JP3272330B2 - キーマトリックス回路 - Google Patents

キーマトリックス回路

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JP3272330B2 JP22096599A JP22096599A JP3272330B2 JP 3272330 B2 JP3272330 B2 JP 3272330B2 JP 22096599 A JP22096599 A JP 22096599A JP 22096599 A JP22096599 A JP 22096599A JP 3272330 B2 JP3272330 B2 JP 3272330B2
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詩郎 藤木
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M11/00Coding in connection with keyboards or like devices, i.e. coding of the position of operated keys
    • H03M11/22Static coding
    • H03M11/24Static coding using analogue means, e.g. by coding the states of multiple switches into a single multi-level analogue signal or by indicating the type of a device using the voltage level at a specific tap of a resistive divider

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は無線通信機等に用
いるキーマトリックス回路に係り、特に選択キーを認識
するマイクロコンピュータ回路への入力回線数を最小に
する回路構成において、それに関連したキーボードと回
路基板の構造的工夫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランシーバ等ではその操作
パネル面に選択・設定用キーがマトリックス状に配列さ
れたキーボードが適用されている。図9はそのキーボー
ド部分を示す回路図であり、0からfまでの16進数が
選択できる4×4マトリックスキーである。このキーマ
トリックス回路では、X方向(行方向)のキーに対応した
1〜4回線101とY方向(列方向)のキーに対応した5〜
8回線102とがあり、双方の回線の交叉部分に選択キー1
03が設けてある。そして、1〜4回線101は個々に抵抗
Rx1〜Rx4を介して電源Vccに接続されており、5〜8
回線102は個々に抵抗Ry5〜Ry8を介して接地されてい
る。したがって、任意の選択キーがONにされると、そ
の選択キーの部分で交叉しているX方向のp回線とY方
向のq回線が接続され、電源電圧Vccが抵抗Rxpと抵抗
Ryqで分圧された電圧(Vd)が双方の回線に出力される
が、1〜4回線101と5〜8回線102はマイクロコンピュ
ータ回路の各入力ポートに接続されており、マイクロコ
ンピュータ回路はp回線とY方向のq回線の電圧レベル
がVdとなったことに基づいて16個の選択キーの内の
何れが押圧されたかを認識し、その選択キーに割り当て
られている制御コマンド等を出力する。
【0003】また、他の方式としては図10に示す単独
方式がある。同図に示すように、1〜16の選択キーが
あるとすると、それぞれの選択キーKYE1〜KYE16のON
/OFF信号がマイクロコンピュータ回路の入力ポート
へ個別に出力されるが、マイクロコンピュータ回路が各
入力ポートの状態を監視しており、その状態に基づいて
何れの選択キーが押圧されたかを認識するという最も単
純な方式である。
【0004】更に、他の方式として、図11に示すよう
なA/D方式もある。この方式の回路では、1〜16の
選択キーがあるとすると、電源電圧Vccに抵抗R1〜R1
6を直列接続し、各抵抗R1〜R15の接続点と接地回路の
間、及び抵抗R16の端点と接地回路の間に、各選択キー
KYE1〜KYE16によってON/OFFされる個別スイッチ
が設けてあり、抵抗R1と抵抗R2の接続点がマイクロコ
ンピュータ回路の入力ポートに接続されている。したが
って、選択キーKYEpが押圧されると、抵抗R1と抵抗R2
の接続点には電圧Vccを抵抗R1と直列抵抗(R1+R2+
…+Rp)で分圧された電圧(Vd)が出力されるが、マイ
クロコンピュータ回路はその電圧をA/D変換し、その
電圧レベルに基づいて何れの選択キーが押圧されたかを
認識する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トランシー
バ等の無線通信機においてデータ入力や各種設定に用い
る10キー入力等の多キー入力方式では、前記のように
選択キーの認識及び制御コマンドやデータの出力にマイ
クロコンピュータ回路を用いているが、配線数を少なく
し、また部品コストの低減化を図る上で、マイクロコン
ピュータ回路への入力回線数を少なくしてポート数の少
ないものを用いることが望まれる。この課題に対して、
上記の図9に示したキーマトリックス回路によれば、1
6の選択キーの構成で8本の回線が必要となり、また図
10の単独方式では選択キーと同数の16本の回線が必
要になる。一方、図11のA/D方式によれば、原理的
には多数の選択キーがあっても1本の回線で足り、マイ
クロコンピュータ回路もA/D変換後の電圧レベルから
各選択キーの認識が可能なように思われる。しかし、一
般にマイクロコンピュータ回路に適用される電源電圧V
ccは5[V]であり、分圧された電圧を安定的に判別認識
するためには約1[V]毎にスレッショルドを設定する必
要がある。したがって、図11のA/D方式でも実際に
は5段階での判別が限度であり、OPENを入れても6段階
までしかとれず、同図に示すような16の選択キーのO
N/OFFを安定的に認識させることはできない。そこ
で、本発明は、各選択キーの操作を認識するマイクロコ
ンピュータ回路に対する信号回線数を最小限に構成しな
がら、正確で安定した認識を可能にするためのキーマト
リックス回路を構成した場合において、その回路構成に
適用されるキーボード側の合理的構造を提供することを
目的として創作された。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明が適用されるキー
マトリックス回路は、次のような回路構成を有してい
る。 即ち、複数の選択キーをN(行方向)×M(列方向)の
マトリックス状の配列で構成したキーボードと、前記キ
ーボードの各選択キーに対応させて選択キーの押圧によ
って共通接地回路に接続される第1端子と第2端子とか
らなるスイッチング回路を構成すると共に、行方向に配
列された各選択キーに対応した各スイッチング回路の第
1端子は各行方向単位での第1接続回路へ、列方向に配
列された各選択キーに対応した各スイッチング回路の第
2端子は各列方向単位での第2接続回路へそれぞれ接続
させた基板と、定電圧電源と前記第1接続回路の内の一
回路とをN個の抵抗の直列回路からなる第1分圧回路で
接続し、他の第1接続回路をそれぞれ前記第1分圧回路
の各抵抗間に接続すると共に、前記定電圧電源側から一
つの抵抗を介した第1接続回路の抵抗接続点を第1出力
点とし、また、定電圧電源と前記第2接続回路の内の一
回路とをM個の抵抗の直列回路からなる第2分圧回路で
接続し、他の第2接続回路をそれぞれ前記第2分圧回路
の各抵抗間に接続すると共に、前記定電圧電源側から一
つの抵抗を介した第2接続回路の抵抗接続点を第2出力
点とした出力回路と、前記出力回路の第1出力点と第2
出力点の電圧をA/D変換して取り込み、第1出力点に
出力され得る各電圧レベルデータと第2出力点に出力さ
れ得る各電圧レベルデータの組み合わせに対応させて各
選択キーに係る識別データ又は制御コマンドを記憶させ
たデータテーブルを用いて、前記キーボードの押圧され
た選択キーを認識すると共に該当する制御を実行するマ
イクロコンピュータ回路とからなる構成を有したキーマ
トリックス回路である この回路構成によれば、キーボ
ードの選択キーが押圧されると、その選択キーが属する
行と列で定まる各電圧が第1出力点と第2出力点に出力
される。 即ち、押圧された選択キーに対応するスイッチ
ング回路がONになることで、抵抗の直列回路である第
1分圧回路と第2分圧回路の接地箇所がその選択キーの
属する行と列で設定され、それに応じて各分圧回路にお
ける定電圧電源の電圧の分圧状態が構成されて、各分圧
電圧が第1出力点と第2出力点に出力される。 その場
合、各分圧電圧回路は抵抗の直列回路であるため、各分
圧電圧は押圧された選択キーの属する行と列によってそ
れぞれ異なる電圧値をとる。 一方、マイクロコンピュー
タ回路は、第1出力点と第2出力点のそれぞれがとり得
る各電圧レベルデータの組み合わせに対応させてキーボ
ード側の各選択キーの識別データ又は制御コマンドを記
憶させたデータテーブルを備えている。 したがって、第
1出力点と第2出力点の電圧をA/D変換した後の各電
圧レベルデータの組み合わせに基づいて押圧された選択
キーが一義的に定まるが、マイクロコンピュータ回路は
前記のデータテーブルを参照して選択キーを認識し、認
識された選択キーの識別データ又は制御コマンドを出力
することができる。
【0007】そして、第1の発明では、前記キーマトリ
ックス回路において、前記キーボードがラバー製のキー
パッドであって、各選択キーの基板側面にノブを形成す
ると共に、各ノブを含む基板側面に共通接地回路に相当
する導電体面を形成した構成とし、一方、前記基板面に
おける前記キーボード側の各選択キーに対応する位置に
前記の第1端子と第2端子を導体パターンで形成すると
共に、前記基板面には前記の第1接続回路と第2接続回
路の各導体パターンが相互に絶縁させて形成されてお
り、且つ、前記の第1接続回路と第2接続回路は前記キ
ーボード側の導電体面と絶縁させた方式を採用する。
の方式によれば、共通接地回路をキーボード側に構成で
き、基板側には第1端子と第2端子と第1接続回路と第
2接続回路を形成すればよく、基板側の回路設計が容易
になる。
【0008】また、第2の発明では、前記のキーマトリ
ックス回路において、前記キーボードがラバー製のキー
パッドであって、各選択キーの基板側面にノブを形成し
た構成とし、一方、前記基板面における前記キーボード
側の各選択キーに対応する位置に前記の第1端子と第2
端子を導体パターンで形成すると共に、前記基板面には
前記の第1接続回路と第2接続回路の各導体パターンが
相互に絶縁させて形成されており、且つ、前記キーボー
ドと前記基板の間には、各選択キーのノブに対応する位
置にノブ側への膨出部分を形成した導電性の弾性金属板
が前記基板面との接合領域にのみ絶縁層を介在させて介
装されており、その弾性金属板を共通接地回路とした方
式を採用する。 前記の第1の発明では、導体パターンが
選択キーの押圧によって変形せしめられて共通接地回路
に導通不良が発生することが懸念されるが、この第2の
発明の方式によれば、弾性金属板を共通接地回路として
いるためにそのような不利がなく、またノブの戻りに要
する弾性を弾性金属板に担わせることができるという利
点もある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の「キーマトリック
ス回路」に係る実施形態を、図1から図8を用いて詳細
に説明する。先ず、図1は無線機の操作パネルに設けら
れたキーマトリックス回路の基本的構成を示すブロック
図である。同図において、1は4×4マトリックス配列
のキーボードとその基板(以下、「キーボード・基板」
という)を、30x,30yは分圧回路を、40はマイクロコンピ
ュータ回路を示す。そして、キーボード・基板1におけ
る各選択キー部分の構成は図2に示され、同図の(A)は
基板側に形成された導体パターンの平面図であり、(B)
は選択キー部分の断面図である。
【0010】ここで、図1の選択キー[1]の部分と図2
(A)を参照して説明すると、基板2には、列方向に形成
された共通接地回路3の両側の対称位置に2つの円弧状
の端子4,5が形成されており、端子4は選択キーと抵触し
ない領域で行方向へ形成された接続回路6-1に、端子5は
選択キーと抵触しない領域で列方向へ形成された接続回
路7-2に、それぞれ接続されている。また、共通接地回
路3は各端子4,5の間で円状部分が形成されており、広い
接点面積が確保できるようになっている。一方、図2
(B)に示すように、キーボード8側はラバー製のキーパ
ッドであって、基板2側の各端子4,5の形成領域に対応す
る位置にノブ9が形成されており、そのノブ9の基板2側
の面を導電面としてノブ接点9aが構成されている。
【0011】したがって、選択キーのノブ9が押圧され
ると、ノブ接点9aが端子4,5と共通接地回路3を接続さ
せ、各接続回路6-1,7-2が接地されることになる。そし
て、以上は選択キー[1]の部分について説明したが、他
の選択キーに関しても同様であり、図1から明らかなよ
うに、第p行目(p=1,2,3,4)で第q列目(q=1,2,3,4)
に相当する選択キーが押圧されると、各接続回路6-p,7-
qが接地されることになる。尚、基板2の面に形成される
各共通接地回路3と接続回路6-pと接続回路7-qは相互に
絶縁されていなければならず、適所に絶縁層を介在させ
てそれぞれの導体パターンが形成されている。
【0012】分圧回路30xは電源電圧Vccと行方向に係
る接続回路6-1を抵抗R1,R2,R3,R4の直列回路で接続
し、R1とR2,R2とR3,R3とR4の各接続点に基板2側
の行方向に係る各接続回路6-4,6-3,6-2を接続すると共
に、R1とR2の接続点から分圧電圧Vxがマイクロコン
ピュータ回路40へ出力されている。また、分圧回路30y
は電源電圧Vccと行方向に係る接続回路7-1を抵抗R5,
R6,R7,R8の直列回路で接続し、R5とR6,R6とR7,
R7とR8の各接続点に基板2側の列方向に係る各接続回
路7-4,7-3,7-2を接続すると共に、R5とR6の接続点か
ら分圧電圧Vyがマイクロコンピュータ回路40へ出力さ
れている。
【0013】次に、マイクロコンピュータ回路40は、前
記の各分圧回路30x,30yの分圧電圧Vx,Vyが入力される
ポート41,42と、無線機の各種機能を制御するための各
種I/Oポート43とを備えているが、この実施形態のマ
イクロコンピュータ回路40はROM44にキー認識プログ
ラムとそのプログラムの実行過程で参照される認識テー
ブルを格納している点に特徴がある。ここで、認識テー
ブルの構成は図3に示され、分圧電圧Vxと分圧電圧Vy
のとり得る各電圧レベルデータの組み合わせに対応させ
て各選択キー[1〜f]に関連付けられている制御コマン
ドが格納されている。
【0014】即ち、図1において、行方向に整列した選
択キーの組についてみると、 選択キー[0,1,2,3]の何れかがONになった場合に
は 分圧電圧Vx=Vcc*(R2+R3+R4)/(R1+R2+
R3+R4)が、 選択キー[4,5,6,7]の何れかがONになった場合に
は 分圧電圧Vx=Vcc*(R2+R3)/(R1+R2+R3)
が、 選択キー[8,9,a,b]の何れかがONになった場合
には 分圧電圧Vx=Vcc*R2/(R1+R2)が、 選択キー[c,d,e,f]の何れかがONになった場合
には 分圧電圧Vx=Vcc*0=0が ポート41へ出力されることになり、 列方向に整列した選択キーの組についてみると、 選択キー[0,4,8,c]の何れかがONになった場合
には 分圧電圧Vy=Vcc*(R6+R7+R8)/(R5+R6+
R7+R8)が、 選択キー[1,5,9,d]の何れかがONになった場合
には 分圧電圧Vy=Vcc*(R6+R7)/(R5+R6+R7)
が、 選択キー[2,6,a,e]の何れかがONになった場合
には 分圧電圧Vy=Vcc*R6/(R5+R6)が、 選択キー[3,7,b,f]の何れかがONになった場合
には 分圧電圧Vy=Vcc*0=0が ポート42へ出力されることになるが、 Vcc=5[V]、R1=R5=1kΩ、R2=R6=250
Ω、R3=R7=450Ω、R4=R8=800Ωとして設
定し、±0.3[V]の最大誤差範囲を見込んでテーブル
を構成すれば、図3のような対応関係が得られる。尚、
図3では各分圧電圧Vx,Vyの組み合わせに対応する位
置に選択キーの番号[0〜f]が記載されているが、実際
には選択キーに係る制御コマンドが書き込まれている。
【0015】次に、図1のキーマトリックス回路におけ
るマイクロコンピュータ回路40のキー認識プログラムに
基づいた動作手順を、図4のフローチャートを参照しな
がら説明する。先ず、マイクロコンピュータ回路40は、
CPU45がシステムを初期化して、ポート41,42の入力
電圧Vx,Vyを監視する待機状態となる(S1,S2)。ここ
で、キーボード1の何れかの選択キーが押圧されて、各
ポート41,42の入力電圧Vx,Vyに電圧降下が検出される
と、CPU45はその各電圧Vx,Vyを内蔵のA/D変換器
でディジタルデータに変換してRAM46にセーブする(S
3)。そして、直ちにROM44の認識テーブルを参照し、
各電圧レベルデータVx,Vyの組み合わせに対応付けら
れている制御コマンドを各種I/Oポート43側へ読み出
して、前記の押圧された選択キーで要求されている無線
機の制御タスクを実行させる(S4,S5)。例えば、電源電
圧Vccと各抵抗R1〜R8が上記の値に設定されていると
して、選択キー[6]が押圧されたとすると、 Vx=Vcc*(R2+R3)/(R1+R2+R3)=2.06[V] Vy=Vcc*R6/(R5+R6)=1[V] となるため、図3の認識テーブルから選択キー[6]に係
る制御コマンドが読み出されて実行されることになる。
【0016】したがって、この実施形態によれば、4×
4マトリックス配列のキーボード・基板1でありなが
ら、マイクロコンピュータ回路40側の選択キーを認識す
るため入力ポートは2個のポート41,42で足り、そのた
めのキーボード・基板1側からの出力回路(分圧回路30x,
30y)も簡単な抵抗直列回路で構成できる。そして、電源
電圧Vcc=5[V]に対して、各分圧電圧Vx,Vyの判別
スレッショルドも1[V]の間隔で設定できるため、誤作
動のない安定したキーマトリックス回路を構成すること
ができる。尚、この実施形態では4×4マトリックス配
列の場合について説明したが、行方向に係る選択キー用
に1組の接続回路と分圧回路を加えると32キー配列の
キーボードに対応でき、更に列方向に係る選択キー用に
も1組の接続回路と分圧回路を加えると48キー配列の
キーボードに対応できることになり、この場合にあって
もマイクロコンピュータ回路の入力ポートは4個あれば
足りる。
【0017】次に、上記の実施形態においては、キーボ
ード・基板1における各選択キー部分に図2に示す構成
を採用しているが、以下に説明するような方式も採用で
きる。 ≪方式A≫ この選択キー部分の方式は図5に示され、(A)は基板側
に形成された導体パターンの平面図、(B)は選択キー部
分と基板の端部近傍における共通接地回路の接続態様を
示す断面図、(C)はキーボードを背面側から見た斜視図
である。図5(A)に示すように、基板51に形成されてい
る端子52,53は上記の実施形態における端子4,5(図2参
照)に相当するものであるが、この方式では基板51の端
子52,53の形成領域には共通接地回路が形成されていな
いため、各端子52,53が相互に凹凸が入り組んだ平面形
状になっており、より広い接点面積が確保できている。
一方、キーボード54側の基本的構成は上記の実施形態の
場合と同様であり、ラバー製のキーパッドにおける基板
51側の各端子52,53の形成領域に対応する位置にノブ55
が形成されているが、この方式ではキーボード54の背面
側に導体膜56が全面的に施されており、その導体膜56が
共通接地回路を構成するようになっている。
【0018】そして、ノブ55の背面側も当然に導体膜56
で覆われているが、ノブ55が押圧されると直下にある各
端子52,53が短絡された状態で接地されることになり、
上記の実施形態と同様のスイッチング回路が構成され
る。尚、上記の実施形態と同様に各端子52,53に接続さ
れる各接続回路が相互に絶縁されていると共に、この方
式ではそれらの接続回路と共通接地回路である導体膜56
とを絶縁させるために、基板51側における各端子52,53
の形成領域以外の領域とキーボード54側の間には絶縁層
57が介在せしめられている。また、キーボード54側の導
体膜56は共通接地回路を構成しているが、基板51の端部
近傍に形成された導体パターン58と接続されて、共通接
地端子(図示せず)まで導かれる。この方式によれば、基
板51に共通接地回路を構成する必要がなく、基板面に対
する導体パターンの設計が容易になる。
【0019】≪方式B≫ この選択キー部分の方式は図6に示され、(A)は断面
図、(B)は共通接地回路として適用される金属板の全体
的斜視図である。この方式は、前記の方式A(図5)にお
いてキーボード54の背面側に施されていた導体膜56の代
わりに、導電性の弾性金属板(例えば、りん青銅板)61を
介装させている点に特徴がある。そして、その弾性金属
板61には、予め各選択キーのノブ62に対応する位置に球
面状の膨出部分61aが形成されており、図6(A)のよう
に、キーボード63と基板64側の導体パターン(端子65,66
や各接続回路)の間に介装されるが、前記の膨出部分61a
の曲率半径が大きくなっているため、ノブ62の押圧力を
受けて膨出部分61aが窪んで端子65,66を短絡させ、押圧
力が解除されるとその弾性によってノブ62を押し上げて
元の状態に復元させるようになっている。尚、キーボー
ド63側の構成は、導体膜56が施されていないことを除い
て前記の方式A(図5)のものと同様であり、また弾性金
属板61が共通接地回路となるために基板1側との間に絶
縁層67が介在せしめられていることも同様である。
【0020】したがって、方式A(図5)ではノブ55の周
囲において薄く形成された可撓性部分59の弾性を利用し
て押圧後のノブ55の復元を行うようにしているが、この
方式では共通接地回路を兼ねた弾性金属板61にそれを担
わせるようにできる。また、方式A(図5)では前記の可
撓性部分59にも導体膜56が施されているため、同部分59
の変形によって導体膜56が剥離し易くなって共通接地回
路の導通不良が発生する危険性があるが、この方式によ
ればそのような不具合は生じない。
【0021】≪方式C≫ この方式は、キーボード側の構成は上記の図2(B)に示
したものと同様であるが、基板側の端子の構成に特徴が
ある。即ち、図1及び図2に示した各選択キーに対応し
た端子4,5は2つの独立したものであったが、この方式
では、図7(基板の電気回路図)の選択キー[1]について
示すように、単一端子71として構成し、選択キー[1]を
含む行方向と列方向に係る各接続回路72-1,73-2とその
単一端子71とをそれぞれダイオード74,75で接続してい
る。但し、各ダイオード74,75は各接続回路72-1,73-2か
ら単一端子71への方向を順方向に設定されている。ま
た、基板70における各選択キーについても同様の回路構
成になっており、各単一端子と共通接地回路と各接続回
路は絶縁されている。
【0022】したがって、各選択キーに係る前記回路構
成の等価回路は図8のようになり、キーボード側の構成
が図2(B)に示したものと同様であることから、図8の
9,9aはノブとノブ接点を、3は共通接地回路に相当する
ことになる。その結果、単一端子71と各接続回路72-1,7
3-2の間にはダイオードOR回路が構成されていること
になり、選択キー[1]が押圧されて単一端子71と共通接
地回路3が短絡された場合にのみ各ダイオード74,75が導
通して単一端子71と各接続回路72-1,73-2が接続される
が、選択キー[1]が押圧されていない状態では各接続回
路72-1,73-2と共通接地回路3の間がハイインピーダンス
状態となる。この方式によれば、端子を単一構成になる
こと及び信頼性の高いスイッチング回路になることか
ら、誤作動のないキーマトリックス回路を実現できる。
【0023】
【発明の効果】本発明のキーマトリックス回路は、以上
の構成を有していることにより、次のような効果を奏す
る。請求項1の発明は、選択キーを認識するマイクロコ
ンピュータ回路への入力回線数を最小にした回路を基板
に構成する場合において、キーボードをラバー製のキー
パッドとして各選択キーの器板面側にノブを形成してお
き、キーボード・基板の共通接地回路をキーボード側の
背面に施した導体膜で構成したことにより、基板側の回
路の簡素化を実現する。請求項2の発明は、キーボード
・基板の共通接地回路を、前記の導体膜に代えて、各選
択キーのノブとの対向側へ膨出部分を形成した導通性の
弾性金属板で構成したことにより、前記と同様に基板側
の回路を簡素化すると共に、共通接地回路の導通不良が
発生せず、選択キーのノブの復元力もその金属板で担わ
せた構成を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るキーマトリックス回路
の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】キーボード・基板における各選択キー部分の構
成を示し、(A)は基板側に形成された導体パターンの平
面図であり、(B)は選択キー部分の断面図である。
【図3】マイクロコンピュータ回路の認識テーブルの構
成を示す図である。
【図4】マイクロコンピュータ回路のキー認識プログラ
ムに基づいた動作手順を示すフローチャートである。
【図5】方式Aに係る選択キー部分の構成を示し、(A)
は基板側に形成された導体パターンの平面図、(B)は選
択キー部分と基板の端部近傍における共通接地回路の接
続態様を示す断面図、(C)はキーボードを背面側から見
た斜視図である。
【図6】方式Bに係る選択キー部分の構成を示し、(A)
は断面図、(B)は共通接地回路として適用される金属板
の全体的斜視図である。
【図7】方式Cに係る基板側の電気回路図である。
【図8】方式Cに係る各選択キー部分の等価回路図であ
る。
【図9】従来技術に係るキーマトリックス回路の電気回
路図である。
【図10】従来技術に係るキーマトリックス回路(単独
方式)の電気回路図である。
【図11】従来技術に係るキーマトリックス回路(A/D
方式)の電気回路図である。
【符号の説明】
1…キーボード・基板、2…基板、3…共通接地回路、4,5
…端子、6-1,6-2,6-3,6-4,7-1,7-2,7-3,7-4…接続回
路、8…キーボード、9…ノブ、9a…ノブ接点、30x,30y
…分圧回路、40…マイクロコンピュータ回路、41,42…
入力ポート、43…各種I/Oポート、44…ROM、45…
CPU、46…RAM、51…基板、52,53…端子、54…キ
ーボード、55…ノブ、56…導体膜、57…絶縁層、58…導
体パターン、59…可撓性部分、61…導電性の弾性金属
板、61a…膨出部分、62…ノブ、63…キーボード、64…
基板、65,66…端子、70…基板、71…単一端子、72-1,73
-2…接続回路、74,75…ダイオード、101…X方向(行方
向)のキーに対応した回線(1〜4)、102…Y方向(行方
向)のキーに対応した回線(5〜8)、103…選択キー、R
1〜R16,Rx1〜Rx4,Ry5〜Ry8…抵抗、Vcc…電源電
圧、Vx,Vy…分圧電圧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/02 H01H 13/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の選択キーをN(行方向)×M(列方
    向)のマトリックス状の配列で構成したキーボードと、
    前記キーボードの各選択キーに対応させて選択キーの押
    圧によって共通接地回路に接続される第1端子と第2端
    子とからなるスイッチング回路を構成すると共に、行方
    向に配列された各選択キーに対応した各スイッチング回
    路の第1端子は各行方向単位での第1接続回路へ、列方
    向に配列された各選択キーに対応した各スイッチング回
    路の第2端子は各列方向単位での第2接続回路へそれぞ
    れ接続させた基板と、定電圧電源と前記第1接続回路の
    内の一回路とをN個の抵抗の直列回路からなる第1分圧
    回路で接続し、他の第1接続回路をそれぞれ前記第1分
    圧回路の各抵抗間に接続すると共に、前記定電圧電源側
    から一つの抵抗を介した第1接続回路の抵抗接続点を第
    1出力点とし、また、定電圧電源と前記第2接続回路の
    内の一回路とをM個の抵抗の直列回路からなる第2分圧
    回路で接続し、他の第2接続回路をそれぞれ前記第2分
    圧回路の各抵抗間に接続すると共に、前記定電圧電源側
    から一つの抵抗を介した第2接続回路の抵抗接続点を第
    2出力点とした出力回路と、前記出力回路の第1出力点
    と第2出力点の電圧をA/D変換して取り込み、第1出
    力点に出力され得る各電圧レベルデータと第2出力点に
    出力され得る各電圧レベルデータの組み合わせに対応さ
    せて各選択キーに係る識別データ又は制御コマンドを記
    憶させたデータテーブルを用いて、前記キーボードの押
    圧された選択キーを認識すると共に該当する制御を実行
    するマイクロコンピュータ回路とからなるキーマトリッ
    クス回路において、前記キーボードがラバー製のキーパ
    ッドであって、各選択キーの基板側面にノブを形成する
    と共に、各ノブを含む基板側面に共通接地回路に相当す
    る導電体面を形成した構成とし、一方、前記基板面にお
    ける前記キーボード側の各選択キーに対応する位置に前
    記の第1端子と第2端子を導体パターンで形成すると共
    に、前記基板面には前記の第1接続回路と第2接続回路
    の各導体パターンが相互に絶縁させて形成されており、
    且つ、前記の第1接続回路と第2接続回路は前記キーボ
    ード側の導電体面と絶縁させてあることを特徴とするキ
    ーマトリックス回路。
  2. 【請求項2】 複数の選択キーをN(行方向)×M(列方
    向)のマトリックス状の配列で構成したキーボードと、
    前記キーボードの各選択キーに対応させて選択キーの押
    圧によって共通接地回路に接続される第1端子と第2端
    子とからなるスイッチング回路を構成すると共に、行方
    向に配列された各選択キーに対応した各スイッチング回
    路の第1端子は各行方向単位での第1接続回路へ、列方
    向に配列された各選択キーに対応した各スイッチング回
    路の第2端子は各列方向単位での第2接続回路へそれぞ
    れ接続させた基板と、定電圧電源と前記第1接続回路の
    内の一回路とをN個の抵抗の直列回路からなる第1分圧
    回路で接続し、他の第1接続回路をそれぞれ前記第1分
    圧回路の各抵抗間に接続すると共に、前記定電圧電源側
    から一つの抵抗を介した第1接続回路の抵抗接続点を第
    1出力点とし、また、定電圧電源と前記第2接続回路の
    内の一回路とをM個の抵抗の直列回路からなる第2分圧
    回路で接続し、他の第2接続回路をそれぞれ前記第2分
    圧回路の各抵抗間に接続すると共に、前記定電圧電源側
    から一つの抵抗を介した第2接続回路の抵抗接続点を第
    2出力点とした出力回路と、前記出力回路の第1出力点
    と第2出力点の電圧をA/D変換して取り込み、第1出
    力点に出力され得る各電圧レベルデータと第2出力点に
    出力され得る各電圧レベルデータの組み合わせに対応さ
    せて各選択キーに係る識別データ又は制御コマンドを記
    憶させたデータテーブルを用いて、前記キーボードの押
    圧された選択キーを認識すると共に該当する制御を実行
    するマイクロコンピュータ回路とからなるキーマトリッ
    クス回路において、前記キーボードがラバー製のキーパ
    ッドであって、各選択キーの基板側面にノブを形成した
    構成とし、一方、前記基板面における前記キーボード側
    の各選択キーに対応する位置に前記の第1端子と第2端
    子を導体パターンで形成すると共に、前記基板面には前
    記の第1接続回路と第2接続回路の各導体パターンが相
    互に絶縁させて形成されており、且つ、前記キーボード
    と前記基板の間には、各選択キーのノブに対応する位置
    にノブ側への膨出部分を形成した導電性の弾性金属板が
    前記基板面との接合領域にのみ絶縁層を介在させて介装
    されており、その弾性金属板を共通接地回路としたこと
    を特徴とする請求項1記載のキーマトリックス回路。
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