JPH06302400A - 電子蓄積リング用の放射光アブソーバ - Google Patents

電子蓄積リング用の放射光アブソーバ

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JPH06302400A
JPH06302400A JP8630693A JP8630693A JPH06302400A JP H06302400 A JPH06302400 A JP H06302400A JP 8630693 A JP8630693 A JP 8630693A JP 8630693 A JP8630693 A JP 8630693A JP H06302400 A JPH06302400 A JP H06302400A
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JP
Japan
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storage ring
electron beam
substrate
electron
emitted light
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Withdrawn
Application number
JP8630693A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Morimoto
佳秀 森本
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビームから放出される放射光のうちの不
要な放射光を遮って吸収する電子蓄積リング用の放射光
アブソーバにおいて、放射光吸収による熱応力の発生を
小さくして、電子蓄積リングにおける電子ビームライン
方向に占める設置スペースが小さくてよい放射光アブソ
ーバを得る。 【構成】 細長形状をなし、その長手方向に直角な幅方
向が電子ビームラインBL方向となるように位置される基
体2に、基体表面から垂直に立ち上がり基体幅方向に対
し傾斜した放射光受光面Fを有する複数のフィン体31
39を、基体長手方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】荷電粒子加速器の一種である電子
蓄積リングは、放射光を利用して物質の原子構造を解明
すること等を目的として各種の観察・実験を行うための
線源となる装置であって、超高真空状態に保持される環
状の閉軌道を形成するビームダクトの内部に電子を閉じ
込めそれを環状閉軌道に沿って走らせ、光速に近い速度
にまで加速されたその電子ビームが進行方向を曲げられ
ることで電子ビームから放出されるX線や紫外線を含む
放射光(シンクロトロン放射光)を、実験ステーション
へ供給するようにしたものである。この発明は、電子蓄
積リングにおいて電子ビームから放出される放射光のう
ちの実験ステーションへ供給される以外の不要な放射光
を吸収する放射光アブソーバの改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図6は電子蓄積リングの一般的な構成を
説明するための図である。電子蓄積リングは、図6に示
すように、ビームダクト(ビームチャンバ)11により直
線部と円弧部とからなる環状の閉軌道を形成し、その円
弧部に、電子ビームをカーブさせてその進行方向を曲
げ、それにより放射光を発生させるための偏向磁石12を
配設するとともに、偏向磁石12の下流側に後述する放射
光アブソーバ10を配設し、直線部に多重極磁石13や高周
波加速空洞14などを配設したものである。多重極磁石13
は、電子ビームを集束したり、あるいは色収差を補正し
たりするためのものである。15はビームダクト11内に電
子を入射させるために直線部に設けられたキッカー磁石
であり、16はビームラインダクトである。ビームライン
ダクト16は、図に示すように、環状閉軌道における偏向
磁石12の下流側部分に接続され、偏向磁石12の箇所にて
発生された放射光を図示しない実験ステーションへ導く
ためのものである。
【0003】電子蓄積リングにおいては、キッカー磁石
15によってビームダクト11内に入射された電子ビーム
は、1×10-8Pa程度の超高真空状態に保持されているそ
のビームダクト11の中を周回運動する。運動中に失われ
るエネルギーは高周波加速空洞14にて補給されるように
なっている。そして、円弧部に設けられた偏向磁石12に
より電子ビームが進行方向を曲げられることで接線方向
に電子ビームから放射光が放出される。電子ビームから
放出された放射光のうちの一部をビームラインダクト16
を通して実験ステーション(図示省略)へ供給する一
方、それ以外の不要な放射光を、放射光アブソーバ10に
よってダクト内壁への照射を遮って吸収し、それにより
ダクト内壁の発熱を防止するようにしている。
【0004】図7は電子蓄積リングに備えられた従来の
放射光アブソーバを示す平面図である。従来より、電子
蓄積リングの偏向磁石出側の実験ステーションへの放射
光導入箇所の分岐ダクト内に配設される放射光アブソー
バとして、冷却水を通す冷却チャンネル(図示省略)が
内部に配され、例えば銅のような熱伝導率の高い金属材
料からなる厚肉板状をなす放射光アブソーバ10が知られ
ている。そして、この従来の放射光アブソーバ10は、図
7に示すように、その放射光受光面F′を、電子ビーム
ラインBLに対し直角をなす状態ではなく、電子ビームか
ら放出される放射光による単位面積当たりの熱負荷(パ
ワー密度)が低くなるように、電子ビームラインBLに対
して傾斜させた状態で配設し、その放射光受光面F′に
て放射光を吸収するようにしたものである。なお、図7
において、放射光アブソーバ10の電子ビームラインBL方
向における設置寸法L1は、例えば 200mm程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子ビーム
を強く集束させる電子蓄積リングにおいては、ビームダ
クトにより形成される環状の閉軌道に沿って多重極磁
石、バルブ、ベローなどの機器を密に多数配設する必要
があり、電子ビームライン方向における機器設置スペー
スは余裕のない状態となる。そのため、単位面積当たり
の熱負荷を低くするために電子ビームライン方向に大き
な設置スペースを必要とする上記従来の放射光アブソー
バに代えて、電子ビームライン方向における設置スペー
スが小さくてよい放射光アブソーバが要請されている。
【0006】この発明は、上記の点に鑑みてなされたも
のであって、電子蓄積リングにおける電子ビームライン
方向に占める設置スペースの減少を図れるようにした、
電子蓄積リング用の放射光アブソーバを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明による電子蓄積リング用の放射光アブソ
ーバは、電子ビームの進行方向に対して偏向磁石の出側
に配設され、電子ビームがその進行方向を偏向磁石によ
って曲げられることで電子ビームから放出される放射光
のうちの不要な放射光を遮って吸収する電子蓄積リング
用の放射光アブソーバであって、細長形状をなし、その
長手方向に直角な幅方向が電子ビームライン方向となる
ように位置される基体に、基体表面から垂直に立ち上が
り基体幅方向に対して傾斜した放射光受光面を基体長手
方向に沿って所定の間隔を隔てて複数設けてなることを
特徴とするものである。
【0008】
【作用】この発明による放射光アブソーバによると、細
長形状の基体に、基体表面から垂直に立ち上がり基体幅
方向に対して傾斜した放射光受光面を、基体長手方向に
沿って所定の間隔を隔てて複数設けてなるものであるか
ら、電子蓄積リングの偏向磁石の出側にて電子ビームラ
インに対してこれを略直角に横切る方向がその基体長手
方向となるように配置しても、電子ビームから放出され
る放射光のうちの不要な放射光を前記放射光受光面によ
って遮って吸収できるとともに、その放射光吸収による
熱負荷に起因する熱応力の発生を小さくでき、電子ビー
ムライン方向に占めるその設置スペースを従来に比べて
小さくし得る。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
図1はこの発明の一実施例による放射光アブソーバを偏
向磁石の出側から見た側面図、図2は図1に示す放射光
アブソーバを下側から見た平面図、図3は図1のA−A
断面図、図4は図1のB−B断面図、図5は図1に示す
放射光アブソーバの斜視図である。
【0010】この実施例による放射光アブソーバ1は、
熱伝導率の高い材料例えば銅からなり、図1、図2及び
図5に示すように、一方端に円柱形の基端部2aを有し全
体として細長い形状の基体2に、放射光を遮って吸収す
る放射光受光面Fを形成するための薄板状をなす複数の
フィン体31〜39を、基体長手方向に沿って互いに所定の
間隔を隔てて設けたものである。細長い形状の基体2
は、図3及び図4に示すように、断面が上向きに凸な半
円形状を有し、内部に冷却水の供給路2b及び排出路2cが
設けられている。
【0011】上記基体2の裏側の平坦面に、基体表面か
ら垂直に立ち上がり基体幅方向に対して傾斜した放射光
受光面Fを有するフィン体31〜39を、基体長手方向に沿
って互いに所定の間隔を隔てて設けたものである。その
加工法としては、銅製材料を切削加工することにより基
体2とフィン体31〜39とを一体加工したり、あるいは、
基体2とフィン体31〜39とを個別に製作し、基体2にフ
ィン体31〜39を溶接接合したりする方法などがある。な
お、この実施例では、実験ステーションへ放射光を供給
するため、長手方向におけるほぼ中央に設けられた2個
のフィン体35及び36の間に、実験ステーションへの放射
光を通過させるための基体幅方向に沿う溝状の空間を設
けてある。基体2の寸法を例示すると、幅寸法は40mm程
度、長手方向寸法は 300mm程度である。
【0012】このように構成される放射光アブソーバ
を、電子蓄積リングの偏向磁石出側の実験ステーション
への放射光導入箇所の分岐ダクト内にて電子ビームライ
ンBLに対してこれを略直角に横切る方向がその基体長手
方向となるように配置することにより、電子蓄積リング
の電子ビームライン方向における放射光アブソーバの設
置スペースを従来の五分の一程度にまで大幅に小さくで
き、電子蓄積リングにおける多重極磁石、バルブ、ベロ
ーなどの機器の設置スペース上の制約を緩和することが
できる。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による電子
蓄積リング用の放射光アブソーバによると、細長形状を
なし、その長手方向に直角な幅方向が電子蓄積リングに
おける電子ビームライン方向となるように位置される基
体に、基体表面から垂直に立ち上がり基体幅方向に対し
て傾斜した放射光受光面を、基体長手方向に沿って所定
の間隔を隔てて複数設けてなるものであるから、放射光
吸収による熱負荷に起因する熱応力の発生を小さくで
き、電子蓄積リングにおける電子ビームライン方向に占
めるその設置スペースが従来に比べて小さくてすみ、電
子ビームを強く集束させる高エネルギーの電子蓄積リン
グにおける多重極磁石、バルブ、ベローなどの機器の設
置スペース上の制約を緩和し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による放射光アブソーバを
偏向磁石の出側から見た側面図である。
【図2】図1に示す放射光アブソーバを下側から見た平
面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【図5】図1に示す放射光アブソーバの斜視図である。
【図6】電子蓄積リングの一般的な構成を説明するため
の図である。
【図7】電子蓄積リングに備えられた従来の放射光アブ
ソーバを示す平面図である。
【符号の説明】
1,10…放射光アブソーバ 2…基体 2a…基端部 2b
…冷却水供給路 2c…冷却水排出路 31〜39…フィン体
F,F′…放射光受光面 11…ビームダクト12…偏向
磁石 13…多重極磁石 14…高周波加速空洞 15…キッ
カー磁石 16…ビームラインダクト BL…電子ビームラ
イン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームの進行方向に対して偏向磁石
    の出側に配設され、電子ビームがその進行方向を偏向磁
    石によって曲げられることで電子ビームから放出される
    放射光のうちの不要な放射光を遮って吸収する電子蓄積
    リング用の放射光アブソーバであって、細長形状をな
    し、その長手方向に直角な幅方向が電子ビームライン方
    向となるように位置される基体に、基体表面から垂直に
    立ち上がり基体幅方向に対して傾斜した放射光受光面
    を、基体長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数設け
    てなることを特徴とする電子蓄積リング用の放射光アブ
    ソーバ。
JP8630693A 1993-04-13 1993-04-13 電子蓄積リング用の放射光アブソーバ Withdrawn JPH06302400A (ja)

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