JP3274026B2 - 超電導電力ケーブルの構造 - Google Patents

超電導電力ケーブルの構造

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JP3274026B2 JP18863794A JP18863794A JP3274026B2 JP 3274026 B2 JP3274026 B2 JP 3274026B2 JP 18863794 A JP18863794 A JP 18863794A JP 18863794 A JP18863794 A JP 18863794A JP 3274026 B2 JP3274026 B2 JP 3274026B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力輸送用あるいは超
電導マグネット用などとしての応用開発が進められてい
る超電導電力ケーブルの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、臨界温度の高い酸化物超電導導体
を用いて電力輸送用の電力ケーブル、超電導マグネット
あるいは超電導発電機の界磁巻線用超電導電力ケーブル
などを製造しようとする試みがなされている。このよう
な超電導導体の一従来例として、図8と図9に示すよう
に、複数の長尺の酸化物系の超電導テープユニット1
(図9の構造では16本)を銅などからなるパイプ状の
中央導体2の周囲にそれぞれ螺旋状に隣接配置するよう
に半田固定してなる超電導導体3が知られている。この
例の超電導導体3の超電導テープユニット1は、図8に
断面構造を示すように、酸化物超電導コア4aを銀など
からなる金属製のシース4bで覆って形成された超電導
テープ4を半田などの金属接着材で複数枚積層一体化し
てなるものである。図9に示す構造の超電導導体3にあ
っては、中央導体2の内部に液体窒素などの冷媒を流
し、この冷媒により周囲の酸化物超電導コア4aを冷却
する構成になっている。
【0003】一方、この種の構造の超電導テープ4を巻
き付けるための中央導体2の他の構造例として、図10
に示すような棒状の中央導体5、あるいは、図11に示
すような螺旋溝6aを外周に形成した棒状の中央導体6
が知られている。また、同様な目的で使用される中央導
体の他の構造例として図12に示すように、金属製のコ
ルゲート管7の外周部に超電導テープ4を巻回した構造
のもの、あるいは、図13に示すように金属テープ8を
巻回して構成したテープ作製管9の外周に超電導テープ
4を巻回した構造のものなどが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記種々の
従来構成の中央導体においては、いずれも以下の第1表
に示すように、可撓性と耐久力と耐内圧と表面平滑性の
種々の特性について鑑みると、長所と短所の双方の面を
有する問題があり、これらの特性の全てにおいて優れて
いるものはなかった。
【0005】
【表1】
【0006】まず、可撓性の面から見れば、棒状の中央
導体5では曲げ難い欠点があり、耐久力の面から見れ
ば、コルゲート管7とテープ作製管9においては外部か
ら押しつぶし力(圧潰力)が作用すると構造的に弱い欠
点がある。また、コルゲート管7からなる中央導体にお
いては、通常、内部に液体窒素などの冷媒を流してその
外部の超電導テープ4を冷却して使用することになる
が、コルゲート管7の内部に液体窒素を流す際に、内圧
が作用するので、図12(b)に示すようにコルゲート
管7の外面の山部7aと谷部7bのうち、谷部7が膨れ
て変形するおそれがあり、耐内圧の面から見ると問題が
あった。更に、表面平滑性の面から見れば、コルゲート
管7の場合は表面に山部7aと谷部7bがあって、山部
7aの外周側に巻き付けられている超電導テープ4に歪
が集中し易く、これによって超電導テープ4の超電導特
性が劣化する問題があった。また、テープ作製管9の中
央導体の場合は、金属テープ8の継ぎ目の部分8aに凹
凸が生じるので、やはり前述のコルゲート管7の場合と
同様にテープの継ぎ目の部分8aに歪が集中しやすく、
これにより超電導特性の劣化を生じやすい問題があっ
た。
【0007】一方、従来、図9に示す構造の超電導導体
3を製造するには、超電導テープ4を複数枚積層して1
つの超電導テープユニット1を構成し、この超電導テー
プユニット1を複数本用意してそれぞれ中央導体2の外
周面に螺旋状に巻き付けてから半田付けすることによっ
て中央導体2の外面に固定する方法を行なっている。と
ころがこの方法で超電導導体3を製造すると、超電導テ
ープユニット1を直接曲げながら巻き付けることになる
ために、個々の超電導テープ4に歪がかかり易く、ま
た、巻き付け方によっては超電導テープ4に局所的に大
きな歪を付加しやすい問題がある。即ち、酸化物超電導
コア4aは、Bi2Sr2Ca2Cu3x、Bi2Sr2
1Cu2y、Bi1.6Pb0.4Sr2Ca2Cu3x、T
2Ba2Ca2Cu3y、Tl2Ba2Ca1Cu2y、あ
るいは、Y1Ba2Cu3xなどで示される組成を代表と
するセラミックスであるがために、セラミックスとして
の脆性を有しており、曲げ力や引張力に対して非常に弱
い問題がある。また、銀からなるシース4bは非常に軟
らかいので、外部からの小さな力によっても酸化物超電
導コア4aが損傷を受け易い問題がある。
【0008】次に、前記複数の超電導テープユニット1
を順次中央導体2に巻き付けて1本ずつ半田付けにより
固定すると、既に半田付けした超電導テープ4を固定し
ていた半田が、他の超電導テープ4を半田付けする際の
熱で再溶融し、既に半田付けした超電導テープ4…が剥
がれるおそれがある。また、複数の超電導テープユニッ
ト1を順次半田付けで固定する際に、超電導テープユニ
ット1の全体を同時に正確な位置に固定することは難し
い問題があった。更に図9に示す構造の超電導導体3に
あっては、肉厚の管状の中央導体2を用いているが、こ
の管状の中央導体2を用いた場合に、耐久力と耐内圧と
表面平滑性では問題を生じないが、撓曲性に欠ける問題
がある。
【0009】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、従来構造よりも曲げ易く撓曲性に優れるとともに、
耐外力性、耐内圧性、表面平滑性に優れる超電導電力ケ
ーブル用の中央導体の提供と、この中央導体を用いた構
造を有し、しかも、1本1本の超電導テープユニットを
中央導体の外周面に固定していた従来構造よりも超電導
テープに歪を与えることがなく、超電導テープの巻き付
けと固定が容易にでき、超電導特性劣化の少ない超電導
電力ケーブルの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、管状の中央導体に超電導導体
を添設して構成される超電導ケーブルの構造において、
導電性金属材料からなるテープ状のシースの内部に酸化
物超電導コアを備えてなるテープ状の超電導導体を複数
枚積層して相互に固着し超電導テープユニットが構成さ
れ、この超電導テープユニットが、円周方向に複数に分
割されたセグメント導体からなる中央導体であって、各
セグメント導体をその長さ方向に沿って所定のピッチを
有する螺旋構造にしてなる中央導体の外面に巻回される
とともに、その外方に内部遮蔽層が被覆され、その外部
にセパレータを介して外部被覆層が設けられて内部遮蔽
層と外部被覆層の間に冷媒の復路が形成される一方、前
記中央導体の内部が冷媒往路にされてなることを特徴と
する。
【0011】請求項2記載の発明は前記課題を解決する
ために、管状の中央導体に超電導導体を添設して構成さ
れる超電導ケーブルの構造において、導電性金属材料か
らなるテープ状のシースの内部に酸化物超電導コアを備
えてなるテープ状の超電導導体を複数枚積層して相互に
固着し超電導テープユニットが構成されるとともに、円
周方向に複数に分割されたセグメント導体から中央導体
が構成され、各セグメント導体がその長さ方向に沿って
所定のピッチを有する螺旋構造にされてなり、前記少な
くとも1つのセグメント導体の外周面と内周面の少なく
とも一方にセグメント導体の長さ方向に沿う螺旋溝が形
成され、前記超電導テープユニットが前記螺旋溝に遊挿
されることで前記中央導体に巻回されるとともに、その
外方に内部遮蔽層が被覆され、その外部にセパレータを
介して外部被覆層が設けられて内部遮蔽層と外部被覆層
の間に冷媒の復路が形成される一方、前記中央導体の内
部が冷媒往路にされてなることを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は前記課題を解決する
ために、管状の中央導体に超電導導体を添設して構成さ
れる超電導ケーブルの構造において、導電性金属材料か
らなるテープ状のシースの内部に酸化物超電導コアを備
えてなるテープ状の超電導導体を複数枚積層して相互に
固着し超電導テープユニットが構成されるとともに、円
周方向に複数に分割されたセグメント導体から中央導体
が構成され、各セグメント導体がその長さ方向に沿って
所定のピッチを有する螺旋構造にされてなり、前記複数
のセグメント導体の少なくとも1つの内部に、セグメン
ト導体の長さ方向に沿う螺旋孔が形成され、複数の螺旋
孔の少なくとも1つに前記超電導テープユニットが遊挿
されることで前記中央導体に前記超電導テープユニット
が巻回されるとともに、その外方に内部遮蔽層が被覆さ
れ、その外部にセパレータを介して外部被覆層が設けら
れて内部遮蔽層と外部被覆層の間に冷媒の復路が形成さ
れる一方、前記中央導体の内部が冷媒往路にされてなる
ことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は前記課題を解決する
ために、先に記載の中央導体を構成する複数のセグメン
ト導体の相接する部分に凹部または凸部が形成されて互
いのセグメント導体が前記凹部または凸部の嵌合により
接合されてなることを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】
【作用】中央導体が管状に形成され、しかも周方向に複
数に分割された螺旋構造の複数のセグメント導体の集合
構造にされてなるので、中央導体自体が従来の棒状構造
あるいは肉厚の管状構造よりも曲がり易く、撓曲性に優
れる。更に、耐外力および耐内圧の面でコルゲート管や
テープ作製管を用いた従来構造よりも強く、表面平滑性
にも優れている。
【0017】セグメント導体の集合により中央導体が構
成されるので、セグメント導体の突き合わせ部分に微小
間隙が形成され、この微小間隙が中央導体の全長にわた
り形成される。よって、中央導体の内部に冷媒を流して
中央導体に添設した超電導導体を冷却する場合に、ま
ず、この微小間隙に入り込む冷媒によって効率良く中央
導体が冷却され、これにより、中央導体を介して超電導
導体が効率良く冷却される。更に、前記微小間隙を介し
て中央導体の外部側に到達する冷媒が超電導導体を直接
冷却できるので冷却効率自体が向上し、超電導特性の安
定化に寄与する。また、中央導体の螺旋溝あるいは螺旋
孔に超電導導体が収納された構造であれば、冷媒により
前記微小間隙を介して中央導体が充分に冷却されるの
で、効率良く超電導導体の冷却がなされる。
【0018】更に、1本の中央導体に対して複数本の超
電導テープユニットが備えられた構造であれば、電流容
量が大きくなる。また、中央導体外面の螺旋溝に超電導
テープユニットが非固定状態で遊挿された構造であれ
ば、中央導体の外方に巻回される遮蔽層などの他の部材
が超電導テープユニットに接触しない構成となる。よっ
て、超電導電力ケーブルの製造時に他の部材により超電
導テープユニットが損傷されることがなく、超電導特性
の劣化が生じない。また、布設時などにおいて超電導電
力ケーブルに曲げ力などが作用しようとしても、中央導
体の螺旋溝内で超電導テープユニットが若干移動できる
ので、超電導テープユニットの一部分に応力や歪が集中
することがない。
【0019】一方、超電導テープユニットを中央導体の
螺旋溝あるいは螺旋孔に遊挿することで超電導テープユ
ニットの取り付けが完了するので、超電導テープユニッ
トを固定した半田付け部分などの固定部分を再溶融させ
るおそれがない。更に、本発明の酸化物超電導電力ケー
ブルにあっては、中央導体内部に冷媒往路を中央導体外
部に冷媒復路をそれぞれ設けているので、冷媒の循環を
行なうことができ、効率良く超電導テープユニットを冷
却することができ、超電導特性の安定化に寄与する。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明に係る酸化物超電導電力ケー
ブルの第1実施例を示すもので、この例の超電導電力ケ
ーブル10は、中心部に管状の中央導体11を備え、そ
の外方に種々の被覆を施して構成されている。前記中央
導体11は、銅あるいはアルミニウムなどの良導電性金
属材料からなる断面扇形環状体状のセグメント導体12
を複数(第1実施例では12個)周方向に突き合わせて
管状に形成され、その内部空間は冷媒往路13とされて
いて、この冷媒往路13に液体窒素などの冷媒が流され
るようになっている。前記セグメント導体12・・・は、
図2に示すようにそれら自身が各々螺旋状に形成されて
いて、複数のセグメント導体12・・・を組み合わせるこ
とで図2に示すような管状の中央導体11が構成される
ようになっている。
【0021】また、前記中央導体12の外周には、超電
導テープユニット(超電導導体)15が所定のピッチで
螺旋巻きされている。この超電導テープユニット15
は、図8に示す従来の構造で用いられていた超電導テー
プユニット1と同等の構造のものであり、複数枚の超電
導テープを積層し、これらを相互に半田などの金属接着
材により固着して構成されている。前記超電導テープ
は、Y-Ba-Cu-O系、Bi-Pb-Sr-Ca-Cu-O
系、Tl-Ba-Ca-Cu-O系、などに代表される酸化
物超電導体からなるテープ状の超電導コアを銀などの貴
金属あるいは良導電性金属材料からなるシースで覆って
構成されたものである。
【0022】次に、前記超電導テープユニット15の外
方には、内部遮蔽層20と絶縁層21と外部遮蔽層22
とが順次被覆され、更に外部遮蔽層22の外方には、セ
パレータ23を介して内部保護パイプ24と断熱層25
と外部保護パイプ26と防食層27とからなる被覆層2
9が順次配置されている。なお、前記内部保護パイプ2
4と外部保護パイプ26は屈曲性を確保するため、コル
ゲート形状を呈していることが好ましい。前記内部遮蔽
層20は、超電導テープユニット15の外面に巻回され
た銅テープ20aと銅テープ20aの外方にカーボンテ
ープなどを巻回して構成された半導電層22bとから構
成され、前記外部遮蔽層22は、絶縁層21の外方にカ
ーボンテープなどを巻回して構成された半導電層22a
と半導電層22aの外方に巻回された銅テープ22bと
から構成されている。前記絶縁層21は、クラフト紙あ
るいは合成紙(ポリプロピレンラミネート紙:PPL
P)などからなり、絶縁耐圧を確保するために設けられ
ている。なお、この電気絶縁層21が絶縁テープを巻回
して構成されたものであるので、その外側の後述する冷
媒復路28を流れる冷媒の液体窒素が半導電層22aを
介してこの部分に染み込んできて絶縁特性の向上に寄与
する。
【0023】前記内部遮蔽層20の外方には、この内部
遮蔽層20とセパレータ23と外部遮蔽層22とによっ
て冷媒復路28が区画されている。この冷媒復路28
は、液体窒素などの冷媒が流される流路であり、超電導
電力ケーブル10の一端側でこの冷媒復路28と前記中
央導体11内部の冷媒往路13とを接続し、他端側で冷
媒往路13と冷媒復路28を図示略の液体窒素などの冷
媒供給源に接続し、この冷媒供給源から冷媒往路13に
冷媒を供給し、冷媒復路28を介して冷媒を戻すこと
で、超電導電力ケーブル10の全長にわたり冷媒の循環
ができるようになっている。
【0024】前記セパレータ23は、外部遮蔽層22の
外部に巻回されるものであり、外部遮蔽層22とその外
方の内部保護パイプ24との間に冷媒往路28を形成す
るために設けられている。なお、このセパレータ23
は、ステンレス鋼製の金属線から、あるいは、CBN、
Al23、部分安定化ジルコニアなどのセラミックス、
あるいは、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、
ポリエチレン、ナイロンなどの合成樹脂からなる線状体
あるいは条体などであっても差し支えない。前記の内部
保護管24と外部保護管26は、ステンレス鋼あるいは
アルミニウムなどからなるもので、この例では、屈曲性
を確保するためにコルゲート加工されており、防食層2
7は防食用の樹脂被覆層からなる。前記内部保護パイプ
24は、厚さ1.5〜2mm程度のステンレス鋼などの
金属材料からなり、断熱層25は、スーパーインシュー
ションなどを巻回して構成された厚さ10〜20mm程
度のものである。
【0025】前記超電導電力ケーブル10を製造するに
は、まず、超電導テープを複数枚積層した後に、長さ方
向の途中部分の必要箇所を半田で固定してテープ状の超
電導テープユニット15を形成し、この超電導テープユ
ニット15を必要枚数用意し、これらを中央導体11の
外面に沿って螺旋状に巻き付ける。次に、この超電導テ
ープユニット15の外方に、銅テープ22aと半導電テ
ープを順次巻き付けて内部遮蔽層20を形成し、その上
に絶縁テープを巻き付けて絶縁層21を形成する。続い
てその上に半導電テープと銅テープ22bを巻き付けて
外部遮蔽層22を形成し、その外方にセパレータ23を
必要本数巻き付け、更にその外方に内部保護パイプ24
を被せ、スーパーインシュレーションを巻き付けて断熱
層25を形成し、最後に外部保護パイプ26を被せて防
食層27を形成し、図1に示す酸化物超電導電力ケーブ
ル10を得る。
【0026】次に、前記構造の酸化物超電導電力ケーブ
ル10を使用する場合について説明する。前記の超電導
電力ケーブル10にあっては、冷媒往路13と冷媒復路
28を介して液体窒素などの冷媒を循環させて超電導テ
ープユニット15…を冷却し、超電導テープユニット1
5の超電導コアを超電導状態に遷移させて通電用として
使用する。この場合に超電導コアを冷媒往路13内の冷
媒で冷却できるので、超電導状態で通電した場合に超電
導コアの安定性を確保できる。また、中央導体11は複
数のセグメント導体12の集合により構成されているの
で、冷媒往路13を通過する冷媒の一部はセグメント導
体12の突き合わせ部分の微小間隙を介して中央導体1
1の外側にも滲み出す。従ってこの滲み出した冷媒によ
り中央導体11の外周部側をも充分に冷却することがで
きる。
【0027】更に、外部遮蔽層22と絶縁層21と内部
遮蔽層20がいずれもテープを巻き付けて構成されてい
るので、それらの外側の冷媒復路28を流れる冷媒の液
体窒素は、巻き付けたテープの隙間部分からその内側の
超電導テープユニット15側に染み込んで直接超電導テ
ープユニット15…を冷却する。なおここで、液体窒素
が染み込んだ絶縁層21は絶縁耐圧が向上するので、超
電導電力ケーブル10の絶縁耐圧を向上させることがで
きる。また、超電導電力ケーブル10に通電している場
合に、何等かの原因によって超電導テープユニット15
が常電導状態に遷移した場合、電力供給源から供給され
る大電力を一時的に逃がす必要がある。このような場合
に前記構造の超電導電力ケーブル10にあっては、中央
導体11が前記電流を逃がす地絡用のアース導体とな
る。
【0028】そして、前記超電導電力ケーブル10を使
用する場合に、用途に応じて巻胴に巻き付けたり湾曲状
態で使用する場合がある。このような場合に、超電導ケ
ーブル10を曲げる必要を生じるが、この場合に、中央
導体11がセグメント導体12の集合体であり、超電導
電力ケーブル10を曲げる際の抵抗が従来構造よりも少
ないので、超電導電力ケーブル10を従来よりも容易に
曲げることができるようになる。また、超電導電力ケー
ブル10を曲げる際に、曲率の大きな部分は、セグメン
ト導体12の変形量や位置ずれも大きいので、曲率の大
きな部分においてセグメント導体12どうしの間の突き
合わせ部分に、より大きな間隙が形成される。すると、
この間隙に冷媒が流れ込み易くなり、更にこの間隙を介
して冷媒が積極的に中央導体11の外側に滲み出るの
で、曲率の大きな部分をより効率良く冷却することがで
き、曲率の大きな部分で、超電導特性の劣化しやすい部
分を冷媒で効率良く冷却できる。よって、超電導特性の
安定化に寄与する。
【0029】図3〜図5は、本発明の第2実施例の超電
導電力ケーブル30を示すもので、この例の超電導ケー
ブル30において用いられている中央導体31は、先の
第1実施例のセグメント導体12とほぼ同一形状のセグ
メント導体32からなるが、異なっている点は、各セグ
メント導体32の外面に螺旋溝34が形成されている点
である。この螺旋溝34はセグメント導体32の外面に
沿って形成されているが、セグメント導体32自体が螺
旋構造であり、セグメント導体32を複数組み付けて管
状の中央導体31を構成した場合は、中央導体31の周
囲を複数の螺旋溝34が所定のピッチで囲むことにな
る。中央導体31の内部に形成される冷媒往路33は先
の例の冷媒往路13と同等のものである。
【0030】また、前記各螺旋溝34の内部には、超電
導導体(超電導テープユニット)35が、若干の遊びを
もって螺旋溝34からはみ出さないように遊挿されてい
る。前記超電導テープユニット35は、図4に示すよう
に複数枚の超電導テープ36を積層し、これらを相互に
半田などの金属接着材により固着して構成されている。
前記超電導テープ36は、Y-Ba-Cu-O系、Bi-P
b-Sr-Ca-Cu-O系、Tl-Ba-Ca-Cu-O系、
などに代表される酸化物超電導体からなるテープ状の超
電導コア37を銀などの貴金属からなるシース38で覆
って構成されている。なお、この実施例のその他の構成
は先に説明した実施例の構成と同等になっている。
【0031】ここで前記超電導テープユニット35は螺
旋溝34内で半田などにより固定されてはいない状態と
されている。これは、超電導テープユニット35が螺旋
溝内に半田で固定されていると、中央導体31に伝達さ
れた伸びや縮みなどの外力の影響を超電導テープユニッ
ト35が直接受けることになり、超電導特性が劣化する
ためである。即ち、外力が中央導体31まで作用した場
合は、中央導体31の伸縮があっても、超電導テープユ
ニット35が中央導体31の長さ方向に独立挙動できる
ために、伸びや歪の付加が緩和される結果、超電導特性
の劣化は少なくなる。また、超電導テープユニット35
が螺旋溝34内で若干の遊びをもって遊挿された状態で
あると、後述する外側の冷媒復路28からの冷媒の染み
込みにより、超電導テープユニット35が冷媒により直
接冷却される。
【0032】前記超電導電力ケーブル10を製造するに
は、まず、超電導テープ36を1枚あるいは複数枚積層
した後に、長さ方向の途中部分の必要箇所を半田で固定
して超電導テープユニット35を形成し、この超電導テ
ープユニット35を複数枚用意し、これらを中央導体3
1の螺旋溝34に沿って個々に巻き付ける。その後の工
程は先に説明した実施例と同等である。
【0033】図6(a)は本発明に係る中央導体の第3
実施例を示すもので、この実施例の中央導体40は、複
数のセグメント導体41の集合体からなるが、セグメン
ト導体41の周方向の一側に三角型の凸部42を有し他
側に前記凸部42を挿入可能な凹部43を有する形状に
されている。図6(b)は本発明に係る中央導体の第4
実施例を示すもので、この実施例の中央導体45は、複
数のセグメント導体46の集合体からなるが、セグメン
ト導体45の周方向の一側に小型の三角型の凸部47を
有し他側に前記凸部47を挿入可能な小型の凹部48を
有する形状にされている。図6(c)は本発明に係る中
央導体の第5実施例を示すもので、この実施例の中央導
体50は、複数のセグメント導体51の集合体からなる
が、セグメント導体51の周方向の一側に小型の突条型
の凸部52を有し他側に前記凸部52を挿入可能な小型
の凹部53を有する形状にされている。
【0034】図6(d)は本発明に係る中央導体の第6
実施例を示すもので、この実施例の中央導体55は、複
数のセグメント導体56の集合体からなるが、セグメン
ト導体55の周方向の一側の外面側に小型の突条型の凸
部57を有し、この一側の内面側に凹部58を有すると
ともに、セグメント導体55の他側の外面に前記凸部5
7を挿入可能な凹部58を有し、この他側の内面側に前
記凹部58に挿入可能な凸部59を有する形状にされて
いる。図6(a)〜(d)に示す構造にすることで、セ
グメント導体40、45、50、55のいずれの構成で
あってもセグメント導体どうしの結合状態が向上し、外
力と内圧に対して分解しずらい構成になる。その上、撓
曲性の高いことは先の例の構成と同等であり、先の例の
構成と同等の効果が得られる。
【0035】図7(a)は本発明に係る中央導体の第7
実施例を示すもので、この実施例の中央導体60は、複
数のセグメント導体61の集合体からなるが、セグメン
ト導体61の外面の中央部に突起を形成し、その突起の
両側に超電導導体収納用の螺旋溝64を形成した構造に
されている。図7(b)は本発明に係る中央導体の第8
実施例を示すもので、この実施例の中央導体65は、複
数の第1セグメント導体62と第2セグメント導体63
の集合体からなるが、第1セグメント導体62の外面中
央部には超電導導体収納用の螺旋溝64’が形成されて
いるが、第2セグメント導体63は特別な溝などは形成
されていない単なる断面扇形環状体構造を有している。
【0036】図7(c)は本発明に係る中央導体の第9
実施例を示すもので、この実施例の中央導体70は、複
数のセグメント導体71の集合体からなるが、セグメン
ト導体71の外面に超電導導体収納用の2つの螺旋溝7
2、72が並設された構造になっている。図7(d)は
本発明に係る中央導体の第10実施例を示すもので、こ
の実施例の中央導体75は、複数のセグメント導体76
の集合体からなるが、セグメント導体76の内部中央に
超電導導体収納用の収納孔77が形成された構造になっ
ている。図7(e)は本発明に係る中央導体の第11実
施例を示すもので、この実施例の中央導体80は、断面
凸型の多数のセグメント導体81をそれらの凸部を外側
に向けて多数、2層集合構造になるように配置して管状
に形成され、各セグメント導体81の間に形成される螺
旋溝82に超電導導体83が収納されるようになってい
る。
【0037】図7に示すいずれの構造の中央導体におい
ても中央導体の外周部に螺旋溝を形成することができ、
各螺旋溝に超電導導体を収納できるようになっている。
また、いずれの構成でも先の第2実施例で得られる効果
と同等の効果を得ることができる。
【0038】「製造例1」Bi:Pb:Sr:Ca:C
u=1.8:0.4:2.0:2.2:3.0の組成比にな
るようにBi23、PbO、CuO、SrCO3、Ca
CO3の各粉末を配合し、800〜840℃×74時間
の仮焼処理を大気中で4回実施して仮焼粉末を得た。こ
の仮焼粉末を静水圧プレスで成形し、外径40mm、肉
厚2.5mmの銀パイプに挿入し、直径2.4mmになる
まで冷間加工を施した。その後、圧延加工と830〜8
40℃×50時間の熱処理を3回繰り返し施して最終的
に厚さ0.2mm×幅4.0mmの銀シースBi系超電導
テープを得た。この銀シースBi系超電導テープを24
枚重ねて半田固定して幅4.2mm×高さ6.0mmの超
電導テープユニットを作製した。この超電導テープユニ
ットを液体窒素で冷却し、外部磁場0Tの条件で通電し
たところ、225Aを流すことができた。
【0039】また、中央導体として、外径35mm、内
径25mmであって、断面扇形環状体状の銅製のセグメ
ント導体を12個用意し、セグメント導体を管状に組み
付けて銅製の中央導体を形成した。なお、このセグメン
ト導体の螺旋ピッチは1mである。次いで、その外周に
前記超電導テープユニットを3層スパイラル状に重ね巻
きした。この超電導テープユニットの上に厚さ0.1m
mの銅テープを巻回し、更にカーボンを含有した半導電
テープを巻回して内部遮蔽層を形成し、その上にクラフ
ト紙を巻回して絶縁層を形成した。この時の絶縁層の厚
さは6〜7mmとして7万Vの電気絶縁にも耐え得る構
造とした。そして、前記絶縁層の上に、半導電テープと
厚さ0.1mmの銅テープを巻回し、直流用ケーブルと
した。
【0040】次に銅テープの上に、直径5mmのポリテ
トラフルオロエチレン(テフロン)製ワイヤーを数本巻
回し、更に、外径82mm、内径75mmのステンレス
鋼からなる内部保護パイプに挿入し、コルゲート加工し
て外径82mm、内径65mmとした。この内部保護パ
イプの内側が冷媒復路となる。更にこの内部保護パイプ
の上にスーパーインシュレーションを巻き付け、その外
部にステンレス鋼製の外部保護パイプを被せ、コルゲー
ト加工し、その外側にビニル防食を施して超電導電力ケ
ーブルを得た。
【0041】この超電導電力ケーブルについて、曲げ直
径1mの曲げ加工を施し、中央導体内部の冷媒往路と冷
媒復路を用いて液体窒素の循環を行い、全体を77Kに
冷却し、外部磁場0Tにおいて通電試験を行った。その
結果、先の超電導テープユニットで得られた225Aの
11倍に近い値の2500Aを超電導電力ケーブルに流
すことができた。従って、超電導テープユニットを巻回
して電力ケーブル化し、更に曲げ加工した場合の超電導
特性の劣化割合は極めて少なかった。また、前記超電導
電力ケーブルの絶縁耐圧について測定したところ、液体
窒素の冷媒を流す前は、80kVであったものが、液体
窒素を流した後においては、100kVに向上した。こ
れは、冷媒として使用した液体窒素が、絶縁層に染み込
んだ結果によるものと思われる。
【0042】なお、比較のために、前記構造の中央導体
の代わりに同一寸法の管状の中央導体を用い、その周囲
に超電導テープユニットを螺旋状に巻き付けてそれらを
本半田固定し、それを基本として前記と同等の被覆層を
有する超電導電力ケーブルを製造したが、この超電導電
力ケーブルは、800Aの通電を行うことができる程度
であり、超電導特性の劣化現象が見られた。これは、超
電導ケーブルを曲げ加工する場合に、環状の中央導体を
無理に曲げたために部分的に超電導テープユニットに過
大な歪を生じ、これが原因となつて超電導特性の劣化に
つながったものと思われる。また、セグメント導体の集
合体からなる中央導体の場合は、セグメント導体の1つ
1つが曲がるために全体として曲がりやすく、部分的な
応力集中が生じ難く、更に、冷媒として流した液体窒素
がセグメント導体の突き合わせ部分から滲み出し、超電
導導体の冷却に充分に寄与した結果、良好な値を示した
ものと思われる。
【0043】「製造例2」中央導体として、外径40m
m、内径20mmであって、螺旋溝付きの12個の断面
扇形環状体状セグメント導体からなる銅製のものを用意
した。セグメント導体に形成した螺旋溝の溝幅は5m
m、深さは3mmとした。超電導導体は、前記銀シース
Bi系超電導テープを12枚重ねて半田固定して幅4.
2mm×高さ3.0mmの超電導テープユニットを用い
た。次に、各セグメント導体の螺旋溝に前記超電導テー
プユニットを遊挿して超電導線とした。この超電導線の
外周部に形成する種々の被覆およびその他の構成は先の
製造例1の場合と同等として超電導電力ケーブルを製造
した。この例の構造の超電導電力ケーブルにより、先の
超電導テープユニットで得られた225Aの12倍に近
い値の2650Aを超電導電力ケーブルに流すことがで
きた。従って、超電導テープユニットを巻回して電力ケ
ーブル化した場合の超電導特性の劣化現象はほとんど見
られなかった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、中央導体
を管状に形成し、しかも周方向に複数に分割した螺旋構
造の複数のセグメント導体の集合構造にしてなるので、
中央導体自体が従来の棒状構造あるいは肉厚の管状構造
よりも曲がり易く、撓曲性に優れる。このため、超電導
電力ケーブルとして可撓性に優れたものを提供できる。
更に、耐外力および耐内圧の面でコルゲート管やテープ
作製管を用いた従来構造よりも強く、表面平滑性にも優
れ、その外周に設ける超電導導体に歪を与えないように
できる。従って、本発明に係る構造を用いることによ
り、可撓性と耐外力および耐内圧に優れ、超電導導体に
歪の作用しずらい超電導電力ケーブルを提供できる。
【0045】また、セグメント導体の集合により中央導
体を構成するので、セグメント導体の突き合わせ部分に
微小間隙が形成され、この微小間隙が中央導体の全長に
わたり形成される。よって、中央導体の内部に冷媒を流
して中央導体に添設した超電導導体を冷却する場合に、
まず、この微小間隙に入り込む冷媒によって効率良く中
央導体が冷却され、これにより、中央導体を介して超電
導導体が効率良く冷却される。また、前記微小間隙を介
して中央導体の外部側に到達する冷媒が超電導導体を直
接冷却できるので冷却効率自体が向上し、この構造の中
央導体を用いた超電導電力ケーブルの超電導特性の安定
性を向上させ得る。更に、超電導電力ケーブルを使用す
る場合、用途に応じて巻胴に巻き付けたり湾曲状態で使
用する場合がある。このような場合に、超電導ケーブル
を曲げる必要を生じるが、この場合に、中央導体がセグ
メント導体の集合体であり、超電導電力ケーブルを曲げ
る際の抵抗が従来構造よりも少ないので、超電導電力ケ
ーブルを従来よりも容易に曲げることができるようにな
る。また、超電導電力ケーブルを曲げる際に、曲率の大
きな部分は、セグメント導体の変形量や位置ずれも大き
いので、曲率の大きな部分においてセグメント導体どう
しの間の突き合わせ部分に、より大きな間隙が形成され
る。すると、この間隙に冷媒が流れ込み易くなり、更に
この間隙を介して冷媒が積極的に中央導体の外側に滲み
出るので、曲率の大きな部分をより効率良く冷却するこ
とができ、曲率の大きな部分で、超電導特性の劣化しや
すい部分を冷媒で効率良く冷却できる。よって、超電導
特性の安定化に寄与する。
【0046】また、中央導体の螺旋溝あるいは螺旋孔に
超電導導体が収納された構造であれば、冷媒により前記
微小間隙を介して中央導体が充分に冷却されるので、効
率良く超電導導体の冷却がなされる。更に、1本の中央
導体に複数本の超電導テープユニットが巻回されるの
で、電力容量を大きくできる。
【0047】一方、超電導テープユニットが中央導体の
螺旋溝内あるいは螺旋孔内に非固定状態で収納される構
成のものは、常温から液体窒素温度への冷却時に作用す
る熱収縮や曲げなどに 起因する外力が超電導テープユ
ニットに作用しようとした場合、超電導テープユニット
が螺旋溝あるいは螺旋孔内で独立性を保持し、螺旋溝内
あるいは螺旋孔内でずれることができるので、超電導テ
ープユニットに歪などの付加を集中させるおそれが少な
く、超電導特性の劣化が起こり難い構成になっている。
また、超電導テープユニットを螺旋溝あるいは螺旋孔
挿入することで超電導テープユニットの配置が完了する
ので、超電導テープユニットの半田付け部分を再溶融さ
せることはなくなる。よって、中央導体に対する超電導
テープユニットの取り付け時に超電導テープユニットが
分離することがない。
【0048】更に、本発明の酸化物超電導電力ケーブル
にあっては、管体内部の冷媒流路と管体外部の冷媒流路
とが設けられているので、管体内部の冷媒通路を冷媒の
往路として利用し、管体外部の冷媒流路を冷媒の復路と
して使用するならば、冷媒の循環を行えるので、効率良
く超電導テープユニットを冷却することができ、超電導
特性の安定化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超電導電力ケーブルの第1実施例
の構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す超電導電力ケーブルに適用される中
央導体を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る超電導電力ケーブルの第2実施例
の構造を示す断面図である。
【図4】図3に示す超電導電力ケーブルに設けられた中
央導体の一部を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例に用いられる中央導体を示
す斜視図である。
【図6】中央導体の第3〜第6実施例を示すもので、図
6(a)は中央導体の第3実施例の断面図、第6図
(b)は中央導体の第4実施例の断面図、図6(c)は
中央導体の第5実施例の断面図、図6(d)は中央導体
の第6実施例を示す断面図である。
【図7】中央導体の第7〜第11実施例を示すもので、
図7(a)は中央導体の外面に突起を形成して超電導導
体収納用溝を形成した構造を示す断面図、図7(b)は
溝付きセグメント導体と溝無しセグメント導体からなる
セグメント導体の構造を示す断面図、図7(c)は1つ
のセグメント導体に2つの溝を形成した構造を示す断面
図、図7(d)は中空孔を有するセグメント導体の断面
図、図7(e)は多層構造のセグメント導体を示す断面
図である。
【図8】従来の超電導電力ケーブルに備えられる超電導
テープユニットを示す斜視図である。
【図9】従来の超電導電力ケーブルに設けられる中央導
体の第1の例を示す断面図である。
【図10】従来の中央導体の第2の例を示す断面図であ
る。
【図11】従来の中央導体の第3の例を示す断面図であ
る。
【図12】図12(a)は従来の中央導体の第4の例を
示す断面図、図12(b)はその一部拡大図である。
【図13】従来の中央導体の第5の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10、30・・・酸化物超電導電力ケーブル、11、3
2、40、45、50、55、60、65、70、7
5、80・・・中央導体、12、31、41、46、5
1、56、61、62、63、71、76・・・セグメン
ト導体、34、64、64'、72、82・・・螺旋溝、1
3・・・冷媒往路、 15、35・・・超電導テープユニット
(超電導導体)、20・・・内部遮蔽層、22・・・外部遮蔽
層、23・・・セパレータ、28・・・冷媒復路、
フロントページの続き (72)発明者 柿本 一臣 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (72)発明者 小野 幹幸 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (72)発明者 長屋 重夫 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番 地の1 中部電力株式会社 電力技術研 究所内 (72)発明者 平野 直樹 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番 地の1 中部電力株式会社 電力技術研 究所内 (56)参考文献 特開 平4−6713(JP,A) 特開 平5−81941(JP,A) 特開 平1−105408(JP,A) 特開 平2−307319(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 12/12 ZAA

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状の中央導体に超電導導体を添設して
    構成される超電導ケーブルの構造において、導電性金属材料からなるテープ状のシースの内部に酸化
    物超電導コアを備えてなるテープ状の超電導導体を複数
    枚積層して相互に固着し超電導テープユニットが構成さ
    れ、この超電導テープユニットが、円周方向に複数に分
    割されたセグメント導体からなる中央導体であって、各
    セグメント導体をその長さ方向に沿って所定のピッチを
    有する螺旋構造にしてなる中央導体の外面に巻回される
    とともに、その外方に内部遮蔽層が被覆され、その外部
    にセパレータを介して外部被覆層が設けられて内部遮蔽
    層と外部被覆層の間に冷媒の復路が形成される一方、前
    記中央導体の内部が冷媒往路にされてなることを特徴と
    する超電導電力ケーブル の構造。
  2. 【請求項2】 管状の中央導体に超電導導体を添設して
    構成される超電導ケーブルの構造において、 導電性金属材料からなるテープ状のシースの内部に酸化
    物超電導コアを備えてなるテープ状の超電導導体を複数
    枚積層して相互に固着し超電導テープユニットが構成さ
    れるとともに、円周方向に複数に分割されたセグメント
    導体から中央導体が構成され、各セグメント導体がその
    長さ方向に沿って所定のピッチを有する螺旋構造にされ
    てなり、前記少なくとも1つのセグメント導体の外周面
    と内周面の少なくとも一方にセグメント導体の長さ方向
    に沿う螺旋溝が形成され、前記超電導テープユニットが
    前記螺旋溝に遊挿されることで前記中央導体に巻回され
    るとともに、その外方に内部遮蔽層が被覆され、その外
    部にセパレータを介して外部被覆層が設けられて内部遮
    蔽層と外部被覆層の間に冷媒の復路が形成される一方、
    前記中央導体の内部が冷媒往路にされてなることを特徴
    とする超電導電力ケーブル の構造。
  3. 【請求項3】 管状の中央導体に超電導導体を添設して
    構成される超電導ケーブルの構造において、 導電性金属材料からなるテープ状のシースの内部に酸化
    物超電導コアを備えてなるテープ状の超電導導体を複数
    枚積層して相互に固着し超電導テープユニット が構成さ
    れるとともに、円周方向に複数に分割されたセグメント
    導体から中央導体が構成され、各セグメント導体がその
    長さ方向に沿って所定のピッチを有する螺旋構造にされ
    てなり、前記 複数のセグメント導体の少なくとも1つの
    内部に、セグメント導体の長さ方向に沿う螺旋孔が形成
    され、複数の螺旋孔の少なくとも1つに前記超電導テー
    プユニットが遊挿されることで前記中央導体に前記超電
    導テープユニットが巻回されるとともに、その外方に内
    部遮蔽層が被覆され、その外部にセパレータを介して外
    部被覆層が設けられて内部遮蔽層と外部被覆層の間に冷
    媒の復路が形成される一方、前記中央導体の内部が冷媒
    往路にされてなることを特徴とする超電導電力ケーブル
    の構造。
  4. 【請求項4】 中央導体を構成する複数のセグメント導
    体の相接する部分に凹部または凸部が形成されて互いの
    セグメント導体が前記凹部または凸部の嵌合により接合
    されてなることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の超電導電力ケーブルの構造。
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