JP3282458B2 - フロー式粒子画像解析方法および装置 - Google Patents

フロー式粒子画像解析方法および装置

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JP3282458B2
JP3282458B2 JP22797895A JP22797895A JP3282458B2 JP 3282458 B2 JP3282458 B2 JP 3282458B2 JP 22797895 A JP22797895 A JP 22797895A JP 22797895 A JP22797895 A JP 22797895A JP 3282458 B2 JP3282458 B2 JP 3282458B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフロー式粒子画像解
析方法およびフロー式粒子画像解析装置に係り、特に、
流れている液体サンプル中に懸濁した粒子の静止画像を
撮像し粒子解析する、血液または尿中の細胞や粒子を解
析するのに好適なフロ−式粒子画像解析方法および装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の粒子画像解析においては、血液中
の細胞や尿中の細胞や粒子の分類解析は、スライドガラ
ス上に標本を作成し顕微鏡にて観察することで行われて
きた。尿の場合には、尿中の粒子濃度が薄いため、サン
プルを予め遠心分離器で遠心濃縮してから観察してい
る。
【0003】これらの観察、検査の作業を自動化する方
法または装置としては、血液などのサンプル試料をスラ
イドガラス上に塗沫した後顕微鏡にセットし、顕微鏡ス
テージを自動的に走査し、粒子の存在する位置で顕微鏡
ステージを止めて静止粒子画像を撮影し、画像処理技術
による特徴抽出およびパターン認識手法を用い、サンプ
ル試料中にある粒子の分類・解析等を行っている。
【0004】しかし、上記手法では標本作成に時間がか
かり、さらに顕微鏡ステージを機械的に移動しながら粒
子を見つけ、粒子を適当な画像取り込み領域へ移動させ
る作業が必要である。そのため、解析に時間を要した
り、機械機構が複雑になるという欠点がある。
【0005】上記のような塗沫標本を作成しない粒子画
像解析方法または粒子画像解析装置には、サンプル試料
を液体中に懸濁させた状態にてフローセル中に流し、光
学的に解析するフローサイトメータ法が知られている。
【0006】前記フローサイトメータによる方法は、サ
ンプル中の各粒子からの蛍光強度や散乱光強度を観測す
るもので、毎秒数1000個の処理能力を備えている。
【0007】しかし、粒子の形態学的特徴を反映する特
徴量を観測することはむずかしく、従来顕微鏡下で行わ
れていた形態学的特徴で粒子を分類することができな
い。
【0008】連続的に流れているサンプル試料中の静止
粒子画像を撮像し、それぞれの静止粒子画像から粒子を
分類、解析する試みとしては、特表昭57−50099
5号公報、特開昭63−94156号公報等に記載され
た技術が知られている。
【0009】特表昭57−500995号公報に記載さ
れた技術では、サンプル試料を特別な形状の流路に通し
て幅広の撮像領域中に流し、フラッシュランプによる静
止粒子画像を撮影し、その画像を用い粒子解析する。こ
の方法は、顕微鏡を用いてサンプル粒子の拡大画像をC
CDカメラ上に投影するとき、パルス光源であるフラッ
シュランプがCCDカメラの動作に同期して周期的に発
光する。パルス光源の発光時間が短いので、粒子が連続
的に流れていても静止画像を得ることができ、しかも、
CCDカメラは、毎秒30枚の静止画像を撮影すること
ができる。
【0010】特開昭63−94156号公報に記載され
た技術では、静止粒子画像撮像系とは別にサンプル流れ
中の粒子画像撮影領域より上流に粒子検出系を設けてい
る。予め粒子検出系で粒子通過を知り、その粒子が粒子
画像撮像領域に達したとき適当なタイミングによりパル
ス光源であるフラッシュランプを点灯させる方法であ
る。この方法においては、パルス光源の発光が周期的に
行わず、粒子の通過を検出してその時だけタイミングを
合わせて静止粒子画像を撮像することができるので、効
率的に静止粒子画像が集められ、濃度の小さいサンプル
試料の場合でも粒子の存在しない無意味な画像を撮像・
処理することはない。
【0011】さらに、特開平6−142086号公報で
は、特開昭63−94156号公報の場合と同じく、静
止粒子画像系とは別にサンプル流れ中の粒子を検出する
手段を有し、加えて検出された粒子画像において画像処
理した粒子数総数からサンプル粒子中の実際の粒子数、
分類された種類ごとの粒子数を求める手段を提供してい
る。
【0012】また、特開平7−83817号公報には、
特開平6−142086号公報で問題になる、検出粒子
と検出された粒子画像の1対1の対応方法について示さ
れている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の粒子画像解析装
置においては、一般的に、連続的に流れているサンプル
粒子の静止画像を解析して、サンプル中の複数種類の粒
子数の計数や分類を効率よく行うためには、上述した公
知例で行われているように、静止粒子画像撮像領域また
はその上流に通過粒子を検出する粒子検出系が必要であ
る。すなわち、サンプル粒子が通過したときだけパルス
光源を点灯させ、サンプル粒子の静止画像を撮像するよ
うに構成する。この方法は、粒子濃度の小さい測定サン
プルに対し非常に効率よく処理できるため、測定サンプ
ル量の増大、解析時間の短縮、解析精度の向上を計るこ
とができる。
【0014】ところが、このようなフロー式粒子画像解
析装置においては、静止粒子画像撮像領域またはその上
流に通過粒子を検出する粒子検出系と、粒子が通過した
ときだけパルス光源を点灯させ静止粒子画像を撮像する
画像撮像系とを有しているが、粒子検出系と画像撮像系
とは一般的にその測定原理が異なっている。粒子検出系
としては、通常フローセル中を流れている測定サンプル
にレーザ光束を集光して照射し、前記レーザ光束をよぎ
った粒子からの光散乱光を検出する方法が用いられてい
る。その散乱光は、一般的に粒子の実効散乱断面積に比
例した強さの光信号となり、この光信号は光検出器によ
り電気信号に変換される。
【0015】この光信号の大きさは、粒子の光学的な屈
折率、吸収、サイズ、粒子の内部状態、散乱光検出条件
などにより影響を受け、必ずしも画像処理で用いられる
粒子の形態情報である粒子直径、周囲長、色彩情報、テ
クスチャ情報とは完全には一致しない。
【0016】また、粒子検出系を所定の粒子検出レベル
以上を粒子検出の条件とすると、実際の画像撮像系によ
る静止粒子画像には、サイズが小さく光散乱による粒子
検出レベルに達しない粒子が存在することは、しばしば
起こることである。その結果、粒子検出系で計数される
粒子数と画像処理された粒子数は、画像取り込みで避け
られないデットタイムによる粒子数え落としを考慮して
も一致せず、粒子解析精度、再現性の低下を引き起す原
因となる。
【0017】これらの問題に正しく対応させる方法を提
供するのが特開平7−83817号公報である。そこで
示されている方法は、1つの画像に撮像されている粒子
と粒子検出系で検出された粒子について1対1の対応関
係を取るものである。このために、粒子検出信号の中か
ら、パルスランプ光源が点灯した時点で画像に写ってい
る粒子のうち検出粒子に相当する粒子を計数し、この計
数値と画像中の粒子のうち検出粒子と対応させ、そして
検出粒子と見なされない粒子と区別するようにしてい
る。
【0018】上述した方法では、粒子検出系と画像撮像
系とをそれぞれ具備し、粒子検出系の原理と画像撮像系
の粒子画像識別の原理とが異なるフロー式粒子画像解析
方法およびフロー式粒子画像解析装置において、検出粒
子と静止粒子画像中の粒子とを対応させ、粒子検出系の
検出粒子以外の粒子が画像撮像系の静止粒子画像中に存
在しても、サンプル中の各種類の粒子個数、粒子存在比
率、粒子密度、濃度情報を正しく知ることができ、解析
精度の良好なフロー式粒子画像解析方法およびフロー式
粒子画像解析装置が提供される。
【0019】しかし、上述の方法では、1画像中に存在
する検出粒子に対応する粒子を粒子検出信号から取り出
し計数するため、複雑な時間タイミングが必要になり、
この部分の回路構成が複雑になること、サンプル液の脈
動などの流速変化によりタイミング関係が変動する場合
に対応が取れないこと、サンプルの流速が異なるような
複数の測定モードを有する場合には、複数系統の回路構
成を必要することなどの問題がある。
【0020】また、製品を製造する場合、粒子検出系の
粒子検出パルス幅と画像処理系での粒子サイズを厳密に
調整する必要があり、また、レーザ出力や光学系、粒子
検出系の検出感度など、個々の装置ごとに特性が異なる
場合には、調整が複雑になる問題がある。
【0021】本発明の目的は、粒子検出系に変動要因が
あっても、それによる実質的な影響なしに粒子解析を行
うのに適したフロー式粒子画像解析方法および装置を提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、液体サ
ンプルがフロ−セルに流され、そのフロ−セルの予め定
められた位置を測定時間中に通る液体サンプル中の粒子
が検出され、その数が計数される。また、その計数され
た粒子数から統計学的に予想される粒子解析対象粒子数
が算出される。
【0023】一方、フロ−セルの撮像領域を通る粒子は
前記粒子検出に基づいて撮像され、それによって撮像領
域を通る粒子の静止画像が得られる。この得られた画像
は処理され、それによってその画像中の粒子のサイズデ
−タが得られると共に、処理された全静止画像中の粒子
のうちの粒子サイズの大きい方の粒子が前記算出された
粒子解析対象粒子数だけ選択され、そしてその選択され
た粒子について粒子解析が行われる。
【0024】これによれば、粒子検出系に変動要因があ
っても、それによる実質的な影響なしに粒子解析を行う
のに適したフロー式粒子画像解析方法および装置が提供
される。
【0025】処理された全静止画像中の粒子のうちの粒
子サイズの大きい方の粒子を算出された粒子解析対象粒
子数だけ選択するに当たっては、処理した全静止画像中
の粒子のサイズデ−タを大きさ順に並べ変えれば前記選
択を容易に行い得る。
【0026】予想される粒子解析対象粒子数は計数され
た粒子数に加えて測定条件を考慮して定めても良い。測
定条件としては、サンプル量、サンプル流れの流速、測
定時間、粒子画像撮像条件など各種存在するが、測定条
件さえ決まれば、統計学的に粒子解析対象粒子数を予想
する事が出来るからである。これによって、測定条件が
変わっても、対応出来ることになる。
【0027】予め定められた位置を通る粒子を光学的に
検出して粒子検出信号を生成し、その粒子検出信号のう
ちの所定レベル以上の粒子検出信号を、その粒子検出信
号の所定レベルにおける幅に対応するパルス幅をもつパ
ルスに変換し、そしてそのパルスのうちのパルス幅が所
定パルス幅以上のパルス幅をもつパルスを計数すること
で粒子計数を行うようにしても良い。粒子検出系と画像
処理系では粒子検出の原理が異なる場合でも、粒子の検
出信号のパルス幅と画像の粒子サイズ、特に流れ方向の
粒子サイズは良く対応するためである。
【0028】前述した粒子検出および粒子解析処理は同
一の液体サンプルに対し複数の測定モードにおいて行
い、その後、全測定モ−ドにおける粒子解析結果を総合
するようにしても良い。例えば、ある種類の粒子につい
て、第一の解析モードでは別枠粒子解析対象粒子を、第
2の解析モードでは正規粒子解析対象対象粒子にするよ
うに解析を行えば、解析終了後、個々の解析モードの粒
子解析結果を総合して、1解析サンプル全体の粒子解析
結果として整理することにより解析精度の改善を図るこ
とが出来る。
【0029】また、測定条件が異なる場合や解析対象粒
子の範囲が異なる場合のように、異なる複数の測定モー
ドを有する場合には、それぞれに異なった粒子検出条
件、すなわち、粒子検出信号のレベルやパルス幅の所定
の値を変更するようにしてもよい。最適な測定条件で粒
子検出および粒子解析処理を行うことが出来るからであ
る。
【0030】処理した全静止画像中の粒子のうちの、選
択された粒子以外の粒子すなわち正規粒子解析対象粒子
以外の粒子を別枠で粒子解析し、その解析結果を選択さ
れた粒子の粒子解析結果に加えるようにしても良い。こ
れによれば、粒子解析の精度向上が図られる。
【0031】予想される粒子解析対象粒子数を処理した
画像数と比較するようにしてもよい。そうすれば、予想
される画像粒子数より、実際に処理された粒子画像数が
少ない場合の処理に対応することが可能となる。
【0032】計数された粒子数から予想される画像処理
フレーム数を算出し、これを実際に処理した画像フレー
ム数と比較するようにしても良い。その比較結果とし
て、計算で予想したフレーム数の方が実際の画像処理し
たフレーム数と極端に違うような場合には粒子検出系等
に問題があるることが予想できる。しかし、統計的な変
動の範囲で一致しておれば、粒子検出系等は正常に動作
していると考えることが出来る。
【0033】このように、粒子検出系の検出した全検出
粒子数をもとに、予想される粒子解析対象粒子数や予想
画像フレーム数と、実際の粒子画像数や画像フレーム数
と比較することにより、装置が正常に動作しているか、
問題が生じているかを知ることが出来る。
【0034】本発明をさらに具体的に詳しく説明する。
ただし、その説明の中で引用される具体例や限定的と考
えられる表現は、本発明を限定するために用いられたの
ではなく、あくまでも本発明の理解を助けるために用い
られたに過ぎないものであると理解されたい。
【0035】フローセル中の粒子検出領域を通過した粒
子を検出し、一定時間後に、その検出された粒子が静止
画像撮像領域の所定の位置に到着したとき、フラッシュ
ランプを点灯させ、粒子の静止画像を撮影する。
【0036】一般に、撮像された一枚の静止画像中に
は、粒子検出系で検出した粒子以外の小さな粒子も撮像
されていることが度々発生する。この傾向は、粒子検出
信号レベルを高くすればするほど大きくなる。このた
め、撮像した粒子画像の中のどれが粒子解析対象粒子で
あるかの判別を行う必要がある。
【0037】ここで、粒子検出系の検出原理として、粒
子検出信号の信号レベルを越えた粒子であって、さら
に、信号のパルス幅が所定の値を越えた粒子を検出する
と考えると、信号のパルス幅は測定粒子が粒子検出系を
通過する時間に相当し、通過粒子のサイズに比例する。
したがって、撮像した個々の粒子画像のサンプル流れ方
向の粒子の大きさと粒子通過によるパルス幅とは対応す
るから、粒子解析対象粒子かどうかの判別をパルス幅で
決まる粒子サイズを基準にして行うことが出来る。通常
は、流れ方向の粒子サイズを粒子画像の粒子解析、具体
的には分類識別等、に必要な特徴パラメータの一つとし
て用いる場合が多いから、容易に粒子解析対象粒子かど
うかの判別をすることができる。
【0038】しかし、そのような基準で行う粒子解析対
象粒子の判別は常に正しいとは限らない。粒子検出レベ
ルを一定とすると、粒子検出信号の大きさによる正規化
が行われていないため、信号の大小でパルス幅が変化す
る。また、装置ごとに粒子検出系のレーザ出力や検出系
感度が異なったり、光学系調整具合がばらついたりし、
さらに、サンプル流れが変動するため、パルス幅の変動
が生じる。このようなパルス幅の変動要因を考慮する
と、粒子検出動作は一定と云えなくなる。したがって、
製品化したとき、装置ごとに撮像された粒子画像から得
られた粒子サイズ特徴量の切り分け値と、粒子検出系で
定めたパルス幅検出値とは1対1の対応がつかなくな
る。また、装置ごとに、粒子検出系の調整を行うだけで
は十分対処できない。さらに、レーザの交換、光学系の
再調整をするたびに、粒子検出系の粒子検出条件を調節
する必要もある。
【0039】そこで、これらの煩雑な調整操作を余り考
慮することなく、画像処理した粒子の中のどれが粒子解
析対象粒子であるかの決め方を説明する。
【0040】これまで述べてきた構成と同じ粒子検出系
を用いることを前提とする。すなわち、粒子検出系を通
過した粒子からの散乱光を、光検出器で検出するとし、
検出信号の所定の検出レベルを越え、かつ、粒子のパル
ス幅が所定の値を越えた、大きさが指定の値以上の粒子
のみを粒子検出系で検出した粒子とする。
【0041】測定時間に通過した、検出された全粒子数
を計数し、これを全検出粒子数とする。粒子検出により
パルスランプ光源を点灯させ、検出粒子の静止画像を撮
影し、画像中にある全粒子について画像処理を行い、粒
子解析に必要な粒子特徴量を抽出し、粒子解析、具体的
には粒子分類処理を行う。この特徴抽出および粒子分類
識別処理を測定時間に撮像した全画像粒子に対し実行す
る。
【0042】次に、粒子検出系で測定時間に通過した全
検出粒子数より、測定時間にパルスランプ点灯による粒
子静止画像のうちで予想される粒子解析対象粒子数を計
算する。これは検出画像粒子数はサンプル中の粒子濃
度、測定時間、TVカメラの画像撮像条件によって計算
する。この予想される粒子解析対象粒子数を N とする
と、このNの計算式の形は、測定条件で変わるが、粒子
通過の発生事象が統計学におけるポアソン過程を経ると
仮定することで求めることが出来る。
【0043】一般的には、Nは(1)式で与えられる。
【0044】 N = Nf・γ・{λ + exp(-λ・(1 - h))} (1) Nfは測定時間にTVカメラが撮像出来るフレーム画像
の総数である。測定条件である測定時間をTm、1フレ
ーム時間をTfとすればNf=Tm/Tfである。γの
項は、Nfのなかで実際のサンプル条件で粒子検出によ
り撮像されるフレーム数のNfに対する割合である。γ
の内容は測定条件で変わる。Nf・γの値は実際に粒子
画像を撮像した予想フレーム数に相当する。
【0045】(1)式の{・・}の中は、画像取り込み領域
に存在する検出粒子を含む予想される平均粒子数であ
る。ここで、λは画像取り込み領域体積に相当する体積
Vgに存在する平均粒子数、hは粒子検出によるパルス
ランプ点灯を画像取り込み領域のどこで行うかにより決
まる値で、0から1の間の値である。通常は1に近い値
の条件にする。λは(2)式で表される。測定条件であ
るVmは測定サンプル体積である。Nmは測定体積中の
全検出粒子計数値である。
【0046】 λ = (Nm/Vm)・Vg (2) 具体的なγの式の形の例を以下に示す。
【0047】パルスランプの点灯タイミングの制約、す
なわち、TVカメラの奇数フィールドまたは偶数フィー
ルドでのみ点灯可能という制約がない、一番効率よく粒
子画像を撮像する場合を考える。パルスランプ点灯後、
2フィールドかけてCCD・TVカメラに蓄積さされた
画像を画像メモリに読みだす場合には、γの式の形は
(3)式で示される。
【0048】 γ = 2・{1 - exp(-Nm・Tf/2・Tm)}/{2 - exp(-Nm・Tf/2・Tm)} (3) この式でTfはTVカメラ系の1フレーム時間を表す。
また、画像読みだしおよび画像処理に3フィールド必要
な場合にはデット・タイムが1フィールド増加するが、
この場合のγの式の形は(4)式で示される。
【0049】 γ = 2・{1 - exp(-Nm・Tf/2・Tm)}/{3 -2・exp(-Nm・Tf/2・Tm)} (4) いずれにしても、γの式の形は、粒子濃度、測定時間、
TVカメラ撮像系の条件で変わる。
【0050】以上のようにして算出された予想される粒
子解析対象粒子数Nは、統計的なバラツキは避けられな
いが、比較的正しい値を与える。
【0051】また、(1)式において、Nf・γの値は、
測定時間中にフラッシュランプ発光平均回数、すなわ
ち、粒子検出によって粒子撮像されたTV画像の平均フ
レーム数に相当する。よって、実際に画像処理した全画
像数、すなわち、粒子画像を撮像した全フレーム数Nf
sに置き換えたほうが、実際の装置においてはNf・γ
の値の計算をしなくてすみ、処理が簡単になる。(1)式
においてNf・γをNfsに置き換えるとNは(5)式で
示される。
【0052】 N = Nfs・{λ + exp(-λ・(1 - h))} (5) なお、測定条件によっては、(1)式から(5)式において、
近似式を導出し、計算処理を簡単にすることも可能であ
る。
【0053】次に、画像処理した全画像粒子について、
粒子サイズ、特に流れ方向にみた粒子サイズの特徴量
を、サイズの大きい方から順に並べ変える。次に、並べ
変えた粒子サイズの大きい方から、前述した予想される
粒子解析対象粒子数分だけ取り出すと、これが粒子検出
で検出された粒子と考えることが出来る。これが正規粒
子解析対象粒子である。この比較段階で残った粒子は別
枠粒子解析対象粒子と考える。
【0054】以上に説明した方法では、粒子の検出条件
が装置ごとに異なっていても、その結果は全検出粒子の
変動として現れ、その結果は測定時間中に処理される検
出画像粒子数の増減に対応するため、粒子検出系の粒子
種類の分布と画像処理した粒子の種類の分布に違いは生
じない。すなわち、検出条件が変動しても、実質的にそ
の影響なしに粒子解析を行うことが出来る。
【0055】例えば、粒子検出レベルを低く設定して、
検出された粒子数が増大したとしても、画像処理でも検
出粒子の対応させる粒子数も増える結果になるため、検
出レベル近傍にある粒子が本来不要であっても、画像処
理から得られた結果にも不要粒子が反映し、本来サンプ
ル中にある粒子種類の数を正しく知ることが出来る。
【0056】粒子画像識別特徴量として、測定粒子の形
態情報または色彩情報、または蛍光強度情報、またはこ
れらの情報の複数個組み合わせた特徴量を使用すること
が出来るが、その場合、粒子検出系の粒子検出条件を変
更することが望ましい。具体的には、粒子画像から、粒
子の大きさ、面積、直径、周囲長、射影像などの形態情
報、粒子濃度、色彩情報、粒子内構造、蛍光強度等の特
徴量が用いられる。生物細胞のように核、細胞質、細胞
内顆粒などの存在などの情報を使うこともできる。
【0057】上述した方法により、画像中に存在する粒
子のどれが粒子検出系で検出された検出粒子であると考
えることが出来るか、すなわち粒子解析対象粒子である
かがわかったので、その粒子について粒子解析処理、具
体的には分類識別処理、を実行する。これを正規粒子解
析処理と名付ける。画像処理した粒子のうちの粒子解析
対象粒子以外の残りの粒子は別に粒子解析処理を行う。
この処理を別枠粒子解析処理と名付ける。
【0058】また、粒子解析において、始めから、予め
指定された値より小さな画像粒子サイズを有する粒子を
別枠粒子解析処理粒子とすることで、画像粒子サイズデ
ータの大小並べ変えのための計算時間を短くすることが
出来る。
【0059】粒子検出においては、粒子検出による静止
画像撮像と関係なく、粒子検出系を通過した粒子のう
ち、検出レベル以上あり、かつ、所定のパルス幅以上あ
る粒子の数、すなわち全検出粒子計数値を計数する。こ
の場合、フラッシュランプ光による粒子検出信号の誤計
数を防止することが望ましい。この防止のためには、フ
ラッシュランプ光が粒子検出器に到達しないようにする
か、または電気的にフラッシュランプ信号を計数しない
ようにする。フラッシュランプ光も検出し、測定終了時
にランプ発光回数分差し引く方法により誤計数を防ぐよ
うにしても差し支えない。
【0060】濃度の濃い粒子サンプルを処理する場合、
画像読みだしに伴うデットタイムのために粒子検出系に
おいて粒子の数え落としが生じるため、一定測定時間中
の一画像処理された粒子計数値の粒子数総和は、前記一
定測定時間中に粒子検出系を通過した全検出粒子計数値
と必ずしも一致はしない。しかし、測定条件で形は異な
るが、(1)式などの計算式を使って、予測値としての粒
子解析対象粒子数を知ることが出来る。
【0061】また、別枠粒子解析処理対象粒子は、粒子
検出系の検出レベル以下の粒子であるから、前記全粒子
検出計数値には含まれていない。
【0062】処理された全静止画像中の粒子の中から粒
子サイズの大きい方の粒子が粒子解析対象粒子数分選択
されると、その選択された粒子について粒子解析処理、
具体的にはパターン認識識別処理を行い、粒子の種類を
確定する。この作業が全画像に対し行われることによ
り、サンプル中の各種類の粒子存在比率が確定する。撮
像された静止粒子画像中に存在する粒子検出レベル以下
の粒子については、粒子検出系の検出全粒子数には含ま
れていないため処理を実施することができない。
【0063】粒子存在比率が確定すると、粒子検出全粒
子数を粒子検出計数器により別に測定されているから、
粒子検出全粒子数に粒子存在比率を乗ずることにより、
サンプル中の種類ごとの粒子個数を計算することが出来
る。また、各種類の粒子個数より、単位体積当たりの粒
子濃度を計算することが出来る。
【0064】粒子検出手段として、レーザ光束をサンプ
ル流れに照射し、サンプル内の粒子からの光散乱を検出
する例の場合、幅広で細く集光したレーザ光束をサンプ
ル中の粒子がよぎると、光は散乱され、光検出器で受光
される。電気信号に変換された粒子検出パルス信号の大
きさは、粒子のサイズ情報を含むものである。特に、粒
子検出系を通過する時間は、粒子検出パルス信号に対応
する。この粒子検出パルス信号は、実際には粒子サイズ
にレーザ光束の粒子検出位置でのスポットサイズを加え
たものに対応する。
【0065】次に、別枠粒子解析処理について述べる。
【0066】正規粒子解析処理とは別に、撮像された静
止粒子画像に残存している未処理粒子について粒子解析
処理、具体的には分類識別処理を実行する。これらの未
処理粒子は、粒子検出系で検出されていない粒子が、撮
像された静止粒子画像に存在する粒子である。しかし、
これらの未処理粒子の中には重要な粒子が含まれている
ことがあり、その情報を捨ててしまうことは好ましくな
い。
【0067】未処理粒子のサンプル中での濃度、数量を
確定するには、単位体積当たりの個数、実際には、全画
像を処理した後の全画像に相当するサンプル体積当たり
の粒子数を計算し、さらに、全測定サンプル当たりに換
算し直すことで、サンプルに占める粒子数、粒子数比率
等が決められる。このように、画像処理したサンプルに
相当するサンプル体積を計算することが必要である。
【0068】測定終了時に、正規粒子解析処理と上記別
枠粒子解析処理との結果を組み合わせて、最終結果とす
る。別枠粒子解析結果の中には、本来正規粒子解析結果
に含まれるべき粒子が存在し、正規粒子解析結果に加え
る必要がある。正規粒子解析処理に入らないが例外的に
重要な粒子が含まれる場合にも、結果として報告する。
【0069】粒子サイズが小さくて粒子検出で検出する
にはノイズ信号と同一信号レベルであったり、粒子個数
が非常に多く解析画像が膨大になる場合には、粒子検出
レベルを高くし、解析する静止粒子画像数を減らす方式
がよい。
【0070】上述の一連の画像処理を測定サンプルにつ
いて行うことにより、サンプル中の各粒子種類ごとの存
在比率、粒子数を決定することができる。これらの値か
ら、測定サンプル中の単位体積当たりの粒子濃度、また
は顕微鏡視野換算の粒子数を知る。顕微鏡視野換算の粒
子数とは、適当な倍率の顕微鏡視野に存在する平均粒子
数で、予め顕微鏡視野に相当するサンプル体積を設定す
ることが必要である。
【0071】別枠粒子解析処理を実行する場合、測定精
度を保持するのに必要な画像処理されるサンプル体積が
必要である。しかし、粒子検出系で検出された粒子数が
少ない場合には、十分な静止粒子画像数を確保すること
ができず、結果として画像処理されるサンプルの体積が
十分取れないことがある。
【0072】別枠粒子解析処理は撮像された静止粒子画
像に基づいて行うため、もとの正規粒子解析処理対象粒
子がサンプル中に存在する割合が少ない場合には、画像
処理したサンプル体積をもとに別枠粒子解析処理の粒子
濃度を算定することから、誤差が多くなる危険性があ
る。これはサンプル中に粒子が余り存在しないためであ
り、解析精度に問題があるわけではない。
【0073】このように画像処理されるサンプルの体積
が十分取れない場合に別枠粒子解析を行うには、測定精
度が十分取れないことから、別枠粒子解析処理を中止す
るか、または別枠粒子解析処理を行っても測定精度が悪
いこと、データが信頼できないことをオペレータに知ら
せることが必要である。ただし、別枠粒子解析処理され
る粒子の中で、特に重要な粒子が存在する場合について
は測定精度に関係なく報告することが好ましい。
【0074】別枠粒子解析処理した全粒子数を計数し、
予め設定した粒子数以上に達しておれば、別枠識別処理
結果を有効と判断する。その粒子数に達していなけれ
ば、無効と判断するか、またはどの程度の測定精度かを
表示することにより測定結果の有効性を決定する。この
場合、個々の種類別の粒子数再現性を判断基準にしても
良いし、単に処理画像数を基準にとっても良いし、別枠
粒子解析処理のサンプル体積を基準に考えても良い。こ
れらの判断基準は、予め測定する前に設定することが望
ましい。さらに、別枠粒子解析処理における測定結果
が、上述した判断基準に満たない場合には、オペレータ
に知らせる手段が必要である。測定結果の後に、コメン
トを付けたり、記号を付けて表示するのが良い。
【0075】また、上述した別枠粒子解析処理における
危険性よりも、一個でも特定粒子が存在することにより
重要な情報をオペレータに提供する粒子に対しては、粒
子解析結果、具体的には分類結果をそのまま出力する。
このようにして、例外粒子に対して測定結果が得られな
いという問題を生じさせない。
【0076】また、上述した別枠粒子解析処理で処理し
た粒子の中に正規粒子解析処理対象粒子が存在する場
合、単位体積当たりの粒子濃度に計算した後、正規粒子
解析処理粒子に組み入れることにより、粒子の粒子解析
精度すなわち分類精度を改善する。この場合にも、上述
した別枠粒子解析処理における測定精度の危険性を考慮
して正規粒子解析結果に組み入れるため、組入れによっ
て測定精度の低下はない。
【0077】全ての粒子検出により撮像された画像につ
いて、正規粒子解析処理対象粒子を選別し、さらに別枠
粒子解析処理を実行することにより、粒子検出された全
粒子による分類個数、分類比率を知ることが出来る。
【0078】これまでの説明では、同一解析サンプルに
対して解析条件は一定として考えてきたが、実際のサン
プル解析においては、解析モードを変えて実施すること
がある。このような解析モードが複数個の場合にも、そ
れぞれの解析モードについて上述した正規粒子解析処
理、別枠粒子解析処理を行わせる。
【0079】例えば、ある種類の粒子について、第1の
解析モードでは別枠粒子解析対象粒子を、第2の解析モ
ードでは正規粒子解析対象粒子にするように解析を行え
ば、解析終了後、個々の解析モードの粒子解析結果すな
わち分類識別結果を総合して、1解析サンプル全体の粒
子解析結果として整理することにより解析精度の改善を
することが出来る。
【0080】また、測定条件が異なる場合や解析対象粒
子の範囲が異なる場合のように、異なる複数の測定モー
ドを有する場合には、それぞれに異なった粒子検出条
件、すなわち、粒子検出信号のパルスレベルやパルス幅
の所定の値を変更することが出来、結果として、粒子検
出条件を最適にすることが出来る。
【0081】さらに、異なる複数の測定モードにおい
て、異なる粒子検出条件に対応して、粒子解析部の対応
させる複数の所定粒子サイズの値を有し、かつ変更する
手段が備えられるならば、測定条件の多様性が増し、粒
子解析精度の改善を計ることが出来る。
【0082】粒子検出部を測定時間中に通過した全粒子
数計数値から、通過した全粒子数から予想される粒子解
析対象粒子数を計算することが出来るから、この値が、
画像処理された全粒子画像数と比較させる。比較結果と
して、計算で予想した粒子解析対象粒子数よりも実際の
画像処理した粒子数が多ければ問題がない。しかし、統
計的な変動や装置の不具合で、画像処理した粒子数が少
ない場合には、統計的な誤差なのか装置の不具合なのか
状態判定を行う。問題がなければ、通常の分類結果、分
類比率をもとに粒子数補正を行う。問題が有れば、粒子
数補正を中止し、問題がある旨、オペレータに知らせ
る。
【0083】同様のことを、測定時間中に粒子画像を撮
像したフレーム総数に関して行うことが出来る。粒子検
出部を測定時間中に通過した全粒子数計数値から、予想
される画像処理フレーム数を計算することが出来、この
値と実際に処理した画像フレーム数と比較することによ
り、装置の状態を知ることが出来る。画像フレーム数の
比較結果として、計算で予想したフレーム数の方が実際
の画像処理したフレーム数と極端に違うような場合には
粒子検出系、パルスランプ点灯系に問題が有ることが予
想される。しかし、統計的な変動の範囲で一致しておれ
ば、粒子検出系およびパルスランプ点灯系は正常に動作
していると考えられる。予想される画像フレーム数の計
算は、(1)式のNf・γで与えられ、これは測定条件で
異なる。
【0084】このように、粒子検出系の検出した全検出
粒子数をもとに、予想される画像処理される粒子画像数
や予想画像フレーム数と、実際の粒子画像数や画像フレ
ーム数と比較することにより、装置が正常に動作してい
るか、問題が生じているかを知ることが出来る。
【0085】本発明の他の特徴および利益は図面を参照
してなされる発明の実施形態の説明から明らかとなるで
あろう。
【0086】
【発明の実施の形態】図1において、100はフローセ
ル、101は画像撮像手段、102は粒子検出手段、1
03は粒子解析手段、1はフラッシュランプ、1aはフ
ラッシュランプ駆動回路、2はフィールドレンズ、3は
顕微鏡コンデンサレンズ、5は顕微鏡対物レンズ、6は
結像位置、7は投影レンズ、8はTVカメラ、11は視
野絞り、12は開口絞り、15は半導体レーザ、16は
コリメータレンズ、17はシリンドリカルレンズ、18
は反射鏡、19は微小反射鏡、20はビームスプリッ
タ、21は絞り、22は光検出回路、23はフラッシュ
ランプ点灯制御回路、24はAD変換器、25は画像メ
モリ、26は画像処理制御回路、27は特徴抽出回路、
28は識別回路、29は中央制御部、40は粒子数解析
部、50は表示部である。
【0087】図1の実施例に係るフロー式粒子画像解析
装置は、粒子を懸濁させたサンプル液が供給されるフロ
ーセル100と、フローセル100を流れるサンプル液
中の粒子を撮像する画像撮像手段101と、撮像される
べき粒子を検出する粒子検出手段102と、撮像された
粒子を解析する粒子解析手段103とを備えている。
【0088】フローセル100にはサンプル液110流
れと共にシース液111が供給され、サンプル液110
流れはシース液111に包まれる流れを形成する。そし
てサンプル液110流れは画像撮像手段101(後述)
の顕微鏡光軸9(後述)に対して垂直方向に偏平な断面
形状を有する安定した定常流、いわゆるシースフローと
なり、フローセル100の中心を紙面の上方から下方へ
向かって流下する。このサンプル液110流れの流速は
中央制御部29(後述)により制御される。
【0089】画像撮像手段101は顕微鏡としての機能
を有し、パルス光源であるフラッシュランプ1と、フラ
ッシュランプ1を発光させるフラッシュランプ駆動回路
1aと、フラッシュランプ1からのパルス光束を平行に
するフィールドレンズ2と、フィールドレンズ2からの
平行なパルス光束10をフローセル100内のサンプル
液110流れに集束させる顕微鏡コンデンサレンズ3
と、フローセル100内のサンプル液110流れに照射
されたパルス光束を集光し結像位置6に結像させる顕微
鏡対物レンズ5と、投影レンズ7を介して投影した結像
位置6の粒子像を、いわゆるインターレース方式により
取り込み電気信号である画像データ信号に変換するTV
カメラ8と、パルス光束10の幅を制限する視野絞り1
1および開口絞り12とを具備している。TVカメラ8
としては、残像の少ないCCDカメラ等が一般に用いら
れる。
【0090】前記粒子検出手段102は検出光としての
レーザ光を発する半導体レーザ15と、半導体レーザ1
5からのレーザ光を平行なレーザ光束14にするコリメ
ータレンズ16と、コリメータレンズ16からのレーザ
光束14の一方向のみを集束させるシリンドリカルレン
ズ17と、シリンドリカルレンズ17からのレーザ光束
14を反射させる反射鏡18と、顕微鏡コンデンサレン
ズ3とフローセル100との間に位置し、反射鏡18か
らのレーザ光束14をサンプル液110流れ上の画像取
り込み領域(撮像領域)の上流側近傍に導く微小反射鏡
19とから構成されている。
【0091】さらに、粒子によるレーザ光束14の散乱
光を集光する顕微鏡対物レンズ5(この顕微鏡対物レン
ズ5は画像撮像手段101の結像用の顕微鏡対物レンズ
5と共用される)と、顕微鏡対物レンズ5で集光された
散乱光を反射させるビームスプリッタ20と、ビームス
プリッタ20からの散乱光を絞り21を介して受光し、
その強度に基づく電気信号を出力する光検出回路22
と、光検出回路22からの電気信号に基づいてフラッシ
ュランプ駆動回路1aを作動させるフラッシュランプ発
光制御回路23とを具備している。
【0092】粒子解析手段103はTVカメラ8から転
送された画像データ信号をデジタル信号に変換するAD
変換器24と、AD変換器24からの信号に基づくデー
タを所定のアドレスに記憶する画像メモリ25と、前記
画像メモリにおけるデータの書き込みおよび読み出しの
制御を行う画像処理制御回路26と、画像メモリ25か
らの信号に基づき画像処理を行い粒子数や分類を行う特
徴抽出回路27と、識別回路28と、中央制御部29
と、サンプル液110中の粒子数を決定する粒子数解析
部40と、画像処理の結果である粒子数や分類を表示す
る表示部50とからなっている。
【0093】中央制御部29はTVカメラ8の撮影条件
やフローセル100のサンプル液流れの条件、画像処理
制御回路26の制御、識別回路28からの画像処理結果
の記憶、粒子数解析部40とのデータの授受、表示部5
0へのデ−タ表示等を行うように構成されている。
【0094】次に、図2を参照して、粒子数解析部40
の構成について説明する。図中、図1と同一符号は、同
等部分であるので、詳細な説明を省略する。
【0095】図2において、41はパルスレベル検出、
42はパルス幅検出、43は全粒子計数回路、44は画
像処理粒子数計算部、50は表示部、61は粒子画像サ
イズデータ部、62は粒子分類結果部、63は全画像数
計数部、64は解析条件設定部、65はサイズ並び変え
部、66は測定条件評価部、67は粒子分類結果対応
部、68は正規分類結果(正規粒子解析結果)処理部、
69は別枠分類結果(別枠粒子解析結果)処理部、70
は分類結果(粒子解析結果)集計部である。
【0096】図2において、粒子数解析部40を構成す
るパルスレベル検出回路41は光検出回路22からの所
定の信号レベル以上の粒子検出信号を検出する。また、
パルス幅検出回路42はパルスレベル検出回路41の出
力信号のうち所定のパルス幅以上の粒子検出信号を検出
するパルス幅検出回路である。全粒子計数回路43は、
所定の信号レベル以上あって、かつ、パルス幅が所定の
値以上の全解析時間中に検出された全検出粒子数を計数
する。さらに詳しく説明すれば、光検出回路22からの
粒子検出信号がパルスレベル検出回路41に導入される
と、そのうちの変更可能に設定されている所定レベル以
上の粒子検出信号がその粒子検出信号の所定レベルにお
ける幅に対応するパルス幅をもつパルスに変換される。
その変換されたパルスがパルス幅検出回路42に導入さ
れると、そのうちの変更可能に設定された所定パルス幅
以上のパルス幅をもつパルスが抽出され、その抽出され
たパルスが全粒子計数回路43で全検出粒子数として計
数される。なお、所定レベルおよび所定パルス幅の値の
設定は中央制御部29からの設定により行っても良い。
【0097】解析条件設定部64にはサンプル解析条件
を、全画像計数部63には全画像計数、すなわち、1画
像処理するごとに計数量が1増加させ、粒子分類結果部
62には粒子画像処理した粒子画像の粒子分類結果、粒
子画像サイズパラメータ部61には測定時間中に処理し
た各粒子の粒子サイズ特徴量であるパラメータ・データ
をそれぞれ中央制御部29よりセットする。また、粒子
サイズパラメータ部61では、粒子画像サイズが特に小
さく、最初から検出粒子と対応を取る必要の無い画像粒
子については、始めから別枠処理対象粒子とする処理も
行う。粒子サイズパラメータ部61のデータを基にし
て、画像粒子サイズの大小並べ換えをサイズ並び換え部
65で行う。
【0098】一方、全粒子計数回路43には、測定時間
内に粒子検出された全粒子数を計数しているから、この
値を基にして実際に測定時間内に画像処理される予想粒
子画像の総数を所定の数式を使って計算する。計算式
は、測定条件に左右されるが、測定条件設定部64にセ
ットされている測定条件を使用する。計算式の例が、
(1)式から(4)式に示されている。画像処理粒子数計算部
44では、測定時間にTVカメラが撮像したフレーム総
数の予想値も計算する機能を有する。
【0099】計算で求めた予想粒子画像の総数を基にし
て、サイズ並べ変え部65にある粒子画像サイズ並べ変
えデータのうち、大きい方から予想粒子画像の総数分を
粒子検出された粒子画像とみなし、正規粒子解析処理粒
子、具体的には正規分類粒子とする。この対応関係を取
った後、残りを別枠粒子解析処理粒子、具体的には別枠
分類粒子と考える。別枠分類粒子は、粒子検出系で粒子
検出されなかった粒子で、たまたま、TVカメラにて撮
像された画面に写っているサイズの小さな粒子である。
【0100】粒子分類結果対応部67の結果を基にし
て、粒子分類結果部62にセットされている粒子分類結
果を、正規識別処理の対象粒子と別枠識別処理の対象粒
子とに選別し、各々正規分類結果処理部68または別枠
分類結果処理部69にセットする。
【0101】最後に、全粒子数を計数する全粒子回路4
1、全処理画像数を計数する全画像数計数部63、解析
条件設定部64、正規分類結果部68および別枠分類結
果部69の粒子識別処理結果を基にして、分類結果集計
部70において最終処理結果がまとめられるようになっ
ている。その結果は、前記中央制御部29に伝送され、
必要に応じて前記表示部50に出力表示される。また、
測定条件評価部68では、測定条件、画像処理粒子数計
算部44での予想される粒子画像総数、画像フレーム総
数と、実際に画像処理した粒子画像数および画像フレー
ム数と比較して、粒子解析装置、特に、粒子検出系、パ
ルスランプ点灯制御系の不具合があるか、統計的な誤差
範囲で測定が正常に行われたかの判定をし、異常が有れ
ば分類結果集計部70をへて中央制御部29に知らされ
る。
【0102】上記構成のフロー式粒子画像解析方法とそ
れに用いられるフロー式粒子画像解析装置の働きを説明
する。
【0103】まず、画像撮像手段101と、粒子検出手
段102との動作を説明する。半導体レーザ15は、常
時連続的に発振しており、常にサンプル液110流れ中
の粒子が検出領域を通過するのを観測している。
【0104】前記半導体レーザ15からのレーザ光束1
4は、コリメータレンズ16において平行なレーザ光束
に変換され、シリンドリカルレンズ17において前記光
束14の1方向のみ集束される。
【0105】レーザ光束14は、反射鏡18および微小
反射鏡19で反射されフローセル100内のサンプル液
110流れ上に照射される。この照射位置は、シリンド
リカルレンズ17によってレーザ光束14が集束する粒
子検出位置であり、サンプル液110流れ上の画像取り
込み領域(撮像領域)の上流側近傍の位置である。
【0106】解析対象である粒子が上記レーザ光束14
を横切ると、このレーザ光束14は散乱される。
【0107】レーザ光束の散乱光は、ビームスプリッタ
20で反射され、光検出回路22において受光され、そ
の強度に基づく電気信号に変換される。
【0108】さらに、光検出回路22出力は、粒子数分
析部40に送られ、信号のうち所定のレベル、所定のパ
ルス幅以上のものを、検出粒子とみなし、結果をフラッ
シュランプ点灯制御回路23に伝える。
【0109】粒子検出がなされると、画像処理対象粒子
が通過したものとし、検出信号はフラッシュランプ発光
制御回路23に伝送される。
【0110】所定の遅延時間は、粒子検出位置と画像取
り込み領域との距離およびサンプル液110の流速等に
より決定される。
【0111】フラッシュ発光信号が前記フラッシュラン
プ駆動回路1aに伝送されると、フラッシュランプ駆動
回路1aはフラッシュランプ1を発光させる。フラッシ
ュランプ1より発せられたパルス光は顕微鏡光軸9上を
進み、フィールドレンズ2により平行光となり、顕微鏡
コンデンサレンズ3により集束されてフローセル100
内のサンプル液110流れ上に照射される。
【0112】なお、視野絞り11および開口絞り12に
よりパルス光束10の幅が制限される。
【0113】フローセル100内の前記サンプル液11
0流れに照射されたパルス光束は、顕微鏡対物レンズ5
で集光され、結像位置6に像を結像する。この結像位置
6の像は、投影レンズ7によりTVカメラ8の撮像面上
に投影され、インターレース方式により画像データ信号
に変換される。このようにして、サンプル液110内の
粒子の静止粒子画像が撮像されたことになる。
【0114】TVカメラ8における撮像条件は、中央制
御部29に予め設定されており、この撮像条件によって
TVカメラ8の撮像動作が制御される。
【0115】粒子解析手段103について説明する。
【0116】TVカメラ8により撮像され、インターレ
ース方式により変換される画像データ信号は、AD変換
器24でデジタル信号に変換され、これに基づくデータ
が、画像処理制御回路26に制御され、画像メモリ25
の所定のアドレスに記憶される。
【0117】画像メモリ25に記憶されたデータは、画
像処理制御回路26の制御により読み出され、特徴抽出
回路27および識別回路28に入力されて画像処理が行
われ、中央制御部29にその結果が記憶される。
【0118】前記中央制御部29に記憶される内容は、
粒子分類に用いられた粒子識別特徴パラメータと粒子分
類結果データとである。
【0119】粒子の分類識別処理は、通常行われている
パターン認識処理により自動的に行われる。この画像処
理結果と測定条件および画像処理された画像数情報が、
中央制御部29から粒子数解析部40に送られる。粒子
数解析部40においては、中央制御部29、光検出回路
22からの粒子検出信号および画像処理制御回路26か
らの制御信号をもとに、検出粒子と粒子分類結果との対
応関係を調べ、最終的な粒子画像の分類識別結果のまと
めが行われる。
【0120】次に、図2を参照して粒子数解析部40を
説明する。
【0121】全粒子計数回路43は、光検出回路22か
らの粒子検出信号をもとに、パルスレベル検出部41お
よびパルス幅検出部42を経て、検出粒子信号から所定
のサイズ以上の粒子を計数し、測定終了時には全検出粒
子数を得る。
【0122】測定条件設定部64に設定されるサンプル
解析条件のデータは、分類結果集計部70における処理
内容によって決められる。
【0123】基本的には、解析サンプル体積、解析時
間、一静止粒子画像相当のサンプル体積、顕微鏡一視野
相当のサンプル体積、解析モード等のデータが必要であ
るが、分類処理内容によっては上述したデータの中で省
略してもよい事項もある。
【0124】全画像計数部63では、一画像処理するご
とに計数量が1増加させ、解析終了時には解析時間内に
画像処理した全画像数が記憶されている。
【0125】画像処理した静止粒子画像の粒子分類結果
は、識別回路28および中央制御部29を経て粒子分類
結果部62にセットされる。同時に、その分類された各
粒子の分類識別に使用した特徴量の中で、粒子検出系の
検出原理に一番近い特徴量を粒子画像サイズパラメータ
61に画像処理した全粒子についてセットする。これ
は、検出系による粒子検出条件と対応づけるために必要
である。
【0126】次に、粒子画像サイズパラメータ部61で
は、サイズデータをもとにして、始めからサイズが小さ
くて検出粒子と見なすことが出来ない粒子については、
ここで別枠分類対象粒子とする。
【0127】画像サイズパラメータ部61に格納されて
いる粒子画像サイズデータを、サイズ並べ変え65にて
サイズの大きい順に並べ変えを実行する。粒子画像サイ
ズの大きい順に並べ変えた結果の内、大きい方から、先
に画像処理粒子数計算部44で計算した予想画像処理粒
子数分だけを正規の粒子検出された粒子とし、残りを別
枠分類対象粒子の対応とする処理を、粒子分類結果対応
部67にて行う。その結果はそれぞれ、正規分類結果処
理部68および別枠分類結果処理部69で集計される。
【0128】1つのサンプルの解析が終了すると、解析
サンプルに関する粒子検出レベル以上の全粒子数が全粒
子計数回路41、画像処理された全画像数が全画像数計
数部63、正規識別処理対象粒子が正規分類結果部68
に、さらに別枠識別処理対象粒子が別枠分類結果部69
に格納されていることになる。
【0129】最終的に、この正規分類結果処理部68お
よび別枠分類結果処理部69で集計結果を基にして、測
定条件設定部64の測定条件、全画像数計数部63の全
画像枚数データに関する情報を使って、分類結果集計部
70にて、粒子分類数、粒子濃度、顕微鏡視野換算粒子
数などの計算を行う。
【0130】分類結果集計部70にて最終結果として整
理され、その結果は中央制御部29に返され、必要に応
じて表示部50に出力表示される。
【0131】図3に示したフローチャートにより粒子解
析の順序を説明する。
【0132】ステップ1において、粒子サンプルの解析
が開始されると、始めに解析条件が解析条件設定部64
にセットされる。セットされる解析条件は、正規分類と
別枠分類との区分、解析時間、解析量、分類種類、解析
モード、サンプル測定条件等である。
【0133】測定が開始すると、ステップ2において、
次々に通過する粒子を粒子検出系で検出し、検出粒子の
数を計数していく。
【0134】ステップ3において、粒子検出されると、
TVカメラで粒子画像が撮影され、粒子ごとに特徴抽
出、パターン認識処理を行い、個々の粒子の分類処理を
行う。分類結果と粒子画像サイズパラメータは粒子分類
結果部62および粒子画像サイズパラメータ部65に格
納され、ステップ4に進む。
【0135】ステップ4において、粒子画像サイズパラ
メータ65に格納されたサイズ情報において、画像サイ
ズが小さく粒子検出系で検出された粒子でないと判断さ
れるかどうか判定する。サイズが小さければステップ5
にて始めから別枠粒子とする。ステップ6に進む。
【0136】ステップ6では、測定が終了したかどうか
の判定を行い、終了していなければステップ2に戻り、
測定終了まで繰り返し、測定終了でステップ7に進む。
【0137】ステップ7では、画像処理粒子数計算部4
4にて全検出粒子数から予想される粒子画像数を計算す
る。
【0138】予想される粒子画像数を計算する場合、
(1)式から計算する方法でもよいし、処理の簡単な(5)式
による、実際に画像処理した全画像数、すなわち、粒子
画像を撮像した全フレーム数Nfsを用いて粒子画像数
Nを決めてもよい。
【0139】次にステップ8に進む。
【0140】ステップ8では、検出対応の粒子画像サイ
ズパラメータに関し、サイズ並べ換え65でサイズの大
きい順に並べ換えを実行する。ステップ9に進む。
【0141】ステップ9では、粒子画像の並べ換えたサ
イズパラメータデータのうち、大きい方から予想計算粒
子画像数分を取り出し、取り出された粒子を正規分類処
理粒子とみなす。
【0142】ステップ10では、ステップ9で粒子検出
系で検出粒子と対応が取れなかった残り粒子を別枠分類
処理粒子とみなし、次のステップ11に進む。
【0143】ステップ11では、上述した一連の処理が
正常に行われたか、測定結果を基に測定条件評価部66
にて行う。予想粒子画像処理数が実際に処理した粒子画
像数と大小比較、または、予想される画像フレーム数と
実際の画像フレーム数の大小比較を実施する。統計的に
予想される誤差以上の差が生じている場合には、測定系
のどこかに不具合が生じていると考え、その要因解析を
してステップ12にて表示部50に結果を表示し、処理
は終了させる。
【0144】ステップ13においては、分類結果集計部
70においては、全粒子計数回路41により解析サンプ
ルに関する粒子検出レベル以上の全粒子数、全画像数計
数部63により画像処理された全画像数が設定され、ス
テップ14に進む。
【0145】ステップ14においては、正規識別処理対
象粒子の分類累計数が正規分類結果処理部68、別枠識
別処理対象粒子の分類累計数が別枠分類結果処理部69
にそれぞれ格納されているデータを読み出し、分類結果
集計部70にて正規識別処理・別枠識別処理の集計処理
を行い、解析サンプル中の粒子数を決定し、ステップ1
5に進む。
【0146】ステップ15においては、別枠識別処理を
した粒子数と画像処理したサンプル体積によって解析誤
差が大きくなること予想される場合があるので、別枠識
別処理結果のチェックを行い粒子数を決定し、ステップ
16に進む。
【0147】ステップ16においては、正規識別処理結
果および別枠識別処理結果の各粒子数から各粒子の存在
比率を計算する。次に、正規識別処理対象粒子に関して
は、全検出粒子数を前記存在比率に掛けることによりサ
ンプル中の検出粒子に関する存在個数を決定する。
【0148】次に、別枠識別処理結果については、まず
全処理画像数と1静止粒子画像相当サンプル体積より、
画像処理したサンプルの総体積を計算し、この中に各別
枠識別処理対象粒子の存在比率にもとずき、解析サンプ
ルの全体積の粒子数を決定する。
【0149】正規識別処理および別枠識別処理によるそ
れぞれの結果をもとに、両者に重複して存在する粒子に
ついては1つの粒子種類に整理し、また解析対象外粒子
は捨てられる。これらの解析結果を基にして、サンプル
中の粒子濃度計算、視野換算粒子数計算を行われ、ステ
ップ17に進む。
【0150】ステップ17においては、分析結果を出力
して処理を終了する。
【0151】複数の解析モードで、サンプルを解析する
場合には、各解析モードにおいて操作を実行し、最終段
階で各モードの解析データを総合し最終結果とする。こ
の場合、測定条件が異なる場合や解析対象粒子の範囲が
異なる場合のように、異なる複数の測定モードを有する
場合には、それぞれに異なった粒子検出条件、すなわ
ち、粒子検出信号のパルスレベルやパルス幅の所定の値
を変更する。
【0152】さらに、異なる複数の測定モードにおい
て、異なる粒子検出条件に対応して、粒子解析部の対応
させる複数の所定粒子サイズの値を有し、かつ変更する
手段を持たせることにより、測定条件の多様性が増し、
粒子解析精度の改善を計ることが出来る。
【0153】なお、異なる測定モ−ドは例えば次のよう
なものであって良い。
【0154】測定モ−ド1:測定対象粒子をサンプル中
の全粒子とする。
【0155】測定モ−ド2:測定対象粒子をサンプル中
の一定サイズより大きい粒子とする。
【0156】測定モ−ドはまた次のようなものであって
も良い。
【0157】測定モ−ド1:粒子サイズの小さなものを
測定対象とする。
【0158】測定モ−ド2:粒子サイズの大きなものを
測定対象とする。
【0159】静止粒子画像を撮影するためのフラッシュ
ランプ光による粒子検出信号の誤計数を防ぐ手段が必要
である。このためには、フラッシュランプ発光による影
響を取り除く手段がいる。方法としては、フラッシュラ
ンプ光が粒子検出器に到達しないように光学系を考える
か、電気的にフラッシュランプ信号を計数しないように
する。逆に、フラッシュランプ光も検出し、解析終了時
にランプ発光回数分差し引く方法で誤計数分を補正して
も差し支えない。これは、1画像粒子数および全粒子数
の計数結果に対して実施される。
【0160】本発明の一実施例に係るフロー式粒子画像
解析方法およびフロー式粒子画像解析装置は、液体中に
懸濁した生物サンプルや細胞、血液中の赤血球や白血球
などの血球成分、または尿中に存在する尿沈渣成分の分
類および分析に有効である。
【0161】特に、尿中の尿沈渣成分の粒子数の計数や
粒子の分類においては、サンプルごとに存在する粒子数
は数桁以上違う場合が有るため、粒子検出手段による検
出した粒子に対し画像処理することは、サンプル液中の
粒子数情報を知る上で効果的である。
【0162】しかし、尿沈渣成分では粒子の種類と大き
さが非常にバラエティに富み、粒子検出系の検出粒子と
静止粒子画像中の粒子との対応を正確に取ることが出来
ないが、本実施例により、正確な粒子計数、粒子分類、
粒子濃度を解析できる。
【0163】なお、上記実施例では、フローセル中を連
続して流れているサンプル液に含まれている粒子の静止
画像を撮像し、その画像解析を行う場合について述べた
が、顕微鏡下で連続して移動しているスライド標本の粒
子画像解析にも応用することが出来る。
【0164】また、粒子検出系の粒子検出として、半導
体レーザからのレーザ光束を検出光として用い、粒子で
散乱されたレーザ光束を利用する場合について述べた
が、これに限らず粒子からの蛍光や透過光を利用するこ
ともできるし、一次元イメージセンサにより粒子を検出
する方法や、粒子通過による電気抵抗変化により粒子を
検出する方法を利用することもできる。
【0165】さらに、粒子検出として、サンプル粒子が
粒子検出系を通過する時間、すなわち電気信号に変換さ
れた検出パルス信号のパルス幅を用いる場合には、粒子
の流れ方向のサイズ情報を反映させることができる。
【0166】レーザ光束をよぎる粒子通過時間を粒子検
出の基準と考える場合には、レーザ光束の広がりを考慮
して、粒子検出サイズを決めなければならない。レーザ
光束の広がりを差し引いた値を粒子検出パルス幅とさだ
めるか、または、画像処理した粒子サイズの値にレ−ザ
光束の広がりを考慮してサイズ比較を実施する必要があ
る。
【0167】なお、粒子検出系の粒子検出と撮像された
静止粒子画像とを対応させる場合は、粒子直径情報また
は射影情報が適切である。
【0168】これまでは画像取り込みにおいてTVカメ
ラ撮像方式としてインターレース走査について説明した
が、ノンインターレース走査方式でも発明の作用、効果
は変わらない。
【0169】以上説明した実施例によれば、粒子検出系
に変動要因があっても、それによる実質的な影響なしに
粒子解析を行うのに適したフロ−式粒子画像解析方法お
よび装置が提供される。また、検出粒子と静止粒子画像
中の粒子との対応をさせ、粒子検出系の検出粒子以外の
粒子が画像撮像系の静止粒子画像中に存在しても、サン
プル中の各種類の粒子個数、粒子存在比率、粒子密度、
濃度の情報を正しく知ることができ、解析精度の良好な
フロー式粒子画像解析方法および装置が提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフロー式粒子画像解析
装置の全体構成図。
【図2】図1の実施例における粒子数解析部の構成を示
すブロック図。
【図3】図2の粒子数解析部の処理内容を説明するフロ
チャート図。
【符号の説明】
1 フラッシュランプ 1a フラッシュランプ駆動回路 2 フィールドレンズ 3 顕微鏡コンデンサレンズ 5 顕微鏡対物レンズ 6 結像位置 7 投影レンズ 8 TVカメラ 11 視野絞り 12 開口絞り 14 微小反射鏡 15 半導体レーザ 17 コリメータレンズ 18 シリンドリカルレンズ 19 反射鏡 20 ビームスプリッタ 21 絞り 22 光検出回路 23 フラッシュランプ点灯制御回路 24 AD変換器 25 画像メモリ 26 画像処理制御回路 27 特徴抽出回路 28 識別回路 29 中央制御部 40 粒子数解析部 41 パルスレベル検出部 42 パルス幅検出部 43 全粒子計数部 44 画像処理粒子数計算部 50 表示部 61 粒子画像サイズパラメータ部 62 粒子分類結果部 63 全画像数計数部 64 測定条件設定部 65 サイズ並べ換え部 66 測定条件設定部 67 粒子分類結果対応部 68 正規分類結果処理部 69 別枠分類結果処理部 70 分類結果集計部 100 フローセル 101 画像撮像手段 102 粒子検出手段 103 粒子解析手段 110 サンプル液 111 シース液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 15/14 G01N 15/02 G01N 33/48 G01N 33/49 G01N 33/493

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次のステップを含むフロ−式粒子画像解析
    方法。 (1)液体サンプルをフロ−セルに流し、そのフロ−セル
    の予め定められた位置を測定時間中に通る前記液体サン
    プル中の粒子を検出しその数を計数すること、 (2)その計数された粒子数から統計学的に予想される粒
    子解析対象粒子数を算出すること、 (3)前記粒子検出に基づいて前記フロ−セルの撮像領域
    を通る粒子を撮像してその静止画像を得ること、 (4)その静止画像を処理してその画像中の粒子のサイズ
    デ−タを得ること、 (5)そのサイズデ−タに基づいて、前記処理した全静止
    画像中の粒子のうちの粒子サイズの大きい方の粒子を前
    記算出された粒子解析対象粒子数だけ選択し、その選択
    された粒子について粒子解析を行うこと このステップ(5)は、前記処理した全静止画像中の粒子
    のサイズデ−タを大きさ順に並べ変えた後実行するこ
    と。
  2. 【請求項2】 前記ステップ(1)〜(5)は同一の液体サンプ
    ルについて複数の測定モ−ドにおいて実行され、その
    後、全測定モ−ドにおける粒子解析結果が総合されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載されたフロー式粒子画像
    解析方法。
  3. 【請求項3】 液体サンプルをフロ−セルに流し、そのフ
    ロ−セルの予め定められた位置を測定時間中に通る前記
    液体サンプル中の粒子を検出しその数を計数する第1の
    手段と、その検出に基づいて前記フロ−セルの撮像領域
    を通る粒子を撮像してその静止画像を得る第2の手段
    と、前記計数された粒子数から統計学的に予想される粒
    子解析対象粒子数を算出すると共に、前記静止画像を処
    理してその画像中の粒子のサイズデ−タを得て、そのサ
    イズデ−タに基づいて、前記処理した全静止画像中の粒
    子のうちの粒子サイズの大きい方の粒子を前記算出され
    た粒子解析対象粒子数だけ選択し、その選択された粒子
    について粒子解析を行う第3の手段とを備えていること
    を特徴とするフロー式粒子画像解析装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の手段は前記予め定められた位置
    を通る粒子を光学的に検出して粒子検出信号を生成する
    手段と、その粒子検出信号のうちの所定レベル以上の粒
    子検出信号を、その粒子検出信号の前記所定レベルにお
    ける幅に対応するパルス幅をもつパルスに変換し、そし
    てその変換されたパルスのうちのパルス幅が所定パルス
    幅以上のパルスを計数する手段とを含み、その所定幅以
    上のパルス幅をもつパルスを計数することによって前記
    検出粒子の計数を行うことを特徴とする請求項3に記載
    されたフロー式粒子画像解析装置。
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