JP3266771B2 - 進行波管用遅波回路 - Google Patents

進行波管用遅波回路

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JP3266771B2
JP3266771B2 JP28526095A JP28526095A JP3266771B2 JP 3266771 B2 JP3266771 B2 JP 3266771B2 JP 28526095 A JP28526095 A JP 28526095A JP 28526095 A JP28526095 A JP 28526095A JP 3266771 B2 JP3266771 B2 JP 3266771B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、進行波管用遅波
回路の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は「マイクロ波工学の基礎」(牧
本、松尾著:広川書店)の図11.1に示された従来の
進行波管を示す概略構成図である。図12に示されるよ
うに、進行波管は、電子を放射する電子銃及び電波と電
子流の相互作用を行わせる部分とからなり、陰極1から
放出される電子流は、加速電極2によって一定速度に加
速された後、図示しない永久磁石又は集束コイルによっ
て集束され、細い電子ビームになってスパイラル状の線
路を有する遅波回路4の中心を通過してコレクタ3に向
かう。一方、入力導波管5からの高周波信号は遅波回路
4に入り、スパイラル上を進んで行く。そこで、スパイ
ラル上を進む高周波信号とスパイラルの中心を通る電子
流との間には相互作用が生じる。なお、6は出力導波管
である。
【0003】ここで、上記遅波回路4は、図13に示す
構造となっている。図13において、7はスパイラル状
の遅波線路、8は支持体、9は真空容器を示し、該真空
容器9内に上記遅波線路7と上記支持体8とを圧入で挿
入して固定することにより、支持体8により遅波線路7
を真空容器9内の中心軸上に位置するようにしている。
【0004】上記の如く構成された進行波管の基本原理
は、スパイラル状の遅波線路7上の高周波の速度とスパ
イラル状の遅波線路7中を通る電子ビームの速度をほぼ
同じにすることにより、相互作用を繰り返しながらエネ
ルギー増幅を行うものである。遅波線路7を流れる高周
波は、出力部周辺で大きくなり、出力導波管6から外部
に取り出される。
【0005】このとき、出力部周辺での遅波線路7は、
出力高周波と遅波線路7中を通過する電子ビームの一部
の衝突によるエネルギーにより発熱し高温となって、出
力低下や真空容器9の管内真空度の低下を引き起こす。
遅波線路7を支える支持体8は、遅波線路7の支持固定
と共に、遅波線路7の熱を伝導で真空容器9に逃がす働
きを持つもので、遅波線路7と支持体8は、圧入によっ
て真空容器9内に挿入固定され、該真空容器9内壁との
接触面積を大きくして、熱伝導による放熱効率を高くし
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の遅波回路4は、遅波線路7に接着剤等を用いて支持
体8を固定し組み立てた状態で真空容器9内に圧入し、
その後、接着剤を除去して回路を構成するが、圧入後、
常温では、支持体8は、真空容器9内壁との密着性がよ
く接触面積を大きく取ることができ、従って、熱源であ
る金属でなる遅波線路7からの熱伝導による放熱効率が
高いが、上記支持体8はAl23、BN、AlN、Be
O等の誘電体でなるのに対し、上記真空容器9はFeま
たはCuNiでなり、熱膨張係数が支持体8よりも大き
く、従って、高温時には熱膨張係数の差異によって支持
体8と真空容器9内壁との密着性が悪くなり接触面積を
大きく取ることができなく、従って、この影響で遅波線
路7と支持体8及び支持体8と真空容器9内壁との接触
状態にばらつきが生じ熱伝導の不均一が生じる。特に、
この状態が出力部で生じると、局所的な高温化が進み、
出力低下や真空容器9の管内真空度の低下が起こる等の
問題点があった。
【0007】この発明は上述した従来例に係る問題点を
解決するためになされたもので、熱源である遅波線路か
らの熱伝導に不均一が生じることなく放熱効率を高める
ことができる構造の進行波管用遅波回路を得ることを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る進行波管
用遅波回路は、真空容器と、この真空容器内で陰極から
放出されてコレクタに向かう電子流の進行速度に対して
高周波電界の進行速度を遅延させるための遅波線路と、
この遅波線路の軸線方向に沿って設けられ、かつ該遅波
線路を真空容器内に支持固定するための複数の支持体と
からなる進行波管用遅波回路において、上記遅波線路と
上記支持体とを金属層を介して接合し、上記遅波線路
は、該遅波線路の軸線方向に沿って配列される複数のリ
ング部を連結部によって連結して一体化されたリングア
ンドループでなることを特徴とするものである。
【0009】
【0010】また、この発明に係る進行波管用遅波回路
は、真空容器と、この真空容器内で陰極から放出されて
コレクタに向かう電子流の進行速度に対して高周波電界
の進行速度を遅延させるための遅波線路と、この遅波線
路の軸線方向に沿って設けられ、かつ該遅波線路を真空
容器内に支持固定するための複数の支持体とからなる進
行波管用遅波回路において、上記遅波線路と上記支持体
とを金属層を介して接合し、上記遅波線路は、該遅波線
路の軸線方向に沿って配列される複数枚のリング状の金
属板を有し、かつこれら金属板は、複数の支持体のうち
いずれか1つの支持体の表面上に軸線方向に沿って形成
された金属層を介して連結されることを特徴とするもの
である。
【0011】また、この発明に係る進行波管用遅波回路
は、真空容器と、この真空容器内で陰極から放出されて
コレクタに向かう電子流の進行速度に対して高周波電界
の進行速度を遅延させるための遅波線路と、この遅波線
路の軸線方向に沿って設けられ、かつ該遅波線路を真空
容器内に支持固定するための複数の支持体とからなる進
行波管用遅波回路において、上記遅波線路と上記支持体
とを金属層を介して接合し、上記遅波線路は、該遅波線
路の軸線方向に沿って配列される複数枚のリング状の金
属板を有し、かつこれら金属板は、各支持体上に所定間
隔隔ててそれぞれ形成され、かつ上記金属板を介して他
の支持体上に設けた金属層と軸線方向に沿ってヘリカル
状に連結された金属層を介して連結されることを特徴と
するものである。
【0012】また、上記遅波線路は、該遅波線路と接す
る上記支持体の表面上の領域に形成された金属層を介し
て支持体と接合されることを特徴とするものである。
【0013】また、上記支持体は、上記遅波線路のピッ
チ間隔と同じ間隔隔てて形成された複数の溝を有し、か
つ上記金属層は、これら溝の底部に形成されて上記遅波
線路と上記支持体とを接合することを特徴とするもので
ある。
【0014】また、上記支持体は、上記遅波線路のピッ
チ間隔と同じ間隔隔てて形成された複数の溝を有し、か
つ上記金属層は、溝と溝との間の支持体表面に形成され
て上記遅波線路と上記支持体とを接合することを特徴と
するものである。
【0015】また、上記支持体は、上記遅波線路のピッ
チ間隔と同じ間隔隔てて形成された複数の溝を有し、か
つ上記金属層は、溝及び支持体表面の全面に亙って形成
されて上記遅波線路と上記支持体とを接合することを特
徴とするものである。
【0016】また、上記遅波線路は、その外周面全体に
上記金属層が形成されて上記支持体と接合されることを
特徴とするものである。
【0017】また、上記支持体と上記真空容器とを上記
金属層を介して接合することを特徴とするものである。
【0018】さらに、上記金属層は、Cu−Ti−A
l、Cu−Ti−Au、Cu−Ti−Si、Au−Ni
−Ti、Au−Ni−V、Au−Ni−Mo、Ag−C
u−Ti、Ag−Cu−Tn、Ag−Cu−Snのいず
れかのろう付け機能を有する金属の組み合わせであるこ
とを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1と図2はこの発明の実施の形態1に
係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅波線
路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回路の
軸線方向に沿った部分断面図と遅波線路の全体像を示す
概略構成図である。この実施の形態1に係る進行波管用
遅波回路は、図13に示す従来例と基本的に同様な構造
を有するが、遅波線路7としては、図2に示すように、
遅波線路7の軸線方向に沿って配列される複数のリング
部7aを連結部7bによって連結して一体化されたリン
グアンドループでなり、この遅波線路7と接する支持体
8の表面上の該遅波線路7と接する領域のみにAu−N
i−Tiからなる金属層10が形成されている。
【0020】ここで、金属層10の形成においては、A
u−Ni−Tiの他に、Cu−Ti−Al、Cu−Ti
−Au、Cu−Ti−Si、Au−Ni−V、Au−N
i−Mo、Ag−Cu−Ti、Ag−Cu−Tn、Ag
−Cu−Snのいずれかのろう付け機能を有する金属の
組み合わせであっても構わない。これらの金属の組み合
わせは、一般的に活性化ろう材として作用するものであ
るから、金属層10の形式によってろう材を用いた場合
と同様の効果が得られる。
【0021】また、金属層10はリングアンドループで
なる遅波線路7と支持体8とを接合するものであること
から、接合が容易な金属であれば上記以外の他の金属で
も構わない。さらに、金属層10の形成においては、支
持体8上にメタライズ等が形成されていても良い。
【0022】金属層10が形成されている支持体8とリ
ングアンドループでなる遅波線路7の組み立ては、リン
グアンドループの同芯を確保しかつ支持体8が移動しな
いように両者を図示しない治具により保持し、金属層1
0の融点まで温度を上げることにより、このとき、金属
層10が溶け、金属層10がろう材的な作用をすること
により、支持体8とリングアンドループでなる遅波線路
7とを接合させることができる。
【0023】従って、この実施の形態1によれば、熱源
である遅波線路7からの放熱経路を、これまでの圧入に
よる接触からの放熱経路から金属層10を介しての放熱
経路に変えるので、従来より安定した熱伝導の特性を持
つとともに、その金属層10により遅波線路7と支持体
8とが一体化なることから作業性も良くなる。
【0024】実施の形態2.次に、図3は実施の形態2
に係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅波
線路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回路
の軸線方向に沿った部分断面図である。この実施の形態
2においては、図3に示すように、支持体8には、実施
の形態1と同様なリングアンドループでなる遅波線路7
のピッチ間隔と同じ間隔隔てて複数の溝11が形成され
ており、また、金属層10が、これら溝11の底部に形
成されて、遅波線路7と支持体8とを接合するようにな
されている。
【0025】この実施の形態2によれば、支持体8の溝
11底部に形成した金属層10により遅波線路7と支持
体8とを接合するので、その接合状態を機械的に一層強
化することができると共に、熱源である遅波線路7から
の放熱経路を、これまでの圧入による接触からの放熱経
路から金属層10を介しての放熱経路に変えるので、従
来より安定した熱伝導の特性を持つ。
【0026】実施の形態3.次に、図4は実施の形態3
に係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅波
線路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回路
の軸線方向に沿った部分断面図である。この実施の形態
3においては、図4に示すように、支持体8には、実施
の形態2と同様にして、リングアンドループでなる遅波
線路7のピッチ間隔と同じ間隔隔てて複数の溝11が形
成されているが、金属層10は、溝11間の支持体8表
面上にのみ形成されていて、その金属層10により遅波
線路7と支持体8とを接合するようになされており、実
施の形態1と同様な効果を有する。
【0027】実施の形態4.次に、図5は実施の形態4
に係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅波
線路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回路
の軸線方向に沿った部分断面図である。この実施の形態
4において、遅波線路7としては、図5に示すように、
図2に示す実施の形態1に係る遅波線路7のリング部7
aに相当する複数枚のリング状の金属板12のみが備え
られており、これらの金属板12は、遅波線路の軸線方
向に沿って配列され、金属層10を介して支持体8と連
結され、かつ該支持体8に接合される。
【0028】ここで、上記金属層10は、複数の支持体
8のうちいずれか1つの支持体8の少なくとも上記金属
板12と接する表面上に軸線方向に沿って形成されて、
各金属板12を連結するようになされており、進行波管
の機能を果たすための遅波回路の製造を容易にすること
ができると共に、熱源である遅波線路7からの放熱経路
を、これまでの圧入による接触からの放熱経路から金属
層10を介しての放熱経路に変えるので、従来より安定
した熱伝導の特性を持つとともに、その金属層10によ
り遅波線路7と支持体8とを一体化することができる。
【0029】実施の形態5.次に、図6は実施の形態5
に係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅波
線路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回路
の軸線方向に沿った部分断面図である。この実施の形態
5においては、複数の支持体8のうちいずれか1つの支
持体8にのみに、実施の形態2と同様にして、遅波線路
7を構成する金属板12のピッチ間隔と同じ間隔隔てて
複数の溝11が形成されていて、金属層10は、この支
持体8の溝11の底部及び側面の全周を含み支持体8表
面上に形成されていて、その金属層10により、金属板
間を連結すると共に、遅波線路7と支持体8とを接合す
るようになされており、実施の形態4と同様な効果を有
する。
【0030】実施の形態6.次に、図7は実施の形態6
に係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅波
線路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回路
の軸線方向に沿った部分断面図である。この実施の形態
6において、図7(a)〜(c)に示すように、遅延線
路を構成するリング状の金属板12a、12b、12c
は、遅波線路の軸線方向に沿って隣接して配列される金
属板であるが、図3に示す従来例と同様に、3つの支持
体8a、8b、8cによって真空容器内に支持されてい
るものとする。
【0031】この場合、支持体上に金属板を接合させる
金属層としては、支持体8a上に隣接して配列される金
属板12aと12bの間に金属層10aが形成されて、
この金属層10aにより金属板12aと12bとが連結
され、かつ支持体8aに接合され、同様に、支持体8b
上に隣接して配列される金属板12bと12cとの間に
金属層10bが形成されて、金属板12bと12cを連
結するとともに、これら金属板12bと12cを支持体
8b上に接合させ、支持体8c上に隣接して配列される
金属板12cと12d(図示せず)との間に金属層10
cが形成されて、金属板12cと12dを連結するとと
もに、これら金属板12cと12dを支持体8c上に接
合させるようになされ、このような繰り返しによって隣
接する金属板間の連結と支持体との接合がなされてい
る。
【0032】すなわち、金属層は、各支持体上に所定間
隔隔ててそれぞれ形成され、かつ上記金属板を介して他
の支持体上に設けた金属層と軸線方向に沿ってヘリカル
状に連結されて各金属板を連結し、かつ支持体に接合す
るようになされており、熱源である遅波線路7からの放
熱経路を、これまでの圧入による接触からの放熱経路か
ら金属層10を介しての放熱経路に変え、従来より安定
した熱伝導の特性を持つとともに、その金属層10によ
り遅波線路7と支持体8とが一体化なることから作業性
も良くなる。
【0033】実施の形態7.次に、図8は実施の形態7
に係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅波
線路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回路
の軸線方向に沿った部分断面図である。この実施の形態
7は、図7に示す実施の形態6の構成に加えて、さらに
図8に示すように、実施の形態1と同様に、図7に示す
支持体8a〜8cを総称する支持体8の表面上の遅波線
路を構成する各金属板12a〜12cと接する領域のみ
に金属層10dを形成して、各金属板12a〜12cと
支持体8との接合領域を増加させることにより、熱源で
ある遅波線路7からの放熱経路を増やしてさらに安定し
た熱伝導の特性を持つようにしたものである。
【0034】実施の形態8.次に、図9は実施の形態8
に係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅波
線路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回路
の軸線方向に沿った部分断面図である。この実施の形態
8は、図8に示す実施の形態7の変形例を示すもので、
図9に示すように、図7に示す支持体8a〜8cを総称
する支持体8の表面上の遅波線路を構成する各金属板1
2a〜12cと接する領域のみに、すなわち、実施の形
態2と同様に、支持体8に、遅波線路を構成する金属板
12a〜12cのピッチ間隔と同じ間隔隔てて複数の溝
11を形成し、これら溝11の底部に金属層10dを形
成することにより、遅波線路を構成する金属板と支持体
8とを接合するようになされている。このようにするこ
とにより、各金属板12a〜12cと支持体8との接合
領域を増加させることにより、熱源である遅波線路7か
らの放熱経路を増やしてさらに安定した熱伝導の特性を
持つことができる。
【0035】実施の形態9.次に、図10は実施の形態
9に係る進行波管遅波回路を説明するためのもので、遅
波線路と支持体との接合部分のみを主として示す遅波回
路の軸線方向に沿った部分断面図である。この実施の形
態9は、図7に示す実施の形態6の変形例を示すもの
で、図10に示すように、図7に示す支持体8a〜8c
を総称する支持体8の表面上の遅波線路を構成する各金
属板12a〜12cと接する領域のみに、すなわち、実
施の形態3と同様に、支持体8に、遅波線路を構成する
金属板12a〜12cのピッチ間隔と同じ間隔隔てて複
数の溝11を形成し、これら溝11間の支持体8表面上
にのみ金属層10dを形成して、その金属層10により
遅波線路7と支持体8とを接合するようになされてお
り、実施の形態8と同様な効果を有する。
【0036】実施の形態10.上述した実施の形態1〜
9は、金属層10の形成が支持体8で行われている場合
については述べたものであるが、この実施の形態10で
は、遅波線路側に金属層10が形成される場合を示す。
すなわち、図11は遅波線路7として用いるリングアン
ドループの支持体8と接するリング部7aの外周面また
は遅波線路7として用いる金属板12の外周面に金属層
10を形成したものである。
【0037】このように、リング部7aまたは金属板1
2の外周面に金属層10を形成することにより、該金属
層10により遅波線路7と支持体8とを接合することが
でき、熱源である遅波線路7からの放熱経路を形成する
ことができる。
【0038】また、実施の形態1〜9による金属層10
に、さらにこの実施の形態10による金属層10の形成
を加えることにより、支持体8との接合領域を増加させ
ることにより、熱源である遅波線路7からの放熱経路を
増やしてさらに安定した熱伝導の特性を持つことができ
る。
【0039】さらに、上記各実施の形態に加えて、支持
体8と真空容器9との間に、同様な金属層10を形成し
て接合することにより、安定した熱伝導が維持できる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、遅波
線路と支持体とを金属層を介して接合するようにしたの
で、これまでの接合(接触)状態の不均一からの局所的
な高温化現象がなくなり、放熱効率を高めて安定した熱
伝導が維持できると共に、遅波線路と支持体とが金属層
を介して一体化されることから、作業性の向上にもつな
がるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る進行波管用遅
波回路を説明するためのもので、遅波線路と支持体との
接合部分のみを主として示す遅波回路の軸線方向に沿っ
た部分断面図である。
【図2】 図1で用いた遅波線路の全体像を示す概略構
成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る進行波管用遅
波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主として
示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係る進行波管用遅
波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主として
示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態4に係る進行波管用遅
波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主として
示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態5に係る進行波管用遅
波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主として
示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態6に係る進行波管用遅
波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主として
示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態7に係る進行波管用遅
波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主として
示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態8に係る進行波管用遅
波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主として
示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態9に係る進行波管用
遅波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主とし
て示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態10に係る進行波管
用遅波回路の遅波線路と支持体との接合部分のみを主と
して示す軸線方向に沿った部分断面図である。
【図12】 通常の進行波管を示す概略構成図である。
【図13】 図12における従来の遅波線路を示す構造
図である。
【符号の説明】
7 遅波線路、7a リング部、7b 連結部、8、8
a〜8c 支持体、9 真空容器、10、10a〜10
d 金属層、11 溝、12、12a〜12c 金属
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−71536(JP,A) 特開 昭57−21044(JP,A) 特開 平1−276533(JP,A) 特開 平1−311542(JP,A) 特開 昭56−91349(JP,A) 特開 平1−105440(JP,A) 特開 平5−32464(JP,A) 実開 昭56−156356(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 23/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、この真空容器内で陰極から
    放出されてコレクタに向かう電子流の進行速度に対して
    高周波電界の進行速度を遅延させるための遅波線路と、
    この遅波線路の軸線方向に沿って設けられ、かつ該遅波
    線路を真空容器内に支持固定するための複数の支持体と
    からなる進行波管用遅波回路において、上記遅波線路と
    上記支持体とを金属層を介して接合し、上記遅波線路
    は、該遅波線路の軸線方向に沿って配列される複数のリ
    ング部を連結部によって連結して一体化されたリングア
    ンドループでなることを特徴とする進行波管用遅波回
    路。
  2. 【請求項2】 真空容器と、この真空容器内で陰極から
    放出されてコレクタに向かう電子流の進行速度に対して
    高周波電界の進行速度を遅延させるための遅波線路と、
    この遅波線路の軸線方向に沿って設けられ、かつ該遅波
    線路を真空容器内に支持固定するための複数の支持体と
    からなる進行波管用遅波回路において、上記遅波線路と
    上記支持体とを金属層を介して接合し、上記遅波線路
    は、該遅波線路の軸線方向に沿って配列される複数枚の
    リング状の金属板を有し、かつこれら金属板は、複数の
    支持体のうちいずれか1つの支持体の表面上に軸線方向
    に沿って形成された金属層を介して連結されることを特
    徴とする進行波管用遅波回路。
  3. 【請求項3】 真空容器と、この真空容器内で陰極から
    放出されてコレクタに向かう電子流の進行速度に対して
    高周波電界の進行速度を遅延させるための遅波線路と、
    この遅波線路の軸線方向に沿って設けられ、かつ該遅波
    線路を真空容器内に支持固定するための複数の支持体と
    からなる進行波管用遅波回路において、上記遅波線路と
    上記支持体とを金属層を介して接合し、上記遅波線路
    は、該遅波線路の軸線方向に沿って配列される複数枚の
    リング状の金属板を有し、かつこれら金属板は、各支持
    体上に所定間隔隔ててそれぞれ形成され、かつ上記金属
    板を介して他の支持体上に設けた金属層と軸線方向に沿
    ってヘリカル状に連結された金属層を介して連結される
    ことを特徴とする進行波管用遅波回路。
  4. 【請求項4】 上記遅波線路は、該遅波線路と接する上
    記支持体の表面上の領域に形成された金属層を介して支
    持体と接合されることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の進行波管用遅波回路。
  5. 【請求項5】 上記支持体は、上記遅波線路のピッチ間
    隔と同じ間隔隔てて形成された複数の溝を有し、かつ上
    記金属層は、これら溝の底部に形成されて上記遅波線路
    と上記支持体とを接合することを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載の進行波管用遅波回路。
  6. 【請求項6】 上記支持体は、上記遅波線路のピッチ間
    隔と同じ間隔隔てて形成された複数の溝を有し、かつ上
    記金属層は、溝と溝との間の支持体表面に形成されて上
    記遅波線路と上記支持体とを接合することを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載の進行波管用遅波回
    路。
  7. 【請求項7】 上記支持体は、上記遅波線路のピッチ間
    隔と同じ間隔隔てて形成された複数の溝を有し、かつ上
    記金属層は、溝及び支持体表面の全面に亙って形成され
    て上記遅波線路と上記支持体とを接合することを特徴と
    する請求項2記載の進行波管用遅波回路。
  8. 【請求項8】 上記遅波線路は、その外周面全体に上記
    金属層が形成されて上記支持体と接合されることを特徴
    とする請求項1ないし7のいずれかに記載の進行波管用
    遅波回路。
  9. 【請求項9】 上記支持体と上記真空容器とを上記金属
    層を介して接合することを特徴とする請求項1ないし8
    のいずれかに記載の進行波管用遅波回路。
  10. 【請求項10】 上記金属層は、Cu−Ti−Al、C
    u−Ti−Au、Cu−Ti−Si、Au−Ni−T
    i、Au−Ni−V、Au−Ni−Mo、Ag−Cu−
    Ti、Ag−Cu−Tn、Ag−Cu−Snのいずれか
    のろう付け機能を有する金属の組み合わせであることを
    特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の進行波
    管用遅波回路。
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