JP3280092B2 - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射型液晶表示装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子の3次元ネットワ
ーク中に液晶組成物を充満した反射型液晶表示装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、反射型液晶表示装置としてツイス
トネマティックタイプの液晶表示装置が用いられてい
る。この液晶表示装置は、ツイストネマティック液晶を
挟んでその両側に、それぞれ偏光板が配置された上部電
極基板と下部電極基板を配置し、電圧印加により液晶の
配向を変化させ、偏光板を通る光を透過または遮断する
ようにしたものである。このような液晶表示装置におい
ては、偏光板を使用しているために光の利用効率が悪
く、表示が暗くなるために下部電極基板側に配置された
偏光板の下側に反射率の大きいAl等の金属を光反射部
材として用いているのが普通である。
【0003】一方、高分子の3次元ネットワーク中に液
晶組成物を充満させた液晶層を有する反射型液晶表示装
置が提案されている。この液晶表示装置は、電圧を印加
しない状態では液晶の配向がランダムのため光が透過せ
ず、電圧を印加すると液晶の配向が揃って光透過性とな
るもので、偏光板を使用する必要がないために、光反射
層を基板上に設けることができ、また金属膜を電極と反
射層に兼用することができるので製造プロセス上簡略化
を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高分子層中
に液晶組成物を充満するタイプの液晶表示装置では、ド
ットマトリックスを表示するためには電気光学特性の急
峻性が小さいため、非線形能動素子によりアクティブ駆
動する必要がある。しかし、非線形能動素子の占める面
積が基板上で大きいと開口率が小さくなってしまい、逆
に非線形能動素子の占める面積が基板上で小さ過ぎると
非線形能動素子の歩留まりが、アライメントずれ、ゴミ
等により低下してしまう。また、非線形能動素子の代表
的な素子である薄膜トランジスタ(TFT)は、光が素
子に当たると光起電力が生じてしまい、本来、OFF状
態であるはずの素子がON状態になり、表示品質を劣化
させる原因となる。また、反射型液晶表示装置に光吸収
体を使用する場合、現在の高分子3次元ネットワーク中
に液晶組成物を充満した液晶層は、光散乱能力が充分で
ないために、液晶層の膜厚を厚くする必要があり、この
ように液晶層の膜厚を厚くすると、液晶表示装置を駆動
させるための駆動電圧が高くなってしまうという問題が
あった。
【0005】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、非線形能動素子に光が当たることを防止し、開口率
を下げることなく非線形能動素子を配置し、かつ非線形
能動素子アライメントずれ、ゴミ等による歩留まり低下
を防ぎ、コントラストが高く、かつ製造プロセスを簡略
化することができる反射型液晶表示装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子層中に
液晶組成物を充満させた液晶層を挟んでその両側に、透
明電極層が形成された光入射される側の上部電極基板
と、下部電極層が形成された下部電極基板が配置され、
下部電極層下側に非線形能動素子が配置された反射型液
晶表示装置において、下部電極層が、膜表面の酸素とイ
ンジウムの原子数の比(酸素/インジウム)が0.5〜
1.5、膜表面の酸化インジウムの粒子の直径が0.4
〜0.8μmで、膜表面の粒子により表面に凹凸が生じ
ている白色導電膜からなり、非線形能動素子に接続され
ていることを特徴とする。また、本発明は、液晶組成物
中に二色性色素を含むことを特徴とする。また、本発明
は、白色導電膜は、膜の内部にいくにしたがって酸素と
インジウムの原子数の比(酸素/インジウム)が小さい
ことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明は高分子層中に液晶組成物を充満させた
液晶表示装置において、下部電極側に設けられる非線形
能動素子の上に酸化インジウムからなる白色導電膜を下
部電極層として設けることにより、開口率を下げること
なく非線形能動素子を配置することができるので、従来
構造に比較し、非線形能動素子を大きく数多く基板上に
設けることが可能となり、その結果非線形能動素子のア
ライメントずれ、ゴミ等による非線形能動素子の歩留ま
りを向上させることができる。また、下部電極層を兼ね
る白色導電膜が非線形能動素子と接続されるので、製造
プロセスの簡略化を図ることが可能となる。さらに、二
色性色素を使用することにより駆動電圧を高くすること
なく、コントラストの高い反射型液晶表示装置を得るこ
とができる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の1実施例を示す図である。図
中、1は透明基板、2は透明導電膜電極、3は画素電
極、4は絶縁膜、5aはソース電極、5bはドレイン電
極、6は半導体膜、7はゲート絶縁膜、8はゲート電
極、9は基板、10は液晶層、11は高分子層である。
【0009】透明基板1には透明導電膜電極2が形成さ
れて上部電極基板を構成し、下側の基板9との間には高
分子層11中に液晶層10を充満させたタイプの液晶が
配置されている。基板9側には光散乱性、光反射性を有
する白色導電膜からなる画素電極3の下側に非線形能動
素子が配置されている。非線形能動素子は基板9上にゲ
ート電極8が形成され、順次ゲート絶縁膜7、半導体膜
6が積層され、半導体膜6を介してソース電極5a、ド
レイン電極5bが形成されて構成され、この上に絶縁膜
4を介して画素電極3が形成された構造になっている。
【0010】非線形能動素子を構成しているソース電極
5aは画素電極3に接続されており、ゲート電極8を制
御してソース電極5aへの電圧印加を制御することによ
り画素電極3と透明導電膜電極2の間に電圧を印加、或
いは遮断してスイッチング制御することができる。
【0011】この非線形能動素子によるスイッチング制
御により、電圧が印加されていない状態では液晶は光を
透過させず、電圧を印加した状態では液晶層の配向が揃
うことにより光が透過し、画素電極3から反射した光は
上部電極基板を通して外部へ取り出されることになる。
【0012】このように本実施例においては、画素電極
3の下側に非線形能動素子を配置し、この非線形能動素
子と画素電極とを電気的に接続してスイッチング作用を
行うようにしたので、非線形能動素子は画素電極により
覆われているため、光は当たらず、本来OFF状態であ
るはずの素子がON状態になって表示品質を劣化させる
ことを防ぐことができ、また、開口率を下げることなく
非線形能動素子を配置することができる。従って、非線
形能動素子を大きく、数多く基板上に設けられ、その結
果非線形能動素子のアライメントずれ、ゴミ等による非
線形能動素子の歩留まり低下を防ぐことができる。ま
た、光反射層を非線形能動素子に接続した電極と兼用で
きるので、製造プロセスを簡略化することができる。さ
らに、二色性色素を使用することで駆動電圧を高くする
ことなく、コントラストを高くできる。
【0013】図2は本発明の他の実施例を示す図であ
る。本実施例は液晶層10に二色性色素を含むようにし
た点以外は図1の場合と同じである。画素電極を構成す
る白色導電膜は、真空槽内で、インジウムないしインジ
ウム化合物を主成分とする蒸着源を持ち、必要に応じて
酸素ガスないし不活性ガスを導入し、基板上に酸化イン
ジウムあるいはインジウムを主成分とする白色導電膜を
形成するに際して、成膜時の真空度を1×10-4〜1×
10-3Torrの範囲に保持し、表面の酸素とインジウムの
比が0.5〜1.5で、膜の内部にいくにしたがって酸
素とインジウムの比を小さくすることにより得られる。
【0014】酸素とインジウムの比が0.5以下である
と導電性は良好であるが、もはや膜表面は金属光沢が強
くなり、散乱(拡散)反射率が低下してしまい、白色と
はならない。また、表面の酸素とインジウムの比が化学
量論比から本発明の製造方法では1.5以下である。表
面の酸化インジウムの粒子の直径は0.4〜0.8μm
であり、成膜時の真空度の違いにより表面の粒子の凹凸
に違いが生じ、抵抗率、散乱反射率が変化する。このよ
うな白色導電膜を画素電極として使用する本実施例で
は、その光散乱作用によって金属光沢による視認性の低
下を防止することができる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】なお、上記各実施例において、画素電極間
は分離しているため、その画素電極間が視認性に影響を
与える可能性がある。そこで、画素電極間を隠すために
従来行われているブラックマトリックスを配置し、これ
を見えないようにして視認性を低下させないようにする
ことが好ましい。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明は高分子層中に液晶
組成物を充満させた液晶表示装置において、下部電極側
に設けられる非線形能動素子の上に酸化インジウムから
なる白色導電膜を下部電極層として設けることにより、
開口率を下げることなく非線形能動素子を配置すること
ができるので、従来構造に比較し、非線形能動素子を大
きく数多く基板上に設けることが可能となり、その結果
非線形能動素子のアライメントずれ、ゴミ等による非線
形能動素子の歩留まりを向上させることができる。ま
た、下部電極層を兼ねる白色導電膜が非線形能動素子と
接続されるので、製造プロセスの簡略化を図ることが可
能となる。さらに、二色性色素を使用することにより駆
動電圧を高くすることなく、コントラストの高い反射型
液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例を示す図である。
【図2】 画素電極を白色導電膜で構成した他の実施例
を示す図である。
【符号の説明】
1…透明基板、2…透明導電膜電極、3…画素電極、4
…絶縁膜、5a…ソース電極、5b…ドレイン電極、6
…半導体膜、7…ゲート絶縁膜、8…ゲート電極、9…
基板、10…液晶層、11…高分子層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−267220(JP,A) 特開 昭57−158620(JP,A) 特開 昭58−93031(JP,A) 特開 昭58−100174(JP,A) 特開 平4−156427(JP,A) 特開 平4−253028(JP,A) 特開 平2−230126(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 G02F 1/1368

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子層中に液晶組成物を充満させた液
    晶層を挟んでその両側に、透明電極層が形成された光入
    射される側の上部電極基板と、下部電極層が形成された
    下部電極基板が配置され、下部電極層下側に非線形能動
    素子が配置された反射型液晶表示装置において、下部電
    極層が、膜表面の酸素とインジウムの原子数の比(酸素
    /インジウム)が0.5〜1.5、膜表面の酸化インジ
    ウムの粒子の直径が0.4〜0.8μmで、膜表面の粒
    により表面に凹凸が生じている白色導電膜からなり、
    非線形能動素子に接続されていることを特徴とする反射
    型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、液晶組成
    物中に二色性色素を含むことを特徴とする反射型液晶表
    示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の装置において、白
    色導電膜は、膜の内部にいくにしたがって酸素とインジ
    ウムの原子数の比(酸素/インジウム)が小さいことを
    特徴とする反射型液晶表示装置。
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