JP3274269B2 - 食品の製造法 - Google Patents

食品の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品の製造法に関し、更
に詳しくは、 (1)水溶性多糖類含有物から水溶性多糖類を抽出し、
水溶性多糖類粉体を製造する工程において、抽出から乾
燥までの任意の段階において酸化系殺菌剤を添加するこ
とにより殺菌された水溶性多糖類粉体を含有することを
特徴とする食品の製造法。 (2)水溶性多糖類粉体を、該水溶性多糖類粉体が溶解
しない貧溶媒中に分散させ、実質的に該水溶性多糖類粉
体が溶解しない状態下で、酸化系殺菌剤と接触させて加
熱処理を施すことにより殺菌された水溶性多糖類粉体を
含有することを特徴とする食品の製造法。に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在は食の多様化により様々な食品が市
場に流通されている。これら食品の製造時における腐敗
防止技術即ち、殺菌・静菌技術として、種々の方法が工
夫され実用化されている。しかし、一般的には各種成分
を混合し、更に種々の加工処理を加え、最終製品を作り
上げる過程で熱を加えて殺菌するか、又は安息香酸、ソ
ルビン酸、デヒドロ酢酸等とその塩類等の保存料を添加
し腐敗を防止する方法がとられている。また、通常の粉
体の殺菌方法としては、エチレンオキサイド等のガスを
用いる方法、放射線を用いる方法、紫外線を用いる方
法、加熱による方法、高圧を利用する方法等が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、多様な食品の
中には、熱を加えて殺菌ができないものや、味覚等の面
から保存料を添加することが困難なものもあり、原料の
段階から無菌の状態にしておくことが必要な用途もあ
る。従来、水溶性多糖類粉体の殺菌はほとんど行われて
おらず、通常、一般細菌や高温性菌等がそれぞれ100
〜1000CFU/g程度含有されていた。このような
水溶性多糖類粉体の殺菌方法としては前記のような方法
があげられるが、エチレンオキサイド等のガスや放射線
を用いる方法では、安全性の点からその利用に制限があ
り、全ての粉体には使用することができないものであ
り、また、紫外線を用いる方法では、照射による殺菌効
果は生ずるが、粉体の場合には全体にムラなく紫外線を
照射することが困難である。更に、高圧を利用する方法
では設備が著しく大型化するとともに、処理能力が小さ
く生産性に劣るものである。このため、最適な水溶性多
糖類粉体の殺菌処理として、加熱による方法が挙げられ
るが、一般的には乾熱による殺菌よりも湿熱による殺菌
の方が殺菌効果の点で好ましいものである。しかし、水
溶性多糖類粉体の場合には、湿熱による殺菌では水溶性
多糖類粉体が溶解してしまい、粉体としての取り扱いが
困難になるという問題点を有している。かかる意味から
殺菌された水溶性多糖類粉体を使用した食品の製造法が
待望されていたにもかかわらず、従来満足のゆく技術は
なかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の現
状に鑑み鋭意検討した結果、 (1)水溶性多糖類含有物から水溶性多糖類を抽出し、
水溶性多糖類粉体を製造する工程において、抽出から乾
燥までの任意の段階において酸化系殺菌剤を添加するこ
とにより殺菌された水溶性多糖類粉体を含有することを
特徴とする食品の製造法。 (2)水溶性多糖類粉体を、該水溶性多糖類粉体が溶解
しない貧溶媒中に分散させ、実質的に該水溶性多糖類粉
体が溶解しない状態下で、酸化系殺菌剤と接触させて加
熱処理を施すことにより殺菌された水溶性多糖類粉体を
含有することを特徴とする食品の製造法。 を見いだし、本発明に至った。以下、本発明を詳細に説
明する。本発明で使用する殺菌された水溶性多糖類粉体
とは、 (1)水溶性多糖類含有物から水溶性多糖類を抽出し、
水溶性多糖類粉体を製造する工程において、抽出から乾
燥までの任意の段階において酸化系殺菌剤を添加するこ
とにより殺菌された水溶性多糖類粉体。 (2)水溶性多糖類粉体を、該水溶性多糖類粉体が溶解
しない貧溶媒中に分散させ、実質的に該水溶性多糖類粉
体が溶解しない状態下で、酸化系殺菌剤と接触させて加
熱処理を施すことにより殺菌された水溶性多糖類粉体。
である。
【0005】本発明の水溶性多糖類とは、寒天、アルギ
ン酸及びその塩類、カラギナン、ファーセレラン等の海
藻から抽出された海藻多糖類、グアガム、ローカストビ
ーンガム等の種子から抽出された種子多糖類、アラビア
ガム、カラヤガム、トラガントガム等の樹脂浸出物、ア
ラビノガラクタン、ペクチン等の植物から抽出された植
物抽出物、更にはキサンタンガム等の醗酵ガム、馬鈴薯
澱粉、コーンスターチ等の澱粉質等が挙げられる。これ
ら水溶性多糖類粉体は、通常の抽出、精製等の方法によ
って製造することができる。例えば、カラギナンの場合
には、ユーキューマ・スピノサム、ユーキューマ・コト
ニ、ギガルティーナ・ステラタ等の紅藻類を原料とし、
例えば次のような製造方法によって製造されるものであ
る。まず、原料である紅藻類を水洗し、必要に応じて、
塩酸、硫酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の無機酸あ
るいは有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム等のアルカリで前処理を行った後、pH
8〜10程度の中性ないしは弱アルカリ性の水に浸漬し
て50〜100℃程度の温度で1〜8時間程度加熱を行
い抽出する。次いで、抽出液に珪藻土等の濾過助剤を添
加して濾過を行った後、濾液をゲルプレス法、ドラム乾
燥法あるいはアルコール沈澱法等の方法により脱水し、
乾燥することによって得られる。また、必要に応じて、
得られたカラギナン粉体を、衝撃粉砕法、剪断法、摩擦
法等の粉砕法によって微粉砕することもできる。
【0006】本発明の殺菌された水溶性多糖類粉体は水
溶性多糖類粉体の製造過程において、水溶性多糖類に酸
化系殺菌剤を用いて殺菌処理を施すことによって製造さ
れる。殺菌処理に使用される酸化系殺菌剤としては、例
えば、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、サラシ粉等
があげられる。これら酸化系殺菌剤は、水溶性多糖類に
対して50〜5000ppmの範囲で添加することが好
ましい。これは、酸化系殺菌剤の添加量が50ppm未
満であると十分な殺菌効果が得られない傾向にあり、逆
に、5000ppmを越えると水溶性多糖類が酸化分解
を起こし物性が低下する傾向にあるためである。酸化系
殺菌剤による水溶性多糖類の殺菌処理は、水溶性多糖類
の抽出、精製等の工程中に行ってもよいし、抽出、精製
等の方法によって得られた水溶性多糖類粉体に施しても
よい。水溶性多糖類の抽出、精製等の工程中に殺菌処理
を施す場合には、原料である水溶性多糖類含有物の抽出
から乾燥までの、任意の段階で酸化系殺菌剤を系内に添
加することによって行われる。例えば、水溶性多糖類を
含有する原料物質から水溶性多糖類を抽出する抽出工程
で酸化系殺菌剤を添加する方法、抽出液を濾過する濾過
工程で酸化系殺菌剤を添加する方法、濾液を脱水する脱
水工程で酸化系殺菌剤を添加する方法等が挙げられる。
これらの工程での酸化系殺菌剤の添加は、各工程の前あ
るいは後のいずれでもよいし、各工程の前後で必要量の
酸化系殺菌剤を分割して添加してもよい。また、2つ以
上の工程で必要量の酸化系殺菌剤を分割して添加しても
よい。水溶性多糖類の殺菌は、水溶性多糖類を酸化系殺
菌剤を接触させた状態で加熱処理を行うことによって達
成されるが、上記のように工程中で系内に酸化系殺菌剤
を添加する場合には、酸化系殺菌剤を添加する工程ある
いはその後の工程で加熱が行われるため、実質的に水溶
性多糖類を酸化系殺菌剤を接触させた状態で加熱処理が
施され水溶性多糖類の殺菌が行われることになる。な
お、本発明においては、濾液を脱水する脱水工程で酸化
系殺菌剤を添加することが好ましく、例えば、脱水工程
がアルコール沈殿法によって行われる場合には、使用す
るアルコールと同時に酸化系殺菌剤の添加を行ってもよ
いし、アルコールの添加前あるいは後に添加してもよ
く、水溶性多糖類の沈澱が生じた後で添加してもよい。
【0007】通常の抽出、精製等の方法によって得られ
た水溶性多糖類粉体に殺菌処理を施す場合には、まず、
水溶性多糖類粉体が溶解しない貧溶媒中に分散させスラ
リー状とする。水溶性多糖類粉体が溶解しない貧溶媒と
しては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類等、水溶性多糖類粉体が溶解しない水混和性の
ものであれば何れでも良いが、食品等への使用を考慮す
るとエタノール、イソプロパノールが好ましい。これら
貧溶媒には、水溶性多糖類粉体が溶解しない範囲、例え
ば1〜50重量%の範囲で水を添加して、水溶液とする
こともできる。貧溶媒と水溶性多糖類粉体との混合比率
は、重量比で、水溶性多糖類粉体1に対して貧溶媒0.
5〜5であることが好ましい。これは貧溶媒が5倍を越
えて混合されると溶媒の除去や回収に手間等がかかり生
産性に劣るためであり、逆に0.5%未満であると均一
なスラリー化が困難となり、水溶性多糖類粉体の殺菌に
ムラが生じて均一な殺菌ができない傾向にあるためであ
る。次いで、実質的に水溶性多糖類粉体が溶解していな
い状態で、水溶性多糖類粉体が貧溶媒中に分散されスラ
リー化された中に酸化系殺菌剤を添加し、酸化系殺菌剤
の添加後に加熱して殺菌を行う。加熱は、酸化系殺菌剤
を添加したスラリー系全体の温度を上げる方法で行われ
る。この時、加熱温度は50〜95℃の範囲であること
が好ましい。これは50℃未満であると殺菌に長時間を
要するため生産性に劣る傾向にあり、逆に、95℃を越
えると水溶性多糖類粉体の品質劣化を招く傾向にあるた
めである。また、加熱時間は30分〜5時間程度とする
ことが好ましい。これは、加熱時間が30分未満では十
分な殺菌効果が得られない傾向にあるためであり、逆
に、5時間を越えると水溶性多糖類粉体の品質劣化を招
く傾向にあるためである。加熱処理は、できるだけ均一
にに行うことが好ましく、攪拌等を行いながら処理する
ことが好ましい。
【0008】加熱処理を行った後に、貧溶媒を除去して
水溶性多糖類粉体を取り出すことになるが、貧溶媒の除
去方法としては、そのまま加熱して乾燥させても良いし
また、減圧にして乾燥させても良くまた、濾過後乾燥し
ても良く、その方法は問わない。通常、水溶性多糖類粉
体には一般細菌、カビ・酵母等の真菌類、中温性、高温
性の好気性・嫌気性耐熱性菌の栄養細胞及び芽胞などの
細菌類が多数存在している。したがってこれらの水溶性
多糖類粉体を食品に使用して製造を行った場合、食品中
にこれらの細菌類が移行・残存した場合食品の変敗を速
め、品質の低下をまねく。ところが本発明による殺菌さ
れた水溶性多糖類粉体を添加することを特徴とする食品
の製造法によれば、殺菌された水溶性多糖類粉体は上記
の細菌類が殺菌されているためこのものを使用した食品
は細菌汚染のない、保存性が良好で品質の良い製品を製
造することが可能である。本発明において菌類とは、2
0〜37℃程度の中温域で増殖するBacillus
属、Clostridium属、Pseudomona
s属、Salmonella属、Streptococ
cus属、Staphylococcus属、Micr
ococcus属、Leuconostoc属、Lac
tobacillus属、Escherichia属等
の栄養細胞等の一般細菌、これら一般細菌の中のB.s
ubtilis、B.cereus、B.circul
ans、B.coagulans、B.polymyx
a、B.megaterium等の芽胞形成菌である中
温性耐熱性芽胞菌、45〜70℃程度の高温域で増殖す
るB.stearothermophilus、C.t
hermosaccharolyticum、C.th
ermoaceticum、C.thermohydr
osulfuricum、Desulfotomacu
lum nigrificans等の芽胞形成菌である
高温性耐熱性芽胞菌、Saccharomyces属、
Zygosaccharomyces属、Hansen
ula属、Candida属等の酵母、Penicil
lum属、Aspergillus属、Cladosp
orium属、Rizopus属等のカビ類等が挙げら
れる。
【0009】なお、上記高温性耐熱性芽胞菌において、
好気的高温下で増殖するB.stearothermo
philus等の芽胞形成菌の芽胞を好気性高温性菌、
嫌気性高温下で増殖するC.thermosaccha
rolyticum等の芽胞形成菌の芽胞を嫌気性高温
性菌、嫌気性高温下で増殖し亜硫酸塩及び/又はチオ硫
酸塩を還元し硫化水素を産生するC.thermoac
eticum、C.thermohydrosulfu
ricum、Desulfotomaculum ni
grificans等の芽胞形成菌の芽胞を硫化黒変菌
という。本発明の対象となる食品は、プリン、ゼリー、
ヨーグルト、アイスクリーム、ソフトクリーム、アイス
キャンディー、かき氷、ババロア、水羊羮、ムース、ホ
イップクリーム等の菓子類、サラダ、和え物、八宝菜、
酢豚等の惣菜類、キムチ等の漬物類、ソース、ドレッシ
ング、マヨネーズ、ミートソース、ホワイトソース、デ
ミグラソース、タレ、あんかけアン等のソース類、しる
こ、ぜんざい、甘酒、味噌汁、茶碗蒸し、ミルクセー
キ、紅茶、緑茶、ココア、コーヒー、果汁、栄養補強ド
リンク、スープ類等の飲料類、又は前記の飲料類に乳成
分を含有させた乳成分入り飲料類、及び/又は、これら
の密封容器入り飲料類、カニ、サケ、アサリ、マグロ、
イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、
イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコ
ブシ等の水産物、アスパラガス、コーン、グリーンピー
ス、山菜、レンコン、インゲン、ナメコ、タケノコ、ダ
イズ、マッシュルーム、トマト、ニンジン、コボウ、フ
キ、ホウレンソウ、カリフラワー、ジャガイモ、サトイ
モ等の野菜、ミカン、パイナップル、モモ、リンゴ、ギ
ンナン、アズキ、チェリー、ビワ、ブドウ、ナシ、アン
ズ、クリ、グレープフルーツ等の果物及びジャム、ハ
ム、ソーセージ、ベーコン等の肉類(牛、豚、鳥、羊、
馬、鹿、鯨、猪)、かまぼこ等練り製品、カレー、シチ
ュー、デミグラソース、ミートソース、クリームソー
ス、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな
丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミー
トソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマ
イ、ハンバーグ、ミートボール等密封容器入り加熱殺菌
食品などが挙げられる。食品の製造法としては、特に限
定するものではないが、本発明の殺菌された水溶性多糖
類粉体を食品に直接添加してもよく、また、他の副原料
と混合して食品に添加してもよい。すなわち、本発明の
殺菌された水溶性多糖類粉体が目的とする食品に含有さ
れればよい。以下、本発明の実施例を用い、その詳細を
明示する。尚、本実施例は本発明をなんら限定するもの
ではない。
【0010】
【実施例】
実施例1 一般細菌1000個/gを含むローカストビーンガム粉
体20gに、60%のエタノール水溶液40mlと次亜
塩素酸ナトリウム800ppm(対ローカストビーンガ
ム粉体)を添加して、60℃にて5時間保持した。その
後加熱しながら乾燥し、殺菌ローカストビーンガム粉体
を取り出した。処理後の一般生菌は検出されなかった。
(標準寒天培地、平板希釈法、37℃、48時間) 実施例2 未殺菌のローカストビーンガム粉体及び実施例1の殺菌
ローカストビーンガム粉体をそれぞれ1%使用して常法
にてコーヒーゼリーを調整した。このコーヒーゼリーを
20℃に3日間保存後、菌検査を行ったところ、未殺菌
のローカストビーンガム粉体を使用したものは105
/g以上であったが、実施例1の殺菌ローカストビーン
ガム粉体を使用したものは、1.2×103 個/gであ
った。 実施例3 中温性耐熱性芽胞菌100個/gを含むグアーガム粉体
20gに、80%のイソプロピルアルコール水溶液20
mlと過酸化水素300ppm(対グアーガム粉体)を
添加して、95℃にて1時間保持した。その後減圧しな
がら乾燥し、殺菌グアーガム粉体を取り出した。処理後
の中温性耐熱性芽胞菌は検出されなかった。(標準寒天
培地、平板希釈法、37℃、48時間) 実施例4 未殺菌のグアーガム粉体及び実施例3の殺菌グアーガム
粉体をそれぞれ0.5%使用して常法にて豚カツ・ソー
スを調製した。この豚カツ・ソースを30℃に2日間保
存後、菌検査を行ったところ、未殺菌のグアーガム粉体
を使用したものは105 個/g以上であったが、実施例
1の殺菌グアーガム粉体を使用したものは、100個/
g以下であった。 実施例5 好気性高温性菌100個/gを含むファーセレラン粉体
20gに、70%のエタノール水溶液20mlと次亜塩
素酸ナトリウム3000ppm(対ファーセレラン粉
体)を添加し、95℃にて1時間保持した。その後減圧
しながら乾燥し、殺菌カラギナン粉体を取り出した。処
理後の好気性高温性菌は検出されなかった。(デキスト
ロース・トリプトン培地、平板希釈法、55℃、48時
間)
【0011】実施例6 未殺菌のファーセレラン粉体及び実施例5の殺菌ファー
セレラン粉体をそれぞれ1%使用して常法にてホワイト
・ソースを調整しレトルトパウチに充填し115℃で1
5分間殺菌した。このホワイト・ソースを37℃に5日
間保存後、菌検査を行ったところ、未殺菌のファーセレ
ラン粉体粉体を使用したものは105 個/g以上であっ
たが、実施例1の殺菌ファーセレラン粉体を使用したも
のは、100個/g以下であった。 実施例7 硫化黒変菌100個/gを含むカラギナン粉体20g
に、90%のエタノール水溶液20mlと次亜塩素酸ナ
トリウム3000ppm(対カラギナン粉体)を添加
し、95℃にて1時間保持した。その後減圧しながら乾
燥し、殺菌カラギナン粉体を取り出した。処理後の硫化
黒変菌は検出されなかった。(鉄サルファィト培地、ア
ナエロビックパウチ法、60℃、7日間) 実施例8 未殺菌のカラギナン粉体及び実施例7の殺菌カラギナン
粉体をそれぞれ0.05%使用して常法にてミルクコー
ヒーを調整し缶に充填し121℃で20分間殺菌した。
この缶コーヒーを55℃に14日間保存後、菌検査を行
ったところ、未殺菌のカラギナン粉体を使用したものは
105 個/g以上であったが、実施例1の殺菌カラギナ
ン粉体を使用したものは、100個/g以下であった。
【0012】
【発明の効果】実施例より明らかなように、本発明の食
品の製造法によれば、 (1)水溶性多糖類含有物から水溶性多糖類を抽出し、
水溶性多糖類粉体を製造する工程において、抽出から乾
燥までの任意の段階において酸化系殺菌剤を添加するこ
とにより殺菌された水溶性多糖類粉体。 (2)水溶性多糖類粉体を、該水溶性多糖類粉体が溶解
しない貧溶媒中に分散させ、実質的に該水溶性多糖類粉
体が溶解しない状態下で、酸化系殺菌剤と接触させて加
熱処理を施すことにより殺菌された水溶性多糖類粉体。
を添加することにより、細菌汚染のない、保存性が良好
で品質の良い食品を製造することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/06 A23L 2/00 N 1/39 1/04 審査官 深草 亜子 (56)参考文献 特開 平5−276911(JP,A) 菰田太郎他著,食品添加物とその使い 方,日本,株式会社南山堂,1963年 8 月20日,p.114−115 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/04 - 1/09 A23L 1/00 - 1/035 A23L 3/00 - 3/3598

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性多糖類粉体を、該水溶性多糖類粉
    体が溶解しない貧溶媒中に分散させ、実質的に該水溶性
    多糖類粉体が溶解しない状態下で、酸化系殺菌剤と接触
    させて加熱処理を施すことにより殺菌された水溶性多糖
    類粉体を用いることを特徴とする食品の製造法。
  2. 【請求項2】 水溶性多糖類粉体を、該水溶性多糖類粉
    体が溶解しない貧溶媒中に分散させ、実質的に該水溶性
    多糖類粉体が溶解しない状態下で、酸化系殺菌剤と接触
    させて加熱処理を施すことにより、嫌気性高温下で増殖
    する芽胞形成菌が、殺菌された水溶性多糖類粉体を用い
    ることを特徴とする食品の製造法。
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