JP3272588B2 - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子

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JP3272588B2
JP3272588B2 JP31784795A JP31784795A JP3272588B2 JP 3272588 B2 JP3272588 B2 JP 3272588B2 JP 31784795 A JP31784795 A JP 31784795A JP 31784795 A JP31784795 A JP 31784795A JP 3272588 B2 JP3272588 B2 JP 3272588B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化物半導体(InX
AlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなる
レーザ素子に関する
【0002】
【従来の技術】窒化物半導体はバンドギャップが1.9
5eV〜6.0eVまであり、直接遷移型の材料である
ので、紫外〜赤色までの半導体レーザ素子の材料として
従来より注目されている。
【0003】窒化物半導体よりなるレーザ素子には従来
いくつかの構造が提案されている。例えば特開平6−2
83825号公報では、ノンドープAlGaN活性層を
n型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテ
ロ構造のレーザ素子が示されており、また特開平6−1
52072号公報では、四元混晶のノンドープInAl
GaN活性層をその活性層と格子整合したn型とp型の
InAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテロ構造の
レーザ素子が示されている。また、特開平6−6152
7号公報ではノンドープInGaNをn型とp型のIn
AlGaN層で挟んだダブルへテロ構造のレーザ素子が
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化物
半導体によるレーザ素子は未だ実現していない。それに
は多くの原因があるが、そのひとつとして活性層の電流
狭窄と、光閉じ込めの技術が全く報告されておらず、非
常に困難であるからである。従って本発明は窒化物半導
体の新規な電流狭窄と、光閉じ込め技術を提案すること
により、レーザ素子を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】我々は基板上に窒化物半
導体がダブルへテロ構造に積層された素子の側面に、活
性層よりも屈折率の小さい別の窒化物半導体よりなる光
閉じ込め層を形成し、その光閉じ込め層で電流狭窄する
ことにより前記課題が解決できることを新規に見いだし
本発明を成すに至った。即ち、本発明の窒化物半導体レ
ーザ素子は、基板の上に少なくともn型クラッド層と活
性層とp型クラッド層とが順に積層された構造を有する
窒化物半導体レーザ素子において、前記n型クラッド
層、活性層、およびp型クラッド層に接して、活性層よ
りも屈折率が小さい第一のp型窒化物半導体層が形成さ
れ、その第一のp型窒化物半導体層に接して、第二のn
型窒化物半導体層が形成され、さらにそのn型窒化物半
導体層に接して、正電極およびp型クラッド層と電気的
に接続された第三のp型窒化物半導体層が形成されてい
ることを特徴とする。
【0006】図1は本発明のレーザ素子の基本的な構造
を示す模式断面図である。このレーザ素子は基板10の
上にn型クラッド層20と活性層30とp型クラッド層
40とを積層したダブルへテロ構造である。この構造で
はn型クラッド層20が負電極60と直接接したn型コ
ンタクト層を兼ねており、p型クラッド層40は正電極
61と電気的に接続したp型コンタクト層を兼ねてい
る。本発明のレーザ素子ではn型クラッド層20と活性
層30およびp型クラッド層40に接して、第一のp型
窒化物半導体層50を形成し、第一のp型クラッド層に
接して第二のn型窒化物半導体層51を形成し、第二の
n型窒化物半導体層51に接して、正電極61およびp
型クラッド層40と電気的に接続して電流狭窄する第三
のp型窒化物半導体層52を形成している。この窒化物
半導体層50、51、52は、基板に対して水平方向の
活性層の光閉じ込めを実現すると共に、3層構造による
p−n−p接合により順方向の電流をブロックする電流
狭窄層を実現している。但し、請求項1においてクラッ
ド層とは、2つの主面を有する活性層を挟んでその活性
層のそれぞれの主面に接する、互いに導電型の異なる窒
化物半導体層を指すものとする。
【0007】次に、図2に本発明の窒化物半導体レーザ
素子の最も好ましい構造を表す模式断面図を示す。この
レーザ素子は図1と同じく電極ストライプ型のレーザ素
子の構造を示している。このレーザ素子は基板10の表
面に、バッファ層11、n型コンタクト層21、第一の
n型クラッド層22、第二のn型クラッド層23、活性
層30、第二のp型クラッド層43、第一のp型クラッ
ド層42、p型コンタクト層41とを順に積層した、い
わゆる分離閉じ込め型のダブルへテロ構造を有してお
り、n型コンタクト層21には負電極60が直接接し
て、p型コンタクト層41には正電極61が電気的に接
続して形成され、同一面側から電極を取り出したフリッ
プチップ方式のレーザ素子である。
【0008】基板10にはサファイア(C面、R面、A
面を含む。)、SiC(6H、4Hを含む。)、Si、
ZnO、GaAs等が使用できるが、一般的にはサファ
イア、またはSiCを使用する。バッファ層11は基板
と窒化物半導体との格子定数不整を緩和するために形成
され、通常GaN、AlN等が形成されるが、基板にS
iC、ZnOのように窒化物半導体と格子定数が近い材
料を使用した際には形成しない場合もある。
【0009】n型コンタクト層21としてはGaN、A
lGaN等の二元混晶、または三元混晶の半導体層が結
晶性の良いものが得られる。特にGaNとすると負電極
材料と好ましいオーミックが得られる。n型とするには
半導体層にSi、Ge、S等のドナー不純物をドープす
る。
【0010】次の第一のn型クラッド層22は第二のn
型クラッド層よりもバンドギャップが大きい窒化物半導
体を形成し、特に前記ドナー不純物をドープしたn型A
lGaNは結晶性が良く、またバンドギャップの大きい
半導体層が得られる。
【0011】次の第二のn型クラッド層23は活性層3
0よりもバンドギャップが大きい窒化物半導体層を形成
し、特に前記ドナー不純物をドープしたn型InGaN
が好ましい。また後に述べるように、第二のn型クラッ
ド層23は活性層30との組み合わせにおいてもInG
aNが好ましく、レーザ発振させるためにはInGaN
よりなるこの第二のn型クラッド層23を形成すること
は特に好ましい。
【0012】次の活性層30はノンドープのInGaN
とすると、およそ635nm〜365nm付近のバンド
間発光が得られる。好ましくはインジウムのモル比をガ
リウムに対して半分以下にしたInGaNが結晶性が良
く、レーザ素子の寿命が長い。また、活性層を数十オン
グストロームの膜厚で3層以上積層した多層膜、つまり
多重量子井戸構造としてもよい。特に好ましく活性層は
単一量子井戸(SQW:single quantum well)構造若
しくは多重量子井戸(MQW:multi quantum well)構
造とすると非常に出力の高い発光素子が得られる。SQ
W、MQWとはノンドープのInGaNによる量子準位
間の発光が得られる活性層の構造を指し、例えばSQW
では活性層を単一組成のInXGa1-XN(0≦X<1)
で構成した層であり、InXGa1-XNの膜厚を100オ
ングストローム以下、さらに好ましくは70オングスト
ローム以下とすることにより量子準位間の強い発光が得
られる。またMQWは組成比の異なるInXGa1-X
(この場合X=0、X=1を含む)の薄膜を複数積層した
多層膜とする。このように活性層をSQW、MQWとす
ることにより量子準位間発光で、約365nm〜660
nmまでの発光が得られる。量子構造の井戸層の厚さと
しては、前記のように70オングストローム以下が好ま
しい。多重量子井戸構造では井戸層はInXGa1-XNで
構成し、障壁層は同じくInYGa1-YN(Y<X、この場
合Y=0を含む)で構成することが望ましい。特に好ま
しくは井戸層と障壁層をInGaNで形成すると同一温
度で成長できるので結晶性のよい活性層が得られる。障
壁層の膜厚は150オングストローム以下、さらに好ま
しくは120オングストローム以下にすると高出力な発
光素子が得られる。
【0013】次の第二のp型クラッド層43は第二のn
型クラッド層23と同じく活性層よりもバンドギャップ
の大きい窒化物半導体を形成し、特に好ましくはアクセ
プター不純物をドープしたp型InGaNが好ましい。
アクセプター不純物としては例えばZn、Mg、Cd等
のII族元素、C(カーボン)等があり、これらの不純物
をドープした後、アニーリングすることにより好ましい
p型窒化物半導体が得られる。ここで、第二のn型クラ
ッド層23と活性層30と第二のp型クラッド層43と
の組み合わせにおいて、活性層30の膜厚を300オン
グストロームよりも薄くすることにより第二のn型クラ
ッド層23と第二のp型クラッド層43との界面に、弾
性的な歪が発生し、歪量子井戸構造のレーザ素子が実現
されるので、さらにレーザ発振が容易となる。特にこの
弾性的な歪は活性層30をInGaNとし、第二のn型
クラッド層43を活性層6よりもバンドギャップの大き
いn型InGaNとした際に発生する傾向にあるので、
第二のp型クラッド層43は省略することもできる。
【0014】次に、第一のp型クラッド層42は活性層
30、または第二のp型クラッド層43よりもバンドギ
ャップの大きい窒化物半導体で形成し、特に好ましくは
前記アクセプター不純物をドープしたp型AlGaNに
すると結晶性が良く、またバンドギャップの大きい半導
体層が得られる。またドープ後、さらに低抵抗なp型に
する目的で400℃以上でアニーリングを行っても良
い。
【0015】次に、p型コンタクト層41はn型コンタ
クト層21と同じくアクセプター不純物をドープしたp
型GaN、p型AlGaN等の二元混晶、または三元混
晶の半導体層が結晶性の良いものが得られる。特にGa
Nとすると正電極材料と好ましいオーミックが得られ
る。
【0016】以上、本発明のレーザ素子の最も好ましい
構造について述べたが、本発明のレーザ素子では、基板
に積層する窒化物半導体層を全てGaN、AlGaN、
InGaN等の二元混晶、あるいは三元混晶の窒化物半
導体で形成することが好ましい。従来提案されている窒
化物半導体レーザ素子は格子整合に重点をおいているの
で、四元混晶の窒化物半導体がいずれかの層に含まれて
いる。ところが四元混晶の窒化物半導体を成長すると、
レーザ発振が得られるような結晶性のよい半導体は得ら
れにくい。従って、本発明のレーザ素子においては、元
となる半導体層は二元混晶あるいは三元混晶の窒化物半
導体で構成することが特に好ましいのである。
【0017】次に、本発明の最も特徴である光閉じ込め
層について述べる。図1および図2において、まず前記
した活性層30、クラッド層20、40、23、43等
に接して、活性層の発光を閉じ込める層として活性層よ
りも屈折率が小さい第一のp型窒化物半導体層50を形
成している。さらにそのp型窒化物半導体層50に接し
て、順方向の電流をブロックするためのn−p接合を達
成する第二のn型窒化物半導体層51を形成している。
さらに、第二のn型窒化物半導体層51に接して、順方
向の電流を供給する正電極61、およびp型クラッド層
40、42、43と電気的に接続する層として第三のp
型窒化物半導体層52を積層した少なくとも3層構造を
有している。
【0018】第一のp型窒化物半導体層50は、活性層
30の光を閉じ込めるため、活性層よりも屈折率が小さ
いp型の窒化物半導体で形成する。例えば活性層30が
AlGaNである場合、活性層の窒化物半導体よりもA
l混晶比の大きいp型AlGaN、また活性層がInG
aNである場合は、活性層よりもIn混晶比の小さいp
型InGaN、もしくはp型AlGaNを第一のp型窒
化物半導体層に形成することができる。その中でも特に
好ましくはp型AlaGa1-aN(0≦a≦1)を選択す
る。なぜなら、AlaGa1-aNはアクセプター不純物を
ドープして最もp型になりやすく、また前記のように三
元混晶、二元混晶でもあるので結晶性に優れた半導体層
が得られるからである。さらにa値を0≦a≦0.5の
範囲に調整することにより、最も結晶性に優れたAla
Ga1-aNが得られる傾向にある。さらにまた、好まし
い活性層InGaNとの組み合わせにおいて、活性層と
の屈折率差を最も大きくして、光閉じ込め効果を高める
ことができる。
【0019】次に、第二のn型窒化物半導体層51は前
記第一のp型窒化物半導体層20に接して形成すること
により両半導体層の界面でn−p接合を達成している。
n−p接合は順方向の電流に対しては完全な絶縁層とな
るので、順方向に流れる電流をブロックして電流狭窄層
となる。この第二のn型窒化物半導体層はn型の窒化物
半導体であればどのような組成でもよいが、特に好まし
くはn型AlbGa1-bN(0≦b≦1)を形成する。な
ぜなら前記のようにAlbGa1-bNは好ましい活性層I
nGaNに対して屈折率差が大きく、またドナー不純物
をドープして結晶性の良いn型AlbGa1-bNが得られ
るからである。さらに好ましくはb値を0≦b≦0.5
の範囲に調整すると最も優れた結晶性を示すAlbGa
1-bNが得られる傾向にある。
【0020】次に、第三のp型窒化物半導体層52は、
順方向の電流を流す正電極61、およびp型クラッド層
40、42、43と電気的に接続している。正電極61
から注入される順方向の電流は、前記第二のn型窒化物
半導体層51と前記第一のp型窒化物半導体層50の積
層構造によるn−p接合で逆バイアスが係るので電流は
阻止される。しかし、第三のp型窒化物半導体層52は
p型クラッド層と電気的に接続しているので、接続部に
電流が集中して電流狭窄層として作用する。この第三の
p型窒化物半導体層52は、第一のp型窒化物半導体層
50と同じ理由で、p型AlcGa1-cN(0≦c≦1)
を好ましく形成し、さらに好ましくはc値を0≦c≦
0.5の範囲に調整したものを形成する。特に第三のp
型窒化物半導体層52に関してはp型GaNが最も好ま
しい。なぜならこの層は正電極およびp型クラッド層と
電気的に接続するので、GaNで形成すると正電極と好
ましいオーミック接触が得られやすいからである。p型
GaNと特に好ましいオーミック接触が得られる電極材
料としては少なくともNiとAuとを含む電極材料であ
り、特にNiをp型GaNと接触する電極にすると、非
常に好ましいオーミック接触が得られる。
【0021】
【作用】図4は従来の窒化物半導体レーザ素子の一構造
を示す模式断面図である。図4のレーザ素子は特開平6
−152072号公報に開示されているものであって、
基板100の上に高配向性の窒化物半導体層101とn
型のクラッド層102と活性層103とp型クラッド層
104を積層し、活性層の周囲を半絶縁性(i)型の窒
化物半導体110で包囲した埋め込みへテロ型のレーザ
素子である。なお図4で105は負電極、106が正電
極である。
【0022】従来の構造のレーザ素子では電流狭窄(電
流阻止)をi型の窒化物半導体層で行っている。一方本
願のレーザ素子ではn−p接合を有する窒化物半導体で
行っている点で異なる。i型の窒化物半導体は完全な絶
縁性ではなく電流をわずかながら通すので、活性層の電
流密度が上がりにくい。ところが本願では順方向と逆の
n−p接合であるので順方向に対してはi型よりも優れ
た絶縁体であるので活性層に電流を集中させることがで
きる。
【0023】また第三のp型窒化物半導体層はp型クラ
ッド層と電気的に接続している。つまり図1、図2に示
すように一部がエッチングされたp型クラッド層、p型
コンタクト層の表面にも接して形成されている。p型窒
化物半導体はエッチングで表面が傷つけられると正電極
と非常にオーミックコンタクトしにくくなる。しかし、
本発明ではこの第三のp型窒化物半導体がエッチング面
を覆っているので、実際に正電極を設けるのはエッチン
グされていない第三のp型窒化物半導体層となる。従っ
て、電極とのオーミック性が良くなり低しきい値で容易
にレーザ発振するのである。このように、第三のp型窒
化物半導体層を形成するのは本願が最初である。
【0024】
【実施例】
[実施例1]厚さ350μm、2インチφのサファイア
基板10のC面(0001)に、GaNよりなるバッフ
ァ層11を200オングストローム、Siドープn型G
aNよりなるn型コンタクト層21を5μm、Siドー
プn型Al0.3Ga0.7Nよりなる第一のn型クラッド層
22を0.1μm、Siドープn型In0.01Ga0.99N
よりなる第二のn型クラッド層23を500オングスト
ローム、ノンドープIn0.08Ga0.92Nよりなる活性層
30を100オングストローム、Mgドープp型In0.
01Ga0.99Nよりなる第二のp型クラッド層43を50
0オングストローム、Mgドープp型Al0.3Ga0.7N
よりなる第一のp型クラッド層42を0.1μm、Mg
ドープp型GaNよりなるp型コンタクト層41を0.
5μmの膜厚で順に成長させる。
【0025】成長後p型コンタクト層41の表面に所定
の形状のマスクを形成し、ウェーハをRIE(反応性イ
オンエッチング)装置でn型コンタクト層21が露出す
るまでエッチングする。エッチング後、マスクを除去し
たウェーハの構造を示す模式断面図を図5に示す。
【0026】エッチング終了後、露出したn型コンタク
ト層21の表面に所定の形状のマスクを形成して、再度
窒化物半導体の選択成長を行い、逆方向のp−n接合を
達成した光閉じ込め層を形成する。まずMgドープp型
Al0.1Ga0.9Nよりなる第一のp型窒化物半導体層5
0を0.1μmの膜厚で成長させ、その上にSiドープ
n型Al0.1Ga0.9Nよりなる第二のn型窒化物半導体
層51を0.1μmの膜厚で成長させる。成長後、マス
クを除去したウェーハの構造を示す模式断面図を図6に
示す。
【0027】次に第二の窒化物半導体層51の表面に所
定の形状のマスクを形成して、第一、第二の窒化物半導
体層50、51、p型コンタクト層41の一部をエッチ
ングする。このエッチングは幅4μmのストライプ形状
とすることにより、第一、第二の窒化物半導体層50、
51が電流狭窄層となるものである。エッチング後、マ
スクを除去したウェーハの構造を示す模式断面図を図7
に示す。
【0028】エッチング後、露出したn型コンタクト層
21の表面にマスクを形成し、マスクの上から再び選択
成長を行い、Mgドープp型GaNよりなる第三のp型
窒化物半導体層52を0.1μmの膜厚で成長させる。
図2に示すようにこの第三のp型窒化物半導体層52
は、第二のn型窒化物半導体層51と第一のn型窒化物
半導体層51とに接しており、さらにエッチングにより
露出したp型コンタクト層41に接して、p型クラッド
層42、43と電気的に接続している。第三のp型窒化
物半導体層52を形成することにより、正電極形成時、
エッチングにより表面が荒れたp型結晶(p型コンタク
ト層41)に電極を形成するよりも、結晶成長後の鏡面
に近いp型結晶(第三のp型窒化物半導体層52)に電
極が形成できるので、p型層とオーミックが得られやす
くなり、発振時のしきい値電流を低下させることができ
る。
【0029】次に、エッチングしたストライプ形状に従
って、第三の窒化物半導体層52の表面にNi/Auよ
りなる正電極61をストライプ状に形成し、n型コンタ
クト層21にはTi/Alよりなる負電極60をストラ
イプ状に形成する。
【0030】次に、サファイア基板10を研磨して15
0μm以下にした後、ストライプ状の電極に垂直な方向
でウェーハを割り、その劈開面を窒化物半導体面を共振
面とする図1に示すようなレーザチップを作製した。こ
のチップをヒートシンクに設置しレーザ素子としたとこ
ろ、このレーザ素子は常温で、しきい値電流密度1.5
kA/cm2以上でレーザ発振が確認され、発振波長39
0nmであった。
【0031】[実施例2]図3を元に実施例2を説明す
る。図3は面発光型のレーザ素子の構造を示す模式断面
図である。実施例1において第一の窒化物半導体層5
0、第二の窒化物半導体層51を形成するまでは同様の
操作を行う。次に第一、第二の窒化物半導体層50、5
1、p型コンタクト層41の一部をエッチングしてp型
コンタクト層41を露出させるのであるが、エッチング
形状は面発光レーザであるので、数十μmφの円形とす
る。
【0032】エッチング後、実施例1と同様にして、n
型コンタクト層20の表面にマスクを形成した後、Mg
ドープp型GaNよりなる第三のp型窒化物半導体層5
2を0.1μmの膜厚で形成する。
【0033】次に第三の窒化物半導体層52に所定のマ
スクを施し、エッチング箇所に対応する第三の窒化物半
導体層52の表面にSiO2とZrO2よりなる誘電体多
層膜70を形成する。但し、誘電体多層膜70は活性層
の発光を反射するように設計することはいうまでもな
い。またサファイア基板10側にも同様にしてSiO2
とZrO2よりなる誘電体多層膜71を形成する。
【0034】次に第三の窒化物半導体層52の表面にN
i/Auよりなる正電極61、n型コンタクト層21に
Ti/Alよりなる負電極60を形成する。但し、正電
極61の形状は実施例1のようにストライプ型ではなく
通常の円形である。
【0035】電極形成後、ウェーハをダイシングにより
チップ状に分離し、実施例1と同様にしてヒートシンク
上に設置してレーザ素子としたところ、同じく常温で、
しきい値電流密度1.5kA/cm2以上で発振波長39
0nmのレーザ発振が確認された。
【0036】[実施例3]実施例1において、活性層6
を成長させる際、ノンドープIn0.08Ga0.92Nよりな
る井戸層を25オングストローム、その上にノンドープ
In0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を50オングストロ
ームの膜厚で成長させる。この操作を13回繰り返し、
最後に井戸層を積層して総厚1000オングストローム
の活性層6を成長させた。後は実施例1と同様にしてレ
ーザ素子としたところ、同じく、しきい値電流密度1.
5kA/cm2以上で発振波長390nmのレーザ発振が
確認された。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザ素
子は第一のp型窒化物半導体層50と第二のn型窒化物
半導体層51と、第三のp型窒化物半導体層52とのp
−n−p接合で順方向の電流を完全にブロックできるの
で、完全な電流狭窄層が実現して電流を活性層に集中で
きる。しかも屈折率が小さい窒化物半導体層を活性層と
クラッド層とに接して形成しているため、活性層の光閉
じ込め効果が格段に向上するので常温においてレーザ発
振可能となった。このように窒化物半導体で常温で短波
長域のレーザ素子が実現されたことにより、書き込み用
光源、コンパクトディスクの光源として記録密度が飛躍
的に向上し、その産業上の利用価値は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザ素子の基本的な構造を示す模
式断面図。
【図2】 本発明のレーザ素子の最も好ましい構造を示
す模式断面図。
【図3】 本発明の一実施例に係るレーザ素子の構造を
示す模式断面図。
【図4】 従来のレーザ素子の構造を示す模式断面図。
【図5】 実施例の一工程において得られるレーザ素子
の構造を示す模式断面図。
【図6】 実施例の一工程において得られるレーザ素子
の構造を示す模式断面図。
【図7】 実施例の一工程において得られるレーザ素子
の構造を示す模式断面図。
【符号の説明】
10・・・・基板 20・・・・n型クラッド層 30・・・・活性層 40・・・・p型クラッド層 60・・・・負電極 61・・・・正電極 50・・・・第一のp型窒化物半導体層 51・・・・第二のn型窒化物半導体層 52・・・・第三のp型窒化物半導体層 11・・・・バッファ層 21・・・・n型コンタクト層 22・・・・第一のn型クラッド層 23・・・・第二のn型クラッド層 43・・・・第二のp型クラッド層 42・・・・第一のp型クラッド層 41・・・・p型コンタクト層41 70、71・誘電体多層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 修二 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−229475(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の上に少なくともn型クラッド層と
    活性層とp型クラッド層とが順に積層された構造を有す
    る窒化物半導体レーザ素子において、 上記積層構造を包囲する、活性層よりも屈折率が小さい
    p型窒化物半導体層と、そのp型窒化物半導体層に接し
    て形成されるn型窒化物半導体層とで形成され、順方向
    電流に対し逆方向のpn接合を形成するpn接合層を設
    け、該pn接合層をエッチング開口して上記p型クラッ
    ド層をストライプ形状に露出し、該露出された上記p型
    クラッド層のエッチング面に接して上記pn接合層の上
    面にp型コンタクト層を形成し、該コンタクト層上の正
    電極と上記p型クラッド層とを上記pn接合層のストラ
    イプ形状のエッチング開口部で電流挟窄して電気的に接
    続させることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 基板の上に少なくともn型クラッド層と
    活性層とp型クラッド層とp型コンタクト層が順に積層
    された構造を有する窒化物半導体レーザ素子において、 上記積層構造を包囲する、活性層よりも屈折率が小さい
    p型窒化物半導体層と、そのp型窒化物半導体層に接し
    て形成されるn型窒化物半導体層とで形成され、順方向
    電流に対し逆方向のpn接合を形成するpn接合層を設
    け、該pn接合層をエッチング開口して上記p型コンタ
    クト層をストライプ形状に露出し、該露出された上記p
    型コンタクト層のエッチング面に接して上記pn接合層
    の上面に第2のp型コンタクト層を形成し、該第2のコ
    ンタクト層上の正電極と上記p型コンタクト層とを上記
    pn接合層のストライプ形状のエッチング開口部で電流
    挟窄して電気的に接続させることを特徴とする窒化物半
    導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記p型窒化物半導体層がp型AlaG
    a1-aN(0≦a≦1)よりなり、前記n型窒化物半導体
    層がn型AlbGa1-bN(0≦b≦1)よりなる請求項
    1又は2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記p型コンタクト層がp型GaNより
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物半
    導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 上記pn接合層のストライプ形状のエッ
    チング開口部に対応してp型コンタクト層又は第2のp
    型コンタクト層上に誘電体多層膜を形成する請求項1又
    は2記載の窒化物半導体レーザ素子。
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