JP3267828B2 - 耐チッピング性が優れた超硬製ドリル - Google Patents

耐チッピング性が優れた超硬製ドリル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品、機械部品又
は金型等に使用される樹脂製品又は金属製品に対する小
径の穴開け加工に好適の耐チッピング性が優れた超硬製
ドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】超硬合金を使用するミニチュアドリルの
ような小径ドリルにおいて、ドリルの寿命を左右するの
は耐チッピング性である。この耐チッピング性を向上さ
せるために、主として材質面におけるその組織、硬さ及
び靱性等について改良が行われている。例えば、Co量
の最適化、WCの微粒化又はTaC若しくはCr32
の微量炭化物の添加等により、材質面における機械的性
質の向上が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、WCを微粒化することは、一般に耐摩耗性及び抗折
強度を向上させることはできるが、逆に靱性が低下して
しまう等、必要とされる種々の特性には相反するものが
多く、定量的な材質上の設計指針を明確化することは困
難である。
【0004】また、超硬合金をドリル等の工具として使
用する場合において、上述のように材質を向上させるこ
とは、必ずしも工具の寿命の向上には直接結びつかない
ことが、経験上知られている。それにまた、工具の寿命
を支配している材質のパラメータが的確には把握されて
いない。
【0005】更に、超硬製ドリルは、従来から広く使用
されている高速度鋼と材質が異なるだけではなく、寸法
の点においてもミニチュアドリルと同様に、一般のドリ
ルに比べて極めて小さいものであることが要求される。
このため、従来の中径又は太径ドリルの設計方法を基に
した工具の形状では、超硬合金の特性を十分に活用した
工具を設計することができない。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、超硬製ドリルとしての材質及び形状の特性
を明確にして、使用時におけるチッピング量を抑制でき
ると共に、ドリルの寿命を向上させることができる耐チ
ッピング性が優れた超硬製ドリルを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐チッピン
グ性が優れた超硬製ドリルは、Cr、Ta若しくはVの
炭化物又は炭窒化物からなる群から選択された1種又は
2種以上の物質を総量で0.2乃至3.0重量%、Co
を4.0乃至10.0重量%含有し、残部がWC及び不
可避的不純物であって、その抗磁力が430乃至580
(Oe)である超硬合金を素材とすることを特徴とす
る。なお、この超硬合金は組織中のCoプール量が体積
率で0.02%以下であることが好ましい。また、ねじ
れ角δ(°)と直径d(mm)との関係において、0.
8d+19°≦δ≦0.8d+29°を満足することが
好ましく、更に前記δと前記dとの関係が0.8d+2
1°≦δ≦0.8d+23°を満足することが好まし
い。更にまた、ドリルの直径が3mm以下であることが
好ましい。
【0008】
【作用】本願発明者等は、合金の成分がWC、TaC、
Cr32、VC及びCoからなり、また抗磁力Hcの値
を系統的に変化させた合金を素材として製作した各超硬
製ドリルについて、次のような試験を行った。
【0009】即ち、プリント基板用に使用される樹脂系
材料を初めとして、金型として使用される炭素鋼又は合
金鋼等の種々の金属材料を対象として、前記超硬製ドリ
ルにより数千回〜1万回の穴開け試験を行った。そし
て、穴開けを一回行う毎に高分解能電子顕微鏡を使用し
て、刃先の損傷状況について丹念に観察を繰り返した。
その結果、ドリルは以下のような損傷過程を経てチッピ
ングに至ることを知見した。
【0010】先ず、第1に切削開始直後において、すく
い面側に、幅が材料中の炭化物寸法の数倍程度である初
期摩耗が生じる。なお、以下、この初期摩耗の幅をDと
する。
【0011】第2に、特に材質の組織が不均一である部
分、例えば炭化物が不均一分布している部分又は粗大C
oプール(Co相)の部分において局所的に大きな摩耗
が生じる。なお、以下、局所的摩耗の幅をa0とする。
【0012】第3に、穴開け回数が増加すると共に、炭
化物が欠落してしまい、摩耗幅が漸増する。これによ
り、刃先に作用する切削抵抗値の変動幅が増大するた
め、上述の局所的に摩耗する部分に亀裂が発生し、この
亀裂は疲労により次第に進展する。なお、以下、穴開け
回数をN、切削抵抗値の変動幅をΔTとする。
【0013】第4に、進展中の亀裂長さと切削抵抗の変
動幅ΔTとにより決定される応力拡大係数Kが材料固有
の疲労破壊靱性Kfcに到達すると、マクロ的なチッピン
グが発生する。
【0014】以上のことから、ドリルによる穴開けが可
能な穴開け回数、即ちドリル寿命Nは、以下の要因によ
り支配されていることを知見した。即ち、ドリル寿命
は、炭化物の寸法に関係する初期摩耗幅D、炭化物
の不均一又はCoプールに起因する局部摩擦幅a0
疲労亀裂進展抵抗da/dN、疲労破壊靱性Kfc、
切削抵抗の変動幅ΔTにより支配されている。従って、
超硬製ドリルの寿命を向上させるには、D及びa0を低
減し、da/dN及びKfcを向上させ、ΔTを低減する
ことが効果的である。
【0015】しかしながら、本願発明者等は種々の超硬
合金について実験を重ねた結果、上記、及びのド
リル寿命の要因については合金の組織、炭化物の粒度、
炭化物の分散状態及びCo量等が複雑に関与しているた
め、例えば炭化物の粒度の縮小又は炭化物量の増加のみ
ではドリル寿命を改善できないことも知見した。このよ
うなことから、ドリル寿命を向上させる素材の要素を総
合的に反映するパラメータが必要であり、本願発明者等
はそのパラメータとして抗磁力Hcが最も適切であるこ
とを見い出した。
【0016】図1は横軸に抗磁力Hcをとり、縦軸にド
リルが穴開けの使用に耐え得る穴開け回数をとって、抗
磁力とドリル寿命との関係を示すグラフ図である。ま
た、この図1のデータを取得するために使用されたドリ
ルの素材の成分組成は、TaCを0.05重量%、Cr
32を1.2重量%、Coを8.0重量%含有し、残部
がWC及び不可避的不純物のものである。この図1に示
すように、抗磁力を430乃至580(Oe)に最適化
することにより、ドリル寿命を大幅に向上させることが
可能となることがわかる。
【0017】また、図2は横軸にCoプール量(体積
%)をとり、縦軸に穴開け回数をとって、Coプール量
とドリル寿命との関係を示すグラフ図である。この図2
に示すように、局所摩耗の原因となるCoプール量を
0.02%以下に制限することにより、さらに安定した
ドリル寿命が得られることもわかった。なお、この図2
のデータを取得するために使用されたドリルの素材の成
分組成は、図1のグラフ図のデータ取得のために使用さ
れたドリルと同様のものである。
【0018】次に、これらのデータを基に、以下、本発
明に係る超硬製ドリルの素材の成分組成、抗磁力、Co
プール量並びにねじれ角及びドリル径の限定理由につい
て説明する。
【0019】Cr(クロム)、Ta(タンタル)及びV
(バナジウム)の炭化物又は炭窒化物:1種又は2種以
上、且つ、総量が0.2乃至3.0重量% ドリルとしての基本的な硬度は、後述するWCを添加す
ることにより確保することができるが、WCのみでは、
焼結中のWC結晶粒を成長させるために必要な抗磁力を
得ることができない。このため、Cr、Ta及びVの炭
化物又は炭窒化物を添加することにより、WC結晶粒の
成長を抑制して、WC結晶粒の成長に必要な抗磁力を低
減することができると共に、抗磁力を向上させることが
できる。このように抗磁力を向上させるためには、前記
炭化物又は炭窒化物を総量で0.2重量%以上添加する
必要があり、一方3.0重量%を超えて添加すると、疲
労破壊靱性Kfcが低下してしまうと共に、疲労亀裂進展
抵抗da/dNの特性が劣化してしまう。従って、超硬
合金の素材にCr、Ta及びVの炭化物又は炭窒化物を
1種又は2種以上添加し、その含有量は0.2乃至3.
0重量%とする。
【0020】Co(コバルト):4.0乃至10.0重
量% Coは超硬製ドリルの疲労破壊靱性Kfcを向上させる元
素である。Coの添加量を4.0重量%未満とすると、
そのドリルの疲労破壊靱性を向上させることができず、
一方Coの添加量が10.0重量%を超えると、必要な
抗磁力を確保することができない。また、ドリルの硬さ
が不十分なものとなり、更にCoプール量が増加してし
まう。従って、Coの添加量は4.0乃至10.0重量
%とする。
【0021】WC(タングステンカーバイド):残部 WCはドリルの摩耗幅D及び切削抵抗の変動幅ΔTが増
大することを抑制すると共に、必要な抗磁力を得ること
ができる化合物である。従って、このような効果を最大
限発揮するため、残部をできる限りWCとする。
【0022】次に抗磁力及びCoプール量の限定理由に
ついて説明する。
【0023】抗磁力Hc:430乃至580(Oe) 図1は上述したように、抗磁力とドリル寿命との関係を
示すグラフ図であり、この図1に示すように、抗磁力H
cが540(Oe)以下の範囲では、抗磁力Hcの増加
に伴い、ドリル寿命が単調に向上する。このようにドリ
ル寿命が向上するのは、炭化物の微細化により初期摩耗
幅Dを低減したり、また炭化物及びCoの二相組織の均
質化、又は炭化物の均一分散による局部摩擦幅a0を低
減したり、更に疲労亀裂進展抵抗da/dN特性を向上
したりすることが総合的に寄与するためである。これら
の複合的効果が有効に作用するためには、図1に示すよ
うに、抗磁力Hcが430(Oe)以上であることが必
要である。一方、抗磁力Hcが580(Oe)より大き
くなると、初期摩耗幅D及び局部摩擦幅a0が低減され
ることによるドリル寿命を向上させる効果よりも、疲労
破壊靭性Kfcが低下することによるマイナス効果の方
が大きくなり、ドリル寿命が低下してしまう。従って、
超硬製ドリルの超硬合金素材の抗磁力は430乃至58
0(Oe)とする。また、図1に示すように、ドリル寿
命を向上させるためのより一層好ましい抗磁力は、49
0乃至550(Oe)である。
【0024】Coプール量:体積率0.02%以下 Coプールの体積率は、例えばASTM A02に規定
する方法により、顕微鏡観察することによって計測する
ことができる。図2はCoプール量とドリル寿命との関
係を示すグラフ図である。この図2に示すように、Co
プール量が多いほどドリル寿命の上限値と下限値の差が
大きく、またドリル寿命が短くなってしまう。従って、
Coプール量を体積率0.02%以下とすることによ
り、ドリル寿命の大きなばらつきを防止すると共に、ド
リル寿命を向上させることができる。
【0025】次にねじれ角及びドリル径の限定理由につ
いて説明する。
【0026】ねじれ角δ(°)と直径d(mm)との関
係:0.8d+19°≦δ≦0.8d+29° 疲労亀裂進展速度はその原動力となる切削抵抗の変動幅
ΔTのべき乗に比例するため、ΔTを低減させること
は、ドリル寿命の向上に極めて大きな影響を与える。こ
のΔTの大きさはWC量等の材料の組成によっても変動
するが、それ以上にドリルの形状によってその値は大き
く左右される。特にΔTは、ドリルのねじれ角δによっ
て変化するため、ドリル径に応じたねじれ角の最適化を
試みた。
【0027】先ず、直径が1乃至12mmである各超硬
合金の中実棒に種々のねじれ角を施しドリルを製作し
た。次に、各ドリルにより穴開け加工を行い、その時の
切削抵抗を動力計により計測した。なお、ドリルの素材
の成分組成はTaC:0.05重量%、Cr32:1.
2重量%及びCo:8重量%を含有し、残部がWCであ
るものを使用した。
【0028】分析結果の一部を図3に示す。図3は、横
軸にねじれ角をとり、縦軸に切削抵抗をとって、ドリル
の直径毎のねじれ角と切削抵抗との関係を示すグラフ図
である。図3の上部グラフ図には直径7mm及び11m
mのドリルについて、図3の下部グラフ図には直径3.
2mmのドリルについて、ねじれ角と切削抵抗との関係
を示す。
【0029】この図3に示すように、これらのグラフ図
で示すドリルと同様に、直径が1乃至12mmであるド
リルは、いずれも切削抵抗が最小となるねじれ角を有す
る。図4は、最適ねじれ角も含み、切削抵抗が小さくな
る場合のドリル径とねじれ角との関係を示すグラフ図で
ある。この図4は横軸にドリル径をとり、縦軸にねじれ
角をとって、図3に示すようなグラフ図において、ねじ
れ角が良好な範囲における最小値及び最大値並びに最適
値についてプロットしており、それらの点を直線で結ん
だものである。図4に示すように、点を結んだ直線は一
本の直線により表すことができる。
【0030】従って、ドリルの直径とねじれ角との関係
は1次関数として表すことができ、図4に示すように、
切削が良好となるねじれ角δはドリル径dとの関係にお
いて、直線δ=0.8d+19及びδ=0.8d+29
の間であればよい。即ち、ねじれ角δが、0.8d+1
9°≦δ≦0.8d+29°の関係を満すと良好な切削
が可能となる。また、ねじれ角δが、0.8d+21°
≦δ≦0.8d+23°の関係を満すことにより最適な
切削を行うことができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について、本発明の特
許請求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。先
ず、合金素材の成分組成、抗磁力、Coプール量並びに
ドリルの直径及びねじれ角が異なる10種類のドリルを
製作した。なお、合金素材の組成については、下記表1
に示すA、B及びCの3種類であり、素材Aは本発明の
特許請求の範囲内の組成であるが、素材B及びCは本発
明の特許請求の範囲外の組成である。
【0032】
【表1】
【0033】上記の素材によって製作した各ドリルを使
用してガラス・エポキシ系プリント基板の穴開け試験を
行った。穴開けは前記基板に対して3000回穴を開
け、その後に刃先のチッピング量により性能評価を行っ
た。つまり、チッピング量の少ないドリルが長寿命のド
リルであるといえる。その結果を下記表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】上記表2に示すようにNo1、2、3、
4、5、9及び10のドリルが本発明の特許請求の範囲
に属する。
【0036】実施例No1と比較例No6とを比較する
と、いずれも素材Aにより製造されたドリルであり、抗
磁力以外の他の要素は全く同一である。しかし、抗磁力
が特許請求の範囲内である実施例No1のドリルは、そ
の範囲外である比較例No6のドリルに比べて性能が優
れたものとなった。従って、抗磁力以外の他の要素が同
一である場合は、抗磁力が特許請求の範囲内であるドリ
ルの方が性能が優れているといえる。また、実施例No
1及び2の比較から、抗磁力が最適な範囲であれば、よ
り優れた性能を有するといえる。
【0037】実施例No2と比較例No7とを比較する
と、組成以外の他の要素については全て同一のドリルで
あるが、チッピング量は実施例No2のドリルの方が優
れている。従って、特許請求の範囲内である素材Aは、
特許請求の範囲外である素材Bに比べて優れているとい
える。
【0038】また、実施例No1と比較例No8とを比
較すると、この場合も組成以外の他の要素については全
て同一のドリルであり、比較例No8の素材Cに含有さ
れたCoの量は特許請求の範囲内ではあるが、素材Cは
Cr、Ta及びVの炭化物等を含んでいない。このた
め、それらを含む実施例No1の素材Aに比べて性能が
劣ってしまった。従って、組成以外の他の要素が同一で
あるドリルについては、素材Aによるドリルが最も優れ
ているといえる。
【0039】実施例No1と実施例No3とを比較する
と、実施例No3のドリルのCoプール量が、より好ま
しい量であるため、そのような値ではない実施例No1
のドリルに比べて実施例No3のドリルの方が高い性能
を示した。従って、Coプール量を適切な値とすること
により、チッピング量の増加を抑制し、優れたドリルを
製造することができる。
【0040】実施例No1と実施例No4とを比較する
と、実施例No4のドリルのねじれ角が、より好ましい
範囲内の値であるため、実施例No4のドリルはその範
囲外である実施例No1のドリルに比べて高い性能を示
した。従って、ドリルのねじれ角を適切な値とすること
により、チッピング量の増加を抑制し、優れたドリルを
得ることができる。
【0041】また、実施例No1、3、4及び5を比較
すると、本発明の特許請求の範囲を全て満たす実施例N
o5のドリルが最も優れた性能を有するものとなった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ドリルの素材が所定の成分組成を有し、抗磁力、ねじれ
角及びドリル径を所定値とすることにより、その使用時
におけるチッピング量を抑制することができると共に、
ドリルの寿命を向上させることができる。また、ミニチ
ュアドリルのような極めて小さなドリルを製造すること
ができ、更にドリルを長期に亘って使用することができ
るため、ドリルの使用コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗磁力とドリル寿命との関係を示すグラフ図で
ある。
【図2】Coプール量とドリル寿命との関係を示すグラ
フ図である。
【図3】切削抵抗とドリルのねじれ角との関係を示すグ
ラフ図である。
【図4】切削抵抗が小さくなるドリル径とねじれ角との
関係を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本西 英 兵庫県明石市魚住町金ケ崎西大池179番 1 株式会社神戸製鋼所明石工場内 (72)発明者 石井 勝 兵庫県明石市魚住町金ケ崎西大池179番 1 株式会社神戸製鋼所明石工場内 (72)発明者 福永 稔 兵庫県明石市魚住町金ケ崎西大池179番 1 株式会社神戸製鋼所明石工場内 (72)発明者 江上 明 兵庫県明石市魚住町金ケ崎西大池179番 1 株式会社神戸製鋼所明石工場内 (72)発明者 得年 雅也 兵庫県明石市魚住町金ケ崎西大池179番 1 株式会社神戸製鋼所明石工場内 (56)参考文献 特開 平5−117799(JP,A) 特開 平6−33183(JP,A) 特開 昭61−195951(JP,A) 特開 平7−197180(JP,A) 特開 平2−310333(JP,A) 特開 平4−160132(JP,A) 特開 平5−98385(JP,A) 特開 平3−92210(JP,A) 特公 平4−31012(JP,B2) 特公 平3−27621(JP,B2) 特公 平4−50374(JP,B2) 特公 平7−15135(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 51/00 C22C 29/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr、Ta若しくはVの炭化物又は炭窒
    化物からなる群から選択された1種又は2種以上の物質
    を総量で0.2乃至3.0重量%、Coを4.0乃至1
    0.0重量%含有し、残部がWC及び不可避的不純物で
    あって、その抗磁力が430乃至580(Oe)である
    超硬合金を素材とすることを特徴とする耐チッピング性
    が優れた超硬製ドリル。
  2. 【請求項2】 前記超硬合金は組織中のCoプール量が
    体積率で0.02%以下であることを特徴とする請求項
    1に記載の耐チッピング性が優れた超硬製ドリル。
  3. 【請求項3】 ねじれ角δ(°)と直径d(mm)との
    関係において、0.8d+19°≦δ≦0.8d+29
    °を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    耐チッピング性が優れた超硬製ドリル。
  4. 【請求項4】 前記δと前記dとの関係が0.8d+2
    1°≦δ≦0.8d+23°を満足することを特徴とす
    る請求項3に記載の耐チッピング性が優れた超硬製ドリ
    ル。
  5. 【請求項5】 直径dが3mm以下であることを特徴と
    する請求項3又は4に記載の耐チッピング性が優れた超
    硬製ドリル。
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