JP3165272B2 - フロー式粒子画像解析方法及びフロー式粒子画像解析装置 - Google Patents

フロー式粒子画像解析方法及びフロー式粒子画像解析装置

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JP3165272B2 JP00834393A JP834393A JP3165272B2 JP 3165272 B2 JP3165272 B2 JP 3165272B2 JP 00834393 A JP00834393 A JP 00834393A JP 834393 A JP834393 A JP 834393A JP 3165272 B2 JP3165272 B2 JP 3165272B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流れているサンプル液
中に懸濁した粒子の画像を撮像し、粒子を分析するフロ
ー式粒子画像解析装置及びフロー式粒子画像解析方法に
係わり、特に血液中や尿中の細胞や粒子を分析するのに
適したフロー式粒子画像解析方法及びフロー式粒子画像
解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、血液や尿等のサンプル液中の細胞
や粒子の分類及び分析は、スライドガラス上に標本を作
成し顕微鏡で観察することにより行われてきた。サンプ
ル液が尿の場合には、含まれる粒子の濃度が薄いため、
サンプル液を予め遠心分離器で遠心分離してから観察し
ていた。そして、これらの観察や検査の作業を自動化す
るために、サンプル液をスライドガラス上に塗沫し顕微
鏡にセットした後、顕微鏡ステージを自動的に走査して
粒子の存在する位置で粒子の静止画像を撮像し、特徴抽
出やパターン認識手法を用いた画像処理技術によりサン
プル液中にある粒子の分類や分析等を行う装置が開発さ
れた。
【0003】しかし、上記装置では標本作成に時間がか
かり、また顕微鏡ステージを機械的に移動させながら粒
子を見つけ、顕微鏡視野において粒子を適当な画像取り
込み領域へ移動させる作業が必要である。そのため、分
類や分析のために長時間を要したり、機械的機構が複雑
になるという問題点があった。
【0004】これに対し、上記のような塗沫標本を作成
せず、被検粒子をサンプル液体中に懸濁させたまま連続
的にフローセル中に流し、光学的に分析するフローサイ
トメータによる方法が知られている。フローサイトメー
タによる方法は、サンプル液中の各粒子からの蛍光強度
や散乱光強度を観測するものであり、毎秒数1000個
の処理能力を持っている。しかし、粒子の形態学的特徴
を反映する情報を得ることはむずかしく、従来からの形
態学的特徴による粒子の分類ができない。
【0005】また、連続的に流れているサンプル液中の
粒子の静止画像を撮像し、個々の粒子の静止画像から粒
子を分類及び分析する試みとして、特公昭57−500
995号公報や、特開昭63−94156号公報に記載
のような技術が知られている。
【0006】特公昭57−500995号公報において
は、幅広の撮像領域を有する特殊な形状の流路にサンプ
ル液を流し、パルス光源(以下、フラッシュランプとい
う)を発光させてサンプル液中の粒子の静止画像を撮像
し、その静止画像を用い粒子の分類や分析を行う方法が
示されている。また、上記フラッシュランプはCCDカ
メラの動作に同期して周期的に発光し、顕微鏡を用いて
サンプル粒子の拡大画像がCCDTVカメラ上に投影さ
れる。このフラッシュランプの発光時間は短く、さらに
CCDTVカメラは毎秒30枚の静止画像を撮影するこ
とが出来るので、粒子が連続的に流れていてもその静止
画像を得ることができる。
【0007】特開昭63−94156号公報において
は、画像取り込み領域よりも上流位置に、静止画像撮像
用の光学系とは別の粒子検出用光学系を有している。ま
た、サンプル液は、焦点深度の影響を低減するために、
静止画像撮像光学系の光軸に対して垂直方向に偏平な断
面形状になるようにフローセルと呼ばれるガラス等で形
成された流路中に流される。そして、予め粒子検出用光
学系において粒子によるレーザ光の散乱光を検出するこ
とで粒子の通過を検出し、その粒子が画像取り込み領域
に丁度達した時にCCDカメラで撮像されるように、粒
子の検出時よりある所定の遅延時間後にフラッシュラン
プを点灯させる。この方法では、フラッシュランプの発
光を周期的に行わずに、粒子検出用光学系で粒子の通過
が検出された時だけタイミングを合わせて静止画像を撮
像するので、効率的に粒子の静止画像を撮像することが
でき、濃度が薄いサンプル液中の粒子の分類や分析の場
合でも粒子の写っていない無意味な画像を撮像すること
はない。
【0008】ところで、上述のような連続して流れてい
る粒子の静止画像をCCDカメラで撮像し、これを画像
処理してサンプル液中に含まれている複数種類の粒子を
分類したりその数を計数したりするには、次に述べるよ
うな問題点が存在する。即ち、粒子検出系で粒子検出し
た時点から粒子画像をCCDカメラ等のTVカメラで撮
像し粒子の濃淡画像に比例する電荷信号に変換し、映像
信号として取り出す(転送する)ためには有限の時間が
かかる。この時間中は画像転送の作業が続いているが、
その間撮像した画像を乱さないようにフラッシュランプ
が点灯しないようになっており、この転送作業が終わる
までは次の粒子が新たに通過しても撮像を行うことがで
きずその情報は捨ててしまわなければならない。このよ
うに、画像を撮像できない不動時間(以下、デッドタイ
ムという)が存在し、このデッドタイム中に通過した粒
子は撮像されず画像処理できないことになる。濃度の薄
いサンプル液では画像取り込み領域に続いて到着する粒
子がこのデッドタイム中に到着する確率が小さいため上
記のようなことは起こりにくいが、粒子濃度の濃いサン
プル液では、測定時間の大部分がデッドタイムで占めら
れてしまうような事態も発生し、画像処理した粒子数か
らサンプル液中に含まれる複数種類の粒子の数を正確に
知ることは困難である。
【0009】このような問題点に対し、特開平4−72
544号公報に記載の装置においては、通過する粒子数
を計数するカウンタが粒子検出用光学系に設けられてお
り、このカウンタの計数値と画像処理により得られた各
種類の粒子の存在比率とにより、サンプル液中の複数種
類の粒子数が求められる。また、この各々の種類の粒子
数によりサンプル液中の複数種類の粒子濃度を知ること
ができる。
【0010】尚、粒子の静止画像を撮像しない通常のフ
ローサイトメータや粒子解析装置において、粒子の通過
を検出するための手段を別に設けた例としては、特開昭
60−260830号公報、特開昭63−231244
号公報、及び特開平1−245131号公報等に記載の
ようなものが知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、特公昭
57−500995号公報や特開昭63−94156号
公報に記載の技術ではデッドタイムの存在により、粒子
濃度が低い場合から高い場合まで広い範囲にわたって正
確かつ高精度に複数種類の粒子数や粒子濃度を求めるこ
とが困難であると言う問題点がある。
【0012】この問題点に対し、特開平4−72544
号公報に記載の装置によれば粒子濃度の広い範囲にわた
ってサンプル液中の各々の種類の粒子数を知ることがで
きる。この場合には、粒子検出用のカウンタで検出しよ
うとする粒子数の種類別分布と、撮像された静止画像か
ら画像処理された粒子数の種類別分布とが一致すること
が仮定されているが、両者は測定手法が異なるため種類
別分布が一致しないことが多く、例えば、粒子検出用の
カウンタではノイズ信号やサイズが一定でない染色カス
やごみなどの不要粒子をも誤動作により検出し計数して
しまうが、画像処理によればこのような不要粒子は測定
対象外と見なされる。従って、この装置では、上記カウ
ンタの計数結果を基準に各々の種類の粒子数を正確に決
定できないという問題点がある。
【0013】また、上記カウンタによって通過する全粒
子を計数したとしても、粒子数の種類別分布の精度は画
像処理による粒子数の精度に依存することになる。従っ
て、通過する全粒子をカウンタで計数しても各々の種類
の粒子数の計数精度や分類精度は良くならない。結局、
通過する全粒子をカウンタで計数しても測定精度は改善
されない。尚、サンプル液中に1種類の粒子しか存在し
ない場合には、画像処理して粒子数の種類別分布を測定
する必要がないことは言うまでもなく、静止画像を撮像
する構成自体が不要となる。
【0014】上記従来技術の問題点を解決するため、本
出願人は、粒子濃度が低い場合から高い場合まで広い範
囲にわたって正確かつ高精度に複数種類の粒子数や粒子
濃度を求めることができる粒子分析装置を先に提案し出
願した(特願平4−300808号;出願日 平成4年
11月11日)。この先願発明においては、フローセル
上の画像取り込み領域の上流側の近接した位置に粒子検
出用のレーザ光束を照射し、フローセル中を流れるサン
プル液中の粒子による上記レーザ光の散乱光を顕微鏡対
物レンズで集光し検出することにより粒子の通過を検出
し、そしてその粒子が画像取り込み領域に達した時にフ
ラッシュランプを発光させてCCDカメラにより静止画
像を撮像し、その画像に基づき画像処理を行う。そし
て、サンプル液中の各々の種類の粒子数や粒子濃度を以
下のようにして解析する。即ち、画像処理した全粒子数
から濃度補正器を使ってサンプル液中の粒子数を求め、
粒子検出系で検出した全粒子数の計数値を基に画像処理
した粒子数の種類別比率からサンプル液中の粒子濃度を
求め、粒子検出系での検出信号波形を複数の信号クラス
に判別することによって大まかに粒子をクラス分けを行
い、その後画像処理により正しく粒子を分類する。これ
によって全粒子数、及びどの種類の粒子がどのような割
合で存在しているかを推定する。
【0015】しかし、上記先願発明においては、以下の
ようなさらに改善すべき点があることがわかった。即
ち、粒子数を求めるための式が非線形な複雑な形をして
いるため、解析的に計算することができず、直接画像処
理した粒子数から測定サンプル液中の全粒子数を求める
には、予めカウンタで計数した補正に必要な全粒子数と
撮像及び画像処理した粒子数との関係を計算し、濃度補
正器にそれらの関係、即ち換算テーブルを作り記憶して
おく必要がある。しかし、測定対象サンプル液によって
は、粒子濃度の測定レンジが4〜5桁以上もあるものが
存在し、このような場合には、非常に大きな換算テーブ
ルが必要になり手間と時間を要する。しかも、サンプル
液の流れの条件、染色液の存否、測定時間やその他の測
定条件が変わると、そのたびにこの換算テーブルを書き
換えなければならない。
【0016】尚、上記のような換算テーブルを作らない
方法として、ニュートン法等の方程式の数値解法を利用
する方法もあるが、これは解が収束するまで繰り返し計
算することが必要となる。
【0017】本発明の第1の目的は、粒子濃度が低い場
合から高い場合まで広い範囲にわたって正確かつ高精度
に複数種類の粒子の数や粒子濃度を求めることができる
フロー式粒子画像解析方法及びフロー式粒子画像解析装
置を提供することである。
【0018】本発明の第2の目的は、サンプル液中の粒
子の数や粒子濃度を容易に求めることができ、それらの
種類別分布を正確に求めることができるフロー式粒子画
像解析方法及びフロー式粒子画像解析装置を提供するこ
とである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するため、本発明によれば、粒子を懸濁させたサ
ンプル液をフローセルに流し、前記フローセル中の画像
取り込み領域を前記粒子が通過することを検出し、その
検出に基づいてパルス光源よりパルス光を発光させて前
記フローセルに照射し、前記フローセル中の通過粒子の
静止画像をインターレース方式により取り込み、得られ
た静止画像を画像処理し該サンプル液中の粒子の分析を
行うフロー式粒子画像解析方法において、画像処理され
た全粒子数をNg、1つ前の粒子検出による撮像が終了
した時点から次の粒子検出による撮像が終了する時点ま
での時間の平均値を<Tread>、画像の取り込みのため
に前記パルス光の発光が阻止される不動時間の平均値を
<Tdead>として、
【0020】
【数9】
【0021】によりサンプル液中の全粒子数Nmを求め
ることを特徴とするフロー式粒子画像解析方法が提供さ
れる。
【0022】ここで好ましくは、画像処理された画像数
をng、全測定に要した時間をTmとして、
【0023】
【数10】
【0024】により前記<Tread>を求める。
【0025】また、好ましくは、画像処理された画像数
をng、全測定に要した時間をTm、前記インターレース
方式におけるフレーム時間をTfとして、
【0026】
【数11】
【0027】により粒子検出までの平均のフィールド数
<n>を求め、前記<n>及び前記Tfから、ポアソン
プロセスによる統計事象に基づく第1の式
【0028】
【数12】
【0029】により1つの粒子が通過してから次の粒子
が通過するまでの平均時間T0を求め、前記T0、前記T
f、及び前記<n>から、ポアソンプロセスによる統計
事象に基づく第2の式
【0030】
【数13】
【0031】により、n番目のフィールド信号が出てか
ら前記パルス光が発光するまでの時間の平均<t>を求
め、前記Tf中に画像取り込み領域を流れるサンプル液
の体積と実際に撮像した部分のサンプル液の体積との比
をkとして、前記<t>及び前記Tfから、
【0032】
【数14】
【0033】により、前記<Tdead>を求める。
【0034】また、上記第1及び第2の目的を達成する
ため、本発明によれば、上記のようなフロー式粒子画像
解析方法において、画像処理された画像数をng、全測
定に要した時間をTm、前記インターレース方式におけ
るフレーム時間をTfとして、
【0035】
【数15】
【0036】により粒子検出までの平均のフィールド数
<n>を求め、前記Tf中に画像取り込み領域を流れる
サンプル液の体積と実際に撮像した部分のサンプル液の
体積との比をk、画像処理された全粒子数をNg、前記
m中の全フレーム数をnfとして、前記<n>から、
【0037】
【数16】
【0038】によりサンプル液中の全粒子数Nmを求め
ることを特徴とするフロー式粒子画像解析方法が提供さ
れる。
【0039】ここで好ましくは、前記nfにTm/Tf
代入し、nfの代わりにTfを用いてサンプル液中の全粒
子数Nmを求める。
【0040】また、好ましくは、前記全粒子数、サンプ
ル液の全体積、及び1画像当たりのサンプル液の体積に
より、全粒子濃度及び1画像当たりの体積に含まれる粒
子数を求め、さらに粒子の種類別の存在比率により、サ
ンプル液中に存在する複数種類の粒子の各粒子数、及び
複数種類の粒子の各粒子濃度を求める。
【0041】また、上記第1及び第2の目的を達成する
ため、本発明によれば、粒子を懸濁させたサンプル液が
供給されるフローセルと、前記フローセル中の画像取り
込み領域を前記粒子が通過することを検出する粒子検出
手段と、前記粒子検出手段による検出に基づいてパルス
光束を前記フローセルに照射するパルス光源を有し前記
パルス光束に基づく通過粒子の静止画像をインターレー
ス方式により取り込む画像撮像手段と、得られた静止画
像を画像処理し該サンプル液中の粒子の分析を行う粒子
分析手段とを備えるフロー式粒子画像解析装置におい
て、前記粒子分析手段が、画像処理された画像数ng
計数する処理画像計数部と、画像処理された全粒子数N
gを計数する画像処理粒子数計数部と、全測定に要した
時間Tm、前記Tm中の全フレーム数nf、及び前記イン
ターレース方式におけるフレーム時間中に画像取り込み
領域を流れるサンプル液の体積と実際に撮像した部分の
サンプル液の体積との比kを記憶する測定条件データ部
と、前記ng、前記Ng、前記Tm、前記nf、及び前記k
を入力しサンプル液中の全粒子数Nmを求める粒子数計
算回路とを有することを特徴とするフロー式粒子画像解
析装置が提供される。
【0042】また、上記第1及び第2の目的を達成する
ため、本発明によれば、上記のようなフロー式粒子画像
解析装置において、前記粒子分析手段が、画像処理され
た画像数ngを計数する処理画像計数部と、画像処理さ
れた全粒子数Ngを計数する画像処理粒子数計数部と、
全測定に要した時間Tm、前記インターレース方式にお
けるフレーム時間Tf、及び前記Tf中に画像取り込み領
域を流れるサンプル液の体積と実際に撮像した部分のサ
ンプル液の体積との比kを記憶する測定条件データ部
と、前記ng、前記Ng、前記Tm、前記Tf、及び前記k
を入力しサンプル液中の全粒子数Nmを求める粒子数計
算回路とを有することを特徴とするフロー式粒子画像解
析装置が提供される。
【0043】ここで好ましくは、前記パルス光源は、前
記インターレース方式におけるフレーム時間の1/2以
下の周期でパルス光束を発生させる能力を有する。
【0044】また、好ましくは、前記粒子分析手段は、
前記インターレース方式の画像撮像手段における偶数フ
ィールドから転送された画像データと奇数フィールドか
ら転送された画像データとをそれぞれ所定のアドレスに
記憶させる画像メモリをさらに有する。
【0045】また、好ましくは、前記全粒子数、サンプ
ル液の全体積、1画像当たりのサンプル液の体積、及び
粒子の種類別の存在比率により、全粒子濃度、1画像当
たりの体積に含まれる粒子数、サンプル液中に存在する
複数種類の粒子の各粒子数、及び複数種類の粒子の各粒
子濃度を求める粒子濃度計算手段をさらに備える。
【0046】また、好ましくは、前記サンプル液中の粒
子は生物細胞、または血液中に存在する血球成分であ
る。
【0047】また、好ましくは、前記サンプル液は尿ま
たは尿中に存在する尿沈渣成分である。
【0048】
【作用】上記のように構成した本発明のフロー式粒子画
像解析方法においては、まず、フローセル中を流れるサ
ンプル液中を被検粒子が通過したことが画像取り込み領
域に来る前に検出される。粒子通過が検出されると、こ
の検出に基づいてパルス光源よりパルス光がフローセル
に照射され、該サンプル液中の分析粒子が丁度画像取り
込み領域に来た時にフローセル中の通過粒子の静止画像
がインターレース方式による画像取り込み方法によって
取り込まれ、得られた静止画像が画像処理されその後の
分析が行われる。
【0049】そして、上記画像処理された全粒子数Ng
と、インターレース方式における1つ前の粒子検出によ
る撮像が終了した時点から次の粒子検出による撮像が終
了する時点までの時間の平均値<Tread>と、インター
レース方式における画像の取り込みのために前記パルス
光の発光が阻止される不動時間の平均値<Tdead>とか
ら、
【0050】
【数17】
【0051】によりサンプル液中の全粒子数Nmが求め
られる。即ち、<Tread>および<Tdead>の値が間接
的な方法によってでも測定条件により独立に求められれ
ば、NgとNmに関して一次式である(1)式を用いて計
算することにより、換算テーブルを作ることなく未知で
あるサンプル液中の全粒子数Nmを容易に求めることが
可能となる。
【0052】上記<Tread>の値は、画像処理された画
像数ng及び全測定に要した時間Tmから、
【0053】
【数18】
【0054】によって求められる。このうち、ngは実
際に画像処理した画像の数その物であり、Tmは予め設
定すべきインターレース方式の測定条件の1つであるか
ら容易に知ることが可能である。従って、<Tread>の
値は簡単に求まる。
【0055】また、上記<Tdead>の値は、次のように
して求められる。即ち、まず、上記ng及びTm、さらに
インターレース方式におけるフレーム時間Tfとから、
【0056】
【数19】
【0057】により粒子検出までの平均のフィールド数
<n>を求める。次に、この<n>及び上記Tfから、
ポアソンプロセスによる統計事象に基づく第1の式
【0058】
【数20】
【0059】により1つの粒子が通過してから次の粒子
が通過するまでの平均時間T0を求める。次に、このT0
と、上記Tf及び<n>とから、ポアソンプロセスによ
る統計事象に基づく第2の式
【0060】
【数21】
【0061】により、n番目のフィールド信号が出てか
らパルス光が発光するまでの時間の平均<t>を求め
る。次に、この<t>と、上記Tf中に画像取り込み領
域を流れるサンプル液の体積と実際に撮像した部分のサ
ンプル液の体積との比kと、上記Tfとから、
【0062】
【数22】
【0063】により、<Tdead>を求める。ここで用い
た値のうち、ng及びTmは前述のように容易に知ること
が可能であり、Tfは予め設定すべきインターレース方
式の測定条件の1つであるから容易に知ることが可能で
あり、kもサンプル液をフローセル中に流す条件とイン
ターレース方式の測定条件とから容易に知ることが可能
である。従って、<Tdead>の値は簡単に求まる。
【0064】また、画像処理された画像数ng、全測定
に要した時間Tm、及びインターレース方式におけるフ
レーム時間をTfから、
【0065】
【数23】
【0066】により粒子検出までの平均のフィールド数
<n>を求め、この<n>とTm中の全フレーム数nf
上記k及びNgとから、
【0067】
【数24】
【0068】によりサンプル液中の全粒子数Nmが求め
られる。この(8)式はNgとNmに関して簡単な一次式
であり、さらにこの式に含まれる値のうち、ngは実際
に画像処理した画像の数その物であり、Tm及びTfは予
め設定すべきインターレース方式の測定条件であり、k
はサンプル液をフローセル中に流す条件とインターレー
ス方式の測定条件とから決まる定数であるから、それぞ
れの値は容易に知ることが可能である。従って、(8)
式を用いて計算することにより、換算テーブルを作るこ
となく未知であるサンプル液中の全粒子数Nmを容易に
求めることが可能となる。
【0069】また、上記nfにTm/Tfを代入し、nf
代わりにTfを用いてサンプル液中の全粒子数Nmを求め
ても同様の結果となる。
【0070】このように、簡単な一次式を解くだけでサ
ンプル液中の全粒子数Nmが容易にわかり、換算テーブ
ルを作る必要がないことにより、例えば粒子濃度の測定
レンジが4〜5桁以上もある測定対象サンプル液に対し
ても正しい粒子数が容易に求まり、粒子濃度が低い場合
から高い場合まで広い範囲にわたって正確かつ高精度に
複数種類の粒子数や粒子濃度を求めることが可能とな
る。また、サンプル液の流れの条件、染色液の存否、測
定時間やその他の測定条件が変わったとしても、そのた
びに換算テーブルを書き換える必要もなく、計算に必要
な値を変更するだけでNmを決定することができる。
【0071】また、上記のようにして求めた全粒子数と
予めわかっているサンプル液の全体積、及び1画像(顕
微鏡1視野)当たりのサンプル液の体積とにより、単位
体積当たりの全粒子数、即ち全粒子濃度、及び1画像当
たりの体積に含まれる粒子数が求められる。さらに、粒
子の種類別の存在比率を基にして、サンプル液中に存在
する複数種類の粒子の粒子数、及び複数種類の粒子の各
粒子濃度が求められる。
【0072】また、前述のように構成した本発明のフロ
ー式粒子画像解析装置の粒子分析手段においては、処理
画像計数部で画像処理された画像数ngが計数され、画
像処理粒子数計数部で画像処理された全粒子数Ngが計
数される。また、測定条件データ部には、全測定に要し
た時間Tm、このTm中の全フレーム数nf、及び上記Tf
中に画像取り込み領域を流れるサンプル液の体積と実際
に撮像した部分のサンプル液の体積との比kが記憶され
る。そして上記ng,Ng,Tm,nf,kが粒子数計算回
路に入力され、これらを用いてサンプル液中の全粒子数
mが求められる。
【0073】また、上記nfの代わりにインターレース
方式におけるフレーム時間Tfを測定条件データ部に記
憶し、これを粒子数計算回路に入力し、nfの代わりに
fを用いて全粒子数Nmを求めても同様の結果となる。
この時、前述のようにnfがTm/Tfで表されることを
利用する。
【0074】また、本発明ではインターレース方式を採
用していることから、1回パルス光束が発生すると、そ
れによる2フィールド分の画像を乱さないようにするた
めこれら2フィールド分の画像転送が終了するまでは次
のパルス光束の発生を阻止する必要がある。このため1
回のパルス光束発生から次のパルス光束発生までの最小
の時間は1フィールド時間、即ちフレーム時間の1/2
となる。本発明のパルス光源は、上記最小の時間である
フレーム時間の1/2以下の周期でパルス光束を発生さ
せる能力を有することにより、1フレーム毎に1枚の粒
子の画像を撮像する必要があるときでも、1フレーム当
たり1回のパルス光束を発生させてこれに対応させるこ
とが可能となる。
【0075】また、インターレース方式における偶数フ
ィールドからの画像データと奇数フィールドからの画像
データとを予め画像メモリの所定のアドレスに記憶させ
ることにより、粒子検出のタイミングとの関係で画像取
り込みがどちらのフィールドから始まってもその後の画
像処理がそれに対応して行われ、各フィールドの画像デ
ータが入れ替わって画像が乱れることがない。
【0076】また、粒子濃度計算手段においては、上記
のようにして求めた全粒子数と、サンプル液の全体積、
1画像当たりのサンプル液の体積、及び粒子の種類別の
存在比率により、全粒子濃度、1画像当たりの体積に含
まれる粒子数、サンプル液中に存在する複数種類の粒子
の各粒子数、及び複数種類の粒子の各粒子濃度が求めら
れる。
【0077】
【実施例】本発明によるフロー式粒子画像解析方法及び
フロー式粒子画像解析装置の一実施例について、図1か
ら図3を参照しながら説明する。まず、図1に示す全体
構成図により本実施例のフロー式粒子画像解析装置の構
成を説明する。図1に示すように、本実施例のフロー式
粒子画像解析装置は、粒子を懸濁させたサンプル液が供
給されるフローセル100、画像撮像手段101、粒子
分析手段102、及び粒子検出手段103を備える。
【0078】画像撮像手段101は顕微鏡としての機能
を持ち、パルス光源であるフラッシュランプ1、フラッ
シュランプ1を発光させるフラッシュランプ駆動回路1
a、フラッシュランプ1からのパルス光束を平行にする
フィールドレンズ2、フィールドレンズ2からの平行な
パルス光束10をフローセル100内のサンプル液流れ
110に集束させる顕微鏡コンデンサレンズ3、フロー
セル100内のサンプル液流れ110に照射されたパル
ス光束を集光し結像位置6に結像させる顕微鏡対物レン
ズ5、投影レンズ7を介して投影した結像位置6の像を
インターレース方式により取り込み電気信号である画像
データ信号に変換するTVカメラ8、パルス光束10の
幅を制限する視野絞り11及び開口絞り12を有する。
上記TVカメラ8としては、残像の少ないCCDカメラ
等が一般に用いられる。
【0079】粒子分析手段102は、TVカメラ8から
転送された画像データ信号をデジタル信号に変換するA
D変換器24、AD変換器24からの信号に基づくデー
タを所定のアドレスに記憶する画像メモリ25、画像メ
モリ25におけるデータの書き込み及び読み出しの制御
を行う画像処理制御回路26、画像メモリ25からの信
号に基づき画像処理を行い粒子数や粒子の分類等の分析
を行う特徴抽出回路27及び識別回路28、サンプル液
中の粒子数の計算を行う粒子数計算部40、TVカメラ
8の撮像条件やフローセル100中のサンプル液流れの
条件の設定、画像処理制御回路26の制御、識別回路2
8からの画像処理結果の記憶、粒子数計算部40とのデ
ータの授受、及び表示部50への表示等を行う中央制御
部29を有する。
【0080】粒子検出手段103は、検出光としてのレ
ーザ光を発する検出光源である半導体レーザ15、半導
体レーザ15からのレーザ光を平行なレーザ光束14に
するコリメータレンズ16、コリメータレンズ16から
のレーザ光束の1方向のみ集束させるシリンドリカルレ
ンズ17、シリンドリカルレンズ17からの光束を反射
させる反射鏡18、顕微鏡コンデンサレンズ3とフロー
セル101の間に設けられ反射鏡19からのレーザ光束
をサンプル液流れ110上の画像取り込み領域の上流側
の近接した位置に導く微小反射鏡19、粒子による上記
レーザ光束の散乱光を集光する顕微鏡対物レンズ5、顕
微鏡対物レンズ5で集光された散乱光を反射させるビー
ムスプリッタ20、ビームスプリッタ20からの散乱光
を絞り21を介して受光しその強度に基づく電気信号を
出力する光検出器22、光検出器22からの電気信号に
基づいてフラッシュランプ駆動回路1aを制御するフラ
ッシュランプ点灯制御回路23を有する。尚、顕微鏡対
物レンズ5は画像撮像手段101と共用される。
【0081】また、フローセル100には、サンプル液
と共にシース液が供給され、サンプル液がシース液に包
まれる流れを形成する。そしてサンプル液流れ110は
画像撮像手段101の光軸(顕微鏡光軸)9に対して垂
直方向に偏平な断面形状を有する安定した定常流(シー
スフロー)となり、フローセル100の中心を紙面の下
方へ向かって送られる。このサンプル液流れ110の流
速は中央制御部29において設定された条件に従って制
御される。
【0082】次に、図2により粒子数計算部40の構成
について説明する。粒子数計算部40は、処理画像計数
部41、測定条件データ部42、画像処理粒子数計数部
43、粒子数計算回路44により構成されており、画像
処理制御回路26からの画像処理された画像数を計数
し、特徴抽出回路27及び識別回路で28画像処理され
た粒子数情報を中央制御部29から入力して計数し、さ
らに中央制御部29からインターレース方式の撮像条件
を含めた測定条件データを入力し、これらの値を用いて
測定時間中にサンプル液中に存在する全粒子数の計算を
実行し、その計算結果を再び中央制御部29に送る部分
である。
【0083】図1に戻り、上記構成を有するフロー式粒
子画像解析装置の基本的な動作を説明する。半導体レー
ザ15は常時連続的に発振しており、常にサンプル中の
粒子が検出領域を通過するのを観測している。半導体レ
ーザ15からのレーザ光束は、コリメータレンズ16で
平行なレーザ光束14に変換され、シリンドリカルレン
ズ17で光束の1方向のみ集束させる。このレーザ光束
は反射鏡18および微小反射鏡19で反射されフローセ
ル4内のサンプル液流れ110上に照射される。この照
射位置はシリンドリカルレンズ17によってレーザ光束
が集束する粒子検出位置であり、サンプル液流れ110
上の画像取り込み領域の上流側の近接した位置である。
【0084】測定対象である粒子が上記レーザ光束を横
切ると、レーザ光束は散乱され、この散乱光は画像撮像
手段101において共用される顕微鏡対物レンズ5で集
光され、ビームスプリッタ20で反射され、絞り21で
サンプル液流れ110上の観測領域が制限されて、光検
出器22ににおいて受光されその強度に基づく電気信号
に変換される。
【0085】光検出器22からの電気信号はフラッシュ
ランプ点灯制御回路23に入力され、ここでこの電気信
号が所定の信号レベル以上有るかどうかが判断され、所
定の信号レベル以上有れば画像処理対象の粒子が通過し
たものとみなされて検出信号がフラッシュランプ駆動回
路1aに送られる。この検出信号は、粒子がTVカメラ
8の画像取り込み領域の所定の位置に丁度達した時にフ
ラッシュランプ1が発光し撮像が行われるように、粒子
検出位置と画像取り込み領域との距離及びサンプル液の
流速で決まる所定の遅延時間の後にフラッシュランプ駆
動回路1aに送られる。但し、この遅延時間は、粒子検
出位置と画像取り込み領域との距離がわずかであるため
に非常に短い時間であり、粒子の検出や分析精度がサン
プル液の流速や粒子濃度の影響を受けることはない。ま
た、フラッシュランプ点灯制御回路23からは上記検出
信号と同時に後述するランプ発光レディ信号が送られ、
インターレース方式のフィールド信号のタイミングに基
づいてフラッシュランプの発光タイミングが制御され
る。さらに、上記フラッシュランプ点灯制御回路23の
検出信号は画像処理制御回路26にも送られる。
【0086】検出信号がフラッシュランプ駆動回路1a
に送られると、フラッシュランプ駆動回路1aはフラッ
シュランプ1を発光させる。フラッシュランプ1より発
せられたパルス光は顕微鏡光軸9上を進み、フィールド
レンズ2で平行光となり顕微鏡コンデンサレンズ3によ
り集束されてフローセル100内のサンプル液流れ11
0上に照射される。尚、視野絞り11および開口絞り1
2によりパルス光束10の幅が制限される。
【0087】フローセル100内のサンプル液流れ11
0に照射されたパルス光束は顕微鏡対物レンズ5で集光
され、結像位置6に像を結像する。この結像位置6の像
は投影レンズ7によりTVカメラ8の撮像面上に投影さ
れ、インターレース方式により画像データ信号に変換さ
れる。これで粒子の静止画像を撮像したことになる。こ
のTVカメラ8における撮像条件は中央制御部29に予
め設定されておりこれによってTVカメラ8の撮像動作
が制御される。このインターレース方式の撮像に関して
は後述する。
【0088】TVカメラ8のから出力される画像データ
信号はAD変換器24でデジタル信号に変換され、これ
に基づくデータが画像処理制御回路26の制御のもとに
画像メモリ25の所定のアドレスに記憶される。画像メ
モリ25に記憶されたデータは画像処理制御回路26の
制御のもとに読み出され、特徴抽出回路27及び識別回
路28に入力されて画像処理が行われ粒子数や粒子の分
類等の分析処理が実行され、中央制御部29にその結果
が記憶される。この画像処理結果とインターレース方式
の撮像条件を含めた測定条件データ、及び画像処理制御
回路26からの処理された画像数が粒子数計算部40に
入力され、粒子数計算部40において全粒子数が計算さ
れる。この計算結果は中央制御部29に入力され、識別
回路28からの画像処理結果と総合して表示部50より
表示される。
【0089】次に、TVカメラ8におけるインターレー
ス方式の撮像条件と、この撮像条件を含む測定条件デー
タ及び画像処理結果を用いた粒子数計算部40における
計算について説明する。TVカメラ8としては、一般的
な2次元撮像素子として残像の少ないCCDカメラが用
いられる。前述のように粒子検出手段103で粒子を検
出した時だけ粒子の静止画像を撮像するためにフラッシ
ュランプ1が発光するが、TVカメラ8はこの粒子検出
手段103とは無関係に連続的に動作しているものとす
る。
【0090】図3に、TVカメラ8のフィールド信号、
偶数フィールド(e)及び奇数フィールド(o)におけ
るCCD転送信号、光検出器22からの電気信号、フラ
ッシュランプの発光、ランプ発光レディ信号、画像取り
込みにより発生するデッドタイムの関係を示す。
【0091】図3において、フィールド時間Tfを周期
とするフィールド信号はTVカメラ8に内蔵されたクロ
ックより発生する。画像の取り込みは偶数フィールド
(e)と奇数フィールド(o)で行われ、これら2つの
フィールドを組み合わせて1つのフレームが構成され
る。偶数フィールド(e)及び奇数フィールド(o)に
おいては、フレームの周期、即ちTf/2だけずらせて
交替で画像の取り込み(蓄像)及び転送が行われる。従
って1フィールド時間は1フレーム時間の半分のTf
2である。このフレーム時間は、例えば1/30秒に設
定される。それぞれのフィールドには1枚の画像を得る
フレーム時間の間に蓄像時間と転送時間とがあり、蓄像
時間に撮像面に入射した光の量を電荷として蓄積し、転
送時間にこの蓄積した電荷を転送する。転送後は電荷量
が0になり、再び蓄像期間に入る。図3においては偶数
フィールド(e)及び奇数フィールド(o)のCCD転
送信号が示されているが、これらの転送時間はごく短時
間である。
【0092】図3に示したCCD転送信号は、簡単のた
めに、粒子検出があってその粒子の画像を撮像した時の
画像に関するものだけ示してあるが、実際には各CCD
転送信号はフィールド信号が出るたびに常時出ている。
また、1つ前の検出粒子に関する処理は図中左端のフィ
ールド信号の0の位置で既に終了しているものとする。
【0093】各フィールドのCCD転送信号はA/D変
換器24でデジタル化されて画像メモリ25の所定のア
ドレスにそれぞれ一旦格納され、その後2つのフィール
ドの画像データを合成して1枚の画像が作られる。粒子
の画像取り込みのタイミング、即ち画像の取り込みが偶
数フィールド(e)から始まるか、奇数フィールド
(o)から始まるかは、粒子検出のタイミングとその時
のフィールド信号の関係から決まる。そして、これらの
フィールドからの画像データが画像メモリ25の所定の
アドレス、即ち偶数フィールド画像分と奇数フィールド
画像分に対して決められたアドレスに格納されることに
より、画像取り込みがどちらのフィールドから始まって
も、その後の画像処理が各フィールドに対応して行わ
れ、各フィールドの画像データが入れ替わることがな
く、画像が乱れることはない。
【0094】1つ前の粒子検出後nフィールドが経過し
た後(n番目のフィールド信号の出た後)に、次の粒子
検出が行われて光検出器22から電気信号が発せられ、
その粒子が画像取り込み領域の適当な位置に来るまでの
遅延時間Td後にフラッシュランプ1が発光する。この
時、n番目のフィールド信号が出てからパルスランプが
発光するまでの時間は図中tで表される。ランプ発光レ
ディ信号は粒子検出による光検出器22からの電気信号
が出た時から2フィールド(1フレーム)経過して(n
+2)番目のフィールド信号が出るまでの時間offさ
れ、このoffの時間に到着する次の粒子が検出されて
もフラッシュランプ1の発光は阻止される。このように
フラッシュランプ1の発光が阻止されることにより、次
の検出粒子によって粒子の画像が乱されることがない。
尚、この(n+2)番目のフィールド信号が出た時点で
この粒子に関する処理は終了し、次の検出粒子に関する
フィールド信号のカウントが0より再開する。
【0095】ランプ発光レディ信号のoff時間の最小
の時間は2つのフィールドの画像データが転送されるの
に要する最小の時間である1フィールド時間(Tf
2)となる。フラッシュランプ1は、上記最小の時間で
ある1フィールド時間以下の周期でパルス光束を発生さ
せる能力を有し、例えば1フレーム毎に1枚の粒子の画
像を撮像する必要があるときでも、1フレーム当たり1
回のパルス光束を発生させてこれに対応させることがで
きる。
【0096】ここで、フレーム時間Tf中に撮像領域を
流れるサンプル溶液の体積と実際に撮像した部分のサン
プルの体積との比をkとすると、Tf/kの時間は実際
に粒子の撮像が行われている時間(有効部分)である。
上記ランプ発光レディ信号がoffされている時間から
このTf/kの時間を除いた時間が、画像取り込みのた
めにフラッシュランプの発光が阻止される実際の不動時
間、即ち図中斜線を付したデッドタイムTdeadとなる。
尚、上記kはサンプル液をフローセル中に流す条件(流
速や画像取り込み範囲の大きさ等)とフレーム時間Tf
によって決まるものである。
【0097】図3よりデッドタイムTdeadは次式で表さ
れる。
【0098】
【数25】
【0099】(9)式において、時間tは粒子検出のタ
イミングによってランダムな分布をする値であるが、粒
子濃度が薄く粒子検出の間隔が長い場合、検出のタイミ
ングが1フィールド時間Tf/2中に一様に分布するも
のと考えられ、その平均値はTf/4に近づき、逆に粒
子濃度が濃く粒子検出の間隔が短い場合、検出のタイミ
ングが1フィールド時間Tf/2中に稠密に分布するも
のと考えられ、その平均値は0に近づく。tの平均値を
<t>とすると、デッドタイムの平均値<Tdead>は次
式のように表される。
【0100】
【数26】
【0101】一方、1つ前の粒子検出による撮像が終了
した時点、即ち図中フィールド信号の0の位置からCC
D転送信号の転送終了までの時間の平均値<Tread
は、nの平均値、即ち粒子検出までの平均のフィールド
数を<n>として、
【0102】
【数27】
【0103】で表される。ここに、Tmは全測定に要し
た時間、ngは画像処理された画像数、即ち画像の枚数
である。
【0104】1回の画像取り込みによって生ずる上記デ
ッドタイムTdeadによる通過粒子の数え落としの割合は
平均で<Tdead>/<Tread>であるから、実際に画像
処理された全粒子数をNg、測定サンプル液中の全粒子
数をNmとすると、これらの関係は次式のようになる。
【0105】
【数28】
【0106】この(12)式により測定サンプル液中の
全粒子数をNmを求めることができる。但し、1つの画
像中に複数種類の粒子が存在している時には、Nmはこ
れらを加えたものである。
【0107】<Tread>は(11)式により容易に求め
ることができる。また、<Tdead>は、<t>がわかれ
ば(10)式より求められる。以下にその算出方法を説
明する。フローセルを通過する粒子を計数する統計事象
においては、ポアソンプロセスが仮定されるのが一般的
である。この仮定が成立する場合、1つの粒子が通過し
てから次の粒子が通過するまでの平均時間をTOとする
と<n>及び<t>は次のように表される。
【0108】
【数29】
【0109】上記(14)式においてTO及び<n>が
わかれば<t>が求まる。まず、(11)式により<n
>を求め、この結果を(13)式に代入してTOについ
て解く。そして、このTOの解と先般(11)式により
求めた<n>の解を(14)式に代入すると<t>が求
まる。さらに、この<t>の値を(10)式に代入する
ことにより<Tdead>が求められる。
【0110】上記のように<Tread>および<Tdead
の値が測定条件により独立に求められるので、NmはNg
に関して一次式を解くだけで容易に知ることができる。
【0111】図2に戻り、粒子数計算部40において、
画像処理が1枚行われるごとに画像処理制御回路26か
ら処理画像数計数部41に信号が送られ、処理画像数計
数部41の計数値が1つずつ増加する。そして、測定終
了時には処理画像数計数部41に全計数値、即ち測定時
間中に画像処理された画像数ngが記憶されることにな
る。
【0112】また、測定条件データ部42には中央制御
部29からインターレース方式の撮像条件を含めた測定
条件データ、即ち前述のTf,Tm,kが入力され記憶さ
れる。
【0113】また、画像処理が1枚行われるごとに、特
徴抽出回路27及び識別回路28において画像処理され
た粒子数が中央制御部29を介して画像処理粒子数計数
部43に送られ、画像処理粒子数計数部43の計数値に
順次加算される。そして、測定終了時には画像処理粒子
数計数部43に画像処理された全粒子数Ngが記憶され
ることになる。
【0114】粒子数計算回路44には上記した(10)
式から(14)式及びその計算手順が格納されており、
処理画像数計数部41のng、測定条件データ部42の
f,Tm,k、画像処理粒子数計数部43のNgの値が
入力され、(10)式から(14)式を用いてサンプル
液中の全粒子数Nmが計算される。
【0115】このようにして求められたサンプル液中の
全粒子数は中央制御部29に返される。そして、必要に
応じ、この全粒子数と、中央制御部29に記憶された測
定サンプル液の全体積及び1画像(顕微鏡1視野)当た
りのサンプル液の体積とを用いて、単位体積当たりの全
粒子数、即ち全粒子濃度及び顕微鏡1視野当たりの体積
に含まれる粒子数が計算される。さらに、複数種類の粒
子が存在する時には、識別回路28で得られた粒子の種
類別の存在比率を用いて、各種類の粒子の個数や粒子濃
度等が計算される。それらの結果は前述のように表示部
50に出力される。これらの計算は中央制御部29に備
えられた粒子濃度計算手段(図示せず)において行われ
る。
【0116】以上のように本実施例によれば、<Tread
>の値及び<Tdead>の値を、画像処理された結果及び
インターレース方式の撮像条件を含む測定条件から求め
ることができるので、換算テーブルを作る複雑な手順を
必要とせずに上記<Tread>及び<Tdead>の比を用い
てNgとNmに関する一次式を解くだけでサンプル液中の
全粒子数Nmを容易に求めることができる。従って、例
えば粒子濃度の測定レンジが4〜5桁以上もある測定対
象サンプル液に対しても正しい粒子数が容易に求まり、
粒子濃度の広い範囲にわたって正確かつ高精度に複数種
類の粒子数や粒子濃度を求めることができる。また、測
定条件が変わったとしても、そのたびに換算テーブルを
書き換える必要もなく、計算に必要な値を変更するだけ
でNmを決定することができる。
【0117】また、上記のようにして求めた全粒子数と
予めわかっているサンプル液の全体積、及び1画像(顕
微鏡1視野)当たりのサンプル液の体積とにより、全粒
子濃度や1画像当たりの体積に含まれる粒子数を求める
ことができる。さらに、粒子の種類別の存在比率を基に
して、サンプル液中に存在する複数種類の粒子の粒子
数、及び複数種類の粒子の各粒子濃度を求めることがで
きる。
【0118】また、フラッシュランプ1が、パルス光束
発光のための最小の時間である1フィールド時間(Tf
/2)以下の周期でパルス光束を発生させる能力を有す
るので、1フレーム毎に1枚の粒子の画像を撮像する必
要があるときでも、画像を乱すことなく確実に1フレー
ム当たり1回のパルス光束を発生させてこれに対応させ
ることができる。
【0119】また、偶数フィールド(e)及び奇数フィ
ールド(o)からのそれぞれの画像データを画像メモリ
25の所定のアドレスに記憶させるので、粒子検出のタ
イミングとの関係で画像取り込みがどちらのフィールド
から始まってもその後の画像処理がそれに対応して行わ
れ、フィールドの画像データが入れ替わって画像が乱れ
ることがない。
【0120】次に、本発明によるフロー式粒子画像解析
方法及びフロー式粒子画像解析装置の他の実施例につい
て、図4を参照しながら説明する。本実施例のフロー式
粒子画像解析装置は、粒子数計算部で用いられる測定条
件データと粒子数計算回路に格納された計算式及びその
計算手順が異なること以外は、前述の実施例と同様であ
る。図4に示すように、粒子数計算部40aは、処理画
像計数部41、測定条件データ部42a、画像処理粒子
数計数部43、粒子数計算回路44aにより構成され
る。
【0121】以下、粒子数計算回路44aに格納された
サンプル液中の全粒子数の計算式及びその計算手順につ
いて説明する。前述のTO、即ち1つの粒子が通過して
から次の粒子が通過するまでの平均時間は、全測定に要
した時間Tmをサンプル液中の全粒子数Nmで割った値で
あるからTm/Nmでおきかえてもよい。このことを用い
て(10)式から(14)式をまとめることにより、測
定サンプル中に全粒子数Nmと、実際に画像処理された
全粒子Ngとの関係は次の式のようになる。
【0122】
【数30】
【0123】ここに、nfは全測定に要した時間Tm中の
全フレーム数である。この(15)式において、<n>
はNmによって変化する量であるが、この<n>は前述
の(11)式の関係から求められる。それ以外の値nf
とkは撮像条件及び測定条件で予め設定されている値で
あるから、NmはNgに関して一次式を解くだけで容易に
知ることができる。但し、上記nfは全測定に要した時
間Tmをフレーム時間Tfで割った値であるからTm/Tf
で置き換えることができる。
【0124】図4において、測定条件データ部42aに
は中央制御部29から測定条件データとして、フレーム
時間Tf中に撮像領域を流れるサンプル溶液の体積と実
際に撮像した部分のサンプルの体積との比k、及び全測
定に要した時間Tmの他、上記Tm中の全フレーム数nf
が入力され記憶される。処理画像計数部41及び画像処
理粒子数計数部43における動作は図2と同様で、画像
処理された画像数ng及び画像処理された全粒子数Ng
それぞれ計数され記憶される。
【0125】粒子数計算回路44aには上記した(1
1)式及び(15)式及びその計算手順が格納されてお
り、処理画像数計数部41のng、測定条件データ部4
2aのnf,Tm,k、画像処理粒子数計数部43のNg
の値が入力され、(11)式及び(15)式を用いてサ
ンプル液中の全粒子数Nmが計算される。但し、上記nf
はTm/Tfで置き換えることができるので、nfに代え
てTfを中央制御部29から測定条件データ部42aを
介して粒子数計算回路44aに入力してもよい。この場
合は、(15)式でnfをTm/Tfに置き換えて計算さ
れる。
【0126】このようにして求められたサンプル液中の
全粒子数は、中央制御部29に返され、中央制御部29
に備えられた粒子濃度計算手段(図示せず)において、
前述の実施例と同様に全粒子濃度、顕微鏡1視野当たり
の体積に含まれる粒子数、及び複数種類の粒子の個数や
粒子濃度等が計算される。それらの結果は表示部50に
出力される。
【0127】以上のように本実施例によれば、前述の実
施例と同様の効果が得られる他、計算の手順が簡単にな
り、サンプル液中の全粒子数Nmをさらに容易に求める
ことができる。
【0128】尚、以上の実施例では、粒子数計算部40
または40aにおいて、サンプル液中の全粒子数Nm
求め、これを中央制御部29に返して全粒子濃度、顕微
鏡1視野当たりの体積に含まれる粒子数、及び複数種類
の粒子数や粒子濃度等を求めたが、粒子数計算部40ま
たは40aにおいて上記全粒子濃度、顕微鏡1視野当た
りの体積に含まれる粒子数、及び複数種類の粒子数や粒
子濃度等を求めてもよい。この場合は、中央制御部29
より測定条件データ部42に入力する測定条件データと
して測定サンプル液の全体積や1画像(顕微鏡1視野)
当たりのサンプル液の体積を追加し、粒子数計算回路4
4または44aにおいてこれらの値とサンプル液中の全
粒子数Nmとを用いて計算すればよい。
【0129】また、本発明のフロー式粒子画像解析方法
及びフロー式粒子画像解析装置は、液体中に懸濁した生
物サンプルや細胞、血液中の赤血球や白血球などの血球
成分、または尿中に存在する尿沈渣成分の分類及び分析
に有効である。特に、尿中の尿沈渣成分の粒子数の計数
や粒子の分類においては、正常サンプルと異常サンプル
とで存在する粒子数は数桁以上違う場合があるが、上述
の粒子検出手段による検出と画像撮像手段及び粒子分析
手段による画像処理結果から、サンプル液中の全粒子数
を知ることができるので、粒子濃度が大きく異なる上記
のような場合でも分析しようとする種類の粒子数を正し
く求めることができる。
【0130】また、以上の実施例では、フローセル中を
連続して流れているサンプル液に含まれている粒子の静
止画像を得、その画像処理を行う場合について述べた
が、顕微鏡下で連続して移動しているスライド標本の粒
子画像解析にこの方法を応用することもできる。さら
に、粒子検出手段において半導体レーザからのレーザ光
束を検出光として用い、粒子で散乱されたレーザ光束の
散乱光を利用する場合について述べたが、これに限らず
粒子からの蛍光や透過光を利用することもできるし、1
次元イメージセンサにより粒子を検出する方法や、粒子
通過による電気抵抗変化などにより粒子を検出する方法
を利用することもできる。
【0131】
【発明の効果】本発明によれば、1つ前の粒子検出によ
る撮像が終了した時点から次の粒子検出による撮像が終
了するまでの時間の平均値<Tread>と画像の取り込み
のためにパルス光の発光が阻止される不動時間の平均値
<Tdead>とを測定条件から求めることができるので、
換算テーブルを作る必要なく一次式を解くだけでサンプ
ル液中の全粒子数Nmを容易に求めることができる。従
って、測定レンジの大きなサンプル液に対しても正しい
粒子数が容易に求まり、粒子濃度の広い範囲にわたって
正確かつ高精度に複数種類の粒子数や粒子濃度を求める
ことができる。また、測定条件が変わったとしても、そ
のたびに換算テーブルを書き換える必要もない。
【0132】また、この全粒子数と、予めわかっている
サンプル液の全体積、1画像(顕微鏡1視野)当たりの
サンプル液の体積、及び粒子の種類別の存在比率を用い
て、全粒子濃度、1画像当たりの体積に含まれる粒子
数、及びサンプル液中に存在する複数種類の粒子数やそ
れらの粒子濃度を求めることができる。
【0133】また、パルス光源が、フレーム時間の1/
2以下の周期でパルス光束を発生させる能力を有するの
で、画像を乱すことなく最低1フレーム当たり1回のパ
ルス光束を発生させることができる。
【0134】また、偶数フィールド及び奇数フィールド
から転送されたそれぞれの画像データを画像メモリの所
定のアドレスに記憶させるので、粒子検出のタイミング
との関係で画像取り込みがどちらのフィールドから始ま
っても画像が乱れることがない。
【0135】従って、本発明によれば、粒子濃度の広い
範囲にわたってサンプル液中の粒子の数や粒子濃度を容
易に求めることができ、それらの種類別分布を正確かつ
高精度に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフロー式粒子画像処理方法及びフ
ロー式粒子画像処理装置の一実施例を示す図である。
【図2】粒子分析手段における粒子数計算部の構成及び
その周辺のデータのやりとりを示す図である。
【図3】TVカメラにおけるインターレース方式の撮像
条件、粒子検出のタイミング及びフラッシュランプの発
光タイミング等を示すタイムチャートである。
【図4】本発明によるフロー式粒子画像処理方法及びフ
ロー式粒子画像処理装置の他の実施例を示す図であっ
て、粒子分析手段における粒子数計算部の構成及びその
周辺のデータのやりとりを示す図である。
【符号の説明】
1 フラッシュランプ 1a フラッシュランプ駆動回路 3 顕微鏡コンデンサレンズ 5 顕微鏡対物レンズ 8 TVカメラ 14 レーザ光束 15 半導体レーザ 17 シリンドリカルレンズ 19 微小反射鏡 22 光検出器 23 フラッシュランプ点灯制御回路 24 AD変換器 25 画像メモリ 26 画像処理制御回路 27 特徴抽出回路 28 識別回路 29 中央制御部 40,40a 粒子数計算部 41,41a 処理画像計数部 42 測定条件データ部 43 画像処理粒子数計数部 44,44a 粒子数計算回路 50 表示部 100 フローセル 101 画像撮像手段 102 粒子分析手段 103 粒子検出手段 110 サンプル流れ Ng 画像処理された全粒子数 Nm サンプル液中の全粒子数 ng 画像処理された画像数 Tm 全測定に要した時間 Tf インターレース方式におけるフレーム時間 nf 測定に要した時間中の全フレーム数 k Tf中に撮像領域を流れる体積と実際に撮像した部
分の体積との比
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−94156(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 15/14 G01N 15/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子を懸濁させたサンプル液をフローセ
    ルに流し、前記フローセル中の画像取り込み領域を前記
    粒子が通過することを検出し、その検出に基づいてパル
    ス光源よりパルス光を発光させて前記フローセルに照射
    し、前記フローセル中の通過粒子の静止画像をインター
    レース方式により取り込み、得られた静止画像を画像処
    理し該サンプル液中の粒子の分析を行うフロー式粒子画
    像解析方法において、 画像処理された全粒子数をNg、1つ前の粒子検出によ
    る撮像が終了した時点から次の粒子検出による撮像が終
    了する時点までの時間の平均値を<Tread>、画像の取
    り込みのために前記パルス光の発光が阻止される不動時
    間の平均値を<Tdead>として、 【数1】 によりサンプル液中の全粒子数Nmを求めることを特徴
    とするフロー式粒子画像解析方法。
  2. 【請求項2】 粒子を懸濁させたサンプル液をフローセ
    ルに流し、前記フローセル中の画像取り込み領域を前記
    粒子が通過することを検出し、その検出に基づいて光源
    よりパルス光を発光させて前記フローセルに照射し、前
    記フローセル中の通過粒子の静止画像をインターレース
    方式により取り込み、得られた静止画像を画像処理し該
    サンプル液中の粒子の解析を行うフロー式粒子画像解析
    方法において、 画像処理された画像数をng、全測定に要した時間を
    m、前記インターレース方式におけるフレーム時間を
    fとして、 【数7】 により粒子検出までの平均のフィールド数<n>を求
    め、前記Tf中に画像取り込み領域を流れるサンプル液
    の体積と実際に撮像した部分のサンプル液の体積との比
    をk、画像処理された全粒子数をNg、前記Tm中の全フ
    レーム数をnfとして、前記<n>から、 【数8】 によりサンプル液中の全粒子数Nmを求めることを特徴
    とするフロー式粒子画像解析方法。
  3. 【請求項3】 粒子を懸濁させたサンプル液が供給され
    るフローセルと、前記フローセル中の画像取り込み領域
    を前記粒子が通過することを検出する粒子検出手段と、
    前記粒子検出手段による検出に基づいてパルス光束を前
    記フローセルに照射するパルス光源を有し前記パルス光
    束に基づく通過粒子の静止画像をインターレース方式に
    より取り込む画像撮像手段と、得られた静止画像を画像
    処理し該サンプル液中の粒子の分析を行う粒子分析手段
    とを備えるフロー式粒子画像解析装置において、 前記粒子分析手段は、画像処理された画像数ngを計数
    する処理画像計数部と、画像処理された全粒子数Ng
    計数する画像処理粒子数計数部と、全測定に要した時間
    m、前記Tm中の全フレーム数nf、及び前記インター
    レース方式におけるフレーム時間中に画像取り込み領域
    を流れるサンプル液の体積と実際に撮像した部分のサン
    プル液の体積との比kを記憶する測定条件データ部と、
    前記ng、前記Ng、前記Tm、前記nf、及び前記kを入
    力しサンプル液中の全粒子数Nmを求める粒子数計算回
    路とを有することを特徴とするフロー式粒子画像解析装
    置。
  4. 【請求項4】 粒子を懸濁させたサンプル液が供給され
    るフローセルと、前記フローセル中の画像取り込み領域
    を前記粒子が通過することを検出する粒子検出手段と、
    前記粒子検出手段による検出に基づいてパルス光束を前
    記フローセルに照射するパルス光源を有し前記パルス光
    束に基づく通過粒子の静止画像をインターレース方式に
    より取り込む画像撮像手段と、得られた静止画像を画像
    処理し該サンプル液中の粒子の分析を行う粒子分析手段
    とを備えるフロー式粒子画像解析装置において、 前記粒子分析手段は、画像処理された画像数ngを計数
    する処理画像計数部と、画像処理された全粒子数Ng
    計数する画像処理粒子数計数部と、全測定に要した時間
    m、前記インターレース方式におけるフレーム時間
    f、及び前記Tf中に画像取り込み領域を流れるサンプ
    ル液の体積と実際に撮像した部分のサンプル液の体積と
    の比kを記憶する測定条件データ部と、前記ng、前記
    g、前記Tm、前記Tf、及び前記kを入力しサンプル
    液中の全粒子数Nmを求める粒子数計算回路とを有する
    ことを特徴とするフロー式粒子画像解析装置。
  5. 【請求項5】 前記全粒子数、サンプル液の全体積、1
    画像当たりのサンプル液の体積、及び粒子の種類別の存
    在比率により、全粒子濃度、1画像当たりの体積に含ま
    れる粒子数、サンプル液中に存在する複数種類の粒子の
    各粒子数、及び複数種類の粒子の各粒子濃度を求める粒
    子濃度計算手段をさらに備えることを特徴とする請求項
    3または4記載のフロー式粒子画像解析装置。
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