JP3264633B2 - 高速炉 - Google Patents
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Description
特に、炉心外周に設けた反射体によって炉心燃料の燃焼
を制御するようにした高速炉に関する。
け、この反射体によって炉心燃料の燃焼を制御するよう
にした高速炉が提案されている。この種の高速炉の一例
が特開平6−59069号公報に示されている。図7は
この従来の高速炉の概略構成を示した縦断面図である。
された炉心2が原子炉容器1の内部に収納されており、
この炉心2の外周には炉心2と同心状に環状の反射体3
が配置され、この反射体3の外周には中性子遮蔽体4が
同じく同心状に配置されている。
中矢印実線で示したように強制循環させる電磁ポンプ7
が設けられており、冷却材5は炉心2によって加熱され
た後に中間熱交換器8に送られる。中間熱交換器8の二
次側には、図中破線矢印で示したように二次ナトリウム
入口10を介して二次ナトリウムが流入しており、この
二次ナトリウムと冷却材5との間で熱交換が行われ、熱
を受け取った二次ナトリウムは、二次ナトリウム出口1
1から流出して別系統(図示せず)に熱を輸送する。ま
た、原子炉停止中における崩壊熱は、原子炉容器1内に
設けられた崩壊熱除去コイル9によって除去される。
2から放射された中性子を反射して炉心2側に戻すこと
によって中性子の漏洩を防止し、反射体3に包囲された
部分の炉心2における燃焼を促進する。一方、周囲に反
射体3がない部分の炉心2においては核分裂によって発
生した中性子が炉心2の外へ拡散してしまうので燃焼は
促進されない。
動するための反射体駆動装置を備えており、この反射体
駆動装置は反射体3を高速で移動させる高速反射体駆動
装置Aと、反射体3を超微速で徐々に移動させる超微速
反射体駆動装置Bとから構成されており、これらの反射
体駆動装置A、Bによって反射体3が機械的に駆動され
る。
3を保持した長尺で且つ大径の円管13と、この円管1
3の上端が固着されたボールナット14と、このボール
ナット14を昇降自在に収納するケーシング15と、こ
のケーシング15の外周に設けたフランジ状の取付台1
6とを備えている。さらに、ボールナット14のネジ穴
にはボールネジ17が螺嵌されており、このボールネジ
17の上端部は、ケーシング15の上端から垂直方向外
方に回転自在に突出して上部減速機18に接続されてい
る。さらに、上部減速機18は、カップリング19を介
して、駆動モータ21に連結された下部減速機20に連
結されている。
器1の上端上方に打設された上部スラブ12上に略等間
隔で周設された複数の油圧シリンダ22を備えており、
これらの油圧シリンダ22は油管23を介して油圧装置
24に接続されている。また、複数の油圧シリンダ22
は、超微速反射体駆動装置Bの取付台16を下方から支
持している。
射体駆動装置Aの油圧シリンダ22を駆動して超微速反
射体駆動装置Bの取付台16を例えば1m/日の高速で
上昇させ、円管13の下端に保持された反射体3を停止
位置から起動位置まで上昇させる。一方、原子炉停止時
においては起動時とは逆に反射体3を起動位置から停止
位置まで高速で降下させる。
速反射体駆動装置Bのボールネジ17を回転させてボー
ルナット14を例えば3m/10年の超微速で上昇さ
せ、円管13の下端に保持された反射体3を運転開始当
初の起動位置から炉心2の原子燃料の最終燃焼位置まで
徐々に上昇させる。ここで、反射体3の初期の起動位置
から最終燃焼位置までの垂直距離を3m程度に設定すれ
ば、10年間で炉心2の原子燃料の全体を燃焼させるこ
とによってその間の燃料交換が不要となる。
射体3を駆動するために炉外に設置される反射体駆動装
置A、Bの構造が複雑であり、製造コストの増加をもた
らすという問題があった。また、反射体3を保持する円
管13は原子炉容器1の内部及び外部にわたって延びる
部材であり、しかも移動する部材であるため、原子炉内
のカバーガスを密封するために駆動軸シールが必要とな
るが、カバーガスの密封性を高めるためにこの駆動軸シ
ールの排除が強く求められていた。
開平8−15473号公報に示されている。図8及び図
9はこの公報に記載された高速炉の縦断面図であり、図
8は原子炉停止中の状態を示し、図9は原子炉通常運転
中の状態を示している。
の外周を取り囲む筒状の炉心バレル30を備えており、
さらに、炉心バレル30の外周を取り囲むようにして環
状の反射体3が上下動可能に設けられ、この反射体3は
その下部にダンパー32を有している。また、反射体3
を取り囲むようにして筒状の隔壁31が設けられてお
り、この筒状の隔壁31と炉心バレル30との間に環状
断面の冷却材流路36が形成されている。筒状の隔壁3
1は、原子炉の半径方向に配設された支持部材34を介
して炉心バレル30を支持している。支持部材34には
流入孔35が穿設されており、この流入孔35を介して
冷却材流路36内に冷却材5が下方から流入する。隔壁
31の外側には、この隔壁31を取り囲むようにして中
性子遮蔽体4が設けられており、この中性子遮蔽体4の
上方には冷却材5を強制循環させる電磁ポンプ7が設け
られている。また、原子炉容器1の外側を覆うようにし
てガードベッセル(図示せず)が設けられている。
30の外壁面30aに電磁吸引力によって吸着された反
射体駆動装置40を備えており、原子炉通常運転中にお
いては図9に示したようにこの反射体駆動装置40の下
部に反射体3が接触した状態となっている。図10は反
射体駆動装置40を含む反射体駆動機構部を示した縦断
面図であり、反射体駆動装置40は強磁性体からなるヨ
ーク44にコイル43を巻装して構成された保持用電磁
石41を備え、この保持用電磁石41の電磁吸引力(閉
ループ磁束M1による吸引力)によって炉心バレル30
の外壁面30aに吸着されている。また、反射体駆動装
置40は強磁性体からなるヨーク49にコイル48を巻
装して構成された連結用電磁石47を備え、この連結用
電磁石47の電磁吸引力(閉ループ磁束M2による吸引
力)によって下部に反射体3を保持している。さらに、
反射体駆動装置40は非磁性体からなる取付部材46に
よって保持された電磁反発コイル42を備えており、ま
た、反射体3の上部にはこの電磁反発コイル42に対向
するようにして導電板45が固着されている。
起動時においては、電磁ポンプ7によって原子炉容器1
内の冷却材5が強制循環され、図9中実線矢印で示した
ように、冷却材5は支持部材34の流入孔35を介して
炉心バレル30と隔壁31との間に形成された冷却材流
路36内に上方に向かって流入する。すると、原子炉停
止中には停止位置まで降下していた反射体3は、冷却材
流路36内に流入した冷却材5の流体圧によって上方に
高速で移動する。上昇した反射体3は、反射体駆動装置
40の下部に突き当たることによって停止し、さらに、
連結用電磁石47の電磁吸引力(閉ループ磁束M2によ
る吸引力)によって反射体駆動装置40の下部に保持さ
れる。
射体駆動装置40の下部に反射体3を保持した状態の下
で電磁反発コイル42に瞬間的に電流が流される。する
と、反射体駆動装置40と反射体3の導電板45との間
で互いに逆向きの電磁反発力が発生し、反射体3の質量
による慣性力に起因して反射体駆動装置40を上方に付
勢する力が発生する。この上方への付勢力が保持用電磁
石41と炉心バレル30との間の静止摩擦力よりも大き
くなるようにすることによって、反射体駆動装置40を
炉心バレル30に沿って上昇させることができる。この
ときの反射体駆動装置40の運動エネルギーは主として
動摩擦力によって次第に失われ、反射体駆動装置40は
元の位置から僅かに上昇した位置において静止する。
射体駆動装置40の下部から一瞬だけ切り離されて僅か
に降下し、その後、冷却材5の流体圧及び連結用電磁石
47の電磁吸引力によって上昇して再び反射体駆動装置
40の下部に接合される。このとき、反射体駆動装置4
0は元の位置から僅かに上昇しているので、反射体3も
同様に元の位置から僅かに上昇する。そして、電磁反発
コイル42への通電を繰り返し行うことによって、反射
体駆動装置40と共に反射体3を運転開始当初の起動位
置から最終燃焼位置まで超微速にて移動させることがで
きる。
プ7を停止することによって冷却材5の流れが止まり、
冷却材5の流体圧による上方への付勢力がなくなるの
で、連結用電磁石47の通電を遮断することによって遮
蔽体3は図8に示した停止位置まで降下する。ここで、
反射体3の下部に設けられたダンパー32によって着地
の際の衝撃力が吸収される。また、一旦停止した原子炉
を再起動する際には、上述したように電磁ポンプ7を駆
動し、冷却材5の流体圧によって反射体3を反射体駆動
装置4の位置まで上昇させる。
因によって反射体駆動装置4が上方に移動した場合に
は、原子炉を再起動した際に反射体3が原子炉停止時の
位置よりも高い位置まで上昇してしまう。すると、炉心
2の未燃焼部分において急激な核分裂反応が発生し、原
子炉が暴走してしまう恐れがある。しかしながら、上述
したように反射体駆動装置4は反射体3の慣性力を利用
して上方に駆動されるものであるから、原子炉が停止し
ている状態、すなわち反射体3が切り離された状態にお
いては反射体駆動装置4単体で移動させることは原理的
に不可能である。したがって、原子炉の停止期間中に反
射体駆動装置4が単体で移動することはなく、原子炉再
起動時における反射体駆動装置4の位置は原子炉を停止
した際の位置に等しく、再起動時の原子炉の暴走は確実
に防止される。
73号公報に示された高速炉は、電磁反発コイル42に
よる電磁反発力及び反射体3の慣性力を利用して反射体
駆動装置4と共に反射体3を上昇駆動することによっ
て、反射体3を駆動するための複雑な装置を炉外に設置
する必要がなくなり、しかも、駆動軸シールも不要とな
ってカバーガスの密封性を向上させることが可能であ
る。
高速炉においては原子炉停止中に反射体駆動装置40を
移動させることが原理的に不可能であることは既述の通
りであるが、原子炉の実際の運用においては、原子炉の
再起動時に反射体3の位置を僅かながら移動調整する必
要が生じる場合がある。つまり、一旦停止した原子炉を
再起動する際に、原子炉停止時のそのままの位置にある
反射体駆動装置40まで反射体3が高速で上昇すると、
反射体3が上昇停止した位置に対応する炉心2の部分に
おいて急激に核分裂反応が発生し、炉心2が過熱してし
まう恐れがある。したがって、原子炉の再起動時におい
ては、反射体駆動装置40を原子炉停止時の位置から予
め僅かに降下させておく必要がある。
子炉停止中においては反射体駆動装置40と反射体3と
が切り離されているため、反射体駆動装置40を降下さ
せることが全く不可能であった。
炉心燃料の燃焼を制御する高速炉であって、原子炉停止
中においても反射体駆動装置の位置調整を行うことがで
きる高速炉を提供することにある。
る高速炉は、原子炉容器内に収納された炉心を包囲する
筒状の炉心バレルと、この炉心バレルを包囲し、前記炉
心バレルとの間に環状断面の冷却材流路を形成する筒状
の隔壁と、前記冷却材流路内に上下動可能に設けられた
環状の反射体と、を備え、前記冷却材流路内を上方に向
かって流れる冷却材の流体圧によって前記反射体を上方
に付勢できるようにした高速炉において、前記炉心バレ
ルの外壁面に電磁吸引力によって吸着された反射体駆動
装置と、この反射体駆動装置の上部に上下動可能に設け
られた慣性体と、この慣性体と前記反射体駆動装置との
間に瞬間的な電磁反発力を垂直方向に発生させる電磁反
発コイルと、を備えたことを特徴とする。
装置の上部に前記慣性体の上下動作を案内する案内部材
を固設したことを特徴とする。
記反射体駆動装置の下部に電磁吸引力によって結合する
連結用電磁石をさらに有することを特徴とする。
方向に連設された複数の反射体構成部材によって全体と
して環状に構成されており、前記複数の反射体構成部材
のそれぞれに対応する複数の前記反射体駆動装置を有す
ることを特徴とする。
部にダンパーを設けたことを特徴とする。
形態について、図1乃至図6を参照して説明する。な
お、本実施形態による高速炉は、図8及び図9に示した
従来の高速炉の反射体駆動機構の部分を変更したものな
ので、図8及び図9に示した従来の高速炉と同一構成要
素には同一符号を付して説明する。
成を示した縦断面図であり、同図に示したようにこの高
速炉は、炉心2の外周を取り囲む筒状の炉心バレル30
を備えており、さらに、炉心バレル30の外周を取り囲
むようにして環状の反射体3が上下動可能に設けられ、
この反射体3はその下部にダンパー32を有している。
図2(a)は環状の反射体3を示しており、この反射体
3は図2(b)に示した反射体構成部材3aを周方向に
複数連設して全体として環状に構成されている。なお、
反射体3は、分割構造ではなく一体構造で環状に構成す
ることもできる。
の隔壁31が設けられており、この筒状の隔壁31と炉
心バレル30との間に環状断面の冷却材流路36が形成
されている。筒状の隔壁31は、原子炉の半径方向に配
設された支持部材34を介して炉心バレル30を支持し
ている。支持部材34には流入孔35が穿設されてお
り、この流入孔35を介して環状断面の冷却材流路36
内に冷却材5が下方から流入する。隔壁31の外側に
は、この隔壁31を取り囲むようにして中性子遮蔽体4
が設けられており、この中性子遮蔽体4の上方には冷却
材5を強制循環させる電磁ポンプ7が設けられている。
また、原子炉容器1の外側を覆うようにしてガードベッ
セル(図示せず)が設けられている。
外壁面30aに電磁吸引力によって吸着された複数の反
射体駆動装置50を備えており、これら複数の反射体駆
動装置50は、図2(a)に示したように複数の反射体
構成部材3aのそれぞれに対応するようにして周方向に
等間隔で配設されている。そして、原子炉通常運転中に
おいては図1に示したように反射体駆動装置50の下部
に反射体3が接触した状態であり、一方、原子炉停止中
においては反射体駆動装置50と反射体3とが切り離さ
れた状態であって、反射体3は停止位置まで降下してい
る(図8参照)。
動機構部を示した縦断面図であり、図4は図3の4−4
断面線に沿った横断面図である。図3及び図4に示した
ように、反射体駆動装置50は、強磁性体からなるヨー
ク51にコイル52を巻装して構成された保持用電磁石
53を備え、この保持用電磁石53の電磁吸引力(閉ル
ープ磁束M1による吸引力)によって炉心バレル30の
外壁面30aに吸着されている。また、反射体駆動装置
50は、強磁性体からなるヨーク54にコイル55を巻
装して構成された連結用電磁石56を備え、この連結用
電磁石56の電磁吸引力(閉ループ磁束M2による吸引
力)によって反射体3を保持している。また、反射体3
の上部にはこの連結用電磁石56に対向するようにして
継鉄部57が固着されている。
性体58が上下動可能に配置されている。具体的には、
反射体駆動装置50の上部には非磁性体よりなる案内部
材59が固設されており、この案内部材59の突部59
aが慣性体58の貫通孔58aに挿入されて慣性体58
の上下動作を案内するように構成されている。また、案
内部材59の基部59bには、慣性体58と反射体駆動
装置50との間に瞬間的な電磁反発力を垂直方向に発生
させる電磁反発コイル60が設けられている。この電磁
反発コイル60による瞬間的な電磁反発力は、電磁反発
コイル60に瞬間的に大電流を流すことによって発生さ
せることができるが、具体的には、コンデンサ(図示せ
ず)に充電した電荷を瞬間的に放電する方法などを用い
ることができる。
置50の側に電磁反発コイル60を配置するようにした
が、この電磁反発コイル60は慣性体58の側に配置す
ることもできるし、反射体駆動装置50及び慣性体58
の両方に配置することもできる。また、本実施形態にお
いては反射体駆動装置50の側に連結用電磁石56を配
置したが、この連結用電磁石56を反射体3の側に配置
することもできるし、反射体駆動装置50及び反射体3
の両方に配置することもできる。
いて説明する。保持用電磁石53のコイル52は原子炉
通常運転中及び原子炉停止中のいずれの場合においても
常時通電されており、反射体駆動装置50は保持用電磁
石53の電磁吸引力(閉ループ磁束M1による吸引力)
によって炉心バレル30の外壁面30aに常時吸着され
ている。
ンプ7によって原子炉容器1内の冷却材5が図1中実線
矢印で示したように強制循環され、冷却材5は支持部材
34の流入孔35を介して炉心バレル30と隔壁31と
の間に形成された冷却材流路36内に上方に向かって流
入する。すると、原子炉停止中には停止位置まで降下し
ていた反射体3(図8参照)は、冷却材流路36内に流
入した冷却材5の流体圧によって上方に高速で移動す
る。流体圧を受けて上昇した反射体3は、反射体駆動装
置50の下部、具体的には連結用電磁石56のヨーク5
4の下面に突き当たることによって停止する。ヨーク5
4下面で停止した反射体3は、冷却材5の流体圧によっ
て上方に常時付勢されると共に、連結用電磁石56のヨ
ーク54及び反射体3の継鉄部57を磁路とする閉ルー
プ磁束M2から生じる電磁吸引力によって反射体駆動装
置50の下部に保持される。
は、炉心2から放射された中性子を反射して炉心2側に
戻すことによって中性子の漏洩を防止し、反射体3に包
囲された部分の炉心2における燃焼を促進する。一方、
周囲に反射体3がない部分の炉心2においては核分裂に
よって発生した中性子が炉心2の外へ拡散してしまうの
で燃焼は促進されない。
駆動装置50及び反射体3を超微速で上昇駆動する際の
作用について図5を参照して説明する。なお、図5は、
反射体駆動装置50等の構造を簡略化して模式的に示し
ている。
る前の状態を示しており、反射体駆動装置50は保持用
電磁石53(図3参照)の電磁吸引力(閉ループ磁束M
1による吸引力)によって炉心バレル30の外壁面30
aに固着されており、また、反射体駆動装置50の下部
には連結用電磁石56の電磁吸引力(閉ループ磁束M2
による吸引力)によって反射体3が保持されている。
電磁吸引力によって反射体駆動装置50の下部に保持さ
れているので、冷却材5の流体圧の変動による反射体3
の揺れを大幅に軽減することが可能である。このため、
反射体3の継鉄部57の上面と連結用電磁石56のヨー
ク54の下面との間の空隙のばらつきを小さくすること
ができ、電磁反発コイル60による電磁反発力の発生効
率を大幅に高めることができる。したがって、反射体駆
動装置50を上昇駆動する際の駆動効率が向上すると共
に、反射体駆動装置50の移動時のステップ量の変動が
小さくなり上昇駆動の制御性が大幅に向上する。ただ
し、原子炉の運転中においては常に冷却材5の流体圧に
よって反射体3が上方に付勢されているので、連結用電
磁石56による吸引力がなくとも反射体3を反射体駆動
装置50の下部に保持することは可能である。
いて電磁反発コイル60に瞬間的な大電流を流すと、図
5(b)に示したように、慣性体58と反射体駆動装置
50との間に互いに逆向きの衝撃的な電磁反発力Fc が
発生する。この電磁反発力Fc は、慣性体58を上方に
変位させる向きの力であり、また、反射体駆動装置50
を下方に変位させる向きの力である。したがって、電磁
反発力Fc を受けた慣性体58は、図5(c)に示した
ように上方に変位する。
0に加えられると、反射体駆動装置50の下部には反射
体3が結合されているため、反射体駆動装置50の下部
が接触状態にある反射体3に衝突する。この衝突によっ
て発生する衝撃力FD は、反射体駆動装置50を上方に
変位させる向きの力であり、また、反射体3を下方に変
位させる力である。ここで、反射体3の質量は反射体駆
動装置50の質量に比べて相当に大きいため、反射体駆
動装置50は衝撃力FD によって跳ね返されて上方に付
勢される共に、反射体3には緩やかな降下運動が発生す
る。
置50に加えられる上方への付勢力が反射体駆動装置5
0と炉心バレル30との間の静止摩擦力よりも大きくな
るようにすることによって、図5(d)に示したように
反射体駆動装置50を上方に移動させることができる。
反射体駆動装置50の上昇運動エネルギーは、反射体駆
動装置50と炉心バレル30との間の動摩擦力や、反射
体駆動装置50の重力加速度によって次第に失われ、反
射体駆動装置50は、図5(e)に示したように、図5
(a)に示した初期状態から距離X1だけ上方に移動し
て停止する。また、反射体3の降下運動エネルギーは、
閉ループ磁束M2による電磁吸引力や冷却材5による上
向きの流体圧力によって失われ、やがて上昇運動に変化
し、図5(e)に示したように反射体駆動装置50の下
部に衝突して再び一体化する。また、慣性体58の上昇
運動エネルギーは、重力加速度によって次第に失われ、
やがて降下運動に変化し、図5(e)に示したように再
び反射体駆動装置50の上部に戻って一体化する。
通電を繰り返し行うことによって、図5(a)乃至
(e)に示した動作を繰り返し、反射体駆動装置50及
び反射体3を原子炉起動位置から最終燃焼位置までステ
ップ状に上昇駆動する。このように本実施形態による高
速炉は、慣性体58及び反射体3の慣性力を利用するこ
とによって、原子炉通常運転中に反射体駆動装置50及
び反射体3を超微速にて、例えば3m/10年の速度に
て上昇駆動するものである。ここで、反射体3の初期の
起動位置から最終燃焼位置までの垂直距離を3m程度に
設定すれば、10年間で炉心2の原子燃料の全体を燃焼
させることによってその間の燃料交換が不要となる。
説明する。原子炉を停止する際には、電磁ポンプ7を停
止することによって冷却材5の流れが止まり、冷却材5
の流体圧による上方への付勢力がなくなるので、連結用
電磁石56の通電を遮断することによって遮蔽体3は停
止位置(図8参照)まで降下する。ここで、本実施形態
による高速炉は、下方から上方に向かって徐々に炉心2
を燃焼させるものであるから、原子炉停止時に反射体3
が降下した場合、反射体3が通過する部分の炉心2は既
に燃焼済みである。したがって、降下する反射体3の通
過に伴って炉心2の核反応が促進されることはない。ま
た、反射体3の下部にはダンパー32が設けられている
ので、このダンパー32によって着地の際の衝撃力が吸
収される。
置50の降下動作について図6を参照して説明する。図
6(a)は電磁反発コイル60に通電する前の初期状態
を示しており、同図に示したように原子炉停止中におい
ては反射体駆動装置50の下部に反射体3は結合されて
いない。また、反射体駆動装置50は原子炉停止中にお
いても閉ループ磁束M1によって炉心バレル30に吸着
固定されている。
反発コイル60に瞬間的な大電流を流すと、図6(b)
に示したように、慣性体58と反射体駆動装置50との
間に互いに逆向きの衝撃的な電磁反発力Fc が発生す
る。この電磁反発力Fc は、慣性体58を上方に変位さ
せる向きの力であり、また、反射体駆動装置50を下方
に変位させる向きの力である。ここで、原子炉停止中に
おいては反射体駆動装置50と反射体3とが切り離され
ているので、電磁反発力Fc によって下方に付勢された
反射体駆動装置50が上方に跳ね返されることはない。
動装置50に加えられた下方への付勢力が反射体駆動装
置50と炉心バレル30との間の静止摩擦力よりも大き
くなるようにすることによって、図6(c)に示したよ
うに反射体駆動装置50を下方に移動させることができ
る。反射体駆動装置50の降下運動エネルギーは、反射
体駆動装置50と炉心バレル30との間の動摩擦力によ
って次第に失われ、反射体駆動装置50は、図6(d)
に示したように、図6(a)に示した初期状態から距離
X2だけ下方に移動して停止する。また、慣性体58の
上昇運動エネルギーは、重力加速度によって次第に失わ
れ、やがて降下運動に変化し、図6(d)に示したよう
に再び反射体駆動装置50の上部に戻って一体化する。
通電を繰り返し行うことによって、図6(a)乃至
(d)に示した動作を繰り返し、反射体駆動装置50を
原子炉再起動に適した所望の位置までステップ状に降下
させることができる。このように本実施形態による高速
炉は、慣性体58の慣性力を利用することによって原子
炉停止中に反射体駆動装置50を微少幅で下降駆動する
ものである。ここで、原子炉停止中においては反射体駆
動装置50と反射体3とが切り離されているので、反射
体駆動装置50に対して上向きの力が作用することは原
理的にあり得ず、原子炉停止中に反射体駆動装置50が
上昇することはない。
によれば、電磁反発コイル60の電磁反発力及び慣性体
58の慣性力を利用して反射体駆動装置50を駆動する
ようにしたので、原子炉通常運転中において反射体3の
超微速の上昇駆動を達成できるばかりでなく、原子炉停
止中において反射体駆動装置50を下降駆動して、原子
炉再起動時に必要な反射体駆動装置50の微小位置調
整、ひいては反射体3の微小位置調整を行うことができ
る。また、反射体3と反射体駆動装置50とが切り離さ
れた状態においては反射体駆動装置50単体で上昇駆動
することが原理的に不可能なので、原子炉停止中に反射
体駆動装置50が上昇することがなく、原子炉再起動時
の原子炉の暴走を確実に防止することができる。さら
に、反射体駆動装置50の上昇駆動及び下降駆動のいず
れもが1台の電磁反発コイル60によって行われ、しか
も、上昇駆動時と下降駆動時とで電気的な切換操作を行
う必要もないので、駆動機構の簡素化及び誤作動の防止
を実現して高速炉の安全性を大幅に向上させることがで
きる。
3を駆動するための複雑な装置を炉外に設置する必要が
なく、しかも、駆動軸シールも不要となってカバーガス
の密封性を向上させることが可能である。また、原子炉
起動時には冷却材5の流体圧を利用して反射体3を迅速
に所定の起動位置まで上昇させることができるので原子
炉の運転効率を高めることができ、さらに、原子炉停止
時においては、電磁ポンプ7を停止し、反射体駆動装置
50の連結用電磁石56への通電を遮断することによっ
て反射体3を高速で降下させて原子炉を停止することが
できるので、原子炉の運転効率及び安全性が大幅に向上
する。
棒に代えて反射体3によって炉心燃料の燃焼を制御する
ようにしたので、制御棒及びその駆動機構が不要とな
り、原子炉の構成を簡単化して原子炉の小型軽量化及び
低コスト化を図ることができる。また、原子炉容器1の
上方に大重量の制御棒駆動装置を設ける必要がないの
で、原子炉の耐震安全性が大幅に向上する。また、この
高速炉は長期間にわたって燃料を交換する必要がないの
で、燃料交換に伴うコストを大幅に軽減することができ
る。
よれば、電磁反発コイルの電磁反発力及び慣性体の慣性
力を利用して反射体駆動装置を駆動するようにしたの
で、原子炉通常運転中において反射体の超微速の上昇駆
動を達成できるばかりでなく、原子炉停止中において反
射体駆動装置を下降駆動して、原子炉再起動時に必要な
反射体駆動装置の微小位置調整、ひいては反射体の微小
位置調整を行うことができる。
した縦断面図。
体及び反射体駆動装置を示した斜視図。(b)は(a)
に示した反射体を構成する反射体構成部材及び反射体駆
動装置を示した斜視図。
構部を示した縦断面図。
置の上昇駆動シーケンスを示した図。
置の下降駆動シーケンスを示した図。
炉を示した縦断面図。
来の高速炉の停止状態を示した縦断面図。
来の高速炉の運転状態を示した縦断面図。
従来の高速炉の反射体駆動機構部を示した縦断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】原子炉容器内に収納された炉心を包囲する
筒状の炉心バレルと、この炉心バレルを包囲し、前記炉
心バレルとの間に環状断面の冷却材流路を形成する筒状
の隔壁と、前記冷却材流路内に上下動可能に設けられた
環状の反射体と、を備え、前記冷却材流路内を上方に向
かって流れる冷却材の流体圧によって前記反射体を上方
に付勢できるようにした高速炉において、 前記炉心バレルの外壁面に電磁吸引力によって吸着され
た反射体駆動装置と、この反射体駆動装置の上部に上下
動可能に設けられた慣性体と、この慣性体と前記反射体
駆動装置との間に瞬間的な電磁反発力を垂直方向に発生
させる電磁反発コイルと、を備えたことを特徴とする高
速炉。 - 【請求項2】前記反射体駆動装置の上部に前記慣性体の
上下動作を案内する案内部材を固設したことを特徴とす
る請求項1記載の高速炉。 - 【請求項3】前記反射体を前記反射体駆動装置の下部に
電磁吸引力によって結合する連結用電磁石をさらに有す
ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高速
炉。 - 【請求項4】前記反射体は周方向に連設された複数の反
射体構成部材によって全体として環状に構成されてお
り、 前記複数の反射体構成部材のそれぞれに対応する複数の
前記反射体駆動装置を有することを特徴とする請求項1
乃至請求項3のいずれか一項に記載の高速炉。 - 【請求項5】前記反射体の下部にダンパーを設けたこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記
載の高速炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32171796A JP3264633B2 (ja) | 1996-12-02 | 1996-12-02 | 高速炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32171796A JP3264633B2 (ja) | 1996-12-02 | 1996-12-02 | 高速炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10160880A JPH10160880A (ja) | 1998-06-19 |
JP3264633B2 true JP3264633B2 (ja) | 2002-03-11 |
Family
ID=18135664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32171796A Expired - Fee Related JP3264633B2 (ja) | 1996-12-02 | 1996-12-02 | 高速炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3264633B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4825478B2 (ja) * | 2005-09-21 | 2011-11-30 | 株式会社東芝 | 高速炉 |
-
1996
- 1996-12-02 JP JP32171796A patent/JP3264633B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10160880A (ja) | 1998-06-19 |
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