JP3266336B2 - 電子ビーム走査装置 - Google Patents

電子ビーム走査装置

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JP3266336B2 JP29590792A JP29590792A JP3266336B2 JP 3266336 B2 JP3266336 B2 JP 3266336B2 JP 29590792 A JP29590792 A JP 29590792A JP 29590792 A JP29590792 A JP 29590792A JP 3266336 B2 JP3266336 B2 JP 3266336B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビーム走査装置、
特に、先端が鋭く尖った微細電極と該微細電極の先端部
を取り囲むようにして配置されたゲートとをペアにして
マトリクス状に配列した多数の電子エミッタ部を備え、
該電子エミッタ部から放射された多数の電子ビームを同
時に試料表面に照射して該試料表面に任意のパターンを
描画したり、試料表面の状態を観察したりする電子ビー
ム走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、超LSIの微細回路パターンの作
成やその検査に、先鋭な電子ビームを利用する電子ビー
ム描画装置や電子ビーム検査装置などの電子ビーム走査
装置が使用されている。例えば、電子ビーム描画装置
は、任意の露光データに基づいて偏向電圧を生成し、こ
の偏向電圧を偏向電極に与えることによって、電子ビー
ムを自在に偏向走査しながら、あたかも1本の筆によっ
てパターンを描くようにして試料(チップ)表面に任意
のパターンを形成する。ところで、こうした既存の装置
では、1本の電子ビームを使用するために描画に多大な
時間を要し、また、大きな面積を描画しようとすると、
走査領域を逐次に移動しながら描画処理を繰り返すとい
ったいわゆるステップアンドレピートを行う必要があ
り、スループットの面で満足のいくものではなかった。
【0003】こうした欠点を補う装置として、多数の微
細電極をマトリクス状に配列した電子ビーム走査装置
(以下、従来装置)が注目されている。図19はその電
子ビーム発生源の要部断面図である。基板1には、先端
が鋭く尖った微細電極2aと該微細電極2aの先端部を
取り囲むようにして配置されたゲート2bとをペアにし
た多数の電子エミッタ部3が形成され、各々の電子エミ
ッタ部3から引き出された多数本の電子ビーム4が収束
電極5及び偏向電極6を通過した後、試料7の表面に同
時に照射されるようになっている。
【0004】また、各電子ビーム4の出口付近には、試
料7からの反射電子または2次電子(以下、反射電子で
代表)を検出する検出器8が取り付けられており、各検
出器8の出力信号に基づいて電子ビーム4ごとの照射領
域の状態を観測できるようになっている。この装置で
は、多数本の電子ビーム4を同時に照射でき、また、大
きな照射面積を一度に処理することができるので、スル
ープットを格段に向上することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来装置にあっては、検出器の間隔が極めて狭いため
に、隣接する照射領域から反射電子が飛び込みやすい欠
点があり、検出精度を十分に高めることができないとい
った解決すべき課題があった。そこで、本発明は、隣接
する照射領域からの反射電子の飛び込みを積極的に回避
し、あるいは、飛び込みに起因するS/N比の悪化を補
償して検出精度を十分に高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
先端が鋭く尖った微細電極と該微細電極の先端部を取り
囲むようにして配置されたゲートとをペアにしてマトリ
クス状に配列する多数の電子エミッタ部と、前記電子エ
ミッタ部ごとの収束電極、偏向電極及び検出器とを備
え、各電子エミッタ部からの電子ビームを平行且つ同時
に引出して試料表面に照射し、試料表面からの反射電子
または2次電子を電子ビームごとに前記検出器の検知面
で捕捉し、該捕捉反射電子の量または捕捉2次電子の量
に基づいて試料表面の状態を検査する電子ビーム走査装
置において、前記試料表面と検知面との間であって、且
つ、前記試料表面から検知面までの距離と検知面のサイ
ズとから割り出される所定位置に、電子ビームの軸と開
口中心が一致する所定内径の穴開きマスクを配置したこ
とを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、先端が鋭く尖った
微細電極と該微細電極の先端部を取り囲むようにして配
置されたゲートとをペアにしてマトリクス状に配列する
多数の電子エミッタ部と、前記電子エミッタ部ごとの収
束電極、偏向電極及び検出器とを備え、各電子エミッタ
部からの電子ビームを平行且つ同時に引出して試料表面
に照射し、試料表面からの反射電子または2次電子を電
子ビームごとに前記検出器の検知面で捕捉し、該捕捉反
射電子の量または捕捉2次電子の量に基づいて試料表面
の状態を検査する電子ビーム走査装置において、所定の
長さを有する多数の細管の束を、該細管の長手方向が前
記電子ビームの軸と平行するように配置したことを特徴
とする。
【0008】請求項3記載の発明は、先端が鋭く尖った
微細電極と該微細電極の先端部を取り囲むようにして配
置されたゲートとをペアにしてマトリクス状に配列する
多数の電子エミッタ部と、前記電子エミッタ部ごとの収
束電極、偏向電極及び検出器とを備え、各電子エミッタ
部からの電子ビームを平行且つ同時に引出して試料表面
に照射し、試料表面からの反射電子または2次電子を電
子ビームごとに前記検出器の検知面で捕捉し、該捕捉反
射電子の量または捕捉2次電子の量に基づいて試料表面
の状態を検査する電子ビーム走査装置において、前記検
出器を収束電極及び偏向電極と電子エミッタ部の間に配
置したことを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、先端が鋭く尖った
微細電極と該微細電極の先端部を取り囲むようにして配
置されたゲートとをペアにしてマトリクス状に配列する
多数の電子エミッタ部と、前記電子エミッタ部ごとの収
束電極、偏向電極及び検出器とを備え、各電子エミッタ
部からの電子ビームを平行且つ同時に引出して試料表面
に照射し、試料表面からの反射電子または2次電子を電
子ビームごとに前記検出器の検知面で捕捉し、該捕捉反
射電子の量または捕捉2次電子の量に基づいて試料表面
の状態を検査する電子ビーム走査装置において、前記1
つの検出器の周囲に位置する複数の検出器からの各信号
に所定の係数を乗じた値を、該1つの検出器の検出値か
ら減算することを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項4記載の電
子ビーム走査装置において、1つの電子ビームが照射す
る試料表面からの反射電子または2次電子の空間的分布
に基づいて、1つの検出器と他の全ての検出器に飛び込
む反射電子量または2次電子量を係数化し、全ての検出
器からの各信号と該係数とを用いて1つの検出器からの
信号の真の値または該真の値に近似する値を求めること
を特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4または5記載の電子ビーム走査装置において、前
記検出器に、試料電位に対して正の電位を与えることを
特徴とする。請求項7記載の発明は、請求項1、2、
3、4または5記載の電子ビーム走査装置において、前
記試料に、検出器若しくは鏡筒に対して負の電位を与え
ることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、隣接する描画領域か
らの反射電子または2次電子が穴開きマスクによって遮
蔽され、飛び込みが回避される。請求項2記載の発明で
は、隣接する描画領域からの反射電子または2次電子が
細管によって遮蔽され、飛び込みが回避される。
【0013】請求項3記載の発明では、隣接する描画領
域からの反射電子または2次電子が収束電極や偏向電極
よりも奥側の検出器に到達せず、飛び込みが回避され
る。請求項4〜5記載の発明では、各検出器の信号が信
号処理され、飛び込みに起因するS/N比の悪化が補正
される。請求項6、7記載の発明では、反射電子または
2次電子に指向性が与えられ、隣接する検出器への飛び
込みが回避される。
【0014】したがって、請求項1〜3または6、7記
載の発明にあっては、何れも、隣接する描画領域からの
反射電子の飛び込みを回避することができ、検出精度を
十分に高めることができる。また、請求項4、5記載の
発明にあっては、信号処理によって飛び込みを補償する
ことができ、同様に、検出精度を十分に高めることがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は請求項1に記載の発明に係る電子ビーム走
査装置の一実施例を示す図である。図1(a)におい
て、10は多数の電子エミッタ部(図19の符号3参
照)の1つから発射された電子ビーム、11は該1つの
電子エミッタ部に隣接する他の1つから発射された電子
ビームである。代表して示すこれら2本の電子ビーム1
0、11は、試料12の表面上の距離Lを隔てた2つの
点P1 、P2 に同時に照射され、点P1 、P2 からはそ
れぞれ電子(または2次電子)が放出される。
【0016】13、14は電子ビーム10、11の出口
付近に設けられた検出器であり、これらの検出器13、
14は、電子ビームごとの反射電子または2次電子を所
定面積の検知面で捕捉し、その捕捉量に比例した電気信
号を出力するものである。ここで、検出器13、14と
試料12の間には、図1(b)にその平面図を示すよう
な穴開きマスク15が配置されている。この穴開きマス
ク15には、電子ビームの本数分の円形穴(例えば15
a〜15iまでの9個)が形成されており、各々の円形
穴(例えば15a、15b)の中心と電子ビーム(例え
ば10、11)の軸とが正確に一致するようになってい
る。
【0017】穴開きマスク15の好ましい位置は、次の
ようにして割り出される。すなわち、試料12の表面か
ら検出器13、14の検知面までの距離をh、試料12
の表面から穴開きマスク15までの距離をy、検出器1
3、14の検知面の半径(検知面のサイズに相当)を
a、穴開きマスク15の円形穴15a〜15iの半径を
x、電子ビーム照射点P1 、P2 の間隔をLとすると、
図1(c)のグラフに示すように、x/aまたはy/h
が1.0から0.5までの範囲で、且つ、a/Lが0か
ら0.5までの範囲に収まるようなxの値とyの値を選
択すればよい。
【0018】例えば、検出器13、14の間隔をほぼゼ
ロにした場合には、a/L=0.5になるから、x/a
またはy/hが0.5になるようにすればよく、検知面
半径(a)のほぼ半分の半径(x)をもつ円形穴を、試
料12の表面から検出器13、14までのほぼ中間(y
/h=0.5)に位置するようにすればよい。因みに、
図1(a)はa/L≒x/a≒y/h≒0.5の配置例
であり、点P 1 から検出器13に向かう反射電子16
と、点P2 から検出器14に向かう反射電子17はそれ
ぞれ支障なく円形穴15a、15bを通過するが、隣接
電子ビームからの反射電子、例えば点P1 から検出器1
4に向かう反射電子18は、穴開きマスク15の非開口
部分に遮蔽される。したがって、本実施例によれば、隣
接する照射領域からの反射電子(例えば18)の飛び込
みを積極的に回避でき、検出精度を十分に高めることが
できる。
【0019】図2は請求項2に記載の発明に係る電子ビ
ーム走査装置の一実施例を示す図であり、図に示すよう
に、全ての検出器(代表して20、21)に接近して細
管の束22を配置したものである。かかる細管の束とし
ては、例えばMCP(マイクロ・チャネル・プレート)
等の電子増倍管に使用する20μmφ程度の鉛ガラス細
管等を所定の長さに切り揃えて数cmφに束ねるものが
使用可能である。電子倍増管では、電子ビームの軸に対
して細管を僅かに傾けるようにし、細管の内壁に電子ビ
ームを衝突させて、内壁電位に応じたエネルギーを反射
電子に与える。本実施例では、細管の長手方向と電子ビ
ームの軸とを正確に一致させる点と、内壁に電位を与え
ない点で電子倍増管の使用方法と異なる。
【0020】このようにすると、細管を通して電子ビー
ム(代表して23、24)を支障なく試料25表面に照
射できると共に、試料25表面からの反射電子のうち、
所定反射角度以下の反射電子26だけに制限して細管を
通すことができ、隣接する描画領域からの反射電子27
(反射角度が大きい)の飛び込みを積極的に回避して、
検出精度を十分に高めることができる。なお、上記反射
角度は、細管の内径や長さによって自在に調節すること
ができる。
【0021】図3は請求項3に記載の発明に係る電子ビ
ーム走査装置の一実施例を示す図である。この例では図
に示すように、収束電極30や偏向電極31のような電
子レンズ系と電子エミッタ部(図19の符号3参照)の
間に検出器32を位置させる。このようにすると、自己
の電子レンズ系の焦点からの反射電子34は、凸レンズ
の原理により、自己の電子ビーム35の軸とほぼ平行に
曲げられて支障なく検出器32に到達するが、隣接する
電子レンズ系(図示略)の焦点からの反射電子36は、
電子ビーム35の軸に角度をもって交差するから、奥ま
った位置の検出器32への到達(すなわち飛び込み)を
回避でき、検出精度を十分に高めることができる。
【0022】図4〜図5は請求項4に記載の発明に係る
電子ビーム走査装置の一実施例を示す図である。図4に
おいて、51〜59はマトリクス配列された電子エミッ
タ部(図19の符号3参照)ごとに配置された検出器で
あり、それぞれは所定の微小間隔で等しく並べられてい
る。各検出器からの検出信号PS51〜PS59は、信号処
理部60に与えられ、所定の信号処理を受けた後、
「真」の検出信号SS51〜SS59として取り出される。
【0023】ここで、図5に示すように、隣り合う2つ
の検出器(例えば図4の検出器51、52)に着目する
と、そのうちの1つの検出器(例えば52)は、当該検
出器52に対応する電子ビーム発生源からの電子ビーム
61の反射電子62を捕捉すると共に、隣りの検出器5
1に対応する電子ビーム発生源からの電子ビーム63の
反射電子(以下、飛び込み電子)64も捕捉するので、
この飛び込み電子64によって当該検出器52のS/N
比が悪化する。なお、実際のS/N比の悪化は、当該検
出器52の周囲の複数本の電子ビームの影響によってさ
らに大きくなる。
【0024】検出器51、52の検出信号PS51、PS
52は、それぞれ次式(1)(2)で与えられる。 PS51=SS51+N52 ……(1) PS52=SS52+N51 ……(2) SS51は電子ビーム63の反射電子65に相当する値、
SS52は電子ビーム61の反射電子62に相当する値で
あり、これらの値は、検出器51、52によって検出し
ようとする「真」の値である。また、N51は電子ビーム
63の飛び込み電子64に相当する値、N52は電子ビー
ム61の飛び込み電子(図示略)に相当する値であり、
上記真の値に重畳してS/N比を悪化させる原因となる
値である。
【0025】N51は次式(3)に示すように反射電子6
5(SS51)に比例し、また、N52は次式(4)に示す
ように反射電子62(SS52)に比例する。すなわち、
反射電子65(または62)が多いほどN51(またはN
52)が大きくなる。 N51=k・SS51 ……(3) N52=k・SS52 ……(4) 上式(3)(4)のkは、N51とSS51の間、または、
52とSS52の間の係数であり、この係数kの大きさは
2つの検出器51、52の位置関係によって決まる。例
えば、2つの検出器51、52が互いに極めて接近して
いれば係数kが大きくなり、逆に離れていれば小さくな
る。なお、N51〜SS51間の係数とN52〜SS52間の係
数は、検出器の誤差等を考えると厳密には一致しない
が、検出器の離隔距離や検知面サイズ等の平均設計デー
タから求めた代表的な係数kでも支障ない。
【0026】ここで、上式(1)(2)から次式(5)
(6)が導かれる。 PS51=(1−k2 )・SS51+k・PS52 ……(5) PS52=(1−k2 )・SS52+k・PS51 ……(6) kは1以下であるから、 PS51〜SS51+k・PS52 ∴ SS51〜PS51−k・PS52 ……(7) PS52〜SS52+k・PS51 ∴ SS52〜PS52−k・PS51 ……(8) となる。
【0027】したがって、検出器51の検出信号PS51
からノイズ分を取り除いて真の信号SS51を得るには、
検出器52の検出信号PS52に係数kを乗じ、その値を
PS 51から減算すればよい。あるいは、検出器52の検
出信号PS52からノイズ分を取り除いて真の信号SS52
を得るには、検出器51の検出信号PS51に係数kを乗
じ、その値をPS52から減算すればよい。
【0028】図6は上記の減算処理を行うためのブロッ
ク構成例である。この例は、図6(a)に示すように、
2個の減算器70、71と2個の乗算器72、73を備
え、乗算器73で検出信号PSA と係数kA を乗算し、
減算器71で検出信号PSBからその乗算結果を減算し
て「真」の検出信号SSB を得るものである。または、
乗算器72で検出信号PSB と係数kB を乗算し、減算
器70で検出信号PS A からその乗算結果を減算して
「真」の検出信号SSA を得るものである。なお、好ま
しい回路構成は、図6(b)に示すように、差動増幅器
80、81で減算器を構成し、それぞれの差動増幅器8
0、81の反転入力(−)を抵抗RA 、R B を介して入
力すると共に、それぞれの反転入力(−)と検出信号入
力端子82、83の間に可変抵抗VRA 、VRB を介在
させてもよい。可変抵抗VRA 、VRB によって各検出
信号の係数(kA 、KB )を自在に設定することができ
る。
【0029】以上では、2つの検出信号を例にして説明
したが、実際には多くの検出器を対象として減算処理を
する必要がある。例えば、図4のような配列の9個の検
出器51〜59を例にすると、真の検出信号を得ようと
する検出器(例えば図4の検出器55参照)との間の係
数が等しくなる位置関係にあるいくつかの検出器グルー
プ、例えば、検出器52、54、56及び58のグルー
プ(以下、αグループ)と、検出器51、53、57及
び59のグループ(以下、βグループ)とに分け、各グ
ループ内の検出信号の和を求めた後、その和の値にグル
ープ内共通の係数(例えば、αグループにはkα)を乗
じ、検出器55の検出信号PS55から減算すればよい。
次式(9)はその演算式である。
【0030】 SS55=PS55−kα・ΣPSα−kβ・ΣPSβ ……(9) 但し、ΣPSα=PS52+PS54+PS56+PS58 ΣPSβ=PS51+PS53+PS57+PS59 すなわち、上式(9)は真の検出信号SS55を得ようと
する検出器55からの距離が等しい複数の検出器の信号
を、等しい係数kαまたはkβでくくったものである。
【0031】なお、係数が異なる場合には、次式(1
0)のようにしてもよい。 SS55=PS55−k51-55・PS51−k52-55・PS52−k53-55・PS53 −k54-55・PS54、……、−k59-55・PS59 ……(10) 但し、係数の添字、例えば51−55は、検出器51と
検出器55の間に適用される係数であることを表してい
る。
【0032】図7を用いてS/N比の向上効果をさらに
詳しく説明する。照射領域の反射電子の放出量が小さい
パターン無しの場合の検出信号は1本の棒グラフ90で
示され、逆に放出量が大きいパターン有りの場合の検出
信号は2本の棒グラフ91、92で示されている。ま
た、それぞれの棒グラフのハッチング部分は、真の検出
信号の大きさであり、それぞれSOFF (パターン無
し)、SON(パターン有り)で表されている。
【0033】今、任意の検出器でパターン有りを検出し
た場合を考える。この場合、仮に隣接ビームからの飛び
込み電子がゼロであれば、棒グラフ91(または92)
のハッチング部分に相当する信号、すなわち真の検出信
号に相当する信号SONが得られるが、隣接ビームからの
飛び込み電子があると、その隣接ビーム照射位置におけ
るパターンの有無に応じたノイズ成分が信号SONに重畳
される。例えば、隣接ビームの全てがパターン有りのと
きには最大のノイズ成分(Nmax )が重畳され、また、
隣接ビームの全てがパターン無しのときには最小のノイ
ズ成分(Nmin)が重畳される。次式(11)は、図7
のS/N比を示す式である。
【0034】 S/N=(SON−SOFF )/(SON+“N”−SON) ……(11) 式中の“N”にはNmax からNmin までの値が入るため
に、その値が大きいほどS/N比を悪化させることにな
るが、隣接ビームとの間に最適な係数k(パターンの有
無によって切り換えるのが望ましい)を設定し、その係
数kと隣接ビームの検出値との乗算値(k・SON)を用
いて減算処理すれば、ノイズ成分を補償してS/N比を
向上でき、検出精度を十分に高めることができる。
【0035】なお、本発明の電子ビーム走査装置は、電
子ビーム描画装置や電子ビーム検査装置だけでなく、平
面型表示装置など、他の様々な電子ビーム応用製品にも
適用できる。図8〜図12は請求項5に記載の発明に係
る電子ビーム走査装置の一実施例を示す図であり、マト
リクス配列された9個の電子エミッタ部と各電子エミッ
タ部ごとの検出器(以下、便宜的に検出器1〜検出器9
とする)とを備える電子ビーム走査装置への適用例であ
る。
【0036】図8において、P1 〜P9 は、各検出器1
〜9から出力される検出信号であり、これらの検出信号
1 〜P9 は、検出器と同数の信号処理回路1001
1009 に入力され、各信号処理回路で所要の処理を受
けた後、反射電子または2次電子の飛び込みに起因する
ノイズ成分が取り除かれた真の信号S1 〜S9 として出
力される。
【0037】信号処理回路(代表として1005 )は、
検出器と同数の乗算器101i (iは1、2、……、
9;以下同様)と、各乗算器101i の出力の総和を求
める加算器102とを備え、加算器102の出力を真の
信号Si として出力するものである。ここで、乗算器1
011 はP1 に所定の係数MA1を掛けた値、すなわちP
1 ×MA1を出力する。同様に、乗算器1012 はP2 ×
A2を出力し、乗算器101 3 はP3 ×MA3を出力し、
……、乗算器1019 はP9 ×MA9を出力する。係数M
A1、MA2、……、MA9の「A」は真の信号を得ようとす
る1つの検出器(以下、着目検出器)の便宜上の識別符
号であり、例えば、代表の信号処理回路100 5 では、
着目検出器が検出器5であるので、A=5となる。ま
た、Aに続く数字はその着目検出器を含む各検出器の識
別符号である。
【0038】係数MAiは、着目検出器Aに対するそれ以
外の検出器iからの反射電子または2次電子の飛び込み
度合を表すもので、検出器A、検出器i及び試料の空間
的な位置関係から割り出されたものである。ここで、検
査点から放出される反射電子または2次電子の量は、概
ね検査点を照射する1次ビームの軸と該検査点から検出
器までを結ぶ直線とのなす角度θの余弦cosθに比例
し、また、検出器に到達する反射電子または2次電子の
量は、検査点から検出器を見込む立体角Θに比例するた
め、検出器間の距離に対応して、 ki ≒cosθ×(Θi /Θ0 )≒cosθ×cos3 θ ={1+(aD/L)2 -2 ……(12) なる比例係数が与えられる。この係数ki は、aを1、
√2、2、√5または2√2の5種類とし、また、隣接
する検出器間の距離Dと検出器−試料間の距離Lとが等
しいとすれば、 k1 =1/4 k2 =1/9 k3 =1/25 k4 =1/36 k5 =1/81 となる。
【0039】次式(13)は、上記の係数ki を使用
し、真の信号Si を未知変数とする連立一次方程式であ
る。 この連立一次方程式を解く、すなわち、次式(14)に
示すように、行列[k i ]の逆行列を上式(13)の両
辺に左からかけることにより、検出信号Pi から真の信
号Si を求めることができる。 但し、[Mmn]=[ki -1 すなわち、図8の各信号処理回路100i は、Pi に行
列[ki ]の逆行列[Mmn]を乗算してその総和を求め
るもので、例えば、着目検出器Aに対応する信号処理回
路100A は、P1 ×MA1+P2 ×MA2+……P9 ×M
A9を真の信号S A として出力するものである。逆行列
[Mmn]の各要素MA1〜MA9の値は、マトリクス配列さ
れた9個の検出器の中央に位置する検出器5を着目検出
器Aとすると、コーナに位置する4つの検出器1、3、
7、9に対して割り当てられる要素(MA1、MA3
A7、MA9)の値は約−0.002となり、また、それ
以外の4つの検出器2、4、6、8に割り当てられる要
素(MA2、MA4、MA6、MA8)の値は約−0.246と
なる。さらに、着目検出器それ自身に割り当てられる要
素(MA5)の値は約1.247となる。
【0040】図9は信号処理回路1005 の具体的な
回路図である。この例では、検出信号P1 、P2 、
P3 、P4 、PA (=P5 )、P6 、P7
、P8 、P9 のそれぞれに可変抵抗R1 、R2
、R3 、R4 、RA (=R5 )、R6 、R
7 、R8 、R9 を設け、着目検出器Aからの検出
信号PA 以外の検出信号を各可変抵抗を介してオペア
ンプOP1 の反転入力(−入力)に与えると共に、着
目検出器Aからの検出信号PA を可変抵抗を介してオ
ペアンプOP1 の反転入力(+入力)に与える。
【0041】オペアンプOP1 は、着目検出器Aからの
検出信号PA をRA /Rs倍(≒1.247)に非反転
増幅すると共に、検出信号PA 以外の各検出信号P1
4、P6 〜P9 をそれぞれの可変抵抗R1 〜R4 、R
6 〜R9 の値Ri とフィードバック抵抗Rfの比(Ri
/Rf)倍に反転増幅するもので、非反転増幅と反転増
幅の差に相当するレベルを真の信号SA のレベルとして
出力するものである。ここで、i=1、3、7、9のR
i /Rfは約0.002であり、また、i=2、4、
6、8のRi /Rfは約0.246である。
【0042】ここに、着目検出器A以外の8個の検出器
iの真の信号Si が取り得る値の組み合せは28 =
256通りである。図10は、着目検出器Aの真の信号
SAがパターン無しのレベル(SOFF =0.2)ま
たはパターン有のレベル(SON=1.0)となるとき
の、256通りの組み合せの分布を調べたものである。
もし、k1 〜k5 が0、すなわち回りの信号が全く
影響しなければ、SA は常にPA と等値である。例
えば、図10の中で信号SA の値がSOFF のとき
「検出値PA 出現分布」の「SOFF 」列は、25
6通りの組み合せについてPA =SOFF であるか
ら、PAを値域幅0.2で区別するならば、「検出値等
の範囲」が「0.10〜0.30」の中に全ての組み合
せが入ることになる。
【0043】しかし、実際には、k1 〜k5 は0以
外の値であるから、検出値PA は信号の組合せごとに
ある範囲に分散することになり、このため「検出値PA
現分布」の列に見られるように、PA が1.10
〜1.70の範囲にあるときには、真の信号SA のS
OFF 、SONの区別ができない組み合せが、71+
30+5=106通りも出現してしまう。
【0044】これに対し、処理Aは、前述の実施例(請
求項4に記載の発明に係る電子ビーム走査装置の一実施
例)の手法を適用したものであるが、この処理Aによっ
ても、PA が−0.30〜0.10の範囲にあるときに
は、真の信号SA のSOFF 、SONの区別ができない組み
合せが、最大で158+5=163通りも出現する。処
理Bは、本実施例の手法によるもので、これによればP
A の0.10〜0.30の範囲内にSOFF の全ての組合
せが入り、また、PA の0.90〜1.10の範囲内に
ONの全ての組合せが入っている。すなわち、256通
りの組み合せのうち、SOFF とSONを区別できないもの
は皆無であり、回りの信号の影響を完全に排除して誤検
出を完全に回避することができる。
【0045】なお、真の信号SA を2値的に判別するな
らば、逆行列[Mmn]の各要素Mmnに近似値を用いても
よい。図10の「近似的な処理」は、適当な近似値を用
いた場合の処理結果であり、SOFF とSONが完全に区別
されている。図11は、信号処理回路の他の構成図であ
り、この例では、それぞれの検出信号をA/D変換器1
031 〜1039 で量子化した後、乗算処理部1041
〜1049 や加算処理部105で必要な演算処理を行っ
ている。乗算処理部や加算処理部は、プロセッサ等によ
りソフト的に実現してもよい。
【0046】図12は近似処理を行うようにした信号処
理回路のブロック図である。この例では、逆行列
[Mmn]の各要素Mmnを、2の巾の組み合せによって近
似し、さらに2の巾の乗算をビットシフト操作で簡単化
している。すなわち、図12において、1061 〜10
5 はA/D変換器、107は第1加算器、108は第
2加算器、109は極性変換器、110は第1ビットシ
フト器、111は第2ビットシフト器である。
【0047】極性変換器109と第2ビットシフト器1
11によって−1−2−2(これは1.247の反対符
号での近似値−1.25に相当する)を発生し、これを
PAに適用する。また、第1ビットシフト器110によ
って2−2(これは−0.246の反対符号での近似値
0.25に相当する)を発生し、これをP2 、P4
、P6 、P8 に適用する。なお、−0.002は
0で近似する。このようにすると、計算を簡略化して処
理速度を向上できるメリットがある。
【0048】図13〜図18は請求項6または請求項7
に記載の発明に係る電子ビーム走査装置の一実施例を示
す図であり、検出器と試料の間に形成した電界によって
反射電子または2次電子の軌道を修正し、隣接する検出
器への飛び込みを回避するようにしたものである。図1
3において、130は1次ビーム、131は試料、13
2は検出器(または鏡筒)である。試料131の電位V
2 は接地電位(0V)であり、1次ビーム130の照射
点から放出された反射電子または2次電子の軌道は、符
号133で示すように直線を描くため、この直線133
上に位置する検出器への反射電子または2次電子の飛び
込みを引き起こす。
【0049】そこで、本実施例では、検出器(または鏡
筒)132の電位V1 を試料電位V 2 よりも正側に高い
例えば+3KVに設定する。これによれば、検出器(ま
たは鏡筒)132から試料131に向かう一様な電界1
34を発生でき、この電界134の働きによって反射電
子または2次電子の軌道を符号135に示すような放物
線へと変化させることができる。すなわち、1次ビーム
130の照射点Oから放出された反射電子または2次電
子に、同1次ビーム130直近の検出器132方向への
指向性を持たせることができ、隣接する検出器への飛び
込みを効果的に防止することができる。
【0050】ここで、照射点Oからある角度θをもって
放出された反射電子または2次電子の描く放物線軌道の
方程式は、次式(20)で与えられる。 z=(A/C2 )r2 +(B/C)r ……(20) 但し、Cはvro=Vo sinθ Bはvzo=Vo cosθ Aは−1/2(eEz /me ) eは電子の素電荷 me は質量 Vo は反射電子または2次電子の初速度 (Vo =√V;但しV=2eφ/m) φはビームエネルギー Ez は試料−検出器間の電界(=(V2 −V1 )/d) dは試料−検出器間の距離 図13の電界134は、反射電子または2次電子に対し
ては加速電界として働き、1次ビーム130に対しては
減速電界として働く。今、5KeVのエネルギーもつ1
次ビーム130が試料面131で500eVに減速され
た場合(これはV2 =0V、V1 =4.5KVに相当す
る)、試料面131からは500eVの初速度をもつ反
射電子が発生する。すなわち、反射電子の初速度(エネ
ルギー)は、1次ビーム130のビームエネルギーによ
る影響を受ける。これに対して、2次電子のエネルギー
は、図14に示すように、1次ビーム130のビームエ
ネルギーに拘らずほぼ50eV以下のエネルギー分布を
持っている。
【0051】図15は、試料−検出期間の距離dを例え
ば10mmとした場合の反射電子または2次電子の放物
線軌道を示すグラフである。但し、反射電子または2次
電子の放出角度分布はcos分布である。図15におい
て、曲線La、Lbは検出器面での電流密度分布を任意
の単位で併記したものである。この曲線La、Lbから
理解されるように、反射電子または2次電子の放出点O
からの離隔距離Rが反射電子でおよそ7mm、2次電子
でおよそ2mm以上あれば、電流密度がほとんどゼロと
なるから、当該離隔距離Rを満足する限り、反射電子ま
たは2次電子の隣接検出器への飛び込みを完全に排除で
きる。
【0052】なお、図13の電界134は1次ビーム1
30に対しては減速電界として作用するが、これは、試
料131へのダメージを抑えることができる点、さら
に、非導電性の試料などの帯電を防止して解像度劣化を
回避できる点などを考慮すると好ましい作用である。実
際には、試料に適応した試料面エネルギー(V2 )を選
択すると共に、隣接検出器への飛び込みが回避されるよ
うな適当な検出器(または鏡筒)の電位(V1 )を選択
すればよい。
【0053】なお、図13の電界134により、1次ビ
ーム130自身の解像度劣化が心配されるが、文献〔"H
igh-resolution, low-energy beams by means of mirro
r optics" E. Munro et al. J. Vac. Sci. Tech B6
(6) 1971 (1988)〕によれば、ビームサイズを支配する
各収差係数は、減速電界によってほぼ√F;F=Vi
o (Vi は試料面でのビームエネルギー、Vo は1次
ビームのエネルギー)の係数がかかり、Vi <Vo であ
るから、収差係数はむしろ小さくなる結果、光学系の設
計次第でサブミクロンのビームサイズを得ることは充分
に可能であると記載されている。
【0054】図16は本実施例の要部断面概念図であ
る。140、141は1次ビーム、142は1次ビーム
140からの反射電子(または2次電子)143を検出
する検出器、144は1次ビーム141からの反射電子
(または2次電子)145を検出する検出器、146は
試料である。試料146の電位V2 (0V)に対して正
側の電位V1 (例えば+3KV)を検出器142、14
4に与える。なお、電位V1 は検出器142、144の
直近の鏡筒に与えてもよい。
【0055】図17は、本実施例のシステム構成図であ
り、150は複数の1次ビームを同時に発生する電子
銃、151は電子銃電源部(すなわち加速電源部)、1
52は加速電源調整部、153は各種の電子光学系や検
出器及び試料等を含む鏡筒部、154は偏向用電圧を発
生する偏向電源部、155はレンズ電源部、156は検
出器からの信号を処理する信号処理部、157は減速用
電源部、158は制御部である。減速用電源部157で
所定の電位(例えば+3KV)を持つ電圧を作り、この
電圧を鏡筒部153内の検出器に与える。
【0056】図18(a)は、本実施例における各部の
電位関係図である。この図において、Veは微細電極1
60とゲート161間の電位を決定する電源、Vaはゲ
ート161とグランド(すなわち試料166)間の電位
を決定する電源、Vlは収束電極164と鏡筒間の電位
を決定する電源、Vdは偏向電極163と鏡筒間の電位
を決定する電源、Vrは検出器165(若しくは鏡筒)
とグランド(すなわち試料166)間の電位を決定する
電源である。電源Vrによって検出器と試料の間に所定
の電界を形成し、この電界により反射電子または2次電
子の軌道を修正して隣接する検出器への飛び込みを回避
する。
【0057】以上の例では、検出器(若しくは鏡筒)と
試料間に電界を発生のために、検出器(若しくは鏡筒)
に正の電位を与えているが、試料に負の電位を与えるよ
うにしても同様の効果を得ることができる。例えば、図
17において、減速用電源部からの負電位を、鏡筒部内
の試料支持ステージ(図示略)に与えればよい。因み
に、負電位を与えるようにした場合の電位関係図は、図
18(b)のようになる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、隣接する描画領域から
の反射電子の飛び込みを積極的に回避でき、あるいは、
信号処理によって飛び込みに起因するS/N比の悪化を
補償でき、検出精度を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一実施例の概念図、穴
開きマスクの平面図及び穴開きマスクの位置を特定する
ためのグラフである。
【図2】請求項2に記載の発明の一実施例の概念図であ
る。
【図3】請求項3に記載の発明の一実施例の概念図であ
る。
【図4】請求項4に記載の発明の一実施例の検出器配置
図である。
【図5】請求項4に記載の発明の一実施例の概念図であ
る。
【図6】請求項4に記載の発明の信号処理部の構成図で
ある。
【図7】請求項4に記載の発明のパターン有無の場合の
検出信号図である。
【図8】請求項5に記載の発明の一実施例の信号処理回
路のブロック図である。
【図9】請求項5に記載の発明の一実施例の信号処理回
路の構成図である。
【図10】請求項5に記載の発明の一実施例の信号分布
図である。
【図11】請求項5に記載の発明の一実施例の信号処理
回路の他の構成図である。
【図12】請求項5に記載の発明の一実施例の近似処理
を行うようにした信号処理回路のブロック図である。
【図13】請求項6に記載の発明に係る電子ビーム走査
装置の概念図である。
【図14】反射電子と2次電子のエネルギー分布図であ
る。
【図15】反射電子または2次電子の放物線軌道を示す
グラフである。
【図16】請求項6に記載の発明に係る電子ビーム走査
装置の要部断面概念図である。
【図17】請求項6に記載の発明に係る電子ビーム走査
装置のシステム構成図である。
【図18】請求項6に記載の発明に係る電子ビーム走査
装置の各部の電位関係図である。
【図19】従来例の要部断面図及び電子エミッタ部の要
部外観図である。
【符号の説明】
2a:微細電極 2b:ゲート 3:電子エミッタ部 5:収束電極 6:偏向電極 10、11:電子ビーム 12:試料 13、14:検出器 16、17、18:反射電子または2次電子 15:穴開きマスク 22:細管の束 43:電源(磁界発生手段) 60:信号処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−48975(JP,A) 特開 昭57−76837(JP,A) 特開 昭59−184524(JP,A) 特開 昭61−19126(JP,A) 特開 昭63−269007(JP,A) 特開 昭63−269525(JP,A) 特開 平1−248517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G01B 15/00 G01R 31/302 H01J 37/305

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端が鋭く尖った微細電極と該微細電極の
    先端部を取り囲むようにして配置されたゲートとをペア
    にしてマトリクス状に配列する多数の電子エミッタ部
    と、 前記電子エミッタ部ごとの収束電極、偏向電極及び検出
    器とを備え、 各電子エミッタ部からの電子ビームを平行且つ同時に引
    出して試料表面に照射し、 試料表面からの反射電子または2次電子を電子ビームご
    とに前記検出器の検知面で捕捉し、 該捕捉反射電子の量または捕捉2次電子の量に基づいて
    試料表面の状態を検査する電子ビーム走査装置におい
    て、 前記試料表面と検知面との間であって、且つ、前記試料
    表面から検知面までの距離と検知面のサイズとから割り
    出される所定位置に、 電子ビームの軸と開口中心が一致する所定内径の穴開き
    マスクを配置したことを特徴とする電子ビーム走査装
    置。
  2. 【請求項2】先端が鋭く尖った微細電極と該微細電極の
    先端部を取り囲むようにして配置されたゲートとをペア
    にしてマトリクス状に配列する多数の電子エミッタ部
    と、 前記電子エミッタ部ごとの収束電極、偏向電極及び検出
    器とを備え、 各電子エミッタ部からの電子ビームを平行且つ同時に引
    出して試料表面に照射し、 試料表面からの反射電子または2次電子を電子ビームご
    とに前記検出器の検知面で捕捉し、 該捕捉反射電子の量または捕捉2次電子の量に基づいて
    試料表面の状態を検査する電子ビーム走査装置におい
    て、 所定の長さを有する多数の細管の束を、該細管の長手方
    向が前記電子ビームの軸と平行するように配置したこと
    を特徴とする電子ビーム走査装置。
  3. 【請求項3】先端が鋭く尖った微細電極と該微細電極の
    先端部を取り囲むようにして配置されたゲートとをペア
    にしてマトリクス状に配列する多数の電子エミッタ部
    と、 前記電子エミッタ部ごとの収束電極、偏向電極及び検出
    器とを備え、 各電子エミッタ部からの電子ビームを平行且つ同時に引
    出して試料表面に照射し、 試料表面からの反射電子または2次電子を電子ビームご
    とに前記検出器の検知面で捕捉し、 該捕捉反射電子の量または捕捉2次電子の量に基づいて
    試料表面の状態を検査する電子ビーム走査装置におい
    て、 前記検出器を収束電極及び偏向電極と電子エミッタ部の
    間に配置したことを特徴とする電子ビーム走査装置。
  4. 【請求項4】先端が鋭く尖った微細電極と該微細電極の
    先端部を取り囲むようにして配置されたゲートとをペア
    にしてマトリクス状に配列する多数の電子エミッタ部
    と、 前記電子エミッタ部ごとの収束電極、偏向電極及び検出
    器とを備え、 各電子エミッタ部からの電子ビームを平行且つ同時に引
    出して試料表面に照射し、 試料表面からの反射電子または2次電子を電子ビームご
    とに前記検出器の検知面で捕捉し、 該捕捉反射電子の量または捕捉2次電子の量に基づいて
    試料表面の状態を検査する電子ビーム走査装置におい
    て、 前記1つの検出器の周囲に位置する複数の検出器からの
    各信号に所定の係数を乗じた値を、該1つの検出器の検
    出値から減算することを特徴とする電子ビーム走査装
    置。
  5. 【請求項5】1つの電子ビームが照射する試料表面から
    の反射電子または2次電子の空間的分布に基づいて、1
    つの検出器と他の全ての検出器とに飛び込む反射電子量
    または2次電子量を係数化し、 全ての検出器からの各信号と該係数とを用いて1つの検
    出器からの信号の真の値または該真の値に近似する値を
    求めることを特徴とする請求項4記載の電子ビーム走査
    装置。
  6. 【請求項6】前記検出器に、試料電位に対して正の電位
    を与えることを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5記載の電子ビーム走査装置。
  7. 【請求項7】前記試料に、検出器若しくは鏡筒に対して
    負の電位を与えることを特徴とする請求項1、2、3、
    4または5記載の電子ビーム走査装置。
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