JP4271082B2 - 真空冷却システムおよび真空冷却方法 - Google Patents

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本発明は、冷却対象物として水分含有物または水そのものを収納した収納室を減圧し、その冷却対象物から水分を蒸発させることで、温度の高い冷却対象物を短時間で冷却する真空冷却システムと、その冷却システムを用いた水分含有加熱食材の真空冷却方法に関し、例えば業務用厨房や食品加工工場等において、加熱調理直後の高温食材等を、真空冷却方式により保存に適したチルド温度まで急速冷却したり、水分を含有する繊維、医薬品、パルプ成型品などの加工製品や廃棄物、汚泥などで加熱処理したもの、あるいは各種工程を経ることによって温度上昇した冷却用水等を冷却するのに適する。
例えば加熱調理した食材を保存するために冷却する過程においては、食材温度は必ず15℃〜55℃の領域を通過する。その温度領域においては細菌の繁殖が活発に行われる。そのため、その温度領域を急速冷却により可及的短時間で通過させ、以後はチルド温度(0〜3℃程度)で保管することが行われている。そのような食材の急速冷却手段として真空冷却方式が用いられている。
真空冷却方式は、食材等の冷却対象物を収納した収納室における気体をエゼクタにより真空引きすることで減圧し、冷却対象物からの水分の気化により蒸発潜熱を奪うことで冷却対象物を冷却する(特許文献1参照)。すなわち、冷却対象物そのものの持つ水分の蒸発潜熱によって冷却を行うため、冷却対象物の表面と内部とで温度差が生じることはない。
特開平11−118287号公報
真空冷却方式においては、真空度が比較的高く冷却対象物の温度が高い時は冷却対象物から水分が盛んに蒸発し、奪われる蒸発潜熱が大きくなるため冷却速度は速くなる。しかし、真空度が高くなって冷却対象物の温度が常温に近い領域になると、水の蒸気圧が低下する結果(例えば300Kの時に3.54kPa)、さらに真空引きするのが困難になるため、冷却速度は頭打ちになる。これは、従来の真空冷却方式においては、冷却対象物の収納室からの気体の吸引はエゼグタにより行われていたことによる。すなわち、エゼクタの出口圧力に対して吸引して到達できる圧力の比は現実的には約1/5が限界である上、エゼグタにより吸引される気体の体積流量は、エゼクタスロート部の流路面積によって支配される。温度が低下するに従い水の飽和蒸気圧は極端に低下し、例えば、100℃で101.3kPaである水の飽和蒸気圧は20℃では2.3kPaになる。そのため、温度低下により蒸気圧が出口圧力との比で限界に近づく上、冷却対象物からの水分蒸発量が少なくなると、収納室の蒸気密度が低下し、エゼクタにより吸引できる水蒸気の体積流量が減少し、冷却性能が低下する。これを防止するため、エゼクタにより吸引された後の水蒸気を凝縮する凝縮器を、冷却能力の大きな冷却装置により冷却してエゼクタ出口圧力を下げると共により大きな体積流量にも対応できるようにすることが考えられるが、冷却能力の大きな冷却装置が必要になってエネルギー効率が低下する。
本発明は、上記課題を解決することのできる真空冷却システムおよび真空冷却方法を提供することを目的とする。
本発明は、冷却対象物として水分含有物または水を冷却するために用いられる真空冷却システムにおいて、前記冷却対象物の収納室の気体を吸引する可変速の遠心型圧縮装置および可変速の斜流型圧縮装置のうちの少なくとも一方を備える。
本発明における圧縮装置は、日本機械学会において圧縮比が2以上と定義されているコンプレッサだけでなく、圧縮比2未満のブロアも含むものである。
本発明によれば、圧縮装置の翼車の回転による排気によって収納室の減圧状態を維持し、蒸発潜熱を奪うことで冷却対象物を冷却する。遠心型圧縮装置または斜流型圧縮装置は高圧縮比を実現できるので、従来のエゼクタを用いた場合に比べて圧縮比が比較的小さな値で頭打ちとなることはなく、冷却対象物の温度が低下した場合でも収納室から排出する水蒸気の体積流量を確保することができるので、エネルギー効率を低下させることなく冷却対象物を十分に冷却できる。また、圧縮装置を冷却対象物の冷却の過渡状態に応じて可変速に制御できる。すなわち、圧縮装置による気体吸引により収納室の圧力が低下すると冷却対象物の含有水分の蒸発が開始する。収納室の真空度がそれ程高くなく冷却対象物の温度が高い時は、収納室から吸引される気体の蒸気密度は高くなる。そのため、翼車の回転速度が低くても収納室から吸引される水蒸気の質量流量を確保でき、また圧縮比もそれほど高くなくてもよいので翼車を駆動するために過大な電力を供給する必要はない。圧縮装置による気体吸引により収納室の真空度が高くなり、冷却対象物からの水分蒸発が進行して冷却対象物温度が低下した時は、収納室から吸引される気体の蒸気密度は低下する。そのため、冷却対象物の冷却速度を確保するために翼車の回転速度を高くし、収納室から吸引される気体における水蒸気の体積流量と必要な圧縮比を確保する必要がある。この場合、圧縮装置により吸引される気体の圧力が低いため密度が低く質量流量は大きくならず、回転速度が高くても翼車を駆動する上で過大な電力を必要としない。すなわち、全温度範囲にわたってエネルギー効率を低下させることなく、冷却対象物の温度低下時でも冷却速度を維持し、冷却対象物をチルド温度まで急速に冷却できる。
また本発明は、前記圧縮装置により圧縮された気体に含有される水蒸気を凝縮させる凝縮器を備える。これにより、収納室から吸引された気体に含有される水蒸気を凝縮させ、圧縮装置出口側から出る気体をさらに吸引する能力を付与できるため、圧縮装置による圧縮との相乗効果が得られ、効率よく収納室から気体を放出させて冷却対象物を冷却できる。その凝縮器の外面にファン等により外気による強制風を当てる機構を備えるのが好ましい。あるいは、冷却水が利用できる場合には、冷却水により凝縮器の外面を冷却するのが好ましい。
さらに本発明は、前記収納室における圧力および前記収納室に収納された冷却対象物の温度のうちの少なくとも一方に対応する値を検出するセンサと、前記凝縮器を冷却する冷却流体の温度に対応する値を検出するセンサと、前記両センサの検出値に応じて前記圧縮装置の翼車の回転速度を制御する制御装置とを備え、前記圧縮装置の翼車の回転速度は、前記収納室における圧力が低下する程に高速になると共に、前記収納室内に収納された冷却対象物の温度に対応する値が前記凝縮器を冷却する冷却流体の温度に対応する値に等しい時に定格最大回転速度の1/3以上になる特性を有するように制御される。これにより圧縮装置の翼車の速度制御を自動化できる。冷却対象物の温度が5℃〜50℃程度になる領域では、その温度が10℃低下する毎に収納室内圧力(=飽和蒸気圧)は約1/2近く低下しなければならない。一方、一般的な翼車の特性として、定格回転速度に近い範囲では、翼車の入口での条件が同じなら、圧縮時の圧力上昇ヘッドは回転速度の2乗にほぼ比例する。しかし、翼車の回転速度が定格回転速度から大きく外れると、流体圧縮効率の低下分を考慮する必要がある。そして、収納室内に収納された冷却対象物の温度に対応する値が凝縮器を冷却する冷却流体の温度に対応する値に等しい時点、すなわち冷却を進行させるには圧縮装置による圧縮が必要になる時点での翼車の回転速度を定格最大回転速度の1/3以上とし、そこから冷却対象物の温度低下に伴い回転速度を増加させ、最終的に冷却対象物が最も冷却される状態すなわち最低温度で定格最大回転速度にするのが好ましい。これは、遠心型圧縮装置および斜流型圧縮装置における圧縮比と回転速度の関係が、定格点近傍では一般的に以下の式(1)で表されることによる。
Figure 0004271082
ここでPrは流体の圧縮比、Proは定格作動時(設計点)の圧縮比、Nは回転数、Noは定格作動時の回転数、rは流体の比熱比である。
例えば、定格作動時の最大圧縮比が3.5で、その時点での翼車の回転速度すなわち定格最大回転速度が60000rpmの圧縮装置により水蒸気(比熱比を1.33とする)を圧縮する場合、効率低下を防止するためには、圧縮比が必要となる温度域になった直後の時点での圧縮比を1.25とすると翼車回転速度は23710rpmになる。これにより、冷却対象物の冷却速度を確保するために翼車の回転速度を増加させる際に適切な圧縮比が確保され、効率低下による消費電力の増大や圧力サージなどによる損傷を防止できる。また、遠心型または斜流型の圧縮装置における翼車の特性として、圧縮流体の体積流量はほぼ回転速度に比例する。よって、冷却対象物の冷却が進んで翼車の回転速度が上昇することで、排出水蒸気の密度が低下して体積流量が増大することに対応でき、水蒸気の排出を円滑に行うことができる。さらに、冷却対象物の温度と凝縮器での凝縮温度との差に応じた適切な圧縮比が得られる。これにより、冷却対象物の温度低下による蒸気圧低下時に、従来のエゼクタ方式であれば水蒸気吸引能力が極端に低下して冷却速度が大幅に低下していたのに対して、冷却速度が大幅に低下する問題がない。よって、冷却の過程全体で適切な圧縮特性を引き出すことができ、高速冷却が可能になる。なお、その翼車の回転速度は連続的に変化させてもよいし、ステップ状に変化させてもよい。
前記凝縮器により水蒸気を凝縮することで得られた水を、加圧後に前記凝縮器に噴霧する加圧噴霧機構を備えるのが好ましい。これにより、加圧噴霧機構から噴霧される水が蒸発することで蒸発熱を奪って凝縮器を冷却し、凝縮器での水蒸気の凝縮をさらに促進できる。
前記圧縮装置で圧縮された気体が大気圧以上の時、前記凝縮器に導くことなく大気に放出する機構を備えるのが好ましい。これにより、圧縮装置で圧縮された気体が大気圧以上である時に、収納室から吸引された水蒸気は凝縮されることなく大気に直接排出されるので、水蒸気の流量に制限がかからず、冷却能力の増加が実現する。
前記凝縮器の下流において前記収納室の気体を吸引する真空ポンプを備えるのが好ましい。これにより、冷却開始当初において収納室の内圧が高く、圧縮装置が低速駆動である場合でも、収納室における圧力を真空ポンプによる気体吸引により低下させることができる。しかる後に、収納室の冷却対象物温度が凝縮器の冷却流体の温度まで低下して凝縮器で水分が凝縮しなくなったなら、圧縮装置を高速駆動することで収納室の圧力を凝縮器における圧力よりも低圧に維持し、冷却対象物を急速冷却できる。
前記冷却対象物が加熱された水分含有食材であるのが好ましい。これにより、食材を例えばチルド温度まで急速に冷却して細菌が繁殖する温度域を短時間で飛びこえることによって細菌の繁殖を防止できる。
冷却対象物が加熱された水分含有食材である場合、可搬かつ密封可能な複数の容器の内部それぞれが前記収納室とされ、前記収納室の気体を前記圧縮装置に導く配管が前記各容器に接続可能とされているのが好ましい。これにより、複数の容器に収納された食材を加熱した後に、それら容器を密封状態で冷却し、しかる後に、それら容器に収納された水分含有加熱食材を本願発明の真空冷却シシテムにより冷却できるので、食材を容器に収納した状態で加熱から冷却までを一貫して効率良く行うことができる上、この容器での食材の保管や搬送にも用いることが可能となる。
加熱された食材を収納した密封容器の外面を水等によって冷却することで、食材の温度が高い領域での冷却を行ってもよい。この場合、冷却の際には食材から出た水蒸気が容器の内面で凝縮して食材に戻る。これにより、食材を冷却できると共に食材に水分を戻すことができ、その後の収納室からの気体吸引による冷却に要する時間の短縮と、水分の過度の減少を防止できる。
本発明の真空冷却システムと真空冷却方法によれば、遠心型または斜流型の圧縮装置を含む機械式圧縮装置の特性を効果的に利用することで、冷却対象物の温度に応じて収納室からの排気を行い、高い冷却速度を維持し、冷却対象物を短時間に冷却でき、しかも全温度範囲に亘り消費電力を低減できる。
図1に示す第1比較例の真空冷却システム1は、加熱された水分含有食材Fの冷却に用いられるもので、食材Fは冷却槽2の内部の収納室2aに収納される。収納室2aにおいて、多数のホテルパン3それぞれにより食材Fが保持され、それらホテルパン3はラック4により積層状に支持され、ラック4は車輪5を介して収納室2aの床面に載置される。本比較例では、ホテルパン3およびラック4が金属等の導電材製食材保持部材であり、車輪5またはラック4の下部がゴムやプラスチック等の絶縁材とされ、これにより導電材製食材保持部材は絶縁材を介して支持される。食材Fは、ホテルパン3およびラック4により保持された状態で加熱調理装置(図示省略)により加熱調理され、収納室2aに収納された時点で例えば100℃に近い状態となる。また、ホテルパン3および下部のキャスタ部を除くラック4は食材Fと共に加熱されることで食材Fの温度以上になる。
収納室2aの気体を吸引する可変速の2段遠心型圧縮装置11、12が設けられている。各圧縮装置11、12の翼車11a、12aはモータ13によって駆動され、モータ13は制御装置16により制御されるインバータ18の出力周波数に応じて速度変更される。これにより、圧縮装置11、12の駆動速度すなわち各翼車11a、12aの回転速度が変更可能とされている。モータ13は同期型モータ、誘導型モータ、またはこれに準じたモータを用いるのがほぼ設定された値に近い回転速度を実現する上で好ましい。制御装置16は、収納室2aにおける圧力を検出する圧力センサ7および収納室2aに収納された食材Fの温度を検出する温度センサ8に接続される。圧力センサ7の検出値に応じてインバータからモータ13への出力周波数を制御することで、制御装置16は翼車11a、12aの回転速度を収納室2aにおける圧力が低下する程に高速になるように制御する。温度センサ8の検出値から食材Fの温度が目標値に達したならば運転を終了する。なお、収納室2aの圧力と食材Fの温度は一定の対応関係にあるため、その圧力と温度のうちの何れか一方のみを検出し、その検出値に応じて制御してもよい。また、圧力と温度そのものでなく対応する値を検出するものでもよい。翼車11a、12aの回転速度は、連続的に変化するように制御してもよいしステップ状に変化するように制御してもよく、モータ13の速度制御はインバータを用いるものに限定されない。
両翼車11a、12aの間の気体流路にインタークーラ15が設けられ、水道等の水源31に電磁開閉バルブ34を介して接続される。運転時に制御装置16からの信号によりバルブ34が開かれ、インタークーラ15の内部に水がフラッシングされることで通過気体は冷却される。第1段圧縮装置11による圧縮気体はインタークーラ15においてフラッシングされた微細な水滴と接触し、水滴の一部が蒸発することで気体は冷却され、しかる後に第2段圧縮装置12にて圧縮される。この結果、1段の断熱圧縮の場合よりも等温圧縮に近づき、圧縮に要するエネルギは小さくなる。なお、インタークーラ15はフラッシング水を使用しない空冷タイプとすることで簡素化してもよい。
下段の圧縮装置12の出口にチェックバルブ17を介して凝縮器21が接続される。チェックバルブ17は、圧縮装置11、12による圧縮気体が大気圧未満では閉じ、大気圧以上の時は開き、閉じた状態では圧縮気体を凝縮器21に導き、開くことで圧縮気体を凝縮器21に導くことなく大気に放出する機構を構成する。
凝縮器21はファン23による強制空気流で冷却され、圧縮装置11、12により圧縮された気体に含有される水蒸気を凝縮する。凝縮器21において凝縮された水は液溜め22に溜められる。液溜め22に溜められた水、冷却槽2の底部に溜められた水、およびインタークーラ15の底部に溜められた水は、電磁開閉バルブ35、36、37を介して水タンク38に集められる。制御装置16は、何れかの液溜めに水が溜まったのが何れかの液面センサ35a、36a、37aにより検知されると電磁開閉バルブ35、36、37を開く。水タンク38内は液面上方空間が真空ポンプ(図示省略)に接続されることで減圧状態とされる。水タンク38の排水口は水ポンプ39に接続され、水ポンプ39の吐水口は噴霧器24に接続される。制御装置16は、水タンク38に水が溜まったのが液面センサ38aにより検知されると、水ポンプ39を駆動する。これにより、噴霧器24から噴霧される水がファン23による強制空気流に乗って凝縮器21に冷却のため噴霧され、ファン23のみによる冷却時よりも凝縮器21の冷却能力は向上した状態で運転される。すなわち、凝縮器21により水蒸気を凝縮することで得られた水を、加圧後に凝縮器21に噴霧する加圧噴霧機構が設けられている。
冷却槽2に設けられた噴霧ノズル42に、水道等の水源31から電磁開閉バルブ33、細菌まで除去可能な高性能フィルタ32を介して水が供給される。これにより、噴霧ノズル42から収納室2aに水滴を噴霧する噴霧機構が構成されている。電磁開閉バルブ33は制御装置16に接続され、圧縮装置11、12の運転時に開かれる。噴霧ノズル42に設けられた負電極44とホテルパン3およびラック4に電気的に接続された正電極45との間に電圧を印加する高電圧発生装置41が設けられ、その高電圧発生装置41の発生電圧は放電が生じないように収納室2aの圧力に応じて制御装置16により制御可能とされ、圧力が低下する程に電圧が小さくされる。これにより、水滴の噴霧位置である噴霧ノズル42と食材保持部材であるホテルパン3およびラック4との間に電位差を付与すると共に水滴を帯電させる高電圧発生機構が構成されている。
圧縮装置11、12による気体の吸引中に、高電圧発生装置41により電圧を印加することで、噴霧ノズル42とホテルパン3およびラック4との間に電位差が付与され、噴霧ノズル42から噴霧されたミスト状の微細な水滴はホテルパン3およびラック4とは逆極の負極に帯電される。これにより、その電位差により水滴はホテルパン3およびラック4に向かい飛行することで、食材F、ホテルパン3およびラック4に到達する。すなわち、気体の吸引中に、収納室2aに水滴を食材Fと食材保持部材とに到達するように供給する水滴供給手段が構成されている。なお、収納室2aの圧力が低下すると水滴に衝突する気体分子が少なくなるため印加電圧が低くても帯電した水滴を食材保持部材に向かい飛行させることができるので、高電圧発生装置41における電圧に対する耐圧要求は比較的低く設定できる。
上記比較例において、ホテルパン3およびラック4と共に食材Fを加熱した後に収納室2aに収納し、しかる後に圧縮装置11、12を駆動すると、当初は収納室2aの内圧は大気圧で、圧縮装置11、12により吸引される気体の多くは空気である。そのため、圧縮装置11、12は吸引した気体を大気圧以上に昇圧し、その気体はチェックバルブ17を介して外気中に放出される。
さらに圧縮装置11、12により収納室2aから気体を吸引すると、収納室2aの圧力が次第に低下する。収納室2aの真空度がそれ程高くなく、食材Fの温度が高い間は、食材Fに含有される水分と、食材F、ホテルパン3、ラック4に付着した水分はさかんに蒸発する。これにより、収納室2aから吸引される気体の大部分は水蒸気により占められるようになる。その水蒸気の密度が高い時は、翼車11a、12aの回転速度が低くても収納室2aから吸引される水蒸気の質量流量を確保できるので、翼車11a、12aの回転速度が低く抑えられるように制御装置16はモータ13を制御する。よって、モータ13に過大な電力を供給する必要はない。
圧縮装置11、12による気体吸引により収納室2aの圧力が低下するに従って、食材Fの含有水分と食材保持部材に付着した水分の蒸発が進行する。収納室2aの真空度が高くなり、食材Fの温度が常温程度まで低下した時、収納室2aから吸引される気体の大部分を占める水蒸気の密度は低下する。そのため、制御装置16は、収納室2aの圧力が低下するに従いモータ14の回転速度、すなわち翼車11a、12aの回転速度を上昇させる。これにより、収納室2aから吸引される気体における水蒸気の体積流量が確保され、食材Fの冷却速度が確保される。この時、圧縮装置11、12により吸引される気体の大部分を占める水蒸気の密度は低いため、回転速度を高くしても翼車11a、12aを駆動する上で過大な電力を必要としない。
また、圧縮装置11、12により圧縮される気体は、大気圧以下になるとチェックバルブ17が閉じるため、凝縮器21に導かれ、そこで気体の大部分を占める水蒸気が凝縮される。これにより圧縮装置12の出口側から出る水蒸気を吸引する作用が生じることから、圧縮装置11、12は効率よく収納室2aから気体を放出させて食材Fを冷却できる。さらに、この際、ファン23による強制空気流に噴霧器24から噴霧される水の蒸発が加わると、凝縮器21がより冷却される。すなわち、加圧噴霧機構から噴霧される水が蒸発することで蒸発熱を奪って凝縮器21を冷却し、凝縮器21での水蒸気の凝縮を促進できる。
上記比較例によれば、エネルギー効率を低下させることなく、食材Fの温度が低下した場合でも収納室2aから排出する水蒸気の体積流量を確保することができる。これにより、食材Fの温度低下時でも冷却速度を維持し、食材Fをチルド温度まで急速に冷却できる。また、収納室2aから吸引された水蒸気を凝縮させることで効率よく食材Fを冷却できる。さらに、圧縮装置11、12で圧縮された気体が大気圧以上である時は、収納室2aから吸引された水蒸気は凝縮されることなく大気に直接排出されるので、水蒸気の流量に制限がかからず、冷却能力の増加が実現する。
そして、気体の吸引中に収納室2aに供給された水滴が食材Fに付着し、その水滴も蒸発することで真空冷却時に蒸発熱を奪うことで食材Fを冷却できるので、食材Fに含有される水分の減少を抑制しつつチルド温度まで真空冷却を行うことができ、食材Fの乾燥を防止し、食味の低下を抑制できる。また、ホテルパン3およびラック4に水滴が付着し、その水滴が真空冷却時に蒸発熱を奪うことでホテルパン3およびラック4を冷却することができる。これにより、ホテルパン3およびラック4が食材Fと共に加熱され冷却開始時に高温になっていても同時に冷却が進み、食材Fの冷却速度が低下するのを防止できる。さらに、電位差を利用して水分を食材F、ホテルパン3およびラック4に偏りなく供給することができる。
図2、図3は本発明の第2比較例を示し、第1比較例と同様部分は同一符号で示して相違点を説明する。第2比較例においては、第1段圧縮装置11と第2段圧縮装置12との間に、上記比較例のインタークーラ15に代えて、ファン15aによる空冷式インタークーラ15′が配置される。また、第2段圧縮装置12から排出される気体に含有される水蒸気を凝縮する凝縮器21′の出口に真空ポンプ50が接続される。これにより凝縮器21′の下流に位置する真空ポンプ50は、固定羽根の回転空間に溜め込まれた水を遠心力で周壁に張付け、その水に囲まれた空間での容積変化により吸引を行う水封型真空ポンプとされているが、一般的な真空ポンプであってもよい。凝縮器21′および真空ポンプ50は、凝縮器21′よりも上流の機器を収納する筐体51の外部に配置され、屋外に配置するのに適したものである。凝縮器21′は筐体52に収納され、その筐体52内にファン23′により吸引された空気により冷却される空冷型である。水蒸気を凝縮することで得られた水を利用する加圧噴霧機構は設けられず、真空ポンプ50から排出される水は排水され、凝縮器21′はファン23′により空冷されるのみであるが、第1比較例と同様に加圧噴霧機構を設けてもよい。また、圧縮気体を凝縮器21′に導くことなく大気に放出する機構は設けられていないが設けてもよい。さらに、圧力センサ7の検出値のみに応じて制御を行っているが、第1比較例と同様に温度センサを設けてもよいし、温度センサの検出値のみに応じて制御を行うようにしてもよい。他は第1比較例と同様である。
図5〜図7は本発明の第3比較例を示し、第1比較例と同様部分は同一符号で示して相違点を説明する。第3比較例においては、収納室2aの気体を吸引する第1段圧縮装置11と第2段圧縮装置12との間に、上記比較例のインタークーラ15に代えて、ファン15aによる空冷式インタークーラ15′が配置される。また、第2段圧縮装置12から排出される気体に含有される水蒸気を凝縮する凝縮器21′の出口に真空ポンプ50が接続される。これにより真空ポンプ50は凝縮器21′の下流において収納室2aの気体を吸引する。真空ポンプ50は、固定羽根の回転空間に溜め込まれた水を遠心力で周壁に張付け、その水に囲まれた空間での容積変化により吸引を行う水封型真空ポンプとされているが、一般的な真空ポンプであってもよい。第1段圧縮装置11と第2段圧縮装置12は本比較例では第1比較例と同様に可変速の遠心型圧縮装置とされているが、ルーツ式あるいはスクリュー式の圧縮装置としてもよいし、可変速の斜流型圧縮装置としてもよく、可変速の機械式圧縮装置であればよい。凝縮器21′および真空ポンプ50は、凝縮器21′よりも上流の機器を収納する筐体51の外部に配置され、屋外に配置するのに適したものである。凝縮器21′は筐体52に収納され、その筐体52内にファン23′により吸引された空気により冷却され、圧縮装置11、12により圧縮された気体に含有される水蒸気を凝縮させる。
第3比較例においては、冷却槽2に代えて可搬かつ密封可能な複数の容器202が設けられ、各容器202の内部それぞれが収納室2aとされる。冷却対象の加熱された水分含有食材Fは、第1比較例における車輪5付ラック4により支持されるホテルパン3に代えて、各容器202に直接的に収納される。食材Fは、容器202に収納された状態で加熱調理されることで例えば100℃に近い状態となる。本比較例では、それら容器202はキャスタ付ラック203に載置されることで搬送可能とされている。
図6、図7に示すように、各容器202は本体202aにヒンジを介して取り付けられる蓋202bを有し、各蓋202bはリンク202dを介してスライドバー202eに連結され、スライドバー202eはラック203に横方向移動可能に取り付けられている。スライドバー202eはラック203に揺動操作可能に取り付けられたレバー202fにリンク202gを介して連結される。レバー202fの操作によりスライドバー202eが移動することで蓋202bにより本体202aの上部開口が開閉される。各蓋202bに収納室2aに通じる排気用口金202hが設けられる。排気用口金202hにフレキシブル配管204の一端が着脱可能に接続され、配管204の他端はラック203に取り付けられた排気管205に接続される。図5に示すように、排気管205は電磁開閉バルブ206を介して第1段圧縮装置11の入口に着脱可能に配管接続される。すなわち、収納室2aの気体を圧縮装置11、12に導く配管204が各容器202に着脱可能とされている。バルブ206は制御装置16に接続され、収納室2aから気体を吸引するまでは閉鎖される。収納室2aの圧力測定用の圧力センサ7が電磁開閉バルブ206と排気管205との間に設けられる。また、排気管205を開閉する手動操作バルブ205aが設けられており、排気管205がバルブ206を介して第1段圧縮装置11の入口に配管接続されるまで容器202を密閉状態に保持できるように閉鎖される。
なお、収納室2aにおいて水滴を噴霧する噴霧機構と水滴を帯電させる高電圧発生機構は容器が小型になることもあり、この場合には設けない。また、水蒸気を凝縮することで得られた水を利用する加圧噴霧機構は設けられず、真空ポンプ50から排出される水は排水され、凝縮器21′はファン23′により空冷されるのみであるが、第1比較例と同様に加圧噴霧機構を設けてもよい。また、圧縮気体を凝縮器21′に導くことなく大気に放出する機構は設けられていないが設けてもよい。さらに、圧力センサ7の検出値のみに応じて制御を行っているが、第1比較例と同様に温度センサを設けてもよいし、温度センサの検出値のみに応じて制御を行うようにしてもよい。他は第1比較例と同様とされている。
図6に示すように、食材Fを収納した容器202はラック203に載置された状態で加熱調理装置230に搬入され、そこで食材Fの加熱が行われる。図示例は加熱調理装置230としてスチームコンベクションオーブンを用い、容器202内に高温蒸気Sを供給することで食材Fを加熱するものを示すが、食材Fの加熱手段は特に限定されない。食材Fの加熱後に、容器202を図7に示すように加熱調理装置230からラック203に載置された状態で搬出し、蓋202bを閉めて密閉状態にし、水冷室231に搬入する。水冷室231においてノズル231aからミスト状の水Wを吹き付けることで容器202は冷却される。なお、この場合の容器202の冷却手段は特に限定されず例えば強制風による空冷でもよい。この冷却により、収納室2aに溜まった水蒸気が容器202の内面で凝縮し、収納室2aは減圧されるために温度の高い食材Fからは水分が蒸発する。これにより、収納室2aから気体を吸引する前に食材Fを例えば100℃近くから40〜50℃程度まで冷却できる。なお、容器202は密閉されていることから、食材Fから出た水蒸気は容器202の内面で凝縮して食材Fに戻り、収納室2aから気体を吸引する前に収納室2aの水分が減少することはなく、食材Fが乾燥することはない。すなわち、複数の容器202に収納された食材Fを加熱した後に、それら容器202を密封状態で冷却し、しかる後に、それら容器202に収納された水分含有加熱食材Fを本比較例の真空冷却システムにより冷却することが行われる。
水冷室231からラック203と共に搬出された各容器202内の収納室2aは、接続部207を介して第1段圧縮装置11の入口に配管接続される。しかる後に手動操作バルブ205aが開かれ、圧力センサ7はこの状態での収納室2aの圧力を検知した状態となる。次に制御装置16により真空ポンプ50が作動される。電磁開閉バルブ206の下流の圧力が収納室2aと同程度まで減圧された時点で、電磁開閉バルブ206が開かれ、圧縮装置11、12の駆動が開始される。圧縮装置11、12の駆動開始直後は収納室2aは十分に減圧されていないため、圧縮装置11、12は低速駆動され、収納室2aからの気体吸引は主に真空ポンプ50により行われ、収納室2aの圧力が気体吸引により次第に低下する。収納室2aの真空度がそれ程高くなく、食材Fの温度が高い間は、食材Fに含有される水分はさかんに蒸発する。これにより、収納室2aから吸引される気体の大部分は水蒸気により占められるようになる。その水蒸気の密度が高い時は、圧縮装置11、12が低速でも収納室2aから吸引される水蒸気の質量流量を確保できるので、モータ13に過大な電力を供給する必要はない。さらに気体吸引が進行するが、もし凝縮器21′における圧力が凝縮器21′を冷却する外気温における蒸気圧よりも低下すると凝縮は起こらなくなり、また、水封式真空ポンプ50では封入されている水の温度における蒸気圧より低い圧力まで気体を吸引することはできなくなる。そこで、制御装置16は圧力センサ7からの信号に基づき収納室2aにおける圧力が低下する程に圧縮装置11、12の駆動速度を増大させる。これにより、収納室2aの圧力が低下しても、凝縮器21′の圧力は外気温における蒸気圧まで低下せず凝縮が続くことになり、また、水封式真空ポンプ50の封入されている水の温度における蒸気圧に至ることもない。この結果、収納室2aから吸引される気体における水蒸気の体積流量が確保され、食材Fの冷却速度が確保される。この時、圧縮装置11、12により吸引される気体の大部分を占める水蒸気の密度は低いため、駆動速度を高くしても圧縮装置11、12を駆動する上で過大な電力を必要としない。
第3比較例によれば第1比較例と同様の作用効果を奏することができる。さらに、収納室2aからの気体吸引前に食材Fを容器202に収納した状態で加熱し、その加熱された食材Fを収納した状態で密封された容器202を冷却することで、その後の収納室2aからの気体吸引による冷却に要する時間を短縮することができる。また、容器202は高温で密封状態になるため、この状態で冷却した後に保管すると食材Fは外気に触れる等の可能性がなく雑菌混入を防止でき、食材Fの安全性を格段に向上できる。また、容器202は保管された後にそのまま搬送できるため、搬送時の安全性も高めることもできる。さらに加熱の際にも容器202を密封し、例えば120℃以上に食材Fを加熱するという使い方も可能であり、この場合には滅菌を確実に行うことができ、その後の冷却により常温保管や搬送も可能になり、扱いの容易さと設備の簡素化を実現できる。
本発明の実施形態においては、図1において2点鎖線で示すように、凝縮器21の出口に接続されると共に制御装置16により制御されるモータ101aにより駆動される真空ポンプ101と、凝縮器21を冷却する冷却流体の温度として凝縮器21の周囲の雰囲気温度を検出すると共に検出温度を制御装置16に送る温度センサ102を追加する。その凝縮器21の下流に位置する真空ポンプ101として第2比較例と同様の水封型真空ポンプを用いるのが好ましいが、他の一般的な真空ポンプを用いてもよい。この場合、収納室2aの圧力センサ7または食材Fの温度センサ8による検出値と、温度センサ102による検出値とに応じて圧縮装置11、12の翼車11a、12aの回転速度が制御装置16により制御される。すなわち、圧縮装置11、12の翼車11a、12aの回転速度は、収納室2aにおける圧力が低下する程に高速になると共に、収納室2a内に収納された食材Fの温度が凝縮器21を冷却する冷却流体の温度に等しい時に定格最大回転速度の1/3以上になる特性を有するように制御される。例えば、100℃近い食材Fが収納室2aに収納されたならば真空ポンプ101の作動を開始する。この時点で圧縮装置11、12の作動を開始してもよい。この作動開始直後においては収納室2aの内圧は大気圧なので、圧縮装置11、12の翼車11a、12aの回転速度は小さく、圧縮装置11、12は圧縮ヘッドの低いファンとして機能するに過ぎないので、モータ13に過大な電力が供給されることはない。この時点で収納室2aから引き出された気体は圧縮装置11、12によって凝縮器21に送られるが、初期状態ではその気体成分はほとんど空気であるため凝縮はせず、真空ポンプ101によって排気されることになる。そして、圧縮装置11、12の作動により食材Fの内部に含まれる水の蒸発が促進され、食材Fの冷却が進むと、収納室2aの内部から排出される気体における空気の割合が減少して水蒸気の割合が増大する。この時、図4に示すように、食材Fの温度が低下して収納室2aの内部が真空に近づいてくるに従って、モータ13の回転速度を上昇させ、最終的に定格最大回転速度Nmaxまで上昇させる。収納室2aに収納された食材Fの温度と凝縮器21を冷却する冷却流体の温度とが等しい値Taになった時点taで、翼車11a、12aの回転速度Naを定格最大回転速度Nmaxの1/3以上にする。その回転速度の変化範囲に共振による危険速度が存在する場合、その危険速度領域(図4におけるα領域)を避けるために回転速度をステップ状に変化させるのが良い。モータ13の回転速度を上昇させることで翼車11a、12aが圧縮する体積流量と圧縮比は増大するが、翼車11a、12aに取込む気体の密度が低くなるためにモータ13の消費電力はほとんど増加しない。圧縮装置11、12で圧縮された水蒸気は凝縮器21において凝縮される。なお、収納室2aの圧力と食材Fの温度は一定の対応関係にあるため、収納室2aの圧力の検出値から食材Fの温度に対応する値を求めてもよい。また、一方の圧縮装置11の翼車11aと他方の圧縮装置12の翼車12aを独立のモータにより独立に駆動してもよく、この場合、少なくとも一方の翼車の回転速度を収納室2aに収納された食材Fの温度と凝縮器21を冷却する冷却流体の温度とが等しい値Taになった時点taで、その翼車の定格最大回転速度Nmaxの1/3以上にすればよい。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、冷却対象物は加熱された食材に限定されず、他の水が含浸された物、水との混合物、あるいは水そのものであってもよい。また、収納室の気体を吸引する圧縮装置は可変速の遠心型圧縮装置に限定されず、可変速の斜流型圧縮装置でもよく、可変速の遠心型圧縮装置と可変速の斜流型圧縮装置の双方を備えていてもよい。また、圧縮装置は単段でも3段以上でもよい。複数段の圧縮装置とする場合、各圧縮装置を互いに独立のモータにより独立に駆動してもよい。可変速の遠心型圧縮装置や可変速の斜流型圧縮装置を用いる場合、少なくとも一つの翼車の回転速度を収納室に収納された冷却対象物の温度に対応する値と凝縮器を冷却する冷却流体の温度に対応する値とが等しい時点で、その翼車の定格最大回転速度の1/3以上にすればよい。また、圧縮装置の駆動速度は、本発明の作用効果を奏するように収納室における圧力が低下する程に高速になる特性を有するものであれば、収納室における全圧力範囲にわたって圧力が低下する程に高速になる必要はなく、例えば、凝縮器21の冷却能力が噴霧器24から水が噴霧されることで向上する時に、一時的に翼車11a、12aの回転速度を低下させてエネルギ効率の向上を図るようにしてもよい。また、凝縮器21、21′を冷却する冷却流体の温度については、必ずしも空気流の温度とは限らず、例えば水が噴霧器24から噴霧されている場合などは湿球温度に相当するものを冷却流体の温度としてもよい。
本発明の実施形態および第1比較例の真空冷却システムの構成説明図 本発明の第2比較例の真空冷却システムの構成説明図 本発明の第2比較例の真空冷却システムの外観図 本発明の実施形態における時間と食材温度と圧縮装置の翼車の回転速度との関係を示す図 本発明の第3比較例の真空冷却システムの構成説明図 本発明の第3比較例における容器内の食材の加熱状態を示す図 本発明の第3比較例における容器の冷却状態を示す図
符号の説明
1 真空冷却システム
2a 収納室
7 圧力センサ
8 温度センサ
11、12 圧縮装置
16 制御装置
17 チェックバルブ
18 インバータ
21、21′ 凝縮器
24 噴霧器
39 水ポンプ
102 温度センサ
202 容器
204 配管
F 食材

Claims (7)

  1. 冷却対象物として水分含有物または水を冷却するために用いられる真空冷却システムにおいて、
    前記冷却対象物の収納室の気体を吸引する可変速の遠心型圧縮装置および可変速の斜流型圧縮装置のうちの少なくとも一方と、
    前記圧縮装置により圧縮された気体に含有される水蒸気を凝縮させる凝縮器と、
    前記収納室における圧力および前記収納室に収納された冷却対象物の温度のうちの少なくとも一方に対応する値を検出するセンサと、
    前記凝縮器を冷却する冷却流体の温度に対応する値を検出するセンサと、
    前記両センサの検出値に応じて前記圧縮装置の翼車の回転速度を制御する制御装置とを備え、
    前記圧縮装置の翼車の回転速度は、前記収納室における圧力が低下する程に高速になると共に、前記収納室内に収納された冷却対象物の温度に対応する値が前記凝縮器を冷却する冷却流体の温度に対応する値に等しい時に定格最大回転速度の1/3以上になる特性を有するように制御されることを特徴とする真空冷却システム。
  2. 前記凝縮器により水蒸気を凝縮することで得られた水を、加圧後に前記凝縮器に噴霧する加圧噴霧機構を備える請求項1に記載の真空冷却システム。
  3. 前記圧縮装置で圧縮された気体が大気圧以上の時、その圧縮された気体を前記凝縮器に導くことなく大気に放出する機構を備える請求項1または2に記載の真空冷却システム。
  4. 前記凝縮器の下流において前記収納室の気体を吸引する真空ポンプを備える請求項1〜3の中の何れかに記載の真空冷却システム。
  5. 前記冷却対象物が加熱された水分含有食材である請求項1〜4の中の何れかに記載の真空冷却システム。
  6. 可搬かつ密封可能な複数の容器の内部それぞれが前記収納室とされ、
    前記収納室の気体を前記圧縮装置に導く配管が前記各容器に接続可能とされている請求項5に記載の真空冷却システム。
  7. 複数の容器に収納された食材を加熱した後に、それら容器を密封状態で冷却し、しかる後に、それら容器に収納された水分含有加熱食材を請求項6に記載の真空冷却システムにより冷却する真空冷却方法。
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