JP3276606B2 - 高分子化合物とその製造方法 - Google Patents
高分子化合物とその製造方法Info
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- JP3276606B2 JP3276606B2 JP23330998A JP23330998A JP3276606B2 JP 3276606 B2 JP3276606 B2 JP 3276606B2 JP 23330998 A JP23330998 A JP 23330998A JP 23330998 A JP23330998 A JP 23330998A JP 3276606 B2 JP3276606 B2 JP 3276606B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、パイ共役
ポリマー等として有用な、ピリミド〔5,4−d〕ピリ
ミジン骨格をもつ新しい高分子化合物とその製造方法に
関するものである。
ポリマー等として有用な、ピリミド〔5,4−d〕ピリ
ミジン骨格をもつ新しい高分子化合物とその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、π共役系高分子化
合物は、π−電子が分子構造全体に広がった高分子とし
て耐熱性や導電性、エレクトロクロミズム特性、非線形
光学特性などの電子・光機能を有することが知られてお
り、すでにいくつかの高分子化合物は、導電材料や電子
部品としても利用されている。これらのπ共役系高分子
については、同一平面の分子構造を持つものほどパイ共
役鎖が有効に大きく拡がっており、電子・光機能の発現
にとって有利であることが知られている。パイ共役高分
子として、ナフタレン環が2,6−位で結合した高分子
とその類縁体がすでに合成されてもいる。
合物は、π−電子が分子構造全体に広がった高分子とし
て耐熱性や導電性、エレクトロクロミズム特性、非線形
光学特性などの電子・光機能を有することが知られてお
り、すでにいくつかの高分子化合物は、導電材料や電子
部品としても利用されている。これらのπ共役系高分子
については、同一平面の分子構造を持つものほどパイ共
役鎖が有効に大きく拡がっており、電子・光機能の発現
にとって有利であることが知られている。パイ共役高分
子として、ナフタレン環が2,6−位で結合した高分子
とその類縁体がすでに合成されてもいる。
【0003】しかしながら、高分子主鎖を形成する結合
の隣接位置(オルト位)にCHを有するものについては
立体障害が存在し、高分子鎖に沿って同一平面の分子構
造を持つものが得られにくいという特徴があった。ま
た、従来のナフタレン環が2,6−位で結合した高分子
とその類縁体は溶解度が低いためフィルム等への成形性
や加工性が良好でないため導電性ポリマーとしてはその
実用性に大きな難点があった。
の隣接位置(オルト位)にCHを有するものについては
立体障害が存在し、高分子鎖に沿って同一平面の分子構
造を持つものが得られにくいという特徴があった。ま
た、従来のナフタレン環が2,6−位で結合した高分子
とその類縁体は溶解度が低いためフィルム等への成形性
や加工性が良好でないため導電性ポリマーとしてはその
実用性に大きな難点があった。
【0004】このため、この出願の発明は、高分子鎖の
平面性を向上させて大きな有効パイ共役系を有する高分
子を得ることを目的として、以上のとおりの従来技術の
欠点を解消し、その分子構造として同一平面構造を有
し、電子・光機能性とともに可溶性で、フィルム等への
成形性や加工性も良好な、新しい高分子化合物を提供す
ることを課題としている。
平面性を向上させて大きな有効パイ共役系を有する高分
子を得ることを目的として、以上のとおりの従来技術の
欠点を解消し、その分子構造として同一平面構造を有
し、電子・光機能性とともに可溶性で、フィルム等への
成形性や加工性も良好な、新しい高分子化合物を提供す
ることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するために、オルト位の全てのCHをN
(窒素原子)に置き換えて高分子鎖の平面性を向上させ
大きな有効パイ共役系を有する高分子とし、また、適切
な置換基の導入により溶解性を向上させている。すなわ
ち、この出願の発明は、まず第1には、次の一般式
(1)
の課題を解決するために、オルト位の全てのCHをN
(窒素原子)に置き換えて高分子鎖の平面性を向上させ
大きな有効パイ共役系を有する高分子とし、また、適切
な置換基の導入により溶解性を向上させている。すなわ
ち、この出願の発明は、まず第1には、次の一般式
(1)
【0006】
【化5】
【0007】(RaおよびRbは、各々、同一または別
異に、水素原子または置換基を示し、nは2以上の数を
示す)で表わされるピリミド〔5,4−d〕ピリミジン
骨格を有する高分子化合物を提供する。そして第2に
は、前記RaおよびRbで表わされる置換基は、少くと
もC,N,O,Sのいずれかの原子を含み、その総数は
置換基当り4以上であるピリミド〔5,4−d〕ピリミ
ジン骨格を有する高分子化合物を提供する。
異に、水素原子または置換基を示し、nは2以上の数を
示す)で表わされるピリミド〔5,4−d〕ピリミジン
骨格を有する高分子化合物を提供する。そして第2に
は、前記RaおよびRbで表わされる置換基は、少くと
もC,N,O,Sのいずれかの原子を含み、その総数は
置換基当り4以上であるピリミド〔5,4−d〕ピリミ
ジン骨格を有する高分子化合物を提供する。
【0008】また、この出願の発明は、第3には、次の
一般式(2)
一般式(2)
【0009】
【化6】
【0010】(R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、各々、
同一または別異に、水素原子または置換基を有していて
もよい炭化水素基を示し、nは2以上の数を示す)で表
わされるピリミド〔5,4−d〕ピリミジン骨格を有す
る高分子化合物を提供する。そして、第4には、R2 お
よびR3 が水素原子で、R1 およびR4 がアルキル基で
ある前記高分子化合物を提供する。
同一または別異に、水素原子または置換基を有していて
もよい炭化水素基を示し、nは2以上の数を示す)で表
わされるピリミド〔5,4−d〕ピリミジン骨格を有す
る高分子化合物を提供する。そして、第4には、R2 お
よびR3 が水素原子で、R1 およびR4 がアルキル基で
ある前記高分子化合物を提供する。
【0011】さらにまた、この出願の発明は、第5に
は、前記の一般式(1)で表わされる高分子化合物の製
造方法であって、次の一般式(3)
は、前記の一般式(1)で表わされる高分子化合物の製
造方法であって、次の一般式(3)
【0012】
【化7】
【0013】(RaおよびRbは、各々、同一または別
異に、水素原子または置換基を示し、XaおよびXb
は、各々、同一または別異に、反応性基を示し、nは、
2以上の数を示す)で表わされるピリミドピリミジン化
合物を重合させることを特徴とするピリミド〔5,4−
d〕ピリミジン骨格を有する高分子化合物の製造方法を
提供するとともに、より具体的に、第6には、次の一般
式(4)
異に、水素原子または置換基を示し、XaおよびXb
は、各々、同一または別異に、反応性基を示し、nは、
2以上の数を示す)で表わされるピリミドピリミジン化
合物を重合させることを特徴とするピリミド〔5,4−
d〕ピリミジン骨格を有する高分子化合物の製造方法を
提供するとともに、より具体的に、第6には、次の一般
式(4)
【0014】
【化8】
【0015】(R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、各々、
同一または別異に、水素原子または置換基を有していて
もよい炭化水素基を示し、X1 およびX2 は、各々、ハ
ロゲン原子を示し、mは、2以上の数を示す)で表わさ
れるハロゲン化ピリミドピリミジン化合物を0価ニッケ
ル錯体を用いて重合させることを特徴とするピリミド
〔5,4−d〕ピリミジン骨格を有する高分子化合物の
製造方法をも提供する。
同一または別異に、水素原子または置換基を有していて
もよい炭化水素基を示し、X1 およびX2 は、各々、ハ
ロゲン原子を示し、mは、2以上の数を示す)で表わさ
れるハロゲン化ピリミドピリミジン化合物を0価ニッケ
ル錯体を用いて重合させることを特徴とするピリミド
〔5,4−d〕ピリミジン骨格を有する高分子化合物の
製造方法をも提供する。
【0016】さらにまた、溶媒中において20〜80℃
の温度において重合させる一般式(4)で表わされる高
分子化合物の製造方法を提供する。
の温度において重合させる一般式(4)で表わされる高
分子化合物の製造方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】この出願の発明は以上のとおりの
特徴をもつものであるが、以下に詳しく発明の実施の形
態を説明する。まず、この発明の前記一般式(1)で表
わされるピリミド〔5,4−d〕ピリミジン骨格を有す
る高分子化合物においては、主鎖形成結合のオルト位が
全てN(窒素原子)であるために分子構造上立体障害が
なく、大きなパイ共役系を有する高分子が得られる。そ
して一般式(1)における符号RaおよびRbが置換基
を示す場合で、パイ共役高分子が可溶化するための長鎖
置換基である場合には、置換基は、C(炭素),N(窒
素),O(酸素),S(硫黄)のいずれか原子をその総
数として4以上有することが適当とされている。
特徴をもつものであるが、以下に詳しく発明の実施の形
態を説明する。まず、この発明の前記一般式(1)で表
わされるピリミド〔5,4−d〕ピリミジン骨格を有す
る高分子化合物においては、主鎖形成結合のオルト位が
全てN(窒素原子)であるために分子構造上立体障害が
なく、大きなパイ共役系を有する高分子が得られる。そ
して一般式(1)における符号RaおよびRbが置換基
を示す場合で、パイ共役高分子が可溶化するための長鎖
置換基である場合には、置換基は、C(炭素),N(窒
素),O(酸素),S(硫黄)のいずれか原子をその総
数として4以上有することが適当とされている。
【0018】分子が同一平面にあって、パイ共役系の有
効な拡大とともに成形性、加工性を良好なものとするた
めには、一般式(1)における符号RaおよびRbは置
換基として、たとえばアミノ基、アルキル基、アルコキ
シ基、チオラト基等であることが適当である。なかで
も、RaおよびRbは、一般式(2)に示したように、
(置換)アミノ基(−NR1 R2 ,−NR3 R4 )であ
ることが適当なものとして例示される。
効な拡大とともに成形性、加工性を良好なものとするた
めには、一般式(1)における符号RaおよびRbは置
換基として、たとえばアミノ基、アルキル基、アルコキ
シ基、チオラト基等であることが適当である。なかで
も、RaおよびRbは、一般式(2)に示したように、
(置換)アミノ基(−NR1 R2 ,−NR3 R4 )であ
ることが適当なものとして例示される。
【0019】この(置換)アミノ基を構成する符号
R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、水素原子または置換基
を有してもよい炭化水素基を示すが、この場合の炭化水
素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、ヘテロアリール基等の各種のものであってよく、
これらは、たとえばアルコキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、シアノ基等の適宜な置換基を有していてもよい。
R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、水素原子または置換基
を有してもよい炭化水素基を示すが、この場合の炭化水
素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、ヘテロアリール基等の各種のものであってよく、
これらは、たとえばアルコキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、シアノ基等の適宜な置換基を有していてもよい。
【0020】なかでも炭素数4以上の、たとえばC4 〜
C18アルキル基が適当なものとして例示される。そし
て、(置換)アミノ基−NR1 R2 ,−NR3 R4 につ
いては、R1 およびR4 がC4 〜C18アルキル基であっ
て、R2 およびR3 がともに水素原子である場合として
たとえば例示される。たとえば以上のようなこの発明の
高分子化合物により得られたフィルムは、電気化学的な
レドックス活性を有することから、修飾電極などの種々
の電子部品として利用することができる。
C18アルキル基が適当なものとして例示される。そし
て、(置換)アミノ基−NR1 R2 ,−NR3 R4 につ
いては、R1 およびR4 がC4 〜C18アルキル基であっ
て、R2 およびR3 がともに水素原子である場合として
たとえば例示される。たとえば以上のようなこの発明の
高分子化合物により得られたフィルムは、電気化学的な
レドックス活性を有することから、修飾電極などの種々
の電子部品として利用することができる。
【0021】一般式(1)のこの発明の高分子化合物
は、たとえば前記のとおりの一般式(3)で表わされる
モノマー化合物の重合反応により製造することができ
る。この場合の一般式(3)における符号Xa,Xbは
反応性基を示し、これは、たとえば代表的にはハロゲン
原子、水素原子、水酸基、アシルオキシ基等として例示
される。
は、たとえば前記のとおりの一般式(3)で表わされる
モノマー化合物の重合反応により製造することができ
る。この場合の一般式(3)における符号Xa,Xbは
反応性基を示し、これは、たとえば代表的にはハロゲン
原子、水素原子、水酸基、アシルオキシ基等として例示
される。
【0022】より具体的に例示すると、一般式(2)で
表わされる(置換)アミノ基を持つ高分子化合物を製造
する場合には、一般式(4)で表わされるモノマー化合
物のゼロ価ニッケル錯体による脱ハロゲン化重合反応に
よって製造することができる。この重合反応には、好ま
しくはモノマー化合物に対して0.1〜3倍モルの0価
ニッケルNi(0)錯体を用い、溶媒を用いて行うこと
が考慮される。0価ニッケル(Ni(0))錯体は、た
とえばビス(1,5−シクロオクタジェン)ニッケル:
Ni(cod)2 と、2,2′−ビピリジル:(bp
y)との混合物等の形態として用いることができる。
表わされる(置換)アミノ基を持つ高分子化合物を製造
する場合には、一般式(4)で表わされるモノマー化合
物のゼロ価ニッケル錯体による脱ハロゲン化重合反応に
よって製造することができる。この重合反応には、好ま
しくはモノマー化合物に対して0.1〜3倍モルの0価
ニッケルNi(0)錯体を用い、溶媒を用いて行うこと
が考慮される。0価ニッケル(Ni(0))錯体は、た
とえばビス(1,5−シクロオクタジェン)ニッケル:
Ni(cod)2 と、2,2′−ビピリジル:(bp
y)との混合物等の形態として用いることができる。
【0023】重合は、たとえばDMF(ジメチルホルム
アミド)、DMSO、THF、ニトリル等の有機溶媒を
用いて、好ましくは20〜80℃程度の温度で行うこと
ができる。また、ゼロ価ニッケル錯体は、反応系中にお
いて、たとえば亜鉛と2価ニッケル錯体の反応により調
製したものを用いてもよい。この場合ニッケル錯体は反
応系中にある亜鉛等により繰り返し用いることができる
ので原料モノマー化合物に対するニッケル錯体の使用割
合は、モル比として0.01〜0.5程度の範囲でよ
い。
アミド)、DMSO、THF、ニトリル等の有機溶媒を
用いて、好ましくは20〜80℃程度の温度で行うこと
ができる。また、ゼロ価ニッケル錯体は、反応系中にお
いて、たとえば亜鉛と2価ニッケル錯体の反応により調
製したものを用いてもよい。この場合ニッケル錯体は反
応系中にある亜鉛等により繰り返し用いることができる
ので原料モノマー化合物に対するニッケル錯体の使用割
合は、モル比として0.01〜0.5程度の範囲でよ
い。
【0024】なお、原料モノマー化合物としての一般式
(2)のハロゲン化ピリミジン化合物は、たとえば文
献;Fischer, F.G.,Roch, J. & Neumann, W.P.Chlor-,
Hydroxy- und Amino-Derivate des Pyrimido[5,4-d]pyr
imidins. Ann. Chem. 631, 147-162(1960). 記載の方法
を援用することにより合成することができる。そこで以
下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、
この発明は以下の実施例に限定されることはない。
(2)のハロゲン化ピリミジン化合物は、たとえば文
献;Fischer, F.G.,Roch, J. & Neumann, W.P.Chlor-,
Hydroxy- und Amino-Derivate des Pyrimido[5,4-d]pyr
imidins. Ann. Chem. 631, 147-162(1960). 記載の方法
を援用することにより合成することができる。そこで以
下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、
この発明は以下の実施例に限定されることはない。
【0025】
【実施例】次の反応式
【0026】
【化9】
【0027】に沿って、符号Rがオクチル基(n−C8
H17)である2,5−ジクロロ−4,8−ジ(N−オク
チルアミノ)ピリミド〔5,4−d〕ピリミジンを原料
モノマーとして、ビス(1,5−シクロオクタジェン)
ニッケルと、2,2′−ビピリジルとの混合物としての
0価ニッケル錯体:Ni(0)Lmの存在下に重合反応
を行った。反応はDMFを溶媒とし、60℃の温度で4
8時間行った。
H17)である2,5−ジクロロ−4,8−ジ(N−オク
チルアミノ)ピリミド〔5,4−d〕ピリミジンを原料
モノマーとして、ビス(1,5−シクロオクタジェン)
ニッケルと、2,2′−ビピリジルとの混合物としての
0価ニッケル錯体:Ni(0)Lmの存在下に重合反応
を行った。反応はDMFを溶媒とし、60℃の温度で4
8時間行った。
【0028】この脱ハロゲン化重合反応によって、ポリ
〔4,8−ジ(N−オクチルアミノ)ピリミド〔5,4
−d〕ピリミジン−2,6−ジイル〕:PPympym
(4,8−NHOct)と略記、を80%強の収率で得
た。このもののGPC(ポリスチレン換算)による数平
均分子量:Mnは8000で、重量平均分子量:Mwは
15000であった。
〔4,8−ジ(N−オクチルアミノ)ピリミド〔5,4
−d〕ピリミジン−2,6−ジイル〕:PPympym
(4,8−NHOct)と略記、を80%強の収率で得
た。このもののGPC(ポリスチレン換算)による数平
均分子量:Mnは8000で、重量平均分子量:Mwは
15000であった。
【0029】また〔η〕値は、CHCl3 中で30℃に
おいては0.15dLg-1であった。図1は、この高分
子のIRスペクトルを示したものである。図中のスペク
トル(a)は、CHCl3 中の低濃度(5.3×10-5
M繰返しユニット)のものの1cmセルについてのもの
であり、スペクトル(b)は、CHCl3 中の高濃度
(6.9×10-4M繰返しユニット)のものの0.08
cmセルについてのもので、さらにスペクトル(c)
は、フィルムとした場合のものである。
おいては0.15dLg-1であった。図1は、この高分
子のIRスペクトルを示したものである。図中のスペク
トル(a)は、CHCl3 中の低濃度(5.3×10-5
M繰返しユニット)のものの1cmセルについてのもの
であり、スペクトル(b)は、CHCl3 中の高濃度
(6.9×10-4M繰返しユニット)のものの0.08
cmセルについてのもので、さらにスペクトル(c)
は、フィルムとした場合のものである。
【0030】モノマー化合物のC−Cl結合に基づく吸
収ピークの980cm-1はスペクトル(a)(b)
(c)のいずれの場合にも全く認められなかった。図1
における吸収ピーク318nmおよび345nmはπ−
π* 吸収バンドによるものであり、また吸収ピーク45
2nmはπ−π* 遷移によるものである。また、483
nm吸収ピークは、π共役の自己凝集によるものと考え
られる。
収ピークの980cm-1はスペクトル(a)(b)
(c)のいずれの場合にも全く認められなかった。図1
における吸収ピーク318nmおよび345nmはπ−
π* 吸収バンドによるものであり、また吸収ピーク45
2nmはπ−π* 遷移によるものである。また、483
nm吸収ピークは、π共役の自己凝集によるものと考え
られる。
【0031】合成された高分子PPympym’(4,
8−NHOct)では、CHCl3中において、47
0,500,550および590nmの4個の photolu
minescenceピークが、またフィルムでは550,590
nmにおいて同様のピークが観察された。この励起スペ
クトルは、図1における452および483nmでの吸
収が寄与していることと、483nmの吸収ピークは固
体においてより強いことを示している。
8−NHOct)では、CHCl3中において、47
0,500,550および590nmの4個の photolu
minescenceピークが、またフィルムでは550,590
nmにおいて同様のピークが観察された。この励起スペ
クトルは、図1における452および483nmでの吸
収が寄与していることと、483nmの吸収ピークは固
体においてより強いことを示している。
【0032】また、白金(pt)板上のフィルムについ
て、〔NEt4 〕BF4 (0.10M)のアセトニトリ
ル溶液中でのCV(cyclic Voltammogram) を測定したと
ころ、−2.20Vにおいて還元(n−doping)ピーク
を、−2.02Vにおいて酸化(n−undoping)ピーク
を確認した(νs Ag/Ag+ )。また、このフィル
ムは、n−dopingにより黄色から濃茶色に変色し、n−
undopingにより元に戻るエレクトロクロミズムを示し
た。
て、〔NEt4 〕BF4 (0.10M)のアセトニトリ
ル溶液中でのCV(cyclic Voltammogram) を測定したと
ころ、−2.20Vにおいて還元(n−doping)ピーク
を、−2.02Vにおいて酸化(n−undoping)ピーク
を確認した(νs Ag/Ag+ )。また、このフィル
ムは、n−dopingにより黄色から濃茶色に変色し、n−
undopingにより元に戻るエレクトロクロミズムを示し
た。
【0033】以上の重合反応と同様にして、前記反応式
での符号Rがドデシル基(n−C12H25)およびブチル
基(n−C4 H9 )の各々の場合の高分子化合物を製造
した。前記のとおりのRがオクチル基の場合と同様構造
と性質を有することが確認された。図2は、これらの粉
末X−線回折パターンを示したものである。π−共役の
自己凝集によるd=24.5Åによるピーク(パターン
(b))等が観察される。
での符号Rがドデシル基(n−C12H25)およびブチル
基(n−C4 H9 )の各々の場合の高分子化合物を製造
した。前記のとおりのRがオクチル基の場合と同様構造
と性質を有することが確認された。図2は、これらの粉
末X−線回折パターンを示したものである。π−共役の
自己凝集によるd=24.5Åによるピーク(パターン
(b))等が観察される。
【0034】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明により、新しい導電性ポリマー等として有用な、溶
媒可溶性で、フィルムへの成形性、加工性にも優れたピ
リミジン系高分子が提供される。
発明により、新しい導電性ポリマー等として有用な、溶
媒可溶性で、フィルムへの成形性、加工性にも優れたピ
リミジン系高分子が提供される。
【図1】実施例としての高分子のUV−可視スペクトル
を示した図である。
を示した図である。
【図2】実施例としての高分子の粉末X−線回折パター
ンを示した図である。
ンを示した図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 (RaおよびRbは、各々、同一または別異に、水素原
子または置換基を示し、nは2以上の数を示す)で表わ
されるピリミド〔5,4−d〕ピリミジン骨格を有する
高分子化合物。 - 【請求項2】 RaおよびRbで示される置換基は、少
くともC,N,O,Sのいずれかの原子を含み、その総
数は置換基当り4以上である請求項1の高分子化合物。 - 【請求項3】 次の一般式(2) 【化2】 (R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、各々、同一または別
異に、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
素基を示し、nは2以上の数を示す)で表わされる請求
項1また2の高分子化合物。 - 【請求項4】 R2 およびR3 が水素原子で、R1 およ
びR4 がアルキル基である請求項3の高分子化合物。 - 【請求項5】 請求項1の高分子化合物の製造方法であ
って、次の一般式(3) 【化3】 (RaおよびRbは、各々、同一または別異に、水素原
子または置換基を示し、XaおよびXbは、各々、同一
または別異に、反応性基を示し、nは、2以上の数を示
す)で表わされるピリミドピリミジン化合物を重合させ
ることを特徴とするピリミド〔5,4−d〕ピリミジン
骨格を有する高分子化合物の製造方法。 - 【請求項6】 次の一般式(4) 【化4】 (R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、各々、同一または別
異に、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
素基を示し、X1 およびX2 は、各々、ハロゲン原子を
示し、nは、2以上の数を示す)で表わされるハロゲン
化ピリミドピリミジン化合物を0価ニッケル錯体を用い
て重合させることを特徴とする請求項5の高分子化合物
の製造方法。 - 【請求項7】 溶媒中において20〜80℃の温度にお
いて重合させる請求項6の製造方法。
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JP23330998A JP3276606B2 (ja) | 1998-08-19 | 1998-08-19 | 高分子化合物とその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005538154A (ja) * | 2002-09-06 | 2005-12-15 | コビオン オーガニック セミコンダクターズ ゲーエムベーハー | アリール−アリール結合化合物の製造方法 |
-
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JP2005538154A (ja) * | 2002-09-06 | 2005-12-15 | コビオン オーガニック セミコンダクターズ ゲーエムベーハー | アリール−アリール結合化合物の製造方法 |
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