JP3273879B2 - 荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームブランキング装置 - Google Patents
荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームブランキング装置Info
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Description
ームを用いて被描画材料上に所定のパターンを描画する
荷電粒子ビーム描画装置や電子顕微鏡等の荷電粒子ビー
ム装置における荷電粒子ビームブランキング装置に関す
る。
の断面を可変して描画する方式の装置が広く利用されて
いる。この装置では、電子ビームを第1のアパーチャに
照射し、第1のアパーチャの開口像を第2のアパーチャ
上に結像するようにしている。そして、第1のアパーチ
ャの開口像の第2のアパーチャ上の投射位置を第1と第
2のアパーチャの間に配置された成形偏向器で変化させ
ることにより、任意の面積の矩形断面を有した電子ビー
ムが成形される。この成形された電子ビームは、被描画
材料にショットされる。このショットされる電子ビーム
の位置は、位置決め偏向器によって変えられる。
体例を示している。1は電子ビームEBを発生する電子
銃であり、該電子銃1から発生した電子ビームEBは、
照明レンズ2を介して第1成形アパーチャ3上に照射さ
れる。第1成形アパーチャの開口像は、成形レンズ4に
より、第2成形アパーチャ6上に結像されるが、その結
像の位置は、成形偏向器5により変えることができる。
第2成形アパーチャ6により成形された像は、対物レン
ズ7を経て描画材料8上に照射される。描画材料8への
照射位置は、位置決め偏向器9により変えることができ
る。
10はパターンデータメモリー11からのパターンデー
タをデータ転送回路12に転送する。データ転送回路1
2からのパターンデータは、ショット分割器13に供給
されてショット分割される。ショット分割器13からの
描画データに応じた信号は、成形偏向器5を制御する偏
向増幅器14、位置決め偏向器9を制御する偏向増幅器
15、電子銃1から発生した電子ビームのブランキング
を行うブランキング電極16を制御するブランキングコ
ントロール回路17に供給される。ブランキングコント
ロール回路17からの信号は、ブランキング増幅器18
を介してブランキング電極16に供給される。
ールド毎の移動のために、材料8が載せられたステージ
19の駆動機構20を制御する。このような構成の動作
を次に説明する。
ターンデータは、逐次読み出され、データ転送回路12
を経てショット分割器13に供給される。ショット分割
器13で分割されたデータに基づき、偏向増幅器14は
成形偏向器5を制御し、また、偏向増幅器15は位置決
め偏向器9を制御する。
タに基づき、成形偏向器5により電子ビームの断面が所
定のビームサイズに成形され、そのビームサイズの電子
ビームが順々に材料上にショットされ、所望の形状のパ
ターン描画が行われる。なお、この時、ブランキングコ
ントロール回路17からブランキング電極16へのブラ
ンキング信号により、材料10への電子ビームのショッ
トに同期して電子ビームのブランキングが実行される。
を示すタイミング図である。図2において、(a)はブ
ランキング電極16へのブランキング電圧、(b)は成
形偏向器5への成形電圧、(c)は位置決め偏向器9へ
の位置決め電圧をそれぞれ示している。
れたデータに基づく図形サイズにより、偏向増幅器14
には図2(b)に示す図形1の成形電圧が設定される。
また、偏向増幅器15には、図2(c)に示す図形1の
位置電圧が設定される。更に、ブランキング増幅器18
には、成形用の偏向増幅器14と位置決め用の偏向増幅
器15の電圧が設定される時間(Ts)、ブランキング
ONの電圧が設定される。
の電子ビームの照射時間(Te1)ブランキングがOF
Fされ、第1の図形の描画が行われる。所定の照射時間
Te1の間ブランキングがOFFされた後、再びブラン
キングはONされ、時間Tsの間に偏向増幅器14には
図2(b)に示す図形2の成形電圧が設定され、また、
偏向増幅器15には、図2(c)に示す図形2の位置電
圧が設定される。
サイズが各偏向増幅器14,15に設定され、所定の図
形の描画が行われる。次に、ブランキングコントロール
回路17の詳細を図3を用いて説明する。図3におい
て、ショット分割器13からのブランキング開始信号
は、ディレイ回路21と反転器22を介してOR回路2
3の一端に供給されると共に、反転器24を介してOR
回路23の他端に供給される。
より電子ビームの照射時間に応じたデータが供給され
る。OR回路22の出力は、T−フリップフロップ25
に供給され、T−フリップフロップ25の出力はバッフ
ァ26,27を介してブランキング増幅器18に供給さ
れる。次にこの回路の動作を図4を用いて説明する。
り、このブランキング開始信号は反転器24によって信
号が反転され、図4(b)の信号がOR回路23の他端
に供給される。また、図4(a)のブランキング開始信
号は、ディレイ回路21によって所定のショット時間遅
延されて図4(c)の信号となり、更に、反転器22に
よって図4(d)の信号となってOR回路23の一端に
供給される。
られ、この信号はT−フリップフロップ25に供給され
る。T−フリップフロップ25では、供給される最初の
パルスの立上がりで立ち下がり、次のパルスの立ち下が
りで立ち上がる図4(f)の信号が得られる。このT−
フリップフロップ25の出力信号は、バッファ26,2
7を介してブランキング増幅器18にセットされる。こ
の結果、図4(f)のTeの時間、ブランキングがOF
Fとされる。
コントロール回路17に対しては次のことが要求され
る。まず第1に、適度な照射時間となるようブランキン
グのOFFからONまでの時間が正確であること、第2
に、電子ビームの電流量の変化等を補正するため、時間
を細かく可変できること、第3に、スループットを早く
するために、ブランキングがOFFからONまでの時間
はできる限り短い時間まで設定できることが可能なこと
である。具体的な数値としては、時間の精度は0.1n
sec、可変単位は1nsec、最小時間は20nse
c程度である。
なるのは、ブランキングパルスを伝送・増幅している間
にパルスの幅が変化してしまうことである。図5は図3
に示した回路の動作タイミングの詳細を示しており、
(a)は照射開始信号、(b)はOR回路23の出力信
号、(c)はT−フリップフロップ25の出力信号、
(d)はブランキング増幅器18の出力信号を示してい
る。
ち下がり伝搬時間、Trはフリップフロップの立ち下が
り伝搬時間、Tgはバッファ26,27,ブランキング
増幅器18による立ち下がり伝搬時間、Tsはバッファ
26,27,ブランキング増幅器18による立ち上がり
伝搬時間である。図5(b)のパルスが図5(d)の増
幅器18の出力パルスと同じ幅となるためには、次の関
係が満足されねばならない。
の理由としては、バッファのIC内部の立上がり、立ち
下がり時間が違っていること、増幅器の立ち上がりと立
ち下がりの時間が違っていること、更には、パルスの伝
送途中で波形が変化することがあげられる。このパルス
の波形が伝送途中で変化することを図6を用いて説明す
る。
しているが、この波形は伝送ケーブルを伝わることでバ
ッファ27の直前では図6(b)に示すように波形がな
まってしまう。また、バッファのしきい値電圧が信号振
幅の1/2でないために遅延時間が立ち上がりと立ち下
がりとで異なるため、ブランキングパルスの幅が変化し
てしまう。図6(b)でVtはバッファ27のしきい値
電圧を示しており、この結果、バッファ27の出力は図
6(c)に示すようになり、T−フリップフロップの立
ち下がり伝搬時間Tfと立ち下がり伝搬時間Trは異な
る。
るとノイズを阻止するための信号の絶縁が困難となる問
題も有している。通常、デジタル信号を絶縁して伝送す
る場合には、トランスによる相互誘導を利用した伝送、
もしくは、電気−光変換を用いた素子を利用するのが一
般的であるが、パルス幅が狭い信号を絶縁して伝送しよ
うとすると、複雑かつ高価な回路を必要とする。また、
パルス幅が極端に狭く、伝送路の帯域以上の周波数の場
合は、パルスが伝わらないという大きな問題も有してい
る。
もので、その目的は、ブランキング増幅器に短い時間の
信号を正確に伝えることができ、高速の信号を比較的安
価に絶縁することができる荷電粒子ビーム装置における
荷電粒子ビームブランキング装置を実現するにある。
荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームブランキン
グ装置は、荷電粒子ビーム源からの荷電粒子ビームを所
定時間ブランキングするためのブランキング装置におい
て、荷電粒子ビームの照射開始信号が供給される第1の
フリップフロップと、荷電粒子ビームの照射開始信号が
ディレイ回路を介して照射時間だけ遅延されて供給され
る第2のフリップフロップと、第1のフリップフロップ
と第2のフリップフロップの信号の位相差に基づいてブ
ランキングパルスを作成する回路とより成ることを特徴
としている。
射開始信号を2種の経路に供給し、一方の経路において
は第1のフリップフロップによりパルス信号を作成し、
第2の経路においては照射開始信号を所定時間を遅延さ
せた後、第2のフリップフロップに供給し、2種のフリ
ップフロップの出力信号に基づいてブランキングパルス
を作成する。
するが、本発明では、伝送経路でのパルス幅の変化を抑
えるため、ブランキング時間をパルスの立ち上がりと立
ち下がりの幅として送るのではなく、2つのパルス信号
の時間差として伝送することを基本としている。
ロール回路の一例を示しており、照射時間開始信号は、
第1のフリップフロップ30と、ディレイ回路31を介
して第2のフリップフロップ32に供給される。ディレ
イ回路31にはブランキングOFF時間のデータがセッ
トされる。第1のフリップフロップ30の出力は、バッ
ファ33,34を介してAND回路35に供給され、第
2のフリップフロップ32の出力は、バッファ36,3
7を介してAND回路35に供給される。AND回路3
5の出力は、反転器38を介してブランキング増幅器1
8に供給される。このような回路の動作を図8のタイミ
ング図を用いて説明する。
(b)は第1のフリップフロップ30の出力、(c)は
第2のフリップフロップ32の出力を示している。この
図から明らかなように、照射時間としての数値データを
実際の時間に変換するときに、2つの信号の位相の差に
変換する。
り、一方は、照射開始信号が直接第1のフリップフロッ
プ30に入力し、他方では、照射開始信号がディレイ回
路31によって照射時間だけ遅延されて第2のフリップ
フロップ32に入力する。この結果、AND回路35で
は、一方の経路を通ったパルス信号の立ち下がりで立ち
上がり、他方の経路を通ったパルス信号の立ち下がりで
立ち上がる信号が得られる。
ブルより成る伝送路Aを伝送される信号の伝搬速度と、
バッファ36,37とその間のケーブルより成る伝送路
Bを伝送される信号の伝搬速度とは等しくなるように、
事前に適宜な調整回路を用いて2種の伝送路A,Bは調
整されている。
の伝送路Aを伝送される信号と、第2の伝送路Bを伝送
される信号の位相差によってブランキング用のパルスを
作成し、ブランキング増幅器18にセットするようにし
ている。したがって、信号の伝送途中でのパルス信号の
立ち下がりと立上がりの特性が違っていても、設定され
た照射時間はこの特性とは無関係で正確なものとなる。
号の立ち下がりから伝送路Bを通る信号の立ち下がりで
伝えられ、伝送路A,Bを通る信号の立ち上がりのタイ
ミングは照射時間とは関係がない。このことから、信号
伝送途中での信号の立ち下がりと立上がりの特性が異な
っていても、ブランキングパルスの幅は正確に伝送され
る。なお、ブランキングパルスを作成するタイミング
は、両経路の信号の立ち下がりの代わりに、立上がりを
用いても良い。
ンキングOFF時間)が短くなっても、パルス幅を小さ
くする必要がない。すなわち、照射時間は2つの信号の
位相差であるため、照射時間が非常に短くても、パルス
幅を大きく取ることができる。具体的には、パルス幅
は、最大、セトリング時間Tsと照射時間Teとを加算
した時間の半分まで取ることができる。したがって、比
較的周波数帯域の狭い伝送路でも、ケーブル等による波
形の変化でパルスが潰れてしまうことは防止される。ま
た、信号の絶縁も比較的容易に行うことができる。
発明はこの形態に限定されない。例えば、可変面積型の
電子ビーム描画装置を例に説明したが、細いピームでパ
ターンを塗り潰す方式の描画装置や、イオンビーム描画
装置にも本発明を用いることができる。更に、描画装置
以外でも、荷電粒子ビームをブランキングするタイプの
電子顕微鏡等にも本発明を適用することができる。
明によれば、ブランキング増幅器に短い時間の信号を正
確に伝えることができ、高速の信号を比較的安価に絶縁
することができる。
る。
である。
ール回路を示す図である。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 荷電粒子ビーム源からの荷電粒子ビーム
を所定時間ブランキングするためのブランキング装置に
おいて、荷電粒子ビームの照射開始信号が供給される第
1のフリップフロップと、荷電粒子ビームの照射開始信
号がディレイ回路を介して照射時間だけ遅延されて供給
される第2のフリップフロップと、第1のフリップフロ
ップと第2のフリップフロップの信号の位相差に基づい
てブランキングパルスを作成する回路とより成る荷電粒
子ビーム装置における荷電粒子ビームブランキング装
置。
Priority Applications (1)
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JP26662895A JP3273879B2 (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | 荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームブランキング装置 |
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-
1995
- 1995-10-16 JP JP26662895A patent/JP3273879B2/ja not_active Expired - Fee Related
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