JP3268551B2 - 最大マーク長検出器及び検出方法 - Google Patents

最大マーク長検出器及び検出方法

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JP3268551B2 JP25393698A JP25393698A JP3268551B2 JP 3268551 B2 JP3268551 B2 JP 3268551B2 JP 25393698 A JP25393698 A JP 25393698A JP 25393698 A JP25393698 A JP 25393698A JP 3268551 B2 JP3268551 B2 JP 3268551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク上に記
録された最大マーク長の検出を行うマーク長検出器及び
検出方法に関し、より詳しくは、検出時間を短縮すると
共に、マーク長の測定精度を高めた最大マーク長検出器
及び検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CDやDVD等の光ディスクでは、ディ
スクの回転数変動により読み出される信号の周波数が変
動してしまう。また、これら光ディスクでは、その円周
長(トラック長)は、ディスクの外周側ほど長くなる。
そのため、回転数が一定のCAV方式の場合、外周側ほ
ど線速度が速くなる。よって、ディスクを一定回転数で
回転させたとしても、外周側の方が読み出される信号の
周波数が高くなる。一般的には、±30%〜50%程度
の周波数の変動は、動作範囲に含まれている。
【0003】このような周波数変動の対応策として、デ
ィスク上に記録された信号から基本周波数を算出し、こ
の基本周波数を中心周波数と仮定してPLLを動作させ
る方法が、通常用いられている。そして、この基本周波
数は、一定間隔で配置されているシンク領域(フレーム
・シンク領域)内の最大マーク長を用いて算出されるの
が一般的である。ここで、シンク領域は、データ領域内
には存在しない符号を用いてデータ領域の始まる位置を
検出するための領域である。このシンク領域には、フレ
ーム番号(フレームID)とフレーム同期のためのフレ
ーム・シンク記号が書き込まれている。このフレーム・
シンク記号には、データ領域のどのマークよりも長い同
期(フレーム同期)用の最長マークが含まれている。そ
して、この最長マークを検出して基本周波数を求める。
【0004】ここで、DVD等の光ディスクでは、円盤
状のディスク表面に、渦巻き状又は同心円状にデータが
記録されている。データの記録は、円周(トラック)方
向に長さをもたせたマークを用いて行われている。マー
クの検出は、レーザー光等を照射した場合の、マークの
有無(ピット又はランド)による反射量の違いを利用し
て行う。例えば、あるスライス・レベルを設定して、こ
のスライス・レベルと前記反射量(出力波形)とが交差
する交点間隔により、マークを検出することができる。
通常、この交点の時間間隔nTを用いてマークの長さ
(以下、マーク長と呼ぶ)を表す。ここで、Tは1ビッ
トあたりの時間(基本周期)、nは整数であり、マーク
はTの整数倍の長さで記録されている。そして、この基
本周期Tから基本周波数(1/T)を求めることができ
る。以下、マーク長がnTのマークを、マークnTと表
記する。
【0005】最大マーク長検出器としては、例えば、図
6のような構成のものを用いることができる。この最大
マーク長検出器90は、マーク長の測定を行う測定器9
2と、測定されたマーク長Lk の最大値Lmax を保存す
る最大値レジスタ94と、最大値レジスタ94に保存さ
れた最大値Lmax と測定されたマーク長Lk との大小比
較を行う比較器96を備えて構成されている。そして、
測定値Lk が最大値Lmax よりも大きければ、制御部9
8により、最大値レジスタ94(Lmax )に測定値Lk
が代入される。
【0006】また、最大マーク長検出は、例えば、図7
に示すような手順で行うことができる。まず、1回目の
最大マーク長(Lmax1)の検出を行い(S180)、次
にこれに続いて2回目の最大マーク長(Lmax2)の検出
を行う(S182)。そして、比較器96を用いて両者
(Lmax1,Lmax2)が同一であるか比較する(S18
4)。もし、両者が等しければ、最大マーク長が検出さ
れたことになるので検出を終了する。逆に、両者が異な
れば、最初から検出をやり直す。2つの最長マーク(L
max1,Lmax2)を測定するのは、Lmax1の正当性を確認
するためである。そして、この検出された最大マーク長
を基にして、ディスクから読み出される信号の基本周波
数を求めることができる。ただし、実際には、測定誤差
やノイズ等の影響でLmax1とLmax2とは完全に一致せ
ず、 |Lmax1−Lmax2| ≦ ΔL ( ΔLは測定誤差やノイズ等を考慮した許容誤差 )
であれば一致するとみなしている。
【0007】また、最大マーク長の検出(S180,S
182)は、システム・クロックを整数倍した必ず最長
マークが含まれるマーク検出時間Twを設定し、この検
出時間Tw内で最大マーク長の検出を行う。この検出
(S180,S182)は、例えば、図8に示すような
手順で行うことができる。まず、測定器92から任意マ
ークのマーク長(測定値Lk )が入力されると(S19
2)、測定値Lk と最大値Lmax との比較を行う(S1
94)。もし、測定値Lk の方が大きければ、最大値L
max にこの測定値Lk が代入される(S196)。な
お、最大値Lmax の初期値はゼロに設定されている(S
190)。続いて、比較器96により、制御部98でカ
ウントされている測定経過時間とマーク検出時間Twと
を比較する(S198)。もし、測定経過時間が検出時
間Twに達していれば、マーク長の測定を終了する。逆
に、まだ測定経過時間が検出時間Twに達していなけれ
ば、次のマーク長が入力される(S192)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、マーク検
出時間Twは、システム・クロックを基準とした固定さ
れた値が用いられている。しかし、ディスク60を一定
回転数で回転させた場合、図9に示すように、内周と外
周では線速度が異なるためにシンク領域62の時間間隔
(以下、シンク領域間隔)が変化し、外周側の方が読み
出される信号の周波数が高くなる。ここで、符号64は
データ領域であり、Tsoは最外周部のシンク領域間隔
を、Tsiは最内周部のシンク領域間隔を表わしてい
る。そして、マーク検出時間Twには少なくとも1つの
シンク領域62(最長マーク)が含まれる必要がある。
そのため、最も周波数が低い最内周部のシンク領域間隔
を基準にして、マーク検出時間Twが設定される。
【0009】このような固定されたマーク検出時間Tw
を用いると、例えば図9に示すように、マーク検出時間
Twに対して、最内周部にはシンク領域62が1つだけ
含まれるが、最外周部には複数(この例では7つ)のシ
ンク領域62が含まれることになる。しかし、検出する
シンク領域62は1つで十分である。よって、最外周部
では、必要のない6つのシンク領域62に対して最大マ
ーク長検出を行うことになる。そのため、最外周部で
は、最大マーク長検出時間の6/7が無駄な検出時間と
なる。このことは、データの読み出しを開始するまでの
待ち時間が増加することを意味する。
【0010】また、マーク長は、ディスクからの出力波
形とスライス・レベルとの交点間隔から検出される。そ
のため、図10に示すような出力波形70を例にして説
明すると、スライス・レベルが低下した場合(74)に
は、測定される連続したマーク長L'(k-1)とL'(k)は、 L'(k-1) = L(k-1) −2ΔT L'(k) = L(k) +2ΔT となる。ここで、L(k-1) 及びL(k) はスライス・レベ
ルが正しい場合(72)の測定値,ΔTはスライス・レ
ベルの誤差によるマーク長の測定誤差である。このよう
に、スライス・レベルの誤差により、マーク長の測定に
誤差が生じる。そのため、同一長のマークどうしを比較
しても、これら誤差のために異なるマークであると識別
される可能性がある。また、最大マーク長に誤差が含ま
れると、基本周波数の算出においても誤差の影響を受け
るため、正確な周波数を得ることができない。
【0011】そこで、本発明者は、このような課題を解
決するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の最長マーク検出
方法の要旨とするところは、最大マーク長の検出を行う
マーク長検出方法において、測定されたマーク長を保存
するステップと、続いてこの測定されたマークに連続す
るマークが新たに測定されると、該保存されたマーク長
と該新たに測定されたマーク長の和を求めるステップ
と、前記マーク長の和の最大値が新たに測定された時点
からの測定マーク長の合計値を求めるステップと、測定
された最大マーク長に前記合計値が達すると、該合計値
から該最大マーク長を減算するステップと、前記減算す
るステップで減算を行った回数をカウントするステップ
と、カウント数が所定値に達すると検出を終了するステ
ップと、を含み、最長マークとその最長マークに連続す
るマークとの長さの和を前記最大マーク長として検出す
ることにある。
【0013】また、本発明の最長マーク検出器の要旨と
するところは、最大マーク長の検出を行うマーク長検出
器において、マーク長の測定値を保存する測定値レジス
タと、今回の測定値と該測定値レジスタに保存された前
回の測定値の和を求める加算器と、測定された最大マー
ク長に、マーク長の和の最大値が新たに測定された時点
からの測定マーク長の合計値が達すると、該合計値から
該最大マーク長を減算する減算器、この減算を行った回
数をカウントするカウンター、及び該カウンターのカウ
ント数が所定値に達すると検出を終了させる比較器を備
え、該合計値が最長マーク間隔相当長に達すると検出を
終了させる検出終了手段と、を備えて構成し、最長マー
クとこの最長マークに連続するマークとの長さの和を最
大マーク長として検出することにある。
【0014】また、本発明の最長マーク検出方法の要旨
とするところは、最大マーク長の検出を行うマーク長検
出方法において、前記減算するステップで減算を行った
回数をカウントするステップと、カウント数が所定値に
達すると検出を終了するステップと、前記合計値が最長
マーク間隔相当長に達すると検出を終了させるステップ
とを含み、前記最大マーク長の検出時間が、測定された
マーク長をもとに任意に設定されることにある。
【0015】また、本発明の最長マーク検出器の要旨と
するところは、最大マーク長の検出を行うマーク長検出
器において、前記マーク長の和の最大値が新たに測定さ
れた時点からの測定マーク長の合計値が保存される合計
値レジスタと、該合計値に測定値を加算する加算器と、
を備えて構成され、前記最大マーク長の検出時間が、測
定されたマーク長をもとに任意に設定されることにあ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る最長マーク検出器及
び検出方法の実施の形態について、図面に基づいて詳し
く説明する。
【0017】図1は本発明に係る最大マーク長検出器の
一構成例を示すブロック線図であり、合計レジスタ1
2,測定値レジスタ14,カウンター16,演算器22
及び比較器18とを備えて構成されている。また、従来
と同様に、測定器92及び最大値レジスタ94も備えて
いる。そして、これら合計レジスタ12,測定値レジス
タ14,カウンター16,演算器22,比較器18,測
定器92及び最大値レジスタ94は制御部24に接続さ
れている。
【0018】合計レジスタ12は、連続するマークの長
さの和Lp の最大値Lmax が測定された時点からのマー
ク長(測定値)Lk の合計値Lsum を保存しておくため
のものであり、読み出し及び書き込みが可能な任意の記
憶素子を用いることができる。測定値レジスタ14は、
少なくとも前回測定されたマーク長PLk を保存してお
くためのものであり、読み出し及び書き込みの可能な任
意の記憶素子を用いることができる。演算器22は、前
回測定されたマーク長PLk と今回測定されたマーク長
Lk との和Lp を計算したり、この和Lp と測定値Lk
との比RL を求めると共に、合計値Lsum に今回の測定
値Lk を加算したり、合計値Lsum から最大値Lmax を
減算するためのものであり、少なくとも加算,減算及び
除算を行うことのできる任意の演算回路を用いることが
できる。
【0019】カウンター(検出終了手段)は、合計値L
sum から最大値Lmax を減算した回数をカウントするた
めのものであり、任意の計数回路を用いることができ
る。本実施例では、カウンター16にカウント数Cを保
存し、前記減算を行う度に演算器22を用いてカウント
数Cに1を加算している。比較器18は、演算器22で
求めた比RL と所定値との大小比較を行ったり、和LP
と最大値Lmax との大小比較を行うと共に、合計値Lsu
m と最大値Lmax との大小比較を行ったり、カウント数
Cと所定値との大小比較を行うためのものであり、任意
の比較回路を用いることができる。
【0020】最大値レジスタ94は、従来と同様のもの
を用いているが、従来の測定されたマーク長Lk の代わ
りに、演算器22で求めたマーク長の和Lp の最大値L
maxを保存する。また、測定器92は、従来と同様のも
のを用いており、測定したマーク長を最大マーク長検出
器10(制御部24)に入力する。制御部24は、これ
ら合計レジスタ12,測定値レジスタ14,カウンター
16,演算器22,比較器18,測定器92及び最大値
レジスタ94の制御を行う。
【0021】次に、このような最長マーク検出器10を
用いてシンク領域内の最長マークの検出を行う場合につ
いて、その作用を説明する。本実施形態ではDVDの最
大マーク長検出を行う。DVDデータは8/16変調さ
れ、データ領域内にはマーク長3T〜11Tのマークが
記録されている。そして、1488T間隔でデータ領域
とは別のシンク領域(フレーム・シンク領域)が設けら
れ、このシンク領域内にはフレーム・シンク記号として
マーク長が14T(最長マーク)と4Tのマークが連続
して書き込まれている。
【0022】図2はこの最大マーク長検出器10を用い
た最大マーク長の検出手順の一例を示す流れ図であり、
まず、測定器92から任意マークのマーク長(測定値)
Lk入力されると(S192’)、測定値レジスタ1
4(PLk )と合計値レジスタ12(Lsum )にこのマ
ーク長Lk が保存される(S100)。続いて次のマー
ク長が測定されると(S192)、演算器22により、
今回の測定値Lk と前回の測定値PLk との和Lp が計
算されると共に、この求めた和Lp と測定値Lk との比
RL が計算される(S102)。
【0023】ここで、このディスクで比RL が4以上に
なるマークの組み合わせ(マーク・パターン)は、目的
とする{14T,4T}の組み合わせと、{11T,3
T}、{10T,3T}、{9T,3T}の組み合わせ
のみである。そのため、求めた比RL が4以上であれ
ば、この比RL の算出に用いた和Lp が、求める最長マ
ーク14Tとそれに続くマーク4Tとの和である可能性
が出てくる。そして、上述した比RL が4以上となるマ
ーク・パターンの各和Lp は、18T(=14T+4
T),14T(=11T+3T),13T(=10T+
3T),12T(=9T+3T)である。そのため、目
的とするマーク・パターン{14T,4T}は、比RL
が4以上となる組み合わせの中で、その和Lp が最大と
なる。よって、マーク検出時間Tw内で検出された、比
RL が4以上で且つその和Lp が最大(Lmax )となる
マーク・パターンが、求める最長マーク・パターン{1
4T,4T}であると確定できる。
【0024】そこで、比較器18により、比RL と4と
の大小比較を行い、もし比RL が4以上であれば、さら
に和LP と最大値Lmax との大小比較を行う(S10
4)。もしここで、比RL が4以上で且つ和Lp が最大
値Lmax よりも大きければ、最長マークの候補となる。
そこで、最大値レジスタ94(Lmax )にこの和LP を
保存し、合計値Lsum 及びカウント数Cをリセット(ゼ
ロを代入)し(S106)、その後、次のマーク長が入
力される(S192’)。逆に、比RL の方が4より小
さいか和Lp が最大値Lmax 以下であれば、演算器18
により、合計値Lsum に測定値Lk が加算される(S1
08)。なお、最大値Lmax の初期値はゼロに設定され
ている(S190)。
【0025】ここで、シンク領域間隔Tsは1488T
で、測定されるマーク長の最大値Lmax は、最長マーク
14Tとそれに連続するマーク4Tとの和18Tであ
る。よって、最大値Lmax (18T)が測定されてか
ら、シンク領域間隔分(1488T)測定を行っても、
最大値Lmax より大きな新たなマーク長が測定されなけ
れば、その最大値Lmax が求める最大マーク長18Tで
あると確定できる。そして、 1488T = (18T×82)+12T であるから、合計値Lsum が最大値Lmax (18T)の
82倍分になれば、シンク領域間隔Ts分のマーク検出
が終了したことになる。すなわち、 Lsum ≧ (Lmax ×82) となれば検出を終了することができる。そして、このよ
うな検出終了条件を用いると、検出時間Twは、測定さ
れたマーク長(Lsum ,Lmax )をもとに任意に設定さ
れる。
【0026】本実施例では、合計値Lsum が最大値Lma
x に達する度に(S110)、合計値Lsum から最大値
Lmax を減算してカウント数Cに1を加算している(S
114)。そのため、カウント数Cが82に達すれば、
シンク領域間隔Ts分のマーク検出が終了したことにな
る。このように、合計値Lsum から最大値Lmax を減算
することにより、合計値Lsum に保存される数値を小さ
くして記憶容量を少なくすることができる。
【0027】よって、比較器18によりカウント数Cと
82との比較を行う(S116)。もしカウント数Cが
82に達していなければ、測定値レジスタ14(PLk
)に測定値Lk を保存し(S112)、その後、次の
マーク長が入力される(S192)。逆に、カウント数
Cが82に達していれば測定を終了する。その後、検出
された最大値Lmax (18T)をもとにして、基本周期
T(=Lmax /18)から基本周波数(1/T)を求め
る。
【0028】ここで、上述した図10に示すような出力
波形70を例にして説明すると、スライスレベルが低下
した場合(74)の測定値L'(k-1)及びL'(k)は、 L'(k-1) = L(k-1) −2ΔT L'(k) = L(k) +2ΔT となり、測定値に2ΔTの誤差が生じる。しかし、両者
の和を求めると、 L'(k-1)+L'(k) = L(k-1) +L(k) となり、スライスレベルの誤差によるマーク長の測定誤
差ΔTの影響を打ち消すことができる。
【0029】このように、最長マーク14Tとそれに続
くマーク4Tとの和Lp (18T)を最大マーク長とし
て検出することにより、従来の最長マーク14Tを単独
で検出する場合と異なり、スライスレベルの誤差による
測定誤差の影響を減少させた正確な最大マーク長を得る
ことができる。そして、誤差の少ない最大マーク長が検
出されるので、精度のよい基本周波数を求めることがで
きる。
【0030】また、最大マーク長検出は、最大値Lmax
(18T)が測定されてからシンク領域間隔分(148
8T)測定を行った後に終了される。そのため、検出時
間の最小値は、最初の測定値が最長マーク(14T)で
あって最大値Lmax の検出が最も速く行える場合で、略
シンク領域間隔Tsと等しくなる。また、検出時間の最
大値は、最初の測定値が最長マーク(14T)の次のマ
ーク(4T)であって最大値Lmax の検出に最も時間の
かかる場合で、シンク領域間隔の略2倍(2Ts)とな
る。すなわち、最大マーク長の検出は、平均して1.5
Tsで行うことができる。
【0031】このように、測定されたマーク長(合計値
Lsum ,最大値Lmax )をもとに検出時間の終了を判定
することにより、マーク検出時間をシンク領域間隔Ts
に合わせて設定(平均1.5Ts)することができる。
そのため、ディスク外周部においても図3に示すよう
に、最大マーク長検出をシンク領域間隔Tsoに合わせ
た検出時間Tw(平均1.5Tso)で行うことができ
る。すなわち、マーク検出時間Twが、従来のように固
定されておらず、測定されたマーク長(Lsum ,Lmax
)をもとに任意に設定されることにより、内周外周を
問わずに無駄な検出時間の少ない最適な検出時間で測定
を行うことができる。これにより、データ読み出し開始
までの待ち時間を短縮することができる。
【0032】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明に係る最長マーク検出器及び検出方法はその
他の態様でも実施し得るものである。例えば、図4に示
すように、測定値レジスタ14と、演算器28と、比較
器26とを備えて最大マーク長検出器20を構成するこ
ともできる。測定値レジスタ14は、上述した実施例と
同様にマーク長の測定値を保存する。演算器28は、上
述した実施例と同様に今回の測定値Lk と測定値レジス
タ14に保存された前回の測定値PLk との和Lp を求
めると共に、今回の測定値Lk を4倍する。比較器26
は、今回の測定値Lk を4倍した値(Lkr)と和Lp と
の大小比較や、和Lp と最大値Lmax との大小比較を行
うと共に、測定経過時間とマーク検出時間Twとの比較
を行う。
【0033】このような最大マーク長検出器20を用い
ることにより、上述した実施例と同様に、最長マークと
この最長マークに連続するマークとの長さの和を最大マ
ーク長として検出することができる。また、 (PLk +Lk )÷Lk ≧ 4 の比較を、 PLk +Lk ≧ 4×Lk に変形して行っている(S122,S124)ため、[
4×Lk]の計算をシフト演算で行うことができる。この
ようなシフト演算を行うことにより、回路構成等を簡略
化することができる。
【0034】また、最大マーク長Lmax が検出された後
に、 Tw1 = N×Lmax Tw2 = (N+3)×Lmax として、Tw1とTw2の間に再度検出窓を設け、 (PLk +Lk )÷Lk ≧ 4 かつ PLk +Lk ≒ Lmax を満たすマーク・パターンが存在することを検出して最
大マーク長Lmax の正当性を確認することもできる。こ
のように最大マーク長を再度検出し、検出値の正当性を
確認した後に測定を終了させることもできる。ここで、
Nは整数で、本実施例のディスクでは82が用いられ
る。
【0035】また、これら最大マーク長の検出は、通常
は常に実行し続けている。そして、複数(最小2)回以
上連続して最長マーク(18T)の検出に成功すれば、
システムにデータ転送できることを通知する。逆に、最
長マークが複数回連続して検出できなかった場合は、シ
ステムにエラーの発生を通知する。
【0036】また、カウント数Cと比較する所定値(本
実施例のディスクでは82)はこの値に特に限定はされ
ず、シンク領域間隔Tsと最大マーク長(最長マークと
これに続くマークの長さの和)に合わせて任意の値に設
定することができる。
【0037】また、比RL と比較する所定値(上述した
実施例では4)はこの値に特に限定はされず、ディスク
に記録されるマークの長さに合わせて任意の値に設定す
ることができる。また、実施例のディスクで比RL が4
以上になるマークの組み合わせは、目的とする{14
T,4T(RL =4.50)}の組み合わせと、{11
T,3T(RL =4. 67)}、{10T,3T(RL
=4. 33)}、{9T,3T(RL =4. 00)}の
組み合わせのみである。そのため、求めた比RLの誤差
Δrが、各比RL を区別できる程十分に小さければ、 4. 5−Δr ≦ RL ≦ 4. 5+Δr の条件のみで、この比RL の算出に用いた和Lp が、求
める最長マーク14Tとそれに続くマーク4Tとの和で
あると確定することができる。
【0038】また、例えば、データ領域のマーク長が3
T〜11Tで、最長マークが16T、それに続くマーク
長が8Tであるディスクを用いる場合には、最長マーク
・パターンのみが24T(=16T+8T)となるの
で、この和(24T)のみで最長マーク・パターンを識
別することができる。すなわち、比RL を求める必要は
なく、図8で示すような従来の方法と同様に、この和L
p と最大値Lmax との大小比較を行うだけでよい。
【0039】以上、本発明に係る最長マーク検出器及び
検出方法の実施例について、図面に基づいて種々説明し
たが、本発明は図示した最長マーク検出器及び検出方法
に限定されるものではない。例えば、最大マーク長の検
出を行うディスクは、DVD等に限定はされず、任意の
ものを用いることができる。また、そのディスクに記録
されるマーク・パターンも特に限定はされず、任意のマ
ーク・パターンのディスクを用いることができる。その
他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識
に基づき種々なる改良,修正,変形を加えた態様で実施
できるものである。
【0040】
【発明の効果】本発明の最長マーク検出器によれば、測
定値レジスタと加算器により、最長マークとこの最長マ
ークに連続するマークとの長さの和を最大マーク長とし
て検出することができる。また、最長マークとこの最長
マークに連続するマークとの長さの和を最大マーク長と
して検出する方法により、最長マーク(14T)を単独
で検出する場合と異なり、スライス・レベルの誤差によ
る測定誤差の影響を減少させて正確な最大マーク長を得
ることができる。
【0041】また、本発明の最長マーク検出器によれ
ば、合計値算出手段と検出終了手段により、測定された
最大マーク長と測定値の合計とを用いて検出時間の終了
を判定することができる。そのため、検出時間は、測定
されたマーク長をもとに任意に設定される。また、固定
されたマーク検出時間を用いずに、測定されたマーク長
をもとに検出時間が任意に設定される検出方法により、
円周の位置(内周,外周)に関わらずに効率的に最大マ
ーク長検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る最大マーク長検出器の一構成例を
示すブロック線図である。
【図2】図1に示す最大マーク長検出器を用いた、最長
マーク検出方法の一例を示すフローチャート図である。
【図3】図1に示す最大マーク長検出器を用いた場合の
最長マーク検出時間Twを概念的に説明している。
【図4】本発明に係る最大マーク長検出器の他の構成例
を示すブロック線図である。
【図5】図4に示す最大マーク長検出器を用いた、最長
マーク検出方法の一例を示すフローチャート図である。
【図6】従来の最大マーク長検出器の一構成例を示すブ
ロック線図である。
【図7】図6に示す最大マーク長検出器を用いた、最長
マーク検出方法の一例を示すフローチャート図である。
【図8】図7に示すフローチャート内の最大マーク長検
出方法の一例を示すフローチャート図である。
【図9】従来の最大マーク長検出時間Twを概念的に説
明している。
【図10】マーク長の測定方法を概念的に説明する出力
波形図である。
【符号の説明】
10,20:最大マーク長検出器 12:合計レジスタ 18,26,96:比較器 22,28:演算器 24,32,98:制御部 14:測定値レジスタ 16:カウンター(検出終了手段) 60:ディスク 62:シンク領域 64:データ領域 70:出力波形 72:正しいスライス・レベル 74:低下したスライス・レベル 90:従来の最大マーク長検出器 92:測定器 94:最大値レジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛尾 輝彦 滋賀県野洲郡野洲町大字市三宅800番地 日本アイ・ビー・エム株式会社 野洲 事業所内 (56)参考文献 特開 平9−162857(JP,A) 特開 平8−274632(JP,A) 特表 平10−502205(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 20/10 G11B 20/14 G11B 7/00 - 7/013 H04L 7/00 - 7/10 H04L 25/00 - 25/66

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周方向に異なる長さをもたせた所定の
    マークを用いてデータが記録されるディスク媒体に対し
    て、読み出される信号の基本周波数を求めるための最大
    マーク長の検出を行うマーク長検出方法において、 測定されたマーク長を保存するステップと、 続いてこの測定されたマークに連続するマークが新たに
    測定されると、該保存されたマーク長と該新たに測定さ
    れたマーク長の和を求めるステップと 前記マーク長の和の最大値が新たに測定された時点から
    の測定マーク長の合計値を求めるステップと、 測定された最大マーク長に前記合計値が達すると、該合
    計値から該最大マーク長を減算するステップと、前記減算するステップで減算を行った回数をカウントす
    るステップと、 カウント数が所定値に達すると検出を終了するステップ
    と、 を含み、最長マークとその最長マークに連続するマーク
    との長さの和を前記最大マーク長として検出することを
    特徴とする最大マーク長検出方法。
  2. 【請求項2】 前記合計値が最長マーク間隔相当長に達
    すると検出を終了させるステップとを含み、前記最大マ
    ーク長の検出時間が、測定されたマーク長をもとに任意
    に設定されることを特徴とする請求項1に記載する最大
    マーク長検出方法。
  3. 【請求項3】 円周方向に異なる長さをもたせた所定の
    マークを用いてデータが記録されるディスク媒体に対し
    て、読み出される信号の基本周波数を求めるための最大
    マーク長の検出を行うマーク長検出器において、 マーク長の測定値を保存する測定値レジスタと、 今回の測定値と該測定値レジスタに保存された前回の測
    定値の和を求める加算器と、 測定された最大マーク長に、マーク長の和の最大値が新
    たに測定された時点からの測定マーク長の合計値が達す
    ると、該合計値から該最大マーク長を減算する減算器、
    この減算を行った回数をカウントするカウンター、及び
    該カウンターのカウント数が所定値に達すると検出を終
    了させる比較器を備え検出終了手段と、を備えた最大
    マーク長検出器。
  4. 【請求項4】 前記加算器で求めた和と今回の測定値と
    の比を求める演算器と、該演算器で求めた比と所定値と
    の比較を行う比較器を備えて構成されていることを特徴
    とする請求項に記載する最大マーク長検出器。
  5. 【請求項5】 前記比と比較する所定値に、2を累乗し
    た値を用いることを特徴とする請求項に記載する最大
    マーク長検出器。
  6. 【請求項6】 前記マーク長の和の最大値が新たに測定
    された時点からの測定マーク長の合計値が保存される合
    計値レジスタと、該合計値に測定値を加算する加算器
    と、を備えて構成され、前記最大マーク長の検出時間
    が、測定されたマーク長をもとに任意に設定されること
    を特徴とする請求項3乃至のいずれかに記載する最大
    マーク長検出器。
  7. 【請求項7】 前記カウント数と比較する所定値に、前
    記最大マーク長の存在するシンク領域の間隔を該最大マ
    ーク長で除算した商を用いることを特徴とする請求項
    乃至に記載する最大マーク長検出器。
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