JP3265456B2 - メタン発酵処理液の処理方法及び処理設備 - Google Patents

メタン発酵処理液の処理方法及び処理設備

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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畜産排水等の高濃
度で窒素量の多い排水を処理するための方法に関し、詳
しくは、メタン発酵処理して得られる発酵液を活性汚泥
法を用いて処理する方法において、メタン発酵処理液中
の窒素量、とりわけアンモニア態窒素の濃度を低減させ
ることにより、後続の活性汚泥法による処理効率を向上
させることを目的とする。
【0002】また本発明のもう一つの目的は、活性汚泥
の性質変化にかかわりなく、処理水の固液分離を確実に
して、放流水の性状を安定化させることである。
【0003】本発明のさらにもう一つの目的は、活性汚
泥処理を行う曝気槽の活性汚泥濃度を高めて、処理能力
を向上させることである。
【0004】
【従来の技術】豚舎や牛舎等の畜舎から排出される畜産
排水は、一般家庭から排出される生活排水と比べると、
固形物量が多く生物化学的酸素要求量(BOD)が高い
という特殊性を持つ。そこで、高負荷の排水処理に適し
たメタン発酵法と浄化能力に優れる活性汚泥法とを組み
合わせた処理システムを、畜産排水の処理に利用するこ
とが提案されている。
【0005】活性汚泥法は、好気性微生物のフロックで
ある活性汚泥と排水とを曝気しつつ接触させることによ
り、排水中の有機物を炭酸ガスと水とに分解するもので
あって、BOD値が低く清澄度の高い処理水が得られる
という利点を備えている。しかしながら活性汚泥法は高
負荷の処理には適しておらず、高濃度の畜産排水をその
まま処理すると、活性汚泥の活性を低減させたり微生物
を死滅させたりするおそれがある。そこで前段処理とし
て、高負荷の排水処理に適したメタン発酵法により、あ
らかじめ畜産排水の消化・分解をある程度まで進行させ
ておけば、活性汚泥法の優れた浄化能力を活用した排水
処理が実現可能となる。
【0006】メタン発酵法は、嫌気性微生物の作用によ
って有機物を主としてメタンガスと炭酸ガスとに分解す
る処理方法であり、分解生成物であるメタンガスを回収
し、これを熱エネルギー源として活用できる、という利
点を有している。
【0007】図2は、メタン発酵法による処理液を、活
性汚泥法を利用して浄化処理する従来の畜産排水処理設
備の概要を示すものである。同処理設備は、豚舎や牛舎
等の畜舎から排出される畜産排水をメタン発酵処理した
のち脱水機で脱水することにより得られる発酵液の貯留
槽、発酵液に対し曝気しながら活性汚泥による浄化処理
を施す曝気槽、処理後の排水から活性汚泥等の固形物を
分離除去する沈殿槽とから成っている。発酵液貯留槽に
は発酵液を移送するためのポンプPが設置され、発酵
液貯留槽と曝気槽との間には固形物除去用のスクリーン
が配設される。曝気槽の底部には、ブロワーから供給さ
れる空気を噴出させる散気管が設けられる。沈殿槽に
は、沈降分離した活性汚泥を取り出すためのポンプP
及び配管が設けられ、該配管は、曝気槽及び外部に連絡
している。
【0008】なお図示は省略したが、沈殿槽に続けて、
放流水の消毒を行う消毒槽が設けられることも多い。
【0009】前記処理設備による畜産排水の処理工程の
概略は、次のとおりである。畜舎から排出される畜産排
水は、メタン発酵槽で排水中の有機性固形物がある程度
まで消化され、脱水機で発酵液の抽出後、一旦、発酵液
貯留槽に貯留されたのち、ポンプPで曝気槽へ移送さ
れる。発酵液中に残存する固形物は、途中のスクリーン
で捕捉され除去される。
【0010】曝気槽では、ブロワー及び散気管によって
発酵液へ連続的又は間欠的に空気を供給すると共に活性
汚泥と接触させることにより、発酵液の分解・消化をさ
らに進行させる。なお活性汚泥処理の方式には、活性汚
泥を槽内で自由に流動させる浮遊曝気式、活性汚泥を槽
内に固定した濾材に付着させる接触曝気式、活性汚泥を
付着させた濾材を槽内で回転させる回転濾床式などがあ
るが、いずれを採用するかは実施状況に応じて適宜選択
すればよい。
【0011】曝気槽で活性汚泥による浄化処理を受けた
排水は沈殿槽へ導かれ、混在している活性汚泥等の固形
物を沈降分離させたのち、上澄み液だけを放流する。沈
殿槽で分離された活性汚泥はポンプPにより取り出し
て、一部は曝気槽へ返送し、残余は余剰汚泥として搬出
する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の処理設備に
おける排水処理方法は、以下に掲げる乃至の如き欠
点を有している。 メタン発酵処理で得られる発酵液中のアンモニア濃度
がきわめて高いため、曝気槽内の活性汚泥の活性に悪影
響を及ぼすおそれがある。一般に、タンパク質を嫌気的
処理すると分解生成物としてアンモニアが生成するの
で、メタン発酵処理後のアンモニア態窒素は原水よりも
増加する。畜産排水は、全窒素量が1500〜5000
mg/lと高濃度であるうえに、元来、し尿に由来する
アンモニア態窒素の全窒素に占める比率が高い。このた
め、メタン発酵液のアンモニア態窒素濃度はきわめて高
いものとなり、その結果、曝気槽の活性汚泥にアンモニ
ア阻害を及ぼして処理不良を招き、処理水の浮遊物質濃
度(SS)やBODを充分に低下させることができなく
なる。
【0013】メタン発酵液は全窒素量が多く、且つB
ODに対する比率も高い。このため、曝気槽での空気供
給量が過多になると、活性汚泥中の微生物によるアンモ
ニアから硝酸・亜硝酸を生成する硝化作用が、硝酸・亜
硝酸を窒素ガスに変換する脱窒作用を上回って、硝酸・
亜硝酸が蓄積される場合がある。その結果、曝気槽内の
pHが活性汚泥の活性に好適な範囲よりも低下して、排
水の処理不良を生ずるおそれがある。
【0014】曝気槽における排水の処理能力は活性汚
泥量に従う。しかるに従来は、曝気槽から流出する処理
水の固液分離を沈殿槽における沈降分離法で行っている
ため、上澄み液の性状を悪化させないよう、曝気槽にお
ける浮遊物濃度(MLSS)をあまり高くすることがで
きない。従来、曝気槽のMLSSは2000〜5000
mg/l程度に設定されており、この値を高くすれば、
活性汚泥量が増大するから処理能力を向上させることが
できるものの、放流する上澄み液の性状に悪影響を及ぼ
す可能性がある。それ故、従来の処理設備では、浄化処
理能力を増大させようとするならば、曝気槽の容量を大
きくしなくてはならない。
【0015】曝気槽の処理能力をあまり大きくできな
いため、発酵液のBODが非常に大きく高濃度である場
合には、曝気槽において又は曝気槽へ導入する前に発酵
液を希釈する必要が生ずる。
【0016】沈殿槽において沈降分離法により固液分
離をして得た上澄み液は、その性状が沈殿槽の流入水量
や活性汚泥の性質からの影響を受けやすい。すなわち、
沈殿槽流入水量が変動したり、活性汚泥の性質変化が生
じた場合に、放流水のSSが上昇する等の処理不良をき
たすおそれがある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、畜産排水等の
高濃度で窒素量の多い排水を効率よく処理することので
きる方法及び設備を提供するものである。本発明に係る
処理方法の特徴とするところは、メタン発酵法による処
理液を活性汚泥法を用いて浄化処理する方法において、
アンモニアストリッピング法で処理したのち、活性汚泥
処理することである。
【0018】なお、活性汚泥処理により得られる処理水
の固液分離は、濾過膜を用いて行うことができる。
【0019】この場合において、活性汚泥処理を行う曝
気槽内に濾過膜を配置して処理水の固液分離を行うこと
が考えられる。
【0020】さらに、固液分離を濾過膜で行う本発明方
法においては、活性汚泥処理を行う曝気槽の浮遊物濃度
(MLSS)を5000〜20000mg/lに設定す
ることができる。
【0021】一方、本発明に係る処理設備の特徴とする
ところは、ストリッピング槽と曝気槽とから構成した点
にある。
【0022】かかる処理設備において、前記曝気槽内
に、濾過膜を用いる固液分離器を設置することが望まし
い。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る処理方法は、畜産排
水等をメタン発酵処理したのち脱水機で脱水して得られ
る高濃度で窒素量の多い発酵液を、活性汚泥処理を行う
曝気槽へ移送するに先立ち、アンモニアストリッピンク
処理を施して、発酵液中のアンモニア態窒素濃度をあら
かじめ低減させることを最大の特色としている。
【0024】メタン発酵処理して得られる発酵液を活性
汚泥処理するに先立ち、発酵液中のアンモニア態窒素を
除去する理由は、以下の如くである。畜産排水は、BO
D及び全窒素量が非常に高いだけでなく、元来、全窒素
のうちアンモニア態窒素の占める割合が大きいという特
質を有している。しかもメタン発酵処理を施すと、タン
パク質の分解に伴うアンモニア生成により、発酵液のア
ンモニア濃度は一般に原水よりも上昇する。このため、
畜産排水をメタン発酵処理して得られる発酵液は、アン
モニア濃度がきわめて高いものとなる。
【0025】しかるに、活性汚泥中の好気性微生物は、
アンモニア濃度が高いと活性が阻害される。またBOD
に対する窒素量の比率が高い環境は、良好な処理水を得
るうえで好適ではない。曝気槽における好適な全窒素/
BODの値は、普通1/5〜1/10程度とされ、窒素
比が高くなると硝酸・亜硝酸の生成量が増大して槽内が
酸性化し、活性汚泥の活性を低下させる。従って、全窒
素量が多く且つアンモニア濃度が高い発酵液をそのまま
曝気槽へ導入すると、活性汚泥の排水処理能力が低下
し、場合によっては好気性微生物の死滅を招くこともあ
る。それ故、あらかじめ発酵液からアンモニア態窒素を
可能な限り除去しておくことが、良好な排水処理を実施
するうえで必要なのである。
【0026】図1に本発明方法を実施するための処理設
備の一例を示す。当該処理設備は、メタン発酵槽から送
られてくる発酵液の貯留槽・ストリッピング槽・曝気槽
から構成されており、発酵液貯留槽とストリッピング槽
との間に、固形物を除去するためのスクリーンが介設さ
れている。また、ストリッピング槽及び曝気槽には、ブ
ロワーから供給される空気を各槽中で噴出させるための
散気管がそれぞれ設けられている。なお、メタン発酵槽
と発酵液貯留槽との間には、発酵液を抽出するための脱
水機が設けられる。
【0027】ストリッピング槽には、アルカリ剤供給装
置と、アンモニアガスを収集する吸収塔とが付設されて
いる。
【0028】曝気槽には、限外濾過(粒径=0.001
〜0.01μmが対象)あるいは精密濾過(粒径=0.
01〜10μmが対象)を行うための多孔性高分子材料
等からなる濾過膜を用いた固液分離器が設置されると共
に、固液分離器から処理水をポンプPで取り出すため
の配管、及び、余剰汚泥をポンプPで引き抜くための
配管が接続される。なお濾過膜の孔径は、0.1〜0.
4μm程度であればよいと考えられるが、この範囲は決
して限定的なものではない。また膜モジュールの形式に
ついても、平膜状・管型状・スパイラル状・中空糸膜状
などより適宜選択されるが、浮遊固形物が多くても閉塞
の生じにくい平膜状又は管型状が実用的と思われる。
【0029】次に、本発明方法の実施形態を、図1を参
照して説明する。豚舎,牛舎その他の畜舎から排出され
る畜産排水はメタン発酵処理を受け、有機物は、微生物
の作用によりメタンガスと炭酸ガスとに分解され、ある
いは後続の活性汚泥処理を受けやすい形態に変換され
る。
【0030】メタン発酵処理により消化されて得られる
発酵液は、脱水機で抽出後、発酵液貯留槽へ移送したの
ち、ポンプPで汲み上げ、途中のスクリーンを通過さ
せて残留固形物を除去してから、ストリッピング槽へ送
給する。
【0031】ストリッピング槽において発酵液にアルカ
リ剤を投入し、pHを8〜10の範囲(好ましくは9.
5以上)に調整すると共に、ブロワーに接続した散気管
から空気を噴出させて3〜20時間(好ましくは5〜8
時間以上)曝気する。なおアルカリ剤としては、水酸化
ナトリウム等の強アルカリ化合物が用いられる。
【0032】かかるアンモニアストリッピング処理によ
り発酵液中からアンモニア態窒素が除去されるが、その
機構はおおよそ次のとおりと考えられる。アンモニアN
は、溶液中でイオンの状態では殆ど存在せずに水和
状態で溶存しており、アルカリ環境下で溶解度が減少す
るという性質を持つ。また一般に、気体の溶解度は、水
温が高くなるほど減少するという性質がある。従って、
メタン発酵処理により25゜C以上になっている発酵液
をアルカリ性に調整して曝気することにより、溶存して
いるアンモニアが気相へ放散し、その結果、発酵液のア
ンモニア濃度が低減する。実験によると、pH=9.5
・曝気時間5時間で発酵液中に溶存しているアンモニア
態窒素の約60%、pH=10.5・曝気時間20時間
で約80%を除去することが可能である。
【0033】排水中のアンモニアを除去する手段として
は、ストリッピング法以外に、微生物の代謝作用を利用
する生物的脱窒法・次亜塩素酸を加えて化学的に窒素を
除去する処理方法・イオン交換樹脂を用いるイオン交換
法などが挙げられるが、いずれもストリッピング法と比
べると、次のような欠点を持っている。生物的脱窒法
は、好気性微生物である硝酸菌・亜硝酸菌及び脱窒素細
菌の協同作用によってアンモニアを窒素ガスにまで分解
するというものであり、メタン発酵液のように高濃度で
窒素量の多い排水処理には一般に適していない。次亜塩
素酸HClOを用いる化学的処理方法は、処理水中に塩
素が残留するので、これの後処理が必要となる。イオン
交換法は、イオン交換樹脂が高価格であるため、処理コ
ストが非常に嵩む。
【0034】これらに対しストリッピング法は、高濃度
排水のアンモニア除去に適していること、メタン発酵液
はアンモニアストリッピング処理には有利な25°C以
上の比較的暖かい水温に維持されていること、設備コス
ト・ランニングコストが安価なこと、処理水の後処理が
不要であること等の点で、前掲のいずれの処理方法より
も優位であると言える。
【0035】アンモニアストリッピング処理により発生
したアンモニアガスは、吸収塔で回収し、そのまま大気
中へ放出するか、または、しかるべき処理を施したのち
廃棄する。
【0036】一方、アンモニア濃度を低減させた発酵液
は、曝気槽へ移送して、活性汚泥による浄化処理を施
す。曝気処理は曝気と停止の交替間隔を0.5〜2時間
とする間欠曝気とし、且つ、曝気槽のMLSSを500
0〜20000mg/lに設定する。
【0037】曝気槽において、活性汚泥中に存在する好
気性微生物が、発酵液中の有機物を代謝して炭酸ガスと
水とに分解し、BODを著しく減少させる。また残存す
る窒素は、硝酸菌・亜硝酸菌の硝化作用と脱窒素細菌の
脱窒作用との協同作用によって窒素ガスに変換され、系
外へ除去される。
【0038】所要の浄化処理を終えた処理水は、固液分
離器に配管接続したポンプPにより吸引し、濾過膜を
通過させて活性汚泥等の固形分を分離除去したのち、外
部へ放流する。孔径の小さい濾過膜を用いる固液分離法
は、曝気槽内のMLSSをかなり高く設定しても、SS
が少なく清澄度の高い放流水を得ることができ、膜孔径
によっては細菌類も除去することが可能である。しか
も、活性汚泥を沈降させる必要がないので、バルキング
等が生じて汚泥性状が変化しても、固液分離性能がほと
んど影響を受けないという利点を有している。
【0039】濾過膜の材質・膜モジュールの形式・膜孔
径・膜透過流量や曝気槽のMLSS・曝気量等の諸条件
は、処理対象とする発酵液の性状や放流環境等に応じ、
膜閉塞を起こさずに安定した固液分離ができる範囲で適
宜設定すればよい。参考までに、ポリオレフィン系重合
体で製作した膜孔径0.4μmの平膜状濾過膜を用いて
安定した固液分離状態を得るには、膜透過流量を250
ml/分という条件のもとで、MLSS=10000m
g/lのときには曝気量=0.6m/時間、MLSS
=14000mg/lのときには曝気量=1.2m
時間に設定すればよい。
【0040】曝気槽における活性汚泥の量は、浄化処理
に伴う微生物の増殖により次第に増加する。そこで、曝
気槽内のMlSSの値を所定範囲内に維持すべく、活性
汚泥増量分は配管を通じ引き抜いて排除する。
【0041】本発明の実施形態は、前述以外に適宜応用
することができる。例えば、本発明は畜産排水の処理に
好適であるが、農業排水や一般の生活排水の処理に適用
することを妨げるものではない。
【0042】また、本発明に係る処理設備は、図示する
ものに加えて、曝気槽の後段に放流水の消毒槽を設ける
こともできる。
【0043】さらに、図示は省略したが、曝気槽中に固
液分離器を設置するのに代え、処理水の貯留槽を曝気槽
に接続し、この貯留槽中に固液分離器を設置して固液分
離を行うことも考えられる。あるいは従来と同様に、曝
気槽に続けて沈殿槽を設け、この沈殿槽で汚泥処理後の
処理水の固液分離を行ったのち、放流することも決して
妨げない。
【0044】なおアンモニアストリッピング処理の条件
や活性汚泥処理の条件については、処理対象となる排水
の性質や処理設備の規模等に応じて適宜設定してもよ
い。
【0045】その他、本発明の実施形態は、状況に応じ
適宜変更可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、畜産排水等をメタン発
酵処理して得られた発酵液にアンモニアストリッピング
処理を施して、あらかじめアンモニア態窒素を除去する
と同時に全窒素量を低減させてから活性汚泥処理を行う
から、活性汚泥の活性を阻害して排水処理能力の低下を
招く、というおそれがない。依って、畜産排水等の高負
荷の排水に対し、活性汚泥法の優れた浄化能力を活用し
た排水処理を実行することができるので、BOD・残存
窒素量の少ない処理水が得られる。
【0047】発酵液のアンモニア除去手段としてアンモ
ニアストリップ法を採用したので、高濃度の発酵液に対
しても、効率良くアンモニア除去処理を施すことが可能
である。それ故、維持管理が容易で且つ安定性に優れた
排水処理を実行できる。
【0048】曝気槽における活性汚泥処理で得られる処
理水の固液分離を濾過膜を用いて行うことにより、沈殿
槽を省略することができて、しかも活性汚泥の性質変化
にかかわりなく、確実にSS値が小さく清澄度が高い放
流水が得られる。また膜孔径によっては細菌も除去でき
る。従って、放流水の後処理を不要としたり、再利用を
図ったりすることが可能となる。
【0049】処理水の固液分離を濾過膜で行うことによ
り、放流水の清澄度を損なうことなく、曝気槽内のML
SSの値を高めることが可能となる。従来、曝気槽内の
MLSSの値は2000〜5000mg/l程度であ
り、それ以上に設定すると、放流水のSS等の性状に悪
影響が出る。これに対し本発明ではMLSSを5000
〜20000mg/lの範囲に設定できるので、同容積
の曝気槽に対し、活性汚泥量を従来の2〜10倍に高め
ることができ、それだけ排水処理能力を増大させること
ができる。
【0050】あるいは前記と同様の理由により、本発明
は、従来よりも小型の曝気槽で、従来と同等か又はそれ
以上の浄化能力を発揮させることができる。沈殿槽が不
要になることと相俟って、本発明に係る処理設備の所要
設置スペースは、従来のおよそ半分となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理設備の一例を示す概略図であ
る。
【図2】従来の処理設備を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 豊 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株 式会社 栃木事業所内 (56)参考文献 特開 昭59−39396(JP,A) 特開 平7−8991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/30 C02F 3/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタン発酵法による処理液を活性汚泥法
    で浄化処理する方法において、アンモニアストリッピン
    グ法で処理したのち、活性汚泥処理することを特徴とす
    る排水処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の活性汚泥処理により得
    られた処理水の固液分離を、濾過膜を用いて行うことを
    特徴とする排水処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の方法において、活性汚泥処理
    を行う曝気槽内に、濾過膜を用いる固液分離器を設置し
    て処理水の固液分離を行う排水処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3の方法において、活性汚
    泥処理を行う曝気槽の浮遊物濃度を5000〜2000
    0mg/lに設定する排水処理方法。
  5. 【請求項5】 ストリッピング槽と曝気槽とから構成さ
    れていることを特徴とするメタン発酵処理液の処理設
    備。
  6. 【請求項6】 前記曝気槽内に、濾過膜を用いる固液分
    離器が設置されている請求項5に記載のメタン発酵処理
    液の処理設備。
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