JP3282568B2 - 掘削工具 - Google Patents

掘削工具

Info

Publication number
JP3282568B2
JP3282568B2 JP32361497A JP32361497A JP3282568B2 JP 3282568 B2 JP3282568 B2 JP 3282568B2 JP 32361497 A JP32361497 A JP 32361497A JP 32361497 A JP32361497 A JP 32361497A JP 3282568 B2 JP3282568 B2 JP 3282568B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
supply
valve
supply hole
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32361497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11159271A (ja
Inventor
猛 林
和夫 藤墳
一弘 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP32361497A priority Critical patent/JP3282568B2/ja
Publication of JPH11159271A publication Critical patent/JPH11159271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3282568B2 publication Critical patent/JP3282568B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤を掘削しなが
ら、例えば地盤改良等を目的として削孔の周囲に薬液等
を注入する場合に用いて好適な掘削工具に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】このように、掘削工具により掘削される
削孔の周囲の地盤に地盤改良などのために地盤に薬液等
を注入しながら掘削を行う場合には、先端にボタンビッ
ト等の掘削工具が装着される管状のシャンクの外周に薬
液の噴出孔を形成しておき、上記掘削工具によって地盤
をある程度の深さまで掘削した後、シャンク内を通して
薬液を供給して上記噴出孔から地盤に注入し、またある
程度地盤を掘削しては薬液を注入するといった操作を繰
り返すことにより、所定の深さまでの地盤に順次薬液を
注入し、地盤を改良して行く。
【0003】一方、上記ボタンビットのような掘削工具
においては、圧縮空気等の流体が供給される供給孔がそ
の工具本体に形成されており、この供給孔は、工具本体
の先端面に開口するブローホールに連通させられてい
て、このブローホールから上記流体を噴出させることに
より、当該掘削工具によって破砕された岩石屑等のくり
粉を、工具本体の外周に形成されたくり粉溝を通して後
方側に排出するようにしている。ここで、上述のように
薬液等の注入により地盤改良を行う掘削工具において
は、上記圧縮空気等の流体は上記薬液と同じく管状のシ
ャンク内を通って供給孔に供給されており、掘削中はこ
の流体がシャンク内を通り供給孔を経てブローホールか
ら噴出される一方、薬液の注入時にはシャンク内への流
体の供給を中断して代わりに薬液を供給し、この薬液が
ブローホールには至らずにシャンクの外周から削孔の周
囲の地盤に注入されるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに薬液の注入時に圧縮空気等の流体の供給が中断され
てブローホールからの流体の噴出も止められると、掘削
中に生成されたくり粉や泥等が地盤の圧力によってブロ
ーホールから供給孔に逆流してしまうおそれがある。こ
のため、従来の掘削工具では、このように逆流したくり
粉や泥等によって供給孔に詰まりが生じ、次に掘削を始
めるときに、ブローホールからの流体の噴出が阻害され
てしまって、くり粉を円滑に排出することが困難となる
という問題があった。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、地盤を掘削しながら薬剤等の注入を行なう掘
削工具において、薬剤等の注入時における流体の供給孔
の詰まりを防止し、その後の掘削においてもくり粉を円
滑に排出することが可能な掘削工具を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、外周に薬液
の噴出孔が形成された環状のシャンクの先端に装着さ
れ、工具本体の先端部に流体を噴出するブローホールが
形成された掘削工具において、上記ブローホールに連通
する流体の供給孔に逆流防止弁を備えるとともに、上記
供給孔において上記逆流防止弁よりも上記流体の供給方
向後方側には、この供給孔に供給される流体の供給圧が
所定の圧力以下の場合には上記ブローホールへの流体の
供給を許容し、所定の圧力以上の場合には上記ブローホ
ールへの流体の供給を遮断する遮断弁を備え、上記遮断
弁は、上記供給孔内に嵌挿されたスリーブの内周後端側
に挿入されたコイルスプリングと、上記供給孔内におい
て上記スリーブよりも後端側に取り付けられた円筒状の
プラグと、これらスリーブとプラグとの間に介装されて
上記コイルスプリングにより後端側に付勢される鋼製の
ボールとから構成され、上記プラグの円筒部には多数の
貫通孔が形成されるとともに、上記ボールの直径は上記
プラグの内径よりも大きくされており、さらに上記コイ
ルスプリングの弾性力は、上記供給孔に圧縮空気等の流
体を供給したときに上記ボールが受ける圧力よりも大き
く、かつ薬剤を供給したときに上記ボールが受ける圧力
よりは小さく設定されているものであり、この逆流防止
弁によって、掘削時にはブローホールへの流体の供給が
許容されてくり粉の排出がなされる一方、薬液等の注入
時に流体の供給が中断したときでも、くり粉や泥等が逆
流して供給孔に侵入するのを防ぐことができる。
【0007】ここで、上記逆流防止弁としては、できる
だけ簡単でくり粉や泥等の侵入を確実に防止できる構造
のものが望ましく、例えば、上記流体の供給方向側に突
き出す錐状に組み合わされて、この供給方向側に開閉自
在とされる複数の三角形板状の弁体により形成されたも
のや、上記供給孔の内周に設けられる環状体と、この環
状体の上記流体の供給方向側に開閉自在に設けられた上
記環状体の内径よりも大きな板状の弁体とにより形成さ
れるものを採用することができる。また、このような弁
体を、弾性変形可能な材質によって形成することによ
り、その開閉を円滑に行うことができる。他方、この逆
流防止弁を、上記供給孔の内周に形成された小径部に密
着して該供給孔を閉塞する弁体と、この弁体を上記流体
の供給方向の後方側に付勢する付勢手段とから構成し、
掘削時には上記流体の圧力によって付勢手段の付勢力に
抗して弁体を上記供給方向に押し出すことにより、ブロ
ーホールへ流体を供給する一方、流体の供給が中断した
ときには、付勢手段により弁体を小径部に密着させて供
給孔を閉塞し、くり粉等の侵入を防ぐようにすることも
できる。
【0008】さらに、通常、くり粉排出のための圧縮空
気等の流体の供給圧力は、薬液等の供給圧力よりも小さ
くされているので、上記供給孔において上記逆流防止弁
よりも上記流体の供給方向後方側に、この供給孔に供給
される流体の供給圧が所定の圧力以下の場合には上記ブ
ローホールに流体の供給を許容し、所定の圧力以上の場
合には上記ブローホールへの流体の供給を遮断する遮断
弁を備えることにより、この所定の圧力を上記流体の供
給圧力と薬液の供給圧力との中間に設定することで、掘
削時には安定して流体をブローホールから噴出させると
ともに、薬液等の注入時には薬液がブローホールに至る
のを確実に阻止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。本実施形態の掘削工具に
おいて、その工具本体1は、その外形が図1および図2
に示すように先端側に向かうに従い一段拡径する軸線O
を中心とした多段円柱状に形成されており、その先端面
2には、超硬合金等の硬質材料より成る多数のビット3
…が植設されているとともに、この先端面2から工具本
体1の先端部4の外周面にかけては、幅広で僅かに浅い
3本のくり粉溝5…と幅狭で僅かに深い3本のくり粉溝
6…とが周方向に略等間隔かつ交互に形成されている。
また、工具本体1の後端部7の外周には、この工具本体
1を、図示しない管状のシャンクの先端に装着するため
の雄ねじ部8が形成されている。
【0010】一方、この工具本体1の内部には、その後
端面9から軸線Oに沿って先端側に向け、供給孔10が
形成されている。この供給孔10は断面円形で、先端側
に向かうに従い段階的に縮径しており、その先端は工具
本体1の上記先端部4の中ほどにまで至って分岐部11
を形成している。さらに、この分岐部11からは、工具
本体1の先端部4の表面に向けて5本のブローホール1
2A〜12Eが形成されており、このうちの一のブロー
ホール12Aは他よりも大径とされていて、上記分岐部
11の先端部分から、先端側に向かうに従い工具本体1
の外周側に向かうように傾斜して延び、上記先端面2に
おいて一の幅狭のくり粉溝6…の内周側に開口してい
る。なお、この一のくり粉溝6の先端部とブローホール
12Aの開口部との間は凹溝6Aによって連結されてい
る。
【0011】また、他のブローホール12B〜12Eは
いずれも同径とされており、このうちの一のブローホー
ル12Bは、上記ブローホール12Aの後端部分から分
岐して、外周側に向かうに従い工具本体1の後端側に向
かうように傾斜して延び、上記一のくり粉溝6の後端部
に開口している。さらに、残りのブローホール12C〜
12Eは、上記分岐部11の後端部分から、先端側に向
かうに従い工具本体1の外周側に向かうように傾斜して
延びて、それぞれ上記幅広のくり粉溝5…の略中央部に
開口している。
【0012】さらにまた、上記供給孔10内には遮断弁
13が設けられている。本実施形態では、この遮断弁1
3は、供給孔10内に嵌挿されたスリーブ14の内周後
端側に挿入されたコイルスプリング15と、供給孔10
内において上記スリーブ14よりも後端側に取り付けら
れた円筒状のプラグ16と、これらスリーブ14とプラ
グ16との間に介装されてコイルスプリング15により
後端側に付勢される鋼製のボール17とから構成されて
いる。ここで、プラグ16の円筒部には多数の貫通孔1
6A…が形成されるとともに、ボール17の直径はプラ
グ16の内径よりも大きくされており、さらにコイルス
プリング15の弾性力は、供給孔10に圧縮空気等の流
体を供給したときにボール17が受ける圧力よりも大き
く、かつ薬剤等を供給したときにボール17が受ける圧
力よりは小さく設定されている。なお、スリーブ14の
後端側内縁部とプラグ16の先端側内縁部とには、ボー
ル17が密着可能なように球面状の面取りが施されてい
る。
【0013】そして、供給孔10内において、この遮断
弁13と上記分岐部11との間には、上記スリーブ14
の内周部先端側に、逆流防止弁18が設けられている。
この逆流防止弁18は、本実施形態では図4および図5
に示すように、ゴムや樹脂等の弾性変形可能な材質によ
って形成された円盤状の弁本体19が、円環板状のスナ
ップリング20およびホルダ21によって挟まれてスリ
ーブ14の内周部に固定され、この弁本体19の内周部
には、複数の三角形板状の弁体22…が先端側に突き出
す円錐状に組み合わされて形成されており、これらの弁
体22…はその弾性変形により、図4に一点鎖線で示す
ように先端側に向けて開閉自在とされている。言い換え
れば、この弁本体19は、上記スナップリング20およ
びホルダ21に挟まれる円環板状部分の内周に、先端側
に突き出す円錐面状部分が一体に形成され、この円錐面
状部がその母線に沿って周方向に等間隔に分断されて上
記弁体22…とされたものである。
【0014】しかるに、このように構成された掘削工具
においては、掘削時には上記シャンク側から供給孔10
に圧縮空気等の流体が供給されるが、この流体により上
記遮断弁13のボール17が受ける圧力よりもコイルス
プリング15による弾性力の方が大きくされているの
で、ボール17は後端側に付勢されたままプラグ16の
先端側内縁部に密着した状態を維持する。従って、供給
された流体は、このプラグ16に形成された貫通孔16
A…から先端側に流入し、次いでボール17とコイルス
プリング15との間およびコイルスプリング15のコイ
ルの間を通ってスリーブ14内先端側の上記逆流防止弁
18に至り、その圧力によって弁体22…を押し広げて
先端側に開放し、さらに上記分岐部11を通り各ブロー
ホール12A〜12Eから噴出して、くり粉溝5…,6
…を介してくり粉を排出する。
【0015】一方、シャンクに形成された噴出孔から薬
液等を地盤に注入する場合には、遮断弁13のコイルス
プリング15による弾性力が、供給孔10に供給された
薬液により遮断弁13のボール17が受ける圧力よりも
小さく設定されているので、このボール17はコイルス
プリング15の弾性力に抗して先端側に押し出されてス
リーブ14の後端側内縁部に密着し、これにより薬液の
スリーブ14内への流入が阻止される。従って、供給さ
れた薬液等は、ブローホール12A〜12Eに至ること
なく、シャンクの先端部の外周に形成された噴出孔か
ら、当該掘削工具によって掘削された削孔の周囲の地盤
に注入され、地盤の改良等に供される。
【0016】しかして、本実施形態においては、このと
きブローホール11A〜11Eからくり粉や泥等が逆流
してきても、上記供給孔10の先端側に設けられた逆流
防止弁18により、くり粉や泥等が供給孔10内に侵入
するのを防ぐことができる。すなわち、この逆流防止弁
18の上記弁体22…は、上記圧縮空気等の流体が供給
孔10内を工具本体1の後端側から先端側へ供給されて
いる状態、すなわち流体の供給方向へ供給されている状
態では、この供給方向に開放されて上記ブローホール1
2A〜12Eからこの流体を噴出させる一方、上記流体
が供給されていない状態では、その弾性によって閉じて
もとの円錐状をなしており、しかも工具本体1の先端側
からくり粉や泥等が逆流して弁体22…を後端側に押し
付けても、各弁体22…の側面同士が密着して円錐形状
を維持しようとするため、くり粉や泥等がそれ以上後端
側に流れ込むのを防ぐことができるのである。
【0017】従って、上記構成の掘削工具によれば、こ
のような薬液注入時のくり粉や泥等の侵入によって供給
孔10に詰まりが生じるたりするのを防ぐことができ、
その後の掘削において、このような詰まりによりブロー
ホール12A〜12Eからの圧縮空気等の噴出が阻害さ
れるような事態を防止することができる。このため、こ
のように地盤改良等のためにシャンクから薬液の注入を
行なう場合でも、掘削時には、薬液注入を行わない通常
の掘削と同じように確実にくり粉や泥等を排出すること
が可能となって、より円滑な掘削作業を促すことができ
る。
【0018】また、本実施形態では、この逆流防止弁1
8が、上述のように円錐状に組み合わされる三角形板状
の弁体22…により構成されており、簡単な構造ながら
も確実にくり粉や泥等の侵入を防止することができて経
済的である。しかも、この弁体22…が、ゴムや樹脂等
の弾性変形可能な材質によって形成されているので、流
体が供給されないときは自ずともとの円錐状に組み合わ
された状態となり、従って一層確実にくり粉や泥等の侵
入を防止することが可能となる。なお、本実施形態では
このように弁体22…を円錐状に組み合わされるように
形成したが、角錐状に組み合わせるようにしても勿論構
わない。
【0019】さらに、本実施形態では、工具本体1の供
給孔10において逆流防止弁18よりも後端側、すなわ
ち上記圧縮空気等の流体の供給方向の後方側に遮断弁1
3が備えられており、供給孔10に圧縮空気等の流体が
供給された場合には、そのボール17がプラグ16に密
着して、この流体の上記ブローホール12A〜12Eへ
の供給が許容される一方、薬液が供給された場合には、
その圧力によってボール17がスリーブ14に密着し
て、薬液のブローホール12A〜12Eへの流入が遮断
されるようになされている。従って、供給された薬液が
ブローホール12A〜12Eから工具本体1の先端側に
噴出されてその後の掘削に支障を来したり、あるいは薬
液等が削孔周囲の地盤に十分に注入されなくなったりす
るような事態を未然に防ぐことができ、安定した掘削を
行いつつ確実な地盤改良を図ることができる。
【0020】なお、本実施形態では、上記逆流防止弁1
8を、上述のように上記流体の供給方向側に突き出す錐
状に組み合わされてこの供給方向側に開閉自在とされる
複数の三角形板状の弁体22…により形成しているが、
例えばこれを、図6および図7に示す本発明の第2の実
施形態の逆流防止弁30のように、上記供給孔10の内
周に設けられる環状体31と、この環状体31の流体の
供給方向側に開閉自在に設けられた環状体31の内径よ
りも大きな板状の弁体32とにより形成するようにして
もよい。すなわち、この第2の実施形態では、上記環状
体31としてのスナップリングとホルダ33の間に、ゴ
ムや樹脂等の弾性変形可能な材質より成る円板状の弁本
体34が挟み込まれて供給孔10内に取り付けられ、こ
の弁本体34の中央部が、上記環状体31の内径よりも
大きく、かつスナップリング33の内径よりも小さな径
で、周縁部との間に一部を残してC字状に切り離されて
上記弁体32に形成されたものであり、図6に一点鎖線
で示すようにこの周縁部との間に残された部分を中心と
して、弁体32が工具本体1の先端側、つまり流体の供
給方向に開閉可能とされている。
【0021】従って、このような弁体32を備えた逆流
防止弁30によっても、圧縮空気等の流体が供給された
ときには、上記弁体32が開いてブローホール12A〜
12Eからこの流体を噴出させることができる一方、薬
液等の注入時に流体の供給が中断してブローホール12
A〜12Eからくり粉や泥等が流入してきても、上記弁
体32が環状体31に密着してこれよりも後端側の供給
孔10内までくり粉や泥等が逆流するのを防ぐことがで
きるので、供給孔10内でくり粉や泥等が詰まりを生じ
たりするのを防止することができる。また、この第2の
実施形態では、その逆流防止弁30の弁体32が、円板
状の弁本体34の中央部をC字状に切り離しただけであ
るので構造がより簡単であり、くり粉や泥等の侵入を一
層確実に防止できるという利点も得ることができる。
【0022】次に、図8ないし図10は、本発明の第3
の実施形態を示すものであり、図1ないし図6に示した
第1、第2の実施形態と共通する部分には、同一の符号
を配して説明を省略してある。本実施形態では、工具本
体1の先端部4の外周に、その先端面2から後端側に向
けて漸次幅狭となるとともに浅くなる断面略三角形状の
4つのくり粉溝41…が周方向に等間隔に形成されてお
り、工具本体1の先端面2には、これらのくり粉溝41
…の間に、側面視に三角形山型をなす4つの切刃42…
が、工具本体1の先端側から見て軸線Oを中心に放射状
に延びるように形成されている。なお、これらの切刃4
2…の先端、すなわち上記三角形山型の稜線部には、超
硬合金等の硬質材料より成るチップ43が植設されてい
る。さらに、先端面2の中心にはコアピース44が埋め
込まれている。
【0023】一方、本実施形態においては、工具本体1
に形成された供給孔10の先端の分岐部11から、3本
のブローホール45A〜45Cが延びるように形成され
ており、このうち一のブローホール45Aは軸線Oに沿
って延びて上記コアピース44を貫き、工具本体1の先
端面2の中央に開口しているとともに、他の二つのブロ
ーホール45B,45Cは、軸線Oを挟んで互いに反対
側に位置する一対のくり粉溝41,41にそれぞれ開口
するように形成されている。さらに、これら他の二つの
ブローホール45B,45Cのうち、一方のブローホー
ル45Bは大径とされて、上記分岐部11の後端側から
外周側に向かうに従い先端側に向けて延び、上記一対の
くり粉溝41,41の一方の先端側に開口するととも
に、他方のブローホール45Cは小径とされて、分岐部
11の先端側から外周側に向かうに従い後端側に向かう
ように延び、他方のくり粉溝41の後端側に開口するよ
うに形成されている。
【0024】そして、本実施形態においても、上記分岐
部11よりも後端側の供給孔10内にはスリーブ14が
嵌装されており、このスリーブ14の後端側には遮断弁
13が設けられるとともに、この遮断弁13と上記分岐
部11との間には、逆流防止弁46が配設されている。
ここで、本実施形態の逆流防止弁46においては、上記
スリーブ14の内周の先端側にスプリングホルダ47が
取り付けられるとともに、これよりも後端側のスリーブ
14内周には内径が一段小さくなる小径部14Aが形成
され、これらスプリングホルダ47と小径部14Aとの
間に、小径部14A側に弁体として鋼製のボール48
が、またこのボール48とスプリングホルダ47との間
に付勢手段としてコイルスプリング49が、それぞれ介
装された構成とされている。
【0025】上記ボール48は、その直径が上記小径部
14Aの内径よりも大きく、小径部14Aの開口部に密
着することにより、該小径部14Aを閉塞し、すなわち
供給孔10を閉塞可能とされている。また、コイルスプ
リング49は、圧縮された状態で介装されてボール48
を所定の付勢力で後端側に付勢しており、この付勢力
は、工具本体1を下向きにした際のボール48の重量よ
りは大きく、また供給孔10に圧縮空気等の流体が供給
された際にボール48が受ける力よりは小さく設定され
ている。さらに、上記スプリングホルダ47は略円筒状
の部材であり、その内周の後端側には一段拡径した凹部
47Aが形成されて、上記コイルスプリング49の先端
部が収容可能とされるとともに、その円筒部には上記分
岐部11に連通するように多数の貫通孔47B…が形成
されている。
【0026】しかるに、このような構成の逆流防止弁4
6を備えた掘削工具においては、掘削時に工具本体1の
後端側から供給孔10に圧縮空気等の流体が供給される
と、上記コイルスプリング49による付勢力に抗してボ
ール48が先端側に押し出され、これにより供給孔10
の上記小径部14Aが開放されて、流体は小径部14A
からスプリングホルダ47の内周および貫通孔47B…
を通って分岐部11に流れ、さらにブローホール45A
〜45Cから噴出してくり粉を排出する。そして、薬液
の注入時等に上記流体の供給が中断されると、コイルス
プリング49の付勢力によりボール48が小径部14A
の開口部に密着してこれを閉塞するので、くり粉がブロ
ーホール45A〜45Cから供給孔10の奥に侵入する
のを防止することができ、すなわち上記第1、第2の実
施形態と同様の効果を得ることができる。
【0027】また、本実施形態における逆流防止弁46
においても、くり粉の侵入によって弁体となるボール4
8に圧力がかかると、ボール48はより強く小径部14
Aの開口部に密着させられることとなるので、第1、第
2の実施形態と同様に、それ以上のくり粉の侵入を確実
に防止することができる。しかも、本実施形態では、そ
の弁体となるのが供給孔10の小径部14Aよりも直径
が大きなボール48であるので、このボール48が小径
部14Aよりも後端側に抜け落ちるなどして小径部14
Aが開放されたままとなるようなことはなく、さらに確
実にくり粉の侵入を防止することが可能である。しか
も、本実施形態では、この弁体となるボール48が鋼製
であるため、第1、第2の実施形態のようなゴムや樹脂
より成る弁体22,32よりも耐久性が高く、従って、
より長期に渡って供給孔10の詰まりを防止できるとい
う利点も得られる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
掘削を行いながら地盤に薬液等を注入して地盤改良等を
行う場合に、薬液注入時にブローホールからの圧縮空気
等の流体の噴出が中断されても、このブローホールから
くり粉や泥が逆流して供給孔内に詰まりを生じるのを防
ぐことができ、その後の掘削においても円滑かつ安定し
たくり粉の排出を行うことができる。さらに、工具本体
の供給孔において逆流防止弁よりも後端側、すなわち上
記圧縮空気等の流体の供給方向の後方側に遮断弁が備え
られており、供給孔に圧縮空気等の流体が供給された場
合には、この流体の上記ブローホールへの供給が許容さ
れる一方、薬液が供給された場合には薬液のブローホー
ルへの流入を遮断することができるので、供給された薬
液がブローホールから工具本体の先端側に噴出されてそ
の後の掘削に支障を来したり、あるいは薬液等が削孔周
囲の地盤に十分に注入されなくなったりするような事態
を未然に防ぐことができ、安定した掘削を行いつつ確実
な地盤改良を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側面図であ
る。
【図2】 図1に示す実施形態の正面図である。
【図3】 図1および図2におけるZZ断面図である。
【図4】 図3における逆流防止弁18の拡大断面図で
ある。
【図5】 図4に示す逆流防止弁18を先端側から見た
図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態を示す逆流防止弁3
0の拡大断面図である。
【図7】 図6に示す逆流防止弁30を先端側から見た
図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態を示す側面図であ
る。
【図9】 図8に示す実施形態の正面図である。
【図10】 図9におけるYY断面図である。
【符号の説明】
1 工具本体 5,6,41 くり粉溝 10 供給孔 12A〜12E,45A〜45C ブローホール 13 遮断弁 14 スリーブ 14A 小径部 15 コイルスプリング 16 プラグ 17 ボール 18,30,46 逆流防止弁 19,34 弁本体 22,32 弁体 31 環状体 48 ボール(弁体) 49 コイルスプリング(付勢手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 一弘 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田 1528番地 三菱マテリアル株式会社 岐 阜製作所内 (56)参考文献 特開 平8−35386(JP,A) 特開 平4−194189(JP,A) 特開 昭59−31393(JP,A) 特開 平9−195659(JP,A) 実開 昭61−68134(JP,U) 実開 昭60−76191(JP,U) 実開 昭60−40590(JP,U) 実開 平5−30292(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21B 10/60

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周に薬液の噴出孔が形成された環状の
    シャンクの先端に装着され、工具本体の先端部にブロー
    ホールが形成された掘削工具において、上記ブローホー
    ルに連通する圧縮空気等の流体の供給孔に逆流防止弁が
    備えられているとともに、上記供給孔において上記逆流
    防止弁よりも上記流体の供給方向後方側には、この供給
    孔に供給される流体の供給圧が所定の圧力以下の場合に
    は上記ブローホールへの流体の供給を許容し、所定の圧
    力以上の場合には上記ブローホールへの流体の供給を遮
    断する遮断弁が備えられており、上記遮断弁は、上記供
    給孔内に嵌挿されたスリーブの内周後端側に挿入された
    コイルスプリングと、上記供給孔内において上記スリー
    ブよりも後端側に取り付けられた円筒状のプラグと、こ
    れらスリーブとプラグとの間に介装されて上記コイルス
    プリングにより後端側に付勢される鋼製のボールとから
    構成され、上記プラグの円筒部には多数の貫通孔が形成
    されるとともに、上記ボールの直径は上記プラグの内径
    よりも大きくされており、さらに上記コイルスプリング
    の弾性力は、上記供給孔に圧縮空気等の流体を供給した
    ときに上記ボールが受ける圧力よりも大きく、かつ薬剤
    を供給したときに上記ボールが受ける圧力よりは小さく
    設定されていることを特徴とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 上記逆流防止弁は、上記流体の供給方向
    側に突き出す錐状に組み合わされてこの供給方向側に開
    閉自在とされる複数の三角形板状の弁体により形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3. 【請求項3】 上記逆流防止弁は、上記供給孔の内周に
    設けられる環状体と、この環状体の上記流体の供給方向
    側に開閉自在に設けられた上記環状体の内径よりも大き
    な板状の弁体とにより形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の掘削工具。
  4. 【請求項4】 上記弁体は、弾性変形可能な材質により
    形成されていることを特徴とする請求項2または請求項
    3に記載の掘削工具。
  5. 【請求項5】 上記逆流防止弁は、上記供給孔の内周に
    形成された小径部に密着して該供給孔を閉塞する弁体
    と、この弁体を上記流体の供給方向の後方側に付勢する
    付勢手段とから構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の掘削工具。
JP32361497A 1997-11-25 1997-11-25 掘削工具 Expired - Fee Related JP3282568B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32361497A JP3282568B2 (ja) 1997-11-25 1997-11-25 掘削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32361497A JP3282568B2 (ja) 1997-11-25 1997-11-25 掘削工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11159271A JPH11159271A (ja) 1999-06-15
JP3282568B2 true JP3282568B2 (ja) 2002-05-13

Family

ID=18156702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32361497A Expired - Fee Related JP3282568B2 (ja) 1997-11-25 1997-11-25 掘削工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3282568B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4738075B2 (ja) * 2005-07-05 2011-08-03 鉱研工業株式会社 管の設置工法及び削孔装置
JP5237669B2 (ja) * 2008-03-31 2013-07-17 シーシーアイ株式会社 防火アタッチメント
JP5983475B2 (ja) * 2013-03-14 2016-08-31 三菱マテリアル株式会社 掘削工具
CN103556625B (zh) * 2013-10-27 2015-06-03 彭桂皎 复式挤扩桩成桩工法及复式挤扩成桩设备
CN110485964B (zh) * 2019-08-29 2023-10-24 中国石油集团川庆钻探工程有限公司 一种可调式钻井排砂管线环形抽吸助排机构

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11159271A (ja) 1999-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5904213A (en) Rotary drill bits
CA2573904C (en) Replaceable sleeve insert for a choke assembly
CA2902972C (en) Drilling tool
CA2576681A1 (en) Rock drill bit
JP3282568B2 (ja) 掘削工具
AU718921B2 (en) Boring tool with shock damping devices
US6264367B1 (en) Dual-seal drill bit with fluid cleaning capability
US4793426A (en) Drill bit with covered ring nozzle retainer
JP3750516B2 (ja) 掘削工具
EP0476505B1 (en) Shale diverting means for a sealed bearing drill bit
JP3672638B2 (ja) 掘削用ビット
CN210343305U (zh) 导锥连通阀及使用该导锥连通阀的注水管柱
JP2007070912A (ja) 装填式逆止弁本体を内蔵した地盤穿孔機
US20200114371A1 (en) High pressure fluid spray nozzle incorporating a flow controlled switching valve
JP4318603B2 (ja) 地山補強用打ち込み鋼管における穿孔ビット
JP4216797B2 (ja) 雌型継手部材
JP3953907B2 (ja) 被圧水下用二重管削孔装置
JP7128123B2 (ja) 掘削工具
JP3755124B2 (ja) 削孔ビット
JP3204002B2 (ja) ロックビット
WO2017057716A1 (ja) 掘削工具
JP2006283290A (ja) 地盤改良工法
JP2006283290A5 (ja)
CA2321469C (en) Dual-seal drill bit with fluid cleaning capability
JPH1136769A (ja) 穿孔装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020129

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090301

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees