JP3281874B2 - 真空向上方法およびその装置 - Google Patents

真空向上方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は効果的に真空を得る
方法およびその装置に関するものであり、さらにその真
空手段を用いた真空冷却方法および真空乾燥方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来真空を得るためには、いわゆる真空
ポンプを用いて行っているが、機械的ポンプには油を使
用する油回転ポンプ、油を使用しないドライタイプのル
ーツ形、スクリュウ形、スクロール形、高速回転のター
ビン翼を用いて気体を弾きとばすターボ分子ポンプ、あ
るいは噴射形として油を噴射する油拡散ポンプ、蒸気を
噴射する蒸気エジェクタポンプ、水の噴射による水ゼッ
トポンプ、又ゲッタ膜をつくり気体を化学的相互作用に
より吸着排除するスパッタイオンポンプ、チタン、ジル
コニウム等活性な金属を加熱して気体を吸着させるチタ
ンゲッタポンプ、さらには、低温吸着剤のモレキュラシ
ーブを使って気体を吸着させるソープションポンプ等が
存在し、目的の所望真空範囲によりそれらを選択し、あ
るいはそれらを組合せて使用しているが、それらの各ポ
ンプは、夫々真空能力には限界があり、その限界以上の
真空度を得ることは困難である。
【0003】また、真空度を上げて所望の真空度を得る
ためにはその目的の真空度を得ることのできる真空ポン
プを適宜選択すればよいわけであるが、その場合はどう
しても高真空を得るために高価なポンプを必要とすると
いう欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用する真
空ポンプの能力以上の真空度を得ると共に、所望の真空
度以下の能力の真空ポンプを使用してその能力以上の真
空度を得ることができる方法および装置を得るものであ
る。
【0005】そして、かゝる真空度を向上する方法およ
び装置を使用して効率的な真空冷却および真空乾燥を行
い、さらに高真空度を得た上で樹脂の含浸を確実に行わ
んとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水の蒸気圧よ
り低く、多価アルコールの蒸気圧より高い圧力に維持し
た真空容器又はコンデンサ内に、多価アルコールを投入
し、多価アルコールに真空容器又はコンデンサ内の水分
を吸収させて真空ポンプにより真空にする真空向上方法
および真空容器又はコンデンサ内を途中まで真空にし、
次いで水の蒸気圧より低く、多価アルコールの蒸気圧よ
り高い圧力の真空容器又はコンデンサ内に、多価アルコ
ールを投入し、多価アルコールに真空容器又はコンデン
サ内の水分を吸収させて真空ポンプにより真空にする真
空向上方法からなる。
【0007】そしてさらに、コンクリート骨材等直接冷
却しようとする物を真空容器内に収容し、その真空容器
内を、水の蒸気圧より低く、多価アルコールの蒸気圧よ
り高い圧力に維持し、真空容器内に多価アルコールを投
入し、多価アルコールに真空容器内の水分を吸収させて
真空ポンプにより真空にする真空冷却方法および野菜、
惣菜等の食品を真空容器に収容し、その真空容器に連通
したコンデンサ内を、水の蒸気圧より低く、多価アルコ
ールの蒸気圧より高い圧力に維持し、そのコンデンサ内
に、多価アルコールを投入し、多価アルコールにコンデ
ンサ内の水分を吸収させて真空ポンプにより真空度を向
上させる真空乾燥又は真空冷却方法、さらには、鋳物製
の機器等を真空容器内に収容し、その真空容器内を、水
の蒸気圧より低く、多価アルコールの蒸気圧より高い圧
力に維持し、真空容器内に、多価アルコールを投入し、
多価アルコールに真空容器内の水分を吸収させて真空ポ
ンプにより真空にした後、樹脂を含浸させる真空含浸方
法からなる。
【0008】そしてそれらの方法を実施する装置は、真
空容器又はコンデンサを真空ポンプに連通し、その真空
容器又はコンデンサ内に多価アルコールの投入部を設
け、かつ真空容器又はコンデンサの下方にドレーンの排
出口を取付けた真空化向上装置からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、多価アルコールと、真
空容器又はコンデンサ内に存在する水蒸気の相互作用を
利用して真空度を向上させる方法をその基本的な特徴と
するものである。以下本発明の実施の形態を図面に基づ
き以下説明する。
【0010】図1および図2は本発明の各実施の形態を
示しており、図1は真空容器1内を直接真空にする方法
および装置を示し、図2は真空容器1に連通するコンデ
ンサ2内を直接真空にすることによって真空容器1を真
空にする方法および装置を示している。
【0011】まず図1の実施の形態から説明する。真空
容器1を真空にするために真空ポンプ(図示せず)によ
って真空容器1内の気体を矢印A方向に吸引して真空容
器1内を真空とする。
【0012】ところが、使用する真空ポンプの能力には
限界があり、従来はその限界以上に真空度を向上させる
ことは不可能であったところ、本発明者はこの真空容器
1内の真空度の限界に達したときに、その真空容器1内
に多価アルコールの一種であるエチレングリコールを投
入してみたところエチレングリコールに真空容器内の水
分(水蒸気)が吸収され、その結果それまでの限界であ
った真空ポンプの真空度が図3に示すように急激に向上
することを発見したのである。
【0013】即ち、水分を重量比で4%程度含む多孔体
又は多孔質体を真空容器1内に収納し、機械式ポンプで
ある油回転ポンプを用いて真空容器1内の気体を矢印A
方向に排出したが約5分程度で圧力は666.5Pa(5Torr)
まで低下したがそれ以上真空ポンプで排しても真空度は
向上しなかった。
【0014】そこで図3に示すごとく、666.5Pa(5Tor
r) まで低下した状態を5分継続した後、図3のP点で
エチレングリコール貯留槽4からエチレングリコールを
真空容器1内に投入弁13を開いて投入したところ、驚
いたことに急激に真空容器1内の圧力が低下して、図3
のRの点、つまり13.33Pa(0.1Torr)以下まで急速に圧力
が低下したのである。かゝるP点からR点への圧力降下
は真空容器1内の圧力状態が、水の蒸気圧より低く、エ
チレングリコールの蒸気圧より高い圧力状態のときに上
述のごとき圧力降下の現象が生ずることが判明した。
【0015】これを精査したところ、エチレングリコー
ルに真空容器1内の水分が吸収されることにより達成さ
れることによると判断される。
【0016】かゝる作業は、真空容器1の真空ポンプに
よる真空作業が開始し、又は真空ポンプによる真空をあ
るところまで進めたところで、例えば真空がそれ以上進
まない時点において、エチレングリコール貯留槽4内の
エチレングリコールEを、弁13を開くことにより真空
容器1内に設けたエチレングリコールの滴下バッフル5
上に落下供給する。そうするとエチレングリコールEは
バッフル5上を伝わりながら下降するが、その段階で空
気中の水分を吸収し、つまり、空気中の水蒸気がエチレ
ングリコールEに吸収され、ドレーンとなってドレーン
パイプ14を経由して外部に排出されて真空度を急激に
高めることができるのである。
【0017】具体的には、水分を吸収したドレーンは真
空容器1内に設けたエチレングリコールEの収容体16
の底部に集合し、ドレーンパイプ14を経由してエチレ
ングリコール液送ポンプ15によって加熱器3に導か
れ、ここで水蒸気とエチレングリコールに放散され、水
分は水蒸気となって弁10から外部に排出され、エチレ
ングリコールEは弁20を通ってエチレングリコール貯
留槽4に導かれる。水分を放散したエチレングリコール
Eは真空容器1内に供給されて再度真空度向上に貢献す
ることになり、このサイクルを繰返す。
【0018】この真空容器1内を直接真空にする方法
は、真空容器1内に直接品物を収納し、その品物の周辺
を真空にすることにより、例えば多孔質からなる鋳物の
巣孔から空気を積極的に排出除去し、その空気を除去し
た巣孔の中に熱硬化性樹脂を充分含浸させる場合とか、
コンクリート骨材等を冷却する場合にこの方法が用いら
れる。
【0019】以上の実施の形態ではエチレングリコール
を使用した例を示したが、真空度向上の点においてエチ
レングリコールの使用に比し劣るが、グリセリン等他の
多価アルコールを用いることによっても本発明の効果を
奏することができることが確認できた。
【0020】以上のごとく、本発明では真空度を上げる
ために多価アルコールを使用するところから、真空を得
るためや冷却せんとするものに直接多価アルコールが付
着しても問題のないものについては、そのものの雰囲気
中に多価アルコールを直接供給してもよい場合に、図1
のような真空容器内に多価アルコールを直接供給して真
空を得る方法および装置を使用する。
【0021】次に図2に示す他の実施の形態による方法
および装置について説明する。真空容器1内に、真空雰
囲気下に収納したい物や冷却、乾燥等をしたい品物を収
納することは図1と同じであるが、エチレングリコール
の投入を真空容器1ではなく、コンデンサ2内にて行う
点で相違する。つまり、エチレングリコールの付着をき
らう品物の場合には、真空容器1から離れたところに位
置するコンデンサ2内にエチレングリコールを投入する
ことにより真空容器1内の真空度を上げようとするもの
である。真空容器1は、真空弁8、真空用チャッキ弁1
9、コンデンサ2を経由して真空弁11、真空ポンプ6
に連通している。
【0022】一方コンデンサ2は、その中にエチレング
リコールの滴下バッフル5を装備し、エチレングリコー
ルをその投入弁13から投入する。そしてコンデンサ2
内の真空度を真空弁9を介して設けた真空ポンプ7によ
り維持させる。コンデンサ2に発生したエチレングリコ
ールのドレーンは、ドレーンパイプ14とドレーン弁1
7を経由して液送ポンプ15によってヒータ18で加熱
される加熱器3に至り、そこで水とエチレングリコール
を放散し、水分は水蒸気となって弁10より外部に放出
され、エチレングリコールはその排出弁20を通ってエ
チレングリコール貯留槽4に至る。そしてエチレングリ
コールの投入弁13によってコンデンサ2内にエチレン
グリコールが供給される。
【0023】したがって、コンデンサ2の真空は真空ポ
ンプ6によって行われるが、コンデンサ2の真空度が真
空ポンプの能力限界に達した場合、又はあるところまで
真空ポンプにより真空にした状態でエチレングリコール
をコンデンサ2内に投入することによりコンデンサ2内
の真空度を上げることができるのである。そのことは図
4から明らかである。なお、真空ポンプ6が故障する場
合を考慮して、真空ポンプ7を用意しておく。その場合
コンデンサ2との間に真空弁9を介在させる。
【0024】即ち、コンデンサ2内の空気を真空ポンプ
6および7(いずれも油回転ポンプ)を用いて弁11,
9を経由して排出する。
【0025】ところが図4に示すごとく、真空ポンプを
2分程度作動させたところで真空度は799.8Pa(6Torr)
程度まで到達するが、その後、5〜6分程度真空ポンプ
を作動させ続けたが、それ以上真空度を下げることが不
可能であった。
【0026】そこで、図4のP点でエチレングリコール
をコンデンサ2内にエチレングリコール貯留槽4から投
入弁13を開いて投入したところ、図3に示す挙動と同
じように、急速にR点まで、つまり599.85Pa(4.5Torr)
まで圧力が低下したのである。この場合図示せるごとく
その後S点まで少し真空度が上がるが、その後はR点以
下まで低下することが確認された。
【0027】したがって、かくのごとく真空度が向上し
たコンデンサ2の真空度低下が真空容器1にもおよび、
真空容器1内の高真空化も同様に達成され、その結果、
食品等の内容物の冷却や乾燥が行なわれたのである。
【0028】そして本発明を適用する例は次のとおりで
ある。高温多湿が最も懸念される食品の腐敗、食中毒の
発生を防ぐため腐敗しやすい温度を素早く下げ、低温冷
却するための処置として今では真空冷却は欠かせない方
法である。空気中の雑菌を出来るだけ防止し腐敗速度を
遅らせるためにも真空冷却法は最善の方法である。
【0029】本発明は被冷却物を真空容器に入れ、減圧
し食品のもつ水分(水)を短時間で沸騰蒸発させ、その
蒸発潜熱により食品の熱を奪い自己冷却させるものであ
る。被冷却物を所望の温度(加工食品では一般的に1℃
〜30℃)までいかに早く下げるかはその排気システム
の能力に係わってくる。水分を沸騰蒸発させるため真空
ポンプには水分混入はさけられず、そのため使用する真
空ポンプはおのずと限られてくる。水分混入を問題とし
ない噴射式(水あるいは蒸気)タイプか、水を使った機
械形回転ポンプ(ナッシュ型)に限定され、又機械形油
回転ポンプを使用する場合には強力な中間コンデンサが
必要とされる。しかるに本発明をコンデンサに適用する
ことにより真空ポンプの選定は自由になり、安価で連続
タイプとして目的真空度(目的温度)も確実に保証され
る。
【0030】次に、野菜は収穫後は根からの養分の補給
はないまま呼吸によって自分が蓄えた養分を蒸散し続け
る。それゆえその呼吸をおさえることが養分の蒸散を防
ぎ、その結果新鮮さを長持ちさせる絶対条件となり得
る。そのことから減圧により野菜のもつ水分を蒸発さ
せ、蒸発潜熱による自己冷却で目的温度(その野菜が凍
る直前の温度、例えばレタスの場合約4℃)まで下げる
処置がとられている。そのため惣菜冷却方法と同じく真
空ポンプに水分の混入を防ぐ手段が絶対必要とされる。
【0031】また、乾燥は基本的に被乾燥物に含まれて
いる水分を取り除くことにある。加熱乾燥、高温乾燥で
その成分の分離分解を起こすような乾燥物(薬品類他)
は真空による低温乾燥が一般的である。水分を蒸発さ
せ、乾燥することが目的である以上、真空ポンプは必ず
水分を吸引することは明白である。そのため真空ポンプ
の前処理としてコンデンサをおくか、あるいは水分が混
入しても問題のない真空ポンプを選択しなければならな
かったが、本発明を適用することにより冷却装置と同じ
く真空ポンプの選択も自由になり、設備費の節約と管理
の容易さ、合わせて据え付けスペースの軽減につながる
ものである。
【0032】また、建設業に於けるコンクリートの混練
は、21℃以下とされている。そのため、そこに使用さ
れる骨材はできるだけ温度の低いこと(約1℃〜5℃)
が要求される。
【0033】従来この骨材冷却には、冷水によるもの、
冷風によるもの、或いは混練時の液体窒素によるコンク
リート製法等があったが、近年、真空により、骨材のも
つ水分の低温沸騰による蒸発潜熱で自己冷却する方法も
採用されている。
【0034】ただし、この方法の場合真空確保のための
真空ポンプとそれに係わる中間コンデンサの精度が要求
され、且つ保守管理も要求される。
【0035】しかし、本発明を中間コンデンサに使用す
ることにより、真空ポンプへの水分混入がなくなるため
真空ポンプの選定が自由になり、ほとんど保守管理もな
くなり、目的真空度が容易に確保できる。さらに現在、
汚泥の存在を広く社会問題化され、各種の乾燥機が使用
されている。
【0036】その中でも、真空乾燥は進んだ方法として
活用されているが、何れの真空装置も水分を取りだし、
真空ポンプが水分を吸引するためその選定とメンテナン
スは手の掛かるものである。
【0037】しかるに、本発明を中間コンデンサに採用
することにより、その水分の処理は容易で、又真空ポン
プの選定が楽になり、そのためイニシャル費用および管
理費は安価で、メンテナンスも非常に容易になり得る。
【0038】また、変圧器、各種コイル等電力用や通信
用のケーブルには耐久的な絶縁性をもたせるため乾燥後
に真空中で絶縁油(ワニス他)を含浸させるのが一般的
である。絶縁材料として紙が使われている場合もあり、
この紙(クラフト紙)の場合は大気中で2〜7%の水分
を吸収しており、高電圧に耐えるためには脱気脱水が必
要となる。またコイル巻の場合コイルとコイルの間の脱
気脱水も含浸効率をあげるためには不可欠な条件であ
る。この乾燥の一般的方法としては加熱乾燥・熱風乾燥
があるがこの場合これら空気や水分は短時間で処理する
ことはむずかしく、真空を用いた乾燥が最良の方法であ
る。真空による完全乾燥後真空含浸することが電気機器
にとっては耐久性、絶縁性を高める絶対条件である。含
浸するワニス等含浸剤においても脱気脱水する必要があ
り、いずれも真空ポンプで排気するとき、ポンプは水分
を吸収するものであり、そのため中間コンデンサに冷凍
機による冷凍コンデンサや活性炭やシリカゲル等吸着剤
を使用しなければならない。そこで本発明を中間コンデ
ンサとしてあるいは真空槽内真空処理に利用することで
冷凍設備不要、真空ポンプへの水分吸入防止、高真空含
浸可能等大きな効果が期待できる。
【0039】ダイキャスト製品をはじめとする鋳造製品
(自動車用エンジン部品のダイキャスト製品等)は現在
の鋳造技術では完全にその鋳巣不良を発生させない技法
は確立されていない。真空鋳造等の技法はあるが、それ
でも鋳巣の発生をおさえられないのが現状である。特に
圧力漏れを絶対防がなければならないダイキャスト製品
については、これまでその解決法には各種の方法が実施
されてきたが、大別して次の二つの方法が考えられる。
一つはそのまま溶解して鋳造し直す方法。もう一つはそ
の鋳造製品の加工前後に含浸処理(現在は熱硬化性有機
溶剤を含浸して硬化させて鋳巣を埋める)方法がとられ
ている。しかしこの含浸処理の場合絶対条件として鋳巣
の空気抵抗を出来るだけ減らし、高真空領域での含浸が
要求される。しかるに現状では排気機器である真空ポン
プの種類、能力、又その真空ポンプによる設備費から、
あるいは限られた排気時間の関係から666.5Pa(5Torr)
程度にて処理されているのが現状である。
【0040】この真空確保の工程に本発明を適用するこ
とにより、その真空度向上と時間短縮は飛躍的に上が
り、含浸効率及び生産量のアップは必然的に、且つ確実
に上がるものである。
【0041】本発明の真空向上方法およびその装置は、
そのまま上述のごとき骨材等の冷却、野菜や惣菜等の真
空乾燥や真空冷却、さらには鋳物等の真空含浸等に利用
できるものである。
【0042】
【発明の効果】本発明は次のごとき効果を奏する。 (1) 多価アルコールを用いることにより、真空度を大
巾に向上させることができるので、希望の真空度以下の
能力の真空ポンプを使用することができる。
【0043】(2) 使用する真空ポンプの真空能力以上
の真空度を得ることができるので、真空度の採用範囲を
大きくとることができる。 (3) 真空ポンプへの負荷が軽減されるので真空ポンプ
の形式、能力の選定範囲を広くとることができる。
【0044】(4) 多価アルコールに水分を吸収させ、
それをドレーンとして排出させることにより真空度を向
上させることができるので、真空ポンプがきらう水分の
除去を効果的に行い得るので、真空ポンプに対する好結
果を期待できる。 (5) 真空の向上による冷却、乾燥も同時に行い得るだ
けでなく、水分の多価アルコールへの吸収、除去が行え
るので効果的な乾燥、冷却を行うことができる。 した
がって冷凍設備や冷却コンデンサを不要とすることが可
能である。
【0045】(6) 本発明では、真空度を高める場合に
やっかいな水分を積極的に利用して真空を向上すること
ができるので、従来の真空ポンプによる真空では得られ
ない高真空を得ることができる。 (7) 以上のごとき諸効果を奏し得る本発明をもって、
コンクリート骨材等の冷却、野菜や惣菜等の真空乾燥及
び真空冷却を行い、かつ真空含浸をも効率的に、かつ容
易に、しかも安価に行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の説明図である。
【図2】本発明の第2実施形態の説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態の真空度の向上状態を示
す図である。
【図4】本発明の第2実施形態の真空度向上状態を示す
図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 コンデンサ 3 加熱器 4 エチレングリコール貯留槽 5 滴下バッフル 6,7 真空ポンプ 13 投入弁 14 ドレーンパイプ 15 液送ポンプ 16 収容体 17 ドレーン弁 18 ヒータ 19 真空チャッキ弁 20 排出弁 E エチレングリコール等の多価アルコール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 37/04 F04C 25/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の蒸気圧より低く、多価アルコールの
    蒸気圧より高い圧力に維持した真空容器又はコンデンサ
    内に、多価アルコールを投入し、多価アルコールに真空
    容器又はコンデンサ内の水分を吸収させて真空ポンプに
    より真空にする真空向上方法。
  2. 【請求項2】 真空容器又はコンデンサ内を途中まで真
    空にし、次いで水の蒸気圧より低く、多価アルコールの
    蒸気圧より高い圧力の真空容器又はコンデンサ内に、多
    価アルコールを投入し、多価アルコールに真空容器又は
    コンデンサ内の水分を吸収させて真空ポンプにより真空
    にする真空向上方法。
  3. 【請求項3】 コンクリート骨材等直接冷却しようとす
    る物を真空容器内に収容し、その真空容器内を、水の蒸
    気圧よりより低く、多価アルコールの蒸気圧より高い圧
    力に維持し、真空容器内に多価アルコールを投入し、多
    価アルコールに真空容器内の水分を吸収させて真空ポン
    プにより真空にする真空冷却方法。
  4. 【請求項4】 野菜、惣菜等の食品を真空容器に収容
    し、その真空容器に連通したコンデンサ内を、水の蒸気
    圧より低く、多価アルコールの蒸気圧より高い圧力に維
    持し、そのコンデンサ内に、多価アルコールを投入し、
    多価アルコールにコンデンサ内の水分を吸収させて真空
    ポンプにより真空度を向上させる真空乾燥又は真空冷却
    方法。
  5. 【請求項5】 鋳物製の機器等を真空容器内に収容し、
    その真空容器内を、水の蒸気圧より低く、多価アルコー
    ルの蒸気圧より高い圧力に維持し、真空容器内に、多価
    アルコールを投入し、多価アルコールに真空容器内の水
    分を吸収させて真空ポンプにより真空にした後、樹脂を
    含浸させる真空含浸方法。
  6. 【請求項6】 真空容器又はコンデンサを真空ポンプに
    連通し、その真空容器又はコンデンサ内に多価アルコー
    ルの投入部を設け、かつ真空容器又はコンデンサの下方
    にドレーンの排出口を取付けた真空化向上装置。
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