JP3279743B2 - 多層型ニューラルネットワーク構造を有する識別装置 - Google Patents

多層型ニューラルネットワーク構造を有する識別装置

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JP3279743B2 JP19374493A JP19374493A JP3279743B2 JP 3279743 B2 JP3279743 B2 JP 3279743B2 JP 19374493 A JP19374493 A JP 19374493A JP 19374493 A JP19374493 A JP 19374493A JP 3279743 B2 JP3279743 B2 JP 3279743B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば製造工程に用
いて好適な、識別対象物を識別する際の演算処理量を削
減し効率的に識別を行なうことの出来る識別装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図29は、従来の識別装置の構成を示す
ブロック図であり、図において1は可視光の波長範囲を
一定の範囲で分割し、n個のスペクトルを夫々受光し検
出するセンサ群からなる分光器、2は分光器1から出力
される複数の出力信号を演算し識別対象物の識別結果を
出力する演算部である。
【0003】次に動作について説明する。この識別装置
では、識別の対象となる対象物Aと対象物Bと対象物C
の分光スペクトルを分光器1で検出する。その結果、分
光器1からの対象物Aについての出力信号が図30の
(a)に示すような分光スペクトルを有しており、また
対象物Bについては同図(b)に示す分光スペクトルを
有し、さらに対象物Cについては同図(c)に示す分光
スペクトルを有している場合、対象物Aと対象物Bと対
象物Cについて夫々波長pと波長qと波長rの成分につ
いて演算を行ない、対象物Aと対象物Bと対象物Cを識
別し区別している。また、対象物Aと対象物Bと対象物
Cの分光スペクトルが波長pと波長qと波長rのみでは
なくさらに多数ある場合にはこれら全ての波長成分につ
いて演算を行ない、対象物Aと対象物Bと対象物Cを識
別し区別することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の識別装置は以上
のように構成されているので、識別の対象となる対象物
が有している特性を考慮することなく分光器1から出力
される分光スペクトルの全てについて識別のための演算
処理を行なう結果、演算処理に要する時間が長くなると
ともに、識別結果の正解率が低下するなどの問題点があ
った。
【0005】の発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、識別のための演算処理を効率よ
く行ない、識別率を向上させることのできる識別装置を
得ることを目的とする。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る
層型ニューラルネットワーク構造を有する識別装置は、
識別対象物を識別するための学習を行ない、識別に寄与
する度合いの高い特定のセンサ群から出力されるセンサ
信号群とメモリに格納される多層の神経回路網を構成す
る各重み係数とを利用して上記識別対象物を識別するた
めの識別演算を演算部が実行するように制御する制御部
を備えたものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】請求項の発明に係る多層型ニューラルネ
ットワーク構造を有する識別装置は、多層の神経回路網
を構成する重み係数からなるメモリの出力層の入力層に
関する偏微分値に基づいて、制御部が上記センサ出力制
御信号を生成するようにしたものである。
【0016】請求項の発明に係る多層型ニューラルネ
ットワーク構造を有する識別装置は、多層の神経回路網
を構成する重み係数からなるメモリの出力層の入力層に
関する偏微分値を求める際に、学習に用いた入力信号を
識別対象物毎に分けてその入力信号の中間値を選択し、
さらにそれらの中間値を生成し上記偏微分値を求めるよ
うにしたものである。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【作用】請求項1の発明における多層型ニューラルネッ
トワーク構造を有する識別装置は、学習を行なうこと
で、センサ信号の識別に寄与する度合いの高い特定のセ
ンサ信号群を取り込むためのセンサ出力制御信号が生成
され、センサ信号入力部が取り込むセンサ信号が識別に
寄与するセンサ信号に特定され、その特定されたセンサ
信号とメモリに格納された多層の神経回路網を構成する
各重み係数とを用いて上記識別対象物を識別する識別演
算が行なわれるため、上記センサ信号入力部で取り込ま
れるセンサ信号量が抑制され、識別を行なうための演算
処理の効率および識別対象物の識別率を向上させること
が可能になる。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】請求項の発明における多層型ニューラル
ネットワーク構造を有する識別装置は、識別に寄与する
度合いの高いセンサ信号が多層の神経回路網を構成する
重み係数からなるメモリの出力層の入力層に関する偏微
分値に基づいて判定され、これを基に識別に寄与する特
定のセンサ信号が取り込まれ、このセンサ信号とメモリ
に格納された重み係数とを用いて上記識別対象物を識別
する識別演算が行なわれるため、上記センサ信号入力部
が取り込むセンサ信号量が抑制され、識別を行なうため
の演算処理の効率および識別率を向上させることが可能
になる。
【0031】請求項の発明における多層型ニューラル
ネットワーク構造を有する識別装置は、識別対象物を識
別するための識別演算に用いる重み係数の学習が行なわ
れ、識別に寄与する度合いの高いセンサ信号が、多層の
神経回路網を構成する重み係数からなるメモリの出力層
の入力層に関する偏微分値、特に学習に用いた入力信号
を識別対象物毎に分けてその入力信号の中間値を選択
し、さらにその中間値を用いて求められた偏微分値に基
づいて取り込まれ、そのセンサ信号とメモリに格納され
た重み係数とを用いて上記識別対象物を識別する識別演
算が行なわれるため、上記センサ信号入力部が取り込む
センサ信号量が抑制され、識別を行なうための演算処理
の効率および識別率を向上させることが可能になる。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【実施例】実施例1. 1は、本実施例の識別装置の構成を示すブロック図で
ある。図において、11は複数のセンサ10からなるセ
ンサ群、12はセンサ群11から出力されるセンサ信号
を取り込むセンサ信号入力部、13は前記センサ信号お
よび重み係数を基に識別演算を行なう演算部(寄与度算
出部、識別演算部)、14は重み係数についての学習を
行なう学習部(寄与度算出部)、15は重み係数を格納
するメモリ、16はセンサ信号入力部12と演算部13
などを制御する制御部(識別算出部)である。
【0041】次に動作について説明する。図2は図1の
識別装置の動作を示すフローチャートである。ステップ
ST1は学習処理、ステップST2は解析処理、ステッ
プST3は再学習処理、ステップST4は演算部13の
出力と教師信号との誤差が閾値に収束している過程にあ
るか否かを判定し学習が終了したか否かを判断する収束
判定処理、ステップST5は解析処理,再学習処理,収
束判定処理からなるセンサ信号選択処理、ステップST
6は識別対象物を識別するための識別演算などを行なう
識別処理である。
【0042】まずステップST1の学習処理について説
明する。識別したい2種類の対象物Aと対象物Bをセン
サ群11の複数のセンサで計測したときのセンサ出力
が、夫々図3の(a)に示すようにセンサpとセンサ
q、同図(b)に示すようにセンサqとセンサrについ
て特徴的であるとし、また学習部14は代表的な手法と
して例えばニューラルネットワーク(神経回路網)のバ
ックプロパゲーションモデルを用いた学習を行なうもの
として説明する。
【0043】まず、対象物Aと対象物Bを識別するため
の重み係数の学習を行なう。なお、メモリ15は適当な
方法で初期化されているものとする。対象物Aと対象物
Bの多数の教師サンプルを用意し、それらを夫々センサ
11で検知し、検知した信号をセンサ信号入力部2を
通して演算部13に送る。
【0044】演算部13では、センサ信号入力部12
ら送られてくる信号とメモリ15に格納されている重み
係数を用いてニューラルネットワークのニューロンの特
性に基づいた積和演算などの識別演算を行なう。一方、
学習部14では演算部13の出力と外部から与えられる
教師信号の誤差からメモリ15に格納されている重み係
数の値を修正する。この修正動作は前記誤差が所定の閾
値より小さくなるまで行ない、前記誤差が前記閾値を下
回ったら学習を終了する。
【0045】次に、ステップST2の解析処理について
説明すると、この解析処理では、制御部16がメモリ1
5に格納されている重み係数に対して例えば感度解析の
手法を用いて、各センサ信号が識別演算にどれだけ寄与
しているかなどの寄与の度合いを調べる。そして、セン
サ信号入力部12に対し寄与の度合いに応じたセンサ信
号を入力するようセンサ出力制御信号を送る。本実施例
では、解析の結果センサpとセンサrの寄与の度合いが
高く、他のセンサの寄与の度合いが低いと解析される。
そして、これを「寄与する」と「寄与しない」との2つ
に分ける。
【0046】さらにステップST3の再学習処理では、
センサ信号入力部12に対し制御部16から「寄与する
センサ信号」、すなわちセンサpとセンサrから出力さ
れるセンサ信号のみを入力するようにセンサ出力制御信
号を送りセンサ信号を絞り込み、再初期化されたメモリ
15に格納されている重み係数の値を前記ステップST
2の学習処理と同様にして修正する。この際、メモリ1
5における前の重み係数も保存しておく。
【0047】そして、ステップST4の学習終了判定処
理において、演算部13の出力と外部から与えられる教
師信号の誤差が所定の閾値に収束している過程であると
判断したときにはステップST2の解析処理に戻りステ
ップST3の再学習処理を繰り返し、上記センサ信号を
絞り込み、前記誤差が前記閾値を上回りこれ以上収束し
ない状態になったと判断したときにはメモリ15の重み
係数を1回前の再学習処理の結果に戻しステップST3
の再学習処理を終了する。
【0048】学習が終了した後、ステップST6の実際
の識別処理においては、演算部13に送られたセンサp
とセンサrのセンサ信号に対しメモリ15に格納されて
いる所定の重み係数を付加した識別演算を実施して識別
を行なうようにする。
【0049】識別対象物が図3の(a),(b),
(c)に示すように夫々センサpとセンサq、センサq
とセンサr、センサpとセンサrに係る各センサ信号に
ついて特徴的であるような特性を有した3つの対象物で
あれば、上述のように重み係数の学習を行ない、学習の
終了した重み係数を用いて識別に寄与する度合いを調べ
ると、センサpおよびセンサqおよびセンサrについて
前記寄与する度合いが高く、他のセンサは寄与する度合
いが低いことが判明する。
【0050】そこで制御部16は、センサ信号入力部1
2に対してセンサpとセンサqとセンサrから出力され
るセンサ信号のみ取り込むべくセンサ出力制御信号を生
成し出力し、また演算部13に対してもセンサpとセン
サqとセンサrから出力されるセンサ信号に対応した重
み係数を用いた演算を実施すべく識別演算制御信号を生
成し出力する。
【0051】以上説明したように本実施例によれば、セ
ンサ群11から出力されるセンサ信号のうちで識別対象
物の識別に寄与する度合の大きなセンサ信号のみとその
重み係数とを用いて識別演算が行なわれ識別するため、
識別演算が冗長にならず、識別を効率よく行なうことが
でき、識別率が向上する。
【0052】なお、上記実施例では対象物が2個の場合
と3個の場合であり、また特徴的な特性を示すセンサ信
号を出力するセンサが2個の場合と3個の場合について
説明したが、識別対象物および特徴的な特性を示すセン
サが任意の個数である場合にも適用できることはいうま
でもない。
【0053】また上記実施例では、学習部14がニュー
ラルネットワークのバックプロパゲーションモデルを用
いた学習を行なう場合について説明したが、多変量解析
など他の学習モデルを用いた学習を行なう場合にも適用
できることはいうまでもない。
【0054】さらにまた上記実施例では、制御部16が
感度解析を行なう場合について説明したが、識別に寄与
する寄与の度合いを他の方法を用いて解析する場合に適
用できることはいうまでもない。
【0055】またさらに上記実施例では、寄与の度合い
を「寄与する」,「寄与しない」の2つに分ける場合に
ついて説明したが、これを多段階に分けるようないわゆ
る多値化の閾値処理をする場合にも適用できることはい
うまでもない。
【0056】実施例2. 4は、本実施例の識別装置の構成を示すブロック図で
あり、この実施例の識別装置では、R,G,Bの3原色
信号を基に色彩さらにはその識別対象物を識別する。図
4において図1と同一または相当の部分については同一
の符号を付し説明を省略する。
【0057】図において、21はR,G,Bの3原色信
号を出力するセンサであるカラー用撮像装置、22は
R,G,Bの3原色信号に対応した3つの増幅器22
a,22b,22cからなる3原色信号入力部である。
【0058】次に動作について説明する。識別する対象
物がA1〜A10まで10種類あると仮定して、その1
0種類の対象物A1〜A10のそれぞれについてカラー
用撮像装置21から出力される3原色信号ai=(r
i,gi,bi)、(但しiは1,2,3・・・10)
が図5に示すように3次元ベクトル空間上に表わされる
ものとする。この実施例では、このような識別対象につ
いて図2に示すアルゴリズムに従い、ステップST1の
学習処理やステップST2の解析処理などを行なう。
【0059】ステップST2の解析処理では、図5に示
すところからも明らかなように、その解析結果はR信号
とB信号とはG信号より寄与の度合いが大きいと判定さ
れる。そして、この寄与の度合い、すなわち寄与度を
「0」から「1」までの正規化した数字として表現す
る。さらに、ステップST3の再学習処理において3原
色信号入力部22の増幅器22a,22b,22cに、
制御部16から夫々の原色信号に対し寄与度に比例して
増幅を行なうようにセンサ出力制御信号を出力し、この
状態でステップST3の再学習処理を行なう。
【0060】ステップST6の実際の識別処理では、寄
与度に比例して増幅された原色信号とメモリ15に格納
されている重み係数とを演算して識別を行なうようにす
る。
【0061】なお、以上説明した実施例では、対象物が
10個の場合について説明したが、対象物の個数は10
個に限ることはなく、任意の個数であってもよいことは
もちろんである。
【0062】以上説明したように本実施例によれば、識
別対象物の識別に寄与する度合いに応じて増幅されたカ
ラー用撮像装置21の出力であるR,G,Bの3原色信
号の各原色信号と、学習した結果得られた重み係数とを
基に色彩についての識別を行なうことができる。
【0063】実施例3. 6は、本実施例の識別装置の構成を示すブロック図で
あり、この実施例の識別装置では、レンズによりフーリ
エ変換された像から形状を識別する。図6において図1
と同一または相当の部分については同一の符号を付し説
明を省略する。
【0064】図6において、30は対象物の像をフーリ
エ変換するためレンズ、31は平面状に配置された光電
素子群からなる平面配置センサである。
【0065】次に動作について、図2のフローチャート
に従って説明する。この実施例では、識別対象物である
2種類の対象物Aと対象物Bとレンズ30と平面配置セ
ンサ31とを一定の距離に配置し、コヒーレントな光を
前記識別対象物に照射すると、平面配置センサ31上に
図7の(a)あるいは(b)に示すように、識別対象物
の表面の物理的特性に応じ、その識別対象物の表面のフ
ーリエ変換を示すパターンが観測されることが知られて
いる(例えば、「電子計算機による画像処理」By R
osenfeld pp66〜74,共立出版)ことか
ら、図2のフローチャートに従い、ステップST1の学
習処理やステップST2の解析処理などを行なう。
【0066】この実施例ではステップST2の解析処理
の結果、中心近くに配置された光電素子と四隅近くに配
置された光電素子の寄与の度合いが高いと判定されるこ
とになる。次のステップST3の再学習処理では、制御
部16から寄与度の高い光電素子から出力される信号の
み取り込むように、センサ信号入力部12に対しセンサ
出力制御信号を出力し、この状態で再学習を行なう。
【0067】ステップST6の実際の識別処理でも、演
算部13に送られてくる寄与度の高い光電素子の出力す
る信号およびこの信号に対応してメモリ15に格納され
ている重み係数のみを演算して識別を行なうようにす
る。
【0068】なお、以上説明した実施例では、識別対象
物が2種類の対象物Aと対象物Bの場合について説明し
たが、識別対象物の数は任意の個数であってもよいこと
はいうまでもない。
【0069】以上説明したように本実施例によれば、表
面性状に基づいた識別対象物の識別を効率よく行なうこ
とができる。
【0070】実施例4. 8は、本実施例の構成を示すブロック図であり、この
実施例の識別装置では、平面状に配置された光電素子群
により検出したセンサ信号を基に識別対象物のパターン
を識別する。図8において図6と同一または相当の部分
については同一の符号を付し説明を省略する。
【0071】次に動作について、図2のフローチャート
に従って説明する。この実施例では、識別対象物の2種
類の対象物Aと対象物Bのパターンを平面配置センサ3
1により撮像し、センサ信号入力部2を介して入力する
と図9の(a)および(b)に示すパターンが得られ
る。このパターンについて図2に示すステップST1の
学習処理を行ない、さらにステップST2の解析処理な
どを行なう。
【0072】この実施例では、ステップST2の解析処
理の結果、第1象限および第2象限のエリアに配置され
た光電素子の寄与の度合いが高いと判定される。次のス
テップST3の再学習処理では、制御部16から寄与度
の高い光電素子の属するエリア(この場合、第1象限と
第2象限のエリア)のセンサ信号のみ取り込むように、
センサ信号入力部2に対しセンサ出力制御信号を出力
し、この状態で再学習を行なう。ステップST6の実際
の識別処理でも、演算部13に出力される寄与度の高い
光電素子の属するエリアから得られたセンサ信号と、こ
のセンサ信号に対応したメモリ15に格納されている重
み係数のみを演算して識別を行なうようにする。
【0073】以上説明したように本実施例によれば、平
面状に配置された光電素子群により検出したセンサ信号
を基に識別対象物のパターンを効率よく識別することが
できる。
【0074】なお、以上説明した実施例では、対象物が
2種類の対象物Aと対象物Bの場合について説明した
が、対象物の数は任意の個数であってもよいことはいう
までもない。
【0075】実施例5. 10は、本実施例の構成を示すブロック図であり、こ
の実施例の識別装置では、平面状に配置された光電素子
群により得られたセンサー信号から識別対象物のパター
ンの幾何特徴に基づいた識別を行なう。図10において
図8と同一または相当の部分については同一の符号を付
し説明を省略する。
【0076】図において、32は平面配置センサ31に
より撮像した識別対象のパターンから幾何特徴を抽出す
る幾何特徴抽出部である。
【0077】次に動作について、図2のフローチャート
に従って説明する。本実施例では、識別対象物の2種類
の対象物Aと対象物Bの像を平面配置センサ31により
撮像し、幾何特徴抽出部32において幾何特徴を抽出す
ると、図11の(a),(b)に示すような2次元パタ
ーンおよび図12に示すn個の特徴量an,bnが得ら
れる。前記対象物Aと対象物Bは面積が等しく、周囲長
とモーメントに著しい差があるものとする。
【0078】この実施例では、図12に示すn個の特徴
量an,bnに対し、図2に示すステップST1の学習
処理やステップST2の解析処理などが行なわれる。そ
して、ステップST2の解析処理の結果、周囲長やモー
メントなどの著しい差が生じている特徴量について寄与
の度合いが高いと判定される。次のステップST3の再
学習処理では、寄与度の高い周囲長やモーメントなどの
著しい差が生じている前記特徴量のみを取り込むように
制御部16からセンサ信号入力部12に対し制御信号を
送り、この状態で再学習を行なう。
【0079】ステップST6の実際の識別処理でも、演
算部13に出力される寄与度の高い特徴量とこれに対応
してメモリ15に格納されている重み係数のみを用いて
演算を行ない、対象物の識別を行なう。
【0080】以上説明したように本実施例によれば、識
別対象物をその幾何特徴に基づいて効率よく識別でき
る、
【0081】なお、以上説明した実施例では、対象物が
2種類の対象物Aと対象物Bの場合について説明した
が、対象物の数は任意の個数であってもよく、さらに特
徴量についても周囲長やモーメントに限らないことはい
うまでもない。
【0082】実施例6. 本実施例の識別装置の構成は図1に示すブロック図を、
また識別のためのアルゴリズムは図2に示すフローチャ
ートを参照する。この実施例の識別装置では、メモリ1
5は多層の神経回路網を構成する重み係数からなり、制
御部(偏微分値算出部、識別演算部)16は出力層の入
力層に関する偏微分値に基づいて特定のセンサ信号を取
り込む制御信号を発生することになる。
【0083】まず、出力層の入力層に関する偏微分値に
基づいて特定のセンサ信号を取り込む制御信号を制御部
16が発生するまでの過程について説明すると、図13
において41は第L層のユニットであり、入出力データ
の受け渡しを行なうもので図14にその概念図を示す。
図において42〜46は重み係数であり、前記ユニット
41と他のユニットの間などで規定される「0」から
「1」までの値を有した係数である。また、「f」はs
igmoid関数である。図15は、対象物Aの5つの
学習サンプルについてセンサ群11で検知されたセンサ
信号を示しており、a1〜a5の5種類の信号である。
【0084】神経回路網を構成する各ユニットは、図9
に示すような入出力データの受け渡しを行ない、入力層
(第1層)の各入力ユニットにはセンサ信号入力部12
から出力される信号が供給され、出力層(第N層)の各
出力ユニットには制御部16から望ましい識別状態を示
す信号が供給されるものとすると、このとき第L層第m
ユニットの出力は次式(1)で表わされる。
【0085】
【数1】
【0086】ここで、 L m は第L層第mユニットの入力
の総和、 L m は第L層第mユニットの出力、θ L m は第L
層第mユニットの閾値、fはユニットの入出力関数、
L mk は第L層第mユニットと第L−1層第kユニットの
間の結合荷重である。
【0087】いま、上式(1)を で微分すると次
に示す式(2)が得られる。
【0088】
【数2】
【0089】ここで、N=3すなわち3層の神経回路網
を考え、式(2)においてLとして3、fとしてsig
moid関数を使用すると、f'(i L m )は次式(3)で
表わされる。
【0090】
【数3】
【0091】従って次式(4)を得る。
【0092】
【数4】
【0093】学習済みの神経回路網では、重み係数は既
知となっていることから第1層(入力層)に適当な入力
値を与えると、式(4)は計算可能である。入力値は適
当に与えることも出来るが一例として中間値信号を用い
る方法がある。
【0094】この中間値信号を用いる方法では、学習に
用いた入力信号の中から同じ識別対象物の信号(図15
に示すa1〜a5までの5個の信号など)を抜き出す。
そして、センサ毎に前記信号の中間値を選び、これを集
めて新たな中間値信号a0を生成し、偏微分値を求める
際の入力値とする。
【0095】図2のフローチャートに示すステップST
1の学習処理がなされた状態では、メモリ15には適当
な重み係数が学習されて格納されている。制御部16は
ステップST2における解析処理において前記式(4)
を用いて全ての出力ユニットの各入力ユニットに関する
偏微分値を求める。この結果、図16に示すように入力
ユニットにより偏微分値に差が生じているのが明らかに
なる。この場合、大きな偏微分値を示す入力ユニットが
識別に大きく寄与しており、小さな偏微分値を示す入力
ユニットは識別に寄与する度合いが少ないことになる。
そこで、この偏微分値に2値化あるいは多値化などの閾
値処理を施し、その結果得られる値に基づいて入力ユニ
ット、すなわちセンサ信号入力部12においてその入力
ユニットに対応したセンサ信号を取り込むように制御信
号を生成し、センサ信号入力部12に出力する。
【0096】なお、上記実施例ではLとして3、fとし
てsigmoid関数を使用する場合について説明した
が、Lとして任意の層数、さらにfとしてしきい値関数
など他の適当な関数を使用する場合にも適用できること
はいうまでもない。
【0097】以上説明したように本実施例によれば、識
別に寄与する度合いの高いセンサ信号が多層の神経回路
網を構成する重み係数からなるメモリの出力層の入力層
に関する偏微分値に基づいて取り込まれるため、識別を
行なうための演算処理の効率および識別対象物の識別率
を向上させることが可能になる。
【0098】実施例7. 17は、本実施例の構成を示すブロック図であり、図
17において図1と同一または相当の部分については同
一の符号を付し説明を省略する。
【0099】図において、48は1つの学習サンプルに
対する評価尺度や評定量を入力する入力装置、49は表
示装置である。
【0100】次に動作について図2のフローチャートに
基づいて説明する。この実施例では、図2に示すステッ
プST2の学習処理において学習部14は代表的な手法
である因子分解法を用いた学習を行なうものとして説明
する。まず、学習部14は、対象物Aと対象物Bに対す
る検査員の評価尺度や評定量を収集し、これに因子分析
を施す処理を演算部13に行なわせ、図18に示すよう
な因子負荷行列Rを求めメモリ15に格納する。
【0101】次のステップST2の解析処理では、因子
分析により得られたN個の因子に対応するN個のセンサ
群11、および因子とセンサ群11間の関数fn(n∈
N)を実験的に決定する。始めにセンサ群11のセンサ
の候補として適当なセンサをn個用意すると共に、メモ
リ15に格納されている関数fnの重み係数を適当に初
期化する。次に、入力装置48から1つの学習サンプル
に対する評価尺度と評定量を入力し、演算部13におい
て関数fnと因子負荷行列Rを用いて予測されるセンサ
出力値を演算する。同時に、センサ出力を人間に理解し
やすいような視覚表示方法により表示装置49に表示す
る。そして、表示と学習サンプルとを見比べて差がなけ
れば学習処理を終了し、また差があるときには入力装置
48から差の値を入力し、演算部13において関数fn
の重み係数の修正量を計算する。
【0102】さらにステップST3の再学習処理では、
学習部14は演算された修正量に基づきメモリ15に格
納されている重み係数を修正する。そして、この動作を
前記差がなくなるまで繰り返す。差が小さくならないよ
うであれば、センサ群11のセンサ候補を別のセンサに
置き換え、上述したと同様な動作を行なう。
【0103】このようにして決定された因子負荷行列
R,センサ群11,関数fnを用いて演算部13におい
てステップST6の識別処理を行なう。
【0104】以上説明したようにこの実施例では、与え
られた識別状態とメモリに格納された重み係数とから逆
演算し生成された予測されるセンサ信号が表示装置によ
り視覚的に理解容易な表示形式で表示されるため、この
表示と学習サンプルとを比較し両者の差の程度を視覚的
に容易に判断することができる。
【0105】なお、以上説明した実施例では、学習部1
4は因子分析法を用いた学習を行なう場合について説明
したが、ニューラルネットワークなど他の学習モデルを
用いた学習をおこなう場合についても適用できることは
いうまでもない。
【0106】実施例8. 19は、本実施例に係る識別装置で行なわれる人間に
理解しやすい視覚表示方法を説明するための説明図であ
り、図において51は識別対象物、52は表示装置(3
次元モデル表示装置)49に視覚表示されている識別対
象物の3次元モデルである。また、本実施例の識別装置
としては図17に示すブロック図を参照する。
【0107】次に動作について説明する。まず、図2に
おけるステップST1の学習処理において学習を行なう
際に、識別対象の全ての学習サンプルの画像データを入
力しておく。そしてこれら画像データの平均画像データ
を作成する。さらに、この平均画像データから図21に
示す識別対象物の表面の各点における反射率分布モデ
ル、透過率分布モデルなどを作成する。次に、ステップ
ST2の解析処理では、1つの学習サンプルに対する評
価尺度として例えば「表面がよく光る」、評定量として
「かなりそう思う」を入力すると、演算部(3次元モデ
ル合成演算部)13において関数fnと因子負荷行列R
を用いて、図20に示す予測されるセンサ出力値が演算
される。このセンサ出力と、あらかじめ作成しておいた
反射率分布モデル、透過率分布モデルなどとを適当な重
みを付加して掛け合わせ、識別対象の3次元モデルを合
成し表示装置49に表示する。
【0108】以上説明したようにこの実施例では、複数
の識別対象物の画像データから作成した平均画像データ
を用いて識別対象物の3次元モデルを合成し、視覚的に
理解容易な表示形式で表示できる。
【0109】実施例9. 22は、本実施例に係る識別装置の表示装置における
人間に理解しやすい視覚表示方法を示す説明図である。
図22において図19と同一または相当の部分について
は同一の符号を付し説明を省略する。図において53は
識別対象物の原画像である。また、本実施例の識別装置
としては図17に示すブロック図を参照するものとす
る。
【0110】次に動作について説明する。本実施例の解
析処理では、識別対象の3次元モデル52を表示すると
共に原画像53も表示する。識別対象の3次元モデル5
2は、たとえば前記実施例6で述べた方法により作成し
表示する。そして、原画像53と3次元モデル52を見
比べて差があればそれを与えられた評定尺度と評定量を
用いて入力装置(差情報入力装置)48から入力する。
たとえば、「ざらざらしている」についての評定尺度に
ついて「(3次元モデルのほうが)かなり多い」などの
評定量の指示を行なう。この結果、演算部(3次元モデ
ル合成演算部)13は重み係数の修正を行なう。
【0111】以上説明したように本実施例によれば、表
示装置(3次元モデル表示装置)49に識別対象物の3
次元モデルと原画像とを表示することで、上記3次元モ
デルと原画像との差をユーザは容易に理解できることに
なり、さらに上記3次元モデルと原画像との差について
の情報を入力でき、この入力に基づいて重み係数の修正
を行なうことが出来る。
【0112】なお、上記実施例では入力装置48として
文字入力ができるキーボードなどを想定して説明した
が、表示装置に表示された選択メニューをマウスなどで
選択する方式の入力装置にも適用できることはいうまで
もない。
【0113】実施例10. 23は、本実施例に係る識別装置の表示装置における
人間に理解しやすい視覚表示方法を示す説明図である。
図23において図22と同一または相当の部分について
は同一の符号を付し説明を省略する。図において54は
識別対象物の原画像53と3次元モデル52の差の画像
である。また、本実施例の識別装置としては図17に示
すブロック図を参照するものとする。
【0114】次に動作について説明する。本実施例の解
析処理では、識別対象の3次元モデル52と識別対象物
の原画像53と共に、両者の差の画像54を複数表示す
るようにし、さらにこの場合に変化の履歴も表示する。
前記差の画像を表示することにより両者の差を明確に認
識できると共に、評定尺度と評定量を用いて入力装置4
8から差を入力する際にも差の画像がなくなるように入
力操作を行なえばよいことになる。
【0115】実施例11. 24は、本実施例に係る識別装置の表示装置における
人間に理解しやすい視覚表示方法を示す説明図である。
図24において図23と同一または相当の部分について
は同一の符号を付し説明を省略する。図において52
a,52b,52cは識別対象物の複数の3次元モデル
である。また、本実施例の識別装置としては図17に示
すブロック図を参照するものとする。
【0116】次に動作について説明する。本実施例の解
析処理では、識別対象物の原画像53と共に、ある評定
尺度の評定量を変えた識別対象物の3次元モデルを複数
合成し、同時に表示装置(3次元モデル表示装置)49
に表示する。そして、その3次元モデルを別の評定尺度
に基づいて人が順位を付して、これを入力装置(順位尺
度入力装置)48から入力する。入力装置48から人に
より入力された順位は順位尺度として扱い、演算部13
において評定尺度との相関を演算し、メモリ15に格納
されている重み係数の修正量を算出する。そして、算出
された修正量に従い学習部14がメモリ15の重み係数
を修正する。
【0117】以上説明したように本実施例によれば、表
示装置49に表示された複数の合成された識別対象物に
ついての3次元モデルに対し、評定尺度に基づいた順位
を入力装置48から入力できるので、重み係数の値につ
いての修正を視覚的に容易に行なうことができる。
【0118】実施例12. 25は、本実施例の制御装置の構成を示すブロック図
であり、図1と同一または相当の部分については同一の
符号を付し説明を省略する。図において61は識別対象
物を撮像する撮像部、62は撮像部61が識別対象物を
撮像した結果出力する信号から光沢特徴を抽出し出力す
る光沢特徴入力部である。
【0119】次に、図26に示すフローチャートに基づ
いて動作を説明する。まず、ステップST11の学習処
理について説明する。この学習処理では、ニューラルネ
ットワーク(神経回路網)のバックプロパゲーションモ
デルを用いた学習処理が行なわれる。最初、識別すべき
N種類の対象物An(n∈N)を撮像部61で撮像す
る。光沢特徴入力部では撮像部61から出力される信号
から複数の光沢特徴を抽出する。この複数の光沢特徴と
は、人の感覚についての分析に基づいた透明度の大小,
輝度変化の大小,輝度むら,反射光分布曲線の尖鋭度を
含む複数の光沢特徴である。
【0120】学習部14では、ニューラルネットワーク
(神経回路網)のバックプロパゲーションモデルを用い
た学習を行ない、メモリ15を適当な方法で初期化し、
対象物An(n∈N)の学習サンプルを多数用意し、そ
れらを夫々撮像部61により撮像し、撮像部61から出
力される信号から光沢特徴入力部62において前記複数
の光沢特徴を抽出し、演算部13に出力する。演算部1
3では、光沢特徴入力部62から送られて期待値生成回
路13信号とメモリ15に格納されている重み係数とを
用いて演算を行なう。
【0121】学習部14では演算部13から出力される
信号と外部から与えられる教師信号との誤差からメモリ
15に格納されている重み係数の値を修正する。この修
正動作は、前記誤差が所定の閾値より小さくなるまで行
ない、前記誤差が前記閾値を下回ったら学習を終了す
る。
【0122】そして、ステップST12の実際の識別処
理では、演算部13に送られた光沢特徴に対してメモリ
12に格納されている所定の重み係数を付加した演算を
実施して識別を行なうようにする。
【0123】以上説明したように本実施例によれば、撮
像部61から出力される信号より抽出した複数の光沢特
徴情報とメモリ15に格納された重み係数とから演算し
て求めた識別結果と、望ましい識別状態との誤差から重
み係数を演算することで学習を行ない、上記光沢情報と
上記重み係数とを用いて識別演算され識別が行なわれる
ので、識別対象物をその光沢特徴を基に識別することが
できる。
【0124】なお上記実施例では、学習部14がニュー
ラルネットワークのバックプロパゲーションモデルを用
いた学習を行なう場合について説明したが、多変量解析
など他の学習モデルを用いた学習を行なう場合にも適用
できることはいうまでもない。
【0125】実施例13. 27は、本実施例の構成を示すブロック図であり、図
1と同一または相当の部分については同一の符号を付し
説明を省略する。図において71はセンサ群11から出
力された信号から前記実施例12で説明した複数の光沢
特徴であるP個の光沢特徴Gp(p・P)を抽出する光
沢特徴入力部、72はQ個の特定された波長Wq(q・
Q)を抽出する色彩特徴検出部である。
【0126】次に、図2に示すフローチャートに基づい
て動作を説明する。まず、ステップST1の学習処理に
ついて説明する。この学習処理では、ニューラルネット
ワーク(神経回路網)のバックプロパゲーションモデル
を用いた学習処理が行なわれる。識別対象物として光沢
の高いN種類の対象物An(n∈N)と、光沢の低いM
種類の対象物Bm(m∈M)を仮定すると、光沢特徴入
力部71ではセンサ群11から出力された信号から複数
の光沢特徴を抽出する。
【0127】メモリ15を適当な方法で初期化し、対象
An(n∈N)Bm(m∈M)の学習サンプルを多
数用意し、それらをセンサ群11により検知し、センサ
群11から出力された信号から光沢特徴入力部71と色
彩特徴検出部72にて夫々複数の光沢特徴と色彩特徴を
抽出し、この光沢特徴と色彩特徴に夫々対応した信号を
演算部13に出力する。
【0128】演算部13では、光沢特徴入力部71およ
び色彩特徴検出部72から送られてきた信号とメモリ1
5に格納されている重み係数を用いて演算を行なう。
【0129】学習部14には教師信号が外部から与えら
れ、演算部13の出力と前記教師信号の誤差からメモリ
15に格納されている重み係数の値を修正する。この修
正動作は、前記誤差が所定の閾値より小さくなるまで行
ない、前記誤差が前記閾値を下回ったら学習を終了す
る。
【0130】ステップST2の解析処理では、制御部1
6がメモリ15に格納されている重み係数を例えば感度
解析などの手法を用いて、各識別対象物が光沢が高いあ
るいは低いなどの光沢特徴を有するときに、各色彩特徴
が識別演算にどれだけ寄与しているかの寄与の度合いを
調べると、たとえば光沢の高い対象物A1の光沢特徴A
1gが(g11,g21,・・・gP1)のとき、寄与
の度合いの高い色彩特徴がW1とW3であり、光沢の低
い対象物B1の光沢特徴が(g12,g22,・・・g
P2)のとき、寄与の度合いの高い色彩特徴がW2とW
4であるなどが明らかになる。
【0131】さらにステップST3の再学習処理では、
識別対象の光沢特徴に応じて色彩特徴入力部72に対し
制御部16から寄与する色彩特徴のみの信号を入力する
ように制御信号を送り、再初期化されたメモリ15に格
納されている重み係数の値をステップST1の学習処理
と同様にして修正する。このとき、メモリ15の前の状
態も保存しておき、誤差が所定の閾値より小さくなれば
ステップST2の解析処理に戻り、前記誤差が前記所定
の閾値より小さくならなければメモリ15を前の状態に
戻しステップST3の再学習処理を終了する。そして、
この再学習処理を光沢情報毎に行ない、重み係数をメモ
リ15に格納することになる。
【0132】ステップST6の実際の識別処理では、演
算部13に送られた光沢特徴に対応した信号に応じて、
所定の色彩特徴に対応した信号を入力すると共に、メモ
リ15に格納されている所定の重み係数を読み出し、演
算を実施して識別を行なうようにする。
【0133】以上説明したように本実施例によれば、光
沢特徴情報と色彩特徴情報と上記メモリに格納された重
み係数とにより識別対象物の識別を効率よく行なうこと
ができる。
【0134】なお、以上説明した実施例では、学習部1
4はニューラルネットワーク(神経回路網)のバックプ
ロパゲーションモデルを用いた学習を行なうとして説明
したが、多変量解析など他の学習モデルを用いた学習を
行なう場合にも適用できることはいうまでもない。
【0135】また、制御部16が感度解析を行なう場合
について説明したが、識別に寄与する寄与の度合いを他
の方法を用いて解析する場合にも適用できることはいう
までもない。
【0136】またさらに、寄与の度合いを「寄与す
る」,「寄与しない」の2つに分類したが、多段階に分
類するような多値化の閾値処理をおこう場合にも適用で
きることはいうまでもない。
【0137】実施例14. 28は、本実施例の識別装置の色彩特徴検出部の構成
を示す説明図である。図において、81,83,85
a,85b,85cはレンズ、82は光路の一部を遮る
マスク、84a,84b,84cはハーフミラー、86
a,86b,86cは夫々異なった特定の波長の光のみ
を透過させる干渉フィルタ、87a,87b,87cは
光電素子である。90は撮像部であり、レンズ81,8
3とマスク82は撮像部90に設けられている。91は
色彩特徴情報を基に識別対象物の色彩特徴を識別する色
彩特徴情報処理部である。
【0138】次に動作について説明する。レンズ81の
前に配置された識別対象物から出た光はレンズ82によ
り集光され、マスク82に導かれる。その際に、正反射
成分などの不要な光の成分はマスク82により遮られ
る。マスク82を通過した光はレンズ83を介してハー
フミラー84a,84b,84cに導かれ、ハーフミラ
ー84aにより反射された光はレンズ85aにより集光
され、さらに干渉フィルタ86aにより特定波長の成分
のみが抽出され、光電素子87a上に集められる。ハー
フミラー84b,84cについても同様である。そし
て、光電素子87a,87b,87cから出力される信
号は、識別対象物の色彩特徴に対応した信号となり、色
彩特徴情報処理部91に出力され処理されて、識別対象
物の色彩特徴が識別される。
【0139】以上説明したように本実施例によれば、識
別対象物からの光の特定波長の成分のみを抽出して、識
別対象物の色彩特徴の識別を行なうことができる。
【0140】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、学習の結果メモリに格納された識別に寄与するセン
サ信号に関しての重み係数に応じ、センサ信号群を取り
込むためのセンサ出力制御信号をセンサ信号入力部に対
し出力し、上記センサ信号入力部が上記センサ出力制御
信号に基づいて取り込んだ特定のセンサ信号と上記メモ
リに格納された多層の神経回路網を構成する各重み係数
とを利用して識別対象物を識別するように構成したの
で、識別を行なうための演算処理の効率が向上するとと
もに、識別率が向上するなどの効果がある。
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】請求項の発明によれば、多層の神経回路
網を構成する重み係数からなるメモリにおける上記多層
の神経回路網における出力層の入力層に対する偏微分値
を求め、この偏微分値に基づいて識別に寄与する特定の
センサ信号を取り込むように構成したので、識別のため
の演算処理を効率よく行ない、上記識別対象物の識別率
を向上させることができる効果がある。
【0146】請求項の発明によれば、学習に用いた入
力信号を識別対象物ごとに分けて入力信号の中間値を選
びその中間値を用いて偏微分値を求め、この偏微分値に
基づいて特定のセンサ信号を取り込むように構成したの
で、識別対象物を効率よく識別し、識別率を向上させる
ことのできる効果がある。
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による識別装置を示すブロ
ック図である。
【図2】実施例1による識別装置の動作を示すフローチ
ャートである。
【図3】この発明の実施例1による識別装置のセンサ群
から出力されるセンサ信号を示す説明図である。
【図4】この発明の実施例2による識別装置を示すブロ
ック図である。
【図5】この発明の実施例2による識別装置のカラー用
撮像装置から出力されるR,G,Bの3原色信号を示す
説明図である。
【図6】この発明の実施例3による識別装置を示すブロ
ック図である。
【図7】この発明の実施例3による識別装置におけるレ
ンズによりフーリエ変換された像を示す説明図である。
【図8】この発明の実施例4による識別装置を示すブロ
ック図である。
【図9】この発明の実施例4による識別装置における2
種類の識別対象物のパターンを示す説明図である。
【図10】この発明の実施例5による識別装置を示すブ
ロック図である。
【図11】この発明の実施例5による識別装置における
光電素子群で識別対象物を撮像した結果得られた2次元
パターンを示す説明図である。
【図12】この発明の実施例5による識別装置における
幾何特徴抽出部で抽出された複数種類の特徴量を示す説
明図である。
【図13】この発明の実施例6による識別装置における
メモリの多層の神経回路網を示す説明図である。
【図14】この発明の実施例6による識別装置における
メモリの多層の神経回路網の第L層のユニットを示す説
明図である。
【図15】この発明の実施例6による識別装置における
対象物Aの5つの学習サンプルについてセンサ群が検知
した信号およびその中間値信号の説明図である。
【図16】この発明の実施例6による識別装置における
メモリの多層の神経回路網の全ての出力ユニットの各入
力ユニットに関する偏微分値を示す説明図である。
【図17】この発明の実施例7による識別装置を示すブ
ロック図である。
【図18】この発明の実施例7による識別装置における
因子負荷行列を示す説明図である。
【図19】この発明の実施例8による識別装置の表示装
置における人間に理解しやすい視覚表示方法を説明する
ための説明図である。
【図20】この発明の実施例8による識別装置における
予測されるセンサ出力値を示す説明図である。
【図21】この発明の実施例8による識別装置における
識別対象物の表面の各点の反射率分布モデルや透過率分
布モデルを説明するための説明図である。
【図22】この発明の実施例9による識別装置の表示装
置における人間に理解しやすい視覚表示方法を示す説明
図である。
【図23】この発明の実施例10による識別装置の表示
装置における人間に理解しやすい視覚表示方法を示す説
明図である。
【図24】この発明の実施例11による識別装置の表示
装置における人間に理解しやすい視覚表示方法を示す説
明図である。
【図25】この発明の実施例12による識別装置を示す
ブロック図である。
【図26】この発明の実施例12による識別装置の動作
を説明するためのフローチャートである。
【図27】この発明の実施例13による識別装置を示す
ブロック図である。
【図28】この発明の実施例14による識別装置の色彩
特徴入力部の構成を示す説明図である。
【図29】従来の識別装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図30】従来の識別装置の識別動作を説明するための
説明図である。
【符号の説明】
11 センサ群 12 センサ信号入力部 13 演算部(3次元モデル合成演算部、寄与度算出
部、識別演算部) 14 学習部(寄与度算出部) 15 メモリ 16 制御部(偏微分値算出部、識別演算部) 21 カラー用撮像装置 22 3原色信号入力部 22a,22b,22c 増幅器 30 レンズ 31 平面配置センサ 32 幾何特徴抽出部 48 入力装置(差情報入力装置,順位尺度入力装置) 49 表示装置(3次元モデル表示装置) 52 3次元モデル 53 原画像 54 差の画像 61,90 撮像部 62,71 光沢特徴入力部 72 色彩特徴検出部 82 マスク 84a,84b,84c ハーフミラー 86a,86b,86c 干渉フィルタ 87a,87b,87c 光電素子群 91 色彩特徴情報処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 7/00 - 7/60 G06T 1/00 G06N 3/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別対象物を検知しセンサ信号を出力す
    るセンサと、 そのセンサから出力されるセンサ信号を取り込むセンサ
    信号入力部と、識別に用いられ、多層の神経回路網を構成する 重み係数
    を格納するメモリと、 上記センサ信号入力部で得られたセンサ信号と上記メモ
    リに格納された多層の神経回路網を構成する各重み係数
    とを用いて識別演算を行ない、この識別結果と望ましい
    識別状態を示す信号との誤差から上記メモリに格納され
    ている重み係数を修正し、上記メモリに格納されている
    重み係数から上記センサ信号の識別に関する寄与度を算
    出する寄与度算出部と、 上記寄与度に基づいて特定のセンサ信号の取り込みを指
    令するセンサ出力制御信号を上記センサ信号入力部に対
    し出力し、そのセンサ信号入力部が上記センサ出力制御
    信号に基づいて取り込んだセンサ信号と、上記メモリに
    格納された重み係数とを利用して上記識別対象物を識別
    するための識別演算を実行する識別演算部とを備えた
    層型ニューラルネットワーク構造を有する識別装置。
  2. 【請求項2】 識別対象物を検知しセンサ信号を出力す
    るセンサと、 そのセンサから出力されるセンサ信号を取り込むセンサ
    信号入力部と、 多層の神経回路網を構成する重み係数を格納するメモリ
    と、 上記センサ信号入力部で得られたセンサ信号と上記メモ
    リに格納された重み係数とを基に識別演算を行ない、こ
    の識別結果と望ましい識別状態を示す信号との誤差から
    上記メモリの重み係数を修正し、上記メモリに格納され
    た多層の神経回路網における出力層の入力層に対する偏
    微分値を算出する偏微分値算出部と、 この偏微分値に基づいて特定のセンサ信号の取り込みを
    指令するセンサ出力制御信号を上記センサ信号入力部に
    対し出力すると共に識別演算を実行する識別演算部とを
    備えた多層型ニューラルネットワーク構造を有する識別
    装置。
  3. 【請求項3】 偏微分値算出部は、学習に用いた入力信
    号を識別対象物ごとに分けて夫々の入力信号の中間値を
    選び、さらに、それらの中間値を生成して偏微分値を算
    出し、 識別演算部は、上記偏微分値に基づいて特定のセンサ信
    号を取り込むセンサ出力制御信号を発生すると共に識別
    演算を実行することを特徴とする請求項記載の多層型
    ニューラルネットワーク構造を有する識別装置。
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