JP3263898B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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JP3263898B2 JP28127996A JP28127996A JP3263898B2 JP 3263898 B2 JP3263898 B2 JP 3263898B2 JP 28127996 A JP28127996 A JP 28127996A JP 28127996 A JP28127996 A JP 28127996A JP 3263898 B2 JP3263898 B2 JP 3263898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突などを
検知して膨脹展開するエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の運転者を衝突の衝撃など
から保護するために、ステアリングホイールのボス部に
備えられたエアバッグ装置が知られている。このエアバ
ッグ装置は、ガスを噴射するインフレータと、折り畳ま
れて収納された袋状のエアバッグと、このエアバッグを
覆うカバー体と、これらインフレータ、エアバッグ及び
カバー体などを取り付けたベースプレートとを備え、エ
アバッグは予め内挿などされたリテーナによってベース
プレートに挟持されている。そして、このエアバッグ装
置は、車両の衝突を検出すると、インフレータからエア
バッグ内にガスを噴射し、エアバッグの膨脹の圧力によ
りカバー体を所定のテアラインで破断して扉状に展開さ
せ、カバー体からエアバッグを突出させた上、乗員の前
方に膨張展開させるようになっている。
【0003】例えば、特開平2−24242号公報記載
のように、円環状のリテーナ(偏向リング)とベースプ
レート(板)とでエアバッグを挟持するようにしてい
る。リテーナは高速で噴射される不活性ガスを上方に偏
向させるとともに、エアバッグの急激な内圧上昇に耐え
てインフレータとエアバッグを気密的に結合できるよう
に外周に起立壁を設けた断面略L字状の円環にしてあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例の構成では、エアバッグの折畳み時および展開
時にエアバッグのインフレータ挿入開口周縁に起立壁の
上端縁が接するので、エアバッグの基布に損傷を加えな
いように、滑らかに形成しなければならず、そのための
加工工数が増加するという問題点を有している。
【0005】本発明は上記の問題点に着目して成された
ものであって、その目的とするところは、リテーナの外
周縁を、エアバッグの基布に損傷を加えないように、滑
らかに形成する加工が不要になって、加工工数が低減で
きるし、エアバッグを円滑に且つ確実に作動させること
ができるばかりか、リテーナの近傍のエアバッグが折畳
み工程においても、リテーナの外周縁のエアバッグへの
引っ掛かりがなく、エアバッグがリテーナ側に弛んでも
エアバッグは損傷を受けないようになるエアバッグ装置
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るエアバッグ装置は、ガスを噴射する
インフレータと、折り畳まれて収納された袋状のエアバ
ッグと、前記エアバッグを覆うエアバッグカバー体と、
前記インフレータ、前記エアバッグ及び前記エアバッグ
カバー体を取り付けたベースプレートとを備え、前記エ
アバッグの開口周縁をリテーナのエアバッグ挟持面によ
って前記ベースプレートに挟持するようにしたエアバッ
グ装置において、前記リテーナの外周縁部に外側の起立
壁を形成しており、前記外側の起立壁が、前記エアバッ
グ挟持面から前記リテーナ内方に傾斜起立するように形
成され、且つ、前記エアバッグは、前記開口周縁が前記
外側の起立壁部の外周部側を沿うように立ち上がった後
折り畳み構成されたことを特徴とする。
【0007】かかる構成により、エアバッグの展開にお
いては、インフレータからエアバッグ内に噴射されるガ
スによってエアバッグの移動が瞬時に起こるが、この場
合、リテーナの外周縁がエアバッグ挟持面からリテーナ
内方に傾斜起立しているために、リテーナの外周縁のエ
アバッグへの干渉がなく、このエアバッグの傷付きや引
っ掛かりが防止できる。このために、リテーナの外周縁
部を、エアバッグの基布に損傷を加えないように、滑ら
かに形成する加工が不要になって、加工工数が低減でき
るし、エアバッグを円滑に且つ確実に作動させることが
できる。
【0008】また、リテーナの近傍のエアバッグが折畳
み工程においても、リテーナの外周縁のエアバッグへの
引っ掛かりがなく、エアバッグがリテーナ側に弛んでも
エアバッグは損傷を受けないようになる。
【0009】また、上記の目的を達成するために、本発
明に係るエアバッグ装置は、前記エアバッグは、その外
周から前記エアバッグ挟持面に略平行で且つ前記エアバ
ッグの内周方向に向けて、押されるように折り畳まれ
る。
【0010】かかる構成により、本発明は更に、波形を
なすエアバッグを緩く保持しておきベースプレートを他
に取付けられた部品とともに回転させてエアバッグの波
形部を巻き締める場合であっても、エアバッグは損傷を
受けないようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
面を参照して説明する。図1は本発明のエアバッグ装置
におけるエアバッグモジュールの正面図、図2は同エア
バッグモジュールの分解斜視図、図3は図1のA−A線
に沿う断面図、図4は本発明のエアバッグ装置における
リテーナの斜視図、図5は図4のB−B線に沿う断面図
である。
【0012】本発明のエアバッグ装置のエアバッグモジ
ュール1は、エアバッグ10と、エアバッグカバー14
と、リテーナ11と、ベースプレート12と、インフレ
ータ13とで大略構成してある。
【0013】前記エアバッグカバー14は図示しないス
テアリングホイールのセンタパッドの外観を呈してい
る。このエアバッグカバー14の内部には取付用壁部1
4Aが形成してある。
【0014】また、前記ベースプレート12は、その中
央部には円形状のインフレータ取付用孔部12Aが、周
部には固定用の取付片部12Bが複数形成してあり、こ
のベースプレート12にはインフレータ取付用孔部12
Aの周部には周方向に所定の間隔をおいて4つの孔部1
2Cが形成してある。
【0015】また、前記リテーナ11は、図4および図
5に示すように、エアバッグ10の開口10a周縁に当
接する平板部22の内、外側に起立壁23、24を有し
ており、この平板部22の4つの角部にはスタッドボル
ト21が下向きに圧着、溶接などして挿通固着してあ
る。前記平板部22の一部はエアバッグ挟持面11Aで
ある。
【0016】また、内側の起立壁23は円環状をなし、
インフレータ13の上半部が挿入され、外側の起立壁2
4は、図5で明確に示されたように、内側の起立壁23
側に傾斜するように形成されている。すなわち、リテー
ナ11の外周縁(起立壁24)がエアバッグ挟持面11
Aからリテーナ11内方に傾斜起立するように形成され
ている。そして、外側の起立壁24の外側の縁部24a
は特に滑らかにしてあり、内側の縁部24bは特に滑ら
かに加工してない、素材である鋼板を所定の中間形状に
打ち抜いたままとしてある。
【0017】また、前記インフレータ13に周部には取
付プレート13Aが形成してあり、この取付プレート1
3Aには周方向に所定の間隔をおいて4つの孔部13C
が形成してある。
【0018】そして、ベースプレート12上に配された
エアバッグ10の挟持端部10Aにリテーナ11のエア
バッグ挟持面11Aを重ねて、リテーナ11に設けられ
たスタッドボルト21をベースプレート12の孔部12
Cに貫通させると共に、前記ベースプレート12のイン
フレータ取付用孔部12Aに下方からインフレータ13
を挿入して、このインフレータ13の取付プレート13
Aをベースプレート12に当接し、この取付プレート1
3Aの4つの孔部13Cにスタッドボルト21を挿通さ
せて、これらスタッドボルト21に螺合させたナット4
0の締め付けにより、ベースプレート12にリテーナ1
1とインフレータ13とが共締めされて固定してあり、
エアバッグ10は、その挟持部10Aを、リテーナ11
とベースプレート12によって挟持されて、インフレー
タ13を覆うように取り付けられている。
【0019】このようにリテーナ11を用いてエアバッ
グ10をベースプレート12に挟持固定してから、水平
円板状に展開されたエアバッグ10を径に平行する折り
目を形成するように左右弓形形状を形成してリテーナ1
1側に折り畳んで短辺がベースプレート12の幅以内と
なる略長方形に折畳み、さらに短辺に平行する折り目を
形成するようにリテーナ11側に向けてロール状に折り
畳む。この結果、エアバッグ10は、その開口10a周
縁が外側の規律壁部24の外周部側を沿うように立ち上
がった後、折り畳まれることになる。
【0020】このとき、リテーナ11の近傍のエアバッ
グ10が折畳み工程において予め滑らかにしてある外側
の縁部24aに接触するので、例えば図3の破線のよう
にエアバッグ10がリテーナ11側に弛んでもエアバッ
グ10は損傷を受けない。
【0021】そして、エアバッグ10を覆うようにエア
バッグカバー14をベースプレート12に係合して、リ
ベット42を、補助板41を介して、またはリベット4
2単独でベースプレート12の取付片部12Bをエアバ
ッグカバー14の取付用壁部14Aに締結して、エアバ
ッグモジュール1が構成してある。
【0022】また、エアバッグ10の折畳み方法は、上
記の方法による他、周縁から内方に向けて押すように折
畳んでもよい。すなわち、図7のように内方に押し寄せ
るエアバッグ10のリテーナ11に近接する箇所が破線
で示すように弛んでも、またさらに波形をなすエアバッ
グ10を緩く保持しておきベースプレート12を他の取
付けられた部品とともに回転させてエアバッグ10の波
形部を巻き締める場合であっても、エアバッグ10は損
傷を受けない。
【0023】次に、上記のように構成されたエアバッグ
装置の作動を説明する。エアバッグ10の展開において
は、インフレータ13からエアバッグ10内に噴射され
るガスによって矢印F方向へのエアバッグ10の移動が
瞬時に起こる(図3)が、この動作も極めて円滑に行わ
れるので、エアバッグ10が傷付いたり、引っ掛かって
B方向への動きを規制されることがなく、エアバッグ装
置の円滑な動作が確保される。
【0024】なお、外側の縁部24aは面取りなどの加
工を施す他、例えば図6に示すように、鋼板のプレス打
ち抜きにおける剪断方向(矢印C)にしたがって形成さ
れる形状を利用することもできる。カット刃のプレス抜
きによるバリ15aを内側の縁部24bとしてエアバッ
グ10に接触しないようにできるので、煩雑な面取り加
工を廃止することも可能になる。
【0025】前記リテーナ11の変形例として、図8、
図9に示すように、起立壁24を傾斜壁26としたもの
である。このようにすれば、スタッドボルト21とリテ
ーナ11との間の空転防止構造を有するのみで、スタッ
ドボルト21の挿入方向の抜け止めができるので、一層
の工程の合理化が可能である。また、前記リテーナ11
の変形例として、図10に示すように起立壁24に折り
返し傾斜部27を形成して構成してもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るエア
バッグ装置によれば、ガスを噴射するインフレータと、
折り畳まれて収納された袋状のエアバッグと、前記エア
バッグを覆うエアバッグカバー体と、前記インフレー
タ、前記エアバッグ及び前記エアバッグカバー体を取り
付けたベースプレートとを備え、前記エアバッグをリテ
ーナのエアバッグ挟持面によって前記ベースプレートに
挟持するようにしたエアバッグ装置において、前記リテ
ーナの外周縁部が、前記エアバッグ挟持面から前記リテ
ーナ内方に傾斜起立するように形成されたことにより、
エアバッグの展開においては、インフレータからエアバ
ッグ内に噴射されるガスによってエアバッグの移動が瞬
時に起こるが、この場合、リテーナの外周縁がエアバッ
グ挟持面からリテーナ内方に傾斜起立しているために、
リテーナの外周縁部のエアバッグへの干渉がなく、この
エアバッグの傷付きや引っ掛かりが防止できる。このた
めに、リテーナの外周縁を、エアバッグの基布に損傷を
加えないように、滑らかに形成する加工が不要になっ
て、加工工数が低減できるし、エアバッグを円滑に且つ
確実に作動させることができる。
【0027】また、リテーナの近傍のエアバッグが折畳
み工程においても、リテーナの外周縁のエアバッグへの
引っ掛かりがなく、エアバッグがリテーナ側に弛んでも
エアバッグは損傷を受けないようになる。
【0028】また、本発明に係るエアバッグ装置によれ
ば、前記エアバッグは、その外周から前記エアバッグ挟
持面に略平行で且つ前記エアバッグの内周方向に向け
て、押されるように折り畳まれることにより、上記した
請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかり
か、波形をなすエアバッグを緩く保持しておきベースプ
レートを他に取付けられた部品とともに回転させてエア
バッグの波形部を巻き締める場合であっても、エアバッ
グは損傷を受けないようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置におけるエアバッグモ
ジュールの正面図である。
【図2】同エアバッグモジュールの分解斜視図である。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明のエアバッグ装置におけるリテーナの斜
視図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】鋼板のプレス打ち抜きにおける剪断方向(矢印
C)にしたがって形成される形状の断面図である。
【図7】エアバッグを、その外周からエアバッグ挟持面
に略平行で且つエアバッグの内周方向に向けて押される
ように折り畳んだ場合のエアバッグモジュールの縦断面
図である。
【図8】リテーナの他の実施態様の斜視図である。
【図9】図8のD−D線に沿う断面図である。
【図10】リテーナの他の実施態様の一部省略した断面
図である。
【符号の説明】
10 エアバッグ 11 リテーナ 11A エアバッグ挟持面 12 ベースプレート 13 インフレータ 14 エアバッグカバー 23 内側の起立壁 24 外側の起立壁 24a 縁部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスを噴射するインフレータと、折り畳
    まれて収納された袋状のエアバッグと、前記エアバッグ
    を覆うエアバッグカバー体と、前記インフレータ、前記
    エアバッグ及び前記エアバッグカバー体を取り付けたベ
    ースプレートとを備え、前記エアバッグの開口周縁をリ
    テーナのエアバッグ挟持面によって前記ベースプレート
    に挟持するようにしたエアバッグ装置において、前記リ
    テーナの外周縁部に外側の起立壁を形成しており、前記
    外側の起立壁が、前記エアバッグ挟持面から前記リテー
    ナ内方に傾斜起立するように形成され、且つ、前記エア
    バッグは、前記開口周縁が前記外側の起立壁部の外周部
    側を沿うように立ち上がった後折り畳み構成されたこと
    を特徴とするエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記エアバッグは、その外周から前記エ
    アバッグ挟持面に略平行で且つ前記エアバッグの内周方
    向に向けて、押されるように折り畳まれる請求項1記載
    のエアバッグ装置。
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