JP3263660B2 - 花株等の寄植用植木鉢 - Google Patents

花株等の寄植用植木鉢

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装飾園芸用植木鉢
として、最近多大な関心と人気を集めている花株等の寄
植用植木鉢の改良に関し、造園業界で利用されることは
勿論、個人的趣味の園芸として、更には各種の催しもの
会場、庭園、その他の場所において、主にハンギングバ
スケットフラワーとして装飾効果の向上を図って広く利
用に供せられるものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の花株等の寄植用植木鉢と
しては、本発明の発明者によって先に出願され、登録さ
れた登録実用新案第2525551号及び同第2529
284号の登録公報に開示されたものがよく知られてい
る。
【0003】而して、これらの花株等の寄植用植木鉢
は、プラスチック製植木鉢本体の側面に複数列の花株等
の植込孔を開口縦設すると共に、各列の植込孔の上部孔
縁と植木鉢本体の上部開口周縁との間に切込部を夫々設
け、該切込部を介し両縁を連通させて植木鉢本体に上記
植込孔に至る割切部を夫々形成して構成されている。
【0004】そして、上記のように構成された寄植用植
木鉢に花株等を植込む場合は、相隣する各割切部を内側
または外側へ屈曲すると、素材であるプラスチックの弾
性により切込部及び植込孔は容易に拡開されるので、こ
の拡開させた状態において、花株等の根部を植木鉢の内
側に配置すると共に、花株等を植込孔から外側に出して
植込みを行なうことができ、従来、困難とされていた植
木鉢の側面からの花株等の寄植えを確実に達成できるの
で、多大な好評を得ている。
【0005】然しながら、上記の場合において、各割切
部は内側または外側へ屈曲可能に構成されている関係か
ら、花株等を植込んだ後に、植木鉢内の土圧等により各
割切部が外側に押されて、植木鉢の形態が崩れ易い問題
があり、これを防止する手段として植木鉢本体の上部開
口周縁に結束部材を係合嵌着させるといった煩雑な作業
が必要である。
【0006】また、寄植えの際に、割切部を外側また内
側の前後方向に屈曲すると、植木鉢が前後に傾動し易い
ため、植木鉢を一方の手で押え、他方の手で割切部を屈
曲する一人の作業者と、花株等を植込むための今一人の
作業者がいないと、確実且つ能率的に寄植作業を行ない
難いといった問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決することを課題として研究開発されたもので、花
株等の寄植えを一人で簡便容易に且つ確実に行ない得る
と共に、植木鉢の上方開口部周縁に、土圧による各割切
フレームの屈曲を防止するための結束部材を設ける必要
がない等の利点を備えた花株等の寄植用植木鉢を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、そ
の目的を達成する手段として、本発明は、プラスチック
製植木鉢本体の側面に複数列の花株等の植込孔を開口並
設すると共に、各列の植込孔の上部孔縁と植木鉢本体の
上部開口周縁との間にスリットを夫々設け、該スリット
により両縁を連通させて植木鉢本体に複数の割切フレー
ムを形設して構成した花株等の寄植用植木鉢において、
上記各割切フレームは前後方向に屈曲し難いように構成
されると共に、各割切フレームには、左右の両外側方を
開放して形成した細巾部が設けられていて、該細巾部及
び上記スリットにより各割切フレームの細巾部から上方
のフレームを水平方向に回動屈曲可能に構成して、上記
各スリットを拡開可能に構成したことを特徴とする花株
等の寄植用植木鉢を提供するものである。
【0009】また、本発明は、上記のように構成した花
株等の寄植用植木鉢において、各割切フレームの中間に
立設した細巾の支柱の両側を開放して、この中間の支柱
により細巾部を構成した花株等の寄植用植木鉢、及び各
割切フレームの両側から開放部形成用のスリットを設け
て、該両スリットの間の細巾のフレームにより細巾部
を構成した花株等の寄植用植木鉢、及び各割切フレーム
の内面の上下方向に形設した補強用リブにより各割切フ
レームを前後方向に屈曲し難いように構成した花株等の
寄植用植木鉢をそれぞれ提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明すれば、図1〜図3は本発明の第
1の実施の形態を示しており、同図において、1は硬質
プラスチックを素材として金型成形した花株等の寄植用
植木鉢本体であって、上部を開口した、輪郭が有底の碗
型形状に形成されており、且つこの実施の形態では、植
木鉢本体1の側面に同一間隔を保って複数列の花株等の
植込孔2a、2bが交互に開口並設されていて、植込孔
2aは植込孔2bの略2倍の長さを備えている。
【0011】また、上記各植込孔2a、2b…2a、2
bの上部孔縁と植木鉢本体1の上部開口周縁3の上端縁
との間にはスリット4がそれぞれ設けられ、該スリット
4を介し両縁を連通することにより、植木鉢本体1の側
面に、上部開口周縁3から植込孔2a、2bに至る複数
の割切フレーム5…5が設けられている。
【0012】上記の各割切フレーム5は、植木鉢本体1
の底部6と上部開口周縁3にわたって立設した細巾の中
間の支柱5aと、その周側に間隔を設けて一体に連設し
た両側枠5b、5b及び上下の側枠5c、5cから成る
格子状に形成されており、したがって各割切フレーム5
は複数の窓孔5d…5dを備えている。この窓孔5dは
植木鉢本体1の軽量化と材料の節約を図ると共に、良好
な通気性を保持するために設けたものである。
【0013】また、この実施の形態では、各割切フレー
ム5の適宜の高さ位置において、上記細巾の中間の支柱
5aの1個所の両側に側枠5b、5bを設けることな
く、該中間の支柱5aの両側を開放することにより、該
開放部5e、5eに位置する中間の支柱5aにより細巾
部7を形設し、この細巾部7及び上記スリット4を介
し、各割切フレーム5の細巾部7から上方のフレーム
5’を水平方向に回動屈曲可能に構成して、上記各スリ
ットを拡開可能に構成してある。
【0014】さらに、各割切フレーム5は、植木鉢本体
1に寄植えを行なった際に、植木鉢本体1内に収容した
養土等の土圧を受けても屈曲し難いように構成されてお
り、この実施の形態では、その手段として各割切フレー
ム5の中間部の内面に上下方向の補強用リブ8を一体に
設けてある。この補強用リブ8に代えて、より一層硬質
のプラスチックで分厚い植木鉢本体1を金型成形するこ
とも不可能ではないが、植木鉢本体の軽量化と経済性を
計ったこの実施の形態では余り好ましくない。
【0015】なお、図1において、符号9は植込孔2b
を植込孔2aよりも小さく形成すると共に、該植込孔2
bの下側縁を植込孔2aの下側縁よりも高位置に保たせ
るために、底部6から立設した段差形成用フレームであ
る。
【0016】次に、上記のように構成した実施の形態に
よる花株等の寄植え状態を作用、効果と共に説明すれ
ば、図示するのを省略したが、まづ、植木鉢本体1の内
面全体に、各植込孔2a、2b及び各窓孔5dから植木
鉢本体1内に収容する花株等の養土等が外部にこぼれ出
るのを防止するためのシートマットを敷設する。
【0017】このシートマットはスポンジ、しゅろ或は
スポンジの外面にしゅろを貼設したものなど、その種類
は特に限定されないが、適宜の防水性と通気性を備えて
いるものが好ましい。また、このシートマットには、植
木鉢本体1の各寄植孔2a、2bに位置する部分の中間
において、上縁から下方に向って深い切込みが設けてあ
って、次に述べる寄植えを支障なく行ない得るように構
成されている(図示せず)。
【0018】即ち、図3に示すように、花株等を植込も
うとする或る一つの植込孔2a或は2bに沿っている割
切フレーム5の上方のフレーム5’を手先で把持して矢
印方向に捩ると、割切フレーム5には細巾部7が設けて
あるため、該細巾部7及びスリット4を介し、細巾部7
から上方のフレーム5’は容易に水平方向に回動屈曲さ
れ、スリット4を大きく拡開するので、この拡開部から
花株Fの根部側を植木鉢本体1の内部に位置させ、草花
側を植木鉢本体1の外部に位置させて花株Fの茎部を差
込み、植込孔2a或は2b側に押下げると、花株Fを全
く傷めることなく植木鉢本体1に植込むことができ、こ
の植込作業を各植込孔について行なうことにより、図4
に示すように、多数の花株を美しく寄植えした美麗なハ
ンギングバスケットフラワーが得られる。
【0019】上記のように、この実施の形態にしたがえ
ば、片方の手により割切フレーム5の上方のフレーム
5’を捩るだけでスリット4を拡開できるので、他方の
手で花株Fを植木鉢本体1に植込むことにより、一人で
は寄植えが困難であった既述の寄植用植木鉢と違って、
一人の手で簡便容易に寄植えを行ない得て、最近流行の
趣味のガーデニングを楽しむことができ、屋内は勿論、
庭先や街路の美化に著しく寄与できるものである。
【0020】また、この実施の形態にしたがえば、植木
鉢本体1は格子状に形成されていて、各割切フレーム5
は複数の窓孔5dを備えているので、通気性が良好で花
株の根腐れを防止し得ると共に、軽量で取扱いが容易で
あり、且つ資材を節約できる利点がある。
【0021】さらに、この実施の形態にしたがえば、深
さが長い植込孔2aと短い植込孔2bが交互に設けられ
ていて、深さが短い植込孔2bの下側縁を、深さが長い
植込孔2aの下側縁よりも高位置に保たせるために、植
込孔2b側に底部6から段差形成用フレーム9が立設さ
れているので、例えば植込孔2bには一株の花株を植木
鉢本体1の側面の高い位置のみに植込み、また、植込孔
2aには二株の花株を植木鉢本体1の側面の低い位置と
高い位置に植込むことが容易に可能であって、この種の
ハンギングバスケットフラワーの外観に、花株位置の相
違に基づく複雑優雅なアクセントをつけることができる
利点がある。
【0022】次に、図5は本発明の第2の実施の形態を
略示しており、上記第1の実施の形態と相違しているの
は、その植木鉢本体10の形状を、第1の実施の形態の
植木鉢本体1を縦に半分に分割して後面側に背板11を
形成し、前面側のみに植込孔2a、2b及び割切フレー
ム5を設けた点のみであって、その他の構成及び素材等
は第1の実施の形態と同一であるから、同一部分には同
一符号が付してある。
【0023】この第2の実施の形態のものは、上記第1
の実施の形態のものがポール等の上部から吊設するタイ
プのハンギングバスケットフラワー形成用の寄植用植木
鉢であるのに対して、屋内外の壁面或はフェンス等にフ
ック等により背板11を利用して吊設するタイプのハン
ギングバスケットフラワー形成用の寄植用植木鉢である
点においてのみ、その使用態様を異にしているものであ
って、その他の作用、効果は第1の実施の形態のものと
同一である。
【0024】さらに、図6及び図7は本発明の第3の実
施の形態を示している。この実施の形態では、硬質プラ
スチックを素材として花株等の寄植用植木鉢本体12を
金型成形した点では上記各実施の形態と相違していない
が、各割切フレーム13は格子状ではなく、したがって
上記各実施の形態のように、中間の支柱5a、両側枠5
b、5b、上下の側枠5c、5c及び複数の窓孔5d等
を全く具備していない短巾の板状体で構成されている点
で相違している。
【0025】また、この第3の実施の形態では、短巾の
板状体から成る各割切フレーム13の1個所の両側から
開放部形成用のスリット14、14を切込んで設け、こ
の両スリット14、14の間に残存する細巾のフレー
ムにより、上方のフレーム13’を水平方向に回動屈曲
して、各スリット4を拡開させるための細巾部7を構成
した点においても上記第1、第2の各実施の形態と相違
しているが、植木鉢本体12の側面に並設した複数の植
込孔2a、2b、及び各植込孔2a、2bの上部孔縁と
植木鉢本体12の上部開口周縁3の上端縁との間に設け
たスリット4、及び各割切フレーム13の内面に補強用
リブ8を一体に設けた各構成は、上記第1、第2の各実
施の形態と基本的に同一であるから、これらの部分には
上記第1、第2の各実施の形態と同一の符号が付してあ
る。
【0026】また、この実施の形態における植木鉢本体
12は、上記第2の実施の形態と同様に、碗形を二つ割
して後面側に背板11を形成したものであって、屋内外
の壁面或はフェンス等にフック等により、この背板11
を利用して吊設するタイプのハンギングバスケットフラ
ワー形成用の寄植用植木鉢である点では上記第2の実施
の形態と同一である。なお、図6において、符号11a
は吊設用フック等の係合孔である。
【0027】次に、上記のように構成した第3の実施の
形態の作用、効果を説明すれば、前記第1の実施の形態
で説明した場合と同様に、図7に略示するように、片方
の手により割切フレーム13の上方のフレーム13’を
矢印方向に捩るだけで、細巾部7を中心にして該上方の
フレーム13’を水平方向に回動屈曲してスリット4を
拡開できるので、他方の手で花株を植木鉢本体12に植
込むことにより、一人の手で簡便容易に行ない得るもの
である。
【0028】また、この実施の形態では、他の実施の形
態のような窓孔5dを備えていないので、通気性及び軽
量性の点で若干の難点があり、且つ素材の使用量は増す
が、その反面、強度に優れて長期の使用に耐え得ると共
に、各割切フレーム13の表面に種々の彫刻状の模様を
施すことができるので、植木鉢本体に重厚な美観を付与
でき、更に、各割切フレーム13の両側から入設したス
リット14、14により細巾部7を形設するものである
から、細巾部7の形設が容易であると共に、その巾長の
調節も容易である等の利点がある。
【0029】以上、本発明の主要な実施の形態について
説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定され
るものではなく、発明の目的を達成でき且つ発明の要旨
を逸脱しない範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明は、プラスチック製植木鉢本体の
側面に複数列の花株等の植込孔を開口並設すると共に、
各列の植込孔の上部孔縁と植木鉢本体の上部開口周縁と
の間にスリットを夫々設け、該スリットにより両縁を連
通させて植木鉢本体に複数の割切フレームを形設して構
成した花株等の寄植用植木鉢において、上記各割切フレ
ームは前後方向に屈曲し難いように構成されると共に、
各割切フレームには、左右の両外側方を開放して形成し
細巾部が設けられていて、該細巾部及び上記スリット
により各割切フレームの細巾部から上方のフレームを水
平方向に回動屈曲可能に構成して、上記各スリットを拡
開可能に構成したことを特徴とする花株等の寄植用植木
鉢に係るものであるから、次の優れた効果を奏する。
【0031】(1) 片方の手で割切フレームの上方の
フレームを捩るだけでスリットを容易に拡開できるの
で、他方の手で花株を植木鉢本体に植込むことにより、
一人では寄植えが困難であった従来の寄植用植木鉢と違
って、一人の手で簡便容易に寄植えを行うことができ
る。
【0032】(2) 各割切フレームは前後方向に屈曲
し難いように構成されているので、従来のように、寄植
え終了後に植木鉢内の養土等により各割切フレームが前
方に屈曲するのを防止するための結束部材を植木鉢本体
の開口部周縁に嵌着する必要がない。
【0033】(3) 上記の効果に加えて、従来の効果
即ち、植木鉢の側面からの花株等の寄植えを、その根部
の大小に係りなく著しく簡便容易に行ない得ると共に、
根部を傷めるおそれもないので、花株等の健全な活着寄
植えが可能であって、寄植えした多数の花株等の育成と
生命維持力を著しく良好に保ち得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す正面図であ
る。
【図2】その平面図である。
【図3】花株等の寄植え状態の説明図である。
【図4】寄植えを完了してハンギングバスケットフラワ
ーとして吊設した状態の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図7】その1部を示す内面図である。
【符号の説明】
1 植木鉢本体 2a 長い植込孔 2b 短い植込孔 3 開口部周縁 4 スリット 5 割切フレーム 5’ 上方のフレーム 5a 細巾の中間支柱 5b 両側枠 5c 上下の側枠 5d 窓孔 5e 開放部 6 底部 7 細巾部 8 補強用リブ 9 段差形成用フレーム 10 植木鉢本体 11 背板 11a 係合孔 12 植木鉢本体 13 割切フレーム 13’ 上方のフレーム 14 スリット

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製植木鉢本体の側面に複数
    列の花株等の植込孔を開口並設すると共に、各列の植込
    孔の上部孔縁と植木鉢本体の上部開口周縁との間にスリ
    ットを夫々設け、該スリットにより両縁を連通させて植
    木鉢本体に複数の割切フレームを形設して構成した花株
    等の寄植用植木鉢において、上記各割切フレームは前後
    方向に屈曲し難いように構成されると共に、各割切フレ
    ームには、左右の両外側方を開放して形成した細巾部が
    設けられていて、該細巾部及び上記スリットにより、各
    割切フレームの細巾部から上方のフレームを水平方向に
    回動屈曲可能に構成して、上記各スリットを拡開可能に
    構成したことを特徴とする花株等の寄植用植木鉢。
  2. 【請求項2】 各割切フレームの中間に立設した細巾の
    支柱の両側を開放して、この中間の支柱により細巾部を
    構成した請求項1に記載の花株等の寄植用植木鉢。
  3. 【請求項3】 各割切フレームの両側から開放部形成用
    スリットをて、該両スリットの間の細巾のフ
    レームにより細巾部を構成した請求項1に記載の花株等
    の寄植用植木鉢。
  4. 【請求項4】 各割切フレームの内面の上下方向に形設
    した補強用リブにより各割切フレームを前後方向に屈曲
    し難いように構成した請求項1に記載の花株等の寄植用
    植木鉢。
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