JP3281356B2 - 甲虫の飼育容器 - Google Patents

甲虫の飼育容器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、甲虫、特にクワガ
タムシを飼育するための飼育容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】甲虫を幼虫の段階から育てる愛好者は多
く、特にクワガタムシは、その中のオオクワガタがその
大きさや雄の姿形に魅力があり、趣味の域を越えて市場
価値を得るまでになっている。
【0003】オオクワガタの幼虫の飼育には、椎茸栽培
用のホダ木廃材を利用する腐朽材飼育、クヌギやブナ等
の木屑を飼育床にするマット飼育、幼虫の好む菌類を培
養させた培地を飼育床とする菌床ビン飼育等が知られて
いる。特に菌床ビン飼育は大型の成虫を得やすい飼育方
法で、大型の雄個体の多くは、この菌床ビン飼育によっ
て得られている。
【0004】この菌床ビン飼育は、図5(a)(b)に
示すような飼育容器10を用いて幼虫から飼育するもの
である。飼育容器10は、ガラス製もしくはプラスチッ
ク製の有底容器8にキノコ菌糸培地を充填し、この培地
中にキノコ種菌を接種し、菌糸を育成させたものを幼虫
の飼育床6としたものである。この有底容器8内に幼虫
を入れ、有底容器8の開口部を蓋体9で閉じる。蓋体9
には通気穴12が形成されて有底容器8内の通気が図ら
れ、この通気穴12には、キノコバエ等の害虫が有底容
器8内に侵入しないように、通気性を保って閉じるフィ
ルタ11が取り付けられている。
【0005】この飼育容器10は、有底容器8内におが
粉や米ぬかなどにより培地を作り、キノコ種菌を接種
し、培養して飼育床6を作ることもできるが、キノコ種
菌の種類、培地となるおが粉の成分などを調整したもの
が市販されている。ユーザは1個の飼育容器10に1匹
の幼虫を入れて飼育を開始し、幼虫の成長に合わせて何
度か新しい飼育容器10に幼虫を移し換える。幼虫は終
令幼虫に育った後、蛹化し、やがて羽化して成虫とな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記終令幼虫が蛹にな
るとき、体内から不要になった老廃物(糞)を排出し、
これを用いて蛹室を作るが、有底容器8の内面に接して
蛹室を作るときには平滑な有底容器8の内面には糞を塗
り付けることができないため、有底容器8の内面を蛹室
の一部として利用する。この状態は50%程度の確率で
有底容器8の底面を利用して蛹室を作ることが確認され
ている。
【0007】このように有底容器8の底面に蛹室を作っ
た蛹が羽化するとき、有底容器8の底面が平滑な面であ
るがために、足場が滑りやすく正しい姿勢で羽化行動に
入れず、羽化不全の発生率が非常に高くなる問題があっ
た。特に、雄の大型個体で頻発する傾向にあり、大型個
体の飼育法が確率されたにもかかわらず大型美麗個体を
いかに確実に作り出すかが今後の菌床ビン飼育の課題で
あった。
【0008】本発明の目的とするところは、有底容器の
底面で蛹化したことによる羽化不全をなくす構造を備え
た甲虫の飼育容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本願の第1発明は、飼育床を充填した有底容器内に幼
虫を入れて成虫に飼育する甲虫の飼育容器であって、前
記有底容器は、その内面側の少なくとも底面が粗面に形
成されてなることを特徴とするもので、有底容器の少な
くとも底面が粗面に形成されていることにより、約50
%の確率で底面で蛹化する甲虫が羽化するときの足場が
粗面により得られ、正しい姿勢で羽化行動ができるの
で、羽化不全を発生させることなく健全な成虫に成長さ
せることができる。
【0010】上記構成において、底面から側周面に立ち
上がるアール面もしくは傾斜面を有する有底容器にあっ
ては、粗面は底面から側周面に立ち上がるア−ル面もし
くは傾斜面とに形成しておくことによって、底面の端で
アール面もしくは傾斜面に接して蛹化したときに、滑り
やすいアール面もしくは傾斜面で足場が得られないこと
による羽化不全が防止できる。
【0011】また、粗面は、蛹室から羽化する成虫がそ
の脚で自らを支持する足場が確保できる凹凸に形成して
おくと、羽化した成虫が羽化行動を行うための足場が確
保される。
【0012】また、粗面は、飼育床の素材が入り込む凹
部を列設形成した凹凸形状に形成することができ、凹部
に入った飼育床は幼虫に食べ残されるので、底面に残さ
れた飼育床によって羽化した成虫が羽化行動するための
足場が確保される。
【0013】また、本願の第2発明は、飼育床を充填し
た有底容器内に幼虫を入れて成虫に飼育する甲虫の飼育
容器であって、前記有底容器内の少なくも底面を覆うよ
うに、少なくとも表面が粗面に形成された敷設材が有底
容器内に配設され、その上に前記飼育床が充填されてな
ることを特徴とするもので、有底容器の少なくとも底面
を覆って敷設材が配設されていることにより、幼虫は有
底容器の底までもぐり込むことがなく、敷設材の上に蛹
室を作り、そこで羽化したときに敷設材の表面が粗面で
あることによって足場が確保され、正しい姿勢で羽化行
動ができるので、羽化不全を発生させることなく健全な
成虫に成長させることができる。
【0014】また、本願の第3発明は、飼育床を充填し
た有底容器内に幼虫を入れて成虫に飼育する甲虫の飼育
容器であって、前記有底容器内の少なくとも底面を覆う
ように、少なくとも表面が粗面に形成された敷設材が有
底容器内に配設され、その上に前記飼育床が充填され、
この飼育床の上面に通気性のある上部敷設材が配設され
てなることを特徴とするもので、有底容器の少なくとも
底面を覆って敷設材が配設されていることにより、幼虫
は有底容器の底までもぐり込むことがなく、敷設材の上
に蛹室を作り、そこで羽化したときに敷設材の表面が粗
面であることによって足場が確保され、正しい姿勢で羽
化行動ができるので、羽化不全を発生させることなく健
全な成虫に成長させることができる。また、飼育床はそ
の下側に配設された敷設材と、上側に配設された上部敷
設材とによって湿度及び温度の安定化が図られ、飼育環
境を最適に維持することができる。
【0015】また、第2及び第3の各発明において、底
面から側周面に立ち上がるアール面もしくは傾斜面を有
する有底容器にあっては、敷設材は底面と前記アール面
もしくは傾斜面とを覆うように配設することによって、
底面の端でアール面もしくは傾斜面に接して蛹化したと
きに、アール面もしくは傾斜面で足場が得られないこと
による羽化不全が防止できる。
【0016】また、敷設材または上部敷設材は、甲虫の
幼虫が採餌しない材質で透水性のある材料によりスポン
ジ状に形成されたもの、表面が粗面のシート状に形成さ
れたものが、羽化時の足場を構成するのに好適であり、
容器内への挿入が容易であり、飼育床に発生した水分を
吸収して飼育床の環境を維持することができる。また、
敷設材は、砂、小石等の粒子状の素材を敷設しても同様
の効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。
尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であ
って、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0018】本実施形態は、甲虫の中でも最も人気があ
り市場性もあるオオクワガタを幼虫の段階から飼育し
て、健全な姿態の成虫に成長させることができるように
構成された飼育容器の実施例について示すものである。
【0019】第1の実施形態に係る飼育容器1は、図1
(b)に示すように、ガラスもしくは樹脂によって有底
円筒形に形成された有底容器8内に、底面及び底面から
内周面に立ち上がるアール面8aを覆うように羽化不全
防止シート(敷設材)5が配設され、この上に飼育床6
を充填し、有底容器8の開口端に蓋体9が着脱自在に装
着され、有底容器8内にオオクワガタの幼虫を入れ、温
度及び湿度を管理して飼育できるように構成されてい
る。前記蓋体9には図1(a)に示すように、通気口1
2が設けられ、有底容器8内が外部に通気できるように
構成され、通気口12はキノコバエ等の害虫が有底容器
8内に侵入しないよう通気性のあるフィルタ11で閉じ
られている。尚、蓋体9の有底容器8への装着構造は明
示していないが、螺入により装着するのが好適である。
【0020】前記羽化不全防止シート5は、幼虫が採餌
しない材質で少なくとも表面が粗面に形成されたもの
で、発泡ウレタンのようなスポンジ状のものや、発泡ス
チロール、厚紙等の少なくとも表面が粗面に形成された
ものを適用することができる。発泡ウレタンや発泡スチ
ロールのような発泡材の場合には、気孔率が5%以上の
ものが望ましいが、発泡スチロール等を網目状に形成し
たものでは、これに限定されるものではない。また、厚
紙等では面粗度は80Rz以上のものが好適である。更
に、図1に示す有底容器8の形態は一般に広口ビンと称
されるもので、開口端側で直径が小さくなっているの
で、容器8の底に羽化不全防止シート5を挿入できるよ
うにするため、羽化不全防止シート5は弾性変形する素
材のものが必要で、前記発泡ウレタン等は好適なもので
ある。
【0021】尚、有底容器8では、その底面から側周面
に立ち上がるアール面8aが形成されているが、斜めに
直線状に立ち上がる傾斜面が傾斜されている場合であっ
ても、傾斜面が滑りやすい面となるので、羽化不全防止
シート5で覆うことが望ましい。底面から直角に側周面
に立ち上がる容器にあっては、この限りでない。
【0022】また、飼育床6は、クヌギやブナ等の朽木
フレークに幼虫が必要とする栄養素を配合し、適当な水
分を含ませ、発酵させたものを使用するマットが飼育コ
ストが安く一般的なものであるが、大型の成虫が得やす
くオオクワガタの飼育には最も適しているとされる菌床
ビン飼育が現在の主流となっている。この菌床ビンは以
下に説明するように2種類の作り方がある。
【0023】その第1の作り方は、キノコ養殖方法で培
地作りから行う方法である。オガコ、米ぬか、薄力粉、
ミネラル分等を混ぜた培地を作り、培地水分率を55〜
75%に調整して有底容器8内に充填する。これに11
8〜120℃の温度を30〜40分間加えて菌糸に悪影
響を及ぼす雑菌の殺菌処理を行った後、キノコの種菌を
蒔き、温度、湿度、CO2濃度を所定値に保って菌糸培
養する。この飼育床6の作り方に飼育容器1を適用する
場合には、羽化不全防止シート5は殺菌時の温度(12
0℃)に耐え得る材質のもので構成する必要がある。
【0024】また、第2の作り方は、菌糸培養が完了し
た菌床ブロック(市販品もある)を崩して有底容器8内
に充填する方法である。この場合は菌糸に悪影響を及ぼ
す雑菌を取り除くための殺菌処理は菌床ブロックの製造
段階で完了しているので、羽化不全防止シート5に高温
が加わることがなく、耐熱温度が高い材質のもので構成
する必要はない。
【0025】オオクワガタの飼育は、図1に示すように
構成された飼育容器1に1令幼虫を入れ、2〜3ヵ月毎
に餌交換するために新しい飼育容器1に幼虫を移し換え
る。これを通常3〜4回(約1年)行うと、幼虫は2令
幼虫、3令幼虫(終令幼虫)へと脱皮成長し、3令幼虫
になると大量に採餌して栄養を蓄える。この3令幼虫は
蛹化する段階に達すると、多くは容器8の壁面に接する
ように楕円形の蛹室を作り、雄で約1ヵ月で羽化して成
虫となる。
【0026】幼虫が蛹化するとき50%程度の確率で有
底容器8の底で蛹室を形成する。この蛹室は糞を塗り付
けて作られるが、ガラスや樹脂の平滑な面では糞を塗り
固めることができないため、容器8の内面を蛹室の一部
として利用するようになる。この状態は有底容器8の外
から蛹化した幼虫を観察するための覗き窓として有用で
はあるが、蛹室が羽化するまでの環境を保つのに必要な
ものであるだけに、有底容器8が蛹室の一部となってい
るのは不自然でもある。特に、有底容器8の底面に蛹室
が作られたとき、羽化するときに平滑な面で滑りやすく
足場が得られず、正しい姿勢で羽化行動に入れず、羽化
不全の発生率が非常に高くなる。蛹から脱皮するときに
は脚で自らを支えて蛹から抜け出るが、蛹から成虫に変
態した状態での成虫は軟らかく、足場が滑りやすい状態
にあると十分な体勢が得られず、体に凹凸ができた奇形
や、最悪の場合では衰弱死することもある。
【0027】本実施形態になる飼育容器1のように、有
底容器8の底面に羽化不全防止シート5を配設すると、
その表面が粗面であるため、蛹化するときに糞を塗り固
めやすくなり、健全な蛹室が作られやすくなる。また、
羽化するときには、粗面は足場を確保することができ、
正しい姿勢で羽化行動に入り、羽化不全を起こすことな
く健全な姿態の成虫に成長させることができる。また、
羽化不全防止シート5は、有底容器8の底面だけでな
く、図1に示すように底面から内側周面に立ち上がるア
ール面8aも覆うように配設すると、最も滑りやすいア
ール面8aが覆われ、羽化不全の防止に効果的である。
【0028】上記構成になる飼育容器1の効果を検証す
るために、10匹のオオクワガタの幼虫を1令幼虫、2
令幼虫までは従来の菌床ビン10に1匹ずつ入れて飼育
し、幼虫が3令幼虫になったときの餌交換時に飼育容器
1に入れ換えて飼育し、蛹化、羽化を経て成虫になるま
でを観察した。飼育容器1に入れた3令幼虫は大量に採
餌し、やがて多くは羽化不全防止シート5の上で蛹室を
作り蛹化した。この蛹から羽化するとき、羽化不全の発
生は4/10(従来の菌床ビンで蛹化させた場合)から
1/10に減少し、死亡個体の発生もゼロであった。
【0029】前記羽化不全防止シート5は、これに代え
て、砂、小石等の粒子状材料による羽化不全防止材15
を用いて構成することもできる。図2は、第2の実施形
態に係る飼育容器2の構成を示すもので、粒径が0.5
〜10mmの砂及び小石の混在物を羽化不全防止材(敷
設材)15として適用している。この羽化不全防止材1
5を用いる場合には、有底容器8の底に、底面から内側
周面に立ち上がるアール面8aを覆う高さまで敷き詰
め、その上に飼育床6を充填する。この羽化不全防止材
15は、蒸気殺菌や電子レンジによる加熱殺菌により菌
糸に悪影響を及ぼす雑菌を取り除いて使用する。
【0030】この羽化不全防止材15として適用する砂
や小石は幼虫が採餌しない材料なので、幼虫は羽化不全
防止材15の表面より下には入ることはなく、有底容器
8の底に蛹室を作ることはなく、羽化不全防止材15よ
り上方に蛹室を作るので、羽化時には羽化不全防止材1
5で滑らない足場が得られ、正常な羽化動作により健全
な成虫になる。
【0031】また、羽化不全防止材15に幼虫が嫌う嫌
忌性物質を添加しておくと、幼虫は飼育床6の最下部ま
で潜らず、有底容器8の底面で蛹化することが防止でき
る。また、羽化不全防止材15に消臭効果のある物質を
添加しておくと、飼育場所に異臭が発生することが防止
できる。
【0032】以上説明した羽化不全防止シート5及び羽
化不全防止材15は、羽化時の足場を提供して羽化不全
を抑制する効果だけでなく、飼育床6の劣化により水分
が発生した場合に幼虫や蛹が水没してしまうことが防止
できる。
【0033】図3は、第3の実施形態に係る飼育容器3
の構成を示すもので、有底容器8内に、その底面側に第
1の実施形態の構成と同様に羽化不全防止シート5が配
設され、その上に飼育床6が充填され、この飼育床6の
上面に上部敷設材14が配設されている。
【0034】前記上部敷設材14は、羽化不全防止シー
ト5と同じ発泡ウレタン、発泡スチロール等を用いて
も、羽化不全防止材15と同じ粒子状材料を用いてもよ
く、通気性のある材料で形成することが望ましい。この
上部敷設材14は、飼育床6として菌床マットを用いる
ときに効果的に作用する。即ち、底面側の羽化不全防止
シート5と、上部敷設材14とによる飼育床6の断熱効
果及び水分の蒸発抑制効果により、有底容器8内の湿度
と温度の安定が図られ、幼虫の飼育環境が保持される。
また、上部敷設材14は、菌床マットからキノコが発生
するのを抑制する効果があり、更に、キノコバエやダニ
等の害虫の侵入を防止することができる。従って、菌床
マットの早期劣化が抑制され、良好な飼育環境が長期に
わたり維持でき、幼虫から羽化に至るまで安定した環境
が保持できる。
【0035】次いで、第4の実施形態に係る飼育容器4
について図4を参照して説明する。図4において、飼育
容器4は、有底筒状に形成された有底容器16内に飼育
床20を充填し、その開口端を蓋体17で着脱可能に閉
じるように構成されている。蓋体17には通気穴21が
設けられて有底容器16内の通気を図ると共に、キノコ
バエ等の害虫の侵入を防ぐために通気穴21は通気性の
あるフィルタ19で閉じられている。
【0036】前記有底容器16の内底面と、内底面から
内側周面に立ち上がるアール面とには、凹凸形状を成形
した粗面18が形成されている。この粗面18を形成す
るために、有底容器16はアンダーカット部分が生じな
い有底円筒形に樹脂成形もしくはガラス成形によって製
作される。
【0037】前記粗面18は、幼虫が容器16の底で蛹
化するときに糞を塗り固めやすくなり、健全な蛹室が作
られやすくなる。また、羽化するときには、粗面18は
足場を確保することができ、正しい姿勢で羽化行動に入
り、羽化不全を起こすことなく健全な姿態の成虫に成長
させることができる。また、底面から内側周面に立ち上
がるアール面にも形成されているので、最も滑りやすい
アール面も粗面となり羽化不全の防止に効果的である。
【0038】有底容器16は、底面から側周面に立ち上
がる部分にアール面を形成することなく直角に立ち上が
るように形成することができ、この場合には粗面は底面
だけに形成するようにしてもよく、成形が容易となる。
【0039】また、粗面18は、飼育床20の素材が入
り込む凹部を列設した凹凸形状に形成すると、凹部に入
った飼育床は幼虫に食べ残されるので、有底容器16の
底面には飼育床が残り、それにより羽化する成虫の足場
が確保される。従って、足場の確保により正常な羽化動
作により羽化不全の発生が防止される。
【0040】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、有底
容器内の底面及び側周面に立ち上がるアール面もしくは
傾斜面が粗面形成、もしくは少なくとも表面が粗面に形
成された敷設材が配設されるので、幼虫が健全に蛹室を
作りやすく、羽化するときには足場が確保されて正常な
羽化動作ができ、羽化不全が抑制されて健全な成虫に成
長させることができる。また、敷設材は有底容器内で発
生した水分を底面に透過させるので、水分によって羽化
不全が生じることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る飼育容器の構成を示す
(a)は平面図、(b)はA−A線矢視断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る飼育容器の構成を示す断
面図である。
【図3】第3の実施形態に係る飼育容器の構成を示す断
面図である。
【図4】第4の実施形態に係る飼育容器の構成を示す断
面図である。
【図5】従来の飼育容器の構成を示す(a)は平面図、
(b)はB−B線矢視断面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 飼育容器 5 羽化不全防止シート(敷設材) 6 飼育床 8、16 有底容器 9、17 蓋体 12、21 通気口 14 上部敷設材 15 羽化不全防止材 18 粗面

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飼育床を充填した有底容器内に幼虫を入
    れて成虫に飼育する甲虫の飼育容器であって、前記有底
    容器は、その内面側の少なくとも底面が粗面に形成され
    てなることを特徴とする甲虫の飼育容器。
  2. 【請求項2】 底面から側周面に立ち上がるアール面も
    しくは傾斜面を有する有底容器にあっては、粗面は底面
    とア−ル面もしくは傾斜面とに形成されてなる請求項1
    記載の甲虫の飼育容器
  3. 【請求項3】 粗面は、蛹室から羽化する成虫がその脚
    で自らを支持する足場が確保できる凹凸に形成されてな
    る請求項1記載の甲虫の飼育容器。
  4. 【請求項4】 粗面は、飼育床の素材が入り込む凹部を
    列設形成した凹凸形状に形成されてなる請求項1記載の
    甲虫の飼育容器。
  5. 【請求項5】 飼育床を充填した有底容器内に幼虫を入
    れて成虫に飼育する甲虫の飼育容器であって、前記有底
    容器内の少なくも底面を覆うように、少なくとも表面が
    粗面に形成された敷設材が配設され、その上に前記飼育
    床が充填されてなることを特徴とする甲虫の飼育容器。
  6. 【請求項6】 飼育床を充填した有底容器内に幼虫を入
    れて成虫に飼育する甲虫の飼育容器であって、前記有底
    容器内の少なくとも底面を覆うように、少なくとも表面
    が粗面に形成された敷設材が有底容器内に配設され、そ
    の上に前記飼育床が充填され、この飼育床の上面に通気
    性のある上部敷設材が配設されてなることを特徴とする
    甲虫の飼育容器。
  7. 【請求項7】 底面から側周面に立ち上がるアール面も
    しくは傾斜面を有する有底容器にあっては、敷設材は底
    面と前記アール面もしくは傾斜面とを覆うように配設さ
    れてなる請求項4または5記載の甲虫の飼育容器。
  8. 【請求項8】 敷設材または上部敷設材は、甲虫の幼虫
    が採餌しない材質で透水性のある材料によりスポンジ状
    に形成されてなる請求項4または5記載の甲虫の飼育容
    器。
  9. 【請求項9】 敷設材または上部上部敷設材は、甲虫の
    幼虫が採餌しない材質で透水性のある材料により表面が
    粗面のシート状に形成されてなる請求項4または5記載
    の甲虫の飼育容器。
  10. 【請求項10】 敷設材または上部敷設材は、甲虫の幼
    虫が採餌しない材質による粒子状の素材を敷設してなる
    請求項4または5記載の甲虫の飼育容器。
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