JP3274520B2 - 白髪防止剤 - Google Patents

白髪防止剤

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JP3274520B2
JP3274520B2 JP00634493A JP634493A JP3274520B2 JP 3274520 B2 JP3274520 B2 JP 3274520B2 JP 00634493 A JP00634493 A JP 00634493A JP 634493 A JP634493 A JP 634493A JP 3274520 B2 JP3274520 B2 JP 3274520B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵母培養液または培養
エキスの白髪防止剤への応用に関するものであって、よ
り詳しくは、糖液の酵母培養液または培養エキスからメ
ラニン生成抑制物質を除去した成分を有効成分とする
髪防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】白髪は一般に年齢を重ねるにしたがって
頭髪のメラニンが減少あるいは消失して発生するもの
で、一方では白髪によってその人の年長による人柄の重
厚さを与えるものではあるが、他方では老齢の感を印象
づけ、特に若年における白髪が一般に好まれていないこ
とは良く知られている。そのため、白髪を隠すため白髪
染めなどにより白髪を黒く染める染色剤が多く研究さ
れ、また広く市場に使用されている。しかしながら、白
髪染は一過性のものであり、白髪の成長によって再び染
色しなければならず、また現在広く使用されている酸化
型白髪染は、酸化剤などの使用によって皮膚や毛髪に傷
害を与える傾向がある。したがって、白髪の発生を防止
する白髪防止剤について種々の研究が行われている。
【0003】例えば、黒ゴマ、黒松の葉、昆布を用いた
ものとして特開昭56−87515号公報、西洋がらし
葉エキスを用いたものとして特開昭56−79617号
公報、センブリの抽出液を用いたものとして特開昭59
−70605号公報、ウコギ抽出エキスを用いたものと
して特開昭60−178805号公報、明日葉の抽出物
を用いたものとして特開昭62−77307号公報など
の植物抽出物を有効成分とするものが知られている。ま
た、脳下垂体ホルモンを用いたものとして特開昭62−
63510号公報、3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ーL−アラニンを用いたものとして特開昭62−6
3509号公報、C−AMP(アデノシン−3’,5’
−サイクリックホスフェイト)を用いたものとして特開
昭62−45527号公報、ビタミンD3 を用いたもの
として特開昭60−174705号公報、及びミノキシ
ジルを用いたもの特開昭61−165310号公報なら
びに特開昭61−227518号公報などが開示されて
いる。
【0004】また、毛髪は、日光の紫外線や日常使用さ
れるドライヤーによる熱、パーマ、ヘアダイなどの処理
によって損傷を受けやすく、保湿性、弾力性、強度に悪
影響が生じてくる。特に毛髪のパサつき、しっとり感や
光沢の喪失、枝毛の増加やくし通りの悪さといった現象
はその代表的なものである。かかる毛髪の損傷に対する
処置として、油分の多い毛髪保護剤を用いることによっ
て保湿性の低下を防ぐことが行われているものの、それ
らはべたつきが多いため使用感が非常に悪く、また効果
の点でも不十分であった。
【0005】また、酵母の利用に関しては、特に酵母の
菌体抽出エキスの利用が主流であり、酵母の菌体抽出エ
キスの保湿効果または皮膚美容効果を利用し、化粧料等
に配合することが行われている。例えば、酵母菌体その
ものをパックに用いた特公昭39−4899号公報、胎
盤組成の酵素分解物と酵母エキスを混合したメラニン生
成抑制剤を開示する特公昭56−44046号公報、R
NAを50ないし5000PPM含有する酵母抽出液を
開示する特公昭61−260009号公報、ビール酵母
菌体の有機溶媒抽出物を含有する化粧料を開示する特公
昭61−171405号公報などがそのような技術の例
として挙げられる。一方、酵母の培養液を利用した例と
しては、酵母培養液ないしは酵母エキスを有効成分とす
る貧血改善組成物を開示する特公昭61−118322
号公報、コールドウェーブ用糖発酵液を開示する特公昭
64−11612号公報が見られるだけである。従来の
酵母エキスという形態の菌体から有用性物質を抽出する
方法では、菌体という少量しか得られないものを原料に
しているため量産化が難しく、しかも目的とする有効成
分だけを効率よく得ることができなかった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目
的は上記現状に鑑み、メラニン生成亢進作用を有する物
質を食品に利用されている醸造酵母の生産する安全性の
高い培養液に求めその有効成分を白髪防止剤として提供
することにある。本発明による酵母培養液は、白髪防止
効果及び毛髪保護効果を有し、頭皮または毛髪に塗布す
ることにより、白髪防止および毛髪の保護効果のある
髪防止剤として利用し得るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために提案されたものであり、糖液の酵母培養液ま
たは培養エキスからメラニン生成抑制作用を有する物質
を除去した成分が、白髪防止効果ならびに毛髪保護効果
に優れているという本発明者によって得られた新たな知
見によって完成されたものである。すなわち、本発明に
よれば、糖液の酵母培養液または培養エキスからメラニ
ン生成抑制物質を除去した成分を含有することを特徴と
する白髪防止剤が提供される。
【0008】
【発明の具体的説明】毛髪におけるメラニンは、毛髪の
色調に関係する重要な因子の一つであり、毛母上部に存
在する色素細胞メラノサイト内において生成され、毛髪
皮質細胞ケラチノサイトに取り込まれた後、毛の生長と
共に上方に移動する。生理の老化の一現象として認めら
れる白髪は、毛母メラノサイトの数の減少及びメラノサ
イトの機能低下によるメラニン生成の減少によって発症
する。
【0009】本発明者は、当初酵母培養液のメラニン生
成抑制物質に注目し、酵母培養液からのメラニン生成抑
制物質の精製を試みていたが、その折にメラニン生成抑
制物質を除去した溶液が強いメラニン生成亢進作用を示
すことを見出した。つまり、メラニン生成抑制物質とメ
ラニン生成亢進物質が混在している酵母培養液からメラ
ニン生成抑制物質を除去した成分を頭皮に塗布すること
によって、白髪防止効果ならびに毛髪保護効果が達成さ
れることを見いだし、本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0010】さらに詳細に言うならば、本発明の白髪防
止剤は、醸造に使用されるサッカロミセス属の酵母を、
糖液を主体とした培地で培養した培養液のメラニン生成
促進効果を応用し、白髪を防止し、さらには酵母産生の
成分による毛髪の保護を目的とするものである。
【0011】本発明における酵母培養液とは、培養液自
体または培養液をメンブランフィルター等でろ過または
遠心分離機などで除菌したものを含み、培養エキスとは
これらの培養液をさらに減圧濃縮機等によって濃縮した
ものを言う。本発明におけるサッカロミセス属の酵母と
しては、サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces ce
revisiae)、サッカロミセスカールスベルゲンシス(Sa
ccharomyces carlsbergensis)等があげられ、好ましく
はサッカロミセスセレビシエが有効である。
【0012】本発明における糖液すなわち炭素源として
は、廃糖蜜、豆類(例えば、大豆や小豆等)の煮汁など
の産業廃棄物が利用できる他、穀類(例えば、米、麦、
トウモロコシ等)またはそのα−アミラーゼを初めとし
たアミラーゼ類の糖化酵素を作用させることによって得
られる糖化液、各種澱粉(例えば、米粉、小麦粉、トウ
モロコシ澱粉、サツマイモ澱粉、馬鈴薯澱粉、可溶性澱
粉、アミロース、デキストリン等)またはそのアミラー
ゼ類の糖化酵素を作用させることによって得られる糖化
液、2糖類(例えば、蔗糖、麦芽糖等)、単糖類(例え
ば、グルコース、フルクトース等)が利用できるが、特
に穀類または各種澱粉のアミラーゼ類などの糖化酵素を
作用させることによって得られる糖化液、2糖類、単糖
類の使用が好ましい。アミラーゼ類の糖化酵素の添加
は、酵母による培養を効率的にする上で重要であるが、
その種類や添加量は原料の組合せに応じて適宜選択する
ことができ、特に制限はない。また、糖液中に窒素源が
含まれない場合には、ペプトン、大豆蛋白加水分解物、
アンモニウム塩、アミノ酸等を適量添加するのが好まし
い。
【0013】次に、本発明の白髪防止剤に用いられる
母培養液または培養エキスの製造方法について説明す
る。まず、糖液つまり炭素源を3ないし30%に調製
し、必要に応じて窒素源を添加後、pHを4ないし7、
好ましくは4.5ないし5.5に調整する。この培地を
オートクレー等で加熱滅菌後、酵母の種菌を接種す
る。必要に応じて加熱滅菌の前または後にアミラーゼ類
による糖化を行う。培養は、20ないし45℃、好まし
くは25ないし35℃にて行い、バッチ培養の場合、5
ないし10日間程度の期間を要する。また、連続培養ま
たは流加培養による場合には、10ないし60日間程度
の期間培養を行うことにより有効成分濃度を高めること
ができる。このようにして製造した培養液中には、メラ
ニン生成抑制物質とメラニン生成亢進物質が混在するた
め、本発明の白髪防止及び毛髪保護を目的とする白髪防
止剤の有効成分を得るに当たってはメラニン生成抑制物
質を除く必要がある。
【0014】メラニン生成亢進物質を吸着させ溶出させ
る方法としては、メラニン生成亢進物質は、メラニン生
成抑制物質に比べて疎水性が高い物質であることから、
例えば、疎水性物質を吸着しやすい合成樹脂である「セ
パビーズSP−205」(三菱化学社製)を培養液に添
加し、吸着したメラニン生成亢進物質をエタノール等の
アルコール類で溶出させる方法が採用できるまた、カ
ラムクロマトグラフィーによる方法としては、例えば、
「シリカゲル60」(Merck社製)または「ダイヤ
イオンHP−20」(三菱化学社製)をガラスカラム等
に充填後、培養液を通過吸着させ、アセトニトリル0〜
50%濃度のグラディエントで吸着成分を溶出させ、ア
セトニトリル0〜20%で溶出されるメラニン生成抑制
物質は除き、アセトニトリル20〜50%で溶出されて
くるメラニン生成亢進物質を得る方法を採用できる
析によりメラニン生成亢進物質を得る方法としては、例
えば、硫酸アンモニウムを培養液に40〜50%添加
し、沈殿したメラニン生成抑制物質をろ過し、そのろ液
にさらに硫酸アンモニウム80%濃度になるように添加
し、メラニン生成亢進物質を沈殿させて得る方法を採用
できる膜分離による方法としては、例えば、逆浸透膜
「NTR7100」(日東電工社製)を用い、培養液を
膜分離し、透過液側にメラニン生成抑制物質を排出し、
濃縮液側にメラニン生成亢進物質を濃縮して得る方法を
採用できるこれらの中でも、特にアルコール類の添加
による方法、吸着剤を利用する方法及びカラムクロマト
グラフィーによる分別方法が目的の有効成分(メラニン
生成亢進物質)を効率的に得るうえで効果的である。
【0015】以上の様にして得られた本発明の酵母培養
液ないしは培養エキスは、白髪防止効果および毛髪保護
効果に優れており、皮膚に対し何ら傷害などのトラブル
を与えるものでなく安全性にも優れている。
【0016】本発明の白髪防止剤は、前述の有効成分を
頭髪施用上許容し得る公知の剤型に配合して製するもの
であり、その配合量は培養方法や配合する製剤の形態に
よって異なるが、通常、培養液または培養エキスをアル
コール処理した溶液の形で製剤中に0.05%ないし5
0重量%、好ましくは0.1%ないし20重量%程度配
合すると良い。
【0017】さらに、本発明の有効成分の他に通常に用
いられる種々の公知の有効成分、例えば、塩化カルプロ
ニウム、セファランチン、ビタミンE、ビタミンEニコ
チネート、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸
ベンジル、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキなど
の末梢血管拡張剤、カンフル、メントールなどの清涼
剤、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、ウンデシ
レン酸などの抗菌剤、塩化リゾチーム、グリチルリチ
ン、アラントインなどの消炎剤、センブリエキス、ニン
ニクエキス、ニンジンエキス、オウゴンエキス、ローズ
マリーエキス、アロエエキス、ヘチマ抽出物、イチョウ
抽出物、ニワトコ抽出物、胎盤抽出液、肝臓抽出物、乳
酸菌培養抽出物などの動物、植物、微生物由来の各種抽
出物などを自由に添加して使用することができる。本発
明の外用剤の公知の剤型とは、外用可能なあらゆる剤型
を意味し、例えばヘアークリーム、ヘアーエッセンス、
シャンプー、リンス、ヘアートニック、ヘアーリキッ
ド、ヘアースプレー、ヘアーフォームなどの頭髪適用剤
が例示できる。
【0018】また、前述の外用剤には公知の有効成分の
他に、本発明の目的を損なわない範囲で、界面活性剤、
油脂類などの基剤成分や必要に応じて公知の保湿剤、増
粘剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、散乱剤、キ
レート剤、pH調整剤、香料、着色剤など種々の添加剤
を適宜使用できることは言うまでもない。
【0019】保湿剤としては、例えば、グリセリン、プ
ロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソ
ルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、アミノ
酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム
等のNMF成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチ
ン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、フィブロネ
クチン、セラミド類、ヘパリン類似様物質、キトサン等
の水溶性高分子物質などを例示することができる。
【0020】増粘剤としては、例えば、アルギン酸ナト
リウム、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、マルメ
ロ種子抽出物、トラガントゴム、デンプン等の天然高分
子物質、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン、カ
チオン化セルロース等の半合成高分子物質、カルボキシ
ビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子
物質等を例示することができる。
【0021】防腐剤としては、例えば,安息香酸塩、サ
リチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキ
シ安息香酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’
−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリ
クロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチ
オール、レゾルシン、エタノール等を例示することがで
きる。
【0022】酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒ
ドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食
子酸プロピル、アスコルビン酸等を例示することができ
る。紫外線吸収剤としては、例えば4−メトキシベンゾ
フェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、
エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタ
ン、カオリン、タルク等を例示することができる。さら
に、キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四
酢酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸
塩、酒石酸、グルコン酸等を例示することができ、pH
調整剤としては、水酸化ナトリウム、リン酸水素カリウ
ム等をそれぞれ例示することができる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の製造例、その効果を説明す
るための試験例ならびに処方例を挙げるが、これらは本
発明の好適な技術を説明するためのものであって、本発
明の技術的範囲を限定するものではない。
【0024】<製造例1>グルコース1.4kg、大豆
蛋白質加水分解物80gに精製水18.52リットルを
加え、pHを5に調整後、120℃で15分間加熱殺菌
し、冷却後、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の種菌
をこれに接種し、30℃で10日間培養した。培養液を
メンブランフィルター(0.25μ)で除菌後、10倍
濃縮し濃縮液の5倍量のイソプロピルアルコールを徐々
に加え、5℃に一晩放置後生じた沈殿をろ別する。ろ液
を減圧濃縮機で10分の1量まで濃縮し有効成分約1k
gを得た。
【0025】<製造例2>蒸した麦800g、グルコー
ス400g、ペプトン40gに精製水18.76リット
ルを加え、pH5に調整後、120℃で15分間加熱殺
菌し冷却後、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の種菌
をこれに接種し、30℃で7日間培養した。培養液を遠
心分離し除菌後、10倍濃縮し濃縮液の5倍量のエタノ
ールを加え生じた沈殿をろ別する。ろ液を5倍濃縮し有
効成分約2kgを得た。
【0026】<製造例3>トウモロコシ種子1.6kg
に水18.4リットルを加え、煮沸膨潤後擦りつぶし、
40℃に保持しながらα−アミラーゼ及びグルコアミラ
ーゼを等量ずつ少量加え約2時間糖化した。この糖化液
をpH5に調整後、培養タンクに取り120℃で15分
間加熱殺菌し、冷却後、酵母(Saccharomyces cerevisi
ae)の種菌を接種し、30℃で培養液中のグルコース量
が0.5%以下になるまで約7日間培養した。培養液を
遠心分離により除菌後、合成樹脂セパビーズSP−20
5(三菱化成工業株式会社製)を5%添加後1時間撹拌
し、合成樹脂をろ別した。ろ別した合成樹脂に99%エ
タノールを使用した培養液の20分の1量加え有用性物
質を溶出させた後、ろ過し有効成分約1kgを得た。
【0027】<製造例4>グルコース1.2kg、ペプ
トン200gに0.1Mのリン酸緩衝液(pH5)1
8.6kgを加え、120℃で15分間加熱殺菌し冷却
後、酵母(Saccharomyces carlsbergensis)の種菌をこ
れに接種し、32℃で約8日間培養した。培養液を遠心
分離して除菌後、減圧濃縮機にて10倍濃縮し、濃縮液
の5倍量のエタノールを加え5℃に一晩放置後生じた沈
殿を遠心分離して除去した。上清を5分の1量まで濃縮
し有効成分約2kgを得た。
【0028】<製造例5>炊いた米1.2kg、肉汁2
00gに精製水18.6kgを加え、pH5に調整後1
20℃で10分間加熱殺菌し冷却後、マルターゼを少量
無菌的に加え糖化する。これに酵母(Saccharomyces ce
revisiae)の種菌を接種し、30℃で7日間培養した。
培養液をメンブランフィルターで除菌後、減圧濃縮機で
10倍濃縮し濃縮液の6倍量のエタノールを添加し5℃
まで冷却後生じた沈殿をろ別した。ろ液を5倍濃縮し有
効成分約2.5kgを得た。
【0029】次に、本発明の有効成分について、有用性
の試験を実施した結果を述べる。
【0030】<実験例1>マウスメラノーマB16細胞
によるメラニン生成亢進試験 [試験方法]マウスメラノーマB16細胞4×104
を10%牛胎児血清10mlを含んだイーグルMEM培
地に懸濁し、25cm2 培養用ルー瓶にて5%CO2
在下37℃で培養する。0日目及び3日目に供試試料
(表1に記載した添加量)を含む培地で交換し、5日間
培養する。細胞を0.8W/V食塩を含有するリン酸緩
衝液(pH7.2)で洗浄後、トリプシン及びEDTA
含有溶液を使用して剥離し、遠心により細胞を回収し、
回収された細胞のメラニン定量をIto法により行っ
た。 [供試試験]製造例1ないし製造例5で得たもの(本発
明)。製造例1のうち、イソプロピルアルコール処理の
操作を行なってないもの(比較例)。 [試験結果]結果は表1に示した。製造例1ないし5の
いずれにもコントロールに比べて明らかに強いメラニン
生成亢進作用が認められた。
【0031】
【0032】<実験例2> ヒトによる白髪防止試験 [試験方法]白髪の認められる35ないし60才の男7
名、女3名の被験者に本発明の酵母培養液を使用したヘ
アートニック(後述の処方例4)を1回約1.5ml、
1日2回(朝、夕)頭皮に塗擦した。塗擦前及び塗擦後
6ヶ月後における頭頂部の毛髪1000本当りの白髪の
本数を数えた。 [試験結果]次の表2の通りであった。
【0033】
【0034】<実験例3> 毛髪適用による使用効果試
本発明の酵母培養液を使用したヘアートニック(後述の
処方例3)を用いて使用効果試験を行った。試験は、5
0名の男性を各群25名ずつの2群にランダムに分けた
パネラーにより行った。第1群には処方例3のヘアート
ニック(本発明)を、第2群には処方例3の酵母培養液
のみを除いたヘアートニックを使用してもらった。この
2群のパネラーには、ヘアートニックを毎日朝と夜の2
回、頭部に適量を塗擦することを1ヶ月間続け、「毛髪
のしなやかさ、保湿」について有効性を評価してもら
い、使用前に比べてどのように改善されたかについて、
「著効」「有効」「やや有効」「変化なし」の4段階で
判定してもらった。結果を表3に示す。
【0035】 以上のように、本発明の培養液を有効成分としたヘアー
トニックは毛髪をしなやかにし、毛髪に保湿性を与える
毛髪保護効果にすぐれていた。
【0036】以下に本発明の処方例をあげる。なお、処
方例中、「適量」とは処方全体が100重量%になる量
を意味する。
【0037】 <処方例1> トリートメントオイル (重量%) 1.ホホバ油 20.0 2.酵母培養液(製造例1のもの) 5.0 3.香料 微量 4.スクワランを加えて、全量を100gとする。 製造方法 1ないし4を均一に撹拌し容器に充填して製品とする。
【0038】 <処方例2> ヘアークリーム (重量%) 1.ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(20 E.0. ) 2.00 2.テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(40 E.0.) 1.00 3.親油性モノステアリン酸グリセリン 2.00 4.サラシミツロウ 3.00 5.マイクロクリスタリンワックス 5.00 6.ベヘニルアルコール 1.30 7.流動パラフィン 20.00 8.オクタン酸セチル 10.00 9.酵母培養液(製造例2のもの) 5.00 10.パラオキシ安息香酸ブチル 0.10 11.パラオキシ安息香酸メチル 0.10 12.1,3ーブチレングリコール 5.00 13.精製水 適量 製造方法 A.1ないし10を均一に混合し、加温、溶解する。 B.11ないし13を加温、溶解する。 C.AにBを加え撹拌、乳化し、冷却する D.Cを冷却後、香料を微量加え撹拌、混合し、冷却し
て容器に充填し、検査後製品とする。
【0039】 <処方例3> ヘアートニック (重量%) 1.1,3ーブチレングリコール 3.00 2.イソプロピルメチルフェノール 0.05 3.エタノール 55.00 4.酵母培養液(製造例5のもの) 10.00 5.香料 微量 6.精製水 適量 製造方法 A.1ないし6を均一に撹拌する。 B.Aを冷却後、容器に充填し、検査後製品とする。 用法及び用量 適量を頭髪および頭皮に塗擦する。
【0040】 <処方例4> ヘアートニック (重量%) 1.酵母培養液(製造例3のもの) 5.0 2.95%エタノール 47.0 3.グリセリン 5.0 4.精製水 適量 製造方法 A.1ないし4を均一に撹拌する。 B.Aを冷却後、容器に充填し、検査後製品とする
【0041】 <処方例5> ヘアーシャンプー (重量%) 1.ビタミンB12 0.05 2.N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸 40.00 トリエタノールアミン(30%) 3.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.00 4.ポリオキシエチレンジオレイン酸メチル グルコシド(120 E.0.) 2.00 5.パラオキシ安息香酸エチル 0.30 6.酵母培養液 4.00 7.精製水 適量 製造方法 A.1ないし4を均一に撹拌、溶解する。 B.別に均一に加温溶解した5ないし7を徐々に加え、
均一に撹拌して検査後製品とした。
【0042】 <処方例6> ヘアーリンス (重量%) 1.セチルアルコール 5.00 2.流動パラフィン 5.00 3.ラノリン 1.00 4.イソプロピルミリステート 10.00 5.60%塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.00 6.ポリビニルアルコール 0.50 7.1,3−ブチレングリコール 5.00 8.酵母培養液(製造例4のもの) 6.00 9.精製水 適量 製造方法 A.1ないし4を均一に撹拌、溶解する。 B.5ないし9を加温、溶解する。 C.AにBを加え乳化、撹拌し、冷却する D.Cを冷却後、容器に充填し、検査後製品とした。
【0043】 <処方例7> ヘアーエッセンス (重量%) 1.エタノール 20.00 2.酵母培養液(製品例5のもの) 5.00 3.1%キトサン水溶液 20.00 4.精製水 適量 製造方法 A.1ないし4を加温溶解する。 B.Aを冷却後、容器に充填し、検査後製品とした。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、天然の糖液を原料と
し、これを酵母培養した溶液またはエキスを有効成分と
する白髪防止剤が提供される。この白髪防止剤は、天然
成分を原料とすることから、頭皮に対して刺激性がな
く、すぐれた白髪防止効果および毛髪保護効果を奏し得
るものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖液の酵母培養液または培養エキスから
    メラニン生成抑制物質を除去した成分を含有することを
    特徴とする白髪防止剤
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