JP3274161B2 - 歯科用接着方法 - Google Patents
歯科用接着方法Info
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- JP3274161B2 JP3274161B2 JP35044691A JP35044691A JP3274161B2 JP 3274161 B2 JP3274161 B2 JP 3274161B2 JP 35044691 A JP35044691 A JP 35044691A JP 35044691 A JP35044691 A JP 35044691A JP 3274161 B2 JP3274161 B2 JP 3274161B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め形成された合成樹
脂製歯冠色補綴物をグラスアイオノマーセメントにて歯
質に接着可能なものとするために、合成樹脂製歯冠色補
綴物とグラスアイオノマーセメントを接着させるために
特定の前処理材を使用することを特徴とする歯科用接着
方法に関するものである。
脂製歯冠色補綴物をグラスアイオノマーセメントにて歯
質に接着可能なものとするために、合成樹脂製歯冠色補
綴物とグラスアイオノマーセメントを接着させるために
特定の前処理材を使用することを特徴とする歯科用接着
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、患者の審美的要求の高まりから金
属製補綴物に代わり合成樹脂製等の歯冠色補綴物が好ま
れる傾向にある。一方、口腔内に補綴物を接着する際に
用いられるグラスアイオノマーセメントは、歯質象牙質
に対する接着性,安全性,フッ素イオンの徐放性等から
臨床に於ける安全性が高く評価されているが、上記の合
成樹脂に対して殆んど接着性を有さないので、これ等の
合成樹脂製補綴物をグラスアイオノマーセメントによっ
て接着すると合成樹脂製補綴物の脱落の危険性があっ
た。現在、合成樹脂製歯冠色補綴物を歯質に接着させる
ためには、合成樹脂製セメントが市販されている。しか
し歯質との接着に歯科用合成樹脂製セメントを用いるこ
とによる臨床応用上の幾つかの問題が存在する。つまり
この合成樹脂製セメントは未だ歯質象牙質との接着強さ
が充分でなく、象牙質と合成樹脂製セメント間の微少間
隙の存在が報告されている点や、有髄歯に用いた場合に
往々にして接着後に咬合痛や歯髄炎などの為害作用が発
生していた点などの問題があるため象牙質の裏層処置を
完全にする必要がある。また歯面処理の操作が複雑で簡
便でない点などが問題として残されている。
属製補綴物に代わり合成樹脂製等の歯冠色補綴物が好ま
れる傾向にある。一方、口腔内に補綴物を接着する際に
用いられるグラスアイオノマーセメントは、歯質象牙質
に対する接着性,安全性,フッ素イオンの徐放性等から
臨床に於ける安全性が高く評価されているが、上記の合
成樹脂に対して殆んど接着性を有さないので、これ等の
合成樹脂製補綴物をグラスアイオノマーセメントによっ
て接着すると合成樹脂製補綴物の脱落の危険性があっ
た。現在、合成樹脂製歯冠色補綴物を歯質に接着させる
ためには、合成樹脂製セメントが市販されている。しか
し歯質との接着に歯科用合成樹脂製セメントを用いるこ
とによる臨床応用上の幾つかの問題が存在する。つまり
この合成樹脂製セメントは未だ歯質象牙質との接着強さ
が充分でなく、象牙質と合成樹脂製セメント間の微少間
隙の存在が報告されている点や、有髄歯に用いた場合に
往々にして接着後に咬合痛や歯髄炎などの為害作用が発
生していた点などの問題があるため象牙質の裏層処置を
完全にする必要がある。また歯面処理の操作が複雑で簡
便でない点などが問題として残されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はこれ等の
点に鑑み鋭意研究の結果、合成樹脂製歯冠色補綴物に対
して接着性の無いグラスアイオノマーセメントと合成樹
脂製歯冠色補綴物とを接着させるために、これ等の間に
前処理材を使用する接着方法を見い出し本発明を完成す
るに至ったのである。つまり本発明に係る接着方法を用
いると、即ち合成樹脂製歯冠色補綴物を本発明の前処理
材によって処理した後、グラスアイオノマーセメントに
よって合成樹脂製歯冠色補綴物を歯質へ接着させるので
安全性と接着性に於いて理想的で簡便な歯科修復が可能
になったのである。
点に鑑み鋭意研究の結果、合成樹脂製歯冠色補綴物に対
して接着性の無いグラスアイオノマーセメントと合成樹
脂製歯冠色補綴物とを接着させるために、これ等の間に
前処理材を使用する接着方法を見い出し本発明を完成す
るに至ったのである。つまり本発明に係る接着方法を用
いると、即ち合成樹脂製歯冠色補綴物を本発明の前処理
材によって処理した後、グラスアイオノマーセメントに
よって合成樹脂製歯冠色補綴物を歯質へ接着させるので
安全性と接着性に於いて理想的で簡便な歯科修復が可能
になったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は合成樹脂製
歯冠色補綴物とグラスアイオノマーセメントとを接着さ
せる材料を考えた場合、その成分として合成樹脂製歯冠
色補綴物と接着性を示す成分とグラスアイオノマーセメ
ント中のカルボン酸基と反応可能な成分とを考慮する必
要があると考えた。
歯冠色補綴物とグラスアイオノマーセメントとを接着さ
せる材料を考えた場合、その成分として合成樹脂製歯冠
色補綴物と接着性を示す成分とグラスアイオノマーセメ
ント中のカルボン酸基と反応可能な成分とを考慮する必
要があると考えた。
【0005】つまり前処理材の成分としてグラスアイオ
ノマーセメントとの接着を意図して有機チタネート化合
物を使用すると特異的にグラスアイオノマーセメントと
の接着性が得られることが判明したのである。有機チタ
ネート化合物を含む歯科用接着剤の発明として特公昭63
-40406号公報,特公昭63-48915号公報があるが、本発明
の意図するグラスアイオノマーセメントとの接着に関し
ては記述が無く、歯質象牙質への接着に関するものであ
り従来の技術で述べたように合成樹脂製セメントの範疇
であり為害作用の点で問題の有る接着剤である。また、
接着剤中にカルボン酸基を含み同時に重合開始剤が含ま
れており、保存性にも問題がある。
ノマーセメントとの接着を意図して有機チタネート化合
物を使用すると特異的にグラスアイオノマーセメントと
の接着性が得られることが判明したのである。有機チタ
ネート化合物を含む歯科用接着剤の発明として特公昭63
-40406号公報,特公昭63-48915号公報があるが、本発明
の意図するグラスアイオノマーセメントとの接着に関し
ては記述が無く、歯質象牙質への接着に関するものであ
り従来の技術で述べたように合成樹脂製セメントの範疇
であり為害作用の点で問題の有る接着剤である。また、
接着剤中にカルボン酸基を含み同時に重合開始剤が含ま
れており、保存性にも問題がある。
【0006】しかるに本発明は、 (A)少なくとも1個の不飽和二重結合を有するメタクリ
レートまたはアクリレート (B)上記(A)少なくとも1個の不飽和二重結合を有する
メタクリレートまたはア クリレートに対して0.1〜20.0
重量%の有機チタネート化合物 (C)重合開始剤 とから成る前処理材を予め形成された合成樹脂性歯冠色
補綴物に塗布して重合させた後、グラスアイオノマーセ
メントを接触させ硬化させることにより合成樹脂製歯冠
色補綴物とグラスアイオノマーセメントとを接着させる
ことが可能であることが判明した。また本発明の前処理
材は保存性,操作性を考慮して必要に応じ1液型,2液
型,3液型,粉液型,ペースト型とする事ができる。
レートまたはアクリレート (B)上記(A)少なくとも1個の不飽和二重結合を有する
メタクリレートまたはア クリレートに対して0.1〜20.0
重量%の有機チタネート化合物 (C)重合開始剤 とから成る前処理材を予め形成された合成樹脂性歯冠色
補綴物に塗布して重合させた後、グラスアイオノマーセ
メントを接触させ硬化させることにより合成樹脂製歯冠
色補綴物とグラスアイオノマーセメントとを接着させる
ことが可能であることが判明した。また本発明の前処理
材は保存性,操作性を考慮して必要に応じ1液型,2液
型,3液型,粉液型,ペースト型とする事ができる。
【0007】次にそれぞれの成分毎に具体的に説明す
る。先ず (A)少なくとも1個の不飽和二重結合を有するメタクリ
レートまたはアクリレートとして具体的に表わすと、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロ
ピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒド
ロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、2−メトキシエチルメタクリレート、2ーエチルヘ
キシルメタクリレート、2,2−ビス(メタクリロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロ
キシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシ
プロポキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレ
ングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタク
リレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエ
タントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメ
タクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びこ
れ等のアクリレート、また分子中にウレタン結合を有す
るメタクリレート及びアクリレート等がある。特にウレ
タン結合を有するものの中では、ジ−2−メタクリロキ
シエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカ
ルバメート及びこれのアクリレート、また下記構造式で
示される
る。先ず (A)少なくとも1個の不飽和二重結合を有するメタクリ
レートまたはアクリレートとして具体的に表わすと、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロ
ピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒド
ロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、2−メトキシエチルメタクリレート、2ーエチルヘ
キシルメタクリレート、2,2−ビス(メタクリロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロ
キシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシ
プロポキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレ
ングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタク
リレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエ
タントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメ
タクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びこ
れ等のアクリレート、また分子中にウレタン結合を有す
るメタクリレート及びアクリレート等がある。特にウレ
タン結合を有するものの中では、ジ−2−メタクリロキ
シエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカ
ルバメート及びこれのアクリレート、また下記構造式で
示される
【0008】
【化1】
【0009】但し上記式中、Rは同種または異種のHま
たはCH3で、−(A)−は−(CH2)6−,
たはCH3で、−(A)−は−(CH2)6−,
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】が好適である。これ等のメタクリレート及
びアクリレートは歯科用材料としては公知のものである
ので必要に応じて単独で、或いは混合して使用すれば良
い。
びアクリレートは歯科用材料としては公知のものである
ので必要に応じて単独で、或いは混合して使用すれば良
い。
【0013】(B)有機チタネート化合物としては、テト
ライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネ
ート、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、
テトラステアリルチタネート、ジイソプロポキシ・ビス
(アセチルアセトン)チタネート、ジヒドロキシ・ビス
(ラクティクアシッド)チタネート、テトラオクチレン
グリコールチタネート、トリ−n−ブトキシモノステア
リルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニ
ルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチ
ルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テト
ラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオ
クチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネー
ト、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチ
タネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネートなどが単独で、或いは混合して使用して
も良く、上記チタネートのポリマー等を用いても良い。
これ等の有機チタネートの使用量は上記(A)少なくとも
1個の不飽和二重結合を有するメタクリレートまた はア
クリレートに対して0.1〜20.0重量%である。
ライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネ
ート、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、
テトラステアリルチタネート、ジイソプロポキシ・ビス
(アセチルアセトン)チタネート、ジヒドロキシ・ビス
(ラクティクアシッド)チタネート、テトラオクチレン
グリコールチタネート、トリ−n−ブトキシモノステア
リルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニ
ルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチ
ルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テト
ラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオ
クチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネー
ト、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチ
タネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネートなどが単独で、或いは混合して使用して
も良く、上記チタネートのポリマー等を用いても良い。
これ等の有機チタネートの使用量は上記(A)少なくとも
1個の不飽和二重結合を有するメタクリレートまた はア
クリレートに対して0.1〜20.0重量%である。
【0014】次に、 (C)重合開始剤としては以上述べたラジカル重合性モノ
マー群を重合せしめ合成樹脂製歯冠色補綴物とグラスア
イオノマーセメントの界面にポリマー層を形成させるこ
とが可能なものならば、一般的な重合触媒が何れも使用
可能である。これ等の選択はこのポリマー層をどのよう
な方法によって形成するかによって決定される。
マー群を重合せしめ合成樹脂製歯冠色補綴物とグラスア
イオノマーセメントの界面にポリマー層を形成させるこ
とが可能なものならば、一般的な重合触媒が何れも使用
可能である。これ等の選択はこのポリマー層をどのよう
な方法によって形成するかによって決定される。
【0015】例を挙げると常温重合によるならばベンゾ
イルパーオキサイドとN−フェニルグリシン,ベンゾイ
ルパーオキサイドとp−トルエンスルフィン酸ソーダ,
ベンゾイルパーオキサイドとベンゼンスルフィン酸ソー
ダ,ベンゾイルパーオキサイドとp−トルエンスルフィ
ン酸ソーダ若しくはベンゼンスルフィン酸ソーダと芳香
族3級アミン,過硫酸カリと芳香族3級アミン,過硫酸
ソーダと芳香族3級アミンなどがある。
イルパーオキサイドとN−フェニルグリシン,ベンゾイ
ルパーオキサイドとp−トルエンスルフィン酸ソーダ,
ベンゾイルパーオキサイドとベンゼンスルフィン酸ソー
ダ,ベンゾイルパーオキサイドとp−トルエンスルフィ
ン酸ソーダ若しくはベンゼンスルフィン酸ソーダと芳香
族3級アミン,過硫酸カリと芳香族3級アミン,過硫酸
ソーダと芳香族3級アミンなどがある。
【0016】熱重合によるならば必ずしも重合開始剤は
添加しなくとも良いが、重合を促進するものとしてベン
ゾイルパーオキサイド,アゾビスイソブチロニトリル等
の添加が望ましい。
添加しなくとも良いが、重合を促進するものとしてベン
ゾイルパーオキサイド,アゾビスイソブチロニトリル等
の添加が望ましい。
【0017】他に、光重合開始剤としては増感剤と還元
剤の組合わせが一般に用いられる。増感剤には、カンフ
ァーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチル
ケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2
−メトキシエチル)ケタール、4,4′−ジメチルベン
ジル−ジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロ
アントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−
ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノ
ン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキ
ノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2
−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサン
トン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,
4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−
トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−
10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキサイ
ド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ
ーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフ
ェニル)ケトン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾ
フェノン、アジド基を含む化合物などがあり単独若しく
は混合しても使用できる。
剤の組合わせが一般に用いられる。増感剤には、カンフ
ァーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチル
ケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2
−メトキシエチル)ケタール、4,4′−ジメチルベン
ジル−ジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロ
アントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−
ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノ
ン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキ
ノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2
−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサン
トン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,
4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−
トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−
10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキサイ
ド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ
ーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフ
ェニル)ケトン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾ
フェノン、アジド基を含む化合物などがあり単独若しく
は混合しても使用できる。
【0018】還元剤としては3級アミン等が一般に使用
される。3級アミンとしては、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、トリエタノールアミン、4−ジメチルア
ミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルが好まし
い。また他の還元剤としてベンゾイルパーオキサイド、
スルフィン酸ソーダ誘導体、有機金属化合物等が挙げら
れる。
される。3級アミンとしては、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、トリエタノールアミン、4−ジメチルア
ミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルが好まし
い。また他の還元剤としてベンゾイルパーオキサイド、
スルフィン酸ソーダ誘導体、有機金属化合物等が挙げら
れる。
【0019】このようにして得られる光重合型の前処理
材は紫外線または可視光線などの活性光線を照射するこ
とにより重合反応が達せられる。光源としては超高圧、
高圧、中圧及び低圧の各種水銀灯、ケミカルランプ、カ
ーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、
タングステンランプ、キセノンランプ、アルゴンイオン
レーザーなどを使用することも出来る。
材は紫外線または可視光線などの活性光線を照射するこ
とにより重合反応が達せられる。光源としては超高圧、
高圧、中圧及び低圧の各種水銀灯、ケミカルランプ、カ
ーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、
タングステンランプ、キセノンランプ、アルゴンイオン
レーザーなどを使用することも出来る。
【0020】以上、記述した重合開始剤は歯科用として
は公知の物であり必要に応じて単独若しくは混合しても
使用出来る。また、内容成分に揮発性溶剤を含むタイプ
も考えられるが、揮発性溶剤としては、本発明の前処理
材を溶解出来るものならば総べて使用できる。例えば、
水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、セロソルブ、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
クロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロル
エチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等である。これ等は、前処理材全量に対して98重量%
以内の範囲で加えられるのが好ましい。
は公知の物であり必要に応じて単独若しくは混合しても
使用出来る。また、内容成分に揮発性溶剤を含むタイプ
も考えられるが、揮発性溶剤としては、本発明の前処理
材を溶解出来るものならば総べて使用できる。例えば、
水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、セロソルブ、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
クロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロル
エチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等である。これ等は、前処理材全量に対して98重量%
以内の範囲で加えられるのが好ましい。
【0021】また、充填材も含むことが出来る。充填材
としては、無機、有機或いは有機と無機の複合でも良
く、例えば石英粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、カオ
リン、タルク、亜鉛華、炭酸カルシウム、アルミノシリ
ケートガラス、バリウムアルミノシリケートガラス、ス
トロンチウムガラス、酸化チタン、ホウケイ酸ガラス、
コロイダルシリカ粉末、コロイダルシリカをポリマーで
固めて粉砕した有機複合フィラー等がある。また有機の
充填材としては、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル
共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル等があり、或
いはこれ等ポリマー粉と前記無機粉末とを混合して用い
ることも出来る。前記無機充填材は充填材とバインダー
レジンとの混合を行なう前に、充填材とバインダーレジ
ンとの両方に反応することの出来る一般にシランカップ
リング剤を用いる。シランカップリング剤としては、r
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが多く使
用される。これの充填材は前処理材全量に対して85重量
%以内の範囲で加えられるのが好ましい。
としては、無機、有機或いは有機と無機の複合でも良
く、例えば石英粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、カオ
リン、タルク、亜鉛華、炭酸カルシウム、アルミノシリ
ケートガラス、バリウムアルミノシリケートガラス、ス
トロンチウムガラス、酸化チタン、ホウケイ酸ガラス、
コロイダルシリカ粉末、コロイダルシリカをポリマーで
固めて粉砕した有機複合フィラー等がある。また有機の
充填材としては、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル
共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル等があり、或
いはこれ等ポリマー粉と前記無機粉末とを混合して用い
ることも出来る。前記無機充填材は充填材とバインダー
レジンとの混合を行なう前に、充填材とバインダーレジ
ンとの両方に反応することの出来る一般にシランカップ
リング剤を用いる。シランカップリング剤としては、r
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが多く使
用される。これの充填材は前処理材全量に対して85重量
%以内の範囲で加えられるのが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。本発明に係る接着方法による接着強さを確認する
ために前処理材を塗布し重合させた合成樹脂製歯冠色補
綴物とグラスアイオノマーセメントとの引張接着試験を
行なった。
する。本発明に係る接着方法による接着強さを確認する
ために前処理材を塗布し重合させた合成樹脂製歯冠色補
綴物とグラスアイオノマーセメントとの引張接着試験を
行なった。
【0023】〈引張接着試験方法〉 合成樹脂製歯冠色補綴物の代替品として可視光線重合型
コンポジットレジン−商品名グラフトLC(株式会社ジ
ーシー製)を用いた。可視光線重合器、商品名ジーシー
ライトVL−1(株式会社ジーシー製)によって重合し
直径10mm×高さ5mmに仕上げ、この重合体である被着体
が下端に位置するように歯科用即時重合型レジン、商品
名ユニファスト(株式会社ジーシー製)に包埋し,10mm
×10mm×60mmに成形して引張接着試験体とした。被着体
表面は耐水研磨紙#1000にて研磨した。各種前処理材を
被着体表面に塗布し直ちにエアーにて薄くのばした。
(前 処理材が光重合型の場合は、商品名ジーシーライト
VL−1にて20秒間光照射を行なって重合させた。ま
た、前処理材が常温重合型又は熱重合型の場合は、その
まま放置するか加熱して重合させた。)
コンポジットレジン−商品名グラフトLC(株式会社ジ
ーシー製)を用いた。可視光線重合器、商品名ジーシー
ライトVL−1(株式会社ジーシー製)によって重合し
直径10mm×高さ5mmに仕上げ、この重合体である被着体
が下端に位置するように歯科用即時重合型レジン、商品
名ユニファスト(株式会社ジーシー製)に包埋し,10mm
×10mm×60mmに成形して引張接着試験体とした。被着体
表面は耐水研磨紙#1000にて研磨した。各種前処理材を
被着体表面に塗布し直ちにエアーにて薄くのばした。
(前 処理材が光重合型の場合は、商品名ジーシーライト
VL−1にて20秒間光照射を行なって重合させた。ま
た、前処理材が常温重合型又は熱重合型の場合は、その
まま放置するか加熱して重合させた。)
【0024】グラスアイオノマーセメントとして商品名
フジアイオノマーType1(株式会社ジーシー製)を
粉液比P/L=1.8にて練和し、練和開始後1分以内に
セメント泥を内側半径4mm、外側半径5mmのステンレス
製金型に詰め上記引張接着試験体の被着体面上の重合し
た前処理材面上にセメント泥を置いた。かくして製造し
た試験体をセメント練和開始後10分後に37℃水中に浸漬
した。1日後に水中より取り出し、商品名オートグラフ
IS500(島津製作所製)にてクロスヘッドスピード1.0
mm/min.にて引張接着試験を行なった。以下にその結果
を示す。試験体数は各5個である。
フジアイオノマーType1(株式会社ジーシー製)を
粉液比P/L=1.8にて練和し、練和開始後1分以内に
セメント泥を内側半径4mm、外側半径5mmのステンレス
製金型に詰め上記引張接着試験体の被着体面上の重合し
た前処理材面上にセメント泥を置いた。かくして製造し
た試験体をセメント練和開始後10分後に37℃水中に浸漬
した。1日後に水中より取り出し、商品名オートグラフ
IS500(島津製作所製)にてクロスヘッドスピード1.0
mm/min.にて引張接着試験を行なった。以下にその結果
を示す。試験体数は各5個である。
【0025】実施例1 A液 (重量%) テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート 3.0 N−フェニルグリシン 1.0 エタノール 96.0 B液 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 30.0 2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ) フェニル]プロパン 30.0 ベンゾイルパーオキサイド 1.0 エタノール 39.0 の配合にて調製した化学重合型の前処理材のA液,B液
同量を混和し前記試験方法にて試験を行なった。結果を
表1に示す。
同量を混和し前記試験方法にて試験を行なった。結果を
表1に示す。
【0026】実施例2〜5 表1に示す配合にて調製後、実施例1と同様の方法にて
試験を行なった。結果を表1に示す。
試験を行なった。結果を表1に示す。
【0027】実施例6 テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート 3.0 2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ) フェニル]プロパン 25.0 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 25.0 カンファーキノン 0.5 ジメチルアミノエチルメタクリレート 1.0 エタノール 45.5 の配合にて調製した光重合型の前処理材を前記試験方法
にて試験を行なった。結果を表2に示す。
にて試験を行なった。結果を表2に示す。
【0028】実施例7〜9 表2に示す配合にて調製後、実施例1と同じ試験方法に
て試験を行なった。結果を表2に示す。
て試験を行なった。結果を表2に示す。
【0029】比較例1〜2 表3に示すチタネート化合物の無い配合にて各種タイプ
の前処理材を調製し実施例1と同じ試験方法にて試験を
行なった。結果を表3に示す。
の前処理材を調製し実施例1と同じ試験方法にて試験を
行なった。結果を表3に示す。
【0030】比較例3〜4 表3に示すチタネート化合物の量が適正でない配合にて
前処理材を調製し実施例1と同じ試験方法にて試験を行
なった。結果を表3に示す。
前処理材を調製し実施例1と同じ試験方法にて試験を行
なった。結果を表3に示す。
【0031】比較例5 本発明の前処理材を塗布・重合させずに実施例1と同じ
試験を行おうと試みたがオートグラフにて試験を行なう
前に総べて脱落した。
試験を行おうと試みたがオートグラフにて試験を行なう
前に総べて脱落した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】歯科医療に於いて審美性に関する要求か
らコンポジットレジンなどの合成樹脂製歯冠色補綴物を
口腔内に接着する臨床が盛んになっている。しかしグラ
スアイオノマーセメントにはこれ等の補綴物に対する接
着性が無いため、歯髄為害性の危険性が懸念されるにも
拘わらず、その接着性からレジン系のセメントによる接
着が行なわれている。本発明に係る接着方法は、合成樹
脂製歯冠色補綴物とグラスアイオノマーセメントとを接
着することが可能であり、その耐久性も優れている。そ
のため本発明の前処理材とグラスアイオノマーセメント
を用いることにより、これ等の補綴物の接着の際に歯質
と補綴物の双方に接着し脱落の心配が無く、なお且つ歯
髄為害性の無い安全な歯科修復が可能となった。
らコンポジットレジンなどの合成樹脂製歯冠色補綴物を
口腔内に接着する臨床が盛んになっている。しかしグラ
スアイオノマーセメントにはこれ等の補綴物に対する接
着性が無いため、歯髄為害性の危険性が懸念されるにも
拘わらず、その接着性からレジン系のセメントによる接
着が行なわれている。本発明に係る接着方法は、合成樹
脂製歯冠色補綴物とグラスアイオノマーセメントとを接
着することが可能であり、その耐久性も優れている。そ
のため本発明の前処理材とグラスアイオノマーセメント
を用いることにより、これ等の補綴物の接着の際に歯質
と補綴物の双方に接着し脱落の心配が無く、なお且つ歯
髄為害性の無い安全な歯科修復が可能となった。
Claims (3)
- 【請求項1】(A)少なくとも1個の不飽和二重結合を有
するメタクリレートまたはアクリレート, (B)上記(A)少なくとも1個の不飽和二重結合を有する
メタクリレートまたはア クリレートに対して0.1〜20.0
重量%の有機チタネート化合物, (C)重合開始剤 とから成る前処理材を予め形成された合成樹脂性歯冠色
補綴物に塗布して重合させた後、グラスアイオノマーセ
メントを接触させ硬化させることにより合成樹脂性歯冠
色補綴物とグラスアイオノマーセメントとを接着させる
歯科用接着方法。 - 【請求項2】 前処理材全量に対して98重量%以内の範
囲で揮発性溶剤が加えられた前処理材を使用する請求項
1に記載の歯科用接着方法。 - 【請求項3】 前処理材全量に対して85重量%以内の範
囲で充填材が加えられた前処理材を使用する請求項1ま
たは2中の何れか1項に記載の歯科用接着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35044691A JP3274161B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 歯科用接着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35044691A JP3274161B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 歯科用接着方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05155728A JPH05155728A (ja) | 1993-06-22 |
JP3274161B2 true JP3274161B2 (ja) | 2002-04-15 |
Family
ID=18410552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35044691A Expired - Fee Related JP3274161B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 歯科用接着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3274161B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010126026A2 (ja) | 2009-04-28 | 2010-11-04 | 大豊工業株式会社 | 鉛フリー銅系焼結摺動材料及び摺動部品 |
-
1991
- 1991-12-11 JP JP35044691A patent/JP3274161B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010126026A2 (ja) | 2009-04-28 | 2010-11-04 | 大豊工業株式会社 | 鉛フリー銅系焼結摺動材料及び摺動部品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05155728A (ja) | 1993-06-22 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |