JP3281263B2 - インクタンクおよび該インクタンクを具えたインクジェット記録装置 - Google Patents

インクタンクおよび該インクタンクを具えたインクジェット記録装置

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JP3281263B2 JP18018796A JP18018796A JP3281263B2 JP 3281263 B2 JP3281263 B2 JP 3281263B2 JP 18018796 A JP18018796 A JP 18018796A JP 18018796 A JP18018796 A JP 18018796A JP 3281263 B2 JP3281263 B2 JP 3281263B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクタンクおよ
び該インクタンクを具えたインクジェット記録装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置の記録ヘ
ッドに記録用のインクを供給するインクタンクとして
は、次の2つに大別することができる。その1つは、記
録ヘッドとは分離して記録装置本体内に設置される形態
のインクタンクで、インクタンクからインク供給管を引
き廻した上記録ヘッドに接続し、インクを供給する形態
のものである。他の形態は、インクタンク内全体に負圧
を発生させるためのインク吸収体を収納し、インク吸収
体の発生負圧によりインク吐出口部に安定したメニスカ
スを維持させるようにするものである。かかる形態のイ
ンクタンクでは、インク吸収体に最大保持可能な量より
やや少な目にインクを保持させると共にインクの消費に
従ってインク吸収体の大気と接する側にメニスカスを発
生させるようにしており、インク吸収体から記録ヘッド
に供給されるインクを負圧に保つようにしている。
【0003】しかし、前者の分離型インクタンクの場
合、インクの供給系が大きいものとなり、装置のコンパ
クト化、低コスト化が難しい。特にそのインク供給系に
おいて、インクがとぎれ易く、信頼性の点にも問題があ
り、回復に要するインク消費量が多くなるため廃インク
処理等ランニングコストの上昇につながる。なお、この
形態のインクタンクにあってはインク吐出部に安定した
メニスカスを維持させるため、記録ヘッドに対し、イン
クタンクを低い位置に設けるようにしている。
【0004】また、後者の場合、インクタンクの毛細管
力を大気連通側の吸収体内のメニスカスと記録ヘッドの
インク吐出部との間のインク水頭差を考慮して調整して
おくことにより、インク吐出部での安定したメニスカス
を維持することが可能であり、安定したインクの吐出が
可能であるが、従来公知の全吸収体収容インクタンク方
式は、インクタンク容積に対して保持可能なインク量
(インク保持比率)が少なく、インクタンクが記録ヘッ
ドとともに被記録材(以下では記録シートと呼ぶ)に対
向して記録走査することを考えると、記録装置本体の小
型化や、ランニングコストの低減化の上で問題がある。
特に、記録姿勢が可変型のインクジェット記録装置では
小型化と共に、安定した内部負圧を発生でき、かつ、イ
ンク保持比率の高いものが必要となる。
【0005】一方、特開昭56−67269号公報、あ
るいは特開昭59−98857号公報には、インクタン
ク内にばねで付勢したインク袋を用いたばね袋インクタ
ンク方式が開示されている。ばね袋方式はそのばね力を
用いてインク供給部での内部負圧を安定して発生させて
いる点で優れているが、所定の内部負圧を得るためには
ばね形状に制約があり、インクタンクに袋を固定する工
程がやや複雑になり製造コストが高くつく上、薄型のイ
ンクタンクではインク保持比率が小さくなる。
【0006】また、特開平2−214666号公報に
は、インクタンク内を複数のインク室に区切り、互いに
負圧発生可能な細孔で連通されたインク室区分型インク
タンク方式が開示されている。本件開示の方式はインク
室を互いに連通させている細孔の毛細管力によってイン
ク供給部での内部負圧を発生させる方式である。かかる
方式はばね袋方式に比べてインクタンクの構成が簡略化
できるので製造コストの面で有利であることと、インク
タンクの形状に機構的な制約が少ない点で有利である。
【0007】しかし、上述の区分型インクタンク方式で
はインクタンクの保持姿勢を変えるとインク残量によっ
ては細孔部のインクがない状態となることがあり、細孔
による内部負圧が不安定となりインク漏れが発生する場
合もあり、インクタンク取り扱い上の制約が大きい。
【0008】そこで、負圧発生部材を収容した負圧発生
部材収容部と該負圧発生部材収容部に隣接し、インクを
収容するインク収容部とが、連通路により連通されたイ
ンクタンク方式が提案されている。これによると簡単な
構成で高いインク保持比率が実現可能となる。
【0009】図7の(A),(B)にこのような方式に
よるインクタンクの構成例を示す。100はインクタン
ク、101は負圧発生部材である多孔質体のインク吸収
体、102はかかるインク吸収体101を圧縮した状態
で収納する負圧発生部材(インク吸収体)収容部、10
3は収容部102に導かれるインク104を保持するイ
ンク収容部、105および106はインク収容部103
に設けられている大気連通口およびインク取出口、10
7はインクタンク底面部材100A上で負圧発生部材収
容部102とインク収容部103とを連通させている開
口部、100Bは双方の収容部102,103間を画成
している仕切部材である。
【0010】しかし、この方式において、負圧発生部材
として用いられる多孔質のインク吸収体101とこれを
収容する収容部の壁面との間にインク吸収体101の孔
径よりも大きい径のスキ間が存在し、これによりインク
収容部103が大気に連通すると、インク吸収体101
に保持されるインク104が吸い出される前に、上記ス
キ間を介してインク収容部103に空気が入り込み、こ
れによってインク吸収体101に所定負圧が発生せず、
インクがインク取出口106から流れ出ることになる。
そのため、この方式では、大気が必ずインク吸収体10
1内を経由して、インク収容部103に導かれるように
するために、インク吸収体101を予め圧縮して負圧発
生部材収容部102に挿入してある。そこで収容部10
2内でインク吸収体101が膨張するため、インク吸収
体101と収容部102壁面との間で大気からインク収
容部103まで連通するようなスキ間がほぼ存在しなく
なり、大気はインク吸収体101内のインクのメニスカ
スを破らなければインク収容部103には流入せず、所
定の負圧が保たれた状態で常に安定したインク供給が可
能となる。
【0011】さらにまた、図7に示す方式のインクタン
ク100では、インク吸収体101を圧縮するためにイ
ンク吸収体101の対向する側面を押し縮めても側面近
傍が大きく圧縮されるだけで、インク吸収体101の中
央部はほとんど圧縮されない状態にある。そのため、こ
のように圧縮されたインク吸収体101ではその中央部
分で毛管力が最も弱く、側面に近付くほど毛管力が強
い。そこで、このような状態でインクタンク100のイ
ンク取出口106からインクの吸引が開始されると毛管
力の弱い部分から先にインクが吸い出されて行くので、
インクが吸い出されて空になった領域(以下では空領域
という)110とまだインクが吸い出されていない領域
(以下ではインク満領域という)120との境界(以下
ではインク界面という)130が図7の(A)に矢印で
示すようにメニスカスを形成しつつ130A,130
B,130Cと変化する。
【0012】なお、インク界面130が130Cの状態
となるまでの間にインク吸収体101に保持されるイン
クのメニスカスが破れて空気がインク収容部103に入
り込み初め、インク収容部103内のインク104が開
口部107からインク吸収体101に供給され始める
と、インク界面130のこれ以上の低下は停止され、イ
ンク収容部103内のインク104を安定して吸い出し
続けることが可能となるが、インク界面130が130
Cの状態になってもインク吸収体101内に形成される
インクのメニスカスが破れず、インク収容部103への
空気流入が起こらない場合はインク界面130が図7の
(B)に示すようにさらに下がり、ついにはメニスカス
底部近傍がインクタンク100の底面に達し、インク取
出口106からインク収容部103までの間に残存する
インク満部120Aが空領域110によって分断され
る。そしてこの後はインクの吸引が続けられてもインク
取出口106近傍に残存するインクが吸い出されるのみ
で、インク収容部103内のインク104は取り出すこ
とができないまま、インクタンク100は使用不能状態
となる(以下ではインク切れという)。
【0013】そこで、かかる問題点に対処すべく、図8
に示すように仕切部材100Bの下半分に空気導入溝1
08を設け、インク界面130が図のような位置に来た
ときに確実にインク吸収体100内のインク界面130
を形成するメニスカスの端面が溝108に接し、空気が
空気導入溝108からインク収容部103側に流入する
ようにする案が提案されている。この案によれば、空気
導入溝108の上端を図7の(A)に示すインク界面1
30Cの端部より充分高い位置に設けることにより、イ
ンク切れを起こさずインク収容部103からインクを負
圧発生部材収容部102側に導き、インク取出口10か
ら取り出すことが可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、従来のインクタンクについては種々な問題点につい
て色々の対策が提案ないし実施されてきたものの、猶、
以下に述べるような問題について解決の必要があった。
【0015】すなわち、収容部102に装填されるイン
ク吸収体101の圧縮状態にはタンクによって個体差が
あり、同一装置を用いて圧縮挿入しても圧縮分布が差異
が生じるためインク界面130の形状が同一とはならな
い。そこで、どのインクタンクにおいてもインク切れが
生じないようにするためには、例えば図8に示した従来
例において、空気導入溝108の上端をかなり高い位置
に設定する必要がある。
【0016】しかしながら、このようにすると、 1)インク収容部103からインク吸収体収容部102
へのインク供給が早い時期から行われることにより、イ
ンク吸収体101に保有されるインク量が多くなって空
領域110の収容部102内に占める割合が小さくな
る。そこで、環境変動等によってインク収容部103か
らインク吸収体収容部102にインクが溢出した場合、
インクの取り出しが不安定になるなど信頼性を低下させ
る惧れがあり、十分な空領域を確保しようとするとイン
ク吸収体101自体を大きくせざるを得ず、インク収容
効率の低下を招く。
【0017】2)また、空気導入溝108の上端からタ
ンク内に装填されるインク吸収体101の上面までの距
離が短くなるため、仕切部材100Bとインク吸収体1
01との間に多孔質インク吸収体101の有する気泡経
路より大きい空気流入すき間経路が、空気導入溝に連通
する確率が高くなる。すると、インク吸収体内のインク
が減らないうちに気液交換が起こり、インク収容部10
3からのインクを使い始めることになる。
【0018】本発明の目的は、上述したような従来の問
題に着目し、インク収容部からインク吸収体収容部への
安定したインク補給が行われることによりインク切れの
惧れがなく、かつ、環境変動等に対しても不安のない、
高いインク収容効率が得られるインクタンクおよび該イ
ンクタンクを具えたインクジェット記録装置を提供する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明によるインクタンクは、保持するインクに
負圧を発生させる負圧発生部材を収容するインク吸収体
収容部に、該インク吸収体収容部と隣接し、前記インク
を収容するインク収容部から連通部を介して前記インク
が補給されるようにしたインクタンクにおいて、前記イ
ンク吸収体収容部から前記インク収容部に空気を導入す
る空気導入通路を前記インク吸収体収容部の底部に沿っ
て少なくとも前記連通部の下方にまで延在するように設
けたことを特徴とする。
【0020】また、本発明によるインクジェット記録装
置は、負圧発生部材を収容するインク吸収体収容部の底
部に沿って該インク吸収体収容部からインク収容部に空
気を導入する空気導入通路を設けたインクタンクにより
インクの供給を受けてインクを吐出する記録ヘッドを具
備することを特徴とするものである。
【0021】本発明インクタンクによれば、インク吸収
体収容部の負圧発生部材に保持されるインクが消費され
て、そのインク界面がインク吸収体収容部の底部近傍に
達すると、インク界面より上方に存在する空気が底部空
気導入通路によりインク収容部に導かれ、空気の導入に
対応して、インクがインク収容部からインク吸収体収容
部に連通部を介して補給されるので、インク収容部にイ
ンクが存在しながらインク切れが発生するようなことが
なく、また、インク吸収体収容部におけるインク収容効
率を高めることができる。
【0022】また、本発明インクジェット記録装置によ
れば、上述のインクタンクから記録ヘッドに安定してイ
ンク供給がなされるので、未だインクが充分あるにかか
わらずインク切れが生じたりすることがなく、信頼性の
高いインクジェット記録装置の提供に貢献する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施例を詳細かつ具体的に説明する。
【0024】まず、本実施例を適用可能なインクジェッ
ト記録装置の構成の概要を図5に従って説明する。本例
によるインクジェット記録装置は、その記録ヘッドにイ
ンク吐出エネルギ発生素子として電気熱変換体を有し、
記録ヘッドをインクタンクと共にキャリッジに搭載して
その移動走査中記録ヘッドからインクを吐出して記録を
行うシリアル型の記録方式のものであり、なお、本例で
はカラー記録が可能なカラーインクジェット記録装置の
構成例が示されている。図5において、1A,1B,1
Cおよび1Dはそれぞれイエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C)およびブラック(Bk)のインク
を吐出して記録を行うインクタンク一体型の記録ヘッ
ド、2はこれらの記録ヘッド1A〜1Dを搭載し、ガイ
ドシャフト3に沿って移動走査するキャリッジ、4はそ
の移動位置を検知するエンコーダである。5は記録シー
ト、6は記録シート5を記録位置に導くと共にシート送
りする複数の搬送手段である。
【0025】なお、キャリッジ2および搬送手段6はそ
れぞれ不図示の駆動手段により所定のタイミングで駆動
され、キャリッジ2による移動走査中に記録ヘッド1A
〜1Dから異なる色のインクが記録シート5に向けて吐
出されて一走査の記録が行われるたびに搬送方向にその
記録幅分ずつのシート送りがなされる。また、本例では
連続した記録シート5がシート供給位置にロール状に巻
回保持されていて、所定量の記録がなされたあと、不図
示の切断手段によりカットされる。
【0026】続いて図6により本発明にかかるインクジ
ェット記録装置に適用され、後述するインクタンクに接
続される記録ヘッド1(1A〜1D)の構成例について
説明する。
【0027】ここで、10はインク吐出口11を有し、
各吐出口11ごとに吐出エネルギ発生素子としての電気
熱変換体およびこれらの電気熱変換体に電気エネルギを
供給する配線(以上不図示)が成膜技術によって形成さ
れているヒータボードである。また、12はモールド成
形され、記録ヘッド1の外殻を構成するモールド部材、
13はモールド部材12に設けられ、インクを各インク
吐出口11に導くインク供給路、14はモールド部材1
2の表面に接着され、ヒータボード10の電気的に接続
されるTABテープ(薄型配線板)である。なお、記録
ヘッド1のモールド部材12はアルミニウム等の板から
なる支持基板15により図5に示したキャリッジ2に固
定支持される。
【0028】このような構成になる記録ヘッド1ではこ
れに接続される後述のインクタンクからインクの供給を
受け、インク供給路13からヒータボード10に導かれ
たインクに電気熱変換体から受けた熱エネルギにより気
泡を発生せしめ、その圧力変動によりインク滴をインク
吐出口11から吐出させて記録が行われる。
【0029】次に図1に従って本発明にかかるインクタ
ンクの第1実施例について説明する。
【0030】なお、以下ではこれまでに述べてきた部材
と同一機能を有するものには同一符号を付してその説明
は省略する。図1の(A)はインク充填直後の状態であ
り、ウレタンフォームなどで形成された多孔質体からな
るインク吸収体101は圧縮された形でインク吸収体収
容部102に装填され、その上面は押えリブ100Cに
よって下方に押付けられている。かくして、インク吸収
体101より上方には大気連通口105に連通する空気
層109が保たれる。インク取出口106には記録ヘッ
ド1が接続されてない。このときインクが吸引される前
の状態なので、インク界面130Sはほぼ水平に保たれ
ている。
【0031】111はインクタンク底面部材100Aに
刻設された本発明にかかる空気導入溝(以下では図8に
示した従来例による空気導入溝108と区別するために
底部空気導入溝という)である。本実施例による底部空
気導入溝111は後述するようにしてインク吸収体収容
部102の底部に沿って空気をインク収容部103側に
導くものであり、その導入を容易とするために、本実施
例では底面部材100Aの内面に沿いインク吸収体収容
部102からインク収容部103に跨がって設けられて
いる。
【0032】なお、本例では図1の(B),(C)に示
すように底部空気導入溝111を幅の細い3条とした
が、これは、インク吸収体101がインクと共に溝11
1に入り込み、空気の導入を阻害することがないように
その幅や深さを設定したものである。また、底部空気導
入溝111とインク取出口106との間は連通させない
ようにすると共にインク吸収体収容部102でのインク
界面130が図7の(B)に示すように底面部材100
Aの内面にまで到達した時にその界面底部が底部空気導
入溝111と連通するようにしてある。
【0033】図2は、図1に示した本実施例によるイン
クタンク200を記録ヘッド1に接続した状態を示すも
ので、ここで、210はインク吸収体収容部102のイ
ンク取出口106においてインク吸収体101と圧接す
るようにして装填された多孔質体からなるフィルタ部材
であり、このフィルタ部材210を介してインクタンク
200のインク吸収体収容部102から記録ヘッド1の
インクマニホールド16にインクが供給される。17は
記録ヘッド1の共通液室である。
【0034】続いて図3の(A),(B)により本実施
例によるインクタンク200のインク供給状態について
説明する。
【0035】図2に示したようなインク充填状態で記録
ヘッド1による記録が開始されると、先にも述べたよう
な理由でインク界面130が初期の130S(図2参
照)から図3の(A)に130A,130B,130C
として示すように変化し、インク界面130Cにおける
メニスカス底部近傍が図3の(B)に示すように底面部
材100Aの内面に到達する。そしてこの段階で空領域
110が底部空気導入溝111と連通し、矢印で示すよ
うにして空気が底部空気導入溝111を介してインク収
容部102に導かれる。図3の(B)において、140
はこのようにしてインク収容部103に導かれ、その頂
部に保持された密封空気を示す。なお、密封空気140
がインク収容部103に導かれることによりインク収容
部103とインク吸収体収容部102とで負圧の釣合い
が破れ、釣合が保たれる分だけインク104がインク収
容部103から開口部197を介してインク吸収体収容
部102に補填されるのでインク切れの発生するような
ことがない。
【0036】なお、インク吸収体101内に生じる空領
域110はインク吸収体101に保持されるインクがた
とえ環境変化等によって増大してもこれを外部に漏らさ
なくするというインクタンクに対する信頼性の点からの
重要なことであり、本実施例によれば充填時に上述の空
領域110の確保と共にインク吸収体101に対する充
填効率を高めることができ、効率が良く信頼性の高いイ
ンクタンクを廉価で提供することができる。
【0037】図4の(A),(B)は本発明によるイン
クタンクの第2実施例を示す。本実施例は底面部材10
0Aにおけるインク取出口106の周囲を肉厚部100
AAとし、底部空気導入溝111のインク取出口106
側の端部と上記の肉厚部100AAとの間に段差部11
2を設けたものである。本実施例によれば、肉厚部10
0AAでは底面部材100Aの他の部分よりインク吸収
体101が強く圧縮されることになり段差部112近傍
でインク吸収体101の圧縮率が急激に下がるため、イ
ンク界面130がインクの消費によって下がってきた時
に段差部112近傍でインク界面のメニスカスが破られ
易く、空領域110が底部空気導入溝111に連通し易
い。そこで、空領域110発生過程のばらつきを予め見
込んでインク吸収体101の容量を大きく設定する必要
がなくなり、インク吸収部103への空気流入に対知る
信頼性を高めることができる。
【0038】図4の(C)は本発明によるインクタンク
の第3実施例を示す。本実施例は底部空気導入溝111
の形成位置を底面部材100Aの中心線から側方にずら
せるようにしたもので、このように構成することで、イ
ンク界面130が底面部材100Aの内面に到達(図3
の(A),(B)参照)した時にインク収容部103か
ら開口部107を介してインク取出口106にインクを
導き易くすることができる。なお、白矢印はその導入回
路を示すもので、より一層インクの安定供給に貢献す
る。
【0039】なお、以上に述べてきた実施例では底部空
気導入溝111の深さや数については詳述しなかった
が、かかる要素は底面部材100Aの形状、インク吸収
体101の圧縮率等に基づいて適宜設定されればよい。
また、上述の実施例を組合せて構成することも可能であ
り、例えば、図4の(A),(B)に示した肉厚部10
0AAおよび段差部112を底部空気導入溝111の端
部近傍に限定し、インク界面130の低下時にインク収
容部103から肉厚としない部分を経てインクがインク
取出口106に導かれるようにすることも可能である。
【0040】また、底部空気導入溝に代えて、これと同
方向に複数のリブを設け、これらのリブ間に空気導入溝
が形成されるように構成してもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるイ
ンクタンクによれば、保持するインクに負圧を発生させ
る負圧発生部材を収容するインク吸収体収容部に、該イ
ンク吸収体収容部と隣接し、前記インクを収容するイン
ク収容部から連通部を介して前記インクが補給されるよ
うにしたインクタンクにおいて、前記インク吸収体収容
部から前記インク収容部に空気を導入する空気導入通路
を前記インク吸収体収容部の底部に沿って少なくとも前
記連通部の下方にまで延在するように設けたので、使用
始めのインク充填時におけるインク吸収体のインク吸収
率を環境変化等を見越しても十分に大きくすることがで
き、インクの収容効率を高めることができる。
【0042】また、仕切部材に空気導入溝を設けなくて
空気をインク収容部に導くことができるので、インク吸
収体の上面から仕切部材に沿って空気が無用に流入する
惧れが少なくなり、インク吸収体収容部に所定の負圧を
安定して発生させることができる。
【0043】以上のように小型かつ廉価で信頼性の高い
インクタンクが提供できるので、かかるインクタンクを
記録ヘッドと共に搭載して記録を行うインクジェット記
録装置の機能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるインクタンクの構成
を断面図(A)、底面部材の上面図(B)および(B)
のA−A線断面図(C)によって示す説明図である。
【図2】第1実施例によるインクタンクの記録ヘッドと
の接続状態を示す説明図である。
【図3】第1実施例によるインクタンクでのインク消費
過程を断面図(A)および(B)によって示す説明図で
ある。
【図4】本発明の第2実施例によるインクタンクの底面
部材をその上面図(A)および(A)のB−B線断面図
(B)によって、また、第3実施例によるインクタンク
の底面部材をその上面図(C)によってそれぞれ示す説
明図である。
【図5】本発明の適用が可能なインクジェット記録装置
の構成の概要を示す斜視図である。
【図6】本発明にかかるインクタンクに接続される記録
ヘッドの構成例を斜視図(A)および(A)のC−C線
断面図(B)によって示す説明図である。
【図7】従来例によるインクタンクの構成をそのインク
消費過程と共に断面図(A)および(B)によって示す
説明図である。
【図8】他の従来例によるインクタンクの構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D 記録ヘッド 2 キャリッジ 10 ヒータボード 11 インク吐出口 16 インク取出口 100,200 インクタンク 100A 底面部材 100AA 肉厚部 100B 仕切部材 100C 押えリブ 101 負圧発生部材(インク吸収体) 102 負圧発生部材(インク吸収体)収容部 103 インク収容部 104 インク 105 大気連通口 106 インク取出口 107 開口部 108 空気導入溝 109 空気層 110 空領域 111 底部空気導入溝 112 段差部 120 (インク)満領域 130,130A,130B,130C,130S イ
ンク界面 140 密封空気 210 フィルタ部材

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持するインクに負圧を発生させる負圧
    発生部材を収容するインク吸収体収容部に、該インク吸
    収体収容部と隣接し、前記インクを収容するインク収容
    部から連通部を介して前記インクが補給されるようにし
    たインクタンクにおいて、 前記インク吸収体収容部から前記インク収容部に空気を
    導入する空気導入通路を前記インク吸収体収容部の底部
    に沿って少なくとも前記連通部の下方にまで延在するよ
    うに設けたことを特徴とするインクタンク。
  2. 【請求項2】 前記インク吸収体収容部は、インクを吐
    出する記録ヘッドに前記負圧発生部材に保持されるイン
    クを供給するインク取出口と、大気に連通する大気連通
    口とを有し、前記インク収容部は前記連通部より上方に
    は開口部を有しないことを特徴とする請求項1に記載の
    インクタンク。
  3. 【請求項3】 前記インク取出口は前記空気導入通路と
    は前記底部の異なる位置に配設されることを特徴とする
    請求項2に記載のインクタンク。
  4. 【請求項4】 前記空気導入通路は、前記負圧発生部材
    の下端部と前記インク吸収体収容部の底部との間の隙間
    として形成されることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかの項に記載のインクタンク。
  5. 【請求項5】 前記隙間は前記インク吸収体収容部の底
    面に沿って刻設された溝によって形成されることを特徴
    とする請求項4に記載のインクタンク。
  6. 【請求項6】 前記隙間は前記インク吸収体収容部の底
    面から突設したリブによって前記負圧発生部材の下端部
    との間に形成されることを特徴とする請求項4に記載の
    インクタンク。
  7. 【請求項7】 前記負圧発生部材は、多孔質のインク吸
    収体であることを特徴とする請求項1に記載のインクタ
    ンク。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかの項に記載
    のインクタンクから供給されたインクを吐出して記録を
    行う記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれかの項に記載
    のインクタンクをインクの種類別に有し、該種類別のイ
    ンクを収容する個々のインクタンクから供給されたイン
    クを吐出して記録を行う記録ヘッドを具備することを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし7のいずれかの項に記
    載のインクタンクと前記記録ヘッドとをキャリッジに搭
    載し、該キャリッジの移動走査中に前記記録ヘッドから
    インクを吐出して記録を行うことを特徴とする請求項8
    または9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録ヘッドはインクを吐出するた
    めのエネルギ発生素子として、前記インクに膜沸騰を生
    じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体を有するこ
    とを特徴とする請求項8ないし10のいずれかの項に記
    載のインクジェット記録装置。
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