JP3278280B2 - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JP3278280B2
JP3278280B2 JP03720694A JP3720694A JP3278280B2 JP 3278280 B2 JP3278280 B2 JP 3278280B2 JP 03720694 A JP03720694 A JP 03720694A JP 3720694 A JP3720694 A JP 3720694A JP 3278280 B2 JP3278280 B2 JP 3278280B2
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紀文 因埜
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/022Quinonediazides
    • G03F7/023Macromolecular quinonediazides; Macromolecular additives, e.g. binders
    • G03F7/0233Macromolecular quinonediazides; Macromolecular additives, e.g. binders characterised by the polymeric binders or the macromolecular additives other than the macromolecular quinonediazides

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポジ型感光性平版印刷版
に関するものであり、更に詳しくはポジ型に作用するo
−ナフトキノンジアジド化合物とアルカリ性現像液可溶
性の特定の化合物とからなる感光性平版印刷版に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】o−ナフトキノンジアジド化合物とノボ
ラック型フェノール樹脂からなる感光性組成物は、非常
に優れた感光性組成物として平版印刷版の製造やフォト
レジストとして工業的に用いられてきた。しかし、バイ
ンダーとして主体として用いられるノボラック型フェノ
ール樹脂の性質上基板に対する密着性が悪いこと、皮膜
がもろいこと、耐摩耗性が劣り、平版印刷版に用いたと
きの耐刷力が十分でないこと等の改良すべき点があり応
用面での限界があった。かかる問題を解決するため種々
のポリマーがバインダーとして検討されてきた。たとえ
ば特公昭52−41050号公報に記載されているポリ
ヒドロキシスチレンまたはヒドロキシスチレン共重合体
は確かに皮膜性が改良されたが、耐摩耗性が劣るという
欠点を有していた。また、特開昭51−34711号公
報中にはアクリル酸誘導体の構造単位を分子構造中に有
するポリマーをバインダーとして用いることが提案され
ているが、かかるポリマーは適正な現像条件の範囲が狭
いという問題があった。また、特開昭60−19294
8号、特開昭63−14140号、特開昭63−127
237号、特開昭64−72152号の各公報中には支
持体上に、o−ナフトキノンジアジド化合物及びジアゾ
カップリング反応を起こすカップリング成分を含有する
感光層を設けたポジ型に作用する感光性平版印刷版に関
する記述がある。しかしかかる感光層を弱アルカリ性
の、特にpH12.5以下の現像液で処理した場合、現
像スピードが遅いという欠点があった。また上記公報中
にはカプラー残基の特に好ましい例として、ナフトール
類、フロログルシン類、ピラゾロン類、フタルイミド
類、インドキシル類、インダゾロン類、アセトアミド
類、β−ケトエステル類があげられており、最も好まし
いものとしてピラゾロン類があげられているが、上記公
報では強アルカリ性の現像液で処理されており、弱アル
カリ性の、特にpH12.5以下の現像液での処理適性
についての記述はなく、そのような弱アルカリ性の現像
条件に対する望ましい構造を類推するのは困難であっ
た。一方、近年公害防止の観点から産業廃棄物の処理の
簡易化が望まれ、ポジ型印刷版の処理液の低pH化が強
く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、適正な現像条件の範囲が広く、耐刷力の大きく、弱
アルカリ性の特にpH12.5以下の現像液での処理性
に優れ、耐刷力の大きい感光性平版印刷版を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、基板に対する密着性が
良く、柔軟な皮膜を与える感光性組成物を用いた感光性
平版印刷版を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点は、数あるカ
プラー残基を含む化合物の中から一般式(Cp−3)で
表される二当量型のカプラー残基を含む化合物を選択
し、これをポジ型に作用する感光材料と組み合わせるこ
とによって解決できた。すなわち本発明は、支持体上に
一般式(Cp−3)で表される二当量型のカプラー残基
を含む化合物とポジ型に作用する感光性化合物または感
光性混合物とを少なくとも含有する感光性組成物から形
成される感光性層を設けてなることを特徴とする、上記
問題点を解決した、感光性平版印刷版を提供するもので
ある。一般式(Cp−3)で表される二当量型のカプラ
ー残基を含む化合物を用いると低pHで現像できかつ耐
久性のある画像が得られる。
【0005】本発明において、一般式(Cp−3)で表
される二当量型のカプラー残基を含む化合物がポリマー
であると画像の耐久性、現像処理適正が更に向上し、更
に基板に対する密着性が良く、柔軟な皮膜が得られ好ま
しい。本発明において、支持体としてアルミ板を用いる
と本発明の感光性平版印刷版をPS版として使用するの
に好ましい。本発明において、支持体としてシリケート
処理を施したアルミ板を用いるとノンシリケートの現像
液で処理する場合に操作が容易となり好ましい。本発明
において、pH12.5以下の弱アルカリ性現像液で処
理が可能となると処理廃液がpH12.5以下となり廃
液の取り扱い安全性の点で好ましい。また、このような
低いpHで処理においても、一般式(Cp−3)で表さ
れる二当量型のカプラー残基を含む化合物を含むこと
で、より耐久性のある画像が得られる。
【0006】本発明で用いる一般式(Cp−3)で表さ
れる二当量型のカプラー残基を含む化合物としては、分
子内に一般式(Cp−3)で表される二当量型のカプラ
ー残基を有するすべての化合物を使用することができる
が、カプラー残基の活性メチン部の解離定数(pKa)
が3〜11、より好ましくはpKaが4〜9、特に好ま
しくはpKaが4〜7の二当量型のカプラー残基を分子
構造中に有し、かつ水不溶でアルカリ性現像液可溶のも
のが好ましい。本発明で用いる化合物は解離によりアル
カリ性現像液に溶解することを一つの特徴としている
が、pKaが上記範囲にあると、いっそう良好な性能が
得られるからである。pKaが3未満だと得られた画像
の印刷時のインキ親和性が劣り、pKaが11を越える
と現像スピーが遅くなる。本発明において、二当量型の
カプラー残基を側鎖に持つ化合物は、モノマーでもポリ
マーでもよいが、特に好ましいのはポリマーである。上
記本発明のモノマーとして好ましいのは、下記一般式
(1)に示される化合物であり、上記本発明のポリマー
として好ましい一群は、下記一般式(1)で示されるモ
ノマーの重合体である。
【0007】
【化1】
【0008】式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基または塩素原子を表わし、L1は−CON
(R2)−(R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
または炭素数1〜6の置換アルキル基を表わす)、−C
OO−、−NHCO−、−OCO−、
【0009】
【化2】
【0010】(R3、R4はそれぞれ独立に、水素、ヒド
ロキシル、ハロゲン原子または置換もしくは無置換の、
アルキル、アルコキシ、アシルオキシもしくはアリール
オキシを表わす)、
【0011】
【化3】
【0012】(R2、R3、R4は上記と同じ)を表わ
し、L2はL1とQを結ぶ連結基を表わし、iは0または
1を表わしjは0または1を表わし、Qは二当量型のカ
プラー残基を示す。L2で表わされる連結基は、具体的
には −〔X1−(J1−X2)r− −(J2−X3)q− −
(J2)s 〕− で表わされる。J1、J2、J3は同じでも異なっていて
もよく、−CO−、−SO2−、−CON(R5)−(R
5は水素原子、アルキル基(炭素数1〜6)、置換アル
キル基(炭素数1〜6)、−SO2N(R5)−(R5
上記と同義)、−N(R5)−R6−(R5は上記と同
義、R6は炭素数1〜4のアルキレン基)、−N(R5
−R6−N(R7)−(R5、R6は上記と同義、R7は水
素原子、アルキル基(炭素数1〜6)、置換アルキル基
(炭素数1〜6)を表わす。)、−O−、−S−、−N
(R5)−CO−N(R7)−(R5、R7は上記と同
義)、−N(R5)−SO2−N(R7)−(R5、R7
上記と同義)、−COO−、−OCO、−N(R5)C
2−(R5は上記と同義)、−N(R5)CO−(R5
上記と同義)等を挙げることができる。X1、X2、X3
は同じでも異なっていてもよく、アルキレン基、置換ア
ルキレン基、アリーレン基、置換アリーレン基、アラル
キレン基、置換アラルキレン基を表わす。q、rおよび
sは0または1を表わす。
【0013】上記一般式(1)においてX1、X2、X3
は互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜10
個の無置換もしくは置換のアルキレン基、アラルキレン
基、またはフェニレン基を表わし、アルキレン基は直鎖
でも分岐でもよい。アルキレン基としては例えばメチレ
ン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、ジメチレン、
トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキ
サメチレン、デシルメチレン、アラルキレン基としては
例えばベンジリデン、置換もしくは無置換のフェニレン
基としては例えばp−フェニレン、m−フェニレン、メ
チルフェニレンなどがある。またX1、X2、X3で表わ
されるアルキレン基、アラルキレン基またはフェニレン
基の置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、置換
アルコキシ基、−NHCOR8で表わされる基(R8はア
ルキル、置換アルキル、フェニル、置換フェニル、アラ
ルキル、置換アラルキルを表わす)、−NHSO2
8(R8は上記と同義)、−SOR8(R 8は上記と同
義)、−SO28(R8は上記と同義)、−COR8(R
8は上記と同義)、−CON(R9)(R10)で表わされ
る基(R9、R10は互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、アルキル、置換アルキル、フェニル、置
換フェニル、アラルキル、置換アラルキルを表わす)、
−SO2(R9)(R10)(R9、R10は上記と同義)、
アミノ基(アルキルで置換されていてもよい)、水酸基
や加水分解して水酸基を形成する基が挙げられる。この
置換基が2つ以上あるときは互いに同じでも異なっても
よい。
【0014】また、上記置換アルキル基、置換アルコキ
シ基、置換フェニル基、置換アラルキル基の置換基の例
としては、水酸基、ニトロ基、炭素数1〜約4のアルコ
キシ基、−NHSO28(R8は上記と同義)、−NH
COR8で表わされる基(R8は上記と同義)、−SO2
(R9)(R10)(R9、R10は上記と同義)、−CON
(R9)(R10)で表わされる基(R9、R10は上記と同
義)、−SO28(R 8は上記と同義)、−COR8(R
8は上記と同義)、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基
(アルキルで置換されていてもよい)等が挙げられる。
Qは下記一般式(Cp−1)〜(Cp−9)のR51〜R
59、Z1′〜Z3およびYのいずれかの部分で一般式
(1)に結合する基を表わすが、R51〜R59の部分で結
合するのが画像の耐久性の点でより好ましい。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】次に前記一般式(Cp−1)〜(Cp−
9)のR51〜R59、l、m、およびpについて説明す
る。式中、R51は脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基ま
たは複素環基を、R52およびR53は各々芳香族基または
複素環基を表わす。式中、R51で表わされる脂肪族基は
好ましくは炭素数1〜22で、置換若しくは無置換、鎖
状若しくは環状、いずれであってもよい。脂肪族基への
好ましい置換基はアルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン原子等でこれらはそ
れ自体さらに置換基をもっていてもよい。R51として有
用な脂肪族基の具体的な例は、次のようなものである:
イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソ
アミル基、tert−アミル基、1,1−ジメチルブチル
基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,1−ジエチルヘ
キシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、シクロヘキシル基、2−メトキシイソプロピル基、
2−フェノキシイソプロピル基、2−p−tert−ブチル
フェノキシイソプロピル基、α−アミノイソプロピル
基、α−(ジエチルアミノ)イソプロピル基、α−(サ
クシンイミド)イソプロピル基、α−(フタルイミド)
イソプロピル基、α−(ベンゼンスルホンアミド)イソ
プロピル基等である。
【0018】R51、R52またはR53が芳香族基(特にフ
ェニル基)を表わす場合、芳香族基は置換されていても
よい。フェニル基等の芳香族基は炭素数32以下のアル
キル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカル
ボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、脂肪族アミ
ド基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホンア
ミド基、アルキルウレイド基、アルキル置換サクシンイ
ミド基等で置換されてもよく、この場合アルキル基は鎖
中にフェニレンなど芳香族基が介在してもよい。フェニ
ル基はまたアリールオキシ基、アリールオキシカルボニ
ル基、アリールカルバモイル基、アリールアミド基、ア
リールスルファモイル基、アリールスルホンアミド基、
アリールウレイド基等で置換されてもよく、これらの置
換基のアリール基の部分はさらに炭素数の合計が1〜2
2の一つ以上のアルキル基で置換されてもよい。R51
52またはR53で表わされるフェニル基はさらに、炭素
数1〜6の低級アルキル基で置換されたものも含むアミ
ノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、ニ
トロ基、シアノ基、チオシアノ基またはハロゲン原子で
置換されてもよい。またR51、R52又はR53は、フェニ
ル基が他の環を縮合した置換基、例えばナフチル基、キ
ノリル基、イソキノリル基、クロマニル基、クマラニル
基、テトラヒドロナフチル基等を表わしてもよい。これ
らの置換基はそれ自体さらに置換基を有してもよい。R
51がアルコキシ基を表わす場合、そのアルキル部分は、
炭素数1から32、好ましくは1〜22の直鎖乃至分岐
鎖のアルキル基、アルケニル基、環状アルキル基若しく
は環状アルケニル基を表わし、これらはハロゲン原子、
アリール基、アルコキシ基等で置換されていてもよい。
【0019】R51、R52またはR53が複素環基を表わす
場合、複素環基はそれぞれ、環を形成する炭素原子の一
つを介してアルファアシルアセトアミドにおけるアシル
基のカルボニル基の炭素原子またはアミド基の窒素原子
と結合する。このような複素環としてはチオフェン、フ
ラン、ピラン、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ピラ
ジン、ピリミジン、ピリタジン、インドリジン、イミダ
ゾール、チアゾール、オキサゾール、トリアジン、チア
ジアジン、オキサジンなどがその例である。これらはさ
らに環上に置換基を有してもよい。一般式(Cp−3)
においてR55は、炭素数1から32、好ましくは1から
22の直鎖ないし分岐鎖のアルキル基(例えばメチル、
イソプロピル、tert−ブチル、ヘキシル、ドデシル基
等)、アルケニル基(例えばアリル基等)、環状アルキ
ル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノ
ルボルニル基等)、アラルキル基(例えばベンジル、β
−フェニルエチル基等)、環状アルケニル基(例えばシ
クロペンテニル、シクロヘキセニル基等)を表わし、こ
れらはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル
基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、スルホ基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アシルアミノ基、ジアシルアミノ基、ウレイド基、
ウレタン基、チオウレタン基、スルホンアミド基、複素
環基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、
アリールチオ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、
ジアルキルアミノ基、アニリノ基、N−アリールアニリ
ノ基、N−アルキルアニリノ基、N−アシルアニリノ
基、ヒドロキシル基、メルカプト基等で置換されていて
もよい。
【0020】更にR55は、アリール基(例えばフェニル
基、α−乃至はβ−ナフチル基等)を表わしてもよい。
アリール基は1個以上の置換基を有してもよく、置換基
として例えばアルキル基、アルケニル基、環状アルキル
基、アラルキル基、環状アルケニル基、ハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、スルファ
モイル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、ジアシル
アミノ基、ウレイド基、ウレタン基、スルホンアミド
基、複素環基、アリールスルホニル基、アルキルスルホ
ニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルキルア
ミノ基、ジアルキルアミノ基、アニリノ基、N−アルキ
ルアニリノ基、N−アリールアニリノ基、N−アシルア
ニリノ基、ヒドロキシル基等を有してもよい。更にR55
は、複素環基(例えばヘテロ原子として窒素原子、酸素
原子、イオウ原子を含む5員または6員環の複素環、縮
合複素環基で、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ベ
ンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、
ナフトオキサゾリル基等)、前記のアリール基について
列挙した置換基によって置換された、複素環基、脂肪族
または芳香族アシル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、アルキルカルバモイル基、アリールカ
ルバモイル基、アルキルチオカルバモイル基またはアリ
ールチオカルバモイル基をあらわしてもよい。
【0021】式中R54は水素原子、1から32、好まし
くは1から22の直鎖ないしは分岐鎖のアルキル、アル
ケニル、環状アルキル、アラルキル、環状アルケニル基
(これらの基は前記R55について列挙した置換基を有し
てもよい)、アリール基および複素環基(これらは前記
55について列挙した置換基を有してもよい)、アルコ
キシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基、ステアリルオキシカルボニル基
等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル基、ナフトキシカルボニル基等)、アラルキ
ルオキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニ
ル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基、ヘプタデシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例
えばフェノキシ基、トリルオキシ基等)、アルキルチオ
基(例えばエチルチオ、ドデシルチオ基等)、アリール
チオ基(例えばフェニルチオ基、α−ナフチルチオ基
等)、カルボキシル基、アシルアミノ基(例えばアセチ
ルアミノ基、3−〔(2,4−ジ−tert−アミルフェノ
キシ)アセタミド〕ベンズアミド基等)、ジアシルアミ
ノ基、N−アルキルアシルアミノ基(例えばN−メチル
プロピオンアミド基等)、N−アリールアシルアミノ基
(例えばN−フェニルアセトアミド基など)、ウレイド
基(例えばウレイド基、N−アリールウレイド基、N−
アルキルウレイド基等)、ウレタン基、チオウレタン
基、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ基、N−
メチルアニリン基、ジフェニルアミノ基、N−アセチル
アニリノ基、2−クロロ−5−テトラデカンアミドアニ
リノ基等)、アルキルアミノ基(例えばn−ブチルアミ
ノ基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等)、
シクロアミノ基(例えばピペリジノ基、ピロリジノ基
等)、複素環アミノ基(例えば4−ピリジルアミノ基、
2−ベンゾオキサゾリルアミノ基等)、アルキルカルボ
ニル基(例えばメチルカルボニル基等)、アリールカル
ボニル基(例えばフェニルカルボニル基等)、スルホン
アミド基(例えばアルキルスルホンアミド基、アリール
スルホンアミド基等)、カルバモイル基(例えばエチル
カルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、N−メチル
−フェニルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル
基など)、スルファモイル基(例えばN−アルキルスル
ファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、
N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−ア
リールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファ
モイル基等)、シアノ基、ヒドロキシル基、およびスル
ホ基のいずれかを表わす。
【0022】式中R56は、水素原子または炭素数1から
32、好ましくは1から22の直鎖乃至は分岐鎖のアル
キル基、アルケニル基、環状アルキル基、アラルキル基
若しくは環状アルケニル基を表わし、これらは前記R55
について列挙した置換基を有してもよい。またR56はア
リール基もしくは複素環基をあらわしてもよく、これら
は前記R 55について列挙した置換基を有してもよい。ま
たR56は、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ
基、スルホ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ア
シルアミノ基、ジアシルアミノ基、ウレイド基、ウレタ
ン基、スルホンアミド基、アリールスルホニル基、アル
キルスルホニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、
アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アニリノ基、
N−アリールアニリノ基、N−アルキルアニリノ基、N
−アシルアニリノ基またはヒドロキシル基をあらわして
もよい。R57、R58およびR59は各々通常の4当量型フ
ェノール若しくはα−ナフトールカプラーにおいて用い
られる基を表わし、具体的にはR57としては水素原子、
ハロゲン原子、アルコキシカルボニルアミノ基、脂肪族
炭化水素残基、N−アリールウレイド基、アシルアミノ
基、−O−R62または−S−R62(但しR62は脂肪族炭
化水素残基)が挙げられ、同一分子内に2個以上のR57
が存在する場合には2個以上のR57は異なる基であって
もよく、脂肪族炭化水素残基は置換基を有しているもの
を含む。また2個のR57が共同して含窒素複素環核を形
成してもよい。
【0023】またこれらの置換基がアリール基を含む場
合、アリール基は前記R55について列挙した置換基を有
してもよい。R58およびR59としては脂肪族炭化水素残
基、アリール基および複素環残基から選択される基を挙
げることができ、あるいはこれらの一方は水素原子であ
ってもよく、またこれらの基に置換基を有しているもの
も含む。またR58とR59は共同して含窒素複素環核を形
成してもよい。そして脂肪族炭化水素残基としては飽和
のもの、不飽和のもののいずれでもよく、また直鎖のも
の、分岐のもの、環状のもののいずれでもよい。そして
好ましくはアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、
ドデシル、オクタデシル、シクロブチル、シクロヘキシ
ル等の各基)、アルケニル基(例えばアリル、オクテニ
ル等の各基)である。アリール基としてはフェニル基、
ナフチル基等があり、また複素環残基としてはピリジニ
ル、キノリル、チエニル、ピペリジル、イミダゾリル等
の各基が代表的である。これら脂肪族炭化水素残基、ア
リール基および複素環残基に導入される置換基としては
ハロゲン原子、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、
アミノ、置換アミノ、スルホ、アルキル、アルケニル、
アリール、複素環、アルコキシ、アリールオキシ、アリ
ールチオ、アリールアゾ、アシルアミノ、カルバモイ
ル、エステル、アシル、アシルオキシ、スルホンアミ
ド、スルファモイル、スルホニル、モルホリノ等の各基
が挙げられる。lは1〜4の整数、mは1〜3の整数、
pは1〜5の整数を表わす。
【0024】上記の二当量型のカプラー残基のうち、一
般式(Cp−1)において、R51がt−ブチル基または
置換もしくは無置換のアリール基、R52が置換もしくは
無置換のアリール基を表わす場合、および一般式(Cp
−2)において、R52およびR53が置換もしくは無置換
のアリール基を表わす場合が好ましい。また、一般式
(Cp−3)におけるR54がアシルアミノ基、ウレイド
基およびアリールアミノ基、R55が置換アリール基を表
わす場合、一般式(Cp−4)におけるR54が、アシル
アミノ基、ウレイド基およびアリールアミノ基、R56
水素原子を表わす場合、そして、一般式(Cp−5)お
よび(Cp−6)においてR54およびR56が直鎖もしく
は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、環状アルキル
基、アラルキル基、環状アルケニル基を表わす場合が好
ましい。一般式(Cp−7)においてはR57が、2位の
アシルアミノ基もしくはウレイド基、5位がアシルアミ
ノ基もしくはアルキル基、そして6位が水素原子もしく
は塩素原子を表わす場合、一般式(Cp−9)において
はR57が5位の水素原子、アシルアミノ基、スルホンア
ミド基、アルコキシカルボニル基で、R58が水素原子
で、さらにR59がフェニル基、アルキル基、アルケニル
基、環状アルキル基、アラルキル基、および環状アルケ
ニル基を表わす場合が好ましい。一般式(Cp−1)〜
(Cp−9)のZ1〜Z3およびYについて以下に詳しく
説明する。
【0025】Z1はハロゲン原子、スルホ基、アシルオ
キシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキ
シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基または複素環チ
オ基を表わし、これらの基はさらにアリール基(例えば
フェニル基)、ニトロ基、水酸基、シアノ基、スルホ
基、アルコキシ基(例えばメトキシ基)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ基)、アシルオキシ基(例えば
アセトキシ基)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミ
ノ基)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミ
ド基)、スルファモイル基(たとえばメチルスルファモ
イル基)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素な
ど)、カルボキシル基、カルバモイル基(例えばメチル
カルバモイル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメ
トキシカルボニル基など)、スルホニル基(例えばメチ
ルスルホニル基)などの置換基で置換されていてもよ
い。Z2およびYは、酸素原子、窒素原子またはイオウ
原子でカップリング位に結合している離脱基を表わし、
2およびYが酸素原子、窒素原子またはイオウ原子で
カップリング位に結合している場合には、これらの原子
は、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、アルキルカルボニル基、アリー
ルカルボニル基又は複素環基と結合しており、さらに窒
素原子の場合には、その窒素原子を含み5員又は6員環
を形成して離脱基となりうる基をも意味する(例えばイ
ミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラ
ゾリル基など)。
【0026】上記のアルキル基、アリール基、複素環基
は、置換基を有していてもよく、具体的には、アルキル
基(例えばメチル基、エチル基など)、アルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキ
シ基(例えばフェニルオキシ基など)、アルコキシカル
ボニル基、例えばメトキシカルボニル基など)、アシル
アミノ基(例えばアセチルアミノ基)、カルバモイル
基、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバモイ
ル基、エチルカルバモイル基など)、ジアルキルカルバ
モイル基(例えばジメチルカルバモイル基)、アリール
カルバモイル基(例えばフェニルカルバモイル基)、ア
ルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基)、ア
リールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基)、
アルキルスルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミ
ド基)、アリールスルホンアミド基(例えばフェニルス
ルホンアミド基)、スルファモイル基、アルキルスルフ
ァモイル基(例えばエチルスルファモイル基)、ジアル
キルスルファモイル基(例えばジメチルスルファモイル
基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基)、アリー
ルチオ基(例えばフェニルチオ基)、シアノ基、ニトロ
基、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素など)が
挙げられ、この置換基が2個以上あるときは同じでも異
ってもよい。特に好ましい置換基としてはハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基、シアノ基が挙げられる。
【0027】Z2の好ましい基としては、窒素原子もし
くはイオウ原子でカップリング部位に結合する基が挙げ
られ、Yの好ましい基としては、塩素原子または酸素原
子、窒素原子もしくはイオウ原子でカップリング部位に
結合する基である。Z3は下記一般式(R−1)、(R
−2)、(R−3)、又は(R−4)で表わされるもの
である。 −OR63 (R−1) R63は置換してもよいアリール基又は複素環基を表わ
す。
【0028】
【化6】
【0029】R64、R65は、各々水素原子、ハロゲン原
子、カルボン酸エステル基、アミノ基、アルキル基、ア
ルキルチオ基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、
アルキルスルフィニル基、カルボン酸基、スルホン酸
基、無置換もしくは置換フェニル基または複素環を表わ
し、これらの基は同じでも異なってもよい。
【0030】
【化7】
【0031】と共に4員環、5員環もしくは6員環を形
成するのに要する非金属原子を表わす。一般式(R−
4)のなかで好ましいものとして(R−5)〜(R−
7)が挙げられる。
【0032】
【化8】
【0033】式中、R66、R67は各々水素原子、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基ま
たはヒドロキシル基を、R68、R69およびR70は各々水
素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、また
はアシル基を、W2は酸素またはイオウ原子を表わす。
【0034】上記モノマーの例としては特開平2−44
345号公報中に記載されているものから選ぶことがで
きる。代表的なカプラーモノマーを以下に例示するがこ
れに限定されるものではない。
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】本発明で用いる二当量型のカプラー残基を
側鎖に持つポリマーは、一般式(1)で示されるモノマ
ーだけの重合体でもよいが、特開昭63−127237
号公報中に記載されているような通常使用されているビ
ニル系モノマーの一種以上を組み合わせた繰り返し構造
を有する多元系共重合体であっても良い。かかる多元系
共重合体の場合、一般式(1)で示される構造単位を1
0モル%以上含むのが好ましく、20モル%以上含むの
がさらに好ましく、特に好ましくは30モル%以上であ
る。本発明の二当量型のカプラー残基を側鎖に持つモノ
マーの重合については、特開平2−44345号公報及
び米国特許第4,080,211号、特開昭58−42
044号、米国特許第3,451,820号、特開昭6
2−276548号、特開昭60−218646号に記
載されている。本発明の二当量型のカプラー残基を含む
化合物がポリマーであるとき、そのポリマーの重量平均
分子量(Mw)は、1.0×103 〜5.0×105
範囲であり、好ましいMwは5.0×103 〜1.0×
105 、更に好ましいMwは1.0×104 〜5.0×
104 の範囲である。
【0046】次に本発明の二当量型のカプラー残基を含
む化合物と組み合わせて使用するポジ型感光性化合物及
び感光性混合物について説明する。ポジ型感光性化合物
及び感光性混合物としては、従来より公知のo−キノン
ジアジド化合物を含む感光性組成物を使用することがで
きる。本発明において好ましいポジ型感光性化合物とし
てはo−キノンジアジド化合物であり、また、好ましい
ポジ型感光性混合物としては種々のo−キノンジアジド
化合物の混合物、もしくはo−キノンジアジド化合物と
その他の感光性化合物及び添加剤との混合物である。本
発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なく
とも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、活
性光線照射によりアルカリ可溶性を増すものであり、種
々の構造の化合物を用いることができる。例えば、J.
コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(Jo
hn. Wiley & Sons. Inc.)第339〜352頁に記載の
化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキ
シ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−
キノンジアジドのスルホン酸エステルまたはスルホン酸
アミドが好適である。また、特公昭43−28403 号公報に
記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジ
ドスルホン酸クロライドまたはナフトキノン−(1,
2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロ
ール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,12
0 号および同第3,188,210 号に記載されているベンゾキ
ノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライドまた
はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン
酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂との
エステル、クレゾールホルムアルデヒド樹脂も好適に使
用される。
【0047】さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジ
ド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアル
デヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂
とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−
4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹
脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有
用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許
が報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特
開昭48−63802 号、特開昭48−63803 号、特開昭48−96
575 号、特開昭49−38701 号、特開昭48−13354 号、特
公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481
号、米国特許第2,797,213 号、同第3,454,400 号、同
第3,544,323 号、同第3,573,917 号、同第3,674,495
号、同第3,785,825 号、英国特許第1,227,602 号、同第
1,251,345 号、同第1,267,005 号、同第1,329,888 号、
同第1,330,932 号、ドイツ特許第854,890 号などの各明
細書中に記載されているものをあげることができる。本
発明のo−キノンジアジド化合物として好ましく用いら
れるのは、ナフトキノン(1,2)−ジアジド−5−ス
ルホン酸クロライドもしくはナフトキノン(1,2)−
ジアジド−4−スルホン酸クロライドと種々の芳香族ポ
リヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応
させたスルホン酸エステルまたはスルホン酸アミドであ
る。より好ましくは、上記スルホン酸クロライドとピロ
ガロール−アセトン樹脂もしくはフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂もしくはクレゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、ポリヒドロキシベンゾフェノンとのエステルであ
る。特に好ましくは上記スルホン酸クロライドとピロガ
ロール−アセトン樹脂とのエステルである。本発明で使
用されるo−キノンジアジド化合物の添加量は好ましく
は感光性組成物全固形分に対し、1〜50重量%、好ま
しくは5〜30重量%、更に好ましくは10〜30重量
%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できる
が、数種の混合物として使用してもよい。
【0048】次に、本発明の感光性平版印刷版には水不
溶かつアルカリ水可溶性の樹脂を含ませることができ
る。本発明の二当量のカプラー残基を含む化合物がポリ
マーである場合は、この化合物がバインダーとして作用
するが、低分子量である場合には併用可能な水不溶かつ
アルカリ水可溶性の樹脂がバインダーとして作用する。
本発明において、併用可能な水不溶かつアルカリ水可溶
性の性質を有する樹脂は種々の樹脂を使用することがで
きるが、好ましい樹脂としては下記のノボラック樹脂を
挙げることができる。例えばフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−ク
レゾールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルム
アルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアル
デヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o
−またはm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のい
ずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂などのクレゾ
ールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。その他レ
ゾール型のフェノール樹脂類も好適に用いられ、フェノ
ール/クレゾール(m−,p−,o−またはm−/p
−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでもよい)混
合ホルムアルデヒド樹脂が、好ましく、特に特開昭61−
217034号公報に記載されているフェノール樹脂類が好ま
しい。またフェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキ
シスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開
昭51−34711 号公報に開示されているようなフェノール
性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866 号
に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂や、
ウレタン系の樹脂等、種々のアルカリ可溶性の高分子化
合物も用いることができる。これらのアルカリ可溶性高
分子化合物は、重量平均分子量が500〜200,00
0で数平均分子量が200〜60,000のものが好ま
しい。かかるアルカリ可溶性の高分子化合物は1種類あ
るいは2種類以上を組み合わせて使用してもよく、全感
光性組成物固形分中、70重量%以下の添加量で用いら
れるのが好ましい。
【0049】本発明のポジ型感光性組成物には更に必要
に応じて、種々の添加剤を添加することができる。例え
ばオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂の様な炭素
数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノール
とホルムアルデヒドの縮合物を併用することは、画像の
感脂性を向上させる上で好ましい。又更に感度を向上さ
せる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類
を併用することもできる。環状酸無水物としては米国特
許第4,115,128 号明細書に記載されている無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水
フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン
酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン
酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用でき
る。フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニ
トロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,
4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−ト
リヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフ
ェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニル
メタン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−
3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタン
などが挙げられる。更に、有機酸類としては、特開昭60
−88942 号、特開平2−96755 号公報などに記載されて
いる、スルホン酸、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、
ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボン酸類な
どがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデ
シルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、
エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン
酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イ
ソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジ
メトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリ
ン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げら
れる。上記の環状酸無水物、フェノール類および有機酸
類の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜20重
量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15重量%、
特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0050】また、本発明における感光性組成物中に
は、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開
昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載さ
れているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044
号公報、特開平4−13149 号公報に記載されているよう
な両性界面活性剤を添加することができる。非イオン界
面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレー
ト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレ
ート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性界面活
性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グ
リシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2
−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエ
チルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−
N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第
一工業(株)製)等が挙げられる。上記非イオン界面活
性剤および両性界面活性剤の感光性組成物中に占める割
合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましく
は0.1〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%
である。本発明における感光性組成物中には、露光後直
ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤とし
ての染料や顔料を加えることができる。焼き出し剤とし
ては、露光によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)
と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げる
ことができる。具体的には、特開昭50−36209 号、同53
−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料
の組合せや、特開昭53−36223 号、同54−74728 号、同
60−3626号、同61−143748号、同61−151644号および同
63−58440 号の各公報に記載されているトリハロメチル
化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができ
る。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾー
ル系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経
時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。添加量
は0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量
%、特に好ましくは0.3〜3重量%である。
【0051】画像の着色剤としては、前述の塩形成性有
機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性
有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基
性染料をあげることができる。具体的にはオイルイエロ
ー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#
312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オ
イルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラ
ックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント
化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリス
タルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレ
ット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダ
ミンB(CI145170B)マラカイトグリーン(C
I42000)、メチレンブルー(CI52015)な
どを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公
報に記載されている染料は特に好ましい。これらの染料
は、感光性組成物全固形分に対し、0.01〜10重量
%、好ましくは0.1〜3重量%、特に好ましくは0.
5〜2重量%の割合で感光性組成物中に添加することが
できる。更に本発明の感光性組成物中には必要に応じ、
塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。
例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、ク
エン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸
トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチ
ル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ま
たはメタアクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用
いられる。
【0052】本発明のポジ型感光性平版印刷版は、通常
上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布す
ることにより製造することができる。ここで使用する溶
媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチル
アセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、
ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメ
チルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、
トルエン等をあげることができるがこれに限定されるも
のではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用
される。溶媒中の全固形分の濃度は、好ましくは1〜5
0重量%、より好ましくは5〜30重量%、特に好まし
くは7〜20重量%である。また塗布、乾燥後に得られ
る支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なる
が、感光性印刷版についていえば一般的に0.3〜5.
0g/m2、より好ましくは0.5〜3.0g/m2、特に
好ましくは0.7〜3.0g/m2が好ましい。塗布する
方法としては、種々の方法を用いることができるが、例
えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カ
ーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレー
ド塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量の
少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光
膜の皮膜特性は低下する。本発明における感光性層中に
は、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭
62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面
活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全
感光性組成物の0.01〜2.0重量%さらに好ましく
は0.03〜1.0重量%、特に好ましくは0.05〜
0.5重量%である。
【0053】本発明に使用される支持体としては、寸度
的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属が
ラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチ
ックフィルム等が含まれる。その中でも寸度安定性がよ
く、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアル
ミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であ
り、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着された
プラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含
まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンな
どがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以
下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、
純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは
精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有
するものでもよい。このように本発明に適用されるアル
ミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従
来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用す
ることができる。本発明で用いられるアルミニウム板の
厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.
15〜0.4mm、より好ましくは0.2〜0.3mm
である。
【0054】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902 号に開示されてい
るように両者を組み合わせた方法も利用することができ
る。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応
じてアルカリエッチング処理および中和処理された後、
所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極
酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に
用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する
種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン
酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられ
る。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜
決められる。
【0055】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間1
0秒〜5分間の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は少なすぎると耐刷性が不十分であったり、平版印
刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部
分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くな
る。また、陽極酸化皮膜の量が多すぎると現像時の残膜
が生じ易くなるほか、コスト面からも好ましくない。好
ましい陽極酸化皮膜の量は0.2〜5.0g/m2、より
好ましくは0.5〜4.0g/m2、特に好ましくは1.
0〜4.0g/m2である。陽極酸化処理を施された後、
アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。
本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,
714,066 号、同第3,181,461 号、第3,280,734 号および
第3,902,734 号に開示されているようなアルカリ金属シ
リケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。
この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液
で浸漬処理されるかまたは電解処理される。他に特公昭
36−22063 号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カ
リウムおよび米国特許第3,276,868 号、同第4,153,461
号、同第4,689,272 号に開示されているようなポリビニ
ルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。シリケ
ート処理されたアルミニウム板は現像後にシリケート等
の親水化処理をする必要がないので支持体として特に好
ましい。
【0056】本発明のポジ型感光性平版印刷版は、支持
体上にポジ型の感光性組成物を設けたものであるが、必
要に応じてその間に下塗層を、感光性組成物層の上にマ
ット層を設けることができる。下塗層成分としては種々
の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセ
ルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエ
チルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、
置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホ
スホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、
メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸など
の有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン
酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリ
ン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニル
ホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフ
ィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィ
ン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およ
びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を
有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合
して用いてもよい。
【0057】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水または
メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有
機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を
溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合
物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有
機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の
有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種
々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃
度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重
量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25
〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好まし
くは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニ
ア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物
質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12
の範囲に調整することもできる。また、感光性平版印刷
版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することも
できる。有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適
当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の
被覆量が2mg/m2より少ないと十分な耐刷性能が得られ
ない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
【0058】また、本発明のポジ型感光性平版印刷版の
表面には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引き
の時間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層が
設けられる。具体的には特開昭50−125805号、特公昭57
−6582号、同61−28986 号の各公報に記載されているよ
うなマット層を設ける方法、特公昭62−62337 号公報に
記載されているような固体粉末を熱融着させる方法など
が挙げられる。本発明に用いられるマット層の平均径は
100μm以下が好ましく、より好ましい範囲としては
2〜8μmである。平均径が大きくなると、細線が付き
難く、ハイライトドットも点減りし、調子再現上好まし
くない。平均径が2μm以下では真空密着性が不十分で
焼きボケを生じる。マット層の塗布量は5〜200mg/
m2が好ましく、更に好ましくは20〜150mg/m2であ
る。塗布量がこの範囲より大きいと擦傷の原因となり、
これより小さいと真空密着性が不十分となる。上記の様
にして作成されたポジ型感光性平版印刷版は、通常、像
露光、現像処理を施される。像露光に用いられる活性光
線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドラ
ンプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアー
ク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオン
ビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−
UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も
使用される。レーザービームとしてはヘリウム・ネオン
レーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘ
リウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマレーザー
等が挙げられる。
【0059】露光後現像する際、用いられる水性アルカ
リ現像液組成物としては、例えば特開昭51−7740
1号に示されている、ベンジルアルコール、アニオン性
界面活性剤、アルカリ剤及び水からなる現像液組成物、
特開昭53−44202号に記載されている、ベンジル
アルコール、アニオン性界面活性剤、水溶性亜硫酸塩を
含む水性溶液からなる現像液組成物、特開昭55−15
5355号に記載されている、水に対する溶解度が常温
において10重量%以下である有機溶剤とアルカリ剤と
水とを含有する現像液組成物等が挙げられる。
【0060】これらは、いずれも有機溶剤を現像液組成
物中に含有している。しかし有機溶剤は一般に毒性及び
臭気があり、また火災に対する危険性を持っており、さ
らに廃液においてもBOD規制を受ける等の多くの欠点
を有し、コストも高くなる。従って、有機溶剤を実質上
含まない現像液組成物を使用することが望ましい。尚、
本発明において、「実質上有機溶剤を含まない」とは、
前述した安全性の点から該物質の組成物中に占める割合
が3重量%以下であることを意味し、好ましくは1重量
%以下であるが、さらに好ましくは0.5重量%以下で
あり、全く含まないことが望ましい。
【0061】これに対して、有機溶剤を実質上含まない
現像液組成物としては、従来ポジ型感光性平版印刷版を
現像する際用いられている組成物等があげられる。但し
これらの現像液組成物はアルカリ性が非常に強く、人体
に付着した場合、かぶれ、炎症等を起こす危険性があ
る。従って、本発明に用いる現像液組成物としては、有
機溶剤を実質上含まず、かつpHが12.5以下である
組成物が好ましい。
【0062】このような現像液に用いるアルカリ剤とし
ては、弱塩基または弱酸と強塩基の塩が好ましい。具体
的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン等の有機アミン類、及び炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム、有機カルボン酸のNa塩またはK塩、リン酸
のNa塩またはK塩(第一、第二、第三)、ホウ酸のN
a塩またはK塩(第一、第二、第三)等が挙げられる。
これらのアルカリ剤のうち、有機アミン類及び炭酸塩類
が好ましい。また、現像液の劣化を防止するために、二
種以上のアルカリ剤を併用することが好ましい。これら
のアルカリ剤は現像液組成物中1〜15重量%以下、好
ましくは1〜10重量%以下、より好ましくは3〜7重
量%以下で使用される。更に自動現像機を用いて現像す
る場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液
(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像
タンク中の現像液を交換する事なく、多量のPS版を処
理できることが知られている。本発明においてもこの補
充方式が好ましく適用される。本発明に使用される現像
液および補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分
散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要
に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好
ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、
ノニオン系および両性界面活性剤があげられる。特に好
ましい例として特開昭50−51324号公報に記載さ
れているようなアニオン性界面活性剤、及び両性界面活
性剤、特開昭59−75255号公報、特開昭60−1
11246号公報に記載されているような非イオン性界
面活性剤等の界面活性剤をあげることができる。これら
の界面活性剤は現像液組成物中10重量%以下で使用さ
れるが6重量%以下が好ましい。更に本発明に使用され
る現像液および補充液には必要に応じて、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸の
ナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボ
ン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。亜硫
酸塩は現像液組成物中5重量%以下、好ましくは0.0
5〜3重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%で
使用されるのが好ましい。
【0063】本発明において好適に使用される現像液組
成物はpHが12.5以下であるが、より好ましくはp
Hが8〜11.5、特に好ましくはpHが9〜11.5
の範囲のものである。pHが12.5以上のものは取り
扱い性や公害防止の点で好ましく。また、pHが8以下
の場合には現像スピードの点で好ましくない。以上記述
した現像液により、本発明の感光性組成物を現像する場
合、用いる本発明の高分子化合物は現像液に溶解または
分散可能であることが好ましいが、単に膨潤するもので
あってもよい。この場合、露光部の本発明の感光性組成
物は、現像液に浸した後ブラシ等により機械的にこすり
取られることが好ましい。上記現像液および補充液を用
いて現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含
有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感
脂化液で後処理される。本発明の印刷版の後処理にはこ
れらの処理を種々組合せて用いることができる。
【0064】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用
いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処
理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽およ
びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬
送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノ
ズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最
近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール
などによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知
られている。このような自動処理においては、各処理液
に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処
理することができる。また、実質的に未使用の処理液で
処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。本発
明の感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗及び
/又はリンス及び/又はガム引きして得られた平版印刷
版に不必要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエ
ッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消
去が行なわれる。このような消去は、例えば特公平2−
13293 号公報に記載されているような消去液を不必要画
像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗
することにより行なう方法が好ましいが、特開平59−17
4842号公報に記載されているようなオプティカルファイ
バーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち
現像する方法も利用できる。
【0065】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版
をバーニング処理する場合には、バーニング前に特公昭
61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61
−159655号の各公報に記載されているような整面液で処
理することが好ましい。その方法としては、該整面液を
浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗
布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬し
て塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用
される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキ
ージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より
好ましい結果を与える。整面液の塗布量は一般に0.0
3〜0.8g/m2(乾燥重量)が適当である。整面液が
塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バ
ーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム
(株)より販売されているバーニングプロセッサー:B
P−1300)などで高温に加熱される。この場合の加
熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にも
よるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が
好ましい。バーニング処理された平版印刷版は、必要に
応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれて
いる処理を施こすことができるが水溶性高分子化合物等
を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどの
いわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様
な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機
等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0066】〔参考例〕本文中に示した二当量型のカプ
ラーモノマー(11)の重合例を次に示す。カプラーモノ
マー(11)30.0gおよびジメチルホルムアミド6
0.0gを攪拌器を装着した三ツ口フラスコに入れ内温
を65℃に保ち、窒素気流下攪拌した。2,2′−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)180mgを添
加し、同温度にて2時間攪拌を行った。更に2,2′−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を450
mg添加し、ひきつづき65℃で4時間攪拌を行った後、
放冷した。反応液を1.5リットルの水にあけ固体を析
出させ、ろ過後乾燥した。 収量 29.5g 粘度 8.00cps (0.5g固体を2mlのDMFに溶
解;E型粘度計,Tokyo Keiki Co, LTD ) 得られた固体の1 H−NMR(CDCl3 中)を測定したと
ころモノマー(11)のビニルプロトンに帰属される
5.72ppm (TMS基準)のピークが全く消失してお
りポリマーであることが確認された。
【0067】
【実施例】つぎに、実施例にあげて本発明をさらに詳細
に説明する。なお、下記実施例におけるパーセントは、
他に指定のない限り、すべて重量%である。 (実施例1)特開昭56−28893号公報に開示された方法
により基板を作製した。即ち、厚さ0.24mmのアルミ
ニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミスト
ンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく
水で洗浄した。次いで10%水酸化ナトリウムに70℃
で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後2
0%HNO3で中和洗浄し、水洗した。これを陽極時電圧が
12.7Vで陽極時電気量に対する陰極時電気量の比が
0.8の条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝
酸水溶液中で160クローン/dm2の陽極時電気量で電
解粗面化処理を行った。このときの表面粗さを測定した
ところ0.6μ(Ra表示)であった。引き続いて30
%の硫酸中に浸漬し、55℃で2分間デスマットした
後、20%硫酸中、電流密度2A/dm2において厚さが
2.7g/m2になるように2分間陽極酸化処理した。そ
の後70℃の珪酸ソーダ2.5%水溶液に1分間浸漬後
水洗乾燥した。このようにして準備された基板の上に、
次の感光液〔A〕−1〜〔A〕−12をホイラーを用い
て塗布し、100℃で2分間乾燥した。乾燥重量は2g
/m2であった。
【0068】尚、感光液〔A〕−1〜〔A〕−12に用
いた本発明の二当量型のカプラー残基を含む化合物は第
A表に示す。 感光液〔A〕 ナフトキノン(1,2)−ジアジド−(2)−5−スルホニルクロリドとピロ ガロール−アセトン樹脂とのエステル化物 0.90g (米国特許第3,635,709号明細書実施例1に記載されているもの) 本発明の二当量カプラー残基を含む化合物(第A表) 2.10g 2−トリクロロメチル−5−(4−ヒドロキシスチリル)−1,3,4−オキ サジアゾール 0.04g 無水フタル酸 0.20g 油溶性染料(CI42595) 0.03g エチレンジクロライド 15g メチルセロソルブ 8g 次に比較例として、上記感光液中の本発明の二当量型の
カプラー残基を含む化合物の代わりに比較用の化合物を
用いた感光液〔B〕−1〜〔B〕−4を同様に塗布、乾
燥した。乾燥重量は2g/m2であった。感光液〔B〕−
1〜〔B〕−4に用いた比較用の化合物を第A表に示
す。感光液〔A〕−1〜〔A〕−12及び〔B〕−1〜
〔B〕−4を用いて得られた各感光性平版印刷版〔A〕
−1〜〔A〕−12及び〔B〕−1〜〔B〕−4それぞ
れに富士写真フイルム(株)製PSライトで1mの距離
から1分間画像露光し、次に示す現像液に室温で1分間
浸漬した後、脱脂綿で表面を軽くこすり、未露光部を除
去し、平版印刷版〔A〕−1〜〔A〕−12及び〔B〕
−1〜〔B〕−4を得た。尚、現像液のpHは11.3
(温度25.0℃)であった。 現像液 亜硫酸ナトリウム 5g ベンジルアルコール 30g 炭酸ナトリウム 5g イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 12g 水 1000g こうして得られた平版印刷版をオフセット印刷機にかけ
て印刷し耐刷性のテストを行なった。耐刷性の劣るもの
は少ない枚数で画像部が摩耗してインキが付着しなくな
り、正常な印刷物が得られなくなる。また適正現像条件
の範囲の広さ(現像許容性)を調べるため、前記の現像
液に5分間浸漬して現像した場合と、現像液に1分間浸
漬して現像した場合との調子再現性の変化を調べた。ほ
とんど変化がなかったものを○、大きく変化したものを
×、その中間を△で表示した。また感光性組成物の基板
に対する密着性や、柔軟性を調べるために、露光後画像
部にダイヤモンド針で一定荷重をかけてキズをつけ、現
像後印刷してキズのつき易さを調べた。キズがつきにく
いものを○、きわめてつき易いものを×、その中間を△
で表示した。これらの結果を第A表に示すが、あきらか
に本発明の感光性組成物は、きわめてすぐれた性能を有
することがわかる。尚、下記表において感光液No.A
−3〜A−5は参考例を示し、感光液No.B−1〜B
−4は比較例を示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】(実施例2)実施例1と同様にして作製し
た支持体上に、次の感光液をホワイラーを用いて塗布
し、100℃で2分間乾燥させた。 ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−(2)−5−スルホニルクロリドとク レゾールノボラック樹脂のエステル化反応生成物 0.75g テトラヒドロ無水フタル酸 0.15g 第B表に記載のポリマー 2.10g 2−(p−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−ト リアジン 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.03g クリスタルバイオレット 0.01g オイルブルー#603 0.015g (オリエント化学工業株式会社製) エチレンジクロリド 18g 2−メトキシエチルアセテート 12g 乾燥後の塗布量は2.0g/m2であった。これらの感光
性平版印刷版を実施例1と同様な方法で評価した結果を
第B表に示すが、第B表から、本発明の感光性組成物が
優れた性能を有することがわかる。
【0072】
【表3】
【0073】(実施例3)実施例1と同様にして作製し
た支持体上に、次の感光液をホワイラーを用いて塗布
し、100℃で2分間乾燥させた。 2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジ ド−5−スルホニルクロリドとのエステル化物(エステル率;90モル%) 0.45g テトラヒドロ無水フタル酸 0.15g 第C表に記載のポリマー 2.10g 2−(p−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−ト リアジン 0.02g ナフトキノン−1,2 −ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.03g クリスタルバイオレット 0.01g オイルブルー# 603 (オリエント化学工業株式会社製) 0.015g エチレンジクロリド 18g 2−メトキシエチルアセテート 12g
【0074】乾燥後の塗布量は1.8g/m2 であっ
た。これらの感光製平版印刷版を実施例1と同様な方法
で評価した結果を第C表に示すが、第C表から、本発明
の感光性組成物が優れた性能を有することがわかる。
【0075】
【表4】
【0076】(実施例4)厚さ0.30mmのアルミニ
ウム板(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄して
脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス
−水縣濁液を用いその表面を砂目立てし、よく水で洗浄
した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
に9秒間浸漬してエッチングを行い水洗後、更に20%
HNO3 に20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立
て表面のエッチング量は約3g/m 2 であった。次にこ
の板を7%H2 SO4 を電解液として電流密度15A/
dm 2 で3g/m2 の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水
洗乾燥した。次にこのアルミニウム板に下記下塗り液を
塗布し、80℃、30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は
10mg/m2 であった。 (下塗り液) β−アラニン 0.1g フェニルホスホン酸 0.05g メタノール 40g 純水 60g
【0077】更に、このアルミニウム板に実施例1に記
載した感光液を塗布し、100℃2分間乾燥してポジ型
感光性平版印刷版を得た。乾燥後の重量は2.0g/m
2 であった。これらの感光性平版印刷版を実施例1と同
様の方法で露光、現像した後、下記処理を行った。 (処理液原液) SiO2/K2Oモル比2のケイ酸カリウム50%水溶液 37.7wt% 48%水酸化カリウム水溶液 4.8wt% ポリオキシエチレン(付加モル数n=12)ソルビトール 0.2wt% EDTAの4ナトリウム塩 0.1wt% イオン交換水 57.2wt% 富士写真フイルム(株)社製自動現像機スタブロン90
0NPの現像浴に上記原液を水道水で9倍(1:8)に
希釈した処理液(pH=12.4)、第一リンス浴に水
道水、第二リンス浴に富士写真フイルム(株)社製フィ
ニッシャーFP−2Wを水道水で2倍(1:1)に希釈
した液を仕込み、液温30℃、処理時間20秒の条件で
処理を行った。得られた平版印刷版を用い実施例1と同
様の評価を行った結果を第D表に示す。第D表から、本
発明の感光製組成物が優れた性能を有することがわか
る。尚、下記表において感光液No.A−3〜A−5は
参考例を示し、感光液No.B−1〜B−4は比較例を
示す。
【0078】
【表5】
【0079】
【表6】
【0080】
【発明の効果】本発明により二当量型のカプラー残基を
含む化合物とポジ型に作用する感光性化合物及び/又は
感光性混成物を組合せると、適正な現像条件の範囲が広
く、耐刷力の大きく、pH12.5以下の弱アルカリ性
現像液で画像形成できる感光性平版印刷版を得ることが
できる。また、二当量型のカプラー残基を含む化合物が
ポリマーであると、基板に対する密着性が良く、柔軟な
皮膜がえられ、耐摩耗性がより優れる上により適正な現
像条件の範囲が広い(現像許容性が広い)感光性平版印
刷版を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 因埜 紀文 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士 写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−72152(JP,A) 特開 昭63−14140(JP,A) 特開 昭64−35447(JP,A) 特開 昭63−127237(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/039 G03F 7/00 503 G03F 7/023 501

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に一般式(Cp−3)で表され
    二当量型のカプラー残基を含む化合物とポジ型に作用
    する感光性化合物または感光性混合物とを少なくとも含
    有する感光性組成物から形成される感光性層を設けてな
    ることを特徴とする感光性平版印刷版。【化1】 一般式(Cp−3)において、R 55 は、炭素数1から3
    2の直鎖ないし分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、環
    状アルキル基、アラルキル基、環状アルケニル基、アリ
    ール基、複素環基、置換基によって置換された、複素環
    基、脂肪族または芳香族アシル基、アルキルスルホニル
    基、アリールスルホニル基、アルキルカルバモイル基、
    アリールカルバモイル基、アルキルチオカルバモイル
    基、またはアリールチオカルバモイル基を表す。R 54
    水素原子、1から32の直鎖ないしは分岐鎖のアルキル
    基、アルケニル基、環状アルキル基、アラルキル基、環
    状アルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシカ
    ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキル
    オキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ
    基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル
    基、アシルアミノ基、ジアシルアミノ基、N−アルキル
    アシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイ
    ド基、ウレタン基、チオウレタン基、アリールアミノ
    基、アルキルアミノ基、シクロアミノ基、複素環アミノ
    基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ス
    ルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、
    シアノ基、ヒドロキシル基、またはスルホ基を表わす。
    2 は、酸素原子、窒素原子またはイオウ原子でカップ
    リング位に結合している離脱基を表わし、Z 2 が酸素原
    子、窒素原 子またはイオウ原子でカップリング位に結合
    している場合には、これらの原子は、アルキル基、アリ
    ール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
    基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基又は
    複素環基と結合しており、さらに窒素原子の場合には、
    その窒素原子を含み5員又は6員環を形成して離脱基と
    なりうる基をも意味する。
  2. 【請求項2】 二当量型のカプラー残基を含む化合物が
    ポリマーである請求項1に記載の感光性平版印刷版。
  3. 【請求項3】 支持体としてアルミ板を用いる請求項2
    に記載の感光性平版印刷版。
  4. 【請求項4】 支持体としてシリケート処理を施したア
    ルミ板を用いる請求項3に記載の感光性平版印刷版。
  5. 【請求項5】 pH12.5以下の弱アルカリ性現像液
    で処理することにより画像形成できる請求項2に記載の
    感光性平版印刷版。
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