JP3276315B2 - コネクタの嵌脱構造 - Google Patents

コネクタの嵌脱構造

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JP3276315B2
JP3276315B2 JP21530497A JP21530497A JP3276315B2 JP 3276315 B2 JP3276315 B2 JP 3276315B2 JP 21530497 A JP21530497 A JP 21530497A JP 21530497 A JP21530497 A JP 21530497A JP 3276315 B2 JP3276315 B2 JP 3276315B2
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  • Details Of Connecting Devices For Male And Female Coupling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両用ド
アに使用され、多極の雌,雄両コネクタ同士を相互に嵌
合させたり、離脱させるのに好適なコネクタの嵌脱構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のコネクタの嵌合構造としては、
例えば、図19に示す特開平9−55262号公報に開
示されたものがある。この公報に開示されたコネクタの
嵌合構造では、図19(a)に示すように、コネクタ装
着板8の嵌入孔8aに挿入されて突出待機した雄コネク
タ1に、電装品4に設けられた雌コネクタ5をインスト
ルメントパネル9の装着開口9a側から嵌合するように
なっている。この雄コネクタ1は可撓性の係止片2を有
していて、嵌合前の状態において該係止片2上に設けら
れた突起2aをコネクタ装着板8の嵌入孔8aに係止し
てある。この状態より、図19(b),(c)に示すよ
うに、雌コネクタ5をインストルメントパネル9の装着
開口9aより挿入して雄コネクタ1に嵌合させると、該
雄コネクタ1に雌コネクタ5が正規に嵌合されたところ
で、係止片2が下方に撓んで該係止片2の先端の鉤部3
が雌コネクタ5の逃がし孔6に嵌め込まれる。この状態
より、電装品4をさらに押し込むと、図19(d)に示
すように、雄コネクタ1が組付位置まで押し込まれて雌
コネクタ5が電装品4のロック片4aを介してインスト
ルメントパネル9の装着開口9a内にロックされるよう
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のコネクタの嵌合構造では、雄コネクタ1の係止片2
の突起2aの後部にはテ−パ面2bが形成されているた
め、両コネクタ1,5の嵌合途中で雄コネクタ1が後退
し易くて完全に嵌合した状態で両コネクタ1,5を正規
の位置に組み付ける作業が難しく、また、雄コネクタ1
の図示しない雌端子と雌コネクタ5の雄端子7相互の保
持力のみで両コネクタ1,5が嵌合されているため、振
動に対して非常に弱く、さらに、ガタ付き易くて異音等
が発生し易かった。
【0004】そこで、本発明は、前記した課題を解決す
べくなされたものであり、嵌合完了状態で雌,雄両コネ
クタをホルダーに対して容易にスライドさせることがで
きると共に、異音の発生を防ぐことができる耐振性に優
れたコネクタの嵌脱構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、雌,
雄両コネクタのうちの一方のコネクタをホルダーを介し
て突出した待機状態で被取付体に取り付け、前記一方の
コネクタの突出待機方向から該一方のコネクタに他方の
コネクタを嵌脱自在にしたコネクタの嵌脱構造におい
て、前記ホルダーに前記一方のコネクタのフードをスラ
イド自在に設け、これらホルダーと一方のコネクタのフ
ードに該一方のコネクタの待機突出状態を保持する係止
手段をそれぞれ設ける一方、前記他方のコネクタに前記
両コネクタの嵌合時に前記各係止手段の係止状態を保持
する係止面を有した保持手段を設けると共に、前記両コ
ネクタの嵌合完了時に前記各係止手段の係止状態を解除
する離脱面を有した保持解除手段を設け、これら保持手
段と保持解除手段を前記他方のコネクタに設けた突起で
兼用し、この突起の前側に前記係止面を設けると共に、
該突起の後側に前記離脱面を設け、前記両コネクタの嵌
合完了時に該両コネクタを嵌合完了状態で前記ホルダー
に対して前記被取付体側にスライド自在にしたことを特
徴とする。
【0006】このコネクタの嵌脱構造では、ホルダーに
一方のコネクタのフードをスライド自在に設けたので、
一方のコネクタのホルダーに対する摺動性が向上する。
また、他方のコネクタに設けられた保持手段としての突
起により、両コネクタの嵌合時にホルダーと一方のコネ
クタの係止状態が確実に維持される。
【0007】請求項2の発明は、雌,雄両コネクタのう
ちの一方のコネクタをホルダーを介して突出した待機状
態で被取付体に取り付け、前記一方のコネクタの突出待
機方向から該一方のコネクタに他方のコネクタを嵌脱自
在にしたコネクタの嵌脱構造において、前記ホルダーに
前記一方のコネクタのフードをスライド自在に設け、こ
れらホルダーと一方のコネクタのフードに該一方のコネ
クタの待機突出状態を保持する係止手段をそれぞれ設け
る一方、前記他方のコネクタに前記両コネクタの嵌合時
に前記各係止手段の係止状態を保持する保持手段を設け
ると共に、前記両コネクタの嵌合完了時に前記各係止手
段の係止状態を解除する保持解除手段を設け、この保持
手段を前記他方のコネクタのフード部の前端部で構成
し、前記両コネクタの嵌合完了時に該両コネクタを嵌合
完了状態で前記ホルダーに対して前記被取付体側にスラ
イド自在にしたことを特徴とする。
【0008】このコネクタの嵌脱構造では、ホルダーに
一方のコネクタのフードをスライド自在に設けたので、
一方のコネクタのホルダーに対する摺動性が向上する。
また、他方のコネクタに設けられた保持手段としてのフ
ード部の前端部により、両コネクタの嵌合時にホルダー
と一方のコネクタの係止状態が確実に維持される。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
コネクタの嵌脱構造であって、前記一方のコネクタを、
複数の端子収容室を備えたハウジングと、このハウジン
グを覆う筒状のフードとで構成し、この筒状のフードを
前記ホルダー及び前記他方のコネクタのガイドとして機
能させたことを特徴とする。
【0010】このコネクタの嵌脱構造では、圧接端子又
は圧着端子等を用いる複数のコネクタハウジングが共用
可能となり、汎用性が向上する。また、一方のコネクタ
に他方のコネクタがスムーズに摺動して両コネクタ同士
が確実に嵌合すると共に、嵌合した両コネクタがホルダ
ーに対してスムーズに摺動する。これにより、振動等が
防止されて耐振性が向上し、異音の発生が防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0012】図1は本発明の実施形態のコネクタの嵌脱
構造に用いられる雌,雄両コネクタの嵌合前の状態を示
す斜視図、図3は同雌,雄両コネクタの嵌合前の状態を
示す断面図、図7は同コネクタの嵌脱構造が採用される
車両用ドアの分解斜視図、図8は同車両用ドアに採用さ
れたコネクタの嵌脱構造の雌,雄両コネクタの取り付け
前の状態を示す説明図である。
【0013】図1,図8に示すように、合成樹脂製の
雄,雌両コネクタ20,30のうちの雄コネクタ(一方
のコネクタ)20は合成樹脂製のホルダー10を介して
突出した待機状態でドアパネル(被取付体)50に取り
付けられるようになっている。このホルダー10から突
出待機した雄コネクタ20には、雌コネクタ(他方のコ
ネクタ)30を嵌脱自在にしてある。この雌コネクタ3
0は、パワーウインドウ用スイッチユニット等のスイッ
チユニット40のスイッチ41に図示しない基板等を介
して取り付けられていて、該スイッチユニット40はド
アトリム(他の被取付体)60に形成されたスイッチ取
付孔(スイッチ取付部)61に取り付けられるようにな
っている。
【0014】図1,図3,図4に示すように、ホルダー
10は、上,下壁11a,11b及び左,右側壁11
c,11dより略四角筒状に形成された筒体11と、こ
の筒体11の下壁11b側より一体突出形成された取付
ブラケット12とで構成されている。また、筒体11の
左,右側壁11c,11dの中央には各一対のスリット
13,13をそれぞれ形成すると共に、該各一対のスリ
ット13,13間にはL字状の可撓性アーム(係止手
段)14をそれぞれ一体突出形成してある。図4に示す
ように、この一対の可撓性アーム(係止手段)14,1
4の先端内側には断面台形状の突起(係止部)15をそ
れぞれ一体突出形成してあり、該各突起15の後部には
テーパ面15aを形成してある。
【0015】また、図3に示すように、ホルダー10の
筒体11の上,下壁11a,11bの内面の前縁側中央
には、雄コネクタ20の前方の突出量を規制する一対の
ストッパ16,16を一体突出形成してある。そして、
ホルダー10の筒体11と後述する雄コネクタ20のフ
ード22との間の全周にクリアランスを設けてあり、該
ホルダー10の筒体11内に雄コネクタ20のフード2
2をスライド自在に支持してある。即ち、雄コネクタ2
0と雌コネクタ30の嵌合完了時に当該両コネクタ2
0,30を嵌合完了状態でホルダー10の筒体11に対
してドアパネル50側の下側にスライド自在にしてあ
る。
【0016】図1,図3〜図6に示すように、雄コネク
タ20は、雌端子(端子)27を収容する複数の端子収
容室21aを備えたハウジング21と、このハウジング
21を覆うフード22とで構成されている。このハウジ
ング21の基部21bはフード22の基部22bに芯出
しされた状態で圧入等により組み付けられている。図
1,図2に示すように、フード22は上下壁及び左右側
壁より略四角筒状に形成されていて、ホルダー10及び
雌コネクタ30のガイドとして機能するようになってい
る。この略四角筒状のフード22の左右側壁の中央には
各一対のスリット23,23をそれぞれ形成してあり、
該各一対のスリット23,23間にはホルダー10の各
可撓性アーム14の突起15に係止、離脱される係合孔
(係合部)25を有した逆コ字状の可撓性係止片(係止
手段)24をそれぞれ一体形成してある。この各可撓性
係止片24の幅はホルダー10の各可撓性アーム14の
突起15の幅よりも大きくなるように設定してあり、該
各可撓性係止片24はホルダー10の筒体11の各可撓
性アーム14の近傍の左,右側壁(側壁)11c,11
dに当接自在になっている。
【0017】そして、図4に示すように、ホルダー10
の各可撓性アーム14の突起15と雄コネクタ20のフ
ード22の各可撓性係止片24の係合孔25との係止時
に、雄コネクタ20はホルダー10より所定長突出して
雌コネクタ30が嵌合されるのを待機するようになって
いる。即ち、ホルダー10の各可撓性アーム14の突起
15と雄コネクタ20のフード22の各可撓性係止片2
4の係合孔25との係止によりホルダー10に対する雄
コネクタ20の後退動が規制され、この係止時の雄コネ
クタ20の突出待機状態が両コネクタ20,30の嵌脱
作業位置となっている。また、図2,図3に示すよう
に、雄コネクタ20のフード22の上下壁の基部側中央
にはストッパ受部26をそれぞれ一体突出形成してあ
る。そして、ホルダー10の各可撓性アーム14の突起
15と雄コネクタ20のフード22の各可撓性係止片2
4の係合孔25との係止時に、ホルダー10の筒体11
の各ストッパ16に雄コネクタ20のフード22の各ス
トッパ受部26がそれぞれ係止されて該雄コネクタ20
の前方突出量が規制されるようになっている。さらに、
図3〜図7に示すように、雄コネクタ20のハウジング
21の各雌端子27の後側には、ワイヤハーネスWを構
成する電線28を圧接又は圧着により接続してある。
【0018】図1,図4〜図6に示すように、雌コネク
タ30は、基部31側が雄端子(端子)37を収容する
複数の端子収容室31aを備えたブロック状になってい
ると共に、前側が基部31より一体突出形成されて各雄
端子37を露出させた四角筒状のフード部32になって
いる。この雌コネクタ30のフード部32が両コネクタ
20,30の嵌合時に雄コネクタ20のハウジング21
とフード22との間に挿入されて両コネクタ20,30
の各端子27,37相互が電気的に接続されるようにな
っている。また、雌コネクタ30のフード部32の両側
外面の前側中央には、ホルダー10の各可撓性アーム1
4の突起15と雄コネクタ20の各可撓性係止片24の
係合孔25の係止状態を保持する保持手段及び両コネク
タ20,30の嵌合完了時及び離脱時にホルダー10の
各可撓性アーム14の突起15と雄コネクタ20の各可
撓性係止片24の係合孔25の係止状態を解除する保持
解除手段を兼ねた突起33をそれぞれ一体突出形成して
ある。この各突起33は略三角柱状に形成してあり、そ
の前側がテーパ面(係止面)33aになっていると共
に、後側もテーパ面(離脱面)33bになっている。
【0019】図4,図6〜図10に示すように、スイッ
チユニット40は、スイッチ41と、このスイッチ41
に図示しない基板等を介して固定された雌コネクタ30
と、上記スイッチ41の両側面の上側にネジ止め等によ
り取り付けられ、ドアトリム(他の被取付体)60のス
イッチ取付孔61に取り付けられた該スイッチ41をド
アトリム60にロックする金属製でく字状の各板バネ
(ロック手段)42とで構成されている。図6に示すよ
うに、スイッチユニット40のスイッチ41とドアトリ
ム60のスイッチ取付孔61との取付クリアランスt′
よりもホルダー10の筒体11と雄コネクタ20のフー
ド22との間のクリアランスtを大きく設定してある
(t>t′)。また、図7に示すように、ドアパネル5
0には防水シート51が張り付けられるようになってい
る。
【0020】以上実施形態のコネクタの嵌脱構造によれ
ば、図7に示すように、ドアパネル50に配索されるワ
イヤハーネスW側の雄コネクタ20と該ドアパネル50
にドアトリム60を介して取り付けられるスイッチユニ
ット40側の雌コネクタ30とを接続する際に、まず、
ドアパネル50に防水シート51を張り付け、次に、こ
の防水シート51上からドアパネル50にワイヤハーネ
スWを配索し、次に、このワイヤハーネスWが配索され
たドアパネル50にドアトリム60を取り付ける。そし
て、このドアトリム60のスイッチ取付孔61にスイッ
チユニット40の雌コネクタ30を取り付けた後、該雌
コネクタ30とワイヤハーネスWの端部に接続された雄
コネクタ20とを嵌合する。
【0021】この場合、図8〜図10に示すように、ワ
イヤハーネスW側の雄コネクタ20をホルダー10を介
してドアパネル50に取り付けると共に、該雄コネクタ
20をドアトリム60のスイッチ取付孔61側に突出す
るように待機させておき、このスイッチ取付孔61にス
イッチユニット40を取り付ける際に、該スイッチユニ
ット40側の雌コネクタ30とワイヤハーネスW側の雄
コネクタ20とを嵌合する。これら両コネクタ20,3
0の嵌合を、図4〜図6に沿って説明すると、図4に示
すように、雄コネクタ20に雌コネクタ30が嵌合され
る初期状態において、雄コネクタ20の突出待機状態
は、ホルダー10の各可撓性アーム14の突起15と雄
コネクタ20の各可撓性係止片24の係合孔25の係止
状態により保持され、図5に示すように、雄コネクタ2
0に雌コネクタ30が嵌合される途中において、雌コネ
クタ30の各突起33の押圧力により雄コネクタ20の
各可撓性係止片24が外側に弾性変形し、ホルダー10
の各可撓性アーム14の突起15と雄コネクタ20の各
可撓性係止片24の係合孔25との係止状態はより確実
に維持されている。そして、図6に示すように、両コネ
クタ20,30の嵌合が完了すると、雌コネクタ30の
各突起33が雄コネクタ20の各可撓性係止片24の係
合孔25内に入ることにより、上記係止状態は解除され
て嵌合が完了した両コネクタ20,30はホルダー10
内を共に下方にスライドする。このスライドが完了する
と、図6に示すように、ドアトリム60のスイッチ取付
孔61内に取り付けされたスイッチ41は板バネ42の
弾性付勢力によりロックされ、ドアパネル50へのスイ
ッチユニット40の取り付けが完了する。
【0022】このように、ホルダー10に雄コネクタ2
0のフード22をスライド自在に設けたので、雄コネク
タ20のホルダー10に対する摺動性が向上する。ま
た、雄コネクタ20のフード22を略四角筒状にすると
共にホルダー10と雌コネクタ30のガイドとして機能
させたので、雄コネクタ20に対して雌コネクタ30が
スムーズに摺動して両コネクタ20,30同士が確実に
嵌合すると共に、嵌合した両コネクタ20,30がホル
ダー10に対してスムーズに摺動する。これにより、振
動等が防止されて耐振性が向上し、異音の発生が防止さ
れる。さらに、雄コネクタ20を、ハウジング21と、
略四角筒状のフード22で構成したので、圧接端子又は
圧着端子等を用いる複数のコネクタハウジングが共用可
能となり、汎用性が向上する。
【0023】図11〜図18は他の実施形態のコネクタ
の嵌脱構造を示す。
【0024】図11〜図18に示すように、合成樹脂製
の雄,雌両コネクタ80,90のうちの雄コネクタ(一
方のコネクタ)80は合成樹脂製のホルダー70を介し
て突出した待機状態でドアパネル(被取付体)50に取
り付けられるようになっている。このホルダー70から
突出待機した雄コネクタ80には、雌コネクタ(他方の
コネクタ)90を嵌脱自在にしてある。この雌コネクタ
90は、パワーウインドウ用スイッチユニット等のスイ
ッチユニット40のスイッチ41に図示しない基板等を
介して取り付けられていて、該スイッチユニット40は
ドアトリム(他の被取付体)60に形成されたスイッチ
取付孔(スイッチ取付部)61に取り付けられるように
なっている。
【0025】図11〜図13に示すように、ホルダー7
0は、略矩形板状の中央に略矩形の係合孔(係止手段)
73を形成した板体71と、この板体71の下側中央よ
り一体突出形成された取付ブラケット72とで構成され
ている。この板体71の係合孔73の周壁73aの左右
両側の中央には、係止凹部74をそれぞれ形成してあ
る。また、板体71の係合孔73の周壁73aの後部の
上下中央には後方に延びる長尺で一対の突出片75,7
5を一体突出形成してある。さらに、板体71の係合孔
73の周壁73aと後述する雄コネクタ80のフード8
2との間の全周にクリアランスを設けてあり、該ホルダ
ー70の板体71の係合孔73内に雄コネクタ80のフ
ード82をスライド自在に支持してある。即ち、雄コネ
クタ80と雌コネクタ90の嵌合完了時に当該両コネク
タ80,90を嵌合完了状態でホルダー70の板体71
の係合孔73に対してドアパネル50側の下側にスライ
ド自在にしてある。
【0026】図11に示すように、雄コネクタ80は、
図示しない雌端子(端子)を収容する複数の端子収容室
81aを備えたハウジング81と、このハウジング81
を覆うフード82とで構成されている。このハウジング
81の基部81bはフード82の基部82bに芯出しさ
れた状態で圧入等により組み付けられている。図11,
図12に示すように、フード82は上下壁及び左右側壁
より略四角筒状に形成されていて、ホルダー70及び雌
コネクタ90のガイドとして機能するようになってい
る。この略四角筒状のフード82の左右側壁の中央には
各一対の長孔83,83をそれぞれ形成してあり、該各
一対の長孔83,83間にはホルダー70の板体71の
係合孔73の周壁73aの各凹部74側に係止、離脱さ
れる突起(係止部)85を有した平面T字板状の可撓性
アーム(係止手段)84をそれぞれ一体形成してある。
この各可撓性アーム84の突起85の幅がホルダー70
の板体71の係止凹部74の幅よりも大きくなるように
該突起85を可撓性アーム84に一体突出形成してあ
る。また、各突起85は断面台形状に形成してあり、該
各突起85の前部にはテーパ面85aを形成してある。
【0027】そして、図12,図13に示すように、ホ
ルダー70の板体71の係合孔73の各係止凹部74側
と雄コネクタ80のフード82の各可撓性アーム84の
突起85との係止時に、雄コネクタ80はホルダー70
より所定長突出して雌コネクタ90が嵌合されるのを待
機するようになっている。即ち、ホルダー70の板体7
1の係合孔73の各係止凹部74側と雄コネクタ80の
フード82の各可撓性アーム84の突起85との係止に
よりホルダー70に対する雄コネクタ80の後退動が規
制され、この係止時の雄コネクタ80の突出待機状態が
両コネクタ80,90の嵌脱作業位置となっている。ま
た、図12,図13に示すように、雄コネクタ80のフ
ード82の左右側壁の各長孔83の後部近傍には各一対
のストッパ86をそれぞれ一体突出形成してある。そし
て、ホルダー70の板体71の係合孔73の周壁73a
の後側と雄コネクタ80のフード82の各ストッパ86
がそれぞれ係止されて該雄コネクタ80の前方突出量が
規制されるようになっている。さらに、雄コネクタ80
のハウジング81の各雌端子(図示省略)の後側には、
ワイヤハーネスWを構成する電線(図示省略)を圧接又
は圧着により接続してある。
【0028】また、図11,図12に示すように、雄コ
ネクタ80の略四角筒状のフード82の上下側壁の中央
にはコ字状の切欠87をそれぞれ形成してある。この各
切欠87内には後述する雌コネクタ90のフード部92
の前端部92aに係止、離脱される突起(係止部)89
を内側に有した矩形板状の可撓性係止片(係止手段)8
8をそれぞれ一体形成してある。この各可撓性係止片8
8はホルダー71の長尺の各突出片75に対向する位置
に配設されている。また、各可撓性係止片88の突起8
9の前側がテーパ面(係止面)89aになっていると共
に、後側もテーパ面(離脱面)89bになっている。
【0029】図11,図14,図15に示すように、雌
コネクタ90は、基部91側が雄端子(端子)97を収
容する複数の端子収容室91aを備えたブロック状にな
っていると共に、前側が基部91より一体突出形成され
て各雄端子97を露出させた四角筒状のフード部92に
なっている。この雌コネクタ90のフード部92が両コ
ネクタ80,90の嵌合時に雄コネクタ80のハウジン
グ81とフード82との間に挿入されて両コネクタ8
0,90の各端子相互が電気的に接続されるようになっ
ている。また、雌コネクタ90の基部91の両側外面の
中央には、ホルダー70の板体71の係合孔73の各係
止凹部74と雄コネクタ80の各可撓性アーム84の突
起85の係止状態を解除する突起94を有した可撓性の
解除アーム(保持解除手段)93をフード部92側に平
行に延びるようにそれぞれ一体突出形成してある。この
各解除アーム93の突起94は可撓性アーム84を撓ま
せるものであり、断面台形状に形成してある。この各突
起94の後側はテーパ面(離脱面)94aになってい
る。そして、雄コネクタ80の可撓性アーム84の突起
85とホルダー70の係合孔73の係止凹部74との係
止により該雄コネクタ80の待機突出状態を保持し、雌
コネクタ90の可撓性の解除アーム93の突起94によ
り上記可撓性アーム84の突起85とホルダー70の係
合孔73の係止凹部74との係止が解除されて該解除ア
ーム93の突起94が該係合孔73の係止凹部74を挿
通することにより雄コネクタ80の待機突出状態が解除
されるようになっている。
【0030】さらに、雌コネクタ90のフード部(保持
手段)92は略四角筒状態に形成してあり、その前端部
92aは、雄,雌両コネクタ80,90の嵌合時に雄コ
ネクタ80の各可撓性係止片88の突起89に当接押圧
して該可撓性係止片88を外側に撓ませてホルダー70
と雄コネクタ80との係止状態を保持する保持手段とし
て機能するようになっている。また、雌コネクタ90の
フード部92の上下壁部の中央には、上記可撓性係止片
88の突起89が挿入されて上記ホルダー70と雄コネ
クタ80との係止状態を解除する保持解除手段としての
矩形の溝孔(解除凹部)95をそれぞれ形成してある。
これらフード部92と溝孔95の前端側の境にはテーパ
面(解除部)96をそれぞれ形成してある。
【0031】図13,図18に示すように、スイッチユ
ニット40は、スイッチ41と、このスイッチ41に図
示しない基板等を介して固定された雌コネクタ90と、
上記スイッチ41の両側面の上側にネジ止め等により取
り付けられ、ドアトリム(他の被取付体)60のスイッ
チ取付孔61に取り付けられた該スイッチ41をドアト
リム60にロックする金属製でく字状の各板バネ(ロッ
ク手段)42とで構成されている。図18に示すよう
に、スイッチユニット40のスイッチ41とドアトリム
60のスイッチ取付孔61との取付クリアランスt′よ
りもホルダー70の板体71と雄コネクタ80のフード
82との間のクリアランスtを大きく設定してある(t
>t′)。
【0032】これにより、前記実施形態と同様に、ホル
ダー70に雄コネクタ80のフード82をスライド自在
に設けたので、雄コネクタ80のホルダー70に対する
摺動性が向上する。また、雄コネクタ80のフード82
を略四角筒状にすると共にホルダー70と雌コネクタ9
0のガイドとして機能させたので、雄コネクタ80に対
して雌コネクタ90がスムーズに摺動して両コネクタ8
0,90同士が確実に嵌合すると共に、嵌合した両コネ
クタ80,90がホルダー70に対してスムーズに摺動
する。これにより、振動等が防止されて耐振性が向上
し、異音の発生が防止される。さらに、雄コネクタ80
を、ハウジング81と、略四角筒状のフード82で構成
したので、圧接端子又は圧着端子等を用いる複数のコネ
クタハウジングが共用可能となり、汎用性が向上する。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1,2の発
明によれば、ホルダーに一方のコネクタのフードをスラ
イド自在に設けたので、一方のコネクタのホルダーに対
する摺動性を向上させることができる。また、他方のコ
ネクタに設けられた保持手段により、両コネクタの嵌合
時にホルダーと一方のコネクタの係止状態を確実に維持
することができ、両コネクタ同士を確実に嵌合すること
ができる。
【0034】
【0035】請求項3の発明によれば、一方のコネクタ
を、ハウジングと、筒状のフードで構成したので、圧接
端子又は圧着端子等を用いるコネクタハウジングが共用
可能となり、汎用性を向上させることができる。また、
一方のコネクタのフードを筒状にすると共にホルダーと
他方のコネクタのガイドとして機能させたので、一方の
コネクタに他方のコネクタをスムーズに摺動させて両コ
ネクタ同士を確実に嵌合することができると共に、嵌合
した両コネクタをホルダーに対してスムーズに摺動させ
ることができる。これにより、振動等を防止して耐振性
を向上させることができ、異音の発生を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のコネクタの嵌脱構造に用い
られる雌,雄両コネクタの嵌合前の状態を示す斜視図で
ある。
【図2】上記雄コネクタのフードの斜視図である。
【図3】上記両コネクタの嵌合前の状態を示す断面図で
ある。
【図4】上記両コネクタの嵌合初期の状態を示す断面図
である。
【図5】上記両コネクタの嵌合途中の状態を示す断面図
である。
【図6】上記両コネクタの嵌合完了状態を示す断面図で
ある。
【図7】上記コネクタの嵌脱構造が採用される車両用ド
アの分解斜視図である。
【図8】上記車両用ドアのスイッチに採用されたコネク
タの嵌脱構造の雌,雄両コネクタの取り付け前の状態を
示す説明図である。
【図9】上記両コネクタの嵌合完了時の説明図である。
【図10】上記車両用ドアのスイッチ取付完了状態を示
す説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態のコネクタの嵌脱構造
に用いられる雌,雄両コネクタの嵌合前の状態を示す斜
視図である。
【図12】上記他の実施形態の両コネクタの嵌合前の状
態を示す平面図である。
【図13】上記他の実施形態の両コネクタの嵌合前の状
態を示す側面図である。
【図14】上記他の実施形態の両コネクタの嵌合初期の
状態を示す横断面図である。
【図15】上記他の実施形態の両コネクタの嵌合途中の
状態を示す横断面図である。
【図16】上記他の実施形態の両コネクタの嵌合初期の
状態を示す縦断面図である。
【図17】上記他の実施形態の両コネクタの嵌合完了時
の状態を示す縦断面図である。
【図18】上記他の実施形態の両コネクタの取付完了時
の状態を示す縦断面図である。
【図19】(a)は従来例の雌,雄両コネクタの嵌合前
の断面図、(b)は同両コネクタの嵌合時の断面図、
(c)は同両コネクタが正規の位置に装着される途中の
断面図、(d)は同両コネクタの装着完了時の断面図で
ある。
【符号の説明】
10,70 ホルダー 20,80 雄コネクタ(一方のコネクタ) 21,81 ハウジング 21a,81a 端子収容室 22,82 フード 24,88 可撓性係止片(係止手段) 30,90 雌コネクタ(他方のコネクタ) 33 突起(保持手段及び保持解除手段) 50 ドアパネル(被取付体) 84 可撓性アーム(係止手段) 92 フード部(保持手段) 93 解除アーム(保持解除手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 13/629 - 13/64 B60R 16/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌,雄両コネクタのうちの一方のコネク
    タをホルダーを介して突出した待機状態で被取付体に取
    り付け、前記一方のコネクタの突出待機方向から該一方
    のコネクタに他方のコネクタを嵌脱自在にしたコネクタ
    の嵌脱構造において、 前記ホルダーに前記一方のコネクタのフードをスライド
    自在に設け、これらホルダーと一方のコネクタのフード
    に該一方のコネクタの待機突出状態を保持する係止手段
    をそれぞれ設ける一方、前記他方のコネクタに前記両コ
    ネクタの嵌合時に前記各係止手段の係止状態を保持する
    係止面を有した保持手段を設けると共に、前記両コネク
    タの嵌合完了時に前記各係止手段の係止状態を解除する
    離脱面を有した保持解除手段を設け、これら保持手段と
    保持解除手段を前記他方のコネクタに設けた突起で兼用
    し、この突起の前側に前記係止面を設けると共に、該突
    起の後側に前記離脱面を設け、前記両コネクタの嵌合完
    了時に該両コネクタを嵌合完了状態で前記ホルダーに対
    して前記被取付体側にスライド自在にしたことを特徴と
    するコネクタの嵌脱構造。
  2. 【請求項2】 雌,雄両コネクタのうちの一方のコネク
    タをホルダーを介して突出した待機状態で被取付体に取
    り付け、前記一方のコネクタの突出待機方向から該一方
    のコネクタに他方のコネクタを嵌脱自在にしたコネクタ
    の嵌脱構造において、 前記ホルダーに前記一方のコネクタのフードをスライド
    自在に設け、これらホルダーと一方のコネクタのフード
    に該一方のコネクタの待機突出状態を保持する係止手段
    をそれぞれ設ける一方、前記他方のコネクタに前記両コ
    ネクタの嵌合時に前記各係止手段の係止状態を保持する
    保持手段を設けると共に、前記両コネクタの嵌合完了時
    に前記各係止手段の係止状態を解除する保持解除手段を
    設け、この保持手段を前記他方のコネクタのフード部の
    前端部で構成し、前記両コネクタの嵌合完了時に該両コ
    ネクタを嵌合完了状態で前記ホルダーに対して前記被取
    付体側にスライド自在にしたことを特徴とするコネクタ
    の嵌脱構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のコネクタの嵌脱構
    造であって、 前記一方のコネクタを、複数の端子収容室を備えたハウ
    ジングと、このハウジングを覆う筒状のフードとで構成
    、この筒状のフードを前記ホルダー及び前記他方のコ
    ネクタのガイドとして機能させたことを特徴とするコネ
    クタの嵌脱構造。
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