JP3269537B2 - 複数固定子誘導電動機 - Google Patents
複数固定子誘導電動機Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数固定子誘導電動機
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の複数固定子誘導電動機として、本
出願人が提案した特開平4−178144号公報に記載
されているものがある。この構成を図11を参照して説
明すると、誘導電動機101は、回転子軸104に任意
の間隔を設けて装着した磁性材料からなる回転子コア1
02,103と、該回転子コア102,103に連通し
た複数個の導体106…と、該複数個の導体106…の
左右両端部を短絡した短絡環108,108と、回転子
コア102,103間に設けた非磁性体コア部105
と、前記回転子コア102,103のそれぞれの導体1
06…を前記非磁性体コア部105で連結する抵抗材1
09とを備えた回転子107と、前記回転子コア10
2,103に対峙する外側部に巻線110,111を施
した第一固定子112及び第二固定子113を備えた複
数の固定子とから構成される。
出願人が提案した特開平4−178144号公報に記載
されているものがある。この構成を図11を参照して説
明すると、誘導電動機101は、回転子軸104に任意
の間隔を設けて装着した磁性材料からなる回転子コア1
02,103と、該回転子コア102,103に連通し
た複数個の導体106…と、該複数個の導体106…の
左右両端部を短絡した短絡環108,108と、回転子
コア102,103間に設けた非磁性体コア部105
と、前記回転子コア102,103のそれぞれの導体1
06…を前記非磁性体コア部105で連結する抵抗材1
09とを備えた回転子107と、前記回転子コア10
2,103に対峙する外側部に巻線110,111を施
した第一固定子112及び第二固定子113を備えた複
数の固定子とから構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の複数固定子誘導電動機にあっては、回転子コア10
2,103の間でそれぞれの導体106…を前記非磁性
体コア部105で連結する抵抗材109を有するため、
抵抗材109が回転子コア102,103の外周から突
出した形状になることから電動機が大きくなるなど製造
コストを高くする原因となっていた。
来の複数固定子誘導電動機にあっては、回転子コア10
2,103の間でそれぞれの導体106…を前記非磁性
体コア部105で連結する抵抗材109を有するため、
抵抗材109が回転子コア102,103の外周から突
出した形状になることから電動機が大きくなるなど製造
コストを高くする原因となっていた。
【0004】複数固定子構成の誘導電動機の特徴は、そ
れぞれの導体106…間のそれぞれを、回転磁界の位相
差により電流が流れるという抵抗材109の効果が大き
く、この抵抗材109を取り除いた複数固定子構成で回
転磁界間に位相差を生じさせても、単なる電圧降下によ
るトルクの低減効果しか得ることができない(図10参
照)。
れぞれの導体106…間のそれぞれを、回転磁界の位相
差により電流が流れるという抵抗材109の効果が大き
く、この抵抗材109を取り除いた複数固定子構成で回
転磁界間に位相差を生じさせても、単なる電圧降下によ
るトルクの低減効果しか得ることができない(図10参
照)。
【0005】本発明は上記問題点にかんがみ、回転子の
外周形状を小さくして製造コストを抑えるとともに、運
転始動トルクの大きい複数固定子誘導電動機を提供する
ことを技術的課題とする。
外周形状を小さくして製造コストを抑えるとともに、運
転始動トルクの大きい複数固定子誘導電動機を提供する
ことを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、回転子軸の軸方向に任意の間隔を設けるか又
は非磁性体部を介して装着した左右一対の回転子コア
と、該左右一対の回転子コアの各回転子コア外周に装着
する複数個の導体と、該複数個の導体の外側端部を短絡
した左右一対の短絡環とを備えた回転子と、前記左右一
対の回転子コアのそれぞれに対峙する第1固定子及び第
2固定子を備えた複数固定子誘導電動機において、前記
回転子軸上の回転子コアに挟まれる任意の間隔又は非磁
性体部には、前記各回転子コア外周に装着する複数個の
導体を束ねるととともに、各回転子コア外周に装着され
た導体を互いに短絡させる集合導体を複数個周設する、
という技術的手段を講じた。
本発明は、回転子軸の軸方向に任意の間隔を設けるか又
は非磁性体部を介して装着した左右一対の回転子コア
と、該左右一対の回転子コアの各回転子コア外周に装着
する複数個の導体と、該複数個の導体の外側端部を短絡
した左右一対の短絡環とを備えた回転子と、前記左右一
対の回転子コアのそれぞれに対峙する第1固定子及び第
2固定子を備えた複数固定子誘導電動機において、前記
回転子軸上の回転子コアに挟まれる任意の間隔又は非磁
性体部には、前記各回転子コア外周に装着する複数個の
導体を束ねるととともに、各回転子コア外周に装着され
た導体を互いに短絡させる集合導体を複数個周設する、
という技術的手段を講じた。
【0007】また、前記回転子は、前記各回転子コアに
備える前記短絡環、前記複数個の導体及び前記複数個の
集合導体を予め鋳込みによって形成し、該鋳込みによっ
て形成した各回転子コアを、前記回転子軸の左右両端か
ら嵌装して前記回転子コアに備えた集合導体同士のみを
突き合わせ、突き合わせた箇所の前記複集合導体を電気
的に導通させるとともに、一体化させるように任意の溶
着手段により溶着して製造するとよい。
備える前記短絡環、前記複数個の導体及び前記複数個の
集合導体を予め鋳込みによって形成し、該鋳込みによっ
て形成した各回転子コアを、前記回転子軸の左右両端か
ら嵌装して前記回転子コアに備えた集合導体同士のみを
突き合わせ、突き合わせた箇所の前記複集合導体を電気
的に導通させるとともに、一体化させるように任意の溶
着手段により溶着して製造するとよい。
【0008】さらに、前記複数個の集合導体は、中空部
を有する導体から形成するとよい。
を有する導体から形成するとよい。
【0009】
【作用】本発明の複数固定子誘導電動機においては、回
転子軸の任意の間隔又は非磁性体部に、前記各回転子コ
ア外周に装着する複数個の導体を束ねるととともに、左
右に装着された導体を短絡させる集合導体を複数個周設
してあるから、例えば、電気角180°以内にある導体
数の範囲から任意の導体数を決定すると、この任意の導
体数ごとに集合導体によって短絡した状態になる。この
時のトルク特性は任意の導体数が多くなれば汎用の誘導
電動機のトルク特性に近づき、逆に任意の導体数が少な
くなれば前述した回転子コア間の抵抗材をなくした複数
固定子構成のトルク特性に近づくことになる。換言すれ
ば、任意の導体数が多くなれば、2個の固定子の回転磁
界間の位相差が変化することによるトルク特性への影響
が少なくなり、つまり位相差を変更してもトルク特性の
変化は少なくなる。逆に任意の導体数が少なくなれば、
2個の固定子の回転磁界間の位相差が変化することによ
るトルク特性への影響が大きくなる、つまり位相差の変
更によりトルク特性は大きく変化することになる。
転子軸の任意の間隔又は非磁性体部に、前記各回転子コ
ア外周に装着する複数個の導体を束ねるととともに、左
右に装着された導体を短絡させる集合導体を複数個周設
してあるから、例えば、電気角180°以内にある導体
数の範囲から任意の導体数を決定すると、この任意の導
体数ごとに集合導体によって短絡した状態になる。この
時のトルク特性は任意の導体数が多くなれば汎用の誘導
電動機のトルク特性に近づき、逆に任意の導体数が少な
くなれば前述した回転子コア間の抵抗材をなくした複数
固定子構成のトルク特性に近づくことになる。換言すれ
ば、任意の導体数が多くなれば、2個の固定子の回転磁
界間の位相差が変化することによるトルク特性への影響
が少なくなり、つまり位相差を変更してもトルク特性の
変化は少なくなる。逆に任意の導体数が少なくなれば、
2個の固定子の回転磁界間の位相差が変化することによ
るトルク特性への影響が大きくなる、つまり位相差の変
更によりトルク特性は大きく変化することになる。
【0010】したがって、複数固定子誘導電動機の2個
の固定子の回転磁界間に同じように位相差を設けても、
任意の導体数の数によって出力トルクは多様化し、導体
数の取り方によって必要とするトルク特性を作り出すこ
とが可能である。しかも、従来の抵抗材が回転子コアの
外周から突出した形状の回転子に比べて、回転子の製造
方法が容易となり、多様なトルクが実現可能となった。
の固定子の回転磁界間に同じように位相差を設けても、
任意の導体数の数によって出力トルクは多様化し、導体
数の取り方によって必要とするトルク特性を作り出すこ
とが可能である。しかも、従来の抵抗材が回転子コアの
外周から突出した形状の回転子に比べて、回転子の製造
方法が容易となり、多様なトルクが実現可能となった。
【0011】さらに、本発明においては、集合導体が疑
似的に抵抗の役目を果たしている。つまり、2個の回転
子コアに連通して設けた複数の導体を回転子コア間で任
意導体数ごとに集合短絡して集合導体にしている。この
集合導体は回転磁界間に位相差を設けていないときは、
2個の回転子コアの導体を連通する連絡導体的な作用を
奏するが、位相差を設けたときは、回転子の集合導体で
集合短絡した導体間の電位差によって、集合導体を通し
て電流が流れるようになる。位相差が大きければ集合導
体で集合短絡した回転子の導体間の電位差が小さく、し
たがって、流れる電流も小さいので疑似的に抵抗値が大
きく作用したことと同じ結果となる。また位相差が小さ
ければ集合導体で短絡した回転子の導体間の電位差が大
きく、したがって、流れる電流も大きいので、疑似的に
抵抗値が小さく作用したことと同じ結果となる。
似的に抵抗の役目を果たしている。つまり、2個の回転
子コアに連通して設けた複数の導体を回転子コア間で任
意導体数ごとに集合短絡して集合導体にしている。この
集合導体は回転磁界間に位相差を設けていないときは、
2個の回転子コアの導体を連通する連絡導体的な作用を
奏するが、位相差を設けたときは、回転子の集合導体で
集合短絡した導体間の電位差によって、集合導体を通し
て電流が流れるようになる。位相差が大きければ集合導
体で集合短絡した回転子の導体間の電位差が小さく、し
たがって、流れる電流も小さいので疑似的に抵抗値が大
きく作用したことと同じ結果となる。また位相差が小さ
ければ集合導体で短絡した回転子の導体間の電位差が大
きく、したがって、流れる電流も大きいので、疑似的に
抵抗値が小さく作用したことと同じ結果となる。
【0012】本発明の場合、回転子コア間に集合導体を
設けて、一見短絡環と同様のものに見えるが、これが短
絡環であった場合には、複数固定子の回転磁界間の位相
差を変化させてもトルク特性に変化が生じることはな
い。しかし本発明の場合、位相差の大小によってトルク
特性が変化しており、従来の短絡環とは全く異なった作
用を奏するものである。また、複数固定子構成の電動機
で、回転子導体を回転子コア間で抵抗短絡していない抵
抗材の無いものは、位相差を大きく、たとえば電気角で
180°にすると回転子の導体にはほとんど電流が流れ
ず、したがって、トルクも発生しないが、本発明の場合
は、このように抵抗材を設けていなくても集合導体があ
るので電気角180°の位相差でも起動可能な実用的ト
ルクが発生する。
設けて、一見短絡環と同様のものに見えるが、これが短
絡環であった場合には、複数固定子の回転磁界間の位相
差を変化させてもトルク特性に変化が生じることはな
い。しかし本発明の場合、位相差の大小によってトルク
特性が変化しており、従来の短絡環とは全く異なった作
用を奏するものである。また、複数固定子構成の電動機
で、回転子導体を回転子コア間で抵抗短絡していない抵
抗材の無いものは、位相差を大きく、たとえば電気角で
180°にすると回転子の導体にはほとんど電流が流れ
ず、したがって、トルクも発生しないが、本発明の場合
は、このように抵抗材を設けていなくても集合導体があ
るので電気角180°の位相差でも起動可能な実用的ト
ルクが発生する。
【0013】また従来の抵抗短絡する抵抗材の代わりに
任意導体数ごとに集合短絡して複数の集合導体を形成し
ており、このように抵抗材がなくなると、これまで回転
子の外周まで突出していた抵抗材がなくなった分だけ外
径を小型に、また回転子コア間から抵抗材がなくなった
分だけ軸方向の長さを短くすることが可能で、電動機を
これまでより小型にすることができ、コストダウンにつ
ながるという大きな効果を奏するものである。
任意導体数ごとに集合短絡して複数の集合導体を形成し
ており、このように抵抗材がなくなると、これまで回転
子の外周まで突出していた抵抗材がなくなった分だけ外
径を小型に、また回転子コア間から抵抗材がなくなった
分だけ軸方向の長さを短くすることが可能で、電動機を
これまでより小型にすることができ、コストダウンにつ
ながるという大きな効果を奏するものである。
【0014】
【実施例】図1により本発明による複数固定子誘導電動
機の一実施例を説明する。符号1は本発明に係る複数固
定子誘導電動機であり、該誘導電動機1は概略以下のよ
うな構成を有する。まず磁性材料からなる回転子コア
2,3を任意の間隔を設けて回転子軸4に軸装する。こ
の回転子コア2,3間は非磁性体コア5を介設するか、
又は空間とする。また回転子コア2,3それぞれに装設
した複数個の導体6のそれぞれを、本発明においては回
転子コア2,3間において次のように構成している。つ
まり、回転子コア2,3それぞれに装設した複数個の導
体6に対し、電気角180°以下の範囲内において任意
の導体数を決定し、全導体6をこの任意の導体数の組ご
とに集合短絡して集合導体9として複数個設けてある。
このようにして回転子コア2,3に装設した複数個の導
体6のそれぞれを回転子コア2,3に連通して連結し一
体的な回転子7を形成し、その直列に連結した複数個の
導体6の両端部は短絡環8,8により短絡されている。
機の一実施例を説明する。符号1は本発明に係る複数固
定子誘導電動機であり、該誘導電動機1は概略以下のよ
うな構成を有する。まず磁性材料からなる回転子コア
2,3を任意の間隔を設けて回転子軸4に軸装する。こ
の回転子コア2,3間は非磁性体コア5を介設するか、
又は空間とする。また回転子コア2,3それぞれに装設
した複数個の導体6のそれぞれを、本発明においては回
転子コア2,3間において次のように構成している。つ
まり、回転子コア2,3それぞれに装設した複数個の導
体6に対し、電気角180°以下の範囲内において任意
の導体数を決定し、全導体6をこの任意の導体数の組ご
とに集合短絡して集合導体9として複数個設けてある。
このようにして回転子コア2,3に装設した複数個の導
体6のそれぞれを回転子コア2,3に連通して連結し一
体的な回転子7を形成し、その直列に連結した複数個の
導体6の両端部は短絡環8,8により短絡されている。
【0015】したがって、回転子7の製造方法に言及す
れば、回転子コア2,3の一端側の短絡環8と、他端側
の集合導体9とを鋳込みによって形成し、回転子コア
2,3に備えられる集合導体9を突き合せるように、回
転子コア2,3を回転子軸4の左右両端から嵌装して、
前記突き合せた集合導体9を任意の溶着手段によりで溶
着した製造方法にすれば、電気的導通と機械的強度を確
保できるものである。これは従来の抵抗材のある回転子
の製造方法に比較して非常に簡便となっており、導体を
鋳込んだ回転子コア2個の突き合せと溶着とにより容易
に実現できるのである。
れば、回転子コア2,3の一端側の短絡環8と、他端側
の集合導体9とを鋳込みによって形成し、回転子コア
2,3に備えられる集合導体9を突き合せるように、回
転子コア2,3を回転子軸4の左右両端から嵌装して、
前記突き合せた集合導体9を任意の溶着手段によりで溶
着した製造方法にすれば、電気的導通と機械的強度を確
保できるものである。これは従来の抵抗材のある回転子
の製造方法に比較して非常に簡便となっており、導体を
鋳込んだ回転子コア2個の突き合せと溶着とにより容易
に実現できるのである。
【0016】なお、回転子コア間に設けた集合導体9
は、この場合、導体6を4つ束ねて1つの集合導体9と
してある例を示しているが、前述したように電気角18
0°以下の範囲内の導体数であればいくつでもよく、本
実施例によって限定されるものではない。
は、この場合、導体6を4つ束ねて1つの集合導体9と
してある例を示しているが、前述したように電気角18
0°以下の範囲内の導体数であればいくつでもよく、本
実施例によって限定されるものではない。
【0017】回転子コア2,3に対峙する外側部に巻線
10,11を施した第1固定子12と第2固定子13と
を機枠14に並設して固定している。この第1固定子1
2と第2固定子13にはそれぞれ巻線10,11が設け
てある。またこの第1固定子12と第2固定子13との
それぞれの作る回転磁界間に位相差を設ける移相装置を
設けてある。移相装置は従来技術にある機械的な移相装
置と電気的な移相装置のどちらでも良い。ただし説明の
都合上移相装置による位相差は0°から180°の範囲
で変更調節可能であることを前提として以下説明する。
10,11を施した第1固定子12と第2固定子13と
を機枠14に並設して固定している。この第1固定子1
2と第2固定子13にはそれぞれ巻線10,11が設け
てある。またこの第1固定子12と第2固定子13との
それぞれの作る回転磁界間に位相差を設ける移相装置を
設けてある。移相装置は従来技術にある機械的な移相装
置と電気的な移相装置のどちらでも良い。ただし説明の
都合上移相装置による位相差は0°から180°の範囲
で変更調節可能であることを前提として以下説明する。
【0018】さらに、回転子7について説明する。図2
に、図1のA−A線を切断面とした回転子7の正断面図
を示している。回転子コア2の外周に装設した導体6の
数を本例の場合40個とし、この40個の導体6の内、
極数を4Pとすると、電気角180°以内では10個の
導体6が存在することになる。本実施例の場合この10
個の導体数の内4個の導体6を1つの束として集合短絡
し集合導体9を設けてあり、該集合導体9は回転子全周
で10個設けてある。ここで導体6の4個の導体を1つ
の束としたが、電気角180°以内で導体数2個から1
0個までの中から、必要なトルク特性に応じて選択可能
であることは言うまでもなく、重ねていえば電動機の導
体数、極数に応じて電気角180°以内の導体数も異な
り、この点についても本実施例に限定されないことは言
うまでもない。
に、図1のA−A線を切断面とした回転子7の正断面図
を示している。回転子コア2の外周に装設した導体6の
数を本例の場合40個とし、この40個の導体6の内、
極数を4Pとすると、電気角180°以内では10個の
導体6が存在することになる。本実施例の場合この10
個の導体数の内4個の導体6を1つの束として集合短絡
し集合導体9を設けてあり、該集合導体9は回転子全周
で10個設けてある。ここで導体6の4個の導体を1つ
の束としたが、電気角180°以内で導体数2個から1
0個までの中から、必要なトルク特性に応じて選択可能
であることは言うまでもなく、重ねていえば電動機の導
体数、極数に応じて電気角180°以内の導体数も異な
り、この点についても本実施例に限定されないことは言
うまでもない。
【0019】以上の構成における本発明の複数固定子誘
導電動機のトルク特性の一例を図3に示す。この図は2
個の固定子の巻線10,11を並列にしてスター結線し
た時のトルク特性曲線の一例である。位相差が180
°,120°,60°と変化するごとにトルク特性が0
°に近づくように変化しており、また位相差180°の
時でも実用に耐えうるトルク特性となっている。つま
り、導体6を4個ずつ集合導体9より束ねてあるが、位
相差を設けた時に回転子コア2側の4個の導体6と、回
転子コア3側の4個の導体6とは、個々に誘起する瞬時
の電圧はすべて異なるのである。したがって、この電圧
の違いにより電流は電圧の高い方から低い方に流れるこ
とになり、これらの共通の流路として、集合導体9がそ
の役割を果たすのである。
導電動機のトルク特性の一例を図3に示す。この図は2
個の固定子の巻線10,11を並列にしてスター結線し
た時のトルク特性曲線の一例である。位相差が180
°,120°,60°と変化するごとにトルク特性が0
°に近づくように変化しており、また位相差180°の
時でも実用に耐えうるトルク特性となっている。つま
り、導体6を4個ずつ集合導体9より束ねてあるが、位
相差を設けた時に回転子コア2側の4個の導体6と、回
転子コア3側の4個の導体6とは、個々に誘起する瞬時
の電圧はすべて異なるのである。したがって、この電圧
の違いにより電流は電圧の高い方から低い方に流れるこ
とになり、これらの共通の流路として、集合導体9がそ
の役割を果たすのである。
【0020】そして、4個の導体6ごとに束ねた集合導
体9は、回転子コア2,3間における回転子軸4方向の
相対位置の導体6間に電流は流れないが、回転子軸4の
回転方向に隣接する導体6間とは電位差を生じているの
で、位相差180°であってもトルクを発生する。しか
し、回転子軸4の回転方向に隣接する導体6間の電位差
は、わずかで流れる電流も少なく、疑似的に抵抗値が増
したようになる。更に位相差が徐々に0°に近づくと、
回転子軸4方向の相対位置の導体6間にも電位差を生じ
始め、回転子軸4の回転方向に隣接する導体6間と合わ
せて、電位の高い導体6から電位の低い導体6に電流は
多く流れるようになる。このように、集合導体9は、位
相差の変化により発生する導体6間の電位差により電流
が流れるように作用して、位相差が大きい時には抵抗が
大きく、位相差が小さい時には抵抗が小さくなったよう
に疑似的に作用するものである。
体9は、回転子コア2,3間における回転子軸4方向の
相対位置の導体6間に電流は流れないが、回転子軸4の
回転方向に隣接する導体6間とは電位差を生じているの
で、位相差180°であってもトルクを発生する。しか
し、回転子軸4の回転方向に隣接する導体6間の電位差
は、わずかで流れる電流も少なく、疑似的に抵抗値が増
したようになる。更に位相差が徐々に0°に近づくと、
回転子軸4方向の相対位置の導体6間にも電位差を生じ
始め、回転子軸4の回転方向に隣接する導体6間と合わ
せて、電位の高い導体6から電位の低い導体6に電流は
多く流れるようになる。このように、集合導体9は、位
相差の変化により発生する導体6間の電位差により電流
が流れるように作用して、位相差が大きい時には抵抗が
大きく、位相差が小さい時には抵抗が小さくなったよう
に疑似的に作用するものである。
【0021】さらに、本実施例では4個の導体を一つに
束ねた例を示したが、この個数を増し、例えば、8個の
導体を一つに束ねると、電位差が4個の場合よりも大き
くなる。つまり、前例の4個の場合よりも導体数が多く
束ねることで、電気角が大きくなり、回転磁界の位相に
よる導体6個々の起電力の差が大きくなるのである。
束ねた例を示したが、この個数を増し、例えば、8個の
導体を一つに束ねると、電位差が4個の場合よりも大き
くなる。つまり、前例の4個の場合よりも導体数が多く
束ねることで、電気角が大きくなり、回転磁界の位相に
よる導体6個々の起電力の差が大きくなるのである。
【0022】以上のように、位相差の大きい時には、位
相差と集合導体9との作用により、導体6は高い抵抗が
生じた状態となり、始動時においてトルクは発生しなが
らも低い電流となっている。しかも、始動時において、
先の疑似的に作用する高い抵抗と、始動時のすべり周波
数による磁束の表皮効果とが互いに作用しあって、始動
時においてすべりが大きい程トルクが向上するという特
異のトルク特性が生じている。しかも位相差が大きいほ
どこの傾向は顕著である。
相差と集合導体9との作用により、導体6は高い抵抗が
生じた状態となり、始動時においてトルクは発生しなが
らも低い電流となっている。しかも、始動時において、
先の疑似的に作用する高い抵抗と、始動時のすべり周波
数による磁束の表皮効果とが互いに作用しあって、始動
時においてすべりが大きい程トルクが向上するという特
異のトルク特性が生じている。しかも位相差が大きいほ
どこの傾向は顕著である。
【0023】次に本発明の一構成である移相装置につい
て図4により説明する。以下の移相装置は従来技術にお
ける電気的な方法である固定子巻線の結線を変えて位相
差を設けたものを採用して説明する。
て図4により説明する。以下の移相装置は従来技術にお
ける電気的な方法である固定子巻線の結線を変えて位相
差を設けたものを採用して説明する。
【0024】図4に本発明の誘導電動機1に係る固定子
巻線の結線図を示す。第1固定子12及び第2固定子1
3に施した巻線10,11の結線は、一例として電気的
位相差60°を生じる直列デルタ結線としている。巻線
11の一方の端子(U1,V1,W1)は、電源開閉装
置S0を介して電源R,S,Tに接続し、他方の端子
(X1,Y1,Z1)は、巻線10の一方の端子(Y
2,Z2,X2)に直列接続する。また、巻線10の他
方の端子(V2,W2,U2)は、前記端子(U1,V
1,W1)に接続して直列デルタ結線とする。端子(X
1,Y1,Z1)と端子(Y2,Z2,X2)との間に
は、短絡スイッチS1,S2を設け、短絡スイッチS1
の一方を端子X1に接続し、他方を端子Z2に接続す
る。また、短絡スイッチS2の一方を端子Y1に接続
し、他方を端子X2に接続する。ここで示す短絡スイッ
チS1,S2は移相装置とすることができる。
巻線の結線図を示す。第1固定子12及び第2固定子1
3に施した巻線10,11の結線は、一例として電気的
位相差60°を生じる直列デルタ結線としている。巻線
11の一方の端子(U1,V1,W1)は、電源開閉装
置S0を介して電源R,S,Tに接続し、他方の端子
(X1,Y1,Z1)は、巻線10の一方の端子(Y
2,Z2,X2)に直列接続する。また、巻線10の他
方の端子(V2,W2,U2)は、前記端子(U1,V
1,W1)に接続して直列デルタ結線とする。端子(X
1,Y1,Z1)と端子(Y2,Z2,X2)との間に
は、短絡スイッチS1,S2を設け、短絡スイッチS1
の一方を端子X1に接続し、他方を端子Z2に接続す
る。また、短絡スイッチS2の一方を端子Y1に接続
し、他方を端子X2に接続する。ここで示す短絡スイッ
チS1,S2は移相装置とすることができる。
【0025】以上の構成における作用を説明する。ま
ず、短絡スイッチS1,S2を開いた状態で電源開閉装
置S0を閉じると、巻線11と巻線10とは電気的位相
差60°を有する直列のデルタ結線となる。次に、短絡
スイッチS1,S2を閉じると、電気的位相差0°の並
列のスター結線となる。そして、短絡スイッチS1又は
短絡スイッチS2のいずれかを閉じると、電気的位相差
60°の直列のデルタ結線のトルク特性と電気的位相差
0°の並列のスター結線トルク特性との中間のトルク特
性が生じる。したがって、スイッチS1,S2を共に開
いて始動し、スイッチS1(或いはスイッチS2のいず
れか一方)を閉じて回転子7を加速させ、最後に残りの
スイッチS2を閉じて運転状態に入るものである。
ず、短絡スイッチS1,S2を開いた状態で電源開閉装
置S0を閉じると、巻線11と巻線10とは電気的位相
差60°を有する直列のデルタ結線となる。次に、短絡
スイッチS1,S2を閉じると、電気的位相差0°の並
列のスター結線となる。そして、短絡スイッチS1又は
短絡スイッチS2のいずれかを閉じると、電気的位相差
60°の直列のデルタ結線のトルク特性と電気的位相差
0°の並列のスター結線トルク特性との中間のトルク特
性が生じる。したがって、スイッチS1,S2を共に開
いて始動し、スイッチS1(或いはスイッチS2のいず
れか一方)を閉じて回転子7を加速させ、最後に残りの
スイッチS2を閉じて運転状態に入るものである。
【0026】図5は、直列のスター結線によるトルク特
性の一例を示している。図5によるものは、移相装置で
示した電気的位相差60°の他に180°,120°,
0°とを明らかにしている。前述の移相装置において短
絡スイッチS1,S2をともに開いた状態で、電源開閉
装置S0を閉じて始動した時には、電気的位相差60°
のトルク特性で始動し(図5の2点鎖線)、短絡スイッ
チS1,S2をともに閉じた時には電気的位相差0°の
トルク特性に変化するのである(図3の2点鎖線)。
性の一例を示している。図5によるものは、移相装置で
示した電気的位相差60°の他に180°,120°,
0°とを明らかにしている。前述の移相装置において短
絡スイッチS1,S2をともに開いた状態で、電源開閉
装置S0を閉じて始動した時には、電気的位相差60°
のトルク特性で始動し(図5の2点鎖線)、短絡スイッ
チS1,S2をともに閉じた時には電気的位相差0°の
トルク特性に変化するのである(図3の2点鎖線)。
【0027】ここで、一般の複数固定子誘導電動機をス
ターデルタ始動した時と、本発明の複数固定子誘導電動
機を始動した時とを、トルクと電流の変化で比較してみ
る。電動機の仕様は、入力45kw、全負荷電流1200A、
出力トルク60kgmとする。本発明の複数固定子誘導電動
機の場合、前述のように移相装置による電気的位相の切
り換えを行うものである。一方、一般の複数固定子誘導
電動機の場合、始動電流を抑えるためにスターデルタ切
換による減圧始動を行っているものである。また、本発
明の複数固定子誘導電動機のトルク特性と電流は、図
3、図5に明らかにしている。一般の複数固定子誘導電
動機のトルク特性と電流は、図3に示す位相差0°時の
負荷電流と出力トルク及び計算によるスターデルタ始動
の減圧時の負荷電流と出力トルクとした。
ターデルタ始動した時と、本発明の複数固定子誘導電動
機を始動した時とを、トルクと電流の変化で比較してみ
る。電動機の仕様は、入力45kw、全負荷電流1200A、
出力トルク60kgmとする。本発明の複数固定子誘導電動
機の場合、前述のように移相装置による電気的位相の切
り換えを行うものである。一方、一般の複数固定子誘導
電動機の場合、始動電流を抑えるためにスターデルタ切
換による減圧始動を行っているものである。また、本発
明の複数固定子誘導電動機のトルク特性と電流は、図
3、図5に明らかにしている。一般の複数固定子誘導電
動機のトルク特性と電流は、図3に示す位相差0°時の
負荷電流と出力トルク及び計算によるスターデルタ始動
の減圧時の負荷電流と出力トルクとした。
【0028】これらの出力トルクと負荷電流とをまとめ
てみると、図6の表のようになる。つまり、図6のBに
示す一般の複数固定子誘導電動機では、スターデルタの
減圧始動でトルク、電流とも3分の1になるので、トル
クが16kgm、電流が340Aで始動することになる。一方、
図6のAに示す本発明の場合は、トルクが30kgm、電流
が516Aで始動することになる。この両者を比較する
と、本発明の方がほぼ2倍のトルクを有していることに
なる。また、本発明の方が始動時の電流は516Aと高い
のであるが、図7に示すように、45kw誘導電動機の始
動階級Bの直入れ始動許容電流は546.2A以内(60H
z)となっているから、この電流値であれば十分直入れ
始動が可能ということになる。つまり、本発明の複数固
定子誘導電動機によると、45kW程度の高容量の誘導電
動機でありながら、直入れ始動が可能であり、しかも、
出力トルクは従来のスターデルタ減圧始動の2倍もある
ということが明らかである。このことは、特別の始動機
器が必要ないという設備の簡素化や、始動トルクのアッ
プによる電動機の低容量化や、これに伴う配電設備の低
容量化など、そのメリットは大きいものである。
てみると、図6の表のようになる。つまり、図6のBに
示す一般の複数固定子誘導電動機では、スターデルタの
減圧始動でトルク、電流とも3分の1になるので、トル
クが16kgm、電流が340Aで始動することになる。一方、
図6のAに示す本発明の場合は、トルクが30kgm、電流
が516Aで始動することになる。この両者を比較する
と、本発明の方がほぼ2倍のトルクを有していることに
なる。また、本発明の方が始動時の電流は516Aと高い
のであるが、図7に示すように、45kw誘導電動機の始
動階級Bの直入れ始動許容電流は546.2A以内(60H
z)となっているから、この電流値であれば十分直入れ
始動が可能ということになる。つまり、本発明の複数固
定子誘導電動機によると、45kW程度の高容量の誘導電
動機でありながら、直入れ始動が可能であり、しかも、
出力トルクは従来のスターデルタ減圧始動の2倍もある
ということが明らかである。このことは、特別の始動機
器が必要ないという設備の簡素化や、始動トルクのアッ
プによる電動機の低容量化や、これに伴う配電設備の低
容量化など、そのメリットは大きいものである。
【0029】ところで位相差0°の時、すなわち、短絡
スイッチS1,S2を閉じた時、巻線11の端子(X
1,Y1,Z1)と巻線10の端子(X2,Y2,Z
2)との間は短絡状態にあり、接点故障等他の原因で短
絡しても電動機が焼損する等の電気的事故は発生しな
い。
スイッチS1,S2を閉じた時、巻線11の端子(X
1,Y1,Z1)と巻線10の端子(X2,Y2,Z
2)との間は短絡状態にあり、接点故障等他の原因で短
絡しても電動機が焼損する等の電気的事故は発生しな
い。
【0030】さらに、位相の切換えを行う短絡スイッチ
S1,S2の開閉は、直列デルタ結線による運転中の線
間の短絡であるから、開閉の際に一時的に負荷電流が遮
断されることがない、極間電圧が電源電圧の2分の1で
あるという理由で、結線開閉スイッチの電気的容量は小
さいものを使用することが可能であり、移相装置となる
短絡スイッチS1,S2を小型化することができる。
S1,S2の開閉は、直列デルタ結線による運転中の線
間の短絡であるから、開閉の際に一時的に負荷電流が遮
断されることがない、極間電圧が電源電圧の2分の1で
あるという理由で、結線開閉スイッチの電気的容量は小
さいものを使用することが可能であり、移相装置となる
短絡スイッチS1,S2を小型化することができる。
【0031】図8及び図9において、本発明の複数固定
子誘導電動機における回転子の他の実施例を示す。図9
において、集合導体9となる部分に形成した複数の中空
導体20を設け、この中空導体20は左右方向から回転
子コア21,22を挟持するように配設される(図8参
照)。さらに、回転子コア21,22に連通する複数の
導体23を中空導体20を介して鋳込んだり、回転子コ
ア21,22の端部に備えられる短絡環24,24と、
前記複数個の導体23と、中空導体20とを同時に鋳込
んで回転子25を形成することで、一体的に回転子25
を製造することができる。上述の中空導体20は、回転
子コア21,22に装設する複数個の導体23を電気角
180°以下の範囲内において、任意の導体数の組ごと
に集合短絡して集合導体26に形成するものである。こ
の手段によると、一般の複数固定子誘導電動機と同様の
手段で、かつ、一般の複数固定子誘導電動機よりも始動
トルク性に優れた電動機を製造することができる。
子誘導電動機における回転子の他の実施例を示す。図9
において、集合導体9となる部分に形成した複数の中空
導体20を設け、この中空導体20は左右方向から回転
子コア21,22を挟持するように配設される(図8参
照)。さらに、回転子コア21,22に連通する複数の
導体23を中空導体20を介して鋳込んだり、回転子コ
ア21,22の端部に備えられる短絡環24,24と、
前記複数個の導体23と、中空導体20とを同時に鋳込
んで回転子25を形成することで、一体的に回転子25
を製造することができる。上述の中空導体20は、回転
子コア21,22に装設する複数個の導体23を電気角
180°以下の範囲内において、任意の導体数の組ごと
に集合短絡して集合導体26に形成するものである。こ
の手段によると、一般の複数固定子誘導電動機と同様の
手段で、かつ、一般の複数固定子誘導電動機よりも始動
トルク性に優れた電動機を製造することができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明の複数固定子誘導電
動機によれば、回転子軸上の回転子コアに挟まれる任意
の間隔又は非磁性体部に、前記各回転子コア外周に装着
する複数個の導体を束ねるととともに、各回転子コア外
周に装着された導体を互いに短絡させる集合導体を複数
個周設したので、集合導体が疑似的に抵抗の役目を果た
し、位相差の大小によってトルク特性が変化するととも
に、電気角180°の位相差でも起動可能な実用的トル
クが発生し、回転子の外周形状を小さくして製造コスト
を抑えるとともに、運転始動トルクの大きい複数固定子
誘導電動機を提供することが可能となった。
動機によれば、回転子軸上の回転子コアに挟まれる任意
の間隔又は非磁性体部に、前記各回転子コア外周に装着
する複数個の導体を束ねるととともに、各回転子コア外
周に装着された導体を互いに短絡させる集合導体を複数
個周設したので、集合導体が疑似的に抵抗の役目を果た
し、位相差の大小によってトルク特性が変化するととも
に、電気角180°の位相差でも起動可能な実用的トル
クが発生し、回転子の外周形状を小さくして製造コスト
を抑えるとともに、運転始動トルクの大きい複数固定子
誘導電動機を提供することが可能となった。
【0033】また、前記回転子は、前記各回転子コアに
備える前記短絡環、前記複数個の導体及び前記複数個の
集合導体を予め鋳込みによって形成し、該鋳込みによっ
て形成した各回転子コアを、前記回転子軸の左右両端か
ら嵌装して前記複数個の集合導体同士を突き合わせ、突
き合わせた箇所の前記複数個の集合導体を電気的に導通
させるとともに、一体化させるように任意の溶着手段に
より溶着して製造するので、抵抗材のある回転子の製造
方法に比較して非常に簡便に製造することが可能とな
る。
備える前記短絡環、前記複数個の導体及び前記複数個の
集合導体を予め鋳込みによって形成し、該鋳込みによっ
て形成した各回転子コアを、前記回転子軸の左右両端か
ら嵌装して前記複数個の集合導体同士を突き合わせ、突
き合わせた箇所の前記複数個の集合導体を電気的に導通
させるとともに、一体化させるように任意の溶着手段に
より溶着して製造するので、抵抗材のある回転子の製造
方法に比較して非常に簡便に製造することが可能とな
る。
【0034】さらに、前記複数個の集合導体は、中空部
を有する導体から形成すると、回転子コア外周に装着す
る複数個の導体を束ねる際、作業か簡便になる。
を有する導体から形成すると、回転子コア外周に装着す
る複数個の導体を束ねる際、作業か簡便になる。
【図1】本発明の複数固定子誘導電動機の中央縦断面図
である。
である。
【図2】図1のA−A線を切断面とした回転子の正断面
図である。
図である。
【図3】本発明の複数固定子誘導電動機のトルク特性の
一例を示す図である。
一例を示す図である。
【図4】本発明の複数固定子誘導電動機の固定子巻線の
結線と移相装置の一例を示す図である。
結線と移相装置の一例を示す図である。
【図5】本発明の複数固定子誘導電動機のトルク特性の
別の例を示す図である。
別の例を示す図である。
【図6】始動と運転の出力トルクと始動電流とを、本発
明の複数固定子電動機と従来の複数固定子誘導電動機と
で比較した表である。
明の複数固定子電動機と従来の複数固定子誘導電動機と
で比較した表である。
【図7】高容量誘導電動機の始動階級Bを示した図であ
る。
る。
【図8】回転子の他の実施例を示す図である。
【図9】図8の中空導体部分を示す正断面図である。
【図10】従来の複数固定子誘導電動機のトルク特性曲
線の一例を示す図である。
線の一例を示す図である。
【図11】従来の複数固定子誘導電動機の中央縦断面図
である。
である。
1 複数固定子誘導電動機 2 回転子コア 3 回転子コア 4 回転子軸 5 非磁性体コア 6 回転子導体 7 回転子 8 短絡環 9 集合導体 10 固定子巻線 11 固定子巻線 12 第1固定子 13 第2固定子 14 機枠 20 中空導体 21 回転子コア 22 回転子コア 23 回転子導体 24 短絡環 25 回転子 26 集合導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 16/00 H02K 17/02
Claims (3)
- 【請求項1】 回転子軸の軸方向に任意の間隔を設ける
か又は非磁性体部を介して装着した左右一対の回転子コ
アと、該左右一対の回転子コアの各回転子コア外周に装
着する複数個の導体と、該複数個の導体の外側端部を短
絡した左右一対の短絡環とを備えた回転子と、前記左右
一対の回転子コアのそれぞれに対峙する第1固定子及び
第2固定子を備えた複数固定子誘導電動機において、前
記回転子軸上の回転子コアに挟まれる任意の間隔又は非
磁性体部には、前記各回転子コア外周に装着する複数個
の導体を束ねるととともに、各回転子コア外周に装着さ
れた導体を互いに短絡させる集合導体を複数個周設した
ことを特徴とする複数固定子誘導電動機。 - 【請求項2】 前記回転子は、前記各回転子コアに備え
る前記短絡環、前記複数個の導体及び前記複数個の集合
導体を予め鋳込みによって形成し、該鋳込みによって形
成した各回転子コアを、前記回転子軸の左右両端から嵌
装して前記回転子コアに備えた集合導体同士のみを突き
合わせ、突き合わせた箇所の前記複集合導体を電気的に
導通させるとともに、一体化させるように任意の溶着手
段により溶着して製造してなる請求項1記載の複数固定
子誘導電動機。 - 【請求項3】 前記複数個の集合導体は、中空部を有す
る導体から形成される請求項1又は請求項2記載の複数
固定子誘導電動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11360493A JP3269537B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 複数固定子誘導電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11360493A JP3269537B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 複数固定子誘導電動機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06311711A JPH06311711A (ja) | 1994-11-04 |
JP3269537B2 true JP3269537B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=14616432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11360493A Expired - Fee Related JP3269537B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 複数固定子誘導電動機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3269537B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10127102B4 (de) | 2001-06-02 | 2013-04-04 | Aloys Wobben | Windenergieanlage |
CN102396137B (zh) | 2009-02-14 | 2014-01-01 | 国立大学法人东北大学 | 发电装置 |
JP6606134B2 (ja) | 2017-07-31 | 2019-11-13 | ファナック株式会社 | 電動機のロータ |
CN110277888A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-09-24 | 哈尔滨工业大学 | 一种适用于航天设备的带自锁定力矩的低速力矩电机 |
-
1993
- 1993-04-15 JP JP11360493A patent/JP3269537B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06311711A (ja) | 1994-11-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |