JP3269819B2 - 眼用装着物 - Google Patents

眼用装着物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、角膜上、又は角膜上及び強膜上に装着して
用いる眼用装着物に関するものであり、詳しくは、略コ
ンタクトレンズ形状を有し、その一部又は全体が不透明
な眼用装着物に関するものである。
本発明の眼用装着物は、例えば、テレビ・映画等の撮
影や演劇等に際して、俳優が目に装着することにより、
外見上その目の色を変化させることに利用できる。そし
て本発明の眼用装着物に、さらに例えば染色手段を施す
ことにより、装用者の眼を外見上所望する色に変えるこ
とにも利用可能である。
[従来の技術] コンタクトレンズの主目的は視力矯正であり、そのた
めコンタクトレンズの透明性は必須の条件である。近年
コンタクトレンズを目から取りはずした際のレンズの視
認性向上、及び美容効果の付与を目的として、染色され
たコンタクトレンズが提案されている。
また、例えば、テレビ・映画等の撮影や演劇等におい
て、俳優の目に対して、外見上、その瞳孔及び虹彩を白
濁させたり、それらの色彩を変化させることが要望され
ている。ところが虹彩の色が薄い人の場合、前述した染
色されたコンタクトレンズにより効果が得られることも
あるが、茶色〜黒色系統の虹彩を有する人の場合、虹彩
本来の色調により支配され、その染色されたコンタクト
レンズを用いても、外見上虹彩色を変化させることは不
可能であった。このため、外見上、瞳孔及び虹彩を白濁
させたり、それらの色を変化させるために、沈殿性の金
属塩である不透明化媒体を用いる不透明着色方法が提案
されている(特開昭63−98628号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記の不透明着色方法は、沈殿性金属
塩等の不透明化媒体の使用が必須であり、コンタクトレ
ンズ素材としての不純物を含有するため好ましくない。
また、前記不透明着色方法では、不透明化のための複雑
な装置が必要であり、不透明化の作業も複雑で難しい。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたも
のである。即ち、本発明の目的は、眼用装着物を形成す
る母材となる重合体の原料モノマー成分以外の不純物を
含有しない共重合体である不透明な眼用装着物を提供す
ることにある。
また、本発明の他の目的は、その製造に際して、コン
タクトレンズの通常の製造に使用する以外の特別の装置
を要しない眼用装着物であって、かつその製造作業が簡
便な眼用装着物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上述の目的を達成するためになされたもの
であり、本発明は、角膜上、又は角膜上及び強膜上に装
着して用いる眼用装着物であって、該装着物が、少なく
とも1種の疎水性モノマーと、少なくとも1種の親水性
モノマーを含有するモノマー混合液を共重合することに
より得られた共重合体により形成され、かつ水和膨潤後
に不透明であることを特徴とする眼用装着物を要旨とす
るものである。
また本発明は、角膜上、又は角膜上及び強膜上に装着
して用いる眼用装着物であって、該装着物の中心部が、
透明重合体により形成され、かつ該装着物の周辺部が、
少なくとも1種の疎水性モノマーと、少なくとも1種の
親水性モノマーを含有するモノマー混合液を共重合する
ことにより得られた共重合体により形成され、かつ水和
膨潤後に不透明であることを特徴とする眼用装着物を要
旨とするものでもある。
以下、本発明を具体的に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートは、ア
クリレートとメタクリレートの両方を意味するものとす
る。
本発明に用いられる疎水性モノマーとしては、シロキ
サン結合を有する炭化水素含有(メタ)アクリレート
(以下、Si(M)Aという)、炭素数8〜18の直鎖又は
分岐アルキル含有(メタ)アクリレート(以下、R
(M)Aという)、及びフッ素置換された炭素数4〜10
の直鎖又は分岐の炭化水素基含有(メタ)アクリレート
(以下、Fl(M)Aという)等が挙げられる。
また、本発明に用いられる親水性モノマーとしては、
アミド基含有モノマー(以下、Amという)、及び水酸基
を1以上含み、場合により鎖内エーテル結合を有する炭
化水素基含有(メタ)アクリレート(以下、H(M)A
という)等が挙げられる。
前記の疎水性モノマー及び親水性モノマーは、その構
造の違いにより、親水性・疎水性の特性について強弱の
差があるため、疎水性モノマーと親水性モノマーとの各
々の組み合わせにより、得られる共重合体の特性にも差
が生じる。従って、本発明の眼用装着物を得るために
は、その原料モノマーの組成比は使用する原料モノマー
によって異なる。以下に、疎水性モノマーと親水性モノ
マーとの組み合わせが、 (a)Si(M)AとAmとの組み合わせ (b)Si(M)AとH(M)Aとの組み合わせ (c)R(M)AとAmとの組み合わせ (d)R(M)AとH(M)Aとの組み合わせ (e)Fl(M)AとAmとの組み合わせ (f)Fl(M)AとH(M)Aとの組み合わせ の6種の場合について、原料モノマーの組成比について
説明する。
(a)Si(M)AとAmとを用いる場合 得られる重合体を、水和膨潤後白色不透明(以下、白
濁という)の状態にするためには、各々の重量比がSi
(M)A:Am=2:1〜1:99の範囲で用いることが適当であ
る。好ましくは、Si(M)A:Am=3:2〜1:19であり、ま
たSi(M)AとAmとの合量が全モノマー量100重量部中5
0重量部以上であることが好ましい。
(b)Si(M)AとH(M)Aとを用いる場合 得られる重合体を、水和膨潤後白濁の状態にするため
には、各々の重量比がSi(M)A:H(M)A=99:1〜1:9
9の範囲で用いることが適当である。好ましくは、Si
(M)A:H(M)A=9:1〜1:9であり、またSi(M)A
とH(M)Aとの合量が全モノマー量100重量部中50重
量部以上であることが好ましい。
(c)R(M)AとAmとを用いる場合 得られる重合体を、水和膨潤後白濁の状態にするため
には、各々の重量比がR(M)A:Am=1:2〜1:99の範囲
で用いることが適当である。好ましくは、R(M)A:Am
=1:2〜1:19であり、またR(M)AとAmとの合量が全
モノマー量100重量部中50重量部以上であることが好ま
しい。
(d)R(M)AとH(M)Aとを用いる場合 得られる重合体を、水和膨潤後白濁の状態にするため
には、各々の重量比がR(M)A:H(M)A=99:1〜1:9
9の範囲で用いることが適当である。好ましくは、R
(M)A:H(M)A=3:2〜1:9であり、またR(M)A
とH(M)Aとの合量が全モノマー量100重量部中50重
量部以上であることが好ましい。
(e)Fl(M)AとAmとを用いる場合 得られる重合体を、水和膨潤後白濁の状態にするため
には各々の重量比がFl(M)A:Am=12:7〜1:9の範囲で
用いることが適当である。好ましくはFl(M)A:Am=1
2:7〜1:5であり、またFl(M)AとAmとの合量が全モノ
マー量100重量部中50重量以上であることが好ましい。
(f)Fl(M)AとH(M)Aとの組み合わせ 得られる重合体を、水和膨潤後白濁の状態にするため
には各々の重量比がFl(M)A:H(M)A=99:1〜1:99
の範囲で用いることが適当である。好ましくはFl(M)
A:H(M)A=9:1〜1:9であり、またFl(M)AとH
(M)Aとの合量が全モノマー量100重量部中50重量以
上であることが好ましい。
本発明に使用されるSi(M)Aとしては、下記の一般
式(I)で示されるものが適当であり、2種以上を併用
してもよい。
(式中、A,B,D,E及びGは炭素数1〜5のアルキル基,
フェニル基及びXからなる群より選ばれる。
を有する基であり、Jは炭素数1〜5のアルキル基及び
フェニル基からなる群より選ばれる。
R1は水素原子又はメチル基、mは1〜3の整数、n及び
lは1〜3の整数である。) 上記の一般式(I)で示される具体的な化合物の代表
例としては、例えば、ペンタメチルジシロキサニルメチ
ル(メタ)アクリレート、ヘプタメチルトリシロキサニ
ルエチルアクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)
−γ−メタクリロキシプロピルシラン、トリス(ペンタ
メチルジシロキサニル)−γ−メタクリロキシプロピル
シラン及びフェニルテトラメチルジシロキサニルエチル
アクリレート等が挙げられる。
本発明に使用されるR(M)Aとしては、例えば、オ
クチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレ
ート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及び
オクタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、こ
れらを2種以上併用してもよい。
本発明に使用されるFl(M)Aとしては、例えば、2,
2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−
ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート及び
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフ
ルオロデシル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、
これらを2種以上併用してもよい。
一方、親水性モノマーとして本発明に使用されるAmと
しては、例えば、N−ビニルラクタム類及びN,N−ジア
ルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。具体的
には、N−ビニルラクタム類としては、例えば、N−ビ
ニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メ
チル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−
ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラク
タム、N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、N−
ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−メチル
−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン及びN−ビニル
−6−エチル−2−ピペリドン等が挙げられ、またN,N
−ジアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例え
ば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これら
のAmは2種以上併用することができる。
本発明に使用されるH(M)Aとしては、例えば、2
−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート及び2−ポリエチレングリコー
ルのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これ
らを2種以上併用することもできる。
本発明においては、架橋剤を任意に添加してもよい。
その架橋剤としては、分子内に2種以上の(メタ)アク
リル基、ビニル基及びアクリル基などを含むモノマーが
適当であり、その代表としては、例えば、エチレングリ
コールのジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルのジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
のジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール誘導
体のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
のジ又はトリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)ア
クリレート、ビニル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。これらのモノマーは、本発明の眼用装着物の含水率
調整及び形状保持性の向上に寄与する。ただし、必要以
上多量に使用すると、脆性が増加してもろくなるため好
ましくない。従って、架橋剤の使用量は、0.1〜10重量
部の範囲が適当である。
本発明においては、眼用装着物の一部又は全体を形成
する、水和膨潤後に不透明である重合体の有する諸物
性、例えば濁度、強度、形状回復性及び耐久性などの調
整又は改善のために、上記の成分以外に、(メタ)アク
リル酸、炭素数1〜7の直鎖又は分岐の炭化水素基含有
(メタ)アクリレート、及びフッ素置換された炭素数1
〜3の直鎖又は分岐の炭化水素基含有(メタ)アクリレ
ートを添加することができる。その使用量は1〜50重量
部が適当である。1重量部未満では上記効果がほとんど
期待できず、また50重量部を超える場合は、不透明体が
得られない。より好ましくは、1〜30重量部である。本
発明に使用される炭素数1〜7の直鎖又は分岐の炭化水
素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙
げられる。また、フッ素置換された炭素数1〜3の直鎖
又は分岐の炭化水素基含有(メタ)アクリレートとして
は、例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート
及びヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
なお、本発明においてはさらに、本発明の眼用装着物
の一部又は全体を形成する、水和膨潤後に不透明である
重合体の有する諸物性、例えば濁度、強度、形状回復性
及び耐久性などの調整又は改善のために、上述したモノ
マー以外の任意のモノマーを適宜重合時に添加して共重
合させることもできる。
次に、本発明の眼用装着物を形成する、水和膨潤後に
不透明である重合体の製造に際しては、先ず、上記の各
モノマーを混合してコモノマー溶液とした後、重合開始
剤を添加混合させ、この溶液を、金属、ガラスまたはプ
ラスチック製の所望の形状をした重合容器(例:円筒形
容器、試験管、コンタクトレンズ形状をした容器)内に
注入密封したのち、加熱または光による重合を行うこと
によって、共重合体を得る。重合開始剤としては、通常
のラジカル発生剤であるベンゾイルパーオキサイド、ラ
ウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ビス−4−t−ブ
チルシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオ
キシ(2−エチルヘキサノエート)に代表される有機過
酸化物重合開始剤、または2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチレー
ト、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニ
トリル)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)
ジハイドロクロライド等のアゾ系重合開始剤、またはベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等
の光重合開始剤の中から少なくとも1種以上を使用す
る。加熱重合を行う場合は、温度制御と攪拌可能な水槽
または熱循環式乾燥器中に密封した容器を静置し、室温
から徐々に昇温して重合を行う。光重合の場合は、透明
性の大きい重合容器を使用し、紫外線または可視光線を
照射して重合する。この際に加熱及び不活性ガスの気流
下で重合するとさらに良好である。熱重合と光重合のい
ずれにおいても、重合歪を解消するため、重合完結後、
重合容器中に入ったままあるいは重合容器からとりだし
て80℃〜120℃の加熱処理をしても良い。
前述した共重合体により、本発明の眼用装着物の全体
を形成する場合は、重合及び加熱処理終了後、室温に冷
却し、重合物を所望のコンタクトレンズ形状に切削・研
磨加工した後、水和膨潤させて眼用装着物を得る。
また、直接コンタクトレンズ形状の重合物を得る場合
は、重合及び加熱処理後、水和膨潤させて眼用装着物を
得る。
これに対して、前述した水和膨潤後に不透明である重
合体により、本発明の眼用装着物の一部を形成する場
合、即ち、眼用装着物の一部、例えば中心部分の数mmを
透明重合体を用いて形成しようとする場合には、予め丸
棒状に作製した透明重合体を重合容器の中心部に固定
し、該透明重合体の周囲に前述の各モノマーと重合開始
剤の混合溶液を注入し、前述したと同様にして眼用装着
物を得る。このようにその一部分、特に中心部分が透明
重合体により形成されている眼用装着物は、その透明部
分が光学的機能を有しており、極めて有用である。な
お、この場合、透明部分の材料および形状(即ち、前面
曲率と後面曲率)を適宜選択することによりコンタクト
レンズ同様の視力矯正能をその眼用装着物に付与するこ
とも可能であり、より一層有用なものとなる。
そして、更に、一部又は全体が白濁した眼用装着物に
対して、着色剤を用いて染色することにより、所望する
色及び濃度の眼用装着物を得ることができる。この染色
に際しては、先ず、着色剤を含有する水系混合溶媒から
なる処理液中に浸漬する工程を行なう。着色剤は、着色
される眼用装着物の材料に親和力を有するものであれば
如何なるものも使用できるが、通常、例えばレッド1;ブ
ルー1,2,6;ブラウン1;ブラック1などの可溶性バット染
料や、ブルー1,3,4,5;グリーン1,1B、3,13,45;オレンジ
3,5,13などのバット染料などを使用するのが好ましい。
着色される眼用装着物の材質や着色しようとする色の種
類によって着色剤は適宜選択される。
この着色剤を溶解する水系混合溶媒としては、水に、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケ
トンなどのケトン類;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コールなどのグリコール類などの有機溶媒を混合して得
たものが好ましい。この水系混合溶媒中に前記の着色剤
を加えると、着色剤が均一に水系混合溶媒に溶解した処
理液が得られる。ただし、バット染料を使用するときは
この着色剤を溶解する水系混合溶媒に還元剤等を添加
し、着色剤を均一に溶解することが望ましい。
前記の眼用装着物を、着色剤を含有する水系混合溶媒
からなる処理液中に浸漬することにより、装着物は膨潤
し、かつ装着物の内部に着色剤が均一に浸透する。
次に、上記工程を経ることにより着色剤が浸透してい
る膨潤重合物である眼内装着物を、水、酸性水溶液又は
酸化剤水溶液に浸漬する工程を行なう。ここで用いる酸
性水溶液あるいは酸化剤水溶液としては、酢酸、硫酸、
硝酸、塩酸、次亜塩素酸、ホウ酸などの水溶液が挙げら
れる。水、酸性水溶液又は酸化剤水溶液に浸漬すること
により、重合物中の着色剤は定着され、均一に着色され
た重合物が得られる。
そして、更に重合物を、上記の定着処理後に、炭酸水
素ナトリウム水溶液中に浸漬し、加熱処理を行った後、
生理食塩水またはコンタクトレンズ保存液(pH、浸透圧
の調整された緩衝液)中で平衡含水状態にすることによ
り、所望する色に染色された、含水眼用装着物が得られ
る。
[実施例] 次に実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 N−ビニル−2−ピロリドン82.2重量%、トリス(ト
リメチルシロキシ)シリル−γ−メタクリロキシプロピ
ルシラン15重量%、N,N−ジメチルアクリルアミド2.0重
量%、トリメチルロールプロパントリアクリレート0.8
重量%からなるコモノマー混合液に重合開始剤として2,
2′−アゾビスイソブチロニトリルを全コモノマー混合
液に対し、0.1重量%添加して溶解させた。次にこの混
合液を成形型に注入し、型を密封した後、熱風循環式乾
燥器中で、45℃から50℃に16時間、50℃から60℃に4時
間、60℃にて4時間保持、80℃まで4時間かけて昇温、
4時間保持し、100℃まで4時間かけて昇温し、6時間
保持して重合を終了させた。その後室温にまで冷却し、
共重合体を型から取り出した。該重合物は硬質材であっ
た。
これを通常の加工技術によりコンタクトレンズ形状に
切削研磨して、眼用装着物を作製した。次いで眼用装着
物を0.9%生理的食塩水中に浸漬して、十分膨潤状態と
した。
膨潤した眼用装着物は淡い乳白色を呈しており光線透
過率は75%、含水率は69%、酸素透過係数は24×10-11c
m3(O2)cm/cm2・sec・mmHg(35℃,0.2mm厚)であっ
た。また中心肉厚0.2mm、直径13.5mmの該眼用装着物を
目に装用した場合、外見上角膜が乳白色を呈しているこ
とが観察され、目の特殊化粧に充分な効果が確認され
た。実施例1で得られた白濁眼用装着物の諸物性及び目
に装用した際の外観をまとめて表1に示した。なお物性
測定の方法は次のとおりである。
(A)光線透過率 自記分光光度系(島津製作所(株)製 UV−240)に
より、水中にて0.2mm厚フィルムで400〜800mmの可視光
線透過率を測定し、同波長領域全体の平均透過率を求め
光線透過率とした。
(B)含水率(重量%)=[(W1−W2)/W1]×100 W1:飽和含水時の重量 W2:脱水乾燥時の重量 (C)酸素透過係数 製科研式フィルム酸素透過率計(理科製機工業(株)
製)により35℃生理的食塩水において0.2mm厚フィルム
で測定した。
単位は、10-11cm3(O2)cm/cm2・sec・mmHgである。
実施例2〜17 構成成分量のみを変化させ、他は実施例1と同様の方
法により、物性測定試料と眼用装着物を作製し、得られ
た物性測定の結果を表1に併記した。いずれの実施例で
得られた装着物も白濁しており、適当な濁度を有する眼
用装着物を用いることで、外見上好みの程度に虹彩色を
消すことが可能であった。
実施例18 ポリ−2−ヒドロキシエチルメタアクリレート(以下
PHEMAと略す)製の直径4.5mm、長さ12mmの丸棒を、内径
15mm、深さ15mmの成形型の中心にはめ込み、固定し、同
棒材の周囲に実施例8に記した組成の開始剤添加済みモ
ノマー混合液を注入し、型を密封した後、熱風循環式乾
燥器中で、40℃から50℃まで40時間、50℃から60℃まで
10時間、60℃から80℃まで10時間、80℃から100℃まで1
0時間かけて昇温し、100℃で8時間保持して重合を終了
させ、室温にまで冷却し、共重合体を型から取り出し
た。
これを通常の加工技術によりコンタクトレンズ形状に
切削研磨して、眼用装着物を作製した。次いでその装着
物を0.9%生理食塩水中に浸漬して、十分膨潤させた状
態とした。
膨潤した眼用装着物は中心膨脹部分が、直径5mmの透
明なPHEMA材でその周囲が白いハイドロゲルから構成さ
れ、角膜上へ装用すると光学的機能を有しかつ外見上虹
彩色を白く変化した。
実施例19 まず、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸ナトリウム各0.5g
を50%エタノール水溶液に溶解させ、この溶液を溶媒と
して用い可溶性バット染料グリーン1Bの0.2%溶液とし
て染色液とする。実施例1の組成物からなる眼用装着物
を0.9%生理食塩水中にて膨潤させ、前述の染色液中に3
0分間浸漬し、次いで2%硫酸中に60分間浸漬した。次
に1%炭酸水素ナトリウム水溶液中に浸漬し、加熱処理
をし、0.9%生理食塩水中に浸漬した。得られた眼用装
着物は緑色で、褐色の目に装用したとき外見上この色を
緑色に変える効果があった。
実施例20 実施例18に述べた眼用装着物の透明な中心部分にマス
クを施したものを用いること以外は実施例19と同様の操
作を行なった。得られた眼用装着物は中心部分が透明で
光学機能を有し、周辺部分は緑色に染色されており、そ
の装着物を褐色の目に装用すると、外見上その色を緑色
に変える効果があった。
[発明の効果] 本発明によれば、眼用装着物母材となる重合体の原料
モノマー成分以外の不純物を使用せずに、水和膨潤後に
不透明である眼用装着物を得ることができる。
また、本発明の眼用装着物は、製造に際して、コンタ
クトレンズの通常の製造に使用する装置以外の特別の装
置を必要とせず、かつ製造作業も容易であって、非常に
簡便に製造することができるため、極めて有用である。
本発明の眼用装着物において、その中心部を透明に、
周辺部を不透明に形成すると、光学的機能を保有するこ
とができるため、有用性が一層高まる。そして、本発明
の眼用装着物は、さらに染色手段を施すことにより、そ
の色を所望する不透明色に変えることができるため、装
飾上の利点及び美容上の利点等も得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二村 英之 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホ ーヤ株式会社内 (72)発明者 横山 雄一 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホ ーヤ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−305113(JP,A) 特開 昭63−192012(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】角膜上、又は角膜上及び強膜上に装着して
    用いる眼用装着物であって、 該装着物が、少なくとも1種の疎水性モノマーと、少な
    くとも1種の親水性モノマーとを含有するモノマー混合
    液を共重合することにより得られた共重合体により形成
    され、かつ水和膨潤後に不透明であること、および前記
    モノマー混合液が、 疎水性モノマーとして、シロキサン結合を有する炭化水
    素含有(メタ)アクリレート(Si(M)A)、炭素数8
    〜18の直鎖又は分岐アルキル含有(メタ)クリレート
    (R(M)A)、及びフッ素置換された炭素数4〜10の
    直鎖又は分岐の炭化水素基含有(メタ)アクリレート
    (Fl(M)A)から選ばれる少なくとも1種を、 親水性モノマーとして、アミド基含有モノマー(Am)、
    及び水酸基を1以上含み、場合により鎖内エーテル結合
    を有する炭化水素基含有(メタ)アクリレート(H
    (M)A)から選ばれる少なくとも1種を、 (a)Si(M)A:Am=2:1〜1:99 (b)Si(M)A:H(M)A=99:1〜1:99 (c)R(M)A:Am=1:2〜1:99 (d)R(M)A:H(M)A=99:1〜1:99 (e)Fl(M)A:Am=12:7〜1:9 (f)Fl(M)A:H(M)A=99:1〜1:99 の比率で含有することを特徴とする眼用装着物。
  2. 【請求項2】角膜上、又は角膜上及び強膜上に装着して
    用いる眼用装着物であって、 該装着物の中心部分が、透明重合体により形成され、 かつ、該装着物の周辺部が、少なくとも1種の疎水性モ
    ノマーと、少なくとも1種の親水性モノマーとを含有す
    るモノマー混合液を共重合することにより得られた共重
    合体により形成され、かつ水和膨潤後に不透明であるこ
    と、および 前記モノマー混合液が、 疎水性モノマーとして、シロキサン結合を有する炭化水
    素含有(メタ)アクリレート(Si(M)A)、炭素数8
    〜18の直鎖又は分岐アルキル含有(メタ)クリレート
    (R(M)A)、及びフッ素置換された炭素数4〜10の
    直鎖又は分岐の炭化水素基含有(メタ)アクリレート
    (Fl(M)A)から選ばれる少なくとも1種を、 親水性モノマーとして、アミド基含有モノマー(Am)、
    及び水酸基を1以上含み、場合により鎖内エーテル結合
    を有する炭化水素基含有(メタ)アクリレート(H
    (M)A)から選ばれる少なくとも1種を、 (a)Si(M)A:Am=2:1〜1:99 (b)Si(M)A:H(M)A=99:1〜1:99 (c)R(M)A:Am=1:2〜1:99 (d)R(M)A:H(M)A=99:1〜1:99 (e)Fl(M)A:Am=12:7〜1:9 (f)Fl(M)A:H(M)A=99:1〜1:99 の比率で含有することを特徴とする眼用装着物。
  3. 【請求項3】共重合体が染色されている、請求項1又は
    2に記載の眼用装着物。
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