JP3265243B2 - 鉄道車両用軌間可変台車 - Google Patents

鉄道車両用軌間可変台車

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JP3265243B2
JP3265243B2 JP25881597A JP25881597A JP3265243B2 JP 3265243 B2 JP3265243 B2 JP 3265243B2 JP 25881597 A JP25881597 A JP 25881597A JP 25881597 A JP25881597 A JP 25881597A JP 3265243 B2 JP3265243 B2 JP 3265243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、標準軌と狭軌とを
連続して走行可能な鉄道車両用軌間可変台車に関し、よ
り詳しくは、例えば軌道の異常等により軌間可変台車の
台車枠が跳ね上がるような異常事態が生じたときに、軌
間変更機構を作動不能に固定するロック装置を有した鉄
道車両用軌間可変台車に関する。
【0002】日本の鉄道においては、例えば新幹線等に
使用されている軌間寸法1435mmの標準軌と、在来
線等に使用されている軌間寸法1067mmの狭軌とが
併用されているが、軌間の異なるこれらの軌道上を連続
して走行し得る鉄道車両を開発すれば、乗客の利便性や
到達時間の短縮、鉄道建設費の低減等、そのメリットは
極めて大きい。そこで、本願の出願人は種々の鉄道車両
用軌間可変台車を開発し先に出願している。(特開平8
−253147号、特開平8−332950号、特開平
8−332951号、特願平9−93834号他)
【0003】これらの先願に係る軌間可変台車において
軌間を変更する際には、まずロッキングブロックを軸箱
に対して下方に相対変位させ、ロッキングブロックと軸
箱との係合を解除する。次いで、ロッキングブロックと
車輪とを一体に車軸の軸線方向に変位させて軌間を変更
した後、今度はロッキングブロックを軸箱に対して上方
に相対変位させて軸箱とロッキングブロックとを再び係
合させ、車輪を軌間変更不能に固定する。
【0004】ところが、例えば軌道の異常等により軌間
可変台車の台車枠が跳ね上がるような異常事態が生じ、
万が一軸箱がロッキングブロックから浮き上がると、ロ
ッキングブロックと軸箱との係合が解除され、軌間変更
可能な状態に陥るおそれがある。そこで、本願の出願人
は、軌道の異常等により軌間可変台車の台車枠が跳ね上
がった場合でも、ロッキングブロックと軸箱との係合が
解除されることがなく、したがって意図しない軌間変更
が行われて車輪が軌道から外れることのない軌間可変台
車を開発し先に出願している。(特願平8−15387
3号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この先
願(特願平8−153873号)に係る軌間可変台車
は、地上側に設けた車体支持レールと協動してはじめて
動作し、軌間変更機構を作動可能な状態とする構造とさ
れている。
【0006】そこで、本発明の目的は、鉄道車両用軌間
可変台車が軌道の異常部分を走行する等して台車枠が跳
ね上がった場合でも、軸箱がロッキングブロックから浮
き上がって軌間変更可能な状態に陥ることを確実に防止
できる、地上側の設備とは一切関係なく独立して動作可
能な鉄道車両用軌間可変台車を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の鉄道車両用軌間可変台車は、鉄道車両用軌
間可変台車の台車枠に対して上下方向に相対変位自在な
軸箱と、この軸箱に対して下方に相対変位させられると
前記軸箱との係合が解除され、車輪と共に車軸の軸線方
向への変位が許容されるロッキングブロックと、このロ
ッキングブロック側に突出させられると前記ロッキング
ブロックと係合し、前記ロッキングブロックを前記軸箱
に対して下方に相対変位不能に固定する固定ピンと、前
記台車枠が前記軸箱から所定寸法以上に上昇すると、前
記固定ピンを前記ロッキングブロック側に突出させる固
定ピン作動手段とを備える。
【0008】好ましくは、前記固定ピンを前記ロッキン
グブロックから離間する方向に常に付勢する付勢手段を
さらに設ける。そして、前記固定ピン作動手段は、前記
台車枠が前記軸箱から所定寸法以上に上昇すると、前記
付勢手段による付勢力に抗して前記固定ピンを前記ロッ
キングブロック側に突出させる。
【0009】また、前記固定ピン作動手段は、所定寸法
以上に前記軸箱から上昇すると前記固定ピンに当接して
前記固定ピンを前記ロッキングブロック側に突出させる
カム面を有した、前記台車枠と一体に上下動する可動部
材とされる。
【0010】若しくは、前記固定ピン作動手段は、前記
台車枠と一体に上下動する可動部材と、この可動部材の
上下動を前記固定ピンに伝達して前記固定ピンを前記ロ
ッキングブロック側に突出させるリンク機構とを有す
る。
【0011】そして、前記リンク機構は、前記可動部材
が有するカム面によって回動させられる第1のカムと、
この第1のカムと一体に回動して前記固定ピンを前記ロ
ッキングブロック側に突出させる第2のカムとを有す
る。
【0012】さらに、前記リンク機構の前記可動部材お
よび前記第1のカムは、前記第2のカムおよび前記固定
ピンに対してオフセットして配置される。
【0013】すなわち、軌道等の異常によって台車枠が
跳ね上がった際に、軸箱がロッキングブロックから浮き
上がって軌間変更可能な状態に陥る現象は、軌間可変台
車の台車枠が所定寸法以上に軸箱から上昇し、鉄道車両
の車体重量が軸ばねを介して軸箱に負荷されなくなって
はじめて生じる。そこで、本発明の鉄道車両用軌間可変
台車においては、台車枠が軸箱から所定寸法以上に上昇
すると、固定ピン作動手段が固定ピンをロッキングブロ
ック側に突出させる。すると、固定ピンはロッキングブ
ロックと係合し、ロッキングブロックを軸箱に対して下
方側に相対変位不能に固定する。これにより、軸箱とロ
ッキングブロックとの係合を解除することができなくな
るから、車輪は軌間変更不能に固定されたままとなる。
【0014】また、付勢手段を用いて固定ピンをロッキ
ングブロックから離間する方向に常に付勢することとす
れば、通常時には何ら支障を来すことなく軌間変更動作
を行うことができる。
【0015】また、台車枠と一体に上下動する可動部材
が所定寸法以上に軸箱から上昇すると、可動部材のカム
面が固定ピンをロッキングブロック側に突出させるの
で、固定ピンはロッキングブロックを軸箱に固定し、軌
間変更を不能とする。
【0016】また、台車枠と一体に上下動する可動部材
が所定寸法以上に軸箱から上昇すると、リンク機構が固
定ピンをロッキングブロック側に突出させるので、固定
ピンはロッキングブロックを軸箱に固定し、軌間変更を
不能とする。
【0017】また、リンク機構は、可動部材が有するカ
ム面によって回動させられる第1のカムと、この第1の
カムと一体に回動して固定ピンをロッキングブロック側
に突出させる第2のカムとから構成することができる。
【0018】そして、前記リンク機構の可動部材および
第1のカムを、第2のカムおよび固定ピンに対してオフ
セットして配置することにより、例えば台車枠と軸箱と
の間に介装されるショックアブソーバ等の他の部品との
干渉を避けることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明による鉄道車両用軌
間可変台車の一実施形態を、図1乃至図10を参照して
詳細に説明する。ここで、図1は本発明による第1実施
形態の鉄道車両用軌間可変台車の要部を拡大して示す一
部破断側面図、図2は図1に示した軸箱とロッキングブ
ロックとを示す正面図、図3は図2に示した軸箱の水平
断面図、図4は図1の要部を拡大して示す一部破断側面
図、図5は図1中に示した固定ピンの通常状態を示す水
平断面図、図6は図1中に示した固定ピンがロッキング
ブロック側に突出した状態を示す水平断面図である。ま
た、図7は本発明による第2実施形態の鉄道車両用軌間
可変台車の要部を拡大して示す一部破断側面図、図8は
図7に示した軸箱とロッキングブロックとを示す正面
図、図9は図7中に示した固定ピンの通常状態を示す縦
断面図、図10は図7中に示した固定ピンがロッキング
ブロック側に突出した状態を示す縦断面図である。な
お、以下の説明においては車軸の軸線方向を単に「軸線
方向」と、また鉄道車両用台車の走行方向を単に「前後
方向」と、鉄道車両用台車に対する上下方向を単に「上
下方向」と呼ぶことがある。
【0020】第1実施形態 まず、図1乃至図6を参照し、本発明による第1実施形
態の鉄道車両用軌間可変台車について説明する。
【0021】図1に示した本第1実施形態の鉄道車両用
軌間可変台車100は、ウィングばね式の車軸支持構造
を有し、その軸箱10の軸ばね支持部11と台車枠Dと
の間には軸ばね12が介装されている。そして、前記軸
箱10の中央に設けられた車軸1の軸線方向に貫通する
中空部13内には、ロッキングブロック20が上下方向
にスライド変位可能に嵌装されている。
【0022】このロッキングブロック20は、車軸1に
対して軸線方向にスライド自在に外嵌された車軸外筒2
の端部に、相対回動不能にスプライン嵌合している。ま
た、前記ロッキングブロック20の上面には、図2に示
したように、軸箱10に貫設された係合孔14とそれぞ
れ係脱自在に嵌合する一対の係合突起21,22が突設
されている。これにより、図2において、図示左側の係
合突起21が軸箱10の係合孔14と係合すると、前記
車軸外筒2に回転自在に取り付けられた図示されない車
輪は狭軌対応状態に固定される。これに対して、図示右
側の係合突起22が軸箱10の係合孔14と係合した場
合には、前記車輪は標準軌対応状態に固定される。さら
に、このロッキングブロック20を形成する外壁面のう
ち、軸箱10の内壁面10aと摺動する外壁面23に
は、図2に示したように、前記係合突起21,22の軸
線方向の間隔Lと等しい間隔Lを開けて軸線方向に配置
された、一対の係合孔24,25が凹設されている。
【0023】本第1実施形態の鉄道車両用軌間可変台車
100の軌間を、例えば図2に示した狭軌対応状態から
標準軌対応状態に変更する際には、まずロッキングブロ
ック20を軸箱10に対して下方に相対変位させ、図2
おいて図示左側の係合突起21と軸箱10の係合孔14
との係合を解除する。次いで、ロッキングブロック20
を車軸外筒2に取り付けられた図示されない車輪と一体
に軸線方向に図示左側に変位させ、図示右側の係合突起
22と軸箱10の係合孔14とを上下方向に対向させ
る。その後、ロッキングブロック20を軸箱10に対し
て上方に相対変位させ、係合突起22と係合孔14とを
係合させると、車輪は標準軌対応状態に固定される。な
お、軌間を変更する機構の詳細については、本願の出願
人による前述した先願に記載されているので、ここでは
その説明を省略する。
【0024】ところで、本第1実施形態の鉄道車両用軌
間可変台車100が軌道の異常部分を走行すると、台車
枠Dが跳ね上がるような異常事態が生じるおそれがあ
る。この場合、軸箱10がロッキングブロック20から
万が一浮き上がると、軸箱10とロッキングブロック2
0との軸線方向の係合が解除され、走行中に軌間変更可
能な状態に陥ってしまう。
【0025】そこで、本第1実施形態の鉄道車両用軌間
可変台車100は、ロッキングブロック20が軸箱10
に対して下方に相対変位することを阻止する、軸箱10
に取り付けられた固定ピン組立体30と、軌間可変台車
100が軌道から跳ね上がるような異常事態が生じた際
に、前記固定ピン組立体30を作動させる固定ピン作動
手段40とを備えている。
【0026】前記固定ピン組立体30は、図3に示した
ように、軸箱10の軸ばね12に隣接する縦壁15に貫
設された貫通孔16内に嵌入された、金属製の円筒状部
材であるブッシュ31と、このブッシュ31内にスライ
ド自在に嵌合するとともに、その先端がロッキングブロ
ック20側に出没自在とされた金属製の円柱状部材であ
る固定ピン32と、この固定ピン32をロッキングブロ
ック20から離間する方向に常に付勢する板ばね33と
を有している。なお、前記ブッシュ31は、例えば浸炭
焼入等の熱処理が施されてその表面硬度が高められ、前
記固定ピン32とのスライド嵌合によっては容易に摩耗
しないようにされている。また、前記固定ピン32は、
ロッキングブロック20が軸箱10に対して軌間変更不
能に係合している状態のときにロッキングブロック20
側に突出すると、ロッキングブロック20の前記係合孔
24,25のいずれか一方と係合し、ロッキングブロッ
ク20が軸箱10に対して下方に相対変位することを阻
止するようにされている。
【0027】また、前記板ばね33は、帯板状のばね鋼
を略U字形に湾曲させた部材とされ、軸箱10の外壁面
17にリベット34で密着固定された固定部分35と、
この固定部分35に湾曲部分36を介して連設された可
動部分37とを有している。そして、図5に拡大して示
したように、前記固定部分35の先端35aは、固定ピ
ン32の側面に形成された段部32bに係合している。
さらに、前記可動部分37の先端37aは固定ピンの後
端側に形成されたスリット32c内に挿入されている。
これにより、板ばね33は、図5に示したように、その
可動部分37のばね力により、固定ピン32がロッキン
グブロック20から離間する方向に常に付勢している。
しかしながら、固定ピン32は、その段部32bが固定
部分35の先端35aに係合しているので、ブッシュ3
1から抜け出ることはない。
【0028】一方、前記固定ピン作動手段40は、図1
に示したように、軸箱10の前記外壁面17と対向する
ように台車枠Dにボルト41で螺着された、帯板状の可
動板40とされている。この可動板40は、図4に示し
たように台車枠Dから固定ピン32の後端32dに向か
って下方に延びる第1の縦壁部分42と、この第1の縦
壁部分42の下端から連設されて下側ほど前記外壁面1
7に接近する傾斜部分43と、この傾斜部分43の下端
から連設されて前記外壁面17と平行に延びる第2の縦
壁部分44とを有している。そして、前記傾斜部分43
の固定ピン32側の側面43aと、前記第2の縦壁部分
44の前記外壁面17側の側面44aとが、固定ピン3
2をロッキングブロック20側に突出させるカム面とさ
れている。
【0029】次に、上述のように構成された固定ピン組
立体30と固定ピン作動手段40の動作について説明す
る。まず、本第1実施形態の鉄道車両用軌間可変台車1
00が走行すると、台車枠Dは軸ばね12の伸縮により
軸箱10に対して上下動する。しかしながら、台車枠D
が通常上下動する範囲では、可動板40の前記第1の縦
壁部分42が、固定ピン32の後端32dに対して所定
の間隔を開けて上下動するのみで、固定ピン32に接触
することはない。そして、固定ピン32は板ばね33に
よりロッキングブロック20から離間させられ、その先
端32aはブッシュ31の内部に埋没している。したが
って、本第1実施形態の鉄道車両用軌間可変台車100
が軌間変更区間を走行することにより軌間変更が行われ
る際には、台車枠Dが通常の上下動範囲内で上下動して
も、ロッキングブロック20は軸箱10に対して固定さ
れないから、軌間変更をスムーズに行うことができる。
【0030】一方、軌間可変台車100が軌道の異常部
分を走行すると、台車枠Dに跳ね上がりが生じる場合が
ある。このとき、台車枠Dが軸箱10に対して大きく上
昇しても、軸ばね12が完全に伸びきるまでは、軸箱1
0は軸ばね12の反力によりロッキングブロック20に
押し付けられるので、軸箱10がロッキングブロック2
0から浮き上がることはない。
【0031】しかしながら、台車枠Dの軸箱10に対す
る著しい上昇が生じると、可動板40も台車枠Dと一体
に軸箱10から著しく上昇する。これに伴い、可動板4
0の傾斜部分43が固定ピン32の後端32dに当接
し、固定ピン32をロッキングブロック20側に突出さ
せる。そして、台車枠Dがさらに上昇すると可動板40
の第2の縦壁部分44が固定ピン32の後端32dに当
接するので、固定ピン32はロッキングブロック20側
に突出した状態に保たれる。
【0032】固定ピン32は、可動板40の傾斜部分4
3および第2の縦壁部分44によってロッキングブロッ
ク20側に突出させられると、その先端32aが、狭軌
対応状態においてはロッキングブロック20の係合孔2
4に、また標準軌対応状態においてはロッキングブロッ
ク20の係合孔25に係合する。これにより、ロッキン
グブロック20は固定ピン32によって軸箱10に係止
され、軸箱10に対して下方に相対変位することができ
なくなるので、台車枠Dが跳ね上がっても軸箱10がロ
ッキングブロック20から浮き上がることはなく、軌間
変更可能な状態に陥ることが防止される。
【0033】すなわち、本第1実施形態の鉄道車両用軌
間可変台車100は、台車枠Dが軸箱10に対して著し
く上昇すると、可動板40の傾斜部分43および第2の
縦壁部分44が固定ピン32をロッキングブロック20
側に突出させ、ロッキングブロック20を軸箱10に係
止する構造とされている。これにより、軌道の異常部分
を走行して台車枠Dが跳ね上がるような異常事態が生じ
ても、軸箱10がロッキングブロック20から浮き上が
って軌間変更可能な状態に陥ることを確実に防止するこ
とができる。また、本第1実施形態の鉄道車両用軌間可
変台車100は、前述した先願のように地上側に設けた
設備を一切必要とせず、軌間可変台車に取り付けた部品
のみによって作動する。また、固定ピン32と可動板4
0とは、共に軽量小型に構成することができるばかりで
なく、構造も極めて簡単であるから、本第1実施形態で
説明したウィングばね式に関わらず、その他の形式の車
軸構造を有した鉄道車両用軌間可変台車にも容易に適用
することができる。
【0034】第2実施形態 次に、図7乃至図11を参照し、本発明による第2実施
形態の鉄道車両用軌間可変台車について詳細に説明す
る。図7に示した本第2実施形態の鉄道車両用軌間可変
台車200は、軸はり式の車軸支持構造を有している。
すなわち、軸箱50は、先端が台車枠に軸支された軸は
り51と、この軸はり51の揺動端に一体に取り付けら
れた軸箱本体52とを有している。そして、前記軸箱本
体52の上面に取り付けられたばね座53と台車枠Dと
の間には、軸ばね54,55が介装されている。また、
軸箱本体52の中央に設けられた車軸1の軸線方向に貫
通する中空部56内には、ロッキングブロック60が上
下方向に変位可能に収納されている。
【0035】このロッキングブロック60は、車軸1に
スライド自在に外嵌された車軸外筒2の端部に、相対回
動不能にスプライン嵌合している。また、前記ロッキン
グブロック60の上面には、図8に示したように、軸箱
本体52に貫設された係合孔57とそれぞれ係脱自在に
嵌合可能な一対の係合突起61,62が、軸線方向に所
定の間隔Lを開けるように並んで突設されている。これ
により、図8において、図示左側の係合突起61が軸箱
本体52の係合孔57と係合すると、図示されない車輪
は狭軌対応状態に固定される。これに対して、図示右側
の係合突起62が軸箱本体52の係合孔57と係合した
場合には、前記車輪は標準軌対応状態に固定される。さ
らに、このロッキングブロック60を形成する外壁面の
うち、軸箱50の内壁面58と摺動する部分63の下端
部には、図8に示したように、前記係合突起61,62
の軸線方向の間隔Lと等しい間隔Lを開けて軸線方向に
配置された、下方に開く略半円形状の一対の係合凹部6
4,65が凹設されている。
【0036】また、本第2実施形態の鉄道車両用軌間可
変台車200は、ロッキングブロック60が軸箱50に
対して下方に変位することを阻止する、軸箱50に取り
付けられた固定ピン組立体70と、台車枠Dが跳ね上が
るような異常事態が生じた際に、前記固定ピン組立体7
0を作動させる固定ピン作動手段80とを備えている。
【0037】前記固定ピン組立体70は、図7に示した
ように、軸箱50の前記軸はり51とは反対側の縦壁に
貫設された貫通孔59内に嵌入されている金属製円筒状
部材であるブッシュ71と、このブッシュ71内にスラ
イド自在に嵌合するとともに、その先端がロッキングブ
ロック60側に出没自在とされた金属製円柱状部材であ
る固定ピン72と、この固定ピン72をロッキングブロ
ック60から離間する方向に常に付勢する、固定ピン7
2に嵌装されたコイルばね73と、ブッシュ71と固定
ピン72との間に介装されたオーリング74とを有して
いる。
【0038】前記ブッシュ71は、例えば浸炭焼入等の
熱処理が施されてその表面硬度が高められ、固定ピン7
2とのスライド嵌合によっては容易に摩耗しないように
されている。また、前記固定ピン72は、ロッキングブ
ロック60が軸箱50に対して軌間変更不能に係合して
いる状態のときにロッキングブロック60側に突出する
と、ロッキングブロック60の前記係合凹部64,65
のいずれかと係合し、ロッキングブロック60が軸箱5
0に対して下方に変位することを阻止するようにされて
いる。また、前記コイルばね73は、固定ピン72がロ
ッキングブロック60から離間するように、図示右方向
に常に付勢している。しかしながら、固定ピン72は、
その後端部72bが前記固定ピン作動手段80の後述す
る第2のカム84に当接しているので、ブッシュ71か
ら脱落することはない。
【0039】一方、前記固定ピン作動手段80は、図7
および図8に示したように、軸箱50に螺着されたブラ
ケット81によって回動自在に支持されて水平に延びる
支軸82と、この支軸82の一方の端部に取り付けられ
て支軸82と一体に回動する第1のカム83と、前記支
軸82の他方の端部に取り付けられて支軸82と一体に
回動する第2のカム84とを有している。なお、前記第
2のカム84には前記ブラケット81と係合する図示さ
れないストッパが設けられている。これにより、第2の
カム84は、固定ピン72によって押圧されても、所定
の角度以上には回動しないようにされている。さらに、
前記固定ピン作動手段80は図7および図8中に2点鎖
線で描かれたカバーによって覆われ、石はね等から保護
されている。
【0040】また、図8に示したように前記第1のカム
83と対向するように配置された可動板85が、図7に
示したようにブラケット86によって台車枠Dに取り付
けられている。さらに、前記可動板85の下端部には、
この可動板85が台車枠Dと一体に軸箱50に対して上
昇したときに前記第1のカム83の先端と当接する傾斜
部分87と、この傾斜部分87から連設されて下方に延
びる縦壁部分88とを有し、固定ピン72を駆動するカ
ム面を形成している。
【0041】軌間可変台車200が軌道の異常部分を走
行して台車枠Dが跳ね上がり、台車枠Dが軸箱50に対
して著しく上昇すると、可動板85の傾斜部分87が第
1のカム83に当接して支軸82を回動させる。する
と、支軸82と一体に回動する第2のカム84が固定ピ
ン72の後端72bに当接し、固定ピン72をロッキン
グブロック60側に突出させる。なお、台車枠Dと共に
可動板85がさらに上昇しても、可動板85の縦壁部分
88が第1のカム83に当接して支軸82を回動した状
態に保つので、固定ピン72は第2のカム84によりロ
ッキングブロック60側に押動された状態に保たれる。
【0042】固定ピン72は、ロッキングブロック60
側に突出させられると、その先端72aが、狭軌対応状
態においてはロッキングブロック60の係合凹部64
に、また標準軌対応状態においてはロッキングブロック
60の係合孔凹部65と係合する。これにより、ロッキ
ングブロック60は固定ピン72によって軸箱50に係
止され、軸箱50に対して下方に変位することができな
くなるので、台車枠Dが軸箱50から著しく上昇して
も、軸箱50がロッキングブロック60から浮き上が
り、軌間変更可能な状態に陥ることが防止される。
【0043】すなわち、本第2実施形態の鉄道車両用軌
間可変台車200においては、台車枠Dと一体に上下動
する可動板85の動きを、水平に延びる支軸82の両端
部に取り付けられた第1および第2のカム83,84を
介して固定ピン72に伝達し、固定ピン72を駆動して
ロッキングブロック60側に突出させるようにされてい
る。これにより、例えば台車枠Dと軸箱50との間に介
装された図示されないショックアブソーバとの干渉を避
けるために、可動板85を固定ピン72に対してオフセ
ットして配置せざるを得ない場合でも、台車枠Dが軸箱
50から著しく上昇した場合には固定ピン72をロッキ
ングブロック60側に突出させ、ロッキングブロック6
0を軸箱50に係止して、軌間変更可能な状態に陥るこ
とを確実に防止することができる。
【0044】以上、本発明に係る鉄道車両用軌間可変台
車の各実施形態ついて詳しく説明したが、本発明は上述
した実施形態によって限定されるものではなく、種々の
変更が可能であることは言うまでもない。例えば、上述
した実施形態においては、固定ピン32,72をロッキ
ングブロック20,60側に突出させるために可動板4
0,85を用いているが、これらの可動板40,85に
代えて、棒材等の種々の形状の部材を用いることもでき
る。また、台車枠の上昇を固定ピンに伝達するリンク機
構として、種々の形式のリンク機構を用いることができ
る。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の鉄道車両用軌間可変台車は、軌道の異常部分を走行す
る等して台車枠が所定寸法以上に軸箱から上昇すると、
固定ピン作動手段が固定ピンをロッキングブロック側に
突出させ、ロッキングブロックを軸箱に対して下方側に
相対変位不能に固定する構造としたものである。これに
より、ロッキングブロックは軸箱に対して下方側に相対
変位不能に固定されるので、軸箱とロッキングブロック
との係合は解除されず、したがって、車輪は軌間変更不
能に固定されたままとなる。また、本発明の鉄道車両用
軌間可変台車は、軌間可変台車に取り付けた部品の作動
のみによって上記の機能を達成するものであるから、地
上側の設備を一切必要としない。さらに、本発明は、例
えば軸はり式やウィングばね式等の車軸支持構造の種類
に関わらず、軌間可変台車に広く適用することができ
る。したがって、本発明によれば、軌道の異常部分を走
行する等して台車枠が跳ね上がった場合でも、軸箱がロ
ッキングブロックから浮き上がって軌間変更可能な状態
に陥ることを確実に防止できる、地上側の設備とは一切
関係なく独立して動作可能な鉄道車両用軌間可変台車を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施形態の鉄道車両用軌間可
変台車の要部を拡大して示す一部破断側面図。
【図2】図1に示した軸箱とロッキングブロックとを示
す正面図。
【図3】図2に示した軸箱の水平断面図。
【図4】図1の要部を拡大して示す一部破断側面図。
【図5】図1中に示した固定ピンの通常状態を示す水平
断面図。
【図6】図1中に示した固定ピンがロッキングブロック
側に突出した状態を示す水平断面図。
【図7】本発明による第2実施形態の鉄道車両用軌間可
変台車の要部を拡大して示す一部破断側面図。
【図8】図7に示した軸箱とロッキングブロックとを示
す正面図。
【図9】図7中に示した固定ピンの通常状態を示す縦断
面図。
【図10】図7中に示した固定ピンがロッキングブロッ
ク側に突出した状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
D 台車枠 1 車軸 2 車軸外筒 10 軸箱 11 軸ばね支持部 12 軸ばね 13 中空部 14 係合孔 15 縦壁 16 貫通孔 17 外壁面 20 ロッキングブロック 21,22 係合突起 24,25 係合孔 30 固定ピン組立体 31 ブッシュ 32 固定ピン 33 板ばね(付勢手段) 40 可動板(固定ピン作動手段) 42 第1の縦壁部分 43 傾斜部分 44 第2の縦壁部分 50 軸箱 51 軸はり 52 軸箱本体 53 ばね座 54,55 軸ばね 60 ロッキングブロック 61,62 係合突起 64,65 係合凹部 70 固定ピン組立体 71 ブッシュ 72 固定ピン 73 コイルばね(付勢手段) 74 オーリング 80 固定ピン作動手段 81 ブラケット 82 支軸 83 第1のカム 84 第2のカム 85 可動板 90 カバー 100 本発明による第1実施形態の鉄道車両用軌間可
変台車 200 本発明による第1実施形態の鉄道車両用軌間可
変台車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箕 輪 行 雄 東京都三鷹市大沢三丁目9番6号 株式 会社スバル研究所内 (56)参考文献 特開 平8−253147(JP,A) 特開 平8−332950(JP,A) 特開 平8−332951(JP,A) 特開 平10−278783(JP,A) 特開 平10−1049(JP,A) 特開 平6−40335(JP,A) 特開 平6−298090(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 7/00 B61F 5/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道車両用軌間可変台車の台車枠に対して
    上下方向に相対変位自在な軸箱と、 この軸箱に対して下方に相対変位させられると前記軸箱
    との係合が解除され、車輪と共に車軸の軸線方向への変
    位が許容されるロッキングブロックと、 このロッキングブロック側に突出させられると前記ロッ
    キングブロックと係合し、前記ロッキングブロックを前
    記軸箱に対して下方に相対変位不能に固定する固定ピン
    と、 前記台車枠が前記軸箱から所定寸法以上に上昇すると、
    前記固定ピンを前記ロッキングブロック側に突出させる
    固定ピン作動手段と、を備えることを特徴とする鉄道車
    両用軌間可変台車。
  2. 【請求項2】前記固定ピンを前記ロッキングブロックか
    ら離間する方向に常に付勢する付勢手段をさらに備える
    とともに、前記固定ピン作動手段は、前記台車枠が前記
    軸箱から所定寸法以上に上昇すると、前記付勢手段によ
    る付勢力に抗して前記固定ピンを前記ロッキングブロッ
    ク側に突出させることを特徴とする請求項1に記載の鉄
    道車両用軌間可変台車。
  3. 【請求項3】前記固定ピン作動手段は、所定寸法以上に
    前記軸箱から上昇すると前記固定ピンに当接して前記固
    定ピンを前記ロッキングブロック側に突出させるカム面
    を有した、前記台車枠と一体に上下動する可動部材とさ
    れることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用軌間
    可変台車。
  4. 【請求項4】前記固定ピン作動手段は、前記台車枠と一
    体に上下動する可動部材と、この可動部材の上下動を前
    記固定ピンに伝達し、前記固定ピンを前記ロッキングブ
    ロック側に突出させるリンク機構とを有することを特徴
    とする請求項1に記載の鉄道車両用軌間可変台車。
  5. 【請求項5】前記リンク機構は、前記可動部材が有する
    カム面によって回動させられる第1のカムと、この第1
    のカムと一体に回動して前記固定ピンを前記ロッキング
    ブロック側に突出させる第2のカムとを有することを特
    徴とする請求項4に記載の鉄道車両用軌間可変台車。
  6. 【請求項6】前記リンク機構の可動部材および前記第1
    のカムが、前記第2のカムおよび前記固定ピンに対して
    オフセットして配置されることを特徴とする請求項5に
    記載の鉄道車両用軌間可変台車。
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