JP3274714B2 - コルポスコープ - Google Patents

コルポスコープ

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JP3274714B2
JP3274714B2 JP20384592A JP20384592A JP3274714B2 JP 3274714 B2 JP3274714 B2 JP 3274714B2 JP 20384592 A JP20384592 A JP 20384592A JP 20384592 A JP20384592 A JP 20384592A JP 3274714 B2 JP3274714 B2 JP 3274714B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療施設の婦人科で使
用するコルポスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、子宮頸部を拡大観察して処置する
のに、コルポスコープが用いられている。以下、コルポ
スコープを用いての子宮頸ガンの検診から治療までの過
程を説明する。子宮ガン検診の一次検診で異常が見つか
った人は、より正確な診断を得るため、二次検診を受け
る。医師は二次検診で、コルポスコープを用いて子宮頸
部を拡大観察し、頸部上皮の色や形態から、ガンの有無
を確認する。子宮頸部にガンが見出された場合は、浸潤
程度を調べる目的や治療方針を立てるために、拡大観察
下で生検具を用いて、病変部分の組織を採取し検査をす
る。また、子宮口近辺にガンが見出された場合には、ヒ
ステロスコープを用いて、子宮頸管あるいは子宮体部を
観察し、ガンの進行程度を調べたりする。
【0003】以上の二次検診を行って、医師はガンの部
位、大きさなどをとらえる。また、子宮頸管内等にガン
が進行している場合は、後で治療するときのために、コ
ルポスコープの観察像とヒステロスコープの観察像との
相対位置も、医師は把握しておく必要がる。治療の段階
に入れば、子宮頸ガンの場合、ガン組織を切除するのが
一般的である。切除療法としては、多量出血の危険がな
く、麻酔の切れたあとの患者の苦痛が少ない点などを考
慮して、最近は、レーザーによる切除が行われている。
【0004】一例として、炭酸ガスレーザーを照射し
て、子宮口を中心に円錐状に切除する、いわゆる円錐切
除術がある。円錐切除術の場合、医師はレーザーを円錐
状に照射するという微妙な操作を行うが、その操作は非
常な熟練を要するものである。これを解決するために、
米国特許第5,032,124号では、機械的に円錐状
に照射が行える器具が提案されている。上述したよう
に、子宮頸ガンの場合だけでも、検診から治療の段階に
わたり、コルポスコープを中心に、生検具、ヒステロス
コープ、レーザーメスなどさまざまな医療装置・医療器
具が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの医療
装置・医療器具を使いこなすのは、必ずしも容易ではな
い。例えば拡大観察下で、生検具を用いて組織を採取す
る作業は、拡大下であること、また、採取部位が体腔内
で生検具の操作部と組織を採取する採取部との距離が長
いことから、非常に微妙な操作を含み、熟練と時間を要
する。その結果、医師の疲労を招くとともに、時間がか
かるため患者の苦痛にもなっていた。
【0006】そのうえ、コルポスコープの観察像とヒス
テロスコープの観察像との相対位置は、医師の記憶にた
よっているため、ガンの部位把握の信頼性は十分ではな
く、治療過失の原因となる恐れもあった。更に、円錐切
除術で治療をする場合には、非常に狭い領域を拡大観察
しているため、術者の手や米国特許第5,032,12
4号の器具などによって、視野が妨げられることが多
く、これがレーザーによる円錐切除術を行う場合の悩み
になっていた。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、コルポスコープの観察視野内で術部位置を特
定すれば、その特定された術部位置に対応する人体の術
部に生検具、ヒステロスコープ、レーザー照射装置等の
術具を案内する手段が移動するように構成したコルポス
コープを提供することにより、組織の採取、ヒステロス
コープ観察、レーザーによる円錐切除術などの治療行為
における医師、患者の心身の負担の軽減を図ったもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のコルポスコープ
は、観察視野内に投影され、該観察視野内の任意の位置
に移動可能な指標と、この指標の移動に連動して移動
し、該指標に対応する術部に術具を導く案内手段とを
することを特徴としている。
【0009】
【実施例】図1〜図12は、本発明のコルポスコープの
第1実施例の説明図である。図1において、1は対物レ
ンズ、2はリレーレンズ、3は結像レンズ、4は撮像素
子である。これらのレンズと図示しない画像表示回路及
び図示しないモニター画面等の画像表示装置が、観察光
学系を構成している。5は結像レンズ3,撮像素子4を
内蔵していて、図示しない三次元的に移動可能な架台に
設けてある固定ハウジング、8は固定ハウジング5に対
し観察光学系の光軸6と同軸にベアリング7を介して回
転自在に保持され、かつ対物レンズ1及びリレーレンズ
2を内蔵している可動ハウジングである。
【0010】9は固定ハウジング5の端部に位置する固
定指標で、可動ハウジング8内のリレーレンズ2と固定
ハウジング5内の結像レンズ3の間の結像点付近に配置
してある。11はスライド部材で、可動ハウジング8に
対して光軸6に垂直な矢印10方向に直線移動可能に設
置してある。12は可動指標で、リレーレンズ2と結像
レンズ3の間の結像点付近に配置してある。また、可動
指標12はスライド部材11を構成する後述の第1回動
枠が保持しており、固定指標9に並置してある。スライ
ド部材11には、以下に説明する二つの回転枠とこれを
連動するベルトなどが内蔵してある。
【0011】15は第1回動枠で、スライド部材11に
おいて、光軸6と平行な軸回りに回動自在に保持され、
可動指標12を保持するとともに、内側には光束を通す
通路穴13,外側にはベルト伝動用のみぞ部14が形成
してある。20は第2回動枠で、スライド部材11にお
いて、軸16の回りに回動自在に保持され、内側には術
具を保持するための保持穴17及び切欠き18,外側に
はベルト伝動用のみぞ部19が形成してある。21はベ
ルトで、ベルト伝動用のみぞ部14,19にかけて、第
1回動枠15と第2回動枠20とを連動させる。22は
ベルト21の作用方向を変えるためのプーリーである。
なお、第1回動枠15と第2回動枠20との回動比は、
1対1になっている。
【0012】図2は固定指標9の説明図である。固定指
標9は、透明円板9′に十字線23を印刷したもので、
光軸6に対して十字線23は垂直、十字線23の交点2
3′は合致するように、固定ハウジング5に配置してあ
る。図3は可動指標12の説明図である。可動指標12
は、透明円板12′に点印24と三角形印25を印刷し
たものである。光軸6と第2回動枠20(または、スラ
イド部材11)の軸16が観察部Pにおいて合致したと
き、固定指標9における交点23′と点印24とが、光
軸6上で合致するように、スライド部材11は可動ハウ
ジング8に配置してある。このとき三角形印25は、視
野の周辺に見えるように、透明円板12′に印刷してあ
る。
【0013】図4は、スライド部材11の第2回動枠2
0における保持穴17に挿入、保持して使用する公知で
術具としての生検具26の説明図である。図中、27は
操作部、28は採取部、30は保持穴17に嵌合する挿
入部である。操作部27を矢印29方向に変位すると、
採取部28が組織を採取できる構造になっている。挿入
状態において、軸16に対応する延長上に採取部28が
配置されている。
【0014】図5は、スライド部材11の第2回動枠2
0における保持穴17に挿入、保持して使用する公知で
術具としてのヒステロスコープ31の説明図である。図
中、32は接眼レンズ、33はヒステロスコープ31の
挿入方向に対して直角方向を観察するための対物レン
ズ、34は保持穴17に嵌合する取付部、35は保持穴
17の切欠き18に係合する突出部である。接眼レンズ
32と対物レンズ33とは、軟性部31′が内蔵してい
る図示しない光学系で連結しており、また、対物レンズ
33は、突出部35に対して軸36回りの回転が、規制
されている。
【0015】図6は、スライド部材11の第2回動枠2
0における保持穴17に挿入、保持して使用する公知で
術具としてのレーザー照射装置37の説明図である。図
中、38はレーザー射出部、39は第2回動枠20にお
ける保持穴17に嵌合する取付部であり、取付け状態に
おいて、レーザー射出部38からのレーザーの光軸40
は、スライド部材11の軸16と合致するよう構成され
でいる。
【0016】図1において、観察部Pを発した光は、対
物レンズ1を透過して結像し、次にリレーレンズ2を透
過し固定指標9,可動指標12付近に等倍結像する。こ
の等倍結像は、更に結像レンズ3を透過して撮像素子4
に結像し、電気信号に変換され、図示してない画像表示
回路を介して、同じく図示してないモニター画面等の画
像表示装置により観察される。この画像表示装置には、
観察部Pの画像と重なって固定指標9の十字線23及び
可動指標12の点印24,三角形印25の画像が表示さ
れる。
【0017】(図1,図7,図8参照)図7及び図8
は、生検具26を用いて組織を採取する場合の説明図で
ある。図1で示すスライド部材11を矢印10方向に移
動して、モニター画面上で観察される可動指標12の点
印24を、図7に示すように矢印41に沿って、破線丸
印の位置42から実線丸印の位置43まで移動する。更
に、固定ハウジング5に対して可動ハウジング8を回動
させて、可動指標12の点印24を、図7の矢印44に
沿って、実線丸印の位置43から黒丸印の位置45まで
移動し、モニター画面上で点印24の位置を組織採取部
位に合致させる。
【0018】(図1,図4,図8参照)モニター画面上
で点印24の位置を組織採取部位に合わせると、観察部
Pと点印24は光学的に正立の等倍結像位置関係にある
ため、スライド部材11の第2回動枠20における保持
穴17は、軸16の延長上に前記モニター画面上で点印
24の位置で示した組織を採取したい部位が存在すべき
位置に連動して移動する。保持穴17をこのようにセッ
トしてから、図4に示す生検具26の挿入部30を保持
穴17に挿入し嵌合すると、図8に示す状態になる。す
なわち、生検具26の採取部28は、軸16に沿って組
織を採取したい部位まで導かれ(図中、破線で示す)、
ここで操作部27を矢印29方向に変位して、組織を採
取する。
【0019】(図1,図5,図9,図10参照)図9及
び図10は、ヒステロスコープ31で観察する場合の説
明図である。図1で、スライド部材11を矢印10方向
に移動して、モニター画面上で観察される可動指標12
の点印24を、図9に示すように固定指標9の十字線2
3の交点23′に合わせ、視野周辺に三角形印25が例
えば破線三角形印25′の位置に見えるようにして、ス
ライド部材11を固定する。次に、図5に示すヒステロ
スコープ31の突出部35を、保持穴17の切欠き18
に係合するするようして、取付部34を保持穴17に取
り付けると、図10に示す状態になり、対物レンズ3
3,軟性部31′が内蔵する図示しない光学系及び接眼
レンズ32を通して子宮頸管46の側方観察ができる。
【0020】(図1,図5,図9,図10参照)子宮頸
管46内の全内周を観察するために、接眼レンズ32を
軸36を中心に回転すると、その回転量は対物レンズ3
3に伝達されるとともに、また、突起部35,切欠き1
8を介して第2回動枠20に伝達される。第2回動枠2
0が回転すると、ベルト伝動用のみぞ部14,19に張
架したベルト21の走行運動を介して、第1回動枠15
及び可動指標12が回転する。その結果、モニター画面
上では図9に示すように、可動指標12の三角形印25
が、例えば破線三角形印25′の位置から矢印47に沿
って黒三角形印25″の位置まで移動するのが確認でき
る。この場合、軸36に関する対物レンズ33の回転位
置とモニター画面上における固定指標9の十字線23の
交点23′に関する三角形印25の回転位置は、相関が
とれており、したがって、モニター画面上でヒステロス
コープ31の観察方向を確認することができる。
【0021】(図1,図6,図11,図12参照)図1
1及び図12は、図6で示したレーザー照射装置37で
円錐切除術を行う場合の説明図である。図12は、レー
ザー照射装置37の取付部39を保持穴17に挿入し取
り付けた状態を示し、生検具26で組織を採取する場合
と同様の手順で、図11に示すようにモニター画面上で
点印24の位置を、レーザー光の照射位置に合致させ
る。固定ハウジング5に対して、可動ハウジング8を光
軸6を中心に回転させると、レーザー光は点印24の十
字線23の交点23′からの距離lを底面48の半径と
し、光軸6に対する軸16の角度αにより頂角が決定さ
れ、光軸6を中心線とした円錐体49に走査され、これ
により外子宮口から頸管にわたる病変部を、文字通り円
錐状に切除できる。
【0022】第1実施例は、観察部Pの像を正立で等倍
に結像した位置に、機械的な指標を設けるとともに、こ
れに術具を案内する保持穴を機械的に連結させているの
で、構成が簡単であり、しかも信頼度が高い。また、保
持穴の回転量を機械的に指標に伝えるだけで、ヒステロ
スコープの観察方向をモニター画面に表示できる。更
に、生検具やヒステロスコープを取り付ける保持穴に、
レーザー照射装置を取り付けるだけで、視野の妨げられ
ないレーザーによる円錐切除術を行うことができる。
【0023】図13〜図19は、本発明のコルポスコー
プの第2実施例の説明図である。図13において61は
対物レンズ、62は立体視するために紙面に垂直な方向
に配置してある一対のアフォーカル変倍レンズ、63は
同じく一対の結像レンズ、64は同じく一対の接眼レン
ズであり、これらの光学素子が立体観察光学系を構成し
ている。65は結像レンズ63の一方の側の結像点付近
に配置し、表示部以外は光を透過する液晶表示板であ
る。82はアフォーカル変倍レンズ62内の移動レンズ
の基本位置に対する移動量を検出するための位置センサ
ーである。立体観察光学系、液晶表示板65及び位置セ
ンサー82は、第1ハウジング66に内蔵されている。
なお、第1ハウジング66は、図示してない三次元的に
移動可能な架台に取り付けてある。
【0024】(図13参照)67は第2ハウジングで、
嵌着部68によって第1ハウジング66に対して、着脱
自在である。69は図示してないレーザー照射装置の取
付部、70はミラー回動体で、軸部70′で第2ハウジ
ング67に対して、軸71を中心に回動自在に軸着して
ある。72はミラー回動体70に内蔵されている第一反
射ミラー、73はミラー回動体70に対して軸71と直
角な矢印74方向に直線移動自在に保持されたミラー移
動体、75はミラー移動体73に内蔵された第二反射ミ
ラー、76は第2ハウジング67に対して矢印77方向
に直線移動自在に保持され、レーザー投射レンズ78を
内蔵したレンズ移動体、79は第2ハウジング67に保
持されたダイクロイックミラーである。このダイクロイ
ックミラー79は、薄膜の構成により、レーザー光を反
射し可視光は透過する特性を有する。第2ハウジング6
7内のこれらの光学素子等から、レーザー投射部が構成
されている。
【0025】(図13,図15参照)上述したミラー回
動体70の軸71を中心とした回動、ミラー移動体73
の矢印74方向の直線移動及びレンズ移動体76の矢印
77方向の直線移動は、図示しないモータにより電動で
行えるようになっている。また、ミラー移動体73及び
レンズ移動体76については、それぞれの基準位置に対
する移動量を検出するため、位置センサー80,81が
配設してある。83は第1ハウジング66に対して紙面
に垂直な軸84を中心に矢印85方向に移動自在な第1
移動体、86は第1移動体83に対し軸87を中心に矢
印88方向に移動自在で、内部に術具を保持するための
保持穴89が形成してある第2移動体である。第1移動
体83及び第2移動体86が術具案内部90を構成して
おり、また、第1移動体83及び第2移動体86の移動
は、それぞれ図示しない第1モータ及び第2モータによ
り電動で行えるようになっている。第1モータ及び第2
モータには、それぞれエンコ−ダ91,92が内蔵され
ている。なお、193は後述するヒステロスコープに設
けた一対の超音波位置センサーの受信部である。
【0026】(図13,図14参照)図14は上述の各
電動部を操作するコントローラ192の斜視図である。
S1はミラー移動体73を移動させるスイッチであり、
スイッチS1を前後に傾斜するとモータが作動して、ミ
ラー移動体73は矢印74方向に移動する。またS2は
レンズ移動体76を移動させるスイッチであり、スイッ
チS2を前後に傾斜するとモータが作動して、レンズ移
動体76は矢印77方向に移動する。更に、S3は第1
移動体83及び第2移動体86を移動するためのジョイ
スティックタイプのスイッチであり、スイッチS3を前
後に傾斜すると第1モータが作動して、第1移動体83
は矢印85方向に移動する。スイッチS3を左右に傾斜
すると第2モータが作動して、第2移動体86は矢印8
8方向に移動する。
【0027】図15は、位置センサー80,81,82
とエンコーダ91,92及び超音波位置センサーの受信
部193並びに液晶表示板65相互の関係についての電
気ブロック図である。位置センサー80,81は、セレ
クタ回路94を介して位置信号を移動距離算出回路95
に送るべき信号線で接続される。また、エンコーダ9
1,92も同じくセレクタ回路94を介して角度信号を
移動距離算出回路95に送るべき信号線で接続されてい
る。更に、超音波位置センサーの受信部193も同じく
セレクタ回路94を介して位置信号を移動距離算出回路
95に送るべき信号線で接続されている。ここでセレク
タ回路94と移動距離算出回路95とは、セレクタ回路
94の選択する信号に基づき移動距離算出回路95はそ
れぞれ異なる移動距離の算出を行う関係にある。位置セ
ンサー82は、位置信号を送る信号線で倍率算出回路9
6に接続され、倍率算出回路96は、倍率信号を送る信
号線で移動距離算出回路95に接続されている。また、
移動距離算出回路95は、液晶表示内容を決定するため
の信号を送る信号線で液晶表示回路97に接続され、更
に、液晶表示回路97は液晶表示板65へと接続されて
いる。
【0028】(図13,図16参照)図16は、保持孔
89に取付けるヒステロスコープ98の説明図である。
図中、99は接眼レンズ、100はヒステロスコープ9
8の挿入方向を観察するための対物レンズである。接眼
レンズ99と対物レンズ100とは、軟性部98sが内
蔵している光学系で連結している。101はヒステロス
コープ98を保持穴89に取付ける場合に保持穴89に
嵌合する取付部、102は紙面に垂直な軸103を中心
に矢印104方向に回動操作することにより、軟性部9
8sの先端98aを破線で示すように湾曲する湾曲レバ
ー、105a,105bはそれぞれ湾曲する部分と湾曲
しない部分に一つずつ設けた超音波位センサーの発信部
である。
【0029】(図13,図17参照)図13で、観測部
Pを発した光(可視光)はダイクロイックミラー79,
対物レンズ61,一対のアフォーカル変倍レンズ62,
一対の結像レンズ63を介して、液晶表示板65の位置
で結像するので、一対の接眼レンズ64と図示しない公
知の像正立化手段により、観察像を正立化し立体観察を
行うことができる。図17は液晶表示板65に関する説
明図である。液晶表示板65には黒丸印106,黒三角
形印107,円形108,数値109から成るあらかじ
めプログラムした図形及び数字が表示してあり、これら
も観察部Pの像と重なり、同時に観察される。
【0030】(図4,図13〜図15参照)組織を採取
する場合、コントローラ192のジョイスティックタイ
プのスイッチS3を前後左右に傾斜して、第1移動体8
3,第2移動体86を移動し、図4に示した生検具26
を第2移動体86の保持穴89に挿入し嵌合したとき
の、観察部Pでの生検具26の採取部28が到達する位
置を決定する。この場合、第1移動体83及び第2移動
体86の移動位置は、図示しないエンコーダ91,92
を介して検出され、これら位置信号は、セレクタ回路9
4を介して移動距離算出回路95に送信される。
【0031】(図4,図13〜図15,図17参照)生
検具26を保持穴89に挿入したとき、移動距離算出回
路95では、採取部28が観察部Pにおいて視野の中心
に位置する場合を基準位置とし、液晶表示回路97を介
して観測部Pに対応する液晶表示板65の位置に黒丸印
106を表示するとともに、エンコーダ91,92の位
置信号から基準位置とのずれ量を算出し、また、位置セ
ンサー82がアフォーカル変倍レンズ62のレンズ位置
を検出し、倍率算出回路96を介して得られる倍率情報
を考慮して黒丸印106を常に観察部Pにおける採取部
28の位置に対応すべく液晶表示回路97を介して移動
させる。したがって、ジョイスティックタイプのスイッ
チS3を操作して黒丸印106を組織を採取したい場所
に合わせれば、その後の作用は、第1実施例と同様にな
る。
【0032】(図10,図13,図15,図16,図1
8参照)ヒステロスコープで観察する場合は、観察部位
は子宮頸管を通過した子宮体部110となるが、図16
に示したヒステロスコープ98の取付部101を保持穴
89に挿入し取り付けると、図18に示す状態となる。
医師は、対物レンズ100,軟性部98sが内蔵してい
る光学系及び接眼レンズ99を介して子宮体部110の
正面観察を行うことになる。ここで子宮体部110の全
域を観察するために、湾曲レバー102を操作して、ヒ
ステロスコープ98の先端98aを破線で示すように湾
曲したり、図10に関連し前述したのと同様に接眼レン
ズ99を回転させると、二つの超音波位置センサーの発
信部105aと105bとの相対位置が変化し、公知の
超音波位置検出技術を用いて超音波位置センサーの受信
部193により位置が検出され、位置信号は、セレクタ
回路94を介して移動距離算出回路95に送信される。
【0033】(図13,図15,図17,図18参照)
移動距離算出回路95では、図18でヒステロスコープ
98を挿入方向に向かって真上に湾曲させ真上を観察し
ている場合を基準位置とし、液晶表示回路97を介して
視野内の真上に黒三角形印107を表示するとともに、
前記位置信号から基準位置とのずれ量、この場合は基準
角度とのずれ角を算出し、黒三角形印107を常に観察
している方向に対応すべく、例えば図17の破線三角形
印107′の位置から矢印111方向に黒三角形印10
7まで移動させる。したがって、接眼レンズ64の観察
下で、ヒステロスコープ98の観察方向を確認すること
ができる。
【0034】(図13,図19参照)レーザーによる円
錐切除術を行う場合、レーザー光が軸71と同軸となる
ように、図示しないレーザー照射装置を、取付部69に
取り付ける。レーザー光は、第1反射ミラー72及び第
2反射ミラー75で反射し、レーザー投射レンズ78に
垂直に入射する。レーザー投射レンズ78を射出したレ
ーザー光は、ダイクロイックミラー79で反射し、観測
部Pにおける視野の中心点Pcに投射する。この場合、
ミラー回転体70のいかなる回転角においても、レーザ
ー光が観測部Pにおける視野の中心点Pcに投射するよ
うに、レーザー投射レンズ78は配置してある。ミラー
回転体70が軸71を中心に回転することにより、レー
ザー光は円錐形に走査する。図19は、その様子を示し
たものである。
【0035】(図13,図14,図19参照)コントロ
ーラ192のスイッチS1を操作し、ミラー移動体73
を矢印74方向へ移動すると、レーザー投射レンズ78
に垂直に入射したレーザー光は、すべて観測部Pにおけ
る視野の中心点Pcに集光するので、円錐の頂角が矢印
112のように変化する。また、コントローラ192の
スイッチS2を操作し、レンズ移動体76を矢印77方
向へ移動すると、レーザー光が走査する円錐全体の位置
が移動する。
【0036】(図13,図15,図17,図19参照)
レーザー光が走査する円錐の頂点を、体表から体内に移
動したとき、この円錐の頂角は円錐底部の直径dを決定
し、円錐全体の位置は体表からの深さtを決定する。こ
の場合、ミラー移動体73及びレンズ移動体76の移動
位置は、位置センサー80,81を介して検出され、こ
れらの位置信号は、セレクタ回路94を介して移動距離
算出回路95に送信される。移動距離算出回路95で
は、レーザー光が観察部Pの視野の中心点Pcに垂直に
投射される場合を基準位置とし、液晶表示回路97を介
してレーザー光投射位置に対応する液晶表示板65の位
置に小さな円形108を表示するとともに、数値109
の部分は0と表示する。
【0037】(図13,図15,図17,図19参照)
更に、位置センサー80,81の位置信号から基準位置
とのずれ量を算出し、円錐底部の直径d及び体表からの
深さtを計算する。また、倍率情報も考慮して、円形1
08を常に観察部Pにおけるレーザー投射位置に対応す
べく、更に数値109の部分を常に観察部Pから円錐の
頂点までの距離tを表示すべき、液晶表示回路97を介
して円形108の大きさ及び数値109の部分を変化さ
せる。したがって、ミラー回転体70を回転することに
より、あらかじめ設定した円錐形にレーザー光が走査さ
れ、これにより病変部を円錐状に切除できる。
【0038】第2実施例は、観察光学系の結像が1回で
あり、しかも表示手段を電気的に構成してあるので、機
械的制約を受けず構成を小型にでき利点がある。また、
ヒステロスコープの観察方向を検出するのに、超音波位
置センサーを用いているので、センサーを取り付けるだ
けで、既存のヒステロスコープも使用可能である。嵌着
部68において第2ハウジング67を第1ハウジング6
6からはずし、それぞれ別個に使用できる。しかも、第
2ハウジング67にレーザー投射部が構成され、このレ
ーザー投射部内にレーザー光が円錐形に走査する手段を
設けてあるので、視野が妨げられないうえ、上述のよう
に必要のないときは取りはずし可能である。表示手段に
液晶表示装置を用いているので、レーザー光のパワーの
表示等も容易なことは、説明するまでもない。
【0039】(図20参照)図20〜図23は、本発明
のコルポスコープの第3実施例の説明図である。図20
において120は穴明き反射ミラー、121は対物レン
ズ、122は反射ミラー、123は立体視するために紙
面に垂直な方向に配置した一対のアフォーカル変倍レン
ズ、124は同じく一対の結像レンズ、125は同じく
一対の接眼レンズである。上述した穴明き反射ミラー1
20〜接眼レンズ125の諸光学素子から、立体観察光
学系が成り立ち、ハウジング129に内蔵されている。
ハウジング129は、図示してない三次元的に移動可能
な架台に取り付けられている。
【0040】図21は、穴明き反射ミラー120を矢印
126方向から見た図である。穴明き反射ミラー120
の穴127は、立体視するための二つの光束128の間
に位置するよう形成されている。130は第1移動体
で、ハウジング129に対して観察光軸131を中心に
矢印132方向に回動自在に保持されている。第1移動
体130の内部には、ヒステロスコープを保持するため
の保持穴140が形成してある。133は、第1移動体
130の保持穴140内に配置された第2移動体であ
る。第2移動体133は、紙面に垂直な軸134を中心
に第1移動体130に対して矢印135方向に回動自在
に保持され、内部にヒステロスコープ以外の術具を保持
するための保持穴141が形成してある。
【0041】(図4,図21参照)また、第2移動体1
33には、第1移動体130及び第2移動体133を回
動するための操作部137が、第1移動体130に穿設
した穴138とハウジング129に穿設した穴139を
貫通して、ハウジング129の外部にまで突出して設け
てある。操作部137には嵌合穴136が穿設してあ
り、後述するヒステロスコープ診の際に用いる。更に、
保持穴141に図4で示した生検具26を挿入したと
き、観察部Pで採取部28とレーザー光の照射スポット
が合致するように、第2移動体133には、可視レーザ
ー発振器142が取り付けてある。
【0042】(図20,図22参照)図22は、第1移
動体130の保持穴140に取り付けるヒステロスコー
プ143の説明図である。144は接眼レンズ、145
はヒステロスコープ143の体内挿入方向を観察するた
めの対物レンズであり、接眼レンズ144と対物レンズ
145とは、軟性部143sに内蔵の図示してない光学
系により光学的に連結している。146は保持穴140
に嵌合する取付部、147は湾曲レバーで、紙面に垂直
な軸148を中心に矢印149方向に回転操作すると、
ヒステロスコープ143の先端143aが、破線のよう
に湾曲する。湾曲レバー147には、嵌合穴150が穿
設してある。
【0043】(図4,図20参照)図20で、観察部P
を発した光(可視光)は、穴明き反射ミラー120で反
射し、対物レンズ121を透過してから反射ミラー12
2で再び反射し、一対のアフォーカル変倍レンズ12
3,一対の結像レンズ124を透過して結像するので、
一対の接眼レンズ64と図示してない公知の像正立化手
段により、観察像を正立化し立体観察を行うことができ
る。組織を採取する場合には、操作部137を操作し、
ハウジング129に対して第1移動体130を、また、
第1移動体130に対して第2移動体133を回動させ
ると、可視レーザー発振器142から射出して、観察部
Pに照射されるレーザー光の照射スポットが連動する。
したがって、組織を採取したい部位に照射スポットを合
致すると、図4で示した生検具26の挿入部30を保持
穴141に挿入したとき、生検具26の採取部28は、
組織を採取したい部位まで導かれる。
【0044】(図18,図20,図22,図23参照)
ヒステロスコープで観察する場合、観察部位は図18で
示したと同様に子宮体部110となるが、図22で示し
たヒステロスコープ143の取付部146を保持穴14
0に挿入し取り付け、図23に示すように、更に操作部
137の嵌合穴136とヒステロスコープ143の嵌合
穴150とをリンク152で連結する。この場合、操作
部137とリンク152は、嵌合穴136で回動自在で
あり、湾曲レバー147とリンク152は、嵌合穴15
0で回動自在である。
【0045】(図10,図18,図20,図22,図2
3参照)このように連結してから、図18で示したのと
同様に、ヒステロスコープ143の対物レンズ145,
接眼レンズ144を介して、子宮体部110の正面観察
を行う。子宮体部110の全域を観察するために、湾曲
レバー147を操作して、ヒステロスコープ143の先
端143aを、図22に示すように湾曲したり、図10
について述べたのと同様に接眼レンズ144を回転する
と、リンク152を介して操作部137が連動し、第1
移動体130及び第2移動体133を移動することによ
り、レーザー光の照射スポットが湾曲方向へと移動す
る。この移動は、また接眼レンズ125の観察視野にお
ける照射スポットの、視野周辺への移動として確認でき
る。レーザー照射によって組織の蒸散を行う場合は、図
示してないレーザー照射装置を、第2移動体133の保
持穴141に取り付ければ、可視レーザーを蒸散用レー
ザーのガイド光として使用できる。
【0046】第3実施例は、観測部Pへの可視レーザー
光の照射スポットを指標としているので、観測部に凹凸
が存在しても、正しく組織の採取部位を指示でき、更
に、倍率の影響も受けることはない。また、観察光学系
と同軸に生検具を挿入できるので、体腔内深部の組織を
小さな穴を介して採取するのに都合がよい。更に、ヒス
テロスコープの観察方向を、操作部137の動きにより
検出しているので、ヒステロスコープの挿入部分は、従
来と同じ大きさ、形状に保ことができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明のコルポスコ
ープによれば、コルポスコープを用いる各種の治療行為
における関係者の心身の負担が、大幅に軽減される。す
なわち、あらかじめコルポスコープ観察視野内で組織の
採取位置を特定すれば、その位置に対応する部位に生検
具の案内手段が移動しているので、微妙な操作がなくな
り、拡大観察下での生検具を用いる組織の採取行為が非
常に簡単になる。また、簡単な改造をするだけで、コル
ポスコープ観察下におけるヒステロスコープの観察方向
を指示でき、ガンの部位把握の信頼度も向上する。更
に、術具としてレーザー照射装置を用いる場合は、レー
ザー照射装置とコルポスコープを組み合わせることで、
レーザーの照射位置だけでなく、レーザーの照射深さや
レーザー出力も同時に表示できるうえ、観察視野の妨げ
もなく好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコルポスコープの第1実施例の構成を
示す図である。
【図2】図1の構成の要素である固定指標の説明図であ
る。
【図3】図1の構成の要素である可動指標の説明図であ
る。
【図4】術具である生検具の説明図である。
【図5】術具であるヒステロスコープの説明図である。
【図6】術具であるレーザー照射装置の説明図である。
【図7】本発明のコルポスコープの第1実施例で生検具
を用いて組織を採取する場合の説明図である。
【図8】本発明のコルポスコープの第1実施例で生検具
を用いて組織を採取する場合の説明図である。
【図9】本発明のコルポスコープの第1実施例でヒステ
ロスコープで観察する場合の説明図である。
【図10】本発明のコルポスコープの第1実施例でヒス
テロスコープで観察する場合の説明図である。
【図11】本発明のコルポスコープの第1実施例でレー
ザー照射装置を用い円錐切除術を行う場合の説明図であ
る。
【図12】本発明のコルポスコープの第1実施例でレー
ザー照射装置を用い円錐切除術を行う場合の説明図であ
る。
【図13】本発明のコルポスコープの第2実施例の構成
を示す図である。
【図14】図13の構成における電動部を操作するコン
トローラの斜視図である。
【図15】図13の構成における表示手段系の電気ブロ
ック図である。
【図16】本発明のコルポスコープの第2実施例の術具
であるヒステロスコープの説明図である。
【図17】図13の構成の要素である液晶表示板の説明
図である。
【図18】本発明のコルポスコープの第2実施例でヒス
テロスコープで観察する場合の説明図である。
【図19】本発明のコルポスコープの第2実施例でレー
ザー照射装置を用い円錐切除術を行う場合の説明図であ
る。
【図20】本発明のコルポスコープの第3実施例の構成
を示す図である。
【図21】図20の構成の要素である穴明き反射ミラー
の説明図である。
【図22】本発明のコルポスコープの第3実施例の術具
であるヒステロスコープの説明図である。
【図23】本発明のコルポスコープの第3実施例でヒス
テロスコープで観察する場合の説明図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ 2 リレーレ
ンズ 3 結像レンズ 4 撮像素子 5 固定ハウジング 6 光軸 7 ベアリング 8 可動ハウ
ジング 9 固定指標 11 スライド
部材 12 可動指標 13 光束を通
す通路穴 14 ベルト伝動用のみぞ部 15 第1回動
枠 16 軸 17 保持穴 18 切欠き 19 ベルト伝
動用のみぞ部 20 第2回動枠 21 ベルト 22 プーリー 23 十字線 26 生検具 27 操作部 28 採取部 30 挿入部 31 ヒステロスコープ 32 接眼レン
ズ 33 対物レンズ 34 取付部 35 突出部 37 レーザー
照射装置 38 レーザー射出部 39 取付部 46 子宮頸管 61 対物レン
ズ 62 アフォーカル変倍レンズ 63 結像レン
ズ 64 接眼レンズ 65 液晶表示
板 66 第1ハウジング 67 第2ハウ
ジング 68 嵌合部 69 取付部 70 ミラー回転体 72 第1反射
ミラー 73 ミラー移動体 75 第2反射
ミラー 76 レンズ移動体 78 レーザー
投射レンズ 79 ダイクロイックミラー 80 位置セン
サー 81 位置センサー 82 位置セン
サー 83 第1移動体 86 第2移動
体 89 保持穴 90 術具案内
手段 98 ヒステロスコープ 120 穴明き反
射ミラー 121 対物レンズ 122 反射ミラ
ー 123 アフォーカル変倍レンズ 124 結像レン
ズ 125 接眼レンズ 129 ハウジン
グ 130 第1移動体 133 第1移動
体 136 嵌合穴 137 操作部 140 保持穴 141 保持穴 142 レーザー発振器 143 ヒステロ
スコープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平2−502263(JP,A) 米国特許3299883(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00 - 1/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観察視野内に投影され、該観察視野内の
    任意の位置に移動可能な指標と、この指標の移動に連動して移動し、該 指標に対応する術
    部に術具を導く案内手段とを有することを特徴とするコ
    ルポスコープ。
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