仕切り部13の中央部13
2の位置(仕切り部13の上下方向のほぼ中央)に設定
するのが好ましい。
【0071】加圧板53が凸部512に最接近すると、
この加圧板53を検出する図示しないセンサーからの信
号に同期して、エアーコンプレッサーが作動を停止し、
これによりエアーシリンダー55のピストンロッド55
1の収縮が停止する。
【0072】採血バッグ10の下方は、凸部512によ
り圧迫され、十分に、すなわちほぼ最後まで押し潰さ
れ、採血バッグ10の上方は、側壁511の上部により
圧迫され、途中まで押し潰された状態となり、下層63
の赤血球および上層61の血漿の移送(排出)が終了す
る。
【0073】次いで、チューブクランプ17および24
によりチューブ18および25内の流路を閉塞する。次
いで、エアーコンプレッサーにより、エアーシリンダー
55の図1中左側へ圧縮空気を送出するとともに、エア
ーシリンダー55の図1中右側から空気を排気する。こ
れによりピストンロッド551が伸長し、加圧板53が
図1中右側へ移動して初期位置へ戻る。
【0074】この後、バッグ連結体2をバッグ加圧装置
1aから取り出し、チューブ18および25の途中をそ
れぞれ融着により封止し、これらの封止部を切断して、
採血バッグ10、赤血球バッグ30および血漿バッグ4
0をそれぞれ分離する。これにより、バフィーコート、
赤血球および血漿がそれぞれ密封状態で収納された採血
バッグ10、赤血球バッグ30および血漿バッグ40が
得られる。
【0075】このように、バッグ加圧装置1aでは、凸
部512により採血バッグ10の下方を圧迫するので、
その下方をほぼ完全に押し潰すことができ、このため各
血液成分の回収率、特に赤血球の回収率が高い。
【0076】一方、採血バッグ10の上方は、側壁51
1の上部により途中までしか押し潰されないので、特に
血液分離の終期段階において、採血バッグ10の内部空
間に中間層62のバフィーコートを広げることなく採血
バッグ10を圧迫することができる。これにより赤血球
バッグ30および血漿バッグ40内へのバフィーコート
の混入、すなわち白血球の混入をより防止することがで
き、このため白血球の除去率が高い。よって、このよう
な赤血球製剤等を用いることにより、肝炎、エイズ、G
VHD等の感染をより高い確率で防止することができ
る。
【0077】また、界面64、65が基準位置またはそ
の近傍に保持されるので、バフィーコートが上昇してチ
ューブ18を経て血漿バッグ40に移送されたり、また
はバフィーコートが下降して仕切り部13の端部131
を乗り越え、連通路141およびチューブ25を経て赤
血球バッグ30に移送されてしまうのが防止され、これ
により白血球の除去率がさらに向上する。
【0078】また、バッグ加圧装置1aでは、加圧板5
3を移動させるだけで採血バッグ10の下方を優先的に
圧迫することができるので、例えば、2以上の加圧部材
(加圧部)をそれぞれ独立に駆動させて採血バッグを圧
迫するバッグ加圧装置に比べ、駆動制御が簡単である。
【0079】なお、本発明では、採血バッグ10の圧迫
中に、センサー54により界面64、65の位置を検出
し、界面64、65が基準位置から上方に移動した場合
には、チューブクランプ17によりチューブ18内の流
路を閉塞し、界面64、65が基準位置に戻るとチュー
ブ18内の流路を開放し、逆に、界面64、65が基準
位置から下方に移動した場合には、チューブクランプ2
4によりチューブ25内の流路を閉塞し、界面64、6
5が基準位置に戻るとチューブ25内の流路を開放する
ようチューブクランプ17および24の作動をそれぞれ
制御し、これにより界面64、65を基準位置に保持す
るような構成であってもよい。
【0080】また、本発明では、駆動手段は、エアーシ
リンダー55に限らず、例えば、モータと、このモータ
により回転駆動するリードスクリューと、このリードス
クリューに螺合するナットとで構成した駆動手段や、油
圧駆動式のアクチュエーター、またはソレノイド等であ
ってもよい。
【0081】また、本発明では、センサー54の構成
は、上述のものに限らず、例えば投光部および受光部の
うちの一方を受け板52に設け、他方を加圧板53に設
け、各血液成分での透過率の差を検出する構成(透過型
光学センサー)としてもよい。また、測定点が一点であ
る単点検出センサーであってもよい。
【0082】また、本発明では、凸部512と側壁51
1とが別体になっていてもよい。また、本発明では、凸
部512が加圧板53側に移動するような構成であって
もよい。
【0083】また、本発明では、凸部512が加圧板5
3側に形成され、この凸部512と側壁511との間に
採血バッグ10を挿入し、その採血バッグ10を圧迫す
るように構成してもよい。そして、この場合も、凸部5
12と加圧板53とが別体になっていてもよく、また、
凸部512が加圧板53に対して側壁511側に移動す
るような構成であってもよい。
【0084】また、本発明では、凸部512が側壁51
1側と加圧板53側とのそれぞれに設けられていてもよ
い。そして、この場合も前記と同様に各組み合わせが可
能である。
【0085】次に、本発明のバッグ加圧装置の他の構成
例を説明する。図6は、本発明のバッグ加圧装置の第2
実施例を示す断面側面図である。なお、前述したバッグ
加圧装置1aとの共通点については説明を省略し、相違
点を説明する。
【0086】同図に示すように、バッグ加圧装置1b
は、箱状のケーシング51を有し、このケーシング51
の内部には、駆動手段として、エアーシリンダー55、
58および59がそれぞれ設置されている。これらエア
ーシリンダー55、58および59は、それぞれ、図示
しない各エアーコンプレッサーから送出される圧縮空気
によって、各ピストンロッドが伸長または収縮するよう
になっている。
【0087】エアーシリンダー55および58は、それ
ぞれ側壁511に対して垂直に設置され、エアーシリン
ダー59は、図6中右側端部に、側壁511に対して平
行、すなわちエアーシリンダー55および58に対して
垂直に設置されている。
【0088】エアーシリンダー55のピストンロッド5
51は、側壁511の孔部514からケーシング51の
外部に突出しており、そのピストンロッド551の先端
は、加圧板53に接合されている。
【0089】また、エアーシリンダー58のピストンロ
ッド581は、側壁511の孔部515からケーシング
51の外部に突出しており、そのピストンロッド581
の先端には、棒状の仕切り板582が接合されている。
【0090】図7は、採血バッグ10およびその近傍を
示す正面図である。同図に示すように、仕切り板582
は、加圧板53とで採血バッグ10を挟持して、中間層
62のバフィーコートと下層63の赤血球とを仕切るた
めの部材である。従って、この仕切り板582は、採血
バッグ10の仕切り部13の端部131またはその上側
近傍に位置するようになっているのが好ましい。この場
合、仕切り板582は、その図7中右側端部が仕切り部
13の位置に配置され、空間14Bを閉塞させないよう
になっている。
【0091】このように、仕切り板582およびエアー
シリンダー58により、界面64、65の位置(分離成
分の界面位置)を仕切り部13の端部131(下端)よ
り上側の所定位置に保持する界面位置保持手段が構成さ
れる。
【0092】図6に示すように、ケーシング51の内部
のエアーシリンダー59の近傍には、支持柱70がエア
ーシリンダー59と平行に設けられている。この支持柱
70には、支持柱70に沿って摺動する移動体71が挿
入されており、この移動体71には、図示しない連結部
材を介してエアーシリンダー59の図示しないピストン
ロッドが接合され、さらに連結部材72が接合されてい
る。この連結部材72は、側壁511の長孔516から
ケーシング51の外部に突出し、その先端部にはローラ
73が回転自在に支持されている。
【0093】図7に示すように、ローラ73の長手方向
の長さは、採血バッグ10の幅とほぼ同一、または採血
バッグ10の幅より若干長くするのが好ましい。また、
ローラ73の径(直径)は、4〜20mm程度、特に5〜
10mm程度が好ましい。
【0094】そして、ローラ73は、加圧板53が図6
中最も左側に位置するとき、すなわち界面64、65が
基準位置まで上昇したとき、ローラ73と加圧板53と
が密着するように所定位置に配置されるのが好ましい。
【0095】なお、バッグ加圧装置1bでは、側壁51
1により、第1の加圧部材が構成され、加圧板53によ
り、第2の加圧部材が構成され、ローラ73により、採
血バッグ10の下端から上端側へ採血バッグ10をしご
く第3の加圧部材が構成される。そして、前記側壁51
1、加圧板53およびローラ73で、加圧手段が構成さ
れる。
【0096】次に、バッグ加圧装置1bの作用について
説明する。遠心分離までは、前述したバッグ加圧装置1
aと同様であるので説明を省略する。
【0097】遠心分離後、バッグ連結体2を遠心カップ
から静かに取り出し、そのバッグ連結体2をバッグ加圧
装置1bにセットする。この場合、図6に示すように、
採血バッグ10を側壁511と加圧板53との間に挿入
するとともに、赤血球バッグ30および血漿バッグ40
をそれぞれケーシング51上の所定位置に載置する。
【0098】バッグ連結体2のセット終了後、バッグ加
圧装置1bを作動させる。図6に示すように、まず、チ
ューブクランプ17および24により、チューブ18お
よび25内の流路をそれぞれ閉塞させる。この後、図2
および図3に示すように、採血バッグ10の連結部材1
6および23において、それぞれ破断部163を破断し
て中実柱状部162を分離し、連結部材16および23
内の流路を開通させ、チューブ18および25内の流路
開閉がそれぞれチューブクランプ17および24のみに
よって制御し得るようにする。
【0099】次いで、図6に示すように、チューブクラ
ンプ17によりチューブ18内の流路を開放する。次い
で、エアーコンプレッサーにより、エアーシリンダー5
5の図6中右側へ圧縮空気を送出するとともに、エアー
シリンダー55の図6中左側から空気を排気する。これ
によりピストンロッド551が収縮し、加圧板53が図
6中左側へ平行に移動(姿勢を保持したまま移動)して
採血バッグ10を徐々に圧迫する。
【0100】図7に示すように、採血バッグ10が圧迫
されると、上層61の血漿は、チューブ18を経て血漿
バッグ40の血漿収納部43に移送され、これにより上
層61と中間層62の界面64と、中間層62と下層6
3の界面65とがそれぞれ上昇する。
【0101】前記界面64、65の位置はセンサー54
により検出され、界面64、65が仕切り部13の端部
131より図7中上側の所定位置、すなわち基準位置ま
で上昇すると、エアーコンプレッサーが作動を停止し、
これによりエアーシリンダー55のピストンロッド55
1の収縮が停止し、加圧板53が静止する。さらに、チ
ューブクランプ17によりチューブ18内の流路を閉塞
する。
【0102】次いで、エアーコンプレッサーにより、エ
アーシリンダー58の図6中左側へ圧縮空気を送出する
とともに、エアーシリンダー58の図6中右側から空気
を排気する。これによりピストンロッド581が伸長
し、仕切り板582が図6中右側へ平行に移動(姿勢を
保持したまま移動)し、加圧板53と仕切り板582と
で採血バッグ10を挟持する。すなわち、図7に示すよ
うに、仕切り板582により中間層62のバフィーコー
トと下層63の赤血球とを仕切る。
【0103】なお、仕切り板582が加圧板53に最接
近すると、この仕切り板582を検出する図示しないセ
ンサーからの信号に同期して、エアーコンプレッサーが
作動を停止し、これによりエアーシリンダー58のピス
トンロッド581の伸長が停止する。
【0104】次いで、チューブクランプ24によりチュ
ーブ25内の流路を開放する。次いで、エアーコンプレ
ッサーにより、エアーシリンダー59の図6中下側へ圧
縮空気を送出するとともに、エアーシリンダー59の図
6中上側から空気を排気する。これによりエアーシリン
ダー59のピストンロッドが伸長し、移動体71が支持
柱70に沿って図6中上側に移動し、これとともにロー
ラ73が図6中下端から上側に向って仕切り板582の
位置まで移動する。この際、採血バッグ10は、ローラ
73により、下端から上端側に向って仕切り板582の
近傍までしごかれる(圧迫されていく)。
【0105】これにより、下層63の赤血球は、連通部
141を経て空間14B内に入り、さらにチューブ25
を経て赤血球バッグ30の赤血球収納部33に移送され
る。
【0106】なお、ローラ73が所定位置まで上昇する
と、このローラ73を検出する図示しないセンサーから
の信号に同期して、エアーコンプレッサーが作動を停止
し、これによりエアーシリンダー59のピストンロッド
の伸長が停止する。
【0107】このようにして、採血バッグ10の下方
は、ローラ73により圧迫され、十分に、すなわちほぼ
最後まで押し潰された状態となり、下層63の赤血球お
よび上層61の血漿の移送(排出)が終了する。
【0108】次いで、チューブクランプ24によりチュ
ーブ25内の流路を閉塞する。次いで、各エアーコンプ
レッサーにより、それぞれ、エアーシリンダー55の図
6中左側へ圧縮空気を送出するとともに、エアーシリン
ダー55の図6中右側から空気を排気し、エアーシリン
ダー58の図6中右側へ圧縮空気を送出するとともに、
エアーシリンダー58の図6中左側から空気を排気し、
エアーシリンダー59の図6中上側へ圧縮空気を送出す
るとともに、エアーシリンダー59の図6中下側から空
気を排気する。これらによりピストンロッド551が伸
長し、ピストンロッド581が収縮し、エアーシリンダ
ー59のピストンロッドが収縮して、加圧板53、仕切
り板582およびローラ73がそれぞれ初期位置へ戻
る。以降の動作は、前述したバッグ加圧装置1aと同様
であるので説明を省略する。
【0109】このように、バッグ加圧装置1bでも前述
したバッグ加圧装置1aと同様に、採血バッグ10の下
方をほぼ完全に押し潰すことができ、このため各血液成
分の回収率、特に赤血球の回収率が高く、採血バッグ1
0の上方は、途中までしか押し潰されないので、白血球
の除去率が高い。
【0110】また、バッグ加圧装置1bでは、仕切り板
582により中間層62のバフィーコートと下層63の
赤血球とを仕切り、バフィーコートを仕切り板582よ
り図7中上側に保持するので、すなわち界面64、65
を仕切り部13の端部131より上側に保持するので、
これによりバフィーコートが下降して仕切り部13の端
部131を乗り越え、連通路141およびチューブ25
を経て赤血球バッグ30に移送されてしまうのが防止さ
れ、白血球の除去率がさらに向上する。
【0111】なお、本発明では、仕切り板582と、そ
の駆動手段であるエアーシリンダー58とを省略しても
よい。また、本発明では、ローラ73および仕切り板5
82を加圧板53側に設け、側壁511と仕切り板58
2とで採血バッグ10を挟持して中間層62のバフィー
コートと下層63の赤血球とを仕切り、側壁511とロ
ーラ73とで採血バッグ10を圧迫するように構成して
もよい。そして、この場合も仕切り板582およびエア
ーシリンダー58を省略してもよい。
【0112】次に、本発明のバッグ加圧装置の他の構成
例を説明する。図8は、本発明のバッグ加圧装置の第3
実施例を示す断面側面図である。なお、前述したバッグ
加圧装置1aとの共通点については説明を省略し、相違
点を説明する。
【0113】同図に示すように、バッグ加圧装置1c
は、箱状のケーシング51を有し、このケーシング51
の図8中右側の側壁511の外側面には、断面形状がほ
ぼ三角形の凸部512cが形成されている。すなわち、
凸部512cの厚さ(図8中、左右方向の長さ)は、図
8中下側から上側に向って漸増している。これら側壁5
11および凸部512cにより第1の加圧部材である受
け板52が構成される。
【0114】受け板52の凸部512cは、バッグ連結
体2の採血バッグ10の下方を圧迫するための部材であ
る。従って、凸部512cは、採血バッグ10の下方に
対応する位置に設けられている。この場合、凸部512
cの上端513が、採血バッグ10の仕切り部13の端
部131の下側近傍に位置するようになっているのが好
ましい。
【0115】前記側壁511には、加圧板53が、ヒン
ジ機構により、その一端部(図8中下側端部)を中心に
回動自在に支持されている。なお、前記加圧板53によ
り第2の加圧部材が構成され、前記受け板52と加圧板
53とで加圧手段が構成される。
【0116】ケーシング51内の底部には、駆動手段と
して、エアーシリンダー55が側壁511に対して垂直
に設置されている。このエアーシリンダー55のピスト
ンロッド551の先端は、前記加圧板53の一端に回動
自在に連結されている。
【0117】次に、バッグ加圧装置1cの作用について
説明する。遠心分離までは、前述したバッグ加圧装置1
aと同様であるので説明を省略する。
【0118】遠心分離後、バッグ連結体2を遠心カップ
から静かに取り出し、そのバッグ連結体2をバッグ加圧
装置1cにセットする。この場合、図8に示すように、
採血バッグ10を受け板52と加圧板53との間に挿入
するとともに、赤血球バッグ30および血漿バッグ40
をそれぞれケーシング51上の所定位置に載置する。
【0119】バッグ連結体2のセット終了後、バッグ加
圧装置1cを作動させる。図8に示すように、まず、チ
ューブクランプ17および24により、チューブ18お
よび25内の流路をそれぞれ閉塞させる。この後、図2
および図3に示すように、採血バッグ10の連結部材1
6および23において、それぞれ破断部163を破断し
て中実柱状部162を分離し、連結部材16および23
内の流路を開通させ、チューブ18および25内の流路
開閉がそれぞれチューブクランプ17および24のみに
よって制御し得るようにする。
【0120】次いで、図8に示すように、チューブクラ
ンプ17によりチューブ18内の流路を開放する。次い
で、エアーコンプレッサーにより、エアーシリンダー5
5の図8中左側へ圧縮空気を送出するとともに、エアー
シリンダー55の図8中右側から空気を排気する。これ
によりピストンロッド551が伸長し、このピストンロ
ッド551により加圧板53の一端側が押し出され、そ
の加圧板53が図8中反時計回りに回転して採血バッグ
10を徐々に圧迫する。この際、採血バッグ10は、受
け板52の凸部512cにより、その下方が優先的に圧
迫される。すなわち、まず、採血バッグ10の下方が凸
部512cで圧迫され、次いで、採血バッグ10の下方
が凸部512cで、上方が側壁511の上部で圧迫され
る。
【0121】図4に示すように、採血バッグ10が圧迫
されると、上層61の血漿は、チューブ18を経て血漿
バッグ40の血漿収納部43に移送され、これにより上
層61と中間層62の界面64と、中間層62と下層6
3の界面65とがそれぞれ上昇する。
【0122】前記界面64、65の位置はセンサー54
により検出され、図5に示すように、界面64、65が
仕切り部13の端部131より図5中上側の所定位置、
すなわち基準位置まで上昇すると、チューブクランプ2
4によりチューブ25内の流路を開放する。これによ
り、下層63の赤血球は、連通部141を経て空間14
B内に入り、さらにチューブ25を経て赤血球バッグ3
0の赤血球収納部33に移送される。この場合、上層6
1の血漿もチューブ18を経て血漿バッグ40の血漿収
納部43に移送されるので、界面64、65は基準位置
またはその近傍に保持される。
【0123】加圧板53が凸部512cに最接近する
と、この加圧板53を検出する図示しないセンサーから
の信号に同期して、エアーコンプレッサーが作動を停止
し、これによりエアーシリンダー55のピストンロッド
551の伸長が停止する。
【0124】採血バッグ10の下方は、凸部512cに
より圧迫され、十分に、すなわちほぼ最後まで押し潰さ
れ、採血バッグ10の上方は、側壁511の上部により
圧迫され、途中まで押し潰された状態となり、下層63
の赤血球および上層61の血漿の移送(排出)が終了す
る。
【0125】次いで、チューブクランプ17および24
によりチューブ18および25内の流路を閉塞する。次
いで、エアーコンプレッサーにより、エアーシリンダー
55の図8中右側へ圧縮空気を送出するとともに、エア
ーシリンダー55の図8中左側から空気を排気する。こ
れによりピストンロッド551が収縮し、このピストン
ロッド551により加圧板53の一端側が引っ張られ、
その加圧板53が図8中時計回りに回転して初期位置へ
戻る。以降の動作は、前述したバッグ加圧装置1aと同
様であるので説明を省略する。
【0126】このように、バッグ加圧装置1cでも前述
したバッグ加圧装置1aと同様に、採血バッグ10の下
方をほぼ完全に押し潰すことができ、このため各血液成
分の回収率、特に赤血球の回収率が高く、採血バッグ1
0の上方は、途中までしか押し潰されないので、白血球
の除去率が高い。
【0127】なお、本発明では、凸部512cと側壁5
11とが別体になっていてもよい。また、本発明では、
採血バッグ10を圧縮する際、凸部512cがその一端
部(図8中下側端部)を中心に加圧板53に向って(図
8中時計回りに)回転するような構成であってもよい。
【0128】また、本発明では、凸部512cが加圧板
53側に形成され、この凸部512cと側壁511との
間に採血バッグ10を挿入し、その採血バッグ10を圧
迫するように構成してもよい。そして、この場合も、凸
部512cと加圧板53とが別体になっていてもよく、
また、加圧板53に対して、凸部512cがその一端部
(図8中下側端部)を中心に側壁511に向って(図8
中反時計回りに)回転するような構成であってもよい。
【0129】また、本発明では、凸部512cが側壁5
11側と加圧板53側とのそれぞれに設けられていても
よい。そして、この場合も前記と同様に各組み合わせが
可能である。
【0130】次に、本発明のバッグ加圧装置の他の構成
例を説明する。図9は、本発明のバッグ加圧装置の第4
実施例を示す断面側面図である。なお、前述したバッグ
加圧装置1cとの共通点については説明を省略し、相違
点を説明する。
【0131】同図に示すように、バッグ加圧装置1d
は、箱状のケーシング51を有し、このケーシング51
の内部には、支持板517が、その図9中右側が低くな
るように斜めに設置されている。この場合、支持板51
7は、加圧板53が側壁511に最接近したとき、すな
わち界面64、65が基準位置まで上昇したとき、支持
板517が加圧板53に対して垂直になるような角度に
設置されている。
【0132】さらに、ケーシング51の内部には、駆動
手段として、エアーシリンダー55および59がそれぞ
れ設置されている。これらエアーシリンダー55および
59は、それぞれ、図示しない各エアーコンプレッサー
から送出される圧縮空気によって、各ピストンロッドが
伸長または収縮するようになっている。
【0133】この場合、エアーシリンダー55は、ケー
シング51の底部に、側壁511に対して垂直に設置さ
れ、エアーシリンダー59は、支持板517に、その支
持板517対して垂直に設置されている。
【0134】図9に示すように、支持板517のエアー
シリンダー59の近傍には、支持柱70がエアーシリン
ダー59と平行に設けられている。この支持柱70に
は、支持柱70に沿って摺動する移動体71が挿入され
ており、この移動体71には、図示しない連結部材を介
してエアーシリンダー59の図示しないピストンロッド
が接合され、さらに連結部材72が接合されている。こ
の連結部材72の先端部にはローラ73が回転自在に支
持されている。
【0135】なお、ローラ73の寸法や配置等の諸条件
は、前述したバッグ加圧装置1bと同様にすればよい。
また、ケーシング51の側壁511の中央部には、可動
板74が設けられている。この可動板74は、ヒンジ機
構により、その一端部(図9中上側端部)を中心に、ケ
ーシング51の内側へは入らない範囲で、回動するよう
に支持されている。
【0136】この場合、可動板74は、エアーシリンダ
ー55の作動により加圧板53が回動している時、すな
わちローラ73がケーシング51内に位置している時
は、ケーシング51の側壁511と一体となり、側壁5
11と共に採血バッグ10を加圧し、エアーシリンダー
59の作動によりローラ73がケーシング51の内部か
ら外部にせり出してくる際に、ローラ73によって押し
上げられる。
【0137】バッグ加圧装置1dでは、側壁511およ
び可動板74により、第1の加圧部材が構成され、加圧
板53により、第2の加圧部材が構成され、ローラ73
により、採血バッグ10の下端から上端側へ採血バッグ
10をしごく第3の加圧部材が構成される。そして、前
記側壁511、加圧板53およびローラ73で、加圧手
段が構成さる。
【0138】次に、バッグ加圧装置1dの作用について
説明する。遠心分離までは、前述したバッグ加圧装置1
cと同様であるので説明を省略する。
【0139】遠心分離後、バッグ連結体2を遠心カップ
から静かに取り出し、そのバッグ連結体2をバッグ加圧
装置1dにセットする。すなわち、図9に示すように、
採血バッグ10を側壁511および可動板74と加圧板
53との間に挿入するとともに、赤血球バッグ30およ
び血漿バッグ40をそれぞれケーシング51上の所定位
置に載置する。
【0140】バッグ連結体2のセット終了後、バッグ加
圧装置1dを作動させる。図9に示すように、まず、チ
ューブクランプ17および24により、チューブ18お
よび25内の流路をそれぞれ閉塞させる。この後、図2
および図3に示すように、採血バッグ10の連結部材1
6および23において、それぞれ破断部163を破断し
て中実柱状部162を分離し、連結部材16および23
内の流路を開通させ、チューブ18および25内の流路
開閉がそれぞれチューブクランプ17および24のみに
よって制御し得るようにする。
【0141】次いで、図9に示すように、チューブクラ
ンプ17によりチューブ18内の流路を開放する。次い
で、エアーコンプレッサーにより、エアーシリンダー5
5の図9中左側へ圧縮空気を送出するとともに、エアー
シリンダー55の図9中右側から空気を排気する。これ
によりピストンロッド551が伸長し、このピストンロ
ッド551により加圧板53の一端側が押し出され、そ
の加圧板53が図8中反時計回りに回転して採血バッグ
10を徐々に圧迫する。
【0142】採血バッグ10が圧迫されると、上層61
の血漿は、チューブ18を経て血漿バッグ40の血漿収
納部43に移送され、これにより上層61と中間層62
の界面64と、中間層62と下層63の界面65とがそ
れぞれ上昇する。
【0143】前記界面64、65の位置はセンサー54
により検出され、界面64、65が仕切り部13の端部
131より上側の所定位置、すなわち基準位置まで上昇
すると、エアーコンプレッサーが作動を停止し、これに
よりエアーシリンダー55のピストンロッド551の伸
長が停止し、加圧板53が静止する。さらに、チューブ
クランプ17によりチューブ18内の流路を閉塞する。
【0144】次いで、チューブクランプ24によりチュ
ーブ25内の流路を開放する。次いで、エアーコンプレ
ッサーにより、エアーシリンダー59の図9中下側へ圧
縮空気を送出するとともに、エアーシリンダー59の図
9中上側から空気を排気する。これによりエアーシリン
ダー59のピストンロッドが伸長し、移動体71が支持
柱70に沿って図9中上側に移動し、これとともにロー
ラ73が可動板74を押し上げ、図9中下端から上側に
向って仕切り部13の端部131まで移動する。この
際、採血バッグ10は、ローラ73により、下端から上
端側に向って仕切り部13の端部131の近傍までしご
かれる(圧迫されていく)。
【0145】これにより、下層63の赤血球は、連通部
141を経て空間14B内に入り、さらにチューブ25
を経て赤血球バッグ30の赤血球収納部33に移送され
る。
【0146】なお、ローラ73が所定位置まで上昇する
と、このローラ73を検出する図示しないセンサーから
の信号に同期して、エアーコンプレッサーが作動を停止
し、これによりエアーシリンダー59のピストンロッド
の伸長が停止する。
【0147】このようにして、採血バッグ10の下方
は、ローラ73により圧迫され、十分に、すなわちほぼ
最後まで押し潰された状態となり、下層63の赤血球お
よび上層61の血漿の移送(排出)が終了する。
【0148】次いで、チューブクランプ24によりチュ
ーブ25内の流路を閉塞する。この後、手動で、可動板
74を図9中反時計回りに回転させ、上端位置(図9中
上側)に保持し、ローラ73をケーシング51内に戻す
ためのスペースを作る。
【0149】次いで、各エアーコンプレッサーにより、
それぞれ、エアーシリンダー55の図9中右側へ圧縮空
気を送出するとともに、エアーシリンダー55の図9中
左側から空気を排気し、エアーシリンダー59の図9中
上側へ圧縮空気を送出するとともに、エアーシリンダー
59の図9中下側から空気を排気する。これらによりピ
ストンロッド551が収縮し、エアーシリンダー59の
ピストンロッドが収縮して、加圧板53、ローラ73お
よび押え板74がそれぞれ初期位置へ戻る。以降の動作
は、前述したバッグ加圧装置1cと同様であるので説明
を省略する。
【0150】このように、バッグ加圧装置1dでも前述
したバッグ加圧装置1cと同様に、採血バッグ10の下
方をほぼ完全に押し潰すことができ、このため各血液成
分の回収率、特に赤血球の回収率が高く、採血バッグ1
0の上方は、途中までしか押し潰されないので、白血球
の除去率が高い。
【0151】なお、本発明では、前述したバッグ加圧装
置1bのように側壁511側に、中間層62のバフィー
コートと下層63の赤血球とを仕切る仕切り板と、その
駆動手段であるエアーシリンダーとを設けてもよい。
【0152】また、本発明では、ローラ73を加圧板5
3側に設け、側壁511とローラ73とで採血バッグ1
0を圧迫するように構成してもよい。そして、この場合
も加圧板53側に、中間層62のバフィーコートと下層
63の赤血球とを仕切る仕切り板と、その駆動手段であ
るエアーシリンダーとを設けてもよい。
【0153】以上、本発明のバッグ加圧装置を、図示の
構成例に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。例えば、本発明のバッグ加圧装置の
用途は、前述した分離された血液成分の移送(排出)に
限らず、例えば、バフィーコートからの血小板と白血球
との移送等、バッグに収納された分離成分を移送(排
出)する場合に用いることができる。
【0154】
【実施例】以下、本発明のバッグ加圧装置を、具体的実
施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0155】(実施例1)前述したバッグ加圧装置1a
(図1参照)と、バッグ連結体2(図2および図3参
照)とを用いて、血液成分の分離実験を行った。
【0156】この場合、採血バッグ10の容量は450
ml、赤血球バッグ30の容量は500ml、血漿バッグ4
0の容量は400mlとし、各バッグの構成材料はそれぞ
れ軟質ポリ塩化ビニルとした。
【0157】また、予め、採血バッグ10内には、抗凝
固剤としてCPD液を63ml、赤血球バッグ30内に
は、赤血球保存液としてS・A・G・M液を100ml入
れた。
【0158】まず、バッグ連結体2の採血バッグ10に
血液を450ml採血し、採血終了後、採血バッグ10に
収納された血液を遠心分離により、上層の血漿と、中間
層のバフィーコートと、下層の赤血球との3層に分離さ
せた。この遠心分離に用いた装置(遠心機)と、遠心分
離の条件は下記の通りである。
【0159】遠心機:日立himac CR7B3 条件:1.60×108 g・秒、3400rpm(30
00G)、22℃
【0160】次いで、バッグ加圧装置1aにバッグ連結
体2をセットし、このバッグ加圧装置1aにより採血バ
ッグ10を圧迫し、上層の血漿を血漿バッグ40へ、下
層の赤血球を赤血球バッグ30へそれぞれ移送し、採血
バッグ10に中間層のバフィーコートを残した。
【0161】次いで、チューブ18および25の途中を
それぞれ融着により封止し、これらの封止部を切断し
て、採血バッグ10、赤血球バッグ30および血漿バッ
グ40をそれぞれ分離し、バフィーコート、赤血球およ
び血漿がそれぞれ密封状態で収納された採血バッグ1
0、赤血球バッグ30および血漿バッグ40を得た。
【0162】次いで、チューブ18へ血小板バッグを無
菌的に接続した後、採血バッグ10に収納されたバフィ
ーコートを遠心分離により、上層の血小板と、下層の白
血球との2層に分離させた。この遠心分離に用いた装置
と、遠心分離の条件は下記の通りである。
【0163】遠心機:日立himac CR7B3 条件:3.00×105 g・秒、1850rpm(10
00G)、22℃
【0164】次いで、バッグ加圧装置1aに採血バッグ
10等をセットし、このバッグ加圧装置1aにより採血
バッグ10を圧迫し、上層の血小板を血小板バッグへ移
送し、採血バッグ10に下層の白血球を残した。
【0165】次いで、チューブ18途中を融着により封
止し、この封止部を切断して、採血バッグ10と、血小
板バッグとを分離し、白血球および血小板がそれぞれ密
封状態で収納された採血バッグ10および血小板バッグ
を得た。
【0166】そして、赤血球の回収率と、赤血球バッグ
30内の白血球の除去率と、血小板の回収率とをそれぞ
れ測定した。この場合、サンプル数n=24とし、その
平均値と、標準偏差とを求めた。なお、測定には、血球
カウンター(東亜医用電子社製、Sysmex K−2
000)を用いた。この結果は、後述する実施例2〜4
および比較例1〜3とともに下記表1に示す。
【0167】(実施例2)前述したバッグ加圧装置1b
(図6参照)と、バッグ連結体2(図2および図3参
照)とを用いて、前記実施例1と同一の条件で、血液成
分の分離実験を行った。
【0168】(実施例3)前述したバッグ加圧装置1c
(図8参照)と、バッグ連結体2(図2および図3参
照)とを用いて、前記実施例1と同一の条件で、血液成
分の分離実験を行った。
【0169】(実施例4)前述したバッグ加圧装置1d
(図9参照)と、バッグ連結体2(図2および図3参
照)とを用いて、前記実施例1と同一の条件で、血液成
分の分離実験を行った。
【0170】(比較例1)前述したバッグ加圧装置1a
(図1参照)を用い、バッグ連結体2(図2および図3
参照)の採血バッグ10を仕切り部13がバッグの下端
近傍まで形成されたものに変更して、前記実施例1と同
一の条件で、血液成分の分離実験を行った。
【0171】(比較例2)市販の平行加圧機構のバッグ
加圧装置(バクスター社製、オプチプレス)において、
下部に設けられている界面検出センサーの位置を35mm
上方に移動させた。そして、このバッグ加圧装置と、前
述したバッグ連結体2(図2および図3参照)とを用い
て、前記実施例1と同一の条件で、血液成分の分離実験
を行った。
【0172】(比較例3)市販の平行加圧機構のバッグ
加圧装置(バクスター社製、オプチプレス)と、前述し
たバッグ連結体2(図2および図3参照)とを用いて、
前記実施例1と同一の条件で、血液成分の分離実験を行
った。
【0173】
【表1】
【0174】上記表1に示すように、実施例1〜4で
は、各血液成分の回収率および白血球の除去率が高く、
特に赤血球の回収率が高いことが判る。
【0175】次に、前記実施例1〜4におけるバッグ連
結体2と、前記比較例1におけるバッグ連結体と、後述
する比較例4におけるバッグ連結体のそれぞれについ
て、採血バッグの遠心破損実験を行った。
【0176】(比較例4)バッグの上端に血漿を排出す
るチューブが接続され、バッグの下端に赤血球を排出す
るチューブが接続された構成の採血バッグを有するバッ
グ連結体を用意した。
【0177】遠心破損実験は、前記実施例1〜4、比較
例1および比較例4のそれぞれについて、下記の通り行
った。まず、バッグ連結体の採血バッグに蒸留水を45
0ml入れ、下記の条件で遠心を行った。
【0178】遠心機:日立himac CR7B3 条件:1.80×108 g・秒、4000rpm(46
70G)、22℃
【0179】遠心終了後、採血バッグを補助カップから
取り出し、破損の有無を確認した。サンプル数n=10
0とし、採血バッグの破損発生数を下記表2に示す。
【0180】
【表2】
【0181】上記表2に示すように、比較例4では、採
血バッグの下端にチューブが接続されているので、遠心
の際に、バッグ底部にデッドスペースが生じ易く、採血
バッグが破損した。
【0182】これに対し、実施例1〜4では、チューブ
がすべて採血バッグの上端に接続されているので、遠心
の際にバッグ底部にデッドスペースが生じることがな
く、よって、採血バッグの破損発生数は0であり、信頼
性の高いことが証明された。
【0183】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のバッグ加
圧装置によれば、仕切り部の下端がバッグの上下方向の
中央付近またはそれより上側に位置するバッグを用い、
かつ、そのバッグに収納された分離成分(分離された液
体成分)を移送(排出)する際、バッグの下方を優先的
に圧迫するので、各分離成分の回収率、特に下層の分離
成分の回収率が向上する。
【0184】例えば、分離された各血液成分をバッグか
ら排出し回収する場合には、その回収率または回収され
た血液成分中の他の血液成分の除去率が向上し、少ない
血液処理量で、高品質の血液製剤を製造することができ
る。すなわち、バッグの下方を優先的に圧迫するので、
中間層のバフィーコートを広げることなくバッグを圧迫
することができ、このため白血球の除去率が向上し、特
に下層の赤血球の回収率が向上する。
【0185】また、バッグの仕切り部の長さが比較的短
かいので、仕切り部がバッグの上端から下端近傍まで形
成されたバッグを用いる場合に比べ、バッグ内のデッド
スペースが減少し、これによりバッグの実質的な容量を
増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッグ加圧装置の第1実施例を示す断
面側面図である。
【図2】図1に示すバッグ連結体の構成例を示す正面図
である。
【図3】本発明における連結部材の構成例を拡大して示
す縦断面図である。
【図4】図1に示すバッグ加圧装置による圧迫前の採血
バッグを示す正面図である。
【図5】図1に示すバッグ加圧装置による圧迫途中の採
血バッグを示す正面図である。
【図6】本発明のバッグ加圧装置の第2実施例を示す断
面側面図である。
【図7】図6に示す採血バッグおよびその近傍を示す正
面図である。
【図8】本発明のバッグ加圧装置の第3実施例を示す断
面側面図である。
【図9】本発明のバッグ加圧装置の第4実施例を示す断
面側面図である。
【符号の説明】
1a〜1d バッグ加圧装置 2 バッグ連結体 10 採血バッグ 11 バッグ本体 12 シール部 13 仕切り部 131 端部 132 中央部 14A、14B 空間 15 排出口 16 連結部材 160 短チューブ 161 筒体 162 中実柱状部 163 破断部 164 上端部 165 溝 17 チューブクランプ 18、19 チューブ 20 ハブ 21 採血針 22 キャップ 23 連結部材 24 チューブクランプ 25 チューブ 30 赤血球バッグ 31 バッグ本体 32 シール部 33 赤血球収納部 34 排出口 40 血漿バッグ 41 バッグ本体 42 シール部 43 血漿収納部 44 排出口 51 ケーシング 511 側壁 512、512c 凸部 513 上端 514、515 孔部 516 長穴 517 支持板 52 受け板 53 加圧板 54 センサー 55 エアーシリンダー 551 ピストンロッド 58 エアーシリンダー 581 ピストンロッド 582 仕切り板 59 エアーシリンダー 61 上層(血漿) 62 中間層(バフィーコート) 63 下層(赤血球) 64、65 界面 70 支持柱 71 移動体 72 連結部材 73 ローラ 74 可動板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−225934(JP,A) 特開 昭55−155652(JP,A) 特開 平6−23037(JP,A) 実開 平7−7646(JP,U) 特公 昭63−20144(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 1/02 510

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を少なくとも2つの空間に仕切る仕
    切り部を有し、この仕切り部の下端がバッグの上下方向
    の中央付近またはそれより上側に位置する可撓性を有す
    るバッグを圧迫し、このバッグに収納された分離成分を
    移送するバッグ加圧装置であって、 第1の加圧部材および第2の加圧部材を備え、これらに
    より前記バッグを圧迫する加圧手段と、この加圧手段を
    駆動する駆動手段とを有し、前記加圧手段が前記バッグ
    の下方を優先的に圧迫するよう構成したことを特徴とす
    るバッグ加圧装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の加圧部材および第2の加圧部
    材のうちの少なくとも一方が他方に向って平行に移動す
    るよう構成され、これにより該第1の加圧部材と該第2
    の加圧部材との間に配置された前記バッグを圧迫する請
    求項1に記載のバッグ加圧装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の加圧部材および第2の加圧部
    材のうちの少なくとも一方がその一端部を中心に他方に
    向って回動するよう構成され、これにより該第1の加圧
    部材と該第2の加圧部材との間に配置された前記バッグ
    を圧迫する請求項1に記載のバッグ加圧装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の加圧部材および第2の加圧部
    材のうちの少なくとも一方は、前記バッグの下方を圧迫
    する凸部を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の
    バッグ加圧装置。
  5. 【請求項5】 前記加圧手段は、前記バッグの下端から
    上端側へ該バッグをしごく第3の加圧部材を有する請求
    項1ないし3のいずれかに記載のバッグ加圧装置。
  6. 【請求項6】 前記第3の加圧部材はローラである請求
    項5に記載のバッグ加圧装置。
  7. 【請求項7】 前記加圧手段は、初め前記バッグの全体
    を圧迫し、この後、前記バッグの下方を圧迫するよう構
    成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のバッ
    グ加圧装置。
  8. 【請求項8】 前記バッグ内の分離成分の界面位置を検
    出するセンサーと、このセンサーからの情報に基づいて
    前記駆動手段の作動を制御する制御手段とを有する請求
    項1ないし7のいずれかに記載のバッグ加圧装置。
  9. 【請求項9】 前記バッグ内の分離成分の界面位置を前
    記仕切り部の下端より上側の所定位置に保持する界面位
    置保持手段を有する請求項1ないし8のいずれかに記載
    のバッグ加圧装置。
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