JP3271046B2 - 荷電粒子加速リングのアブソーバ - Google Patents

荷電粒子加速リングのアブソーバ

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JP3271046B2
JP3271046B2 JP21699595A JP21699595A JP3271046B2 JP 3271046 B2 JP3271046 B2 JP 3271046B2 JP 21699595 A JP21699595 A JP 21699595A JP 21699595 A JP21699595 A JP 21699595A JP 3271046 B2 JP3271046 B2 JP 3271046B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空チェンバ内にて荷
電粒子を加速・蓄積する荷電粒子加速リングに設けられ
るシンクロトロン放射光を遮蔽、吸収するアブソーバに
係り、特に、放射光による損傷防止に配慮したアブソー
バに関する。
【0002】
【従来の技術】放射線科学において、物質にX線や紫外
線を照射して、物質内部の微細な構造を分析する実験
や、高エネルギー物理学において、荷電粒子を互いに衝
突させて、素粒子を生成させる実験に、荷電粒子加速リ
ングが用いられている。
【0003】荷電粒子加速リングは、例えば銅製の真空
チェンバをフランジで順次連結して全体をリング状に構
成した構造であり、真空チェンバ内を超高真空状態に維
持して、この内部で荷電粒子を加速し蓄積する。荷電粒
子加速リング(以下、リングという)は、直線部分と偏
向部分から構成され、偏向部においては、真空チェンバ
の外部に設けた磁石によって、荷電粒子の進行方向を曲
げている。このとき荷電粒子ビームの軌道の接線方向に
シンクロトロン放射光(以下「放射光」と称する)が発
生する。
【0004】放射光は、真空チェンバの内面の外周側を
照射し、受光部の発熱を引き起こす。放射光照射による
真空チェンバの温度上昇を抑えるために、真空チェンバ
には、冷媒を流す冷却管が取付けられている。この冷媒
は、リング外部に設けられる冷媒循環装置により循環さ
れ、熱交換される。
【0005】ところが、荷電粒子加速リングにおいて、
ベローズ管、ゲートバルブ、セラミックチェンバ等の冷
却機能を備えることが困難な箇所がある。例えば、真空
チェンバの接続部には、温度の上昇・下降によるチェン
バの伸縮や据え付け時の寸法誤差を吸収する目的で、ベ
ローズ管が挿入されているが、該ベローズ管は肉厚が薄
く、また、管壁が波状となっているため冷却管を密着さ
せることができず、放射光が直接照射されることは避け
なければならない。そのため、それらの冷却機能を備え
ることが困難な箇所の上流の真空チェンバには、放射光
を吸収し影を作るための、アブソーバと呼ばれる突起が
設置されていて、下流の冷却機能を備えることが困難な
箇所に放射光が照射するのを防いでいる。アブソーバが
どの程度の下流まで放射光に対して影を作れるかは、ア
ブソーバの高さによって決まる。
【0006】アブソーバは、例えば特開平6−5399
号公報に示されるように、真空チェンバに中空部材を溶
接し、冷媒をこの内部(中空部)に循環させるための冷
却管を取り付けて、放射光受光面で発生する熱を、放射
光受光面の裏面、つまり中空部内面に接している冷媒に
伝達し、外部へ排出する構造になっている。
【0007】アブソーバとしては、放射光を効率良く吸
収し得る形状・材質であることは勿論のこと、放射光を
吸収することでそれ自身が高温となるので、冷媒との熱
交換効率を高めるために、高い熱伝導性も要求される。
従って、従来のアブソーバには銅材が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】放射光利用の実験や高
エネルギー物理学の実験では、それぞれ放射光輝度の向
上、素粒子の生成効率向上のために、リングに蓄積する
荷電粒子量の増大が求められている。ところが、蓄積荷
電粒子量の増大に伴って、発生する放射光の強度も増加
する。
【0009】従来技術では、アブソーバの放射光受光面
の極めて狭い領域に放射光が集中しており、放射光のエ
ネルギーの増大によって、アブソーバへの熱負荷が増加
すると、充分な冷却が行えない問題点がある。材料に対
する熱負荷が大きくなると、アブソーバを形成する銅材
が軟化して強度の低下を招く恐れがある。また、リング
内に蓄積されている荷電粒子量の変化は、アブソーバに
対する熱負荷を変化させるので、熱サイクル疲労の原因
となり、アブソーバの放射光受光領域に亀裂を発生さ
せ、これがアブソーバ壁の裏側にまで進展することで、
アブソーバ中空部の冷媒が真空チェンバ内に漏洩し、真
空チェンバの超高真空状態を維持できなくなる可能性が
ある。
【0010】本発明の目的は、アブソーバの放射光受光
領域での局所的な温度・熱応力の増大による材料の軟化
及び亀裂の発生・進展を防止し、アブソーバから真空チ
ェンバへの冷媒のリークを防いで真空チェンバ内の超高
真空状態を確実に維持することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、荷電粒子加速リング内を周回する荷
電粒子ビームから放射されるシンクロトロン放射光が、
前記荷電粒子加速リングの特定の部分を照射することを
防止するために、前記特定の部分の上流に設置されて、
前記シンクロトロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバ
において、アブソーバを構成する中空の容器とは別体の
金属を、アブソーバ壁の放射光受光面に、間隔をおい
て、該受光面から突出させて複数個配置したものであ
る。
【0012】上記目的を達成するために、第2の発明
は、荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒子ビームか
ら放射されるシンクロトロン放射光が、前記荷電粒子加
速リングの特定の部分を照射することを防止するため
に、前記特定の部分の上流に設置されて、前記シンクロ
トロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにおいて、ア
ブソーバを構成する中空の容器とは別体の金属を、アブ
ソーバ壁の放射光受光面に、間隔をおいて、該受光面か
ら突出させて複数個配置し、前記金属のアブソーバ壁面
からの突出高さと前記金属間の間隔を、前記金属間のア
ブソーバ壁面がシンクロトロン放射光に対して前記金属
による影の部分になるように設定したものである。
【0013】上記目的を達成するために、第3の発明
は、荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒子ビームか
ら放射されるシンクロトロン放射光が、前記荷電粒子加
速リングの特定の部分を照射することを防止するため
に、前記特定の部分の上流に設置されて、前記シンクロ
トロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにおいて、高
融点材料を主成分とする金属を、アブソーバ壁の放射光
受光面に、シンクロトロン放射光の方向に間隔をおい
て、該受光面から突出させて複数個配置し、前記金属の
アブソーバ壁面からの突出高さと前記金属間の間隔を、
前記金属間のアブソーバ壁面がシンクロトロン放射光に
対して前記金属による影の部分になるように設定したも
のである。高融点材料の形状としては、線材、棒材ある
いは帯板材などが適当である。
【0014】上記目的を達成するために、第4の発明
は、荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒子ビームか
ら放射されるシンクロトロン放射光が、前記荷電粒子加
速リングの特定の部分を照射することを防止するため
に、前記特定の部分の上流に設置されて、前記シンクロ
トロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにおいて、高
融点材料を主成分とする薄板と高熱伝導材料を主成分と
する薄板とを、前記高融点材料の薄板が高熱伝導材料の
薄板に対して突出するように、交互に積み重ねたもの
を、積み重ね方向がシンクロトロン放射光の光軸とほぼ
平行するように、それら薄板の板厚面をアブソーバ壁の
放射光受光面に接合したものである。
【0015】上記目的を達成するために、第5の発明
は、荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒子ビームか
ら放射されるシンクロトロン放射光が、前記荷電粒子加
速リングの特定の部分を照射することを防止するため
に、前記特定の部分の上流に設置されて、前記シンクロ
トロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにおいて、少
なくともアブソーバ壁のシンクロトロン放射光受光面と
同一の長さを有し、かつシンクロトロン放射光の照射幅
より広い幅を持つ高融点材料を主成分とする帯状の板
が、アブソーバ壁の放射光受光面に埋め込まれているも
のである。
【0016】上記目的を達成するために、第6の発明
は、荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒子ビームか
ら放射されるシンクロトロン放射光が、前記荷電粒子加
速リングの特定の部分を照射することを防止するため
に、前記特定の部分の上流に設置されて、前記シンクロ
トロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにおいて、高
熱伝導材料を主成分とする薄膜と低質量数材料を主成分
とする薄膜とを交互に積層した帯状の複合金属板が、高
熱伝導材料を主成分とする薄膜をシンクロトロン放射光
が照射される面にし、該薄膜面をアブソーバ壁の放射光
受光面にほぼ平行させて埋め込まれているものである。
【0017】
【作用】第1及び第2の発明は、真空チェンバの特定の
個所(ベローズ管、ゲートバルブ、セラミックチェンバ
等の冷却機能を備えることが困難な箇所)にシンクロト
ロン放射光が当らないように影を作るアブソーバにおい
て、アブソーバの放射光受光面にアブソーバを構成する
中空の容器とは別体の金属を、間隔をおいて、該受光面
から突出させて複数個配置し、この金属で放射光を受
け、アブソーバの中空容器に直接放射光が当らないよう
にしたものである。アブソーバの中空容器には放射光が
照射されないので局所的な温度上昇や過大な熱応力の発
生は回避されるし、放射光を受けた別体の金属に熱応力
等により亀裂が入っても、アブソーバの中空容器にまで
は亀裂が拡大することは避けられるから、アブソーバか
ら真空チェンバへの冷媒のリークを防ぎ、真空チェンバ
内の超高真空状態を確実に維持できる。
【0018】第3、第4及び第5の発明は、真空チェン
バの特定の個所(ベローズ管、ゲートバルブ、セラミッ
クチェンバ等の冷却機能を備えることが困難な箇所)に
シンクロトロン放射光が当らないように影を作るアブソ
ーバにおいて、高融点材料を主成分とする部材で放射光
を受け止め、放射光受光によって発生する熱を該材料内
で拡散させ、エネルギー密度が小さくなった段階で、ア
ブソーバ壁に熱を伝達するものである。放射光を受光す
る狭い領域に集中的に発生する熱が高融点材料内で拡散
され、拡散されてエネルギー密度が小さくなった段階
で、アブソーバ壁に熱を伝達することで、アブソーバ壁
の局所的な温度上昇及び過大な熱応力の発生が抑制され
る。アブソーバ壁の局所的な温度上昇及び過大な熱応力
の発生が抑制されるので、材料の軟化及び亀裂の発生・
進展が防止され、アブソーバから真空チェンバへの冷媒
のリークを防ぎ、真空チェンバ内の超高真空状態を確実
に維持できる。
【0019】第6の発明は、放射光を高熱伝導材料及び
低質量数材料の薄膜を交互に通過させて、放射光に対し
て高熱伝導材料での吸収と低質量数材料での透過を繰り
返すことにより、放射光を分散して吸収するものであ
る。放射光照射の狭い領域に集中する熱が拡散されるこ
とで、アブソーバ壁の局所的な温度上昇及び過大な熱応
力の発生が抑制される。アブソーバ壁の局所的な温度上
昇及び過大な熱応力の発生が抑制されるので、材料の軟
化及び亀裂の発生・進展が防止され、アブソーバから真
空チェンバへの冷媒のリークを防ぎ、真空チェンバ内の
超高真空状態を確実に維持できる。
【0020】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例のアブソーバを
含む真空チェンバの断面の一部を示した斜視図である。
本実施例のアブソーバ1は、稜線の一つをななめに切り
落した六面体の中空容器1Aと、その一つの面(放射光
受光面)10に所定の間隔をおいて互いに平行に埋め込
まれた高融点金属の線材30とを含んで構成され、この
中空容器1Aには、中空部1Bに冷媒を循環させる冷却
管4が接続されている。
【0021】図1には示していないが、真空チェンバ2
の両端には、他の真空チェンバと接続するためのフラン
ジが設けられ、ベローズ管、ゲートバルブ、セラミック
チェンバなどの冷却困難な部材が結合されている。アブ
ソーバ1は、真空チェンバ2の下流のこれら冷却困難な
部材(以下特定個所という)への放射光6の照射を遮る
ように、中空容器1Aの一つの面、放射光受光面10を
リングの中心線に向けて、真空チェンバ2の外周側側面
に配置されている。アブソーバ壁20の放射光受光面1
0には、複数個の高融点材料の線材30が、該線材30
の長手方向軸線を放射光受光面10に平行にかつ放射光
の光軸に対してほぼ直角にして埋め込まれている。ま
た、線材30は、その一部がアブソーバ壁の表面から突
出するようにしてアブソーバ壁に埋め込まれ、放射光の
光軸方向に互いに所定の間隔をおいて配置され、突出量
と前記間隔はアブソーバ壁20が放射光に対して線材3
0で形成される影の部分になるように設定されている。
【0022】本実施例においては、中空容器1Aは銅で
作られ、線材30の材質はタングステンである。線材3
0の材質は、融点がすくなくとも2500℃のもの、例
えばタングステンの他にタンタルが適当である。
【0023】荷電粒子加速リングでは、真空チェンバ2
の中心にある荷電粒子ビームの軌道5に沿って、荷電粒
子例えば電子又は陽電子が周回している。荷電粒子加速
リングは、荷電粒子ビームの軌道5が水平面内を通るよ
うに配置されている。リングの偏向部においては、真空
チェンバ2の外部に設けた磁石(図示せず)によって、
荷電粒子の進行方向が曲げられる。このとき荷電粒子ビ
ームの軌道5の接線方向に放射光6が発生する。アブソ
ーバ1は、発生した放射光6の光軸上に、かつ前記特定
個所の上流側(荷電粒子の進行方向の上流側)に設けら
れており、放射光6はアブソーバ1の放射光受光面10
を照射する。
【0024】図2は図1の中心水平面における断面図で
ある。本実施例のアブソーバ1は、六面体の中空容器1
Aを真空チェンバ2の外周側側面に溶接されている。ア
ブソーバ壁20の素材には、高熱伝導性が求められるの
で、例えば銅材とくに無酸素銅が用いられる。また、そ
の真空チェンバ内のアブソーバ壁20は、放射光6を広
い面積に均一に受けるように、また荷電粒子ビームに対
するウエーク場の影響が少なくなるように、下流に向か
って高くなるように(真空チェンバ中心軸線に近づくよ
うに)なだらかな傾斜をなしている。このような傾斜面
をもつアブソーバ1により放射光6が遮られるので、真
空チェンバ2の下流には影12が生じて、フランジ接合
部及びベローズ等の特定個所3への放射光照射を防いで
いる。アブソーバ1には、大気側(真空チェンバ外)か
ら冷媒を導入・排出するための冷却管4が接続されてい
る。
【0025】図3は、図2の放射光受光面の拡大図であ
る。アブソーバ壁20の放射光受光面10には、断面が
円弧をなす溝が、軸線をアブソーバ壁20の面に平行に
かつ放射光6の光軸にほぼ垂直にして、所定の間隔をお
いて複数個、互いに平行に設けられていて、そこに高融
点材料、本実施例においてはタングステンの線材30が
埋め込まれている。溝の深さは、線材30の径よりも小
さく、線材30の一部は前記アブソーバ壁20から突出
している。放射光6はアブソーバ1の放射光受光面10
に対し斜めに入射するので、線材30の後背部には線材
30の影11が生じる。アブソーバ壁20の素材である
銅は、タングステンと比べて熱により軟化しやすいの
で、該アブソーバ壁20に直接放射光が照射されないよ
うにするために、線材30を埋め込む間隔を、影11の
長さより短くしてある。さらに、アブソーバ壁20に設
ける溝の深さHを、線材30の直径Dに対して、D/2
<H<Dの条件を満たすようにすることで、前記溝の側
面が線材30を押さえ込む形とし、該線材の固定を容易
としてある。本実施例においては、アブソーバ壁20の
厚みTは5mm、線材30の径Dは4mm、溝の深さHは
2.3mm、線材の中心間の間隔は7mmである 高融点材料の線材30は、パワー密度の高い放射光を受
けて高温になっても、銅に比較して高強度を維持できる
ので、放射光照射部の亀裂の発生・進展を防止できる。
また、線材30の円周面で放射光を受光するので、放射
光受光に伴う熱発生が集中する個所がなく、かつ線材3
0の放射光受光部からアブソーバ壁20への距離が大き
くなる角部がないので熱の拡散が平均的に行われる。さ
らに、線材30に入射した放射光により発生した熱エネ
ルギーは、該線材内で拡散し、広い面積で熱が伝達され
るので、アブソーバ壁20との境界では、伝達されるエ
ネルギー密度が低下する。このため、放射光6が直接ア
ブソーバ20を照射する場合に比較して、該アブソーバ
壁の局所的な温度上昇及び熱応力を低く抑えることがで
きる。アブソーバ壁20に伝達された熱は、放射光照射
面10の裏面で、冷却管4を通る冷媒により外部に排出
される。
【0026】本実施例によれば、高融点材料の線材で放
射光を受け止め、該線材内で熱を拡散させ、エネルギー
密度が小さくなった段階で、アブソーバ壁に熱を伝達す
ることにより局所的な温度上昇及び過大な熱応力の発生
を抑制するので、材料の軟化及び亀裂の発生・進展が防
止され、アブソーバから真空チェンバへの冷媒のリーク
を防ぎ、真空チェンバ内の超高真空状態を確実に維持で
きる。
【0027】上記第1の実施例においては、放射光受光
面10に埋め込んで影を作る部材として、断面が円形で
ある線材が用いられているが、断面円形の線材以外の、
断面が角形の棒材、断面が直線と曲線の組合せである棒
材、あるいは帯板材などを用いてもよい。また、上記第
1の実施例においては、放射光受光面10に埋め込んで
放射光を受光する線材30として高融点のタングステン
が用いられているが、必ずしもタングステンのような高
融点の材料でなくてもよい。高融点の材料でない場合
は、タングステンに比べ、局所的な温度上昇による熱応
力で亀裂などの損傷の可能性はあるものの、該線材30
がアブソーバを構成する中空容器1Aと別体であるの
で、亀裂が中空容器1Aにまで進展する恐れはなく、真
空チェンバ2の真空度は確保される。この場合も、放射
光6による熱は線材30内で拡散したのちアブソーバ壁
20に伝わり、中空容器1Aのアブソーバ壁20に直接
放射光6が照射されるのは避けられるから、アブソーバ
壁20が局所的な温度上昇や過大な熱応力にさらされる
恐れはない。
【0028】図4は、本発明による荷電粒子加速リング
のアブソーバの、第2の実施例を示す中心水平面におけ
る断面図である。六面体の中空容器1Aの形状は前記第
1の実施例とほぼ同じであり、相違点は放射光受光部の
構成だけであるので、図2と同じ部分は同符号を使用し
ている。本実施例では、アブソーバ壁20の放射光受光
面10は、高融点材料であるタングステンの薄板31と
高熱伝導材料である銅の薄板21を交互に積み重ねたも
のを、薄板面をアブソーバ壁20に垂直にしてかつ積み
重ね方向をほぼ軌道5の方向に合わせて、アブソーバ壁
20に固着した構造になっている。高融点材料の薄板3
1は、高熱伝導材料の薄板21に対して軌道5側に所定
の寸法だけ突出させてある。
【0029】図5は、図4の放射光受光面の拡大図であ
る。放射光6は、アブソーバに対して斜めに入射するの
で、高融点材料の薄板31の後背部には影11が生じ
る。薄板21の素材である銅は、タングステンと比べて
熱により軟化しやすいので、薄板21に、直接放射光が
照射されないようにするため、影11の長さLが前記薄
板の厚さtより長くなるように、高融点材料の薄板31
の突出部Aの値を設定してある。本実施例においては、
薄板の厚さtを、2.7mm、薄板31の高さAを5.5
mm、薄板21の高さBを2.3mm、薄板31の突出部A
を3.2mm、に、それぞれ設定してある。薄板21、3
1の紙面垂直方向の長さは15mmである。なお、放射光
6の紙面垂直方向の幅は、約1mmである。
【0030】高融点材料の薄板31は、パワー密度の高
い放射光を受けて高温になっても、銅に比較して高強度
を維持できるので、放射光照射部の亀裂の発生・進展を
防止できる。さらに、薄板31に入射した放射光により
発生した熱エネルギーは、該薄板31内で拡散し、広い
面積で薄板21及びアブソーバ壁20に熱が伝達される
ので、高熱伝導材料の薄板21及びアブソーバ壁20と
の境界では、伝達されるエネルギー密度が低下する。こ
のため、放射光6が直接アブソーバ20を照射する場合
に比較して、該アブソーバ壁の局所的な温度上昇及び熱
応力を低く抑えることができる。アブソーバ壁20に伝
達された熱は、放射光受光面10の裏面で、冷却管4を
通る冷媒により外部に排出される。
【0031】本実施例によれば、高融点材料の薄板31
で放射光を受け止め、該薄板31内で熱を拡散させ、エ
ネルギー密度が小さくなった段階で、アブソーバ壁20
に熱を伝達することにより局所的な温度上昇及び過大な
熱応力の発生を抑制するので、材料の軟化及び亀裂の発
生・進展を防止して、アブソーバから真空チェンバへの
冷媒のリークを防ぎ、真空チェンバ内の超高真空状態を
確実に維持できる。
【0032】図6は、本発明による荷電粒子加速リング
のアブソーバの、第3の実施例を示す真空チェンバの断
面の一部を示した斜視図である。また図7は、図6のア
ブソーバを含む垂直面での断面図である。本実施例にお
いても、六面体の中空容器1Aの形状は前記第1の実施
例とほぼ同じであり、相違点は放射光受光面の構成だけ
であるので、相違点についてのみ説明し、図2と同じ部
分は同符号を使用して説明は省略してある。本実施例で
は、アブソーバ壁20の放射光受光面10は、高融点材
料であるタングステンの帯板33を、高熱伝導材料であ
る銅材から成るアブソーバ壁20の幅方向中央部に長手
方向中心線に沿って埋め込んだ構造になっている。図8
に示すように、帯板33の断面は、台形になっていて、
放射光受光面の幅W1をアブソーバ壁20と接する側の
幅W2より短い形状にしてある。このため、アブソーバ
壁20の溝の側面が、帯板33を押さえ込む形となり、
該帯板の固定が容易となっている。
【0033】加速リング内の荷電粒子は細く絞られたビ
ームになっているので、そこから放射される放射光6も
上下方向(図7の図上上下方向)には幅が狭い(幅約1
mm)。したがって、高融点材料の帯板33も、細長い領
域に照射される放射光6を受け止められるだけの幅があ
れば充分である。
【0034】高融点材料の帯板33は、パワー密度の高
い放射光を受けて高温になっても、銅に比較して高強度
を維持できるので、放射光照射部の亀裂の発生・進展を
防止できる。さらに、帯板33に入射した放射光により
発生した熱エネルギーは、該帯板内で拡散し、放射光を
受光した面積より広い面積でアブソーバ壁20に熱が伝
達されるので、アブソーバ壁20との境界では、伝達さ
れるエネルギー密度が低下する。このため、放射光6が
直接アブソーバ壁20を照射する場合に比較して、該ア
ブソーバ壁の局所的な温度上昇及び熱応力を低く抑える
ことができる。アブソーバ壁20に伝達された熱は、放
射光受光面10の裏面で、冷却管4を通る冷媒により外
部に排出される。
【0035】本実施例によれば、高融点材料の帯板で放
射光を受け止め、該帯板内で熱を拡散させ、エネルギー
密度が小さくなった段階で、アブソーバ壁に熱を伝達す
ることにより局所的な温度上昇及び過大な熱応力の発生
を抑制するので、材料の軟化及び亀裂の発生・進展を防
止して、アブソーバから真空チェンバへの冷媒のリーク
を防ぎ、真空チェンバ内の超高真空状態を確実に維持で
きる。
【0036】図9は、本発明による荷電粒子加速リング
のアブソーバの、第4の実施例を示す中心水平面におけ
る断面図である。本実施例においても、六面体の中空容
器1Aの形状は前記第1の実施例とほぼ同じであり、相
違点は放射光受光面の構成だけであるので、相違点につ
いてのみ説明し、図2と同じ部分は同符号を使用して説
明は省略してある。
【0037】本実施例では、アブソーバ壁20の放射光
受光面10は、元素の質量数の小さな材料を主成分とす
る厚さ0.5mmの低質量数材料薄膜40と厚さ5μmの
高熱伝導材料薄膜22を交互に積層した複合金属板41
をアブソーバ壁20に埋め込んだ構造になっている。埋
め込まれた複合金属板41の最上層、つまり真空チェン
バ2の内部に面する層は高熱伝導材料薄膜22としてあ
る。そして、複合金属板41は、最上層の高熱伝導材料
薄膜22の面がアブソーバ壁20の傾斜面に平行になる
ように、アブソーバ壁20に埋め込まれている。
【0038】本実施例においては、元素の質量数の小さ
い材料としてベリリウムを、高熱伝導材料として銅を、
それぞれ用いたが、高熱伝導材料としては中空容器1A
を構成する材料の熱伝導率と同じか、それよりも熱伝導
率のよい材料を用いるのが望ましい。また、低質量数材
料薄膜40の厚みは0.1〜0.5mm、高熱伝導材料薄
膜22の厚みは3〜10μmの範囲とするのが望まし
い。なお、複合金属板41の紙面垂直方向の幅は15mm
としてあり、約1mm幅の放射光6が複合金属板41の長
手方向中心線に沿って入射するようにしてある。
【0039】図10に、4層の複合金属板を例にとり、
放射光6が本実施例のアブソーバで吸収される様子を示
す。放射光6はまず最上層の高熱伝導材料薄膜(銅の薄
膜)22に入射する。銅は質量数が大きいため、放射光
6が高熱伝導材料薄膜(銅の薄膜)22を通過するうち
にエネルギーの一部が熱に変換される。前記薄膜には低
質量数材料薄膜(ベリリウムの薄膜)40が接してい
る。ベリリウムは質量数が小さいため、放射光6のエネ
ルギーのほとんどは透過して、更に隣に接する高熱伝導
材料薄膜(銅の薄膜)22に入射する。
【0040】図11は、複合金属板41によって、放射
光が吸収される様子を示す模式図である。図の縦軸は放
射光のパワーを、横軸は、複合金属板41の表面からの
深さを、それぞれ示している。高熱伝導材料薄膜22内
では、放射光のエネルギーは、銅原子との相互作用によ
り熱エネルギーに変換されるので、図の曲線部50のよ
うに減衰する。低質量数材料薄膜40内では、放射光の
エネルギーは、ベリリウム原子との相互作用が小さいの
で、図の曲線部51のようにあまり減衰せずに透過す
る。3層目の高熱伝導材料薄膜22及び4層目の低質量
数材料薄膜40では、それぞれ曲線部52及び53に示
すように、放射光のエネルギーは吸収そして透過され
る。複合金属板41を透過した放射光はアブソーバ壁2
0に入射し、曲線部54に示すように、残ったエネルギ
はアブソーバ壁20で吸収される。
【0041】本実施例によれば、放射光を高熱伝導材料
及び低質量数材料の薄膜を交互に通過させて、放射光の
吸収と透過を繰り返すことにより、放射光のエネルギを
分散して吸収して熱に変換する。このため、複合金属板
41とアブソーバ壁20との境界では、伝達される熱エ
ネルギーの総量は変わらないが、熱エネルギが伝達され
る境界面積の増加によってエネルギー密度が低下するの
で、アブソーバ壁20での局所的な温度上昇及び熱応力
を低く抑えることができる。これにより、アブソーバ壁
20の材料の軟化及び亀裂の発生・進展を防止して、ア
ブソーバから真空チェンバへの冷媒のリークを防ぎ、真
空チェンバ内の超高真空状態を確実に維持できる。さら
に、複合金属板41の最上層を無酸素銅の薄膜にするこ
とにより、放射光照射に伴う、前記複合金属板41から
のガス放出を低減し、真空チェンバの真空性能を向上す
ることができる。
【0042】図9、10、11に示した実施例では、複
合金属41は4層の積層の例を示しているが、他の積層
数においても放射光のエネルギーを分散して吸収できる
ことは明らかである。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、放射
光照射の狭い領域に集中する熱エネルギーを拡散させ、
放射光照射領域での局所的な温度・熱応力の増大によ
る、材料の軟化及び亀裂の発生・進展を防止すること
で、アブソーバから真空チェンバへの冷媒のリークを防
ぎ、真空チェンバ内の超高真空状態を確実に維持し、高
信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による荷電粒子加速リングのアブソーバ
の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の中心水平面における断面図である。
【図3】図2の放射光受光面の拡大図である。
【図4】本発明による荷電粒子加速リングのアブソーバ
の第2の実施例を示す、中心水平面における断面図であ
る。
【図5】図4の放射光受光面の拡大図である。
【図6】本発明による荷電粒子加速リングのアブソーバ
の第3の実施例を示す斜視図である。
【図7】図6のアブソーバを含む垂直面での断面図であ
る。
【図8】図7の放射光受光面の拡大図である。
【図9】本発明による荷電粒子加速リングのアブソーバ
の第4の実施例を示す、中心水平面における断面図であ
る。
【図10】図9に示すアブソーバが放射光を段階的に吸
収することを説明する図である。
【図11】図9の複合金属板41によって放射光が吸収
される様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 アブソーバ 1A 六面体の中
空容器 1B 中空部 2 真空チェンバ 3 フランジ 4 冷却管 5 荷電粒子ビームの軌道 6 放射光 10 放射光受光面 11,12 放射
光の影 20 アブソーバ壁 21 高熱伝導材
料の薄板 22 高熱伝導材料薄膜 30 高融点材料
の線材 31 高融点材料の薄板 33 高融点材料
の帯板 40 低質量数材料薄膜 41 複合金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐伯 満 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 片根 守 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平6−302400(JP,A) 特開 平3−74099(JP,A) 特開 昭63−6796(JP,A) 特開 平6−5399(JP,A) 特開 平2−306202(JP,A) 特開 平6−160599(JP,A) 特開 平6−160598(JP,A) 特開 平6−96899(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 13/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒
    子ビームから放射されるシンクロトロン放射光が、前記
    荷電粒子加速リングの特定の部分を照射することを防止
    するために、前記特定の部分の上流に設置されて、前記
    シンクロトロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにお
    いて、アブソーバ壁の放射光受光面を下流に向かって高
    くなるように配置するとともに、アブソーバを構成する
    中空の容器とは別種の金属を、アブソーバ壁の放射光受
    光面に、間隔をおいて、該受光面から突出させて複数個
    配置したことを特徴とする荷電粒子加速リングのアブソ
    ーバ。
  2. 【請求項2】 荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒
    子ビームから放射されるシンクロトロン放射光が、前記
    荷電粒子加速リングの特定の部分を照射することを防止
    するために、前記特定の部分の上流に設置されて、前記
    シンクロトロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにお
    いて、アブソーバ壁の放射光受光面を下流に向かって高
    くなるように配置するとともに、アブソーバを構成する
    中空の容器とは別種の金属を、アブソーバ壁の放射光受
    光面に、間隔をおいて、該受光面から突出させて複数個
    配置し、前記金属のアブソーバ壁面からの突出高さと前
    記金属間の間隔を、前記金属間のアブソーバ壁面がシン
    クロトロン放射光に対して前記金属による影の部分にな
    るように設定したことを特徴とする荷電粒子加速リング
    のアブソーバ。
  3. 【請求項3】 荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒
    子ビームから放射されるシンクロトロン放射光が、前記
    荷電粒子加速リングの特定の部分を照射することを防止
    するために、前記特定の部分の上流に設置されて、前記
    シンクロトロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにお
    いて、アブソーバ壁の放射光受光面を下流に向かって高
    くなるように配置するとともに、タングステンもしくは
    タンタルを主成分とする金属を、アブソーバ壁の放射光
    受光面に、シンクロトロン放射光の方向に間隔をおい
    て、該受光面から突出させて複数個配置し、前記金属の
    アブソーバ壁面からの突出高さと前記金属間の間隔を、
    前記金属間のアブソーバ壁面がシンクロトロン放射光に
    対して前記金属による影の部分になるように設定したこ
    とを特徴とする荷電粒子加速リングのアブソーバ。
  4. 【請求項4】 タングステンもしくはタンタルを主成分
    とする金属が線材であって、その長手方向をシンクロト
    ロン放射光の光軸方向にほぼ直角に交差させてアブソー
    バ壁の放射光受光面に配置されることを特徴とする請求
    項3に記載の荷電粒子加速リングのアブソーバ。
  5. 【請求項5】 タングステンもしくはタンタルを主成分
    とする金属が棒材であって、その長手方向をシンクロト
    ロン放射光の光軸方向にほぼ直角に交差させてアブソー
    バ壁の放射光受光面に配置されることを特徴とする請求
    項3に記載の荷電粒子加速リングのアブソーバ。
  6. 【請求項6】 タングステンもしくはタンタルを主成分
    とする金属が帯板であって、その板厚方向をシンクロト
    ロン放射光の光軸方向にほぼ平行させてアブソーバ壁の
    放射光受光面に配置されることを特徴とする請求項3に
    記載の荷電粒子加速リングのアブソーバ。
  7. 【請求項7】 断面が円の一部を成し、かつタングステ
    ンもしくはタンタルを主成分とする線材の直径Dに対し
    て、D/2<H<Dの条件を満たすような深さHを有す
    る溝を、アブソーバ壁の放射光受光面に設け、前記線材
    が該溝にはめこまれていることを特徴とする請求項4記
    載の荷電粒子加速リングのアブソーバ。
  8. 【請求項8】 荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒
    子ビームから放射されるシンクロトロン放射光が、前記
    荷電粒子加速リングの特定の部分を照射することを防止
    するために、前記特定の部分の上流に設置されて、前記
    シンクロトロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにお
    いて、タングステンもしくはタンタルを主成分とする薄
    板と無酸素銅もしくは中空容器を構成する材料の熱伝導
    率以上の熱伝導率の材料を主成分とする薄板とを、前記
    タングステンもしくはタンタルの薄板が無酸素銅もしく
    は中空容器を構成する材料の熱伝導率以上の熱伝導率の
    材料の薄板に対して突出するように、交互に積み重ねた
    ものを、積み重ね方向がシンクロトロン放射光の光軸と
    ほぼ平行するように、それら薄板の板厚面をアブソーバ
    壁の放射光受光面に接合したことを特徴とする粒子加速
    リングのアブソーバ。
  9. 【請求項9】 荷電粒子加速リング内を周回する荷電粒
    子ビームから放射されるシンクロトロン放射光が、前記
    荷電粒子加速リングの特定の部分を照射することを防止
    するために、前記特定の部分の上流に設置されて、前記
    シンクロトロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバにお
    いて、アブソーバ壁の放射光受光面を下流に向かって高
    くなるように配置するとともに、少なくともアブソーバ
    壁のシンクロトロン放射光受光面と同一の長さを有し、
    かつシンクロトロン放射光の照射幅より広い幅を持つ
    ングステンもしくはタンタルを主成分とする帯状の板
    が、アブソーバ壁の放射光受光面に埋め込まれているこ
    とを特徴とする粒子加速リングのアブソーバ。
  10. 【請求項10】 帯状板の横断面が台形であり、かつ放
    射光受光面の幅W1がアブソーバ壁と接する側の幅W2
    より小さいことを特徴とする請求項9記載の荷電粒子加
    速リングのアブソーバ。
  11. 【請求項11】 荷電粒子加速リング内を周回する荷電
    粒子ビームから放射されるシンクロトロン放射光が、前
    記荷電粒子加速リングの特定の部分を照射することを防
    止するために、前記特定の部分の上流に設置されて、前
    記シンクロトロン放射光を遮蔽・吸収するアブソーバに
    おいて、無酸素銅もしくは中空容器を構成する材料の熱
    伝導率以上の熱伝導率の材料を主成分とする薄膜とベリ
    リウムを主成分とする薄膜とを交互に積層した帯状の複
    合金属板が、無酸素銅もしくは中空容器を構成する材料
    の熱伝導率以上の熱伝導率の材料を主成分とする薄膜を
    シンクロトロン放射光が照射される面にし、該薄膜面を
    アブソーバ壁の放射光受光面にほぼ平行させて埋め込ま
    れていることを特徴とする荷電粒子加速リングのアブソ
    ーバ。
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