JP3276647B2 - 眼鏡フレーム鼻当ての鼻部接触面切削方法 - Google Patents

眼鏡フレーム鼻当ての鼻部接触面切削方法

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JP3276647B2
JP3276647B2 JP21962991A JP21962991A JP3276647B2 JP 3276647 B2 JP3276647 B2 JP 3276647B2 JP 21962991 A JP21962991 A JP 21962991A JP 21962991 A JP21962991 A JP 21962991A JP 3276647 B2 JP3276647 B2 JP 3276647B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D12/00Producing frames
    • B29D12/02Spectacle frames

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装用感に優れた眼鏡フ
レームの鼻当て(パット)を得るための眼鏡フレーム鼻
当ての鼻部接触面切削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡フレームの装用感にかかわる部分
は、装用者頭部及び鼻根部と接する部分、即ち、テンプ
ル先端部及び鼻当て部分が主たる部位である。
【0003】テンプル部の装用に関しては、現在供給さ
れている部品でも、例えば、弾性部材等の材質の選択や
部材の熱変形や強制曲げ変形(弾性)を用いたフィッテ
ィング調整等により一応、ある程度満足できる装用状態
が得られている。
【0004】また、鼻当て部分に関しても、メタルフレ
ームや一部のプラスチックフレームで使われている鼻当
ては、パットアームを備え、自由に接触角度が動くクリ
ングスタイプであるので、ある程度満足できるの装用感
が得られている
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大多数
のプラスチック眼鏡フレームに使用されている鼻当てに
関しては、眼鏡注文者の多くが十分満足できるものを供
給できるまでに至っていないのが実状である。
【0006】この主たる原因は、多くのプラスチック眼
鏡フレームにあっては、その鼻当てが眼鏡フレームと一
体に形成されていることにある。このため、フレーム製
作後には鼻当てを調整することができない。したがっ
て、注文者に適したフレームを供給するためには、あら
ゆる注文者の鼻形状に合わせた鼻当てを有する多種類の
フレームを製作する必要がある。しかも、注文者に合わ
せる必要のあるのは鼻当てのみではなく、他の要因も考
慮にいれる必要があるため、結局、全てを満足したフレ
ームを供給することは現実には不可能である。それゆ
え、実際の生産では、鼻当て部に関しては、平均的鼻部
形状をモデルとし、そのモデルの鼻部形状の鼻当て曲面
に近似させた切削刃を、眼鏡フレームのレンズ枠の外周
に沿って平面的に回動させることによって切削加工して
得ていた。
【0007】このように、従来のプラスチックフレーム
に用いられている鼻当ては、あくまでも、平均的鼻部形
状をモデルとするもので、単に、切削刃の形状に倣わせ
る程度の切削方法でしかなかった。従って、個々の眼鏡
装用者の鼻根部側面の形状とは無関係となっており、局
部的な「点当り」になってしまい、そのため圧迫感やず
り落ちなどの現象が特に発生し易くなっている。また、
プラスチック眼鏡フレームは重量が比較的重いこともそ
の要因になっている。
【0008】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、多様な眼鏡フレームの
モデルにも採用可能な、装用感に優れた眼鏡フレーム鼻
当ての鼻部接触面切削方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明は、(1)複数の規格の鼻当てを有する眼
鏡フレームを用意してその中から眼鏡注文者に適した鼻
当てを有する眼鏡フレームを選定するようにし、前記各
規格に対応した鼻当てを有する眼鏡フレームを製作する
際に鼻部接触面の形状を切削加工により形成するように
した眼鏡フレーム鼻当ての鼻部接触面切削方法におい
て、人顔の鼻部の基本形状を表す基本鼻根モデルを設定
する基本鼻根モデル設定段階と、人顔の鼻部形状のバラ
ツキを考慮し、そのバラツキに対応して前記設定した基
本鼻根モデルを変形して複数の鼻根モデルに分類する鼻
根モデル分類化段階と、その分類された各鼻根モデルに
対応する鼻当ての鼻部接触面の形状に基づいて切削軌跡
を設定する切削軌跡設定段階と、前記設定された切削軌
跡に基づいて切削工具を制御して眼鏡フレームの鼻当て
部を切削加工する切削加工段階とを有することを特徴と
した構成とし、この構成1の態様として、(2) 構成
1の眼鏡フレーム鼻当ての鼻部接触面切削方法におい
て、前記鼻根モデル分類化段階は、複数の人間の鼻部測
定から鼻部情報を収集する鼻部情報収集段階と、その鼻
部情報に基づき鼻部を複数の鼻根モデルに分類する分類
化段階とを含むものであることを特徴とした構成とし、
さらに、構成1または2の態様として、(3) 構成1
または2の眼鏡フレーム鼻当ての鼻部接触面切削方法に
おいて、前記切削軌跡設定段階は、前記分類された各鼻
根モデルに対応する鼻当ての鼻部接触面の形状を関数で
表し、この関数に基づいて切削軌跡を表す関数を得る操
作を行うものであり、前記切削加工段階は、前記切削軌
跡設定段階で設定された関数に基づいて切削工具を制御
するマシニングセンターを用いて行うものであることを
特徴とした構成とし、構成1ないし3のいずれかの態様
として、(4) 構成1ないし3のいずれかの眼鏡フレ
ーム鼻当ての鼻部接触面切削方法において、前記切削加
工段階において使用する切削工具が前記各鼻根モデルの
鼻当て接触面の形状に近似する形状の湾曲切削刃を有す
るカッターであることを特徴としたたものである。
【0010】
【作用】上述の構成1によれば、基本鼻根モデルを設定
してこれを変形することにより多数の人顔の鼻をその形
状毎に適切に分類して大部分の注文者の鼻形状をカバー
できる幾つかの鼻根モデルを得ることが可能となる。し
たがって、この幾つかの鼻根モデルに対応する鼻当ての
鼻部接触面の形状の軌跡に基づき、切削工具を制御して
眼鏡フレームの鼻当て部を切削加工することにより、眼
鏡注文者に適し、装用感に勝れた鼻当てを有する眼鏡フ
レームを容易に得ることが可能となる。
【0011】また、構成2によれば、上記分類を多数の
人顔の実際のデータに基づいて行うことから、実際に即
したより適切な分類が可能となり、さらに、構成3によ
れば、マシニングセンタを用いることにより、切削加工
を正確にかつ迅速に行うことが可能となり、構成4によ
れば、さらに切削加工が容易となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例にかかる眼鏡フレー
ム鼻当ての鼻部接触面切削方法ついて説明する。
【0013】図1は、この一実施例の方法の概略手順を
示す図である。図1に示されるように、この方法は、
(I)基本鼻根モデルの設定(基本鼻根モデル設定段階
及び分類化段階)、(II)基本鼻根モデルについての
切削軌跡設定(切削軌跡設定段階)、(III)鼻当て
の切削加工(切削加工段階)の3段階からなる。以下、
これら各手順を詳細に説明するが、以下では、説明の都
合上、まず、(III)鼻当ての切削加工(切削加工段
階)を説明し、以後、(I)基本鼻根モデルの設定(基
本鼻根モデル設定段階及び分類化段階)、(II)基本
鼻根モデルについての切削軌跡設定(切削軌跡設定段
階)の順に説明する。
【0014】(III.鼻当ての切削加工)図2は本実
施例の方法によって製作された眼鏡フレーム(以下、単
にフレームという)1の部分斜視図である。
【0015】このフレーム1は、左右のレンズ枠3,3
と、この左右のレンズ枠3,3を連結するブリッジ4
と、図示しないテンプル部とから構成される。このう
ち、レンズ枠3,3と、ブリッジ4とでフロント枠1b
を構成する。
【0016】レンズ枠3,3におけるブリッジ4で連結
された部位の近傍には、それぞれ鼻当て(以下、パット
という)2,2が相対向するようにして設けられてい
る。
【0017】なお、フレーム1は、プラスチック製(ア
セテート)からなり、図3に示すように、プラスチック
原板1aにフロントカーブをつけ、所定のフロント枠1
bの形状にマシニングセンタ(図示せず)を使用して、
切り出したものである。
【0018】図2において、鼻当て2は、レンズ枠3に
連続して接合している部分を除いて、レンズ枠3側に面
したレンズ内周面2aと、レンズ枠3の眼側外表面(稜
線)の鼻高湾曲面2bと、レンズ枠3の外側に面した鼻
当て接触面2cとの3面とを備えている。
【0019】次に、これら3面の加工について述べる
と、まず、レンズ内周面2aは、本実施例では、図3に
示すように、フロント枠1bの切り出し工程時におい
て、あらかじめ設定されたレンズ枠のデザインに従っ
て、そのレンズ枠形状の切り出しと同時に加工される。
【0020】次に、鼻高湾曲面2bと、鼻当て接触面2
cの加工は、図4に示す、鼻高湾曲面創成用カッター
(以下、第1のカッターという)21と、図5に示す鼻
当て接触面創成用カッター(以下、第2のカッターとい
う)22とを用いて行われる。
【0021】第1のカッター21は、図4に示すよう
に、4枚の切削刃211、212、213、214から
なる切削部215と、マシニングセンタの加工軸(図示
せず)に装着される装着部216aを有する支持部21
6とを備えている。各々の切削刃211〜214は、そ
れぞれ同一形状である。例えば、切削刃211は、その
ほぼ中央位置に、湾曲したくぼみの第1の切削域217
と、その第1の切削域217の上下にそれぞれ第2の切
削域218、第3の切削域219とを備えている。 第
2の切削域218及び第3の切削域219には、それぞ
れ2つの切削傾斜面218a、218b並びに219
a、219bが形成されている。
【0022】そして、前記第1の切削域217のくぼみ
の湾曲は、図6に示すように鼻当て2の鼻高湾曲面2b
と対応させて形成されている。
【0023】第2の切削域218と第3の切削域219
は、同様に図6に示すように、それぞれレンズ枠3の眼
側表面の平坦部3a、3bを形成する切削部位となる。
【0024】図7は、第1のカッター21を使用してパ
ット2の鼻高湾曲面2bを切削している様子を示すもの
である。
【0025】次に、図5に示される第2のカッター22
について説明する。この第2のカッター22は、4枚の
切削刃221、222、223、224からなる切削部
225と、マシニングセンタ(図示ぜす)の加工軸に装
着される装着軸226aを有する支持部226とを備え
ている。切削部225は、カッター22の先端部に位置
し、その切削部225を形成するそれぞれの切削刃22
1〜224は、すべて同一形状であり、例えば、符号2
21の切削刃を例にとって説明すると、この切削刃22
1は、カッター22から装着軸方向に湾曲した第1の切
削域227と装着軸226aの円周方向に湾曲した第2
の切削域228とを備えている。
【0026】このように、第2のカッター22は、第1
のカッター21と切削刃の形状において相違しているも
のの機能及び使用方法等については同一であり、本体切
削装置に加工具として着脱して、使用される。
【0027】同様に図8は、第2のカッター22を使用
して鼻当て接触面2Cを切削加工している様子を示す図
である。図8において、左側のレンズ枠3からブリッジ
4を通り右側のレンズ枠3に示す矢印の方向が、このカ
ッター22の切削軌跡であり、左側のレンズ枠3のパッ
ト2は既に本カッター22により切削が終えた形状とな
っており、次にブリッジ4を加工し、次いで、右側レン
ズ枠3のパット2の加工へと移る段階を示している (I.基本鼻根モデルの設定)次に、本実施例の鼻当て
接触面2Cの形状を定める前提として、鼻根モデルを設
定する手順について説明する。
【0028】本実施例では、まず、人顔の鼻部を二等辺
三角形を底面とする9つの四面体形状にモデル化し、次
いで、この各四面体の2つの傾斜面を鼻根部側面形状と
して面の方程式で表し、それを上記鼻当て接触面2Cと
して取り扱う。以下、この手順を詳細に説明する。
【0029】この手順の概略は、図9にそのフロー図を
示したように、以下の通りである。
【0030】(1)基本鼻根モデル100を設定し、鼻
部測定のための測定点を決定する。
【0031】(2)不特定多数の鼻部を測定する (3)測定データを分析し、鼻部形状の分類化を行な
う。
【0032】(4)究極的に、9つの基本鼻根モデルを
設定する。
【0033】次に、上記手順を詳細に説明する。なお、
本実施例では、不特定多数の人顔の鼻部計測から人間工
学的手法を用いて大系的に鼻部を分類化するものである
が、その他の分類は方法としては、一つの特定の鼻部モ
デルもしくはその部分的なデータから、形状、鼻根高、
鼻根傾斜角等を計数的に変化させて、複数の鼻根モデル
を作成する方法等があり、更に、CAD,CAM等もふ
くめコンピュータグラフィクを使用することもできる。
【0034】(1)基本鼻根モデル100の設定〜測定
点の決定 A.基本鼻根モデル100の設定 不特定多数の人間の鼻部形状を測定する前段階の作業と
して、図10に示すような基本鼻根モデル100を設定
する。このように、実際には自由曲面から構成される鼻
部を簡略的にモデル化することによって、測定点の明確
化を含めた測定技術の簡略化、測定後のデータ処理、比
較、分析、活用性を高めることができる。
【0035】この基本鼻根モデル100は、ともに三角
錐の頂点に近い部分を切り取った2つの5面体の鼻根モ
デルを合成したものであり、上方に位置するのが上部鼻
根モデル102、下方に位置するのが下部鼻根モデル1
03である。
【0036】上部鼻根モデル102は、背面121、右
側面122、左側面123、上面124及び下面125
から構成され、同様に、下部鼻根モデル103も、背面
131、右側面132、左側面133、上面134及び
下面135から構成される。また、上部鼻根モデル10
2の下面125と、下部鼻根モデル103の上面134
とはこの2つの鼻根モデルを接続する境界の面であり、
符号としては、2つの図形の説明上、異なる番号を付与
しているが、同一の面である。
【0037】図11、図12はそれぞれ基本鼻根モデル
100と人顔の眼の位置との関係を示したもので、図1
はその正面図、図12は右側面図である。
【0038】基本鼻根モデル100において、上部鼻根
モデル102の背面121と下部鼻根モデル103の背
面131とは同一の平面上にあり、図12に示されるよ
うに、これらは角膜頂点104から前方にd=4mmの
距離で眼前に顔面と平行に設定した平面である基準前頭
面V0 と同一平面上にあるように設定される。したがっ
て、これら鼻根モデル102、103の右側面122及
び132は、人顔の鼻部右側傾斜面に対応し、左側面1
23及び133は、人顔の鼻部左側傾斜面にそれぞれ対
応することになる。
【0039】また、人顔の左右瞳孔中心106を通る水
平面を基準水平面H0とすると、上部鼻根モデル102
の上面124はこの基準水平面H0 と同一平面上にあ
り、さらに、上部鼻根モデル102の下面125(=下
部鼻根モデル103の上面134)は、基準水平面H0
を下方に平行に一定距離(=10mm)移動した平面
(第1水平面)と同一平面上にあり、そして、下部鼻根
モデル103の下面135は、基準水平面H0 を下方に
平行に一定距離(=20mm)移動した平面(第2水平
面)と同一平面上にある。
【0040】また、右側面122、132と、左側面1
23、133とが交わる稜線(頂点)126、136
は、人顔の鼻梁に対応し、図12に示すように、基準前
頭面V0 から顔前垂直方向の距離hは、鼻部の高さh
(鼻深)に対応する。
【0041】図11におけるW0 、W1 ,W2 は、上述
の基準水平面H0 、第1水平面(125、135)及び
第2水平面(135)と、背面121、131との交線
の長さであり、人顔の鼻幅に対応する。
【0042】なお、基本鼻根モデルの設定は、必ずしも
上述のように人顔の鼻部の形状を抽象化した形状とする
必要はなく、人顔の自然の自由曲面形状を用いてもよ
く、そのモデル形状も特に限定されないが、抽象化モデ
ルを採用する場合は、なるべく簡単な形状のものを用い
ることが処理を容易にする上で好ましい。
【0043】B.測定点の決定 次に、上述の基本鼻根モデル100を用いて、鼻の形状
・寸法の特徴を効果的に表すとともに容易に測定するこ
とができる測定点を決定する。このような点としては、
上部鼻モデル102及び下部鼻モデル103の各頂
点P1 ,P2 、P3 、P4 、P5 ,P6 、P7 ,P8 ,
P9 が適切である。
【0044】そして、これらの9点を3次元のX,Y,
Z座標を使って表示し、鼻部の測定項目を決定する。
【0045】測定項目は、(a)基準水平面H0 上の鼻
深(点P3 のZ座標)(b)第1水平面上の鼻深(点P
6 のZ座標)(c)第2水平面上の鼻深(点P9 のZ座
標)(d)基準水平面H0 上鼻幅(点P1 と点P2 との
X座標間の距離=W0 )(e)第1水平面上鼻幅(点P
4 と点P5 とのX座標間の距離=W1 )(f)第2水平
面上鼻幅(点P7 と点P8 とのX座標間の距離=W2 )
の6項目及び(g)鼻深/鼻幅 比、(h)鼻根モデル
体積、(i)鼻根の断面積、(j)水平面鼻角(鼻根傾
斜角;図13)、(k)鼻根高(図14)、(l)パッ
ト接点深さである。更にその他の形状特徴を示す特性値
を加えてもよい。
【0046】(2)多数の人顔の測定方法 次に、上述の鼻値モデルの各測定点について、多数の人
顔の鼻の寸法を実際に測定し、データを集める。この測
定は、例えば、三次元測定方法の1つであるモアレの測
定方法を用い、格子照射型のモアレ等高線写真装置を使
用し、三次元の座標系を用いて測定する。図15は、こ
のモアレ等高線写真装置による測定例を示す図である。
【0047】図15に示されるモアレ等高線間隔を、本
実施例では2mmに設定した。また、基準となる所定の
測定点が必ずしもモアレ縞の中心にない場合(縞と縞と
の間にある場合)は、2本の等高線間の距離に比例配分
により決定する補間法を用い、0.5mm単位まで測定
した。
【0048】さらに、被検者の鼻部傾斜面に、鼻骨下端
を示すため円形の白色のシール10を装着させた状態で
屋内にて写真撮影を行ない測定した。
【0049】測定数は、多ければ多い程、客観的なデ−
タが求められる。また、女性、男性の性別、年齢別等の
各特性的区分を設けて、分類化しもてよい。
【0050】このようにして、鼻部の複数(約400)
の測定データを得た。図16はその測定結果を後述する
統計手法にしたがって表した図である。
【0051】なお、測定方法は、モアレ測定法に限定さ
れないが、3次元測定法であることが望ましい。
【0052】(3)測定デ−タの分析〜鼻部形状の分類
化〜9つの基本鼻根モデルの作成さて、上記で得られた
多数の測定デ−タを統計処理方法の主成分分析により分
析する。ここで、主成分分析とは互いに相関のある多種
類の特性値のもつ情報を互いに無相関な少数個の総合特
性に要約する手法である(理工学基礎 多変量解析:培
風館社発行)。この方法により互いに無相関な成分のう
ち、上述の測定項目の(a)と(b)の2成分までで8
6%の累積寄与率を示し、その総合特性を解析した結
果、ボリューム要素とシェイプ要素との2つの要素によ
り人間の鼻根部形状を表現可能であることが示された。
【0053】シェイプ要素とはその鼻部が太いか、細い
かといった形状の成分であり、鼻根傾斜角が主たる関連
要因となるものであり、また、ボリュ−ム要素とは、そ
の鼻部が大きいか、小さいか(高いか低いか)といった
大きさの成分であり、鼻根の高さが主たる関連要因とな
るものである。
【0054】従って、人顔の鼻部をこの2つの成分要素
で表し、不特定の鼻部一般を比較、分類する集合データ
として、図16に示すように、第1成分としてボリュ−
ム要素を横軸に、第2成分としてシェイプ要素を縦軸に
にとり、個々の鼻部を点データとして座標系の1つの位
置座標へと置き換える。
【0055】図16での表示方法は複数の測定データの
中心を原点として、各成分の最大値、あるいは最小値の
点と原点との間隔を当分し目盛りとしたものであり、数
値そのものには特別な意味はない。図18ないし図20
は、図16におけるN1 〜N4 点における鼻部モアレ図
である。
【0056】(4)9つの基本鼻根モデルの設定そし
て、図21に示すように、ボリュ−ム要素を太、中、細
に、シェイプ要素を大、中、小に、それぞれ区分し、9
つのエリアE1 〜E9 を設定し、更に、9つのエリアE
1 〜E9 のそれぞれにおいての縦軸、横軸の中点に位置
する9つの点E10〜E90の座標を、そのエリアを代表す
る鼻根形状データ(シェイプ要素、ボリューム要素)と
みなし、このデータをもとに、第2の9つの基本鼻根モ
デル1A(1A1 〜1A9 )を作成する。図22ないし
図24はE30、E90、E80の各点における第2基本鼻根
モデル1A3 、1A9 及び1A8 を示す図である。
【0057】また、本実施例では、それに加えて、前記
9つの第2の鼻根モデル1A(1A1 〜1A9 )をさら
に再調整し、底辺が二等辺三角形の四面体の第3の基本
鼻根モデル1Bを9つ(1B1 〜1B9 )設定する。図
25は第3基本鼻根モデル1Bを示す図である。
【0058】この第3の基本鼻根モデル1Bは、前記第
2の基本鼻根モデル1Aにおける上方半分のモデル部分
を使用するもので、左右瞳孔106を結ぶ線(水平基準
線)から下方10mmまでのモデル部分を意味する。そ
の理由は、本実施例を含む一般的な眼鏡フレームは製作
上の基準として、鼻当て中心位置がフレームのデ−タム
ラインから3.5mm下、瞳孔はデータムラインから2
mm上に設定していることから、鼻当ての鼻部当接範囲
は当初の基本鼻根モデル100を構成する2つの5面体
のうちの上部鼻根モデル102に含まれるからである。
以上のようにして、第3の基本鼻根モデル1Bを作成す
る。
【0059】そして、この第3の基本鼻根モデル1Bの
鼻根高及び鼻根傾斜角を求める。これは、眼鏡フレーム
の鼻当てはこの鼻根高及び鼻根傾斜角を基本として形状
を特定することができるためである。
【0060】また、前述のように、この鼻根高及び鼻根
傾斜角の測定項目は測定用の鼻根モデル等を使用せず、
人顔の鼻部から既存の測定装置を使用して直接に測定可
ある。
【0061】(II.基本鼻根モデルについての切削軌
跡設定)上述のようにして設定した9つの基本鼻根モデ
ル100Bは、二等辺三角形を底面とする四面体であ
り、この四面体のうちの2つの傾斜面は、鼻根部側面形
状として面の方程式で表わすことができる。
【0062】デカルト座標における面の方程式は図2
6、図27に示すようにX,Y,Zの各軸上a,b,c
の各々の切片を持つ場合、x/a+y/b+z/c=1
で表わされる。ここで、X,Y,Zの各軸を鼻部形状と
対応させて概念的に説明すると、X軸は鼻幅方向、Y軸
は鼻の長さ方向、Z軸は鼻の高さ方向を表している。従
って、前記基本鼻根モデル100Bはこの面の方程式の
係数a,b,cを決定することで基本鼻根モデル100
Bのそれぞれの面を数値によって表わすことが出来、更
に数値制御によって動作するマシニングセンターのデー
ターとしての形になる。そして鼻当て接触面を形成する
工程はフレームフロント部の左右方向のX軸を中心に回
転した裏面を加工する。そのためフロント部上下が逆に
なっているので基本鼻根モデル100Bに対応する、鼻
当て接触面を切削するカッターの切削面は、鼻当て接触
面の部品面に設定できることになる。
【0063】このa,b,cを切片とする面は、 x/a+y/b+z/c=1……(1) のようになる。図27におけるθはカッター角度と同じ
値を持っていて、 c=atan(−θ)=as……(2) の関係を有する。ただし、(1) 式において、s=tan
(−θ)とした。
【0064】(1) 式を変形すると、 bcx+acy+abz=abc……(3) である。また、この(3) 式に(2) 式を代入すると、 sbx+say+bz=sab……(4) である。この(4) 式を少し変形して項をならべかえると (sy)a+(sx+z)b=sab……(5) が得られる。ここからa及びbの値を求める事でカッタ
ー切削面を得ることができる。
【0065】次に、あらかじめ、前記9つに分類された
基本鼻根モデル100Bの中の、1つのモデル(鼻根モ
デルA)を例にとって説明する。
【0066】この例の場合、平面の方程式に於ける係数
は、次に示すような数値があらかじめ得られている。
【0067】 a=3.702、 b=7.207、 c=4.412 (ただし、この係数の座標系は、図28で示すような被
計測者の左右瞳孔を結ぶ直線をx軸とし、顔面を正面か
ら見て右側方向を正とする。また顔面を左右に分割し中
心を通り、上方を正とした直線をy軸とする。なお、こ
の2軸によって作られるxy平面は、被計測者の角膜頂
点から4mm前方が前述の基準前頭面V0となるよう
に、それぞれの軸が3次元空間内に位置していて、更
に、このxy平面に垂直で、x軸とy軸の交点(高さ)
を通る直線をz軸とした場合の座標系における係数であ
る。)従って、この座標系に於ける本実施例の場合の鼻
根モデルAの一つの平面(図28の三角形abc)は次
のように示される。
【0068】 (x/3.702)+(y/7.207)+(z/4.412)=1 そして、xの係数aとzの係数cは、xz平面とこの式
で表わされる平面とのなす交線と、x軸と成す角度をθ
とした場合(図29のx軸と直線ac)、次のようにな
る。
【0069】c=a tanθ 従って、上記係数から θ=tan-1(c/a)=tan-1(4.412/3.702)=50° 即ち、鼻根モデルに於ける鼻部側面の角度は、これを水
平に切る断面において50°となることを示している。
【0070】この角度の値は、眼鏡フレームの鼻当て接
触面を切削加工するための、第2のカッター22の製作
に於ける形状決定に用いられ、この第2のカッター22
の刃の角度として用いられる。このようにして製作され
た第2のカッター22により切削加工される鼻当て接触
面は、上記平面の方程式で表わされる鼻根モデルAの鼻
部側面に対応している。
【0071】本実施例では、前述のxy平面が、被計測
者の顔面を基準とした係数a,b,cの方程式であるた
め、これを数値制御によって動作するマシニングセンタ
ーのための座標に変換する必要がある。
【0072】切削のためのマシニングセンターで用いる
座標系をXYZとしX軸は眼鏡フレームのホーマのホー
マ上下中心を通る水平直線すなわちデータムラインであ
る。Y軸はフレ−ムの左右中心を通る上下の直線、更に
Z軸はX軸とY軸が交わる点を通りXY平面に垂直な直
線である。このXYZの座標系は切削成形される眼鏡フ
レームのフロントに対してあらかじめ決められている。
X軸とY軸について上記の通りであるがXY平面の立体
的な位置について図30に示した。
【0073】図30は眼鏡フレーム・フロントを側面か
らみた断面図である。図中401はパット、402はリ
ムの断面(上下2箇所斜線部分)であり、その内側には
レンズ403を保持するための溝が設けられている。
【0074】マシニングセンターの座標系XYZのXY
平面405はパット上部平面406から2mm後方に位
置している。更に標準的なレンズ403をこのフレーム
に取りつけた状態でそのレンズの後面407がXY平面
の前方およそ9.6mmの位置になるようにレンズ溝4
04は設定されている。
【0075】次に、眼鏡装用者の顔面を基準としたxy
z座標系とマシニングセンターのXYZ座標系の関係を
図31に示した。この図は眼鏡装用者を側面から見たも
のであり、符号408は眼鏡装用者の角膜頂点であり、
前述のようにxy平面409は角膜頂点408の前方4
mmの所に位置している。ところで眼鏡装用者の角膜頂
点とレンズ後面との位置関係は頂点間距離の12mmと
して規定されている。従って、XY平面の位置はxy平
面409の後面1.6mmにある(レンズ後面407か
らxy平面409までの距離=12ー4=8mm、レン
ズ後面407からXY平面405までの距離=9.6m
m、XY平面405からxy平面409までの距離=
9.6ー8=1.6mmとなる。)。
【0076】図32はフレームフロントの右眼部分をフ
ロント厚み方向からの断面により示したものである。ま
たこの図には前述のように位置関係が定まったxy平面
409とXY平面も示してある。この図32において、
a,c,a’は図28で示したxyz座標系における鼻
部モデルAの一側面が各軸と交差する点と同じものを示
している。即ち図28の三角形a,c,a’は鼻根モデ
ルAの高さ方向の水平断面にほかならない。
【0077】図32において、カッター22は刃面の延
長上にある頂点Q1 (実際には形として現れていない)
が上記の鼻根モデル水平断面にそって動くことによりパ
ット面を形成する。したがって、XY平面405に対す
るA1 、C1 、A'1が鼻根モデルAの断面に対応する
が、実際に、マシニングセンターで切削工程を行う場
合、カッター位置を設定するために工具長補正を行う。
実施例では工具長補正としてカッター先端(Q2 )を基
準に定めている。従って、a,c,a’の延長上にある
パット面を得るようなカッターの動作はカッター先端Q
2 に注目して見るとA2 ,C2 ,A'2の線上を動くこと
と同じである。実施例ではQ1 とQ2 の間隔は1.78
2mmである。実際の切削ではカッターの先端Q2 が動
く軌跡A2 ,C2 ,A'2の断面を形成する面を計算によ
り設定し、切削制御している。このA2 、C2 、A'2
が、図29の鼻根モデル断面A,C,A' に対応する。
【0078】上記の計算方法は次のようにして求められ
る。この計算では図29のxyz座標における係数a,
b,cに対し、切削のXYZ座標における係数A,B,
Cを求めることである。従って、図32のXY平面40
5におけるA2,C2 ,A'2が求めるものであって、こ
れとxyz座標とを比較するには、XY平面405を含
めたA2 ,C2 ,A'2をA1 ,C1 ,A'1と重ねるまで
平行移動すれば、XY平面405はX’Y’平面410
で示したところまで移動する。簡単にいえば、カッター
22の切削移動軌跡は、その形状特性ゆえに基準とすべ
き部分Q1 が1.782mmだけ突出したQ2 にせざる
を得ないため、その間隔分Z方向へ平行移動させるとい
うことである。したがって、平行移動させた後のカッタ
ー軌跡A2,C2 ,A'2に対するXY平面405の一実
施例は、平行移動させる前のA1,C1 ,A'1に対する
X' Y' 平面410と同等であり、A1 ,C1 ,A'1を
基本に考えると、XY平面405を1.782mmだけ
Z方向の負の方向へ移動させ、X' Y' 平面410にす
ることと等しい。つまり、このことから鼻根モデルに注
目してこの位置に対するxy平面とX’Y’平面の間隔
分だけ座標変換すれば求める切削座標における係数の値
が得られる。即ち、Z軸方向に関しては3.382mm
負方向へ、X軸方向に関しては2mm負方向へ原点を移
動することになる(Z方向の移動量=1.6+1.78
2=3.382)。この結果は、図29に示す通りであ
る。
【0079】従って、前述の顔面を基準にした座標系
x,y,zと切削のための座標系X,Y,Zとの関係を
まとめると次のような関係になる。
【0080】 x=X y=Y−2mm z=Z−3.382mm よって、前述の平面の方程式は X/3.702+(Y−2)/7.207+(Z−3.382)/4.412 =1(mm) となる。この式を整理すると、 X/7.568+Y/14.731+Z/9.019=1 となり、図29でこの平面と各座標軸となす切片A,
B,Cの値は次のようになる。
【0081】 A=7.568 B=14.731 C=9.019 この係数をマシニングセンターの制御のためのプログラ
ムに用いることにより、鼻当て接触面切削用カッター2
2はこの平面ABC上を動き、眼鏡フレームのデザイン
形状に影響されずに、規定の位置に眼鏡フレームを支持
し、且つ装用感に優れた鼻当て接触面を切削する。な
お、図33は基本鼻根モデルのフレームに対する位置関
係を示した図である。
【0082】同様に、残りの8つの基本鼻根モデル10
0Bに対応するカッターにおける各係数は、図34に示
されるようになる。ただし、本実施例における切削工程
では、上記の切削座標をX軸に関して、180°回転し
て加工するため、B及びCの係数は負の値となってい
る。また平面A′BCは、YZ平面について平面ABC
と対称であり、A′の値はAの負符号を付けたものであ
る。
【0083】(一実施例の利点)次に、上述の一実施例
の利点を従来の方法と比較しながら説明する。
【0084】図35は従来の切削例(a)と本実施例の
切削例(b)との比較説明図であり、切削用カッターの
縦断面図及びフレームのフロント中央部をXZ平面で切
断した断面図を示している。使用する切削用カッター及
び切削装置は同一である。
【0085】従来の切削例(a)ではカッターは平面的
(2次元的)にしか、動きがないので、この図では、左
右方向(A方向)にしか動かないことになる。これは、
1)リムが左右に広がったもの、2)リムが狭くなった
もの、を切削する場合、顕著に現れる。
【0086】図35において、点線に示すものが、求め
ようとするカッタ−の切削軌跡であるが、従来の方法
は、カッタ−が2次元の左右の動きしかしないので、深
く鋭角に切り込んだ時(リムが左右に広がったものの場
合)、多めに切り込んでしまい、逆にリムが狭くなった
ものを切削する場合、切り込みの不足となる。
【0087】すなわち、図36に示されるように、左右
パット間隔が広いものを切削する場合、XY面上におけ
るカッタ−はリム形状の切削軌跡上にあるが、XY面で
のカッター22の切削面は求める鼻部接触面上にないた
め、削り残しの部分が発生している。これは、カッター
がXY平面上を平面的な動きつまり2次元平面内で動い
ているためである。このような動きによって切削形成さ
れる鼻当て接触面は、図のように鼻根モデルの断面、直
線ACと一致しなくなる。このようにして切削形成され
た鼻当て接触面を持つ眼鏡フレームは、当然眼鏡レンズ
を所定の光学設計の基づいた眼前の位置に保持すること
が出来ず、その機能を果たすことが出来ない。つまり、
眼鏡フレームのフロントが、顔面から遠ざかってしま
う。更に、この様に切削形成された鼻当て接触面は鼻根
モデルの平面に対し凹または凸の形状の面に形成されて
いるため、眼鏡装用者の鼻側面と一致せず、装用感が損
なわれる。この図の場合では凸形状である。
【0088】これに対して、本実施例では、カッター
は、図35(b)及び図37に示されるように3次元的
に動く。この3次元の動きは、XZ平面では、縦のカッ
ターの動きとして表せる。従って、切削の残りや、切り
過ぎがない。
【0089】また、基本鼻根モデルの作製は、本実施例
に限定されることなく、例えば、既存の測定装置を使用
することにより、眼鏡注文者から直接、鼻根高及び鼻根
傾斜角を含めた頭部(鼻部)測定データに基づき、容易
に作製することが可能であり、その形状も四面体に限定
されるのではなく、鼻根高及び鼻根傾斜角が明確に表現
される形状であればよい。例えば、測定装置では自在回
転する可動パットと自在可動するスライド板を持つ接触
型の測定器(特開平2−48801号)等を用いること
ができる。
【0090】また、前記実施例においては眼鏡フレーム
フロント面が眼鏡装用者の顔面に対して特定の角度を扱
った。実際には装用者一人一人がすべて異なる頭部をし
ており、眼鏡フレームの耳に装着する高さによりフロン
ト面の角度も様々に異なり、また眉と頬の形によってフ
ロント面の傾斜角度を変更する必要が生じている。この
ような場合において本発明は最も顕著な効果を奏する。
【0091】標準的なフロント面の角度に対してどれだ
けの角度偏倚をもたせるかがわかれば、鼻根モデルに対
する鼻当て面をそのまま保持した状態でフロント面に角
度をもたせることができる。図38,図39において、
標準的なフロント面の側面の傾斜線を1ー1´線とする
と、図38の装着者は眉が突出しており、フロント傾斜
面を2ー2´線まで角度δだけ傾けた時が最も適した装
用状態である。
【0092】標準よりδだけ傾ければ鼻当て面もδ傾い
てしまう。しかしながら装用者の鼻部はフロント面の偏
倚に関係なく一定であり、結局、鼻当て面と鼻部とは一
致しなくなる。このために「点当たり」やずり落ちなど
が生じ装用感が悪くなる。
【0093】これに対して切削座標系のY軸とZ軸を図
39のように回転移動による座標変換を施すと変換座標
はY’,Z’となり、Xは変化しないので、 X’=X Y’=−Zsinδ+Ycosδ Z’=Zcosδ+Ysinδ で表される。この座標系を用いた平面の方程式により鼻
当て面を切削すると図29の鼻根モデルBC(側面から
みたもの)は切削座標よりも時計まわりにδだけ回転移
動した形となる。図38のように装用時の状態は標準よ
りフロント面は反時計回りにδだけ回転移動した形にな
っており、互いに相殺され眼鏡装用者の鼻根形状と鼻当
て面とが一致する。
【0094】なお、鼻当て面を切削するためのカッター
は必ずしも図5で示したような特殊なカッター22を用
いる必要はない。例えば、図40に示したようにボール
エンド23を用い、切削カッター軌跡24のように細か
く動かすことにより鼻当て面を削りだすことができる。
このカッター軌跡24は細かいほど平滑な面が得られ好
ましいが、反面時間を多く必要とする。プラスチック眼
鏡フレームは、マシニングセンターによる切削後のヤス
リ掛け工程及びバレル等の研磨工程がありこれらの工程
で充分に平滑面を得ることができるので、この切削段階
において長時間費やすことはない。上記のような切削方
法を用いた場合は、鼻当て面を平面にもまた球面状にも
さらには自由曲面にも削りだすことができ、眼鏡装用者
の鼻の形状及び面の起伏に完全に合わせた鼻当て面を削
りだすことができる。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかる眼
鏡フレーム鼻当ての鼻部接触面切削方法は、基本鼻根モ
デルの設定し、これに基づいて基本鼻根モデルを変形し
て複数の鼻根モデルに分類し、この分類された各鼻根モ
デルに対応する鼻当ての鼻部接触面の形状に基づいて切
削軌跡を設定し、次いで、この設定された切削軌跡に基
づいて切削工具を制御して鼻当て部を切削加工するよう
にしたもので、これにより、局部的な点当たり、圧迫感
もしくはずり落ち等のない装用感の勝れた鼻当てを容易
に得ることを可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の眼鏡フレーム鼻当ての鼻部
接触面切削方法の概略て樹を示すフロー図である。
【図2】フレームの部分斜視図である。
【図3】フロント枠の製作説明図である。
【図4】第1のカッターの斜視図である。
【図5】第2のカッターの斜視図である。
【図6】第2のカッターのフレームに対する位置関係を
示す図である。
【図7】第1のカッターによる切削説明図である。
【図8】第1のカッターによる切削説明図である。
【図9】基本鼻根モデル設定手順を示すフロー図であ
る。
【図10】基本鼻根モデル100の斜視図である。
【図11】基本鼻根モデル100と人顔の眼の位置との
対応関係を示す正面図である。
【図12】基本鼻根モデル100と人顔の眼の位置との
対応関係を示す側面図である。
【図13】水平鼻角の説明図である。
【図14】鼻根高の説明図である。
【図15】モアレ等高千写真装置による測定例を示す図
である。
【図16】多数の人顔の測定結果を示す図である。
【図17】N1 点の鼻部のモアレ図である。
【図18】N2 点の鼻部のモアレ図である。
【図19】N3 点の鼻部のモアレ図である。
【図20】N4 点の鼻部のモアレ図である。
【図21】9つの基本鼻根モデルの作成説明図である。
【図22】E30点の第2基本鼻根モデルを示す図であ
る。
【図23】E90点の第2基本鼻根モデルを示す図であ
る。
【図24】E80点の第2基本鼻根モデルを示す図であ
る。
【図25】第3基本鼻根モデル1Bの説明図である。
【図26】デカルト座標による面表示の説明図である。
【図27】鼻当て接触面のデカルト座標による表示説明
図である。
【図28】鼻根モデルAの説明図である。
【図29】鼻根モデルAの拡大説明図である。
【図30】フレームフロントの断面図である。
【図31】xyz座標とXYZ座標との関係説明図であ
る。
【図32】鼻当て部とカッターとの位置関係説明図であ
る。
【図33】基本鼻根モデルのフレームに対する位置関係
を示す図である。
【図34】9つの基本鼻根モデルに対応するカッターの
係数を示す図である。
【図35】一実施例の方法と従来の方法との比較説明図
である。
【図36】左右パット間隔が広い場合の従来のカッター
の動きを示す図である。
【図37】左右パット間隔が広い場合の一実施例のカッ
ターの動きを示す図である。
【図38】フロント傾斜面の説明図である。
【図39】フロント傾斜面の説明図である。
【図40】他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1…眼鏡フレーム、1b…フロント枠、2…鼻当て(パ
ット)、2b…鼻高湾曲面、2c…鼻当て接触面、3…
レンズ枠、4…ブリッジ、100…基本鼻根モデル、1
A…第2の基本鼻根モデル、1B…第3の基本鼻根モデ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 5/12 B23C 3/00 G02C 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の規格の鼻当てを有する眼鏡フレー
    ムを用意してその中から眼鏡注文者に適した鼻当てを有
    する眼鏡フレームを選定するようにし、前記各規格に対
    応した鼻当てを有する眼鏡フレームを製作する際に鼻部
    接触面の形状を切削加工により形成するようにした眼鏡
    フレーム鼻当ての鼻部接触面切削方法において、 人顔の鼻部の基本形状を表す基本鼻根モデルを設定する
    基本鼻根モデル設定段階と、 人顔の鼻部形状のバラツキを考慮し、そのバラツキに対
    応して前記設定した基本鼻根モデルを変形して複数の鼻
    根モデルに分類する鼻根モデル分類化段階と、 その分類された各鼻根モデルに対応する鼻当ての鼻部接
    触面の形状に基づいて切削軌跡を設定する切削軌跡設定
    段階と、 前記設定された切削軌跡に基づいて切削工具を制御して
    眼鏡フレームの鼻当て部を切削加工する切削加工段階と
    を有し、前記基本鼻根モデル設定段階においては、左右の瞳孔を
    結ぶ直線をx軸とし、このx軸の中点を通りこのx軸に
    直交する直線をy軸とし、これらx軸及びy軸の交点を
    通り、x軸及びy軸似直交する直線をz軸とする座標を
    設定し、この座標系によって、前記鼻根モデルの形状を
    規定するようにし、 前記基本鼻根モデルとして、それぞれ三角錐の頂点に近
    い部分を切り取った2つの5面体を合成したものを用
    い、 前記鼻根モデル分類化段階では、前記2つの5面体より
    なる基本鼻根モデルの少なくとも複数の頂点を測定点に
    定め、その定めた測定点について実際に多数の人顔の鼻
    の寸法を測定してデータを集め、そのデータから鼻部が
    太いか細いか等の形状成分及び鼻部が高いか低いか等の
    大きさ成分によって複数の鼻根モデルに分類するもので
    ある ことを特徴とする眼鏡フレーム鼻当ての鼻部接触面
    切削方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の眼鏡フレーム鼻当て
    の鼻部接触面切削方法において、 前記切削軌跡設定段階は、前記分類された各鼻根モデル
    に対応する鼻当ての鼻部接触面の形状を関数で表し、こ
    の関数に基づいて切削軌跡を表す関数を得る操作を行う
    ものであり、 前記切削加工段階は、前記切削軌跡設定段階で設定され
    た関数に基づいて切削工具を制御するマシニングセンタ
    ーを用いて行うものであることを特徴とした眼鏡フレー
    ム鼻当ての鼻部接触面切削方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の眼鏡フレーム鼻当ての
    鼻部接触面切削方法において、 前記切削軌跡を表す関数は、眼鏡フレーム面と顔面と平
    行に設定した平面である規準前頭面との角度差を考慮し
    た関数であることを特徴とした眼鏡フレーム鼻当ての鼻
    部接触面切削方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の眼
    鏡フレーム鼻当ての鼻部接触面切削方法において、 前記切削加工段階において使用する切削工具が前記各鼻
    根モデルの鼻当て接触面の形状に近似する形状の湾曲切
    削刃を有するカッターであることを特徴とした眼鏡フレ
    ーム鼻当ての鼻部接触面切削方法。
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