JP3263519B2 - アンモニア態窒素含有排水の処理における触媒湿式酸化装置の制御方法 - Google Patents
アンモニア態窒素含有排水の処理における触媒湿式酸化装置の制御方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンモニア態窒素を含
む排水を固体触媒の存在下に湿式酸化処理することによ
り、排水中の含有物質を窒素、炭酸ガス、水および灰分
に転換せしめて排水の無害化を行う方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は産業排水などに代表されるアンモ
ニア態窒素を含有する種々の排水を、固体触媒の存在
下、かつ酸素含有ガスの存在下に、100〜370℃の
温度および排水が液相を保持する圧力条件下において排
水を湿式酸化処理することにより、排水中の含有物質を
窒素、炭酸ガス、水および灰分に転換せしめて排水の無
害化を行う方法に関する。
む排水を固体触媒の存在下に湿式酸化処理することによ
り、排水中の含有物質を窒素、炭酸ガス、水および灰分
に転換せしめて排水の無害化を行う方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は産業排水などに代表されるアンモ
ニア態窒素を含有する種々の排水を、固体触媒の存在
下、かつ酸素含有ガスの存在下に、100〜370℃の
温度および排水が液相を保持する圧力条件下において排
水を湿式酸化処理することにより、排水中の含有物質を
窒素、炭酸ガス、水および灰分に転換せしめて排水の無
害化を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海域、湖沼、河川などにおいて、富栄養
化によって赤潮が発生したりかび臭物質が発生すること
が問題となって久しいが、この原因は該水域に排出され
る排水中に含有されている窒素、リンなどの栄養塩類が
原因とされている。このため、窒素、リンに関する排水
規制が実施されており、従来の活性汚泥法による二次処
理を行うのみではこれら栄養塩類を十分に処理できない
ために、脱窒工程を新規に設ける必要がある。
化によって赤潮が発生したりかび臭物質が発生すること
が問題となって久しいが、この原因は該水域に排出され
る排水中に含有されている窒素、リンなどの栄養塩類が
原因とされている。このため、窒素、リンに関する排水
規制が実施されており、従来の活性汚泥法による二次処
理を行うのみではこれら栄養塩類を十分に処理できない
ために、脱窒工程を新規に設ける必要がある。
【0003】従来、窒素を除く方法としては生物による
脱窒処理、曝気によるストリッピング法、イオン交換
法、次亜塩素酸やオゾンなどの酸化剤による酸化脱窒な
どの方法が用いられている。生物による脱窒処理は、ア
ンモニア態窒素を硝酸態窒素に硝化した後、硝酸態窒素
を嫌気性処理を行って窒素ガスとする方法であるが、処
理時間を長くとる必要があるために、必然的に装置規模
が大きくなるという問題点を有している。ストリッピン
グ法は、液相中にガスを注入し、溶解しているアンモニ
ア態窒素を気相中に放出する方法であるが、汚染物質が
単に液相から気相へと移行するだけで汚染の根本的な解
決とはならないため、気相中のアンモニアを除去するた
めの何らかの工程が必要となる。イオン交換法では、窒
素含有イオン以外のイオンが多量に含有されているよう
は排水では、イオン交換基材を頻繁に再生する必要があ
るとともにイオン交換基材の耐久性を著しく損なう。ま
た、次亜塩素酸による脱窒法は、近年問題になっている
有機塩素を生成する危険性があり、オゾンによる脱窒法
も触媒として臭素イオンの存在が不可欠となり、いずれ
も酸化剤が多量に必要となってコスト高となる。
脱窒処理、曝気によるストリッピング法、イオン交換
法、次亜塩素酸やオゾンなどの酸化剤による酸化脱窒な
どの方法が用いられている。生物による脱窒処理は、ア
ンモニア態窒素を硝酸態窒素に硝化した後、硝酸態窒素
を嫌気性処理を行って窒素ガスとする方法であるが、処
理時間を長くとる必要があるために、必然的に装置規模
が大きくなるという問題点を有している。ストリッピン
グ法は、液相中にガスを注入し、溶解しているアンモニ
ア態窒素を気相中に放出する方法であるが、汚染物質が
単に液相から気相へと移行するだけで汚染の根本的な解
決とはならないため、気相中のアンモニアを除去するた
めの何らかの工程が必要となる。イオン交換法では、窒
素含有イオン以外のイオンが多量に含有されているよう
は排水では、イオン交換基材を頻繁に再生する必要があ
るとともにイオン交換基材の耐久性を著しく損なう。ま
た、次亜塩素酸による脱窒法は、近年問題になっている
有機塩素を生成する危険性があり、オゾンによる脱窒法
も触媒として臭素イオンの存在が不可欠となり、いずれ
も酸化剤が多量に必要となってコスト高となる。
【0004】一方、高濃度の硝酸アンモニウムを含有す
る排水の処理方法として、触媒湿式酸化により処理する
方法が提案されている(特開昭61−222585号公
報、特開昭61−222586号公報、特開昭61−2
22587号公報、特開昭61−222588号公報、
特開昭61−222589号公報、特開昭61−245
883号公報、特開昭61−245884号公報、特開
昭61−257290号公報、特開昭61−25729
1号公報、特開昭61−257292号公報、特開平4
−59094号公報、特開平4−61987号公報、特
開平4−200692号公報、特開平4−200790
号公報)。これらは、特定の触媒の存在下、100〜3
70℃の温度かつ排水が液相を保持する圧力条件下にお
いて湿式酸化処理する方法である。
る排水の処理方法として、触媒湿式酸化により処理する
方法が提案されている(特開昭61−222585号公
報、特開昭61−222586号公報、特開昭61−2
22587号公報、特開昭61−222588号公報、
特開昭61−222589号公報、特開昭61−245
883号公報、特開昭61−245884号公報、特開
昭61−257290号公報、特開昭61−25729
1号公報、特開昭61−257292号公報、特開平4
−59094号公報、特開平4−61987号公報、特
開平4−200692号公報、特開平4−200790
号公報)。これらは、特定の触媒の存在下、100〜3
70℃の温度かつ排水が液相を保持する圧力条件下にお
いて湿式酸化処理する方法である。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者ら
がアンモニア態窒素含有排水の処理を行った際には、排
水濃度の変動や装置自体のふれにより、大きく処理効率
が変動することが認められた。すなわち、触媒湿式酸化
法によりアンモニア態窒素含有排水を処理する際には、
装置条件を排水濃度等に対して常時最適に保持しなけれ
ば、安定した高い処理効率は得られないことが明らかに
なった。
がアンモニア態窒素含有排水の処理を行った際には、排
水濃度の変動や装置自体のふれにより、大きく処理効率
が変動することが認められた。すなわち、触媒湿式酸化
法によりアンモニア態窒素含有排水を処理する際には、
装置条件を排水濃度等に対して常時最適に保持しなけれ
ば、安定した高い処理効率は得られないことが明らかに
なった。
【0006】しかし、実装置においては排水の濃度は一
定ではなく、常時変動するものである。よって実際に
は、アンモニア態窒素含有排水の処理に際し、装置条件
を常に最適な状態に制御しなければ、安定した十分な窒
素の処理を行うことは不可能である。
定ではなく、常時変動するものである。よって実際に
は、アンモニア態窒素含有排水の処理に際し、装置条件
を常に最適な状態に制御しなければ、安定した十分な窒
素の処理を行うことは不可能である。
【0007】
【課題を解決する手段】これに対し、本発明者らは鋭意
研究を重ねた結果、触媒湿式酸化法によりアンモニア態
窒素含有排水を処理するにあたり、窒素の処理効率に対
して装置内に供給する酸素量の影響が非常に大きいこと
を見い出した。すなわち、使用する触媒の種類によって
処理水中に残留するアンモニウムイオンおよび硝酸イオ
ンの濃度は異なるが、アンモニア態窒素含有排水を触媒
湿式酸化法により処理する場合にはどのような触媒を用
いた場合においても図1に示した概念図のとおり、供給
酸素量が少ない場合には、アンモニア態窒素は酸化され
ずに処理水中に残留することになり、また供給酸素量が
過剰になった際には、アンモニア態窒素が硝酸態窒素に
変換されて高濃度で処理水中に残留し、処理水中の全窒
素濃度としては充分な処理を行うことができないことを
見い出した。
研究を重ねた結果、触媒湿式酸化法によりアンモニア態
窒素含有排水を処理するにあたり、窒素の処理効率に対
して装置内に供給する酸素量の影響が非常に大きいこと
を見い出した。すなわち、使用する触媒の種類によって
処理水中に残留するアンモニウムイオンおよび硝酸イオ
ンの濃度は異なるが、アンモニア態窒素含有排水を触媒
湿式酸化法により処理する場合にはどのような触媒を用
いた場合においても図1に示した概念図のとおり、供給
酸素量が少ない場合には、アンモニア態窒素は酸化され
ずに処理水中に残留することになり、また供給酸素量が
過剰になった際には、アンモニア態窒素が硝酸態窒素に
変換されて高濃度で処理水中に残留し、処理水中の全窒
素濃度としては充分な処理を行うことができないことを
見い出した。
【0008】さらに、本発明者らは鋭意研究を重ねた結
果、アンモニア態窒素含有排水を触媒湿式酸化処理する
に際し、触媒湿式酸化装置より排出されるガス中の酸素
濃度が供給酸素の量を判断する指標となることを見い出
し、この測定値を一定の範囲内または濃度値に制御する
ように装置内に流入させる酸素含有ガス量を制御するこ
とにより、簡便かつ排水の濃度の変動の影響を最小限に
抑え、安定した処理を行うことが可能であることを見い
出した。また、アンモニア態窒素含有排水を触媒湿式酸
化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より排出されるガ
ス中の酸素濃度とともに処理水のpHが供給酸素の量を
判断する指標となることを見い出し、これらの測定値に
よって、装置内に流入させる酸素含有ガス量を制御する
ことにより、簡便かつ排水の濃度の変動の影響を最小限
に抑え、安定した処理を行うことが可能であることを見
い出した。本発明は、これらの知見を基に完成されたも
のである。
果、アンモニア態窒素含有排水を触媒湿式酸化処理する
に際し、触媒湿式酸化装置より排出されるガス中の酸素
濃度が供給酸素の量を判断する指標となることを見い出
し、この測定値を一定の範囲内または濃度値に制御する
ように装置内に流入させる酸素含有ガス量を制御するこ
とにより、簡便かつ排水の濃度の変動の影響を最小限に
抑え、安定した処理を行うことが可能であることを見い
出した。また、アンモニア態窒素含有排水を触媒湿式酸
化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より排出されるガ
ス中の酸素濃度とともに処理水のpHが供給酸素の量を
判断する指標となることを見い出し、これらの測定値に
よって、装置内に流入させる酸素含有ガス量を制御する
ことにより、簡便かつ排水の濃度の変動の影響を最小限
に抑え、安定した処理を行うことが可能であることを見
い出した。本発明は、これらの知見を基に完成されたも
のである。
【0009】本発明は、アンモニア態窒素を含有する排
水を触媒湿式酸化処理するに当たり、排水の流量、濃度
の変動の影響を最小限に抑制し、安定した処理を行う簡
便かつ最適な制御方法を提供するものである。
水を触媒湿式酸化処理するに当たり、排水の流量、濃度
の変動の影響を最小限に抑制し、安定した処理を行う簡
便かつ最適な制御方法を提供するものである。
【0010】本発明は、アンモニア態窒素含有排水を触
媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より排出
される気液混合流体を気液分離した後、気相中の酸素濃
度および処理水のpHを測定し、測定された酸素濃度の
下限値が0.1vol%以上、制御範囲の幅が供給した
酸素量の25%に相当する範囲以下となる酸素濃度の範
囲内または設定された濃度値、pHがあらかじめ設定さ
れた範囲内または設定された値となるように、装置内に
流入させる酸素含有ガス量を制御することを特徴とする
触媒湿式酸化装置の制御方法である。
媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より排出
される気液混合流体を気液分離した後、気相中の酸素濃
度および処理水のpHを測定し、測定された酸素濃度の
下限値が0.1vol%以上、制御範囲の幅が供給した
酸素量の25%に相当する範囲以下となる酸素濃度の範
囲内または設定された濃度値、pHがあらかじめ設定さ
れた範囲内または設定された値となるように、装置内に
流入させる酸素含有ガス量を制御することを特徴とする
触媒湿式酸化装置の制御方法である。
【0011】触媒湿式酸化装置において、排水濃度の変
動は、反応装置の各部温度、処理水の性状、排ガスの酸
素濃度などに影響を与えてこれらを変動させる。反応装
置の各部温度は、排水の濃度が変動の前後で極端に異な
る場合には顕著に変化が現れるが、通常はその変化は小
さく、制御のために温度差を検出して用いることは困難
である。これに対して排ガス中の酸素濃度、処理水のp
Hは、装置内の酸化状況を如実に示す指標となる。
動は、反応装置の各部温度、処理水の性状、排ガスの酸
素濃度などに影響を与えてこれらを変動させる。反応装
置の各部温度は、排水の濃度が変動の前後で極端に異な
る場合には顕著に変化が現れるが、通常はその変化は小
さく、制御のために温度差を検出して用いることは困難
である。これに対して排ガス中の酸素濃度、処理水のp
Hは、装置内の酸化状況を如実に示す指標となる。
【0012】本発明においては、あらかじめ排ガス中の
酸素濃度の最適な範囲または濃度値を設定し、排ガス中
の酸素濃度が設定された範囲内におさまるように、また
は設定された濃度値に近づくように供給酸素ガス量を増
減させる。排ガス中の酸素濃度の最適な範囲または濃度
値を定めることにより、供給酸素量の必要酸素量に対す
る増加および減少を検出することが可能になり、供給酸
素量を制御して適正な処理を行うことが可能となる。排
ガス中の酸素濃度の最適な範囲の一方を定めず、排ガス
中の酸素濃度の最大値を定めてその値を超えないように
供給酸素量を制御する、もしくは排ガス中の酸素濃度の
最小値を定めてその値を下回らないように供給酸素量を
制御することは、好ましくない。すなわち、酸素濃度の
最大値のみを設定し、その値を超えないように供給酸素
量を制御することは、供給酸素量の過剰現象は検出でき
るが過少現象を検出することは不可能であり、供給酸素
量が不足して処理水中にアンモニウムイオンが残留する
場合がある。また酸素濃度の最小値のみを設定し、その
値を下回らないように供給酸素量を制御することは、供
給酸素量の過少現象は検出できるが過剰現象を検出する
ことは不可能であり、供給酸素量が大過剰となって処理
水中に硝酸イオンが存在する場合がある。なお、制御は
排ガス中の酸素濃度が高くなるにつれて供給酸素量を減
少させ、排ガス中の酸素濃度が低くなるにつれて供給酸
素量を増加させることにより行う。また、供給酸素量の
制御方法としては、設定された範囲を逸脱した際に供給
酸素量を変化させる、設定された範囲を逸脱した際にそ
の変化に応じて供給酸素量を変化させる、目標値との偏
差に応じて供給酸素量を変化させるなどの一般的な方法
が用いられる。
酸素濃度の最適な範囲または濃度値を設定し、排ガス中
の酸素濃度が設定された範囲内におさまるように、また
は設定された濃度値に近づくように供給酸素ガス量を増
減させる。排ガス中の酸素濃度の最適な範囲または濃度
値を定めることにより、供給酸素量の必要酸素量に対す
る増加および減少を検出することが可能になり、供給酸
素量を制御して適正な処理を行うことが可能となる。排
ガス中の酸素濃度の最適な範囲の一方を定めず、排ガス
中の酸素濃度の最大値を定めてその値を超えないように
供給酸素量を制御する、もしくは排ガス中の酸素濃度の
最小値を定めてその値を下回らないように供給酸素量を
制御することは、好ましくない。すなわち、酸素濃度の
最大値のみを設定し、その値を超えないように供給酸素
量を制御することは、供給酸素量の過剰現象は検出でき
るが過少現象を検出することは不可能であり、供給酸素
量が不足して処理水中にアンモニウムイオンが残留する
場合がある。また酸素濃度の最小値のみを設定し、その
値を下回らないように供給酸素量を制御することは、供
給酸素量の過少現象は検出できるが過剰現象を検出する
ことは不可能であり、供給酸素量が大過剰となって処理
水中に硝酸イオンが存在する場合がある。なお、制御は
排ガス中の酸素濃度が高くなるにつれて供給酸素量を減
少させ、排ガス中の酸素濃度が低くなるにつれて供給酸
素量を増加させることにより行う。また、供給酸素量の
制御方法としては、設定された範囲を逸脱した際に供給
酸素量を変化させる、設定された範囲を逸脱した際にそ
の変化に応じて供給酸素量を変化させる、目標値との偏
差に応じて供給酸素量を変化させるなどの一般的な方法
が用いられる。
【0013】本発明における酸素含有ガスとは、酸素を
含有する気体のことであり、具体的には空気、酸素富化
空気、酸素を含有する排ガスなど、種々のものを挙げる
ことができる。酸素含有ガス中の酸素濃度としては3vo
l%以上、好ましくは5vol%以上である。酸素含有ガス中
の酸素濃度が3vol%以下では、処理後の排ガス中の酸素
濃度が低くなりすぎて酸素濃度計による測定値の信頼度
が低くなり、供給酸素量の過剰または過少の検出力が低
下し、供給酸素量の制御が正確に行われなくなって安定
した処理を行えない場合がある。
含有する気体のことであり、具体的には空気、酸素富化
空気、酸素を含有する排ガスなど、種々のものを挙げる
ことができる。酸素含有ガス中の酸素濃度としては3vo
l%以上、好ましくは5vol%以上である。酸素含有ガス中
の酸素濃度が3vol%以下では、処理後の排ガス中の酸素
濃度が低くなりすぎて酸素濃度計による測定値の信頼度
が低くなり、供給酸素量の過剰または過少の検出力が低
下し、供給酸素量の制御が正確に行われなくなって安定
した処理を行えない場合がある。
【0014】本発明において、酸素含有ガスは連続的に
装置内に導入され、排水の処理に使用されることにな
る。間欠的に導入された場合には排水に無酸素状態の部
分が現れて処理が行われなくなり、結果として処理効率
が低くなる可能性があるため好ましくない。
装置内に導入され、排水の処理に使用されることにな
る。間欠的に導入された場合には排水に無酸素状態の部
分が現れて処理が行われなくなり、結果として処理効率
が低くなる可能性があるため好ましくない。
【0015】排ガス中の酸素濃度の最適な範囲または濃
度値は、供給する酸素含有ガス中の酸素濃度、要求され
る処理効率によって大きく異なるが、通常は供給された
酸素が処理後において供給量の1〜50%、好ましくは
2〜20%残留するような条件下で設定する。例えば、
酸素含有ガスとして空気(酸素濃度21vol%)を用いた
場合、排ガス中の酸素濃度の最適な範囲または濃度値の
設定は0.3〜11.7vol%、好ましくは0.5〜5.3vo
l%の範囲内で行う。なお、この際の排ガス中の酸素濃度
は、供給ガス中の酸素濃度と酸素が処理後に残留する割
合の積を、供給ガス中の酸素濃度と酸素が処理後に残留
する割合の積と供給ガス中の非溶解性ガス濃度の和によ
り、除することによって算出すればよい。
度値は、供給する酸素含有ガス中の酸素濃度、要求され
る処理効率によって大きく異なるが、通常は供給された
酸素が処理後において供給量の1〜50%、好ましくは
2〜20%残留するような条件下で設定する。例えば、
酸素含有ガスとして空気(酸素濃度21vol%)を用いた
場合、排ガス中の酸素濃度の最適な範囲または濃度値の
設定は0.3〜11.7vol%、好ましくは0.5〜5.3vo
l%の範囲内で行う。なお、この際の排ガス中の酸素濃度
は、供給ガス中の酸素濃度と酸素が処理後に残留する割
合の積を、供給ガス中の酸素濃度と酸素が処理後に残留
する割合の積と供給ガス中の非溶解性ガス濃度の和によ
り、除することによって算出すればよい。
【0016】本発明において、排ガス中の酸素濃度の最
適な範囲または濃度値の設定値が低いほど窒素処理効率
は高くなるが、酸素濃度計の検出感度・精度などを考慮
して、0.1vol%以上とすることが好ましい。0.1vol%
以下では測定された酸素濃度に関して信頼度が低くな
り、供給酸素量の制御に支障をきたすために好ましくな
い。供給した酸素の50%以上が残留する酸素濃度を最
適な範囲または濃度の設定値とした場合には、処理水中
に硝酸イオンが大量に存在することとなり、全窒素とし
て十分な処理が行われないことになる。
適な範囲または濃度値の設定値が低いほど窒素処理効率
は高くなるが、酸素濃度計の検出感度・精度などを考慮
して、0.1vol%以上とすることが好ましい。0.1vol%
以下では測定された酸素濃度に関して信頼度が低くな
り、供給酸素量の制御に支障をきたすために好ましくな
い。供給した酸素の50%以上が残留する酸素濃度を最
適な範囲または濃度の設定値とした場合には、処理水中
に硝酸イオンが大量に存在することとなり、全窒素とし
て十分な処理が行われないことになる。
【0017】また、酸素濃度の最適な範囲または濃度値
の設定値は使用する触媒の種類によっても大きく異な
る。一例を挙げれば、後述する触媒調製例において調製
した鉄−ジルコニウム−パラジウム系触媒であれば、酸
素含有ガスとして空気を用いた場合には、酸素濃度の最
適な範囲または濃度値の設定は0.3〜11vol%、好ま
しくは0.5〜5vol%の範囲内で行う。排ガス中の酸素
濃度が上記範囲を下回る場合には装置内における酸化反
応が充分に行われていないことになり、アンモニア態窒
素がそのまま処理水中に残留するおそれがある。また、
上記範囲を上回る場合にはアンモニア態窒素は処理水中
には検出されないが、硝酸態窒素が存在することとな
り、全窒素濃度として処理効率は低下することになる。
の設定値は使用する触媒の種類によっても大きく異な
る。一例を挙げれば、後述する触媒調製例において調製
した鉄−ジルコニウム−パラジウム系触媒であれば、酸
素含有ガスとして空気を用いた場合には、酸素濃度の最
適な範囲または濃度値の設定は0.3〜11vol%、好ま
しくは0.5〜5vol%の範囲内で行う。排ガス中の酸素
濃度が上記範囲を下回る場合には装置内における酸化反
応が充分に行われていないことになり、アンモニア態窒
素がそのまま処理水中に残留するおそれがある。また、
上記範囲を上回る場合にはアンモニア態窒素は処理水中
には検出されないが、硝酸態窒素が存在することとな
り、全窒素濃度として処理効率は低下することになる。
【0018】実際に処理を行う際の排ガス中の酸素濃度
の設定範囲は、設定範囲の下限値が0.1vol%以上、制
御範囲の幅が供給した酸素量の25%に相当する範囲以
下となるように設定する。好ましくは設定範囲の下限値
が0.3vol%以上、制御範囲の幅が供給した酸素量の1
5%に相当する範囲以下となるように設定する。また排
ガス中の酸素濃度を範囲ではなく値として設定する場合
にも、0.1vol%以上で設定する。酸素濃度の設定値は
低いほど全窒素処理効率が高くなるが、0.1vol%以下
とすると、酸素濃度計の検出感度・精度の信頼度が低く
なり、的確な供給酸素量の制御が行えなくなり好ましく
ない。また、制御範囲の幅は小さくするほど常時制御が
適正に行われることになり好ましい。実際の例を挙げれ
ば、酸素含有ガスとして空気を用い、後述する触媒調製
例において調製した鉄−ジルコニウム−パラジウム系触
媒を使用した場合には、酸素濃度の制御範囲は0.1vol
%以上5.1vol%以下、好ましくは0.3vol%以上3.3vo
l%以下であり、目標値として設定する場合は1vol%とす
ることである。なお、上記酸素濃度はいずれもドライベ
ースであり、水蒸気を分離した状態での濃度値であるた
め、水蒸気を分離せずに測定を行う場合には水蒸気によ
る誤差を補正して制御値を決定すればよい。
の設定範囲は、設定範囲の下限値が0.1vol%以上、制
御範囲の幅が供給した酸素量の25%に相当する範囲以
下となるように設定する。好ましくは設定範囲の下限値
が0.3vol%以上、制御範囲の幅が供給した酸素量の1
5%に相当する範囲以下となるように設定する。また排
ガス中の酸素濃度を範囲ではなく値として設定する場合
にも、0.1vol%以上で設定する。酸素濃度の設定値は
低いほど全窒素処理効率が高くなるが、0.1vol%以下
とすると、酸素濃度計の検出感度・精度の信頼度が低く
なり、的確な供給酸素量の制御が行えなくなり好ましく
ない。また、制御範囲の幅は小さくするほど常時制御が
適正に行われることになり好ましい。実際の例を挙げれ
ば、酸素含有ガスとして空気を用い、後述する触媒調製
例において調製した鉄−ジルコニウム−パラジウム系触
媒を使用した場合には、酸素濃度の制御範囲は0.1vol
%以上5.1vol%以下、好ましくは0.3vol%以上3.3vo
l%以下であり、目標値として設定する場合は1vol%とす
ることである。なお、上記酸素濃度はいずれもドライベ
ースであり、水蒸気を分離した状態での濃度値であるた
め、水蒸気を分離せずに測定を行う場合には水蒸気によ
る誤差を補正して制御値を決定すればよい。
【0019】さらに本発明は、排ガス中の酸素濃度とと
もに処理水のpHを検出し、検出された酸素濃度とpH
値によって供給酸素量を制御することが好ましい。アン
モニア態窒素含有排水の高効率な処理を行うには、供給
酸素量の微量制御が必要となる。そのため、排ガス中の
酸素濃度が低濃度の場合には供給酸素量の過不足に関す
る検出力が低くなる酸素濃度に加えて、処理水のpHを
測定し、pHの変動を補完的に供給酸素量の制御に用い
ることによって、被処理水のアンモニア態窒素濃度の変
動を的確に把握することが可能となり、供給酸素量の微
量制御も可能となり、上記のような排ガス中の酸素濃度
単独で処理する場合よりもより安定した高効率の処理が
可能となる。pHが低下する場合には、排水中に硝酸イ
オンが存在することを示し、供給酸素量を減少させる必
要がある。またpHが上昇する場合には排水中にアンモ
ニウムイオンが残留することを示し、供給酸素量を増加
させる必要がある。制御方法としては、排ガス中の酸素
濃度による供給酸素量の制御に加えて微調整としてpH
による供給酸素量の制御を行う。なお、pHによる制御
は高効率で処理された際のpHを設定値とし、設定値に
対する処理水のpHの偏差に比例的に供給酸素量を増加
または減少させることが好ましい。一例を挙げれば、後
述する実施例の場合には処理水のpHの制御のための設
定値を9とし、処理水のpHが9よりも大きくなった場
合には、その偏差に対して比例的に増加させ、また処理
水のpHが9よりも小さくなった際にはその偏差に対し
て比例的に減少させることにより制御を行う。
もに処理水のpHを検出し、検出された酸素濃度とpH
値によって供給酸素量を制御することが好ましい。アン
モニア態窒素含有排水の高効率な処理を行うには、供給
酸素量の微量制御が必要となる。そのため、排ガス中の
酸素濃度が低濃度の場合には供給酸素量の過不足に関す
る検出力が低くなる酸素濃度に加えて、処理水のpHを
測定し、pHの変動を補完的に供給酸素量の制御に用い
ることによって、被処理水のアンモニア態窒素濃度の変
動を的確に把握することが可能となり、供給酸素量の微
量制御も可能となり、上記のような排ガス中の酸素濃度
単独で処理する場合よりもより安定した高効率の処理が
可能となる。pHが低下する場合には、排水中に硝酸イ
オンが存在することを示し、供給酸素量を減少させる必
要がある。またpHが上昇する場合には排水中にアンモ
ニウムイオンが残留することを示し、供給酸素量を増加
させる必要がある。制御方法としては、排ガス中の酸素
濃度による供給酸素量の制御に加えて微調整としてpH
による供給酸素量の制御を行う。なお、pHによる制御
は高効率で処理された際のpHを設定値とし、設定値に
対する処理水のpHの偏差に比例的に供給酸素量を増加
または減少させることが好ましい。一例を挙げれば、後
述する実施例の場合には処理水のpHの制御のための設
定値を9とし、処理水のpHが9よりも大きくなった場
合には、その偏差に対して比例的に増加させ、また処理
水のpHが9よりも小さくなった際にはその偏差に対し
て比例的に減少させることにより制御を行う。
【0020】本発明におけるアンモニア態窒素とは、液
相中に溶解しているアンモニアおよびアンモニウムイオ
ンとなっているものの総称を意味し、一例を挙げれば硫
酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどの溶解塩類、ア
ンモニア水などが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
相中に溶解しているアンモニアおよびアンモニウムイオ
ンとなっているものの総称を意味し、一例を挙げれば硫
酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどの溶解塩類、ア
ンモニア水などが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0021】本発明において、処理対象となる排水中の
アンモニア態窒素の濃度としては、水溶液中に溶解して
いるものであれば、範囲は限定されない。
アンモニア態窒素の濃度としては、水溶液中に溶解して
いるものであれば、範囲は限定されない。
【0022】本発明において用いられる触媒は、湿式酸
化反応条件において、耐久性と活性を備えた固体触媒で
あればいずれの触媒を用いてもよいが、一例を挙げれば
触媒成分としてチタン、ケイ素、ジルコニウム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、タングステ
ン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニ
ウム、およびイリジウムよりなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素の水に不溶性または難溶性の化合物を含
有してなる固体触媒である。さらに、触媒A成分として
マンガン、鉄、コバルトよりなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素の水に不溶性または難溶性の化合物、触
媒B成分としてチタン、ケイ素、およびジルコニウムよ
りなる群より選ばれた少なくとも1種の元素の水に不溶
性または難溶性の化合物、および触媒C成分としてセリ
ウム、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、
ロジウム、ルテニウム、およびイリジウムよりなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の元素の水に不溶性または難
溶性の化合物を含有してなる固体触媒を用いることが好
ましい。該触媒における各触媒成分の比率は、A成分が
酸化物の形で20〜98.9重量%、B成分は酸化物の
形で1〜80重量%、C成分は金属もしくは化合物の形
で0.1〜20重量%の範囲が適当である。好ましく
は、A成分が酸化物の形で40〜95重量%、B成分は
酸化物の形で5〜60重量%、C成分は金属もしくは化
合物の形で0.1〜15重量%の範囲である。A成分が
上記範囲外では触媒活性が不十分であり、またC成分に
ついても同様に上記範囲を下回る場合には触媒活性が不
十分となり、また白金、パラジウムおよびロジウムなど
の貴金属の場合、上記範囲を上回る場合には原料コスト
が高くなり相応した十分な効果が期待できない。
化反応条件において、耐久性と活性を備えた固体触媒で
あればいずれの触媒を用いてもよいが、一例を挙げれば
触媒成分としてチタン、ケイ素、ジルコニウム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、タングステ
ン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニ
ウム、およびイリジウムよりなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素の水に不溶性または難溶性の化合物を含
有してなる固体触媒である。さらに、触媒A成分として
マンガン、鉄、コバルトよりなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素の水に不溶性または難溶性の化合物、触
媒B成分としてチタン、ケイ素、およびジルコニウムよ
りなる群より選ばれた少なくとも1種の元素の水に不溶
性または難溶性の化合物、および触媒C成分としてセリ
ウム、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、
ロジウム、ルテニウム、およびイリジウムよりなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の元素の水に不溶性または難
溶性の化合物を含有してなる固体触媒を用いることが好
ましい。該触媒における各触媒成分の比率は、A成分が
酸化物の形で20〜98.9重量%、B成分は酸化物の
形で1〜80重量%、C成分は金属もしくは化合物の形
で0.1〜20重量%の範囲が適当である。好ましく
は、A成分が酸化物の形で40〜95重量%、B成分は
酸化物の形で5〜60重量%、C成分は金属もしくは化
合物の形で0.1〜15重量%の範囲である。A成分が
上記範囲外では触媒活性が不十分であり、またC成分に
ついても同様に上記範囲を下回る場合には触媒活性が不
十分となり、また白金、パラジウムおよびロジウムなど
の貴金属の場合、上記範囲を上回る場合には原料コスト
が高くなり相応した十分な効果が期待できない。
【0023】本発明で使用する触媒は前記の通り特定さ
れた組成からなるものが好ましく、触媒形状としては、
粒状、ペレット状、およびハニカムなどの一体構造体な
ど種々のものを採用することができる。
れた組成からなるものが好ましく、触媒形状としては、
粒状、ペレット状、およびハニカムなどの一体構造体な
ど種々のものを採用することができる。
【0024】上記の触媒を用いてアンモニア態窒素含有
排水を処理すれば、全窒素処理効率が大幅に上昇するこ
とになる。
排水を処理すれば、全窒素処理効率が大幅に上昇するこ
とになる。
【0025】本発明における排水処理時の温度は100
〜370℃、好ましくは150℃〜300℃の範囲内で
ある。排水処理時の温度が100℃以下ではアンモニア
態窒素の充分な除去を行うことができず、また370℃
以上では水の臨界温度を超えることになり、反応装置が
高価になって好ましくない。圧力は処理温度において、
排水が液相を保持する圧力を設定する。湿式酸化反応は
酸素分圧が高いほど反応が速やかに進行するため、処理
時の圧力が高いほど反応が速くなるが、装置圧力が高く
なると装置自体が高価となるために、目標とする処理時
間、処理効率に合わせて適宜設定すればよい。
〜370℃、好ましくは150℃〜300℃の範囲内で
ある。排水処理時の温度が100℃以下ではアンモニア
態窒素の充分な除去を行うことができず、また370℃
以上では水の臨界温度を超えることになり、反応装置が
高価になって好ましくない。圧力は処理温度において、
排水が液相を保持する圧力を設定する。湿式酸化反応は
酸素分圧が高いほど反応が速やかに進行するため、処理
時の圧力が高いほど反応が速くなるが、装置圧力が高く
なると装置自体が高価となるために、目標とする処理時
間、処理効率に合わせて適宜設定すればよい。
【0026】本発明における排水の流入速度は、触媒に
対して空間速度(LHSV)で0.5〜20/hrの範
囲内であることが好ましい。LHSVが0.5/hr以
下では触媒量に対して処理効率は上昇せずコスト的に高
くなり、好ましくない。LHSVが20/hr以上では
アンモニア態窒素の処理効率が充分でなく、好ましくな
い。
対して空間速度(LHSV)で0.5〜20/hrの範
囲内であることが好ましい。LHSVが0.5/hr以
下では触媒量に対して処理効率は上昇せずコスト的に高
くなり、好ましくない。LHSVが20/hr以上では
アンモニア態窒素の処理効率が充分でなく、好ましくな
い。
【0027】本発明における酸素含有ガスの供給量は、
処理を行う間に自動制御されるため、特に限定はされな
い。
処理を行う間に自動制御されるため、特に限定はされな
い。
【0028】本発明において用いられる酸素濃度計とし
ては、気相中の酸素を連続測定し、検出値を出力できる
機能のあるものであればいずれのものを用いてもよい。
例示すれば、ジルコニア式酸素濃度計、ガルバニ電池式
酸素濃度計、磁気式酸素濃度計などの市販のものが用い
られる。
ては、気相中の酸素を連続測定し、検出値を出力できる
機能のあるものであればいずれのものを用いてもよい。
例示すれば、ジルコニア式酸素濃度計、ガルバニ電池式
酸素濃度計、磁気式酸素濃度計などの市販のものが用い
られる。
【0029】本発明において用いられるpH計として
は、液相のpHを連続測定し、検出値を出力できる機能
が付いているものであれば、いずれのものを用いてもよ
い。一般にはガラス電極式pH計が用いられる。
は、液相のpHを連続測定し、検出値を出力できる機能
が付いているものであれば、いずれのものを用いてもよ
い。一般にはガラス電極式pH計が用いられる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例にしたがって詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】(触媒調製例)硝酸第二鉄を水に溶解させ
て硝酸ジルコニル、硝酸パラジウムを添加し、水酸化ナ
トリウム水溶液を加えてpHを9とし、これをろ過洗浄
して得られたケーキを乾燥させて700℃で焼成後、粉
砕して鉄−ジルコニウム−パラジウムの酸化物粉体(重
量比Fe2O3:ZrO2:Pd=60:39.5:0.
5)を得た。
て硝酸ジルコニル、硝酸パラジウムを添加し、水酸化ナ
トリウム水溶液を加えてpHを9とし、これをろ過洗浄
して得られたケーキを乾燥させて700℃で焼成後、粉
砕して鉄−ジルコニウム−パラジウムの酸化物粉体(重
量比Fe2O3:ZrO2:Pd=60:39.5:0.
5)を得た。
【0032】かくして得られた酸化物粉体にでんぷん、
水を加えてよく混合した後、ペレット状(円筒形、平均
径5mm、長さ6mm)に成型し、乾燥後、400℃で
4時間焼成して完成触媒を得た。
水を加えてよく混合した後、ペレット状(円筒形、平均
径5mm、長さ6mm)に成型し、乾燥後、400℃で
4時間焼成して完成触媒を得た。
【0033】 (比較例1) 図2に示すようなフロー
にしたがって、表1に示すような組成よりなる排水を処
理した。まずタンク5より送られてくる排水をポンプ3
で1リットル/hrの流量で70kg/cm2Gまで昇
圧して装置内へ供給した。また、10重量%の炭酸ソー
ダ水溶液をライン12を通じて100ml/hrの流量
でポンプ4により昇圧、供給し、前記排水に混入させ
た。一方、ライン13より供給される空気をコンプレッ
サー7で昇圧した後、前記混合液に混入した。この気液
混合物をライン14を経て、熱交換器2およびヒーター
16において250℃に加熱した後、湿式酸化塔1へ導
入した。湿式酸化塔1には触媒調製例で得られた触媒
0.5リットルが充填されており、湿式酸化塔1におい
て排水を処理し、処理水をライン15を経て熱交換器2
において冷却し、気液分離器6へ流した。気液分離器6
においては、液面コントローラ(LC)により液面を検
出し、液面制御弁8を作動させて一定の液面を保持する
とともに、圧力コントローラ(PC)により圧力を検出
して圧力制御弁9を作動させて一定の圧力を保持するよ
うに操作されている。圧力制御弁9より排出されたガス
中の酸素濃度は、酸素濃度計10により、また処理水の
pHはpH測定器11により常時監視されている。
にしたがって、表1に示すような組成よりなる排水を処
理した。まずタンク5より送られてくる排水をポンプ3
で1リットル/hrの流量で70kg/cm2Gまで昇
圧して装置内へ供給した。また、10重量%の炭酸ソー
ダ水溶液をライン12を通じて100ml/hrの流量
でポンプ4により昇圧、供給し、前記排水に混入させ
た。一方、ライン13より供給される空気をコンプレッ
サー7で昇圧した後、前記混合液に混入した。この気液
混合物をライン14を経て、熱交換器2およびヒーター
16において250℃に加熱した後、湿式酸化塔1へ導
入した。湿式酸化塔1には触媒調製例で得られた触媒
0.5リットルが充填されており、湿式酸化塔1におい
て排水を処理し、処理水をライン15を経て熱交換器2
において冷却し、気液分離器6へ流した。気液分離器6
においては、液面コントローラ(LC)により液面を検
出し、液面制御弁8を作動させて一定の液面を保持する
とともに、圧力コントローラ(PC)により圧力を検出
して圧力制御弁9を作動させて一定の圧力を保持するよ
うに操作されている。圧力制御弁9より排出されたガス
中の酸素濃度は、酸素濃度計10により、また処理水の
pHはpH測定器11により常時監視されている。
【0034】酸素濃度計10の指示値が、ドライベース
で1vol%になるように供給ガス量を自動制御し、24時
間ごとに排水濃度を表1の範囲内で変動させて100時
間の連続処理テストを行った。
で1vol%になるように供給ガス量を自動制御し、24時
間ごとに排水濃度を表1の範囲内で変動させて100時
間の連続処理テストを行った。
【0035】排水中のアンモニア濃度、処理水中のアン
モニアおよび硝酸の各濃度の経時変化を図3に示す。な
お、亜硝酸イオンは処理水中には検出されなかった。
モニアおよび硝酸の各濃度の経時変化を図3に示す。な
お、亜硝酸イオンは処理水中には検出されなかった。
【0036】 (比較例2) 供給空気量を排ガスの酸
素濃度に追随させずに一定とした以外は比較例1と同様
の条件下において処理テストを行った。結果を図4に示
す。なお、亜硝酸イオンは処理水中には検出されなかっ
た。
素濃度に追随させずに一定とした以外は比較例1と同様
の条件下において処理テストを行った。結果を図4に示
す。なお、亜硝酸イオンは処理水中には検出されなかっ
た。
【0037】 (実施例1) 処理水のpHが9、排ガ
ス中の酸素濃度が1vol%となる量に供給ガス量を自
動制御した以外は比較例1と同様の条件下において処理
テストを行った。なお、pHによる供給酸素量の制御
は、pHが9以上になれば酸素量をその偏差に比例的に
増加させ、pHが9以下になれば酸素量をその偏差に比
例的に減少するように設定されている。結果を図5に示
す。なお、亜硝酸イオンは処理水中には検出されなかっ
た。
ス中の酸素濃度が1vol%となる量に供給ガス量を自
動制御した以外は比較例1と同様の条件下において処理
テストを行った。なお、pHによる供給酸素量の制御
は、pHが9以上になれば酸素量をその偏差に比例的に
増加させ、pHが9以下になれば酸素量をその偏差に比
例的に減少するように設定されている。結果を図5に示
す。なお、亜硝酸イオンは処理水中には検出されなかっ
た。
【0038】
【表1】
【図1】図1は、触媒 湿式酸化反応法によってアンモ
ニア態窒素含有排水を処理した場合の供給酸素量と処理
水中のアンモニウムイオン及び硝酸イオンの濃度の関係
の概念図である。
ニア態窒素含有排水を処理した場合の供給酸素量と処理
水中のアンモニウムイオン及び硝酸イオンの濃度の関係
の概念図である。
【図2】図2は、本発明に係る好ましい処理装置のフロ
ーを示すものである。 1.触媒湿式酸化反応器 2.熱交換器 3.排水フィールドポンプ 4.炭酸ソーダ水溶液フィールドポンプ 5.排水タンク 6.気液分離器 7.エアーコンプレッサー 8.液面調節弁 9.圧力調節弁 10.酸素濃度計 11.pH計 12.炭酸ソーダ水溶液フィールドライン 13.エーアライン 16.電気ヒーター
ーを示すものである。 1.触媒湿式酸化反応器 2.熱交換器 3.排水フィールドポンプ 4.炭酸ソーダ水溶液フィールドポンプ 5.排水タンク 6.気液分離器 7.エアーコンプレッサー 8.液面調節弁 9.圧力調節弁 10.酸素濃度計 11.pH計 12.炭酸ソーダ水溶液フィールドライン 13.エーアライン 16.電気ヒーター
【図3】 図3は、比較例1の結果であり、排水中のア
ンモニウムイオン濃度を24時間ごとに段階的に変化さ
せ、処理水中のアンモニウムイオン濃度、硝酸イオン濃
度の変化状況を示したものである。
ンモニウムイオン濃度を24時間ごとに段階的に変化さ
せ、処理水中のアンモニウムイオン濃度、硝酸イオン濃
度の変化状況を示したものである。
【図4】 図4は、比較例2の結果であり、排水中のア
ンモニウムイオン濃度を24時間ごとに段階的に変化さ
せ、処理水中のアンモニウムイオン濃度、硝酸イオン濃
度の変化状況を示したものである。
ンモニウムイオン濃度を24時間ごとに段階的に変化さ
せ、処理水中のアンモニウムイオン濃度、硝酸イオン濃
度の変化状況を示したものである。
【図5】 図5は、実施例1の結果であり、排水中のア
ンモニウムイオン濃度を24時間ごとに段階的に変化さ
せ、処理水中のアンモニウムイオン濃度、硝酸イオン濃
度の変化状況を示したものである。
ンモニウムイオン濃度を24時間ごとに段階的に変化さ
せ、処理水中のアンモニウムイオン濃度、硝酸イオン濃
度の変化状況を示したものである。
フロントページの続き (72)発明者 三井 紀一郎 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 触媒研究所内 審査官 真々田 忠博 (56)参考文献 特開 昭55−86584(JP,A) 特開 平2−265696(JP,A) 特開 昭59−55390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/72 C02F 1/58 B01J 3/00 B01J 19/00
Claims (1)
- 【請求項1】 アンモニア態窒素含有排水を触媒湿式酸
化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より排出される気
液混合流体を気液分離した後、気相中の酸素濃度および
処理水のpHを測定し、測定された酸素濃度の下限値が
0.1vol%以上、制御範囲の幅が供給した酸素量の
25%に相当する範囲以下となる酸素濃度の範囲内また
は設定された濃度値、pHがあらかじめ設定された範囲
内または設定された値となるように、装置内に流入させ
る酸素含有ガス量を制御することを特徴とする触媒湿式
酸化装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05912494A JP3263519B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | アンモニア態窒素含有排水の処理における触媒湿式酸化装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05912494A JP3263519B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | アンモニア態窒素含有排水の処理における触媒湿式酸化装置の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07265878A JPH07265878A (ja) | 1995-10-17 |
JP3263519B2 true JP3263519B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=13104253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05912494A Expired - Fee Related JP3263519B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | アンモニア態窒素含有排水の処理における触媒湿式酸化装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3263519B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-29 JP JP05912494A patent/JP3263519B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07265878A (ja) | 1995-10-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |