JP3268321B2 - 球状の菓子の焼成方法、および、その装置 - Google Patents

球状の菓子の焼成方法、および、その装置

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JP3268321B2 JP03330992A JP3330992A JP3268321B2 JP 3268321 B2 JP3268321 B2 JP 3268321B2 JP 03330992 A JP03330992 A JP 03330992A JP 3330992 A JP3330992 A JP 3330992A JP 3268321 B2 JP3268321 B2 JP 3268321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は球状の菓子を焼成する方
法、及び、その装置に係り、特に、小麦粉を水で溶いた
糊状の生地の中に具を包み込んで焼成された所謂タコ焼
きを工業的に大量生産するに適した焼成方法、及び、そ
の焼成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2および図3は従来例のタコ焼きの焼
成方法および焼成用具の説明図である。図2に示した焼
き型1は半球状の凹部を有しており、一般に、鉄板に多
数の凹部を配列した構造である。本図2は該凹部の1個
を描いてある。上記の焼き型1の凹部を上に向け、その
中に下生地2を注入し、具3を入れ、その上に上生地4
を掛けて、焼き型1の下方から加熱する。焼き型1の中
に入れられて加熱された材料は図3のように膨らんで、
焼き型1の上方に盛り上がる。これを、千枚通し状の返
し器具6で矢印a,bの如く回転させ、球状に焼き上げ
る。図2,図3について説明した従来例のタコ焼きの焼
成は、家内工業的規模で行われているが、最近、大規模
な自動タコ焼き機械が開発され、日産数万個、乃至数十
万個の自動機が実用に供されている。
【0003】しかし、自動タコ焼き機械においては、図
3について説明したように返し器具でタコ焼きを回転さ
せることは困難である。このため、自動タコ焼き機にお
いては図4に示したような釣鐘形のタコ焼き7が焼成さ
れる。仮想線で示した8は自動機に用いられる焼き型で
ある。図5は上記焼き型8の全体的斜視図であって、多
数の凹部8bが配列されている。8aは、この焼き型8
をチェーンコンベアに載せるための掛け金具である。図
6は自動タコ焼き機の模式図である。チェーンコンベア
21の上に多数の焼き型8が並べられ(本図6では6個
を例示した)、矢印A方向に送られながら、順次にオイ
ルスプレー22の下方を通過しつつ塗油され、下生地注
入器23の下方を通過しつつ下生地を注入され、たこ等
投入器24の下方を通過しつつたこ片,チーズ片などを
投入され、野菜類投入器25の下方を通過しつつ刻みキ
ャベツなどを投入され、上生地注入器26の下方を通過
しつつ上生地を掛けられ、さらにチェーンコンベア21
上を図の右方に進行しつつバーナー27で加熱され、焼
成される。上記チェーンコンベア21に対する焼き型8
のローディング,アンローディング、および該焼き型8
の循環搬送が行われるが、その詳細については省略す
る。日産数万個以上の工業的規模で焼成された釣鐘形タ
コ焼き7は冷凍,包装されて流通ルートに乗せて供給さ
れる。流通の末端である小売店においては、これを解凍
し、加熱して販売する。ところが、釣鐘形のタコ焼き7
は加熱が容易でない。1例として図7に示すように鉄板
15の上に乗せ、バーナ9′で加熱される。しかし、こ
の加熱方法では釣鐘形のタコ焼き7の底面だけから加熱
されるので、底面が焦げ過ぎたり、全体の温度が均一に
ならない等といった不具合が有る。その上、一般ユーザ
ーには「タコ焼きとは球状のものである」という概念が
浸透しており、釣鐘形のタコ焼きに違和感が有る。この
ため、球形でないタコ焼きは商品価値が低い。
【0004】そこで、手作業で菓子材料を回す必要がな
く、工業的規模での実施に好適で、しかも球形に焼成し
得る、菓子の焼成方法、及び、その装置が提案されてい
る。この改良式の焼成方法は、半球形よりも深い凹部を
有する2個の焼き型を用い、上記2個の焼き型の内の一
方の凹部を上に向けて、その中に下生地を注入し、具を
入れ、上生地を掛けて、該一方の焼き型の下方から加熱
し、下生地がほぼ焼成され、上生地の周辺部が半ば焼成
され、上生地の中央部が未だ焼成されていない状態で、
該一方の焼き型の上に他方の焼き型を被せ、双方の焼き
型を互いに密着させた状態で上下を反転して、一方の焼
き型の中で焼成されつつある菓子を他方の焼き型の中に
落下させ、上記他方の焼き型を下方から加熱して焼き上
げる。また、上記の方法を容易に実施して、その効果を
充分に発揮せしめるために提案された焼成装置は、半球
形よりも深い凹みを有し、その底部の内面がほぼ球面を
なしている2個の焼き型と、上記2個の焼き型の凹面側
を向かい合わせて正対させる位置決め手段と、上記2個
の焼き型を向かい合わせて正対させ、相互に密着させた
状態で、該2個の焼き型を水平軸の回りに180度回転
させる機構とを設けてある。前述の方法によれば、半球
形よりも深い凹部を有する一方の焼き型の中で、1個分
の菓子(例えばタコ焼き)材料が、倒立した釣鐘状ほぼ
焼け上がり、頂面中央部が生焼けの状態を経過する。
【0005】この状態で、上下反転されて他方の焼き型
の中へ落とし込まれるので、生焼け部分は他方の焼き型
の底部に流動して球面部分に焼き固められる。
【0006】これと同時に、一方の焼き型の中で倒立釣
鐘状に半ば焼成されていた円形の縁の部分(倒立した状
態での頂面の周囲)が、他方の焼き型内に落とし込まれ
たとき、該他方の焼き型の変曲点(凹部が下方に行くに
つれて小径となりゆく個所・断面図で考えると変曲点で
あり、立体的に考えると変曲線であり、水平な円形状の
部分)に接して、いわゆる絞り加工(プレス技術用語)
に類似した作用を受け、部分的に釣鐘形から球に近い形
に変形する。前述の、他方の焼き型内で球面状に焼き固
められる生焼けであった部分と、上述の絞り変形を受け
た部分とが繋がって、全体的に球に類似した形状とな
る。さらに、焼成の最終段階で、菓子の材料は加熱され
て発生した水蒸気の作用で膨らむが、この時、他方の焼
き型の中に落とし込まれているので、ほぼ球状に焼成さ
れる。また、前述の装置は、半球形よりも深い凹部を有
する2個の焼き型が、互いに位置決めされ、かつ、上下
に反転させることができるので、上述の方法を実施する
に好適である。
【0007】以上に述べた改良式の焼成方法、および焼
成装置は、本発明者が創作して別途に出願中の発明(特
願平1−316565号)である(以下、先願の発明と
言う)。8ないし図11は上記先願に係る発明の1実施
例を示す模式的な断面図である。図8に示すように、半
球形よりも深い凹部を有し、球面状の底部を形成された
焼成用の鉄製の型(深焼き型と呼ぶ)A9の中に、下生
地2を入れ、具3を入れ、上生地4を掛けて具を包み、
下方から加熱する。上記の上生地と下生地とは同様の材
料であって小麦粉と水とを混合し、適宜の調味料を加え
たものである。上記の具として、本例ではタコの小片と
天粕と刻みキャベツとを用いた。
【0008】図9は焼成途中の状態を示している。前述
の下生地2と上生地4とは接触し合って一体となり、深
焼き型A9に接している部分およびその近傍はほぼ焼け
た生地11となり、頂面の中央部付近は生焼けの生地1
2の状態である。この状態で、前記の深焼き型A9の上
に深焼き型B10を被せる。本例においては、上記の深
焼き型A,Bはほぼ同形同寸の部材であるが、深焼き型
A9には位置決め用の突起9aを設けてあり、深焼き型
B10には位置決め用の孔10aを設けてある。上記の
位置決め用の構成部分は、双方の深焼き型A,Bの凹部
が正対するように設定してある。先願に係る発明の焼成
装置を実施する際、前記の位置決め用の構成部分は突起
と孔とに限らず、公知の位置決め手段を任意に選定して
適用することができ、例えば突条と溝とであっても良
い。双方の深焼き型A,Bを蝶番によって螺着すると、
位置決め機能が果たされる上に、多数の深焼き型の中で
の組み合わせを特定でき、開閉自在であるから好都合で
ある。
【0009】双方の深焼き型A,Bを正対させ密着させ
たまま、水平な回転軸の回りに90度回転させると、上
下が反転して第3図の如くになる。深焼き型A9の中で
焼成されつつあった材料は矢印cの如く自重で落下し、
深焼き型B10の中に移し替えられる。この反転操作に
より、倒立した釣鐘形(図9)の姿勢であった材料は正
立した釣鐘形の姿勢(図10)となり、釣鐘の縁に相当
する部分dが深焼き型B10の変曲点に摺触して矢印e
の如く絞られ、球面に近い形に変形する。一方、図9に
ついて説明した生焼けの生地12は流動性を失っていな
いので、図10に示したように流動して深焼き型B10
の底面に接触し、球面状を形成して焼き固められる。こ
の焼き固めが進行する前に、焼けた生地11が自重で覆
い被さり、図11の如く球状のタコ焼き13が形成され
る。こうした成形が進行している間も加熱を継続する
と、球状になったタコ焼きの内部で発生した水蒸気によ
って膨らみ、深焼き型B10に押しつけられて綺麗な球
形に焼成される。
【0010】図10に示した作用から明らかなように、
深焼き型A9内で半ば焼成された材料が深焼き型B10
の中へ円滑に移し替えられるためには、双方の深焼き型
A,Bが高精度に位置決めされなければならないが、こ
の位置決めに誤差が有る場合は、この誤差をカバーでき
る程度に、深焼き型B10の開口部の径を、同A9の開
口部の径よりも大き目に構成しても良い。上述の実施例
においては、具3としてタコ片を用いたのでタコ焼きと
呼ばれる菓子が焼成された。
【0011】しかし、前述の作用,効果から容易に理解
できるように、具3としてタコ以外の材料を用いること
も可能であって、例えば餡を用いることもできる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明した先願に
係る発明に係る焼成方法によれば、焼成作業の途中で菓
子材料を手作業で回す必要が無いので自動化に適し、工
業的規模で球状の菓子を焼成するに好適である。また、
先願の発明装置によれば、先願の発明方法を容易に、か
つ、確実に実施することができる。本発明者は先願の発
明を出願した後、これを工業的生産に移して世の評価に
問うたところ、おおむね所期の目的を達成したことが確
認された。而して本発明者は一層の改善研究を進めた結
果、次のような改良の余地が有ることを確認した。すな
わち、図9に示すように深焼き型A9の上に深焼き型B
10を被せ、上下を反転して図10のように上下を反転
して焼成途中のタコ焼きを矢印cのごとく下方へ落とし
込んで丸くしようとする場合、図9の状態における深焼
き型B10を予熱しておかねばらならい。その理由は次
のごとくである。すなわち、図9の状態における深焼き
型B10が常温であったならば、図10のように上下反
転して、焼成途中のタコ焼き(生焼けの生地12)が常
温の深焼き型B10に触れて冷却され、焼成の進行が逆
行するから、該常温の深焼き型B10を予熱しておかね
ばならない。これを図9の状態について言えば、焼成中
のタコ焼きを入れた焼き型(9)の上に被せて該焼成中
のタコ焼きを受け取るべき焼き型(10)は高温でなけ
れば不都合である。しかし乍ら、図9の状態における深
焼き型B10(焼成中のタコ焼きを受け取るべき焼き
型)を加熱する手段(例えばガスバーナー)を設ける
と、装置全体が複雑になり、大形,大重量,高価とな
る。特に、上記の深焼き型B10は、次の工程で図10
のごとく上下反転しなければならないので、加熱手段を
設けておくと反転作業の邪魔になるおそれが有って設計
を困難ならしめる。また、別途に予熱した焼き型を供給
して焼成中のタコ焼きを受け取らせようとすると搬送機
構が複雑になり、コスト高を招く。
【0013】本発明は上述の事情に鑑みて為され、焼き
型の中で焼成されつつあるタコ焼きを受け取る他方の焼
き型を加熱するための専用の加熱手段を設ける必要が無
く、多数の焼き型を円滑に循環させて使用し得る球状菓
子の焼成方法、および同焼成装置を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明に係る球状の菓子(例えばタコ焼
き)の焼成方法は、半球形よりも深い凹部を有する複数
個の焼き型を用い、1組の焼き型中の一方の焼き型の凹
部を上に向けて、その中に下生地を注入し、具を入れ、
上生地を掛けて、下方から加熱し、下生地がほぼ焼成さ
れるとともに上生地の周辺部が半ば焼成され、上生地の
中央部が未だ焼成されていない状態で、該一方の焼き型
の上に他方の焼き型を被せ、上記双方の焼き型を互いに
密着させた侭で上下を反転して、一方の焼き型の中で焼
成されつつある菓子を他方の焼き型内に落下させ、上記
他方の焼き型を下方から加熱して焼き上げる、球状の菓
子の焼成方法において、焼成されつつある菓子を他方の
焼き型に受け渡して空になった一方の焼き型を、後続の
焼き型が進行してくるまで待機させ、該後続の焼き型が
到着したとき、待機していた上記一方の焼き型を後続の
焼き型の上に被せて次のサイクルに移り、上記一方の焼
き型を、次のサイクルにおける他方の焼き型として用
い、以後これを繰り返してゆき、或るサイクルにおける
一方の焼き型を、その次のサイクルにおける他方の焼き
型として、順次に再使用することを特徴とする。
【0015】また、上記の発明に係る球状の菓子の焼成
方法を実施するために創作した本発明の焼成装置は、半
球形よりも深い凹部を有する焼き型と、上記の焼き型を
水平方向に搬送する機構と、上記の焼き型を加熱する手
段とを備えた、球状菓子の焼成装置において、水平方向
に順次に搬送されている多数の焼き型の内で、隣接して
いる2個の焼き型の内の先行の焼き型の進行を停止さ
せ、凹部を下方に向けて保持する手段と、上記2個の焼
き型の内の後続の焼き型を上記先行の焼き型に密着させ
る手段と、密着した2個の焼き型を、密着させたままで
上下反転する手段と、上記の密着して反転せしめた2個
の焼き型を上下に離間させる手段と、離間させた2個の
焼き型の内の先行の焼き型の搬送を続行させる手段とを
具備していることを特徴とする。
【0016】
【作用】上記の発明装置を用いて上記の発明方法を実施
すると、焼成途中のタコ焼きを先行の焼き型に受け渡し
て空になった焼き型(一方の焼き型)が、余熱を持って
いる状態で、次回の上下反転サイクルの受け取り側の焼
き型(他方の焼き型)として使用されるので、別段の加
熱手段を設けなくても高温の状態で次サイクルの上下反
転作動に参加し、後続の焼き型から焼成途中のタコ焼き
を受け取って、これを真球状に焼き上げる。
【0017】
【実施例】図1(A)〜(E)は本発明の1実施例にお
ける工程説明図であり、8c〜8iは前記多数の焼き型
8の内の7個を例示したものであって、矢印A方向に送
られている先頭のものから順に、(A)図に示すごとく
8d,8e,8f…とサフィックスを付して区別してあ
る。先頭の焼き型8dが図示の位置に達したとき、その
上方に、さらに先行の焼き型8cが空の状態で倒立した
姿勢で待機している。
【0018】焼き型8f,8g,8hの中で焼成が進行
しつつあるタコ焼きは(A)図の状態においてその上面
はほぼ平らになっている。この焼成状態は前掲の図9に
ほぼ対応する状態である。上記の焼き型8fの上方に、
球殻を半分に切断した半球殻状の部分を有する成形具が
待機している。本発明において半球殻状とは、厳密に立
体幾何学的な半球殻であることを要せず、半球状の凹面
と円形の縁を有する形状であれば足りる。
【0019】本実施例の成形具は金属製で、その本体部
分はピンポンのボールを半分に切って(中心付近を通る
平面で切断して)その外側面の中央に半径方向の柄を固
着した形をしており、上記の柄を垂直にして凹面を下方
に向け、柄の先端が保持されている。そして、図外の駆
動手段によって上下方向に往復駆動される。
【0020】本図1は模式化して描いてあり、1個の凹
部を有する焼き型の7個(8c〜8i)を示してある
が、多数の焼き型の一つずつはそれぞれ図5に示したよ
うに多数の凹部8bが設けられている。例えば図5に示
した焼き型のように16個の凹部8bが配列されている
場合、該凹部のそれぞれに対応せしめて16個の半球殻
状の成形具18が設けられ、一体的に連結されていて同
時に上下動せしめられるように構成する。
【0021】図1には省略したが、矢印A方向に搬送さ
れる焼き型の下方にはガスバーナーが設けられており、
搬送の進行に伴ってタコ焼きの焼成も進行する。図1
(A)において焼き型8fが図示の位置まで進行したと
き、成形具18が矢印e方向に下降し、同図(B)のよ
うに焼成途中のタコ焼きを押さえつける。この成形具の
半球殻状の部分は焼き型の開口部に嵌合するように構成
されており、図9に示した生焼けの生地12の表面の周
囲d部を掻き下げ、焦げ付き気味であっても焼き型から
離断する。この成形具18を矢印fのごとく上昇させる
と、焼き型8f内で焼成されつつあるタコ焼きは図1
(C)のように不正な球状になる。上述のごとく半ば焼
成されたタコ焼きを成形具18で不正な球状に成形する
操作と併用して、図(B)の段階で焼き型8dを上昇さ
せ、上方で待機していた焼き型8cで覆い、これら双方
の焼き型8c,8dを一緒に円弧矢印Rのごとく回動さ
せて上下を反転する。図1(C)は反転し終えた状態を
示し、焼き型8cが下になり焼き型8dが上になってい
る。図1(B)の段階(上下反転前における焼き型8d
内のタコ焼き(焼成途中)は、前記の成形具18の下方
を通過する際に焼き型との焦げ付きを離断され、不正球
状になっているので、これを同図(C)のように上下を
反転したとき、内部のタコ焼きの落下は円滑,確実に行
なわれ、ほぼ真球状となる。ただし本発明において真球
状とは、視覚的に「丸い」と感じる形状の意である。次
いで図の(D)のごとく焼き型8cの中にタコ焼きを受
け取ったまま、該焼き型8cを矢印gのように下降さ
せ、焼き型8dを残して焼き型8c,8e,8f,8h
を矢印A方向に送ると(E)図のようになる。上記の
(E)図の状態を前述の(A)図の状態と比較してみる
と、焼き型8cの中に真球状のタコ焼きが入って送り出
されつつあることと、後続の焼き型8iが進行してきて
いることの他は同様である。詳しくは、(A)図におけ
る焼き型8cの位置に後続の焼き型8dが進み、(A)
図における焼き型8dの位置に後続の焼き型8eが進み (A)図における焼き型8eの位置に後続の焼き型8f (A)図における焼き型8fの位置に後続の焼き型8g (A)図における焼き型8gの位置に後続の焼き型8h (A)図における焼き型8hの位置に後続の焼き型8i
が進入してきている。このようにして1ピッチが進行
し、以下、順次に同様の作動が繰り返される。
【0022】上記の1ピッチ進行後の(E)図におい
て、倒立姿勢で待機している焼き型8dは、1ピッチ進
行前の(A)図において、矢印A方向に進行しつつ加熱
されてきた焼き型であるため高温状態であって、いわゆ
る「型が焼けている」状態である。このようにして、搬
送されながら加熱されて焼成作用を果たして来た焼き型
が、順次に1個ずつ、余熱を利用して、「上下反転工程
における受け取り側の焼き型」として使用される。この
ため、待機中の焼き型を加熱するために格別のバーナー
を設けなくても、焼けている型が順次に交替しつつ、直
近の後続の焼き型と組み合わされて「上下反転における
受け取り」の役目を果たし、真球状に焼成されつつある
タコ焼きを入れて進行し、該真球状のタコ焼きを焼き上
げる。直近の先行の焼き型にタコ焼きを受け取らせた焼
き型(例えば(E)図における焼き型8d)は、余熱を
保った状態で直近の後続の焼き型の到着を待機する。
【0023】図1(A)において上下に対向している1
対の焼き型8c,8dを組み合わせる操作において、待
機していた上方の焼き型8cを下降させずに、到着した
下方の焼き型8dを持ち上げる理由は、焼き型8dを持
ち上げることによって該焼き型8dを搬送してきた機構
(例えばチェーンコンベア21(図6参照))から離脱
させ、干渉する障害物の無い上方空間内で円弧矢印Rの
上下反転操作を行うためである。
【0024】自動タコ焼き装置は一般に、前述のごとく
日産数万個ないし数十万個の高能率で運転されるので、
その作動サイクルは比較的速い。従って、空になった焼
き型が直近の後続の焼き型の到着を待機する時間は数秒
間程度である。そして焼き型は図5に示したような形状
であって相当の熱容量を有している。従って、待機中に
おける自然放熱,降温は無視し得る。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法を自
動タコ焼き設備などの球状の菓子の製造に適用すると、
半球形よりも深い凹部を有する複数個の焼き型を用い、
1組の焼き型中の一方の焼き型の凹部を上に向けて、そ
の中に下生地を注入し、具を入れ、上生地を掛けて、下
方から加熱し、下生地がほぼ焼成されるとともに上生地
の周辺部が半ば焼成され、上生地の中央部が未だ焼成さ
れていない状態で、該一方の焼き型の上に他方の焼き型
を被せ、上記双方の焼き型を互いに密着させた侭で上下
を反転して、一方の焼き型の中で焼成されつつある菓子
を他方の焼き型内に落下させる場合に、焼成されつつあ
る菓子を他方の焼き型に受け渡して空になった一方の焼
き型を、後続の焼き型が進行してくるまで待機させ、該
後続の焼き型が到着したとき、待機していた上記一方の
焼き型を後続の焼き型の上に被せて次のサイクルに移
り、上記一方の焼き型を、次のサイクルにおける他方の
焼き型として用い、以後これを繰り返してゆき、或るサ
イクルにおける一方の焼き型を、その次のサイクルにお
ける他方の焼き型として、順次に再使用するので、焼成
途中のタコ焼きを先行の焼き型に受け渡して空になった
焼き型(一方の焼き型)が、余熱を持っている状態で、
次回の上下反転サイクルの受け取り側の焼き型(他方の
焼き型)として使用されるので、別段の加熱手段を設け
なくても高温の状態で次サイクルの上下反転作動に参加
し、後続の焼き型から焼成途中のタコ焼きを受け取っ
て、これを真球状に焼き上げることができる。また本発
明装置は、半球形よりも深い凹部を有する焼き型と、上
記の焼き型を水平方向に搬送する機構と、上記の焼き型
を加熱する手段とを備えた、球状菓子の焼成装置におい
て、水平方向に順次に搬送されている多数の焼き型の内
で、隣接している2個の焼き型の内の先行の焼き型の進
行を停止させ、凹部を下方に向けて保持する手段と、上
記2個の焼き型の内の後続の焼き型を上記先行の焼き型
に密着させる手段と、密着した2個の焼き型を、密着さ
せたままで上下反転する手段と、上記の密着して反転せ
しめた2個の焼き型を上下に離間させる手段と、離間さ
せた2個の焼き型の内の先行の焼き型の搬送を続行させ
る手段とを具備しているので、前記の発明方法を容易に
実施してその効果を発揮せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を用いて本発明の方法を実施した1
例における工程を示す模式図である。
【図2】球状菓子の1例としてのタコ焼きを焼成する従
来技術を説明するための断面図である。
【図3】球状菓子の1例としてのタコ焼きを焼成する従
来技術における反転操作の説明図である。
【図4】自動タコ焼き機における自動焼き型と釣鐘形タ
コ焼きとの関係を示す説明図である。
【図5】自動タコ焼き機に用いられる、多数の凹部を配
列された焼き型を示す斜視図である。
【図6】多数の焼き型を搬送する構造の、先行技術に係
る自動タコ焼き装置の側面図である。
【図7】先行技術に係る図4に示した釣鐘形タコ焼きに
おける問題点を示す説明図である。
【図8】深焼き型の中に材料を入れてタコ焼きを焼成す
る手順を示す模式的な断面図である。
【図9】先願に係る発明を適用して真球形のタコ焼きを
焼成する場合の初期工程の断面図である。
【図10】先願に係る発明を適用して真球形のタコ焼き
を焼成する場合の中期工程の断面図である。
【図11】先願に係る発明を適用して真球形のタコ焼き
を焼成する場合の末期工程の断面図である。
【符号の説明】
1…従来例の焼き型、2…下生地、3…具、4…上生
地、5…従来技術におけるタコ焼き、7…釣鐘形のタコ
焼き、8…自動焼き型、9…深焼き型A、10…深焼き
型B、11…ほぼ焼けた生地、12…生焼けの生地、1
3…球状のタコ焼き、18…成形具、21…チェーンコ
ンベア、22…オイルスプレー、23…下生地注入器、
24…たこ等投入器、25…野菜類投入器、26…上生
地注入器、27…バーナー。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半球形よりも深い凹部を有する複数個の
    焼き型を用い、 1組の焼き型中の一方の焼き型の凹部を上に向けて、そ
    の中に下生地を注入し、具を入れ、上生地を掛けて、下
    方から加熱し、 下生地がほぼ焼成されるとともに上生地の周辺部が半ば
    焼成され、上生地の中央部が未だ焼成されていない状態
    で、該一方の焼き型の上に他方の焼き型を被せ、 上記双方の焼き型を互いに密着させた侭で上下を反転し
    て、一方の焼き型の中で焼成されつつある菓子を他方の
    焼き型内に落下させ、 上記他方の焼き型を下方から加熱して焼き上げる、球状
    の菓子の焼成方法において、 焼成されつつある菓子を他方の焼き型に受け渡して空に
    なった一方の焼き型を、後続の焼き型が進行してくるま
    で待機させ、 該後続の焼き型が到着したとき、待機していた上記一方
    の焼き型を後続の焼き型の上に被せて次のサイクルに移
    り、 上記一方の焼き型を、次のサイクルにおける他方の焼き
    型として用い、以後これを繰り返してゆき、 或るサイクルにおける一方の焼き型を、その次のサイク
    ルにおける他方の焼き型として、順次に再使用すること
    を特徴とする、球状の菓子の焼成方法。
  2. 【請求項2】 前記後続の焼き型が進行するまで待機さ
    せておく一方の焼き型と、該後続の焼き型が到着する予
    定の位置の上方で、凹部を下方に向けて待機させること
    を特徴とする、請求項1に記載した球状の菓子の焼成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記双方の焼き型を互いに密着させる操
    作は、下側の焼き型を上昇させて行うことを特徴とす
    る、請求項2に記載した球状の菓子の焼成方法。
  4. 【請求項4】 半球形よりも深い凹部を有する焼き型
    と、上記の焼き型を水平方向に搬送する機構と、上記の
    焼き型を加熱する手段とを備えた、球状菓子の焼成装置
    において、 水平方向に順次に搬送されている多数の焼き型の内で、
    隣接している2個の焼き型の内の先行の焼き型の進行を
    停止させ、凹部を下方に向けて保持する手段と、 上記2個の焼き型の内の後続の焼き型を上記先行の焼き
    型に密着させる手段と、 密着した2個の焼き型を、密着させたままで上下反転す
    る手段と、 上記の密着して反転せしめた2個の焼き型を上下に離間
    させる手段と、 離間させた2個の焼き型の内の先行の焼き型の搬送を続
    行させる手段とを具備していることを特徴とする、球状
    の菓子の焼成装置。
  5. 【請求項5】 前記の、先行の焼き型を停止させて凹部
    を下方に向けて保持する手段は、該先行の焼き型を多数
    の焼き型の搬送路よりも上方で保持する構造であること
    を特徴とする、請求項4に記載した球状の菓子の焼成装
    置。
  6. 【請求項6】 前記の後続の焼き型を先行の焼き型に密
    着させる手段は、該後続の焼き型を搬送路から上昇させ
    て先行の焼き型に密着させる構造であることを特徴とす
    る、請求項5に記載した球状の菓子の焼成装置。
  7. 【請求項7】 前記の密着した2個の焼き型を上下反転
    する手段は、該2個の焼き型を搬送路の上方で上記2個
    の焼き型を上下反転させる構造であることを特徴とす
    る、請求項6に記載した球状の菓子の焼成装置。
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