JP3263344B2 - 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光散乱方式の高分
子分散型液晶表示素子及びその製造方法に関し、もっと
詳しは、マルチプレックス基板により、又は、薄膜トラ
ンジスタやMIM素子によるアクティブマトリクス基板
により駆動されるプロジェクタのライトバルブに用いら
れる液晶表示素子、あるいは、TV受信機やコンピュ−
タ−端末機のデスプレイ部に用いられるフラットパネル
型の液晶表示素子、さらにはビュ−ファインダ等に用い
られる液晶表示素子などに好適に実施することができる
高分子分散型液晶表示素子の構造及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、薄型、小型、低電圧駆
動、低消費電力という特徴を生かし、腕時計、電卓等の
表示から、ナビゲーションシステム、ノート型パソコ
ン、液晶モニター、データプロジェクター、プロジェク
ション液晶テレビなどあらゆるところで広く利用されて
いる。このような液晶表示素子の表示モードの中で、従
来より広く用いられているのがTN(Twisted
Nematic)方式であり、対向する2枚の基板の間
に上下で液晶分子が90度ねじれた構造の液晶素子を2
枚の偏光板により挟持したものである。また、TN方式
の時分割駆動特性を改善したSTN(Super Tw
isted Nematic)方式の液晶表示素子も日
本語ワードプロセッサーなどに使われている。さらに、
最近では液晶分子の自発分極によって液晶分子の配列状
態を変化させ、その配列状態の変化に伴う電気光学効果
を表示に利用する強誘電性液晶を利用した情報機器も実
用化されている。
【0003】しかし、これらの液晶表示素子は少なくと
も1枚の偏光板を必要とするため、暗い、配向処理が必
要、セル厚制御が容易でないという課題があった。
【0004】一方、このような液晶表示素子に対して、
偏光板が不要で、電界により液晶分子の配列を制御し
て、白濁状態または透明状態を作り出す方式が提案され
ている。この方式は、液晶と透明高分子の複合体が2枚
の基板間に挟持されており、液晶分子が正の誘電率異方
性を有する場合、液晶分子の常光屈折率と透明高分子の
屈折率を一致させておき、電圧を印加して液晶分子の長
軸を電界に平行になるように配列させて透明高分子の屈
折率と一致すると、界面の光散乱がないため透明状態に
なり、一方電圧が無印加のときには、液晶分子は種々の
方向に配向しているため透明高分子との界面で屈折率が
一致しないため光散乱が起こり白濁不透明状態になるこ
とを利用しているものである。このような方式の液晶表
示素子によると、偏光板が不要であるためプロジェクタ
ライトバルブに応用しても明るい表示を得ることができ
る。
【0005】この方式の代表的な例は、NCAP(Ne
matic Curvilinear Aligned
Phase)と呼ばれる、ネマチック液晶をポリビニ
ルアルコールなどでマイクロカプセル化したものである
(粉体と工業、VOL.22、NO.8(199
0))。また、このほかに、PDLC(Polymer
Dispersed Liquid Crysta
l)といわれる方式があり、液晶微小滴を高分子マトリ
クス中に分散させる方法である(フラットパネルディス
プレイ’91、日経BP社、p219)。また、PNL
C(Polymer Network Liquid
Crystal)といわれるものもあり、樹脂が液晶の
連続相の中に3 次元ネットワーク状に広がる構造を有す
るものである(電気情報通信学会技術研究報告、EID
89−89、p1)。
【0006】これらの液晶と透明高分子の複合体は、総
称して高分子分散型液晶と呼ばれている。よって、本明
細書においても、用語「高分子分散型液晶」は、上記の
NCAP、PDLC、PNLCなどを含めた総称の意で
使用する。即ち、本明細書中において用語「高分子分散
型液晶」とは、高分子マトリクス中に液晶滴が島状に分
散されたものに限らず、液晶滴が連続的に繋がったも
の、更には樹脂が液晶の連続相の中に3 次元ネットワー
ク状に広がる構造を有するものなども包含する。
【0007】従来、これらの液晶と高分子の複合体の製
造方法は、アクリル系またはエポキシ系紫外線硬化樹脂
などの未硬化樹脂モノマーと液晶材料を溶解させた混合
組成物を2枚の基板間に注入し、これに、紫外線を照射
すると、樹脂モノマーが重合して液晶と樹脂が相分離す
る。その結果、高分子中に液晶が分散した構造、または
液晶中に高分子がネットワーク状に広がる構造のものが
得られる(フラットパネルディスプレイ’91、日経B
P社、p219、電気情報通信学会技術研究報告、EI
D89−89、p1など)。
【0008】ところで、このような高分子分散型液晶表
示素子は、上記のように偏光板を不要とするため、暗
い、配向処理が必要、セル厚制御が容易でない等の問題
を解決することができるという優れた特性を有してい
る。しかしながら、一方では、コントラストの低下が問
題となっており、コントラストの向上が求められてい
る。
【0009】コントラストの向上に関しては、液晶を挟
み込む電極に電圧を印加していない時に、いかに光の散
乱を起こさせるかがキーポイントとなる。現在のとこ
ろ、光の散乱を完全に行うための手法として、セル厚を
大きくしたり、または液晶の誘電率異方性△nを大きく
することが検討されている。
【0010】しかしながら、現状では、△nを大きくす
ることに関しては、様々なアプローチがなされているも
のの、液晶材料の限界などであまり大きな効果は得られ
ていない。
【0011】また、セル厚を大きくすることに関して
は、セル厚を大きくすると、その分だけ光が散乱できる
回数が増加し、散乱を確実に行うことができる。しかし
ながら、セル厚が大きくなると、セル厚が大きくない通
常の液晶セルへの印加電圧と等しい電圧を印加した場合
に、液晶層にかかる電界が小さくなる。従って、セル厚
を大きくした場合、液晶を十分に配向させるためには、
より大きい電圧が必要になり、電圧の増大を招いてしま
うという新たな問題点が生じる。
【0012】そこで、セル厚を大きくすることなく、必
要なコントラストを得て駆動電圧を低減させることがで
きる高分子分散型液晶表示素子が、特開平8−2483
98号公報に記載されている。この従来技術は、高分子
分散液晶複合体層を積層して積層体とし、各高分子液晶
複合体層中の液晶分子は、それぞれ電極面に略平行な平
面内で一定の方向に配向し、各高分子液晶複合体層間に
おける液晶分子の配向方向は、互に90度となるように
ラビング等の配向処理で設定している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平8−248398号公報記載の従来技術では、ラ
ビングにより液晶分子の配向を規制して散乱効果を向上
しようとするものであるため、2層の高分子液晶複合体
層しか形成することができず、各高分子液晶複合体層間
における液晶分子の配向方向を、各層毎に90度交差す
るように形成しても、セル厚方向に液晶分子を見た場合
において、基本的には液晶分子は2方向にしか配向して
おらず、十分に満足できる光の散乱を得ることは困難で
ある。またラビングという配向処理はそもそもプロセス
が複雑になるという欠点がある。
【0014】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、ラビングなどの手法を用いることなく、また駆
動電圧の増大を招かずに十分な光散乱を行うことがで
き、結果として高コントラストが得られ高分子分散型液
晶表示素子及びその製造方法を提供することを主たる目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の高分子分散型液晶表示素子は、高分子中に
液晶滴を分散させた高分子液晶複合体層を複数積層して
積層体とし、電極が形成されている一対の基板間前記
積層体を3層以上保持し、前記各高分子液晶複合体層中
の液晶滴内の液晶分子が、前記基板に対してほぼ平行に
配向されており、かつ、基板にほぼ平行な面内では高分
子液晶複合体層毎に互いに異なる方向に配向されている
ことを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、各高分子液晶複合体層
中の液晶滴内の液晶分子が、前記基板に対してほぼ平行
に配向されていることに加えて、セル厚方向に見た場
合、液晶表示素子全体としては、液晶分子がよりランダ
ムに近い状態に配向されている。従って、従来例に比べ
て格段に各層間の屈折率差を大きくすることができ、十
分な光散乱効果を得ることができる。また、各層の層厚
を薄くして、多数の積層構造とすることにより十分な光
散乱効果が得られるため、セル厚を大きくする必要がな
く、駆動電圧の増大を招かない。
【0017】上記の液晶表示素子を得るに際しては、混
合物に紫外線を照射して高分子と液晶が相分離して高分
子液晶複合体層を形成する重合処理において、前記紫外
線として、一方向に偏光された偏光紫外線を使用し、偏
光紫外線の偏光方向を各高分子液晶複合体層毎に変化さ
せることにより、液晶の配向制御処理を行う。また他の
方法として、混合物に紫外線を照射して高分子と液晶が
相分離して高分子液晶複合体層が形成される重合処理中
において、磁場または電場を各高分子液晶複合体層毎に
異なる方向に印加することにより液晶の配向制御処理を
行う場合もある。このような本発明による製造方法によ
り、従来例のようにラビングなどの手法を用いることな
く、簡単な製造工程により高コントラストの液晶表示素
子を製造することができる。
【0018】また本発明の液晶表示素子は、各高分子液
晶複合体層中の液晶滴内の液晶分子が、基板に対してほ
ぼ平行に配向されており、かつ、基板にほぼ平行な面内
ではランダムに配向されている場合もある。このような
構成の液晶表示素子が、最も望ましい液晶の配向状態を
有するものである。
【0019】上記の液晶表示素子を得るに際しては、重
合処理により基板間に高分子液晶複合体層が形成された
後、基板を押圧することにより液晶の配向制御を行う。
即ち、重合性材料の重合により高分子と液晶が相分離し
て高分子液晶複合体層が形成されると、この状態では、
高分子液晶複合体層中の液晶滴内の液晶分子は、基板に
対してランダムに配向しており、かつ、基板にほぼ平行
な面内でもランダムに配向している。このような状態
で、基板を押圧して液晶滴を偏平化すると、液晶滴内の
液晶分子が基板に対してほぼ平行に配向することが知ら
れている。よって、基板を押圧することにより、高分子
液晶複合体層中の液晶滴内の液晶分子が、基板に対して
ほぼ平行に配向し、かつ、基板にほぼ平行な面内ではラ
ンダムに配向するように、配向制御を行うことができ
る。
【0020】なお、液晶滴は、液晶に、2色性色素が混
合されて構成されている場合もある。このような構成に
より、2色性色素で光を吸収するゲストホスト方式の液
晶表示素子を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る液晶表示素子について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は液晶表示素子の模式化した断面図である。
図中において、14A,14Bはガラス基板であり、ガ
ラス基板14Aとガラス基板14Bの相互の対向面に
は、透明電極(図示せず)が形成されている。このガラ
ス基板14Aとガラス基板14Bによって、積層体17
が保持されている。積層体17は、第1の高分子液晶複
合体層11と、第2の高分子液晶複合体層12と、第3
の高分子液晶複合体層13が積層された構造となってい
る。これら第1〜第3の高分子液晶複合体層11〜13
は、高分子18中に液晶滴19を分散した高分子分散型
液晶層である。
【0022】また、第1〜第3の高分子液晶複合体層1
1〜13の液晶分子16は、その長軸方向が基板に対し
て略平行とされている。これにより、高分子と液晶の屈
折率差を大きくすることができ、大きな光散乱効果が得
られる。その結果、高コントラストが得られる。なお、
この点については、特開平8−248398号公報にも
記載されている通りである。
【0023】ここで、本発明者は、液晶分子を基板に対
して平行に配向させるだけでなく、さらに、セル厚方向
に液晶分子を見た場合において液晶分子の配向ができる
だけランダムになればなるほど、よりいっそう散乱を十
分に行えることを見いだした。そこで、本発明では、図
1(b)に示すように、各高分子液晶複合体層11〜1
3毎の液晶分子16の配向方向15を異なるように構成
した。このような構成によれば、配向方向15が異なる
ことで各層11〜13間で屈折率が異なり、大きな散乱
を得ることができることが判明した。なお、本発明にお
いて、液晶分子16が基板14A,14Bに平行な面内
において、完全にランダムに配向できればその状態が最
も望ましい。
【0024】従来の液晶表示素子では、ラビングにより
液晶分子の配向を制御しようとしているわけであるが、
ラビングを用いた場合には、上記したように高分子液晶
複合体層における液晶分子の配向方向は、互に90度交
差するように形成されるため、セル厚方向に液晶分子を
見た場合において、基本的には液晶分子は2方向にしか
配向しておらず、十分に満足する散乱を得ることは不可
能である。この点に関し、本発明は、ラビング処理を必
要とせず、高分子液晶複合体層を積層する構造であるた
め、各層毎に異なる方向に液晶分子を配向することがで
き、従来例に比べて格段に大きな散乱効果を得ることが
できる。
【0025】また、積層構造とすることにより、一度に
層厚の大きい高分子液晶複合体層を形成して液晶の配向
を制御する処理を行うよりは、層厚の小さい高分子液晶
複合体層毎に液晶の配向処理を行って積層することがで
き、結果として液晶の配向制御を行う外力、例えば液晶
滴を偏平するのに要する外力が高分子液晶複合体層に伝
わりやすくなる。従って、一度に層厚の大きい高分子液
晶複合体層を形成して液晶の配向を制御する処理を行う
場合に比べて、本発明の場合は、一層形成毎の配向制御
により、より均一な液晶表示素子を実現できる。
【0026】次に、本発明において実際に液晶分子の配
向処理を行う方法について説明する。第1の手法は、液
晶材料と高分子前駆体である重合性材料とを含む混合物
に光を照射し、相分離することで高分子液晶複合体層を
得るときに偏光照射することで偏光方向に高分子硬化を
行う方法である。この方法により、結果的には棒状ない
しはラグビーボール状の液晶滴形状をとることができる
わけであるが、これにより液晶滴内の液晶分子はその形
状に従って配向し、層内での液晶の配向を規制すること
ができる。そして、上記の操作を繰り返して偏光方向を
層毎に変化させることで各層毎に液晶分子の向きの異な
る積層された積層体を形成することができる。
【0027】第2の手法は、相分離時に層毎に磁場ない
しは電場を印加することで層毎の液晶の方位を規制する
ものである。なお、積層体の作製法は上記の第1の手法
と同様に行うことが可能である。またこの第2の方法で
は相分離時だけでなく、高分子液晶複合体層を作製した
後、等方性液体まで加熱し、この状態で、磁場ないしは
電場を印加し、その後液晶状態まで降温し、各層毎に液
晶の配列を規制することも可能である。
【0028】さらに、本発明の最も望ましい形態とし
て、各層の液晶分子の配列を基板にほぼ水平にかつラン
ダムにするためには、各層を作製した後、各層毎に押圧
して円盤状あるいは扁平状にすることで、図2(a)に
示す液晶滴19内の液晶分子の配向を、弾性的に安定な
図2(b)に示す配向状態とすることができる。
【0029】なお、作製方法として均一な厚みの積層体
を得るためには各層の厚みが均一でなくてはならない。
そのため、本発明では、各層毎にスペーサを使用するこ
とにより、均一な厚みの複合体層を得ることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明に係る液晶表示素子を実施例に
基づいて更に詳細に説明する。
【0031】(実施例1)図3は液晶表示素子の模式化
した断面図である。この実施例では、高分子液晶複合体
層が2層積層されている。図中において、21A,21
Bはガラス基板であり、このガラス基板21A,21B
の各対向面には、透明電極22A,22Bが形成されて
いる。このガラス基板21A,21B間に、高分子液晶
複合体層23A,23Bを2層積層してなる積層体24
が保持されている。各高分子液晶複合体層23A,23
Bは、高分子25A,25B中に液晶滴27A,27B
が分散された高分子分散型液晶を構成している。各高分
子液晶複合体層23A,23B中の液晶滴27A,27
B内の液晶分子は、その長軸がガラス基板21A,21
Bに対してほぼ平行になるように配置されており、か
つ、基板21A,21Bにほぼ平行な面内でランダムに
配置されている。なお、本明細書において、用語「液晶
分子が基板に対して平行」とは、液晶滴内の全ての液晶
分子の傾き角を平均した液晶分子(バイポール軸に沿っ
た液晶分子に相当する)が基板に対して平行であること
を意味する。なお、液晶滴27A,27Bの形状は、略
扁平状又は略円盤状、即ち、断面が楕円状でかつセル厚
方向から見た場合円形状である。
【0032】次に、上記構成の液晶表示素子の製造方法
について説明する。先ず、液晶材料と重合性材料と光重
合開始剤をそれぞれ加え、この混合物を撹拌して均一な
混合溶液を調製する。具体的には、液晶材料としてはE
−8(メルク社製)を使用した。また、重合性材料とし
ては、ブチルオクタルアクリレ−ト(BOA)と、2−
エチルヘキシルアクリレ−ト(2EHA)と、1,6−
ヘキサンジオ−ルアクリレ−ト(HDDA)の3種類の
材料の混合した物を使用した。なお、ブチルオクタルア
クリレ−ト(BOA)と、2−エチルヘキシルアクリレ
−ト(2EHA)と、1,6−ヘキサンジオ−ルアクリ
レ−ト(HDDA)の混合比を1.5:1.5:1とし
た。また、光重合開始剤としては、ダロキュア1173
(日本チバガイギ−)を使用した。ダロキュア1173
の添加量は、2wt%とした。なお、液晶材料と重合性
モノマーの混合比率は8:2とした。
【0033】この実施例では、液晶材料としてはE−8
(メルク社製)を使用したが、これに限定されるもので
はなく、正の誘電率異方性を有し、常温付近で液晶状態
を示すネマテック液晶、コレステリック液晶、スメクテ
ック液晶などの各種の液晶材料が使用できる。また、こ
れらの液晶材料は1種でもよく、また2種以上を混合し
て使用することもできる。また、これらの液晶材料に例
えば2色性色素などを含有させるようにしてもよく、更
に、各高分子液晶複合体層毎に、それぞれ異なる色の2
色性色素を含有させ、フルカラー表示が可能な液晶表示
素子に本発明を適用するようにしてもよい。
【0034】また、この実施例では、重合性材料として
は、ブチルオクタルアクリレ−ト(BOA)と、2−エ
チルヘキシルアクリレ−ト(2EHA)と、1,6−ヘ
キサンジオ−ルアクリレ−ト(HDDA)の3種類の材
料の混合した物を使用しが、これに限定されるものでは
ない。重合性材料としては、光により重合し透明性を有
する高分子化合物を生成する各種の重合性物質が使用可
能であり、一般には例えばアクリレート、メタクリレー
ト、エポキシなどの重合性官能基を有するモノマーやオ
リゴマーなどを使用してもよい。具体的には、重合性モ
ノマーとしては、例えばn−トリデシルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキ
サンジオールジアクリレートなどが使用できる。重合性
オリゴマーとしては、ポリウレタンアクリレート、1,
6ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリト
ールジアクリレートモノステアレート、オリゴウレタン
アクリレート、ポリエステルアクリレート、グリセリン
ジグリシジルエーテルなどが使用できる。
【0035】次に、図4(a)に示すように、ガラス基
板21Bと高分子液晶複合体層形成用のガラス基板30
間に、粒径2μmのスペ−サ31を介在させ、基板21
B,30を、その間隔を一定に保持するようにして重ね
る。ガラス基板21Bには、透明電極22Bが形成され
ているが、ガラス基板30には、透明電極は形成されて
いない。この理由は、ガラス基板30は、高分子液晶複
合体層形成のためにのみ使用されるものであり、後述す
るように、高分子液晶複合体層23B形成後には、高分
子液晶複合体層23Bから剥がされしてしまい、液晶表
示素子の構成要素となるものではないからである。従っ
て、ガラス基板30に代えて、例えば、プラスチックフ
ィルムなどを用いてもよい 。
【0036】次に、図4(b)に示すように、基板21
B,30間に、前記溶液状の混合物を注入する。
【0037】次に、図4(c)に示すように、基板21
B,30間に注入された混合物に紫外線を照射した。紫
外線照射の条件としては、主波長365nmで照射強度
30mWの紫外線で1分間照射した。この紫外線照射に
よる光重合により、高分子と液晶とが相分離し、単層の
高分子液晶複合体層23Bが得られた。この図4(c)
に示す状態では、高分子液晶複合体層23B中の各液晶
滴27Bは球形であり、各液晶滴27Bの液晶分子は、
基板に対して平行ではなく種々の方位をもって配向して
いる。このことは、本発明者が、偏光顕微鏡により高分
子液晶複合体層23Bを観察することにより、確認し
た。
【0038】次に、図4(d)に示すように、基板21
B,30に例えば、プレス機などにより、均一に5Kg
/cm2 で圧力を印加し、液晶滴27B内の液晶の一部
を基板21B,30間から外部に押し出した。これによ
り、液晶滴27Bは変形した。この変形した状態を、偏
光顕微鏡により観察すると、液晶滴27Bの液晶分子
は、基板21Bに対して平行にほぼ配向しており、基板
21Bに平行な面内では図5に示すようにランダムに配
列していることがわかった。但し、図4(d)では、便
宜上きれいに変形した液晶滴27Bが均一な方向に向い
ているように描いているが、実際にはいびつに変形した
形状であった。しかし、液晶滴27Bがいびつに変形し
た形状であっても、液晶滴27B内の液晶分子は基板2
1Bに対して平行に近く配向していた。なお、走査型電
子顕微鏡で断面を観察したところ、液晶滴27Bの形状
は扁平状ないしは円盤状に変形していた。
【0039】次に、図4(e)に示すように、上記単層
の高分子液晶複合体層23Bから基板30を剥離し、積
層体24を構成するための下層とした。次に上記図4
(a)〜(d)と同様な工程により、もう1つの単層の
高分子液晶複合体層23Aを作成し、上層とした。
【0040】次に、図4(e)に示すように、上層と下
層とが対向するように貼り合わせて、周辺部を封止する
ことにより、液晶表示素子を作製した。このようにして
作成された液晶表示素子の特性につき、本発明者が実験
したところ、透過率85%、コントラスト100:1、
駆動電圧5Vであり、十分な散乱効果を得ることができ
た。更に、積層数を増やすことで、より高いコントラス
トを実現することができた。例えば、5層でコントラス
ト300:1、駆動電圧10Vを実現できた。
【0041】(比較例1)実施例1の図4(d)に示す
押圧処理をなくし、その他は実施例1と同様にして単層
の高分子液晶複合体層を2層形成し、これらを実施例1
と同様に貼り合わせて液晶表素子を作製して比較例1と
した。この比較例1につき、実施例1と同一の条件下で
特性を測定した。その結果は、透過率85%、コントラ
スト20:1、駆動電圧7Vであり、十分な散乱効果を
得ることはできなかった。
【0042】(実施例2)この実施例2では、積層体2
4を構成する各高分子液晶複合体層23A,23B中の
液晶滴27A,27B内の液晶分子が、基板21A,2
1Bに対してほぼ平行に配置されており、かつ、基板2
1A,21Bにほぼ平行な面内では、高分子液晶複合体
層23A,23B毎に互いに異なる方向に配置されてい
る。
【0043】このような構成により、各層の液晶の配列
を基板に対してほぼ平行でかつ基板にほぼ平行な面内で
はランダムな最も好ましい形態である実施例1には、特
性が若干劣るけれども、従来例に比べれば十分な散乱効
果を得ることができる。なお、この実施例では、2層の
例について説明するけれども、層数を増加することによ
り、より理想形態に近い液晶の配向状態を得ることがで
きる。
【0044】上記構成の液晶表示素子は以下の方法で製
造した。先ず、実施例1の図4(a)及び(b)に示す
工程と同様な図6(a)及び(b)に示す工程により、
基板21B,30間に混合物を注入する。その後、図6
(c)に示すように、偏光素子を介した状態で紫外線を
混合物に照射した。紫外線照射の条件としては、主波長
365nmで照射強度30mWの紫外線で1分間照射し
た。また、このときの偏光素子の偏光軸方向32は、図
7に示すように、基板21Bの横方向(図7の左右方
向)である。このような偏光紫外線の照射による光重合
により高分子と液晶とが相分離し、高分子25B中に液
晶滴27Bが分散された単層の高分子液晶複合体層23
Bが得られた。なお、このときの液晶滴27B内の液晶
分子は、偏光軸方向32に沿って析出することが知られ
ており、従って液晶分子は、基板21Bに対して略平行
で〔図6(c)参照〕、かつ、基板に平行な面内では、
図7に示すように、偏光軸方向32に配向している。
【0045】この点に関し、本発明者は、偏光顕微鏡に
より高分子液晶複合体層23Bを観察し、液晶分子が基
板に対して略平行でかつ前記偏光軸方向32に配列して
いることを確認している。また走査型電子顕微鏡で断面
を観察し、液晶滴27Bの形状が棒状ないしはラグビー
ボール状をしていることを確認している。
【0046】次に、図6(d)に示すように、上記単層
の高分子液晶複合体層23から基板30を剥離し、積層
体24を構成するための下層とした。
【0047】次に上記図6(a)〜(d)に示すのと基
本的には同様な工程により、もう1つの単層の高分子液
晶複合体層23Aを作成し、上層とした。ここで、高分
子液晶複合体層23Aの作成において、高分子液晶複合
体層23Bの作成と異なる点は、図6(c)に示す偏光
紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向が高分子液晶
複合体層23Bの場合と異なっていることである。即
ち、高分子液晶複合体層23Aを作成するときは、偏光
素子の偏光軸方向32は図8に示す方向とされ、高分子
液晶複合体層23Bの場合の図8に示す偏光軸方向32
とは異なる。よって、高分子液晶複合体層23Aの液晶
滴27A内の液晶分子は、基板21Aに対して略平行で
〔図6(e)参照〕、かつ、基板21Aに平行な面内で
は、図7に示すように、偏光軸方向32に配向してい
る。
【0048】次に、図6(f)に示すように、上層と下
層とが対向するように張り合わせて、周辺部を封止する
ことにより、液晶表示素子を作製した。これにより、上
層と下層とは、図9に示すように、基板に平行に面内で
液晶分子の配向方向が異なる液晶表示素子を得ることが
できた。なお、図9において、参照符号Aは基板の上方
から見た上層の液晶表示素子の配向方向であり、参照符
号Bは基板の上方から見た下層の液晶表示素子の配向方
向である。このようにして作成された液晶表示素子の特
性につき、本発明者が実験したところ、透過率85%、
コントラスト60:1、駆動電圧5Vであった。
【0049】本実施例によれば、液晶分子の配向は偏光
によりおこなっているため、液晶分子を基板に平行な方
向において完全にランダムに形成することはできないも
のの、各層毎に液晶の配向方向を異ならしめているた
め、実施例1よりは劣るものの、比較例1と比べれば優
れたコントラストの液晶表示素子を得ることができた。
【0050】(実施例3)実施例3は、実施例2おける
偏光紫外線の照射に代えて、偏光していない通常の紫外
線を照射し、かつ、その際に磁場を基板に水平に印加す
るものである。なお、磁場の強さは10Kガウスとし
た。顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡の観察結果は実施例
2と同じであった。また、このようにして作成された液
晶表示素子の特性につき、本発明者が実験したところ、
透過率87%コントラスト70:1、駆動電圧6Vであ
った。
【0051】この実施例においても、液晶分子を基板に
平行な方向において完全にランダムに形成することはで
きないものの、各液晶層毎に液晶の配向方向を異ならし
めているため、実施例1よりは劣るものの、比較例1と
比べれば優れたコントラストの液晶表示素子を得ること
ができた。
【0052】なお、上記実施例1〜実施例3では、2層
構造の液晶表示素子であったけれども、3層以上の積層
構造の液晶表示素子であってもよく、この場合は以下に
述べる工程により製造することができる。即ち、実施例
1に対応する3層以上の積層構造について説明すると、
先ず、一対の高分子液晶複合体層形成用ガラス基板間に
混合物を注入し、前記図4(c)及び図4(d)に示す
工程と同様な工程により中間層用高分子液晶複合体層を
形成する。その後、中間層用高分子液晶複合体層から、
一対の高分子液晶複合体層形成用ガラス基板を剥離し
て、単層の中間層用高分子液晶複合体層を製造する。そ
して、上記工程を層数に対応して行い、複数の中間層用
高分子液晶複合体層を得る。その後、上層の高分子液晶
複合体層23Aと下層の高分子液晶複合体層23B間
に、上記複数の中間層用高分子液晶複合体層を介在させ
て、各高分子液晶複合体層を貼り合わせる。こうして、
3層以上の積層構造の液晶表示素子が得られる。
【0053】実施例2及び実施例3に対応する3層以上
の積層構造についても、各層内の液晶分子が各層毎に異
なるように配向させることの他は、上記実施例1に対応
する3層以上の積層構造の製造と基本的に同様な方法で
製造することができる。
【0054】また、他の製造方法として、複数の高分子
液晶複合体層を予め製造しておき、一対の基板間に前記
複数の高分子液晶複合体層を介在させ、各高分子液晶複
合体層相互、及び、基板と高分子液晶複合体層相互を貼
り合わせるようにしてもよい。
【0055】また、上記実施例1〜実施例3において、
液晶に2色性色素を添加するようにしてもよい。この場
合、2色性色素で光を吸収するゲストホスト方式の液晶
表示素子となる。
【0056】また、上記実施例1〜実施例3において、
各層毎に異なる2色性色素を入れてもよく、また各層毎
の駆動電圧を異ならせてもよい。この場合マルチカラー
ディスプレイとなる。また、各層毎に液晶材料を異なら
せてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高分子液
晶複合体層を積層した高分子分散型液晶表示素子におい
て、各層における液晶滴内の液晶分子が、基板に対して
ほぼ平行に配向し、かつ、基板にほぼ平行に面内では各
層毎に異なる方向に配向しているため、十分な光の散乱
を行うことができ、結果としてコントラストの高い液晶
表示素子を得ることができる。
【0058】また特に、押圧による液晶滴の扁平化によ
り液晶の配向方向を制御することにより、液晶分子の基
板面内での方向をランダムに設定することができ、散乱
をより十分に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における液晶表示素子の概
略図である。
【図2】本発明の実施の形態における液晶表示素子の液
晶配向方向を示す概略図である。
【図3】本発明の実施例1における液晶表示素子の模式
化した断面図である。
【図4】本発明の実施例1における液晶表示素子の製造
工程図である。
【図5】図4(d)に示す状態における高分子液晶複合
体層23Bを上方から見た図である。
【図6】本発明の実施例2における液晶表示素子の製造
工程図である。
【図7】図6(d)に示す状態における高分子液晶複合
体層23Bを上方から見た図である。
【図8】図6(e)に示す状態における高分子液晶複合
体層23Aを上方から見た図である。
【図9】高分子液晶複合体層23Aと高分子液晶複合体
層23Bの液晶分子の配向方向を示す図である。
【符号の説明】
11 : 第1の高分子液晶複合体層 12 : 第2の高分子液晶複合体層 13 : 第3の高分子液晶複合体層 14A,14B,21A,21B : 基板 15,A,B : 液晶分子の配向方向 16,25A,25B : 液晶分子 17,24 : 積層体 18 : 高分子 19,27A,27B : 液晶滴 22A,22B : 透明電極 23A,23B : 高分子液晶複合体層 30 : 高分子液晶複合体層形成用基板 32 : 紫外線の偏光軸方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−248398(JP,A) 特開 平4−199024(JP,A) 特開 平6−102496(JP,A) 特開 平3−116018(JP,A) 特開 平7−261158(JP,A) 特開 平7−287214(JP,A) 特表 平5−500273(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子中に液晶滴を分散させた高分子液晶
    複合体層を複数積層して積層体とし、電極が形成されて
    いる一対の基板間に前記積層体を3層以上保持し、前記
    各高分子液晶複合体層中の液晶滴内の液晶分子が、前記
    基板に対してほぼ平行に配向されており、かつ、基板に
    ほぼ平行な面内では高分子液晶複合体層毎に互いに異な
    る方向に配向されていることを特徴とする高分子分散型
    液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記液晶滴の形状が、略棒状またはラグビ
    ーボール状であることを特徴とする請求項1に記載の高
    分子分散型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】高分子中に液晶滴を分散させた高分子液晶
    複合体層を3層以上積層して積層体とし、電極が形成さ
    れている一対の基板間に、前記積層体を保持した構造の
    高分子分散型液晶表示素子の製造方法であって、 前記一対の基板のうちの一方の基板と、高分子液晶複合
    体層形成用基板とを準備し、これらの基板間に、液晶材
    料と重合性材料とを含む混合物を注入する第1ステップ
    と、 前記第1ステップにより基板間に注入された前記混合物
    中の重合性材料を重合させ、これにより高分子と液晶と
    を相分離させて下層用高分子液晶複合体層を形成すると
    共に、この重合処理中において、下層用高分子液晶複合
    体層中の液晶滴内の液晶分子が、基板に対してほぼ平行
    な方向に配向し、かつ、基板にほぼ平行な面内では、予
    め定めた一方向に配向するように配向制御処理を行う第
    2ステップと、 前記第2ステップ後に、前記下層用高分子液晶複合体層
    から前記高分子液晶複合体層形成用基板を剥離して、一
    方の基板に下層用高分子液晶複合体層が固着された構造
    体を製造する第3ステップと、 前記一対の基板のうちの他方の基板と、高分子液晶複合
    体層形成用基板とを準備し、これらの基板間に、液晶材
    料と重合性材料を含む混合物を注入する第4ステップ
    と、 前記第4ステップにより基板間に注入された前記混合物
    中の重合性材料を重合させ、これにより高分子と液晶と
    を相分離させて上層用高分子液晶複合体層を形 成すると
    共に、この重合処理中において、上層用高分子液晶複合
    体層中の液晶分子が、基板に対してほぼ平行な方向に配
    向し、かつ、基板にほぼ平行な面内では、前記下層用高
    分子液晶複合体層の配向方向とは異なる方向に配向する
    ように配向制御処理を行う第5ステップと、 前記第5ステップ後に、前記上層用高分子液晶複合体層
    から前記高分子液晶複合体層形成用基板を剥離して、他
    方の基板に上層用高分子液晶複合体層が固着された構造
    体を製造する第6ステップと、 高分子液晶複合体層形成用の一対の基板間に、液晶材料
    と重合性材料とを含む混合物を注入する第8ステップ
    と、 前記第8ステップにより基板間に注入された前記混合物
    中の重合性材料を重合させ、これにより高分子と液晶を
    相分離させて中間層用高分子液晶複合体層を形成すると
    共に、この重合処理中において、中間層用高分子液晶複
    合体層中の液晶滴内の液晶分子が、基板に対してほぼ平
    行な方向に配向し、かつ、基板にほぼ平行な面内では、
    前記上層用及び下層用高分子液晶複合体層の配向方向と
    異なる方向に配向するように配向制御処理を行う第9ス
    テップと、 前記第9ステップ後に、前記中間層用高分子液晶複合体
    層から前記一対の高分子液晶複合体層形成用基板を剥離
    して、中間層用高分子液晶複合体層を製造する第10ス
    テップと、 前記第3ステップにより製造された構造体と、前記第6
    ステップにより製造された構造体の上層用及び下層用高
    分子液晶複合体層の間に、前記第10ステップにより製
    造された中間層用高分子液晶複合体層を介在させ、この
    状態で各高分子液晶複合体層を貼り合わせる第11ステ
    ップと、 を有することを特徴とする高分子分散型液晶表示素子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記第9ステップに代えて、複数の中間層
    用高分子液晶複合体層を形成すべく、第8ステップによ
    り基板間に注入された前記混合物中の重合性材料を重合
    させ、これにより高分子と液晶を相分離させて中間層用
    高分子液晶複合体層を形成すると共に、この重合処理中
    において、中間層用高分子液晶複合体層中の液晶滴内の
    液晶分子が、基板に対してほぼ平行な方向に配向し、か
    つ、基板にほぼ平行な面内では、前記上層用及び下層用
    高分子液晶複合体層の配向方向 と異なりかつ他の中間層
    用高分子液晶複合体層の配向方向とも異なる方向に配向
    するように配向制御処理を行う第12ステップと、 前記第8ステップと前記第12ステップと前記第10ス
    テップをこの順序で中間層用高分子液晶複合体層の層数
    だけ繰り返して、複数の中間層用高分子液晶複合体層を
    製造する第13ステップと、 前記第11ステップに代えて、前記第3ステップにより
    製造された構造体と、前記第6ステップにより製造され
    た構造体の上層用及び下層用高分子液晶複合体層の間
    に、前記第12ステップにより製造された複数の中間層
    用高分子液晶複合体層を介在させて、この状態で各高分
    子液晶複合体層を貼り合わせる第14ステップと、 を有することを特徴とする請求項3に記載の高分子分散
    型液晶表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】高分子中に液晶滴を分散させた高分子液晶
    複合体層を3層以上積層して積層体とし、電極が形成さ
    れている一対の基板間に、前記積層体を保持した構造の
    高分子分散型液晶表示素子の製造方法であって、 高分子液晶複合体層形成用の一対の基板間に、液晶材料
    と重合性材料とを含む混合物を注入する第1ステップ
    と、 前記第1ステップにより基板間に注入された前記混合物
    中の重合性材料を重合させ、これにより高分子と液晶を
    相分離させて高分子液晶複合体層を形成すると共に、こ
    の重合処理中において、高分子液晶複合体層中の液晶滴
    内の液晶分子が、基板に対してほぼ平行な方向に配向
    し、かつ、基板にほぼ平行な面内では、各高分子液晶複
    合体層毎に異なる方向に配向するように配向制御処理を
    行う第2ステップと、 前記第2ステップ後に、前記高分子液晶複合体層から前
    記一対の高分子液晶複合体層形成用基板を剥離して、高
    分子液晶複合体層を製造する第3ステップと、 前記第1ステップと前記第2ステップと前記第3ステッ
    プをこの順序で高分子液晶複合体層の層数だけ繰り返し
    て、複数の高分子液晶複合体層を製造する第4ステップ
    と、 一対の基板間に、前記第4ステップにより製造された複
    数の高分子液晶複合体 層を介在させ、この状態で各高分
    子液晶複合体層相互、及び、基板と高分子液晶複合体層
    相互を貼り合わせる第5ステップと、 を有することを特徴とする高分子分散型液晶表示素子の
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記第2ステップ、前記第4ステップ及び
    前記第9ステップにおける重合処理が紫外線照射による
    光重合であり、この紫外線が一方向に偏光された偏光紫
    外線であって、偏光紫外線の偏光方向を各高分子液晶複
    合体層毎に変化させることにより、液晶の配向制御処理
    を行うことを特徴とする請求項3に記載の高分子分散型
    液晶表示素子の製造方法。
  7. 【請求項7】前記第2ステップ、前記第4ステップ及び
    前記第12ステップにおける重合処理が紫外線照射によ
    る光重合であり、この紫外線が一方向に偏光された偏光
    紫外線であって、偏光紫外線の偏光方向を各高分子液晶
    複合体層毎に変化させることにより、液晶の配向制御処
    理を行うことを特徴とする請求項4に記載の高分子分散
    型液晶表示素子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記第2ステップにおける重合処理が紫外
    線照射による光重合であり、この紫外線が一方向に偏光
    された偏光紫外線であって、偏光紫外線の偏光方向を各
    高分子液晶複合体層毎に変化させることにより、液晶の
    配向制御処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の
    高分子分散型液晶表示素子の製造方法。
  9. 【請求項9】前記第2ステップ、前記第4ステップ及び
    前記第9ステップにおける重合処理が紫外線照射による
    光重合であり、この紫外線照射により液晶と高分子が相
    分離する際に、磁場または電場を各高分子液晶複合体層
    毎に異なる方向に印加することにより、液晶の配向制御
    処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の高分子分
    散型液晶表示素子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記第2ステップ、前記第4ステップ及
    び前記第12ステップにおける重合処理が紫外線照射に
    よる光重合であり、この紫外線照射により液晶と高分子
    が相分離する際に、磁場または電場を各高分子液晶複合
    体層毎に異なる方向に印加することにより、液晶の配向
    制御処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の高分
    子分散型液晶表示素子の製造方法。
  11. 【請求項11】前記第2ステップにおける重合処理が紫
    外線照射による光重 合であり、この紫外線照射により液
    晶と高分子が相分離する際に、磁場または電場を各高分
    子液晶複合体層毎に異なる方向に印加することにより、
    液晶の配向制御処理を行うことを特徴とする請求項5に
    記載の高分子分散型液晶表示素子の製造方法。
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